JP3982251B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調ケース内を複数の空気通路に仕切り、その複数の空気通路のそれぞれで独立した温調を行うことのできる車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、左右(例えば運転席側と助手席側)独立に空調設定を可変できる、いわゆる左右独立コントロールの車両用空調装置が増えている。この左右独立コントロールの車両用空調装置は、仕様として大きく分け、吹出空気温度のみならず空調空気の吹出モードも運転席側と助手席側とで独立に設定できる左右完全独立コントロールと、吹出モードは運転席側と助手席側とで共通で吹出空気温度のみ運転席側と助手席側とで独立に設定可能な左右独立温度コントロールとがある。
【0003】
前記の左右完全独立コントロールの車両用空調装置は、空調ケース内の送風通路を左右中央の仕切り板にて運転席と助手席とに仕切り、温度調節を行うエアミックスドアも吹出口を切り替える吹出口切替ドアも左右別々で構成して左右別々で駆動制御することとなる。
【0004】
これに対して、後記の左右独立温度コントロールの車両用空調装置は、空調ケース内の送風通路を左右中央の仕切り板にて運転席と助手席とに仕切り、温度調節を行うエアミックスドアは左右別々で構成して左右別々で駆動制御することは同じであるが、左右共通の吹出口切替ドアは、1枚のドアの中央に仕切り板を差し入れた状態で組み合わせ、左右何れかで駆動制御することとなる。
【0005】
この様な左右独立温度コントロールの車両用空調装置を組み立てる従来技術として、特開2001−253223号公報に示されるようなドア取り付け構造がある。これは、仕切り板に吹出口切替ドアの軸部を支持する軸支持部を設け、仕切り板で吹出口切替ドアを支持した状態で空調ケース内に組み付ける構造としたものであり、図8にその軸受部の構造を示す。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図8の従来の構造では、仕切り板7に設けられた軸支持部7aの開口部から吹出口切替ドアの軸部15a(軸部15aの断面のみ表す)を嵌め込む際、軸部15aを開口部に押し当てることにより開口部両脇の部分が外側に押し開かれ、軸部15aが軸支持部7aの中に嵌まるようになっている。
【0007】
しかし、押し当てる方向が多少ずれていたり、軸部15aの外面と開口部両脇の部分との滑りが多少悪かったりするだけで、開口部両脇の部分は外側に押し開かれず、逆に内側に押し込まれてかえって開口部が狭くなっしてしまい、嵌め込み難いという問題がある。
【0008】
また、この仕切り板での吹出口切替ドアの支持は、事前に組み合わせておいて同時に空調ケース内に組み付けるためのものであるため、軸支持部7aでの把持力を強くすると仕切り板に対する軸部15aの垂直度が上がり、空調ケースへは組み付け易くなるが、車両用空調装置として組み上がった後に吹出口切替ドアを回動する際に重くなることで問題である。
【0009】
また、軸支持部7aでの把持力を弱くし過ぎると、車両用空調装置として組み上がった後に吹出口切替ドアの回動が重くなるという問題は起こらないが、仕切り板に対する軸部15aの姿勢が定まらないことより、空調ケースへは組み付け難くなり二律背反である。
【0010】
本発明は、上記従来の問題に鑑みて成されたものであり、第1の目的は、軸支持部と軸部とを組み合わせ易くすることであり、第2の目的は、軸部の回動を重くすることなく軸支持部に対する軸部の垂直姿勢を保持できるようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0013】
請求項1記載の発明では、軸支持部(7a)の開口部脇に外方に開いた面を持つガイド部(7b)を軸支持部(7a)の外形状よりも突出させて設けるとともに、
軸支持部(7a)を仕切り板(7)の板厚と同じ厚みとし、
軸部(15a)を軸支持部(7a)に支持させた時に、軸回動ドア(15D、15F)の軸方向の位置決めを行うと共に、仕切り板(7)の板面に対して軸部(15a)を略直交した姿勢に保つ姿勢保持手段として、仕切り板(7)の両面と対向する姿勢保持用突出部(15b)を軸部(15a)に設け、
軸回動ドア(15D、15F)を空調ケース(2)に組み付ける場合に、軸部(15a)が仕切り板(7)の板面に対して傾こうとするとき、姿勢保持用突出部(15b)が仕切り板(7)の両面に接触することにより、軸部(15a)の傾きを防止することを特徴とする。
【0014】
これは、軸部(15a)の把持力を強めて軸支持部(7a)の内側円筒面に倣わせることで垂直度を上げるという発想ではなく、軸部(15a)に板(7)の両面と対向する突出部(15b)を設けることにより、軸部(15a)が傾こうとするとその突出部(15b)が板(7)の両面に接触して支えるため、傾きが防止されるというものである。
【0015】
よって、車両用空調装置として組み上がった後は、軸部(15a)が軸方向にずれようとした時に突出部(15b)が位置決めとして仕切り板(7)に接触することはあるにしても、軸部(15a)は両端を空調ケース(2)で支えられて仕切り板(7)に対して傾くことはないため、突出部(15b)が吹出口切替ドアの回動を重くするという問題はない。
【0016】
これにより、軸部(15a)の回動を重くすることなく軸支持部(7a)に対する軸部(15a)の垂直姿勢を保持することができるようになる。因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は空調ユニット1の内部構造を示す断面図であり、図2は本発明の第1実施形態における仕切り板とドアとを組み合わせた状態の平面図である。また、図3は図2中A部の詳細斜視図であり、図4は図3の軸支持部をシャフト軸方向から見た図である。
【0019】
本実施例の車両用空調装置は、運転席側と助手席側でそれぞれ独立に温度調節が可能な空調ユニット1を備える。空調ユニット1は、空調ケース2と、この空調ケース2内に収容される冷房用熱交換器3、暖房用熱交換器4、運転席側エアミックスドア5、助手席側エアミックスドア6(図示せず)、及び吹出口切替ドア(後述する)等より構成される。
【0020】
空調ケース2は、周知の送風機(図示せず)に接続され、その送風機より送られた空気を車室内へ送る空気通路を形成するもので、ケース内部が仕切り板7(図2参照)によって複数の空気通路として、運転席側送風通路8と助手席側送風通路9とに仕切られている(図3参照)。
【0021】
この空調ケース2には、送風空気の吹出口として、デフロスタ吹出口10、運転席側フェイス吹出口11、助手席側フェイス吹出口12、運転席側フット吹出口13、及び助手席側フット吹出口14等が設けられ、各吹出口がそれぞれ図示しないダクトを介して車室内の各所に開口する空気吹出口に連通している。
【0022】
尚、運転席側のフェイス吹出口11とフット吹出口13はそれぞれ運転席側ケースに設けられて運転席側送風通路8に開口し、助手席側のフェイス吹出口12とフット吹出口14はそれぞれ助手席側ケースに設けられて助手席側送風通路9に開口し、デフロスタ吹出口10はそれぞれ運転席側送風通路8と助手席側送風通路9の両方に開口している。
【0023】
仕切り板7は、空調ケース2内の冷房用熱交換器3より空気下流側に配されて、冷房用熱交換器3より空気下流側を運転席側送風通路8と助手席側送風通路9とに仕切っている。冷房用熱交換器3は、冷凍サイクルの冷媒蒸発器であり、内部を流れる低温冷媒との熱交換によって冷房用熱交換器3を通過する空気(送風機より送風された空気)を冷却する。
【0024】
暖房用熱交換器4は、エンジン冷却水(温水)を熱源として暖房用熱交換器4を通過する空気(冷房用熱交換器3で冷却された空気)を加熱する。エアミックスドア5・6は、暖房用熱交換器4に隣接して配され、ドア開度に応じて暖房用熱交換器4を通過する空気量と暖房用熱交換器4をバイパスする空気量との割合を調節する。
【0025】
但し、このエアミックスドア5・6は、運転席側送風通路8と助手席側送風通路9の両方に配設され、それぞれ個別のアクチュエータ(図示せず)によって独立に回転駆動される。従って、運転席側と助手席側とでそれぞれ運転席側エアミックスドア5と助手席側エアミックスドア6の開度を独立に制御することにより、運転席側と助手席側の吹出温度を別々に調節することができる。
【0026】
吹出口切替用としての軸回動ドア15D・15Fは、選択された吹出口モードに応じて各吹出口を切り替えるもので、デフロスタ吹出口10を開閉するデフロスタドア15Dと、両フェイス吹出口11・12と両フット吹出口13・14とを切替開閉するフェイス・フットドア15Fとが設けられている。
【0027】
また、デフロスタドア15Dとフェイス・フットドア15Fは、図示しないリンク機構を介してアクチュエータ(例えばサーボモータ)によって連動駆動される。また、これらのドアのアクチュエータは、図示しない電子制御装置(ECU)によって通電制御される。
【0028】
次に、本実施形態の作動を説明する。
【0029】
a)空調モードがエアミックス運転の時。
【0030】
送風機より空調ユニット1へ送られた空気は、冷房用熱交換器3を通過する際に冷却され、エアミックスドア5・6の開度に応じて暖房用熱交換器4を通過する空気と暖房用熱交換器4をバイパスする空気とに分かれた後、暖房用熱交換器4を通過して加熱された温風と暖房用熱交換器4をバイパスした冷風とが合流して温度調節され、吹出口モードに応じて開口する所定の吹出口より車室内へ吹き出される。
【0031】
b)空調モードが最大暖房運転の時。
【0032】
エアミックスドア5・6が暖房用熱交換器4の入口側を全開することにより、冷房用熱交換器3を通過して冷却された空気が全て暖房用熱交換器4を通過する際に加熱され、主にフット吹出口13、14より車室内(乗員の足元)へ吹き出される。
【0033】
c)空調モードが最大冷房運転の時。
【0034】
エアミックスドア5・6が暖房用熱交換器4の入口側を全閉することにより、冷房用熱交換器3を通過して冷却された空気が全て暖房用熱交換器4をバイパスして流れ、フェイス吹出口11、12より車室内(乗員の上半身)へ吹き出される。
【0035】
次に、本発明の特徴を述べる。図2に示すように、本発明の車両用空調装置は仕切り板7に、一部が外方に開口しており、その開口部より吹出口切替ドア15D・15Fの軸部15aを嵌め込むことによりその軸部15aを取り囲んで支持する軸支持部7aを備えており、その軸支持部7aを用いて吹出口切替ドア15D・15Fを仕切り板7と組み合わせて空調ケース2内に組み付ける構造となっている。
【0036】
そして、図3、図4に示すように、軸支持部7aの開口部脇に外方に開いた面を持つガイド部7bを軸支持部7aの外形状(図4中の二点鎖線)よりも突出させて設けている。これにより、軸部15aを軸支持部7aの開口部に押し当てて嵌め込む際、押し当てる方向が多少ずれていたり、軸部15aの外面と開口部両脇の部分との滑りが多少悪くても、ガイド部7bが開口部両脇の部分を外側に押し開くように働くため、軸支持部7aに軸部15aを嵌め易く、組み合わせ易いものなる。
【0037】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態における仕切り板7の軸支持部7aと軸部15aの詳細斜視図であり、分かり易くするためにドアの板部分は省略して軸部分だけで示してある。また、図6は仕切り板7とドア15F(15D)とを組み合わせた状態をシャフト軸方向に垂直な方向から見た図である。
【0038】
上述の第1実施形態では、軸支持部7aを軸方向に幅を持たせた略円筒状としていたのに対して、本実施形態では図5に示すように、軸支持部7aを仕切り板7の板厚と同じ厚みとしている。そして、開口部脇にガイド部7bを設けているのは第1実施形態と同じである。
【0039】
本実施形態では図5、図6に示すように、軸部15aを軸支持部7aに支持させた時に、吹出口切替ドア15D、15Fの軸方向の位置決めを行うと共に、仕切り板7の板面に対して軸部15aを略直交した姿勢に保つ姿勢保持手段として、仕切り板7の両面と対向する姿勢保持用突出部15bを軸部15aに設けている。
【0040】
これは、例えば第1実施形態のような略円筒状の軸支持部7aの形状で、軸部15aの把持力を強めて軸支持部7aの内側円筒面に倣わせることで垂直度を上げるという発想ではなく、軸部15aに板7の両面と対向する突出部15bを設けることにより、軸部15aが傾こうとするとその突出部15bが板7の両面に接触して支えて傾きを防止しようというものである。
【0041】
よって、車両用空調装置として組み上がった後は、軸部15aが軸方向にずれようとした時に突出部15bが位置決めとして仕切り板7に接触することはあるにしても、軸部15aは両端を空調ケース2で支えられて仕切り板7に対して傾くことはないため、突出部15bが吹出口切替ドアの回動を重くするという問題はない。これにより、軸部15aの回動を重くすることなく軸支持部7aに対する軸部15aの垂直姿勢を保持することができるようになる。
【0042】
尚、この姿勢保持用突出部15bは、必ずしも軸回り全周に円盤状で設ける必要はない。これは、図6に示すように、仕切り板7とドア15F(15D)とを組み合わせた状態で空調ケース2の中へ重力に倣った方向で組み付ける場合、ドア15F(15D)の重心に対して保持している軸部15aはオフセットしているため、必ず図中の矢印方向に傾こうとするモーメントが発生する。よって、姿勢保持用突出部15bを図6の向きに交互に突出させれば、仕切り板7の両面に接触して支え、有効に傾きを防止することができる。
【0043】
(その他の実施形態)
図7は、軸支持部7aのその他の実施形態を示す図である。軸支持部7aは必ずしも円筒状でなくとも、例えば(a)の略三角状であったり、(b)の略四角状であっても良い。また、図8のような円筒状であっても、図3のガイド部7bの両端のように、開口部の両端に発生する角部をR形状にすることにより、軸部15aを嵌め易くしても良い。
【0044】
また、上述の実施形態では、軸支持部7aは仕切板7に一体で形成されているが、これに限らず、別体の軸支持部品で仕切板7と吹出口切替ドア15D、15Fとを係合させる構造のものであっても良い。
【0045】
また、上述の実施形態では、軸支持部7aは仕切板7側に形成されているが、吹出口切替ドア15、16の回動に支障のない範囲(略吹出口切替ドア15D、15Fの厚み内)で吹出口切替ドア15D、15F側に仕切板7に係合する形状を設けても良い。
【0046】
また、上述の実施形態では、軸回動ドアとして一般的な板ドアを用いているが回転軸を持つドアであればこれに限るものではなく、例えば板ドア部の中央付近に回転軸を配置したバタフライドアや、回転軸に対する円弧面をドア面としたロータリードア等であっても良い。
【0047】
更に、軸回動しない面スライドドア、例えば膜状部材のフィルムドアや、もう少し腰のある薄板部材等のフレキシブルドアや、剛性のある枠体にフィルム等を組み合わせたスライドドア等であっても、フィルムを巻き取る回転軸や、フレキシブルドやスライドドアを駆動する回転軸等の組み付けに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わる空調ユニットの内部構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態における仕切り板とドアとを組み合わせた状態の平面図である。
【図3】図2中A部の詳細斜視図である。
【図4】図3の軸支持部をシャフト軸方向から見た図である。
【図5】本発明の第2実施形態における仕切り板の軸支持部と軸部の詳細斜視図である。
【図6】仕切り板とドアとを組み合わせた状態をシャフト軸方向に垂直な方向から見た図である。
【図7】(a)、(b)とも軸支持部のその他の実施形態を示す図である。
【図8】従来の軸支持部をシャフト軸方向から見た図である。
【符号の説明】
2 空調ケース
7 仕切り板
7a 軸支持部
7b ガイド部
8 運転席側送風通路(空気通路)
9 助手席側送風通路(空気通路)
15D デフロスタドア、吹出口切替ドア(軸回動ドア)
15F フェイス・フットドア、吹出口切替ドア(軸回動ドア)
15a 軸部
15b 姿勢保持用突出部(姿勢保持手段)
Claims (1)
- 空調ケース(2)内を複数の空気通路(8、9)に仕切る仕切り板(7)と、
前記複数の空気通路(8、9)のそれぞれに、中を流れる空気の流れを変化させるための軸回動ドア(15D、15F)と、
前記仕切り板(7)に、一部が外方に開口しており、その開口部より前記軸回動ドア(15D、15F)の軸部(15a)を嵌め込むことによりその軸部(15a)を取り囲んで支持する軸支持部(7a)とを備え、
その軸支持部(7a)を用いて前記軸回動ドア(15D、15F)を前記仕切り板(7)と組み合わせて前記空調ケース(2)内に組み付ける構造の車両用空調装置において、
前記軸支持部(7a)の前記開口部脇に外方に開いた面を持つガイド部(7b)を前記軸支持部(7a)の外形状よりも突出させて設けるとともに、
前記軸支持部(7a)を前記仕切り板(7)の板厚と同じ厚みとし、
前記軸部(15a)を前記軸支持部(7a)に支持させた時に、前記軸回動ドア(15D、15F)の軸方向の位置決めを行うと共に、前記仕切り板(7)の板面に対して前記軸部(15a)を略直交した姿勢に保つ姿勢保持手段として、前記仕切り板(7)の両面と対向する姿勢保持用突出部(15b)を前記軸部(15a)に設け、
前記軸回動ドア(15D、15F)を前記空調ケース(2)に組み付ける場合に、前記軸部(15a)が前記仕切り板(7)の板面に対して傾こうとするとき、前記姿勢保持用突出部(15b)が前記仕切り板(7)の両面に接触することにより、前記軸部(15a)の傾きを防止することを特徴とする車両用空調装置。
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| JP2001378724A JP3982251B2 (ja) | 2001-12-12 | 2001-12-12 | 車両用空調装置 |
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