JP3995809B2 - マンホール蓋のロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マンホールの蓋板が跳ね上がったり外れたり、部外者によって開けられたりしないように、マンホール蓋をマンホール枠に係止するロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マンホールは地中に設けた下水道やケーブル配線用の横孔に繋がる縦孔であり、その縦孔の上端の地表面のところにマンホール蓋が設けられる。この縦孔はコンクリート製のマンホール用ブロックによって形成され、マンホール用ブロックの上端に通常は鋳鉄製のマンホール枠が固定され、マンホール蓋はこのマンホール枠に嵌め込んだ状態で固定されている。マンホール蓋はがたついたり蓋の周囲から雨水が浸入したりしないように、しっかりと固定する必要がある。そこで通常は、マンホール枠の上端内周とマンホール蓋の外周に形成した円錐面相互の嵌合により、マンホール蓋が装着されるようにしている。
【0003】
マンホール蓋がこのような構造で装着されているため、通常はマンホール蓋ががたついたり外れたりすることはない。しかしマンホール内にガスが充満して内圧がかかった場合など、マンホール蓋が跳ね上がったり外れたりする危険があり、また部外者が簡単にマンホール蓋を開けることができると、いたずらなどによってマンホール蓋が開けられ、人や物がマンホール内に落下する危険が生じたり、地下の横孔に配置されているケーブルなどが損傷される虞が生ずる。そこでマンホール蓋にロック装置を設けて、マンホール蓋が開放されないようにしている。
【0004】
マンホール蓋のロック装置は、自動車や金庫のドアのロック装置のように複雑な構造にする必要はなく、屋外で保守されないまま長期間放置されることも多いので、耐久性に優れた簡単な構造のものが望ましい。通常このロック装置は、マンホール蓋の裏側に設けた爪や舌片のようなものを外周に突出させてマンホール枠の内側に設けたフランジないし下向段部と係合させることにより、マンホール蓋がマンホール枠から外れるのを防止する構造である。ロック片(爪ないし舌片)の進退はマンホール蓋に設けた操作ピンを回動させることによって行われる構造が多く採用されており、ロック片を操作ピンの下端に固定して、操作ピンを回動させたときロック片が円弧揺動して進退する構造や、ロック片をリンクを介して操作ピンに連結して、操作ピンを回動したときに複数のロック片が同期進退する構造等が提唱されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにマンホール蓋のロック装置は、種々の構造のものが可能であるが、マンホール内の圧力が高くなったときにその圧力を大気開放する機能を備え、振動等によってロック片が退避しない構造で、さらに部外者が簡単にロックを解除することができず、マンホール内に閉じ込められた人がマンホール蓋の下面からロック解除でき、さらに構造が簡単で保守点検の必要がないことが要求されるので、従来提供されている種々のロック構造が必ずしも充分満足すべきものとは言えなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、マンホール枠1の上端内側に形成された円錐面に嵌合する円錐外周面を備えたマンホール蓋の下面に装着したロック片11を前記マンホール枠の上端部内周に形成した内フランジないし下向き段部3の下に進出してマンホール蓋の開放を防止するロック装置において、マンホール蓋4を上下に貫通する上端部が大径の段付貫通孔6と、この段付貫通孔に挿通された上端に方向性を有するツール挿入凹所15を設けた大径頭部7を有する操作ピン8と、段付貫通孔の段部6aと操作ピンの大径頭部7との間で弾性圧縮状態で挟持されているゴム質のリング10と、操作ピンの下端に相対回動不能に固定された上向き面に突部ないし切欠部を有するロック片11と、マンホール蓋の下面の段付貫通孔のまわりの部分に前記ロック片の突部ないし切欠部と嵌合するべく設けられた切欠部ないし突部とを備えた、マンホール蓋のロック装置を提供するものである。
【0007】
この発明は、更に、マンホール蓋4に段付貫通孔の上端大径部6bと蓋下面とを連通する開放口19を設けると共に、操作ピン8にツール挿入凹所15と大径頭部7の周囲とを連通する溝20を設けた構造のマンホール蓋のロック装置を提供するものである。また上記構造のロック装置のより好ましい構造として、操作ピンの大径頭部7の上端に設けたツール挿入凹所15を矢印形状とし、その矢印の方向と操作ピンの下端に固定したロック片11の延在方向とを一致させた構造を提案している。
【0008】
【作用】
円錐面相互の嵌合によって装着されているマンホール蓋を開け閉めする作業者は、通常バールを用いて、てこ作用による倍力を利用して固く嵌合しているマンホール蓋の開放を行っている。この発明の構造では、操作ピンの大径頭部の上面に形成したツール挿入凹所の断面形状に合致した断面形状の突片をバールの端部に溶接しておけば、その突片をマンホール蓋の操作ピンの大径頭部に挿入し、上から押し下げてゴム質のリング10をさらに弾性圧縮することにより操作ピン8を若干下方に移動させて、ロック片の突部ないし切欠部と段付貫通孔周囲の切欠部ないし突部との嵌合を外し、この状態でバールを回動することにより、ロック片を進出または退避させてロック及びその解除を行う。
【0009】
ツール挿入凹所を特殊な断面形状のものとしておけば、ゴム質のリング10を圧縮してその摩擦力が作用している状態で回動させる操作なので、一般的なツールでは操作ピンを回動することが非常に困難で、従って部外者がみだりにマンホール蓋を開けるのを防止できる。
【0010】
ゴム質の弾性リング10は、復元しようとする弾性によって、ロック片の突部ないし切欠部と段付貫通孔周囲の切欠部ないし突部との嵌合を維持して、振動等によって自然にロック片11が退避するのを防止し、また前述したように操作ピンの回動にある程度の抵抗を与え、さらに操作ピンと段付貫通孔の間を密封するという三種類の作用を発揮している。
【0011】
ロック片11は、その突部ないし切欠部と段付貫通孔6の周囲の切欠部ないし突部との嵌合によって、ロック片11を進出位置で固定する。開放口19及び溝20は、ツール挿入凹所15とその周囲に堆積した土砂を雨水と共にマンホール内部へ流出させるもので、蓋を開く時の土砂を取り除く手間を省くことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図1ないし図4を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1のマンホール枠はマンホール用ブロックに固定される外枠と、当該外枠内に上下かつ傾動自在に嵌装された内枠1とを備えており、内枠1の上端内周面に円錐内周面2が形成され、その直下の部分に下向段面3が形成されている。
【0013】
マンホール蓋4は鋳鉄製で、前記円錐内周面2と嵌合する円錐外周面5を備えている。マンホール蓋4の外周に近接した位置の二箇所(図には一箇所のみを示す)に、上下方向に貫通する段付貫通孔6が設けられている。段付貫通孔6は上端部が大径の円孔6bで、その径が変わる部分に上向きの段面6aが形成されている。マンホール蓋4の下面の段付貫通孔6の周囲の部分は、下方に若干突出している。
【0014】
段付貫通孔6には上端に大径の頭部7を有する操作ピン8が挿通されている。操作ピン8の先端には、2面間の幅が直径より小さい小判状の短い突起13があり、先端軸心にねじ孔9が設けられている。この操作ピンは、ウレタンゴム等の合成ゴムで成形したリング10を大径頭部7の首下に嵌装して段付貫通孔6に挿通し、先端にロック片11をねじ18で固定して装着されている。ロック片11はその上面中央に浅い切欠溝12を備えており、この溝が操作ピン8の先端の小判状の短い突起13と嵌合して、操作ピンに対するロック片の相対回動が阻止されている。
【0015】
一方、マンホール蓋4の下面の段付貫通孔6の周囲の部分には、図3に示すように、段付貫通孔を挟むようにして両側に半径方向の切欠溝14が設けられている。ロック片11が半径方向外側を向いたとき、ロック片の上面の幅方向両側の土手状になった突条16が、前記切欠溝14に嵌合して、ロック片11の外向き状態すなわち進出状態を保持する。
【0016】
段付貫通孔6の段面6aと操作ピンの大径頭部7との間に介装されたゴム質のリング10は、若干押し潰された状態となっており、操作ピン8を上方に付勢してロック片11と切欠溝14との嵌合が外れないようにしている。なお、ロック片11の縮退位置は進出位置より約90度回動した位置であり、この位置より余分に回動させないためのストッパ17がロック片11の突条16に当接するように段付貫通孔の下面に突出している。
【0017】
図1はロック片が進出している状態での部分断面を示したもので、進出したロック片の先端上面とマンホール枠に設けたロック片と係合する下向段面3との間にはある程度の間隙がある。マンホール内にガスが充満した場合など、その内圧でこの間隙の分だけマンホール蓋が持ち上げられて円錐嵌合面に隙間が開き、マンホール内の圧力が開放される。
【0018】
操作ピンの大径頭部7の上面には、図2に示すような矢印形の凹所15が形成されており、この凹所にちょうど挿入される断面形状の突片をマンホールの開閉に使うバールの端部に溶着しておく。図2の閉鎖状態からバールに取り付けた突片を前記矢印形の凹所15に挿入し、バールを押し下げると、ゴム質のリング10が圧縮されて操作ピン8が下動し、ロック片の突条16と段付貫通孔周囲の切欠溝14との嵌合が外れる。そこでバールを押しつけたまま回動させれば、ロック片11は操作ピン8まわりに回動して、図2の二点鎖線のようにマンホール枠の下向段面3から退避するので、後は通常のマンホール蓋を開く場合と同様に、バールを図示しないマンホール枠のフックに引っ掛けて、てこ作用を利用してマンホール蓋を開く。
【0019】
マンホール蓋を閉めるときは、マンホール蓋をマンホール枠に嵌着した後、バールの突片を矢印形の凹所に挿入して、操作ピンを回動する。ロック片が進出してマンホール枠の下向段部3の下に入り込むと、ロック片の突条16と段付孔周囲の切欠溝14とが嵌合して、ゴム質のリング10の弾性により当該進出状態が保持される。矢印形の凹所15はこのとき矢印が半径方向外側を向き、ロック片が進出状態となっていることが外部から確認できる。
【0020】
図4は気密性を必要としない下水道用のロック装置の断面図で、操作ピン8上端のツール挿入凹所とその周囲に堆積した土砂を蓋4の段付貫通孔6の上端大径部6bに繋がる開放口19より雨水と共にマンホール内部へ流出するようにしたものであり、蓋を開く時の土砂を取り除く手間を省いた実施例である。ツール挿入凹所には、図2のように当該凹所より大径頭部7の周囲へ土砂、水を流出する案内溝20を操作ピンに設ける。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ロック片が進出している状態のロック装置の断面正面図
【図2】 図1の平面図
【図3】 図1の断面側面図
【図4】 マンホール内部へ水、土砂を流出するようにしたロック装置の断面正面図
【符号の説明】
1 マンホール枠
3 段部
4 マンホール蓋
6 段付貫通孔
6a 段付貫通孔の段部
7 大径頭部
8 操作ピン
10 リング
11 ロック片
15 ツール挿入凹所
Claims (2)
- マンホール枠(1)の上端内側に形成された円錐面に嵌合する円錐外周面を備えたマンホール蓋の下面に装着したロック片(11)を前記マンホール枠の上端部内周に形成した内フランジないし下向き段部(3)の下に進出してマンホール蓋の開放を防止するロック装置において、
マンホール蓋(4)を上下に貫通する上端部が大径の段付貫通孔(6)と、この段付貫通孔に挿通された上端に方向性を有するツール挿入凹所(15)を設けた大径頭部(7)を有する操作ピン(8)と、段付貫通孔の段部(6a)と操作ピンの大径頭部(7)との間で弾性圧縮状態で挟持されているゴム質のリング(10)と、操作ピンの下端に相対回動不能に固定された上向き面に突部ないし切欠部を有するロック片(11)と、マンホール蓋の下面の段付貫通孔のまわりの部分に前記ロック片の突部ないし切欠部と嵌合するべく設けられた切欠部ないし突部と、前記段付貫通孔の上端大径部 (6b) と蓋下面とを連通する開放口 (19) と、操作ピンのツール挿入凹所 (15) と大径頭部 (7) の周囲とを連通する溝 (20) とを備えた、マンホール蓋のロック装置。 - 操作ピンの大径頭部(7)の上端に矢印形状のツール挿入凹所(15)を備え、この矢印の方向と操作ピンの下端に固定したロック片(11)の延在方向とを一致させた、請求項1記載のマンホール蓋のロック装置。
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