JP4005341B2 - 車両用荷崩れ防止装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用荷崩れ防止装置に関するものであって、特に分割構造とされたリヤシート等の各シートバックに取り付けられるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バンタイプやワゴンタイプ等の自動車における車両の荷室と乗員席側とを仕切るべく、必要に応じて荷崩れ防止シートが展開可能とされた巻き取り装置を備えた車両用荷崩れ防止装置があり、例えば、米国特許第5,288,122号に示されるように、分割構造とされたリヤシートの各シートバックに、ネットで構成された荷崩れ防止シートが巻き取り可能とされた対の荷崩れ防止装置がそれぞれ配置される構造とされている。
【0003】
そして、この荷崩れ防止装置を使用する場合には、一方の荷崩れ防止装置の荷崩れ防止シートにおける引き出し側先端部に備えられた伸縮自在なステーを伸ばした状態で、その両端部にそれぞれ備えられたジョイント部を、車両天井部における両側部に備えられた各ジョイント受け部に係止し、他方の荷崩れ防止装置の荷崩れ防止シートにおける引き出し側先端部に備えられたフック部材を、前記ステーの伸ばされた部分に係止することによって、それぞれの荷崩れ防止シートを張設状態に展開していた。
【0004】
また、衝突時等において、両側の荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁相互間における隙間部分からの積み荷の飛び出しを防止すべく、両荷崩れ防止シートの隣接部分を互いにつなぎベルトで着脱自在に連結可能な構造とされている。
【0005】
さらに、車両用荷崩れ防止装置において、米国特許第5,437,474号に示されるように、衝突時等における積み荷の荷崩れ防止シートに対する衝突によりネットが裂けるのを防止すべく、ネットの上縁部や下縁部に連結する部分を折り重ねて縫製した衝撃吸収部分を形成し、荷崩れ防止シートに所定値以上の衝撃力が作用した場合に前記縫製が切れることにより荷崩れ防止シートが拡がって衝撃を緩衝する構造のものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第5,288,122号に開示の車両用荷崩れ防止装置によれば、衝突時等において両荷崩れ防止シート相互間の間隙からの積み荷の飛び出しを防止すべく、使用の度に、両荷崩れ防止シートの隣接部分をつなぎベルトで互いに連結する手間が必要であった。
【0007】
また、荷崩れ防止装置の片側のみを使用する場合にあっては、その張設状態とされた荷崩れ防止シートの車両中央部側に積み荷が衝突した際、荷崩れ防止シートにおける車両中央部のたわみにより積み荷が車両中央部に移動して前方に飛び出し易くなる傾向があった。
【0008】
そしてまた、このような分割シートに使用される荷崩れ防止装置に、上記米国特許第5,437,474号に開示の衝撃力緩衝構造を適用すれば、荷崩れ防止シートのつなぎ合わせ部分に積み荷が衝突した場合、衝撃吸収部分の縫製が切れるとつなぎ合わせ部分が最も開く傾向にあり、相互間の間隙より積み荷が飛び出すおそれがある。
【0009】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、分割構造とされた荷崩れ防止装置であっても両側の荷崩れ防止シートを互いに連結することなく有効に積み荷の飛び出しが防止でき、積み荷の衝突時の衝撃を緩衝して車両側に対する取付部分における負荷軽減を図った車両用荷崩れ防止装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するための第1の技術的手段は、車両の幅方向に隣接する一対の分割シートの各シートバックと車両天井部との相互間にわたって、それぞれ張設状態で配置される荷崩れ防止シートを有する車両用荷崩れ防止装置において、前記荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を除き、かつその内側縁に近接する部分を有して、両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられている点にある。
【0011】
また、上記課題を達成するための第2の技術的手段は、車両の幅方向に隣接する一対の分割シートの各シートバックと車両天井部との相互間にわたって、それぞれ張設状態で配置される荷崩れ防止シートを有する車両用荷崩れ防止装置において、前記荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を含んで両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられ、かつ各々の前記内側縁に近接する部分の衝撃吸収手段は前記内側縁の衝撃吸収手段よりも弱い衝撃力で前記縫製が切れるように設定されている点にある。
【0012】
さらに、前記車両用荷崩れ防止装置は前記荷崩れ防止シートを巻き取り可能でかつ荷崩れ防止シートの急激な引き出しを停止させるロック機構を備えた巻き取り装置を有すると共に、リヤシートにおける前記シートバックの起立姿勢から伏倒姿勢への姿勢変更により荷崩れ防止シートが巻き取り装置から引き出されるように構成され、前記衝撃吸収手段はシートバックの起立姿勢で巻き取り装置から引き出された荷崩れ防止シートの位置に備えられている構造としてもよい。
【0013】
また、前記荷崩れ防止シートは布状シート部とネット部とから構成され、前記巻き取り装置に布状シート部およびネット部の順に巻き取られており、布状シート部の部分に前記衝撃吸収手段が備えられている構造としてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1ないし図4に示される如く、バンタイプやワゴンタイプ等の自動車における車両の幅方向に隣接する一対の分割シート構造とされたリヤシート1の各シートバック1aにそれぞれ装着される対の荷崩れ防止装置2a、2bから構成されている。
【0015】
各荷崩れ防止装置2a、2bは、従来同様、それぞれ対とされた荷崩れ防止シート4、5を備えると共に、荷崩れ防止シート4、5を巻き取り可能でかつ荷崩れ防止シートの急激な引き出しを停止させるロック機構を備えた巻き取り装置(図示省略)およびそれらを収容可能な筒状のケーシング6、7とをそれぞれ備え、一方の荷崩れ防止装置2aにおける荷崩れ防止シート4の引き出し側先端部には、伸縮自在とされたステー8が装着され、他方の荷崩れ防止装置2bにおける荷崩れ防止シート5の引き出し側先端部には、ステー8に係脱自在に係止されるフック部材9が装着されている。
【0016】
そして、荷崩れ防止シート4、5が巻き取られた収納状態にあっては、ケーシング6、7の長手方向に沿って形成された入り口開口部に備えられた図示省略のステー受け部やフック受け部に、ステー8やフック部材9が嵌合状態にピッタリ収まるように構成されている。
【0017】
また、各シートバック1aは、それぞれ座部となるシートクッション1bに対してリクライニング可能に構成されており、各荷崩れ防止装置2a、2bは、各シートバック1aのリクライニングに対応すべく、各荷崩れ防止シート4、5は通常状態でケーシング6、7に巻き取り方向に常時付勢された状態で支持されており、その付勢力に抗して引き出すことにより、引き出し可能に支持された構造とされている。
【0018】
そして、荷崩れ防止シート4、5の急激な引き出しを検知した場合には、その引き出しを停止させるロック機構が備えられた構造とされている。
【0019】
この種のリクライニング対応機構やロック機構としては、特開平11−321463号公報等に開示の従来構造を適宜採用すればよい。
【0020】
前記ステー8は、円筒状の金属製アウタパイプ11と、該アウタパイプ11内にその軸心方向に出退自在に支持された円筒状の金属製インナパイプ12を備え、ステー8の両端部に対応するアウタパイプ11およびインナパイプ12のそれぞれの端部には、車両天井部における両側部にそれぞれ備えられたジョイント受け部(図示省略)に係脱自在に係止されるジョイント部8aがそれぞれ備えられている。
【0021】
そして、本実施形態においては、前記ジョイント受け部が図2に示されるシートバック1aの起立姿勢と、仮想線で示されるシートバック1aの伏倒姿勢との双方で、ステー8の両ジョイント部8aが係止可能となるべく、複数個所に備えられている。
【0022】
また、ステー8のアウタパイプ11が一方の荷崩れ防止シート4の引き出し側先端部に従来同様、所定の取付状態で装着されており、アウタパイプ11より引き出されるインナパイプ12が他方の荷崩れ防止装置2b側のフック部材9係止用として構成されている。
【0023】
前記フック部材9は、インナパイプ12に係脱自在に係止される側面視フック状に形成され、その幅方向中間部に、荷崩れ防止シート5引き出し用の引き出しベルトが適宜装着されている。
【0024】
一方、ステー8が装着された荷崩れ防止装置2aの引き出し側先端部にも、同様に、その幅方向中間部に、荷崩れ防止シート4引き出し用の引き出しベルトが適宜装着されている。
【0025】
前記各荷崩れ防止シート4、5は不織布からなる布状シート部4a、5aと、ネットからなるネット部4b、5bとからそれぞれ構成されており、布状シート部4a、5aおよびネット部4b、5bの順に巻き取り装置に巻き取られてケーシング6、7内に収容され、ネット部4b、5bから順に引き出される構造とされている。
【0026】
また、ネット部4b、5bの上下左右の各縁部には、帯状のエッジテープ13が適宜装着され、一方の荷崩れ防止シート4における上縁部のエッジテープ13は前記アウタパイプ11外周に巻き付け状に装着され、他方の荷崩れ防止シート5における上縁部のエッジテープ13は前記フック部材9下縁部に装着されている。
【0027】
さらに、各荷崩れ防止シート4、5におけるネット部4b、5b下縁部のエッジテープ13位置で、図3および図4に示される如く、布状シート部4a、5a上縁部が重合状として互いに連結固定されている。そして、この連結位置の直下に位置する部分には、布状シート部4a、5aが適宜長さ車両の幅方向に沿って折り重ねられた状態で適宜太さの縫製糸15により車両の幅方向に沿って複数回数の縫製がなされ、所定値以上の衝撃力による縫製糸15の破断によりこの縫製が切れる衝撃吸収手段16が備えられている。
【0028】
この際、図3に示される如く、両荷崩れ防止シート4、5の互いに隣接する車内中央側における内側縁の各エッジテープ13は、布状シート部4a、5aが折り重ねられた衝撃吸収手段16領域まで延設されたエッジテープ延設部13aを備え、各エッジテープ延設部13a位置では、両荷崩れ防止装置2a、2bにおける衝撃吸収手段16の縫製の切れが防止された構造とされている。
【0029】
また、各衝撃吸収手段16は、図2に示される如く、シートバック1aの起立姿勢で、荷崩れ防止装置2a、2bから引き出されて車両天井部との相互間にわたって張設状態とされた荷崩れ防止シート4、5における下部に位置して露出するように配置されている。
【0030】
従って、図2仮想線で示される如く、シートバック1aを起立姿勢から伏倒姿勢に姿勢変更すれば、巻き取り装置から荷崩れ防止シート4、5の布状シート部4a、5aが引き出されて、衝撃吸収手段16は張設状態とされた荷崩れ防止シート4、5の高さ方向略中間部に位置する構造とされている。
【0031】
本実施形態は以上のように構成されており、荷崩れ防止シート4、5の展開に際しては、先ず、荷崩れ防止装置2aの荷崩れ防止シート4をケーシング6から引き出すと共に、ステー8のインナパイプ12をアウタパイプ11から引き出してステー8を引き伸ばす。
【0032】
そして、この引き伸ばした状態で、ステー8両端部の各ジョイント部8aを車両天井部に備えられたジョイント受け部に係止させれば、両ジョイント受け部にまたがってステー8を架け渡した状態が得られる。この際、荷崩れ防止シート4はその巻き取り方向の付勢力によって張られた張設状態が得られる。
【0033】
その後、他方の荷崩れ防止装置2bの荷崩れ防止シート5をケーシング7から引き出して、引き出し側先端部のフック部材9を引き出されたインナパイプ12に係止させれば、荷崩れ防止シート5はその巻き取り方向の付勢力によって張られた張設状態が得られ、ここに両荷崩れ防止シート4、5が展開された使用状態が得られる。
【0034】
また、この荷崩れ防止装置2a、2bを各ケーシング6、7に収納させる場合には、先ず、フック部材9側の荷崩れ防止シート5を僅かに引き出して、フック部材9のインナパイプ12に対する係止状態を解除すれば、その後は荷崩れ防止シート5の巻き取り方向の付勢力により自動的にケーシング7内に巻き取られていき、最終的にフック部材9がケーシング7の入り口開口部に備えられたフック受け部に嵌合状態に収納される。
【0035】
次に、ステー8の両端部におけるジョイント部8aをジョイント受け部から離脱させた後、アウタパイプ11内にインナパイプ12を押し込んでステー8を縮め、その後は荷崩れ防止シート4の巻き取り方向の付勢力により自動的にケーシング6内に巻き取られていき、最終的にステー8がケーシング6の入り口開口部に備えられたステー受け部に嵌合状態に収納される。
【0036】
そして、展開状態とされた荷崩れ防止シート4、5に積み荷が所定値以上の衝撃力で衝突した場合には、衝撃吸収手段16における縫製が切れて、折り重ねられている布状シート部4a、5aが拡がって衝撃が吸収されるため、荷崩れ防止シート4、5に対する衝撃が有効に緩衝される。従って、シートバック1aや車両天井部における荷崩れ防止装置2a、2bの取付部分に対する衝撃も緩衝でき、取付部分における負荷軽減が図れ、強固な取付構造を採用しなくても確実な取付構造が安価に提供できる。
【0037】
また、両荷崩れ防止シート4、5にまたがって積み荷が所定値以上の衝撃力で衝突した場合にも、同様に、両荷崩れ防止シート4、5の互いに隣接する内側縁に近接する衝撃吸収手段16における縫製が切れて折り重ねられている布状シート部4a、5aが拡がって衝撃が吸収されるが、この際、互いに隣接する内側縁はエッジテープ延設部13aによって布状シート部4a、5aの拡がりが規制されている。従って、衝突した積み荷は拡がった荷崩れ防止シート4、5の中央方向に傾いて移動されていくため、両荷崩れ防止シート4、5間の間隙からの積み荷の飛び出しが有効に防止できる。ここに、両荷崩れ防止シート4、5間を互いにつなげる連結構造を採用しなくても、両荷崩れ防止シート4、5間からの積み荷の飛び出しが有効に防止できる。
【0038】
そして、片側の荷崩れ防止装置2aの使用状態においても、衝突した積み荷は拡がった荷崩れ防止シート4の中央方向に傾いて移動されていく機能により、積み荷の前方への飛び出しが有効に防止できる。
【0039】
さらには、分割された荷崩れ防止シート4、5の片側にしか掛からない積み荷の衝突においても、局部的な荷重の集中がなく、荷崩れ防止シート4、5に必要以上の補強を必要とせず、この点からも安価に提供できる。
【0040】
また、図2仮想線で示される如く、シートバック1aを伏倒姿勢とした状態では、荷崩れ防止シート4、5がより多く引き出され、巻き取り装置と衝撃吸収手段16との位置が離れるため、荷崩れ防止シート4、5に作用した衝撃が衝撃吸収手段16に伝わり難い。即ち、荷崩れ防止シート4、5がより多く引き出されているため、荷崩れ防止シート4、5自体の延びが大きいため、車両下部に搭載された積み荷が衝突した場合においては、前列シート20のシートバック20aに干渉して衝撃吸収手段16が機能する前に衝撃が吸収される。
【0041】
そして、シートバック20aに干渉しない車両上部に搭載された積み荷の衝突に対しては、衝撃吸収手段16は前述同様に機能し、積み荷の衝突時の衝撃を緩衝すると共に前方への積み荷の飛び出しを有効に防止する。
【0042】
一般に、大型な積み荷は車両下部に搭載されるため、シートバック1aの伏倒姿勢での荷崩れ防止装置2a、2bの使用に際して、大きな積み荷の衝突ですぐに衝撃吸収手段16が作用することなく、前列シート20のシートバック20aを効率よく積み荷の飛び出し防止に利用でき、頻繁な荷崩れ防止シート4、5の取り替えが有効に防止できる。
【0043】
さらに、荷崩れ防止シート4、5は布状シート部4a、5aとネット部4b、5bとから構成され、ケーシング6、7内よりネット部4b、5bから引き出される構造であり、荷崩れ防止シート4、5の展開状態においては、上側にネット部4b、5bが配置され、下側には布状シート部4a、5aが配置されるため、後方視界が有効に確保できると共に、下方では小さい積み荷の飛び出しが有効に防止できる。
【0044】
また、ネット部4b、5bでは縫製がし難く、衝撃の吸収がネットを構成する1本毎の線単位になるが、布状シート部4a、5aに衝撃吸収手段16を備える構成としているため、布状シート部4a、5aでは縫製がし易く、容易に製作できると共に、積み荷の衝突時における衝撃吸収が連続的に発揮でき、衝撃吸収効果も高いという利点がある。
【0045】
さらに、荷崩れ防止シート4、5全体をネット部4b、5bで構成すると、要求される強度を確保するために、糸径を太くする必要があり、巻き取り状態でかさばるという欠点があるが、布状シートにあっては要求される強度を薄くても確保でき、一部に布状シート部4a、5aを採用することにより、よりコンパクトに構成できる。
【0046】
図5は第2の実施形態における荷崩れ防止シート4、5の要部を示しており、第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
即ち、本実施形態における荷崩れ防止シート4、5においては、衝撃吸収手段16が、両荷崩れ防止シート4、5における布状シート部4a、5aの互いに隣接する車内中央側の内側縁を含んだ車両の幅方向全域にわたって、両荷崩れ防止シート4、5にそれぞれ備えられている。
【0048】
そして、両布状シート部4a、5aの互いに隣接する車内中央側の内側縁では、縫製回数が多目(密)に設定され、その内側縁に近接する部分から車両の幅方向他端側にわたっては縫製回数が少な目(粗)に設定され、各々の前記内側縁に近接する部分の衝撃吸収手段16は前記内側縁の衝撃吸収手段16よりも弱い衝撃力で前記縫製が切れるように構成されている。
【0049】
従って、本実施形態においても前述同様、展開状態とされた荷崩れ防止シート4、5に積み荷が所定値以上の衝撃力で衝突した場合には、衝撃吸収手段16における縫製が切れて折り重ねられている布状シート部4a、5aが拡がって衝撃が吸収されるため、荷崩れ防止シート4、5に対する衝撃が有効に緩衝され、シートバック1aや車両天井部における荷崩れ防止装置2a、2bの取付部分に対する衝撃も緩衝でき、強固な取付構造を採用しなくても確実な取付構造が安価に提供できる。
【0050】
また、両荷崩れ防止シート4、5にまたがって積み荷が所定値以上の衝撃力で衝突した場合には、両荷崩れ防止シート4、5の互いに隣接する内側縁に近接する衝撃吸収手段16における縫製が、内側縁の衝撃吸収手段16におけるより強い縫製よりも先に切れて折り重ねられている布状シート部4a、5aが先に拡がるため、衝突した積み荷は内側縁よりも全長が延びた近接する部分に傾いて一方の荷崩れ防止シート4、5の中央方向に移動されていくため、両荷崩れ防止シート4、5間の間隙からの積み荷の飛び出しが有効に防止できる。ここに、両荷崩れ防止シート4、5間を互いにつなげる連結構造を採用しなくても、有効に積み荷の飛び出しが防止でき、片側の荷崩れ防止装置2aの使用状態においても、同様に、積み荷の前方への飛び出しが有効に防止できる。
【0051】
また、シートバック1aを伏倒姿勢とした状態においても前述同様の効果が得られる。
【0052】
本実施形態においては、両布状シート部4a、5aの互いに隣接する車内中央側の内側縁に近接する部分の衝撃吸収手段16をその内側縁の衝撃吸収手段16よりも弱い衝撃力で縫製が切れるように縫製回数に差を設けた構造とされているが、径や強度の異なる縫製糸15を使用して縫製が切れる衝撃力に差を持たす構造としてもよい。
【0053】
なお、上記各実施形態において、車両の幅方向に隣接する一対のリヤシート1における分割比率が、5:5の構造のものを開示しているが、分割比率が6:4のリヤシート1であってもよく、実施形態の分割比率に何ら限定されない。
【0054】
また、巻き取り装置を備えた荷崩れ防止装置2a、2bを開示しているが、巻き取り装置を具備しない構造であっても同様に適用できる。
【0055】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両用荷崩れ防止装置によれば、荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を除き、かつその内側縁に近接する部分を有して、両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられている構造や、荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を含んで両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられ、かつ各々の前記内側縁に近接する部分の衝撃吸収手段は前記内側縁の衝撃吸収手段よりも弱い衝撃力で前記縫製が切れるように設定されている構造とされたものであり、分割構造とされた荷崩れ防止装置であっても両側の荷崩れ防止シートを互いに連結することなく有効に積み荷の飛び出しが防止でき、積み荷の衝突時の衝撃を緩衝して車両側に対する取付部分における負荷軽減を図ることができるという利点がある。
【0056】
また、車両用荷崩れ防止装置は荷崩れ防止シートを巻き取り可能でかつ荷崩れ防止シートの急激な引き出しを停止させるロック機構を備えた巻き取り装置を有すると共に、リヤシートにおけるシートバックの起立姿勢から伏倒姿勢への姿勢変更により荷崩れ防止シートが巻き取り装置から引き出されるように構成され、衝撃吸収手段はシートバックの起立姿勢で巻き取り装置から引き出された荷崩れ防止シートの位置に備えられている構造とすれば、シートバックの伏倒姿勢での荷崩れ防止装置の使用に際して、大きな積み荷の衝突ですぐに衝撃吸収手段が作用することなく、前列シートのシートバックを効率よく積み荷の飛び出し防止に利用でき、頻繁な荷崩れ防止シートの取り替えが有効に防止できるという利点がある。
【0057】
さらに、荷崩れ防止シートは布状シート部とネット部とから構成され、巻き取り装置に布状シート部およびネット部の順に巻き取られており、布状シート部の部分に衝撃吸収手段が備えられている構造とすれば、後方視界が有効に確保できると共に、下方では小さい積み荷の飛び出しが有効に防止でき、また、衝撃吸収手段の製作が容易になり、衝撃吸収効果も高く、コンパクトに構成できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】同側面説明図である。
【図3】荷崩れ防止シートの背面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面拡大矢視図である。
【図5】第2の実施形態を示す荷崩れ防止シートの背面図である。
【符号の説明】
1 リヤシート
1a シートバック
2a、2b 荷崩れ防止装置
4、5 荷崩れ防止シート
4a、5a 布状シート部
4b、5b ネット部
8 ステー
9 フック部材
11 アウタパイプ
12 インナパイプ
13 エッジテープ
13a エッジテープ延設部
16 衝撃吸収手段
20 前列シート

Claims (4)

  1. 車両の幅方向に隣接する一対の分割シートの各シートバックと車両天井部との相互間にわたって、それぞれ張設状態で配置される荷崩れ防止シートを有する車両用荷崩れ防止装置において、
    前記荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を除き、かつその内側縁に近接する部分を有して、両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられていることを特徴とする車両用荷崩れ防止装置。
  2. 車両の幅方向に隣接する一対の分割シートの各シートバックと車両天井部との相互間にわたって、それぞれ張設状態で配置される荷崩れ防止シートを有する車両用荷崩れ防止装置において、
    前記荷崩れシートが折り重ねられた状態で所定値以上の衝撃力により切れる縫製がなされた衝撃吸収手段が、両荷崩れ防止シートの互いに隣接する車内中央側の内側縁を含んで両荷崩れ防止シートにそれぞれ備えられ、かつ各々の前記内側縁に近接する部分の衝撃吸収手段は前記内側縁の衝撃吸収手段よりも弱い衝撃力で前記縫製が切れるように設定されていることを特徴とする車両用荷崩れ防止装置。
  3. 前記車両用荷崩れ防止装置は前記荷崩れ防止シートを巻き取り可能でかつ荷崩れ防止シートの急激な引き出しを停止させるロック機構を備えた巻き取り装置を有すると共に、リヤシートにおける前記シートバックの起立姿勢から伏倒姿勢への姿勢変更により荷崩れ防止シートが巻き取り装置から引き出されるように構成され、前記衝撃吸収手段はシートバックの起立姿勢で巻き取り装置から引き出された荷崩れ防止シートの位置に備えられていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用荷崩れ防止装置。
  4. 前記荷崩れ防止シートは布状シート部とネット部とから構成され、前記巻き取り装置に布状シート部およびネット部の順に巻き取られており、布状シート部の部分に前記衝撃吸収手段が備えられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用荷崩れ防止装置。
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