JP4004657B2 - 飲料抽出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水出しコーヒー、麦茶、冷茶(緑茶)などの飲料の抽出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の飲料抽出方法、例えばコーヒーの抽出方法には、「ドリップ」、「サイフォン」、「エスプレッソ」等の熱湯を使用するもの、また、「水出し」と呼ばれる常温の水を使用するものがある。この「水出し」の抽出方法は、ウォータードリップもしくはダッチ式と呼ばれる。
この「水出し」により入れられたコーヒーは、香りが逃げず、また、良質な甘味と柔らかい苦みが引き出せるために、コーヒー愛好家に人気がある。
この様な「水出し」によるコーヒー(以下、単に水出しコーヒーという。)を抽出する従来の抽出装置は、ガラス製の水貯留槽と、この水貯留槽の下方に配置したガラス製の抽出槽と、抽出槽の流出口から流出した抽出液を受ける容器とから概略構成されている。この抽出装置により水出しコーヒーを抽出するには、抽出槽内にコーヒー粉を入れておき、水貯留槽の出口に設けてある流量調整弁を調整することにより極く少量の水を抽出槽内に間欠的に滴下させ、抽出槽から極く僅かずつ滴下する抽出液、すなわち水出しコーヒーを容器内に溜める。
【0003】
また、麦茶を抽出する方法には、炒った大麦を熱湯で煮出す方法と、加熱することなく単に水に浸して抽出する方法とがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、水出しコーヒーの抽出は、他の抽出では醸し出せない香りと味わいが出せるという利点がある反面、抽出に長時間(例えば8〜24時間)を要するという問題点があった。このため、コーヒー店においては、開店前に抽出しておかなければならず、開店準備が面倒であり、また、水出しコーヒーの品質の管理が煩雑であった。また、抽出所要時間が長すぎるので、お客様の注文を受けてから抽出するということは到底できなかった。したがって、水出しコーヒーの風味が優れており、顧客のニーズに合致していることが分かっていても、これを営業品目として採り入れることは極めて困難であった。
【0005】
また、麦茶に代表される冷飲料にあっては、香を尊重すると熱湯で煮出して抽出することとなり、抽出後に自然冷却してから冷蔵庫で冷却して飲まなければならず、手間が掛かっていた。冷茶も同様に、抽出時には熱湯を用いるので、抽出後に別途冷却することが必要であった。
【0006】
そこで、本発明は、水出しコーヒーなどの飲料の抽出を短時間で簡単に行える飲料の抽出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであり、水の通過を防止して空気の通過を許容する通気部を有する抽出袋体を収容可能な減圧容器と、
この減圧容器内を減圧する真空ポンプと、
減圧容器内に配設され、抽出袋体の開口部を封止する封止機構と、を備えた飲料抽出装置であって、
抽出原料と水を入れた抽出袋体を減圧容器内の抽出袋体支持部上に載せて収容した状態で封止機構により抽出袋体の開口部を封止して、減圧容器内を減圧することにより、抽出袋体内の空気を前記通気部から脱気しながら抽出することを特徴とする飲料抽出装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、水出しコーヒーの抽出を例に挙げて図面に基づいて説明する。
図1は蓋体を開放した状態の水出しコーヒー抽出装置1の操作前面側から見た斜視図、図2は蓋体を閉じた状態の抽出装置1の断面図、図3は減圧容器2の減圧容器本体2aの斜視図、図4は抽出袋体3の斜視図である。
【0009】
図1および図2に示すように、水出しコーヒー抽出装置1は、筐体4の上部に減圧容器2を傾斜した状態で設け、この減圧容器2の内部には抽出袋体3の開口部3aを封止する封止機構を設け、減圧容器2の下方の筐体4内に真空ポンプ5、電源装置等を設け、減圧容器2の傾斜上端側に位置する筐体4の側面に操作パネル6、およびこの操作パネル6の裏面側に制御装置7を設けてある。すなわち、本発明における減圧容器2内は、作業者に対向する操作前面側を高く反対側を低くなるように傾斜させてある。
【0010】
この減圧容器2は、底部が傾斜して上面が開口した金属製箱状体の減圧容器本体2aと、この減圧容器本体2aの上面開口を密閉する蓋体2bとからなり、低い側に設けたヒンジ機構9により蓋体2bを減圧容器本体2aに対して開閉自在に支持し、高い側に設けたロック機構10により蓋体2bを閉止状態でロックでき、透明板材で塞いだ蓋体2bの窓11から減圧容器本体2aの内部を確認できるように構成してある。
【0011】
また、減圧容器本体2aの底面部に開口した排気口12に、真空ポンプ5の吸引口に一端を接続した吸引側流路の他端を接続する。したがって、減圧容器本体2aの上面開口に蓋体2bを被せて減圧容器2を閉じた状態で真空ポンプ5を作動すると、減圧容器本体2aと蓋体2bとによって囲繞された減圧室13内の空気を排気口12から外部に排出することができ、これにより減圧室13内を真空近くまで減圧することができる。
なお、減圧容器本体2aの開口縁に対応する蓋体2bの下面にシール材14を設け、減圧室13の気密性を確実にしてある。
【0012】
減圧容器本体2a内には、図3に示すように、抽出原料としてのコーヒー豆と水を入れた抽出袋体3の開口部3aが封止機構に位置するように、底部の傾斜上方側に封止機構を、傾斜下方側には袋体ストッパ15を設ける。この袋体ストッパ15は、抽出袋体3の底部3b側(開口部3aとは反対側)を支持して開口部3aを封止機構に位置させるストッパであり、減圧容器本体2aの傾斜方向に直交する方向に配設され、抽出袋体3のサイズに応じて位置調整可能である。具体的には、傾斜した減圧容器本体2aの内部両側面に、縦方向に形成された複数の溝16のいずれかに板状の袋体ストッパ15の両端を嵌合させることによりセットされ、嵌合させる溝16の位置により抽出袋体3の開口部3aと封止機構との位置関係を調節できるように構成してある。したがって、この袋体ストッパ15の位置を調整することにより、開口部3aから底部3bまでの長さが異なる抽出袋体3であっても支障なく使用することができる。
【0013】
本実施形態では、この位置調整可能な袋体ストッパ15と、一定の角度で傾斜した減圧容器本体2aの底面部とにより、本発明における抽出袋体支持部の主要部が構成され、この抽出袋体支持部により、減圧容器2内に収容した抽出袋体3の開口部3aを抽出袋体3の底部側よりも高い位置で支持することができる。したがって、容積の大きい(開口部3aから底部3bまでの寸法を伸長して長手方向に容積を増大した)抽出袋体3を減圧容器本体2aに収容する場合は、この袋体ストッパ15の位置を傾斜下方側に調節することで抽出袋体支持部の開口部3aの位置を変えることなく減圧容器2内に収容できる。
【0014】
また、抽出袋体支持部は、収容した抽出袋体3の開口部3aを抽出袋体3の底部側よりも高い位置で支持するので、抽出袋体3に入れられた内容物を減圧容器2内にこぼすことがない。さらに、減圧容器本体2aはほぼ同じ深さに形成し、筺体の上面開口縁を操作前面側から下り傾斜させて形成してあるので、減圧容器本体2aを筐体4に取り付けると、減圧容器2の底面部は、操作前面側が高く、反対側が低くなる方向に傾斜する。したがって、この構成からも減圧容器2内に収容した抽出袋体3に入れられた内容物を減圧容器2内にこぼすことがない。
【0015】
上述した構成からなる減圧容器2の減圧室13の傾斜上端近くに封止機構を設けてある。この封止機構は、減圧容器本体2a側に昇降可能に設けられ、減圧室13の幅方向に長尺な下ヒーターブロック20と、蓋体2bの下面側に固定され、減圧室13の幅方向に長尺な上ヒーターブロック21とを対向する位置に配設し、対向した両ヒーターブロック20,21の端部に熱線を取り付けてなり、下ヒーターブロック20が加圧シリンダ22の駆動により上ヒーターブロック21側に圧接するように構成されている。なお、下ヒーターブロック20は、減圧容器本体2aの底面部から上方に起立したブロック状の部材なので、抽出袋体3の開口部3a側を載せた場合には、この開口部3aを抽出袋体3の底部側よりも確実に高い位置で支持することになる。したがって、本実施形態では下ヒーターブロック20も抽出袋体支持部の一部として機能している。
【0016】
加圧シリンダ22は、ピストン23が戻しスプリング24により下向きに付勢され、このピストン23によりシリンダ内を上方の第1室と下方の第2室とに区画され、第2室は開放孔25を介して外気と連通し、第1室は、分岐流路を介して真空ポンプ5の吸引側流路に接続されている。
【0017】
したがって、分岐流路の途中の電磁弁26を作動させて真空ポンプ5の吸引側流路とシリンダの第1室を連通させた状態で真空ポンプ5を作動すると、第1室が負圧化されてピストン23が戻しスプリング24の付勢に抗して上昇し、これにより下ヒーターブロック20が上昇して上ヒーターブロック21に圧接し、この状態で熱線により加熱すると、間に挟んだ抽出袋体3を加熱圧着して封止(ヒートシールによる密封)することができる。そして、電磁弁26を作動させて第1室を外気と連通させると、ピストン23が戻しスプリング24の付勢によって下降し、これにより下ヒーターブロック20が元の位置に戻って抽出袋体3の開口部3aの封止動作がすべて終了する。
【0018】
この様に、図面に示す封止機構は、下ヒーターブロック20、上ヒーターブロック21及び加圧シリンダ22から構成され、下ヒーターブロック20が下封止部として、上ヒーターブロック21が上封止部として機能する。
【0019】
図4に示すように、コーヒー豆と水を入れる抽出袋体3は、縦長のヒートシール可能な透明樹脂製であり、長手方向の一端が予め封止されて底部側となり、他端にコーヒー豆と水を入れるための開口部3aが形成されている。さらに、水の通過を防止して空気の通過を許容する通気性のある通気部30が表裏いずれか一方の側面のほぼ中央に抽出袋体3の長手方向に沿って帯状に形成されている。本実施形態における通気部30は、紙繊維に樹脂を含浸したシート状であり、抽出袋体3を構成している他の透明樹脂部分とヒートシール可能である。なお、この抽出袋体3は、水の通過を防止して空気の通過を許容する通気部30を有すればどのような構成の袋体でもよく、通気部30の位置も適宜設定することができる。
【0020】
制御装置7は、ROM、RAM及びCPU等が内蔵されたワンチップマイクロコンピュータと、入力インターフェイス及び出力インターフェイス等からなり、真空ポンプ5、封止機構に設けられる熱線、電磁弁26、各種センサおよび操作パネル6に設けられた各種操作スイッチを制御するものである。ROMには、抽出袋体3に入れられたコーヒー豆と水からコーヒー成分を抽出するための制御プログラムが格納されている。なお、制御装置7はマイクロコンピュータを使用したものに限らずハードロジック回路により構成してもよい。
【0021】
次に、水出しコーヒー抽出装置1を使用して水出しコーヒーを抽出する抽出方法を説明する。なお、図5に示すグラフは、真空ポンプ5により減圧される減圧容器2内の減圧値(点線)と減圧容器2内に収容した抽出袋体3内の減圧値(実線)を時間の経過とともに表したものである。
【0022】
まず、抽出袋体3の開口部3aからコーヒー豆(挽いたコーヒー豆)と水を抽出袋体3に入れ、減圧容器2の蓋体2bを開けて、図6に示すように、抽出袋体3の底部3bを袋体ストッパ15で支えながら減圧容器本体2aの底部上に寝かせて開口部3aを下ヒーターブロック20上に載せる。なお、抽出袋体3の開口部3aが開いていても、抽出袋体支持部が抽出袋体3の開口部3aを抽出袋体3の底部側よりも高い位置で支持するので、水がこぼれ出ることはない。
【0023】
次に、図7に示すように、蓋体2bを閉じてロック機構10により蓋体2bをロックする。そして、操作パネル6に設けられているスタートスイッチを入力操作することにより水出しコーヒーの抽出制御を開始させる。
【0024】
制御装置7は、スタートスイッチの入力を検出すると減圧容器2に設けられている蓋体2bの開閉状態を検出する蓋体2b開閉検出センサ(図示せず)からの信号に基づいて蓋体2bが閉じているか否かを検出し、蓋体2bが閉じている場合はスタートスイッチの入力を有効とし、一方、蓋体2bが閉じていない場合にはスタートスイッチの入力は無効とし、ランプあるいはブザー等で注意を促し安全を期している。
【0025】
スタートスイッチの入力を検出すると、予備減圧工程として、電磁弁26を作動させ減圧容器2と真空ポンプ5の吸引口とを吸引側流路を介して連通させて、真空ポンプ5を2〜3秒間作動させて予備減圧を行う。この予備減圧を行うと、減圧容器2内が、例えば600mmHgの減圧状態になり、減圧容器2の蓋体2bが大気圧により減圧容器本体2aに押圧されて確実に密閉する。また、抽出袋体3の開口部3aが開いたままなので、抽出袋体3内の空気も排出されて減圧容器2内と同一の減圧状態になる。
【0026】
次に、抽出袋体開口部封止工程として、予備減圧状態の下で、電磁弁26を作動させて減圧室13と真空ポンプ5の吸引側との連通を遮断するとともに、真空ポンプ5の吸引側とシリンダの第1室を連通させて真空ポンプ5を作動する。すると、図8に示すように、封止機構を構成する下ヒーターブロック20が加圧シリンダ22の駆動により上ヒーターブロック21側に圧接する。なお、上ヒーターブロック21は、蓋体2bが予備減圧工程を経て大気圧により下向きに押圧されているので、下ヒーターブロック20による上向きの力を確実に受け止めることができる。この状態で両ヒーターブロック20,21の熱線に約2秒間給電を行い、この時の加熱により抽出袋体3の開口部3aを熱溶着する。そして、熱溶着が終了したならば、圧接状態で両ヒーターブロック20,21の熱線への給電を停止して4〜6秒間冷却する。冷却が終了したならば、電磁弁26を作動させ第1室を大気開放し、これにより下ヒーターブロック20を元の位置に戻す。これで抽出袋体開口部封止工程を終了する。
【0027】
次に、水出しコーヒーの抽出を行う抽出工程として、電磁弁26を作動させて減圧容器2と真空ポンプ5の吸引口とを連通して、再度、真空ポンプ5の作動により減圧容器2内を減圧し、約120〜180秒間減圧すると、減圧容器2内は0mmHg近くまで減圧される。
【0028】
この様にして減圧室13内が減圧されると、封止された抽出袋体3内も通気部30を介して徐々に抽出袋体3内の空気が脱気されて0mmHg近くまで減圧される。この減圧過程で抽出袋体3内では常温(低温)状態で沸騰と同様の現象が発生し、多孔質物質であるコーヒー豆内の空気が抜け出てコーヒー豆の微細空隙内に水が浸透し、これによりコーヒー成分が水によって抽出されて水出しコーヒーが作られる。また、通気部30が空気の流れに抵抗を与えて抽出袋体3内の気圧の減少に遅れを付けているので、加熱或は熱湯の沸騰と同様の時間をかけて抽出でき、抽出の質の向上を図ることができる。換言すると、熱を利用した抽出作用を、減圧下という条件を付加することで低温で実行することができる。
【0029】
なお、従来のウォータードリップ等の水出しコーヒーの入れ方では、熱湯により行うドリップ、サイフォン等のように泡にコーヒーの雑味を吸着させて除くことが困難であったが、上記した抽出工程においては、通気部30から抽出袋体3内の空気を脱気していく際に、コーヒー豆の微細空隙内の空気が膨張することで泡が発生し、この泡にコーヒーの雑味を吸着させることができる。したがって、常温での抽出であっても雑味のない水出しコーヒーをつくることができる。また、コーヒー豆の皮に含まれている雑味は、常温では抽出され難いので、熱湯を使用するドリップやサイフォンの場合に比較して少ない。
【0030】
抽出工程が終了すると、電磁弁26を作動させ減圧容器2を所定時間(6〜8秒間)大気開放する。そして、所定時間経過後にランプあるいはブザー等で水出しコーヒーの抽出が終了したことを報知する終了工程を行う。この終了工程が終了すると、減圧室13内が大気圧に戻っているので蓋体2bの開放が可能となり、ロック機構10を解除にして蓋体2bを開き、コーヒー成分が抽出された抽出袋体3を取り出す(図9)。
【0031】
そして、取り出した抽出袋体3を開封し、フィルター等で濾過してコーヒー豆を除去すると、水出しコーヒーが出来上がる。この様にしてできた水出しコーヒーは、風味を満喫するために、そのまま氷を入れたグラスに注ぐことで、あるいは冷やしてから氷を入れたグラスに注ぐことでアイスコーヒーとして飲むことが望ましい。しかしながら、好みによっては温めて水出しのホットコーヒーとしてもよい。
【0032】
上述したように、本発明の水出しコーヒー抽出装置1による水出しコーヒーの抽出は、予備減圧工程、抽出袋体開口部封止工程、抽出工程および終了工程のすべての工程を合わせても所要時間が134〜199秒と極め短時間に行うことができる。また、抽出袋体3に所定量のコーヒー豆と水を入れて抽出袋体3を水出しコーヒー抽出装置1にセットしてからスタートスイッチを押すだけで、水出しコーヒーを簡単につくることができる。したがって、専門的な知識がなくとも一定の品質を維持した水出しコーヒーを入れることができる。
【0033】
また、本実施形態では、予備減圧工程を行ってから、抽出袋体3の開口部3aを封止し、その後に減圧容器2内を再度減圧して抽出工程を行うので、抽出袋体3の破裂を防止でき、また、抽出袋体3内の気圧の低下を外部(減圧室13)の気圧の低下に少し遅らせて風味の良い水出しコーヒーを抽出できる。すなわち、減圧容器2内の減圧初期時は減圧効率が良く、予備減圧しない大気圧の状態で急激に減圧するよりも、予備減圧により抽出袋体3内を予め減圧してから封止して本減圧した方が、抽出袋体3が急激に膨張することを抑制でき、これにより破裂のトラブルを低減することができる。また、予備減圧を行ってから抽出工程を行うので、減圧初期時にみられる急激な減圧による抽出袋体3の通気部30からの水分の吐出を防止することができる。このため、減圧容器2内を汚すことがない。さらに、水分の漏れだしを防止できると、真空ポンプ5のオイルに水分が流入して発生するなどのトラブルを未然に防止できる。
【0034】
なお、フィルター等によるコーヒー豆の除去作業を省略するために、挽かれたコーヒー豆を、水及び空気の通過を許容するフィルターに内包した状態で抽出袋体3内に入れて抽出してもよい。例えば、例えばティーバッグ等に使用されている不織布製の袋内にコーヒー豆を入れ、これを抽出袋体3内に水と共に入れて、前記操作により抽出してもよい。この様にすると、抽出した後のコーヒー豆は不織布製袋内に残るので、前記実施形態のような濾過工程を行なうことが不要であり、一層簡単に水出しコーヒーを入れることができる。
【0035】
また、前記実施形態では水出しコーヒーを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、抽出する飲料の種類は、抽出原料の種類を適宜に選択するだけであり、例えば麦茶を抽出する場合には焙煎した大麦を使用し、冷茶の場合には緑茶を使用すればよい。また、本発明は、喫茶店、レストラン、食堂などで使用すると一層顕著な効果を奏する。
【0036】
要するに、抽出方法としては、水の通過を防止して空気の通過を許容する通気部を有する抽出袋体内に抽出原料と水を入れて抽出袋体の開口部を封止する抽出袋体開口部封止工程と、その後、抽出袋体を減圧容器内に収容した状態で減圧容器内を減圧することにより、抽出袋体内の空気を前記通気部から脱気して抽出する抽出工程とを経て抽出する。
【0037】
また、抽出方法は、水の通過を防止して空気の通過を許容する通気部を有する抽出袋体内に抽出原料と水を入れて、この抽出袋体の開口部を開口した状態で減圧容器内に収容し、減圧容器内を予備減圧することにより減圧容器の蓋体を大気圧で減圧容器本体に密閉するとともに抽出袋体内を予備減圧する予備減圧工程と、予備減圧状態で抽出袋体の開口部を封止する抽出袋体開口部封止工程と、抽出袋体開口部封止工程が終了した後に、抽出袋体を減圧容器内に収容した状態で減圧容器内を減圧することにより、抽出袋体内の空気を前記通気部から脱気しながら抽出する抽出工程とを経て抽出してもよい。この場合には、予備減圧を行ってから抽出袋体の開口部を封止し、封止された抽出袋体の通気部から抽出袋体内の空気を脱気することで原料の成分、例えばコーヒー成分を抽出するので、封止された抽出袋体が急激に膨張して破裂したり、通気部から水分が吐出するなどのトラブルを低減することができる。したがって、減圧容器内を汚すおそれがない。
【0038】
そして、抽出装置としては、減圧容器を、上面が開口した減圧容器本体と、減圧容器本体の上面開口部分を開閉する蓋体とから構成し、封止機構は、減圧容器本体側に上向きに設けた下封止部と、蓋体に下向きに設けた上封止部とを備え、上下の封止部により抽出袋体の開口部を挟んで封止する構成とし、抽出原料と水を入れた抽出袋体を減圧容器内に収容した状態で真空ポンプを作動して減圧容器内を予備減圧した後に封止機構を作動して抽出袋体の開口部を封止し、その後に真空ポンプを作動して減圧容器内を減圧する一連の制御を行う制御装置を備えてもよい。また、減圧容器の底部を傾斜させ、この底部の傾斜上方に下封止部を底部よりも上方に突出した状態で配設し、底部の傾斜下方に位置調整可能な袋体ストッパを配設してもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、抽出袋体の封止、減圧容器の減圧、抽出を一台の装置で行うことができ、高い利便性を期待できる。
そして、具体的には、抽出袋体の通気部から抽出袋体内の空気を脱気することで抽出原料の成分を抽出でき、例えばコーヒー豆の微細空隙内に水を浸透させてコーヒー成分を抽出させるので、極めて短時間に水出しコーヒー等をつくることができる。したがって、客の注文を受けてから抽出でき、出来たての水出しコーヒー等の飲料を提供することができ、客は水出しコーヒー等の持つ味わいを十二分に楽しむことができる。さらに、コーヒー店等においても事前に作りためしておく必要がなく、開店準備の煩雑化を回避できる。
また、専門的な知識がなくとも、特殊な入れ方である水出しコーヒーを入れることができ、かつ品質を一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋体を開放した状態における水出しコーヒー抽出装置の斜視図である。
【図2】蓋体を閉じた状態の水出しコーヒー抽出装置の断面図である。
【図3】減圧容器本体の斜視図である。
【図4】開口部が開いた抽出袋体の斜視図である。
【図5】水出しコーヒーの抽出工程を説明する図である。
【図6】減圧容器の蓋体を開放した状態の一部欠截断面図である。
【図7】減圧容器の蓋体を閉止した状態の一部欠截断面図である。
【図8】開口部を封止している状態における減圧容器の一部欠截断面図である。
【図9】開口部が封止された抽出袋体の斜視図である。
【符号の説明】
1 水出しコーヒー抽出装置
2 減圧容器
2a 減圧容器本体
2b 蓋体
3 抽出袋体
3a 抽出袋体の開口部
3b 抽出袋体の底部
4 筐体
5 真空ポンプ
6 操作パネル
7 制御装置
9 ヒンジ機構
10 ロック機構
11 窓
12 排気口
13 減圧室
14 シール材
15 袋体ストッパ
16 溝
20 下ヒーターブロック
21 上ヒーターブロック
22 加圧シリンダ
23 ピストン
24 戻しスプリング
25 開放孔
26 電磁弁
30 通気部

Claims (1)

  1. 水の通過を防止して空気の通過を許容する通気部を有する抽出袋体を収容可能な減圧容器と、
    この減圧容器内を減圧する真空ポンプと、
    減圧容器内に配設され、抽出袋体の開口部を封止する封止機構と、を備えた飲料抽出装置であって、
    抽出原料と水を入れた抽出袋体を減圧容器内の抽出袋体支持部上に載せて収容した状態で封止機構により抽出袋体の開口部を封止して、減圧容器内を減圧することにより、抽出袋体内の空気を前記通気部から脱気しながら抽出することを特徴とする飲料抽出装置。
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