JP4005347B2 - サッシ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレセント錠を取付けた引き違い障子を備えたサッシに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、引き違い障子Di,Doを備えた従来のサッシの召合せ部の横断面図である。1は内召合せ框、2は外召合せ框である。引き違い障子には通常、召合せ部にクレセント錠3が取付けられる。クレセント錠は、内召合せ框1の戸尻面にねじ止めされる錠本体3Aと、外召合せ框2の屋内側部分にねじ止めされるクレセント受け3Bとから構成されている。そして、クレセント受け3Bは、ほぼ平板状に形成されて、図7の右側半分が外召合せ框2の屋内側壁21の内面に沿って挿入され、屋内側壁21の屋内側からビス4を貫通し、そのクレセント受け3Bにねじ込むことにより、取付けられている。
【0003】
この場合、クレセント受け取付けビス4は、施錠時に錠本体のクレセント31から受ける大きな力によりクレセント受け3Bの取付け状態が悪化することがないように強固に取付ける必要があるため、平頭ビス又は丸頭ビスが用いられる。従って、そのビスの頭41が外召合せ框の屋内側壁21よりも屋内側に突出する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内外の召合せ框には、気密性向上のため、互いに嵌合する煙り返し12,22が設けられており、内召合せ框の煙り返し12は内召合せ框1の屋外側壁11よりも屋外側に突出している。
一方、近年、引き違い障子には遮音性能や断熱性能を向上させるため複層ガラス5,6が装着されることが多くなっている。そして、その場合、既存の見込み寸法のままの窓枠に複層ガラス5,6を装着した引き違い障子を建て付けるためには、必然的に両召合せ框の間のチリ(微小間隔)を可及的に小さく設定せざるを得ない状況にあり、一例を挙げると、内召合せ框の煙り返し12と外召合せ框2の屋内側壁21との間のチリ寸法は3.0mm程度に設定されている。クレセント受け取付けビス4の頭41の厚みは1.6mm程度であるから、結局、内召合せ框の煙り返し12とクレセント受け取付けビスの頭41との間には1.4mmの隙間しか残されていない。
【0005】
しかしながら、内外の障子は、戸車の遊びや、上框に取付けられて上枠のレール溝に嵌合されているモヘアの摩耗などにより、開閉時に僅かに屋内外方向に変位したり、屋内外の温度差により召合せ框に反りが生じたりすることがある。
そのため、従来のサッシにおいては、内外召合せ框間のチリの設定寸法が確保されない場合があり、障子の閉鎖時に内召合せ框の煙り返し12の先端がクレセント受け取付けビス4の頭41に衝突又は接触し、その衝突や接触により、框に傷が付いたり、衝突による騒音や衝撃により不快感を与えられることがあった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、障子の閉鎖時に内召合せ框の煙り返しの先端が外召合せ框に設けてあるクレセント受け取付けビスの頭に衝突又は接触しないようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明によるサッシは、クレセント錠のクレセント受けが外召合せ框の屋内側壁にビスで取り付けられているサッシにおいて、(a)内召合せ框の屋外側壁の屋外側面に、前記内召合せ框の煙り返しからその内召合せ框の戸尻面側に延びるチリ出しブロックを設けたこと、(b)前記チリ出しブロックは、その先端部を前記内召合せ框の煙り返しに係合し、かつ、前記内召合せ框の煙り返しよりも戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定してあること、(c)前記チリ出しブロックは、そのチリ出しブロックの幅方向の中間部分が前記内召合せ框の煙り返しの室外側面から室外方向に、前記ビスの頭の高さよりもわずかに大きい突出高さを有し、前記中間部分から前記煙り返しまでの部分は、前記突出高さが漸減するテーパを有することを特徴としている。
上記構成により、障子閉鎖時は、内召合せ框に取付けられたチリ出しブロックの中間部分が外召合せ框に摺動接触して、内外召合せ框間のチリの設定寸法を確保するので、内召合せ框の煙り返しの先端がクレセント受け取付けビスに接触することが防止される。また、チリ出しブロックは、その先端部が内召合せ框の煙り返しに係合され、かつ、内召合せ框の煙り返しよりも戸尻側部分において内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定されているので、チリ出しブロックが固定ねじを中心に回転して不適切な姿勢になることが防止される。
【0008】
チリ出しブロックの内召合せ框に対する取付け構造は、チリ出しブロックの先端側部分を内召合せ框の煙り返しに重ね合わせ、かつ、前記煙り返しの肩に係合させて、内召合せ框の戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定しても良い。
この構成により、チリ出しブロックの取付けの際に、適切な位置に容易に位置決めされ、固定ねじ回りに回転して不適切な姿勢になることが防止される。
【0009】
チリ出しブロックは、複数のリブを有し、その各リブが、クレセント受け取付ビスの頭よりもわずかに大きい突出高さを有する中間部分と突出高さが漸減するテーパを有することが望ましい。
複数のリブにより、チリ出しブロックの外召合せ框に対する摩擦係数が軽減され、かつ、チリ出しブロック自体の強度が補強される。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す召合せ部の横断面図、図2は図1に示されているチリ出しブロックの拡大横断面図、図3はチリ出しブロックの右側面図、図4はクレセント錠とチリ出しブロック取付け位置との関係を示す正面図、図5は図1の左側から見た一部省略側面図である。図6は他の実施の形態によるチリ出しブロックの拡大横断面図である。図7の従来の構成部材と同一の部材には同一符号を用いる。
【0011】
図1の内召合せ框1の屋外側壁11には、本発明により、チリ出しブロック7がねじ8により取付けられている。
このチリ出しブロック7は、成形が容易で、摩擦係数が小さい利点を有する樹脂材料で作られ、その一端部はねじによる締め付け力に耐えられる強度を備えるため、ブロック状に形成され、その一端部中央にねじ貫通孔71が形成され、他端部には内召合せ框1の煙り返し12に係合できるように湾曲して、係合部72が形成されている。また、屋外面には、外召合せ框2に対する摩擦係数を軽減し、かつ、補強の目的で、複数条の水平なリブ73が形成されている。
【0012】
上記形状及び構造により、このチリ出しブロック7を内召合せ框1に取付けるには、まず、一端部の係合部72を煙り返し12に係合させ、続いて他端部を内召合せ框の屋内側壁11の屋外側面に当接する。そして、そのチリ出しブロック7を上下方向に摺動して、ねじ貫通孔71を内召合せ框1の屋内側壁11に予め設けてあるねじ孔に合致させ、ねじ貫通孔71からねじ8をそのねじ孔にねじ込む。
この場合、係合部72を煙り返し12にピッタリと係合させて、チリ出しブロック7を上下移動させると、チリ出しブロック7の適切な取付け位置への位置決めが容易にできる。
【0013】
チリ出しブロック7が内召合せ框1に適切に取付けられた状態において、煙り返し12の屋外側面からチリ出しブロックの屋外側端面、すなわち、リブ73の頂面までの距離は、外召合せ框2のクレセント受け取付けビス4の頭41の厚みよりもそのビスの頭から内召合せ框1の煙り返し12の室外側面までの所定の距離だけ大きく設定されている。
【0014】
このようなチリ出しブロック7は、図1及び図4に示すように、クレセント受け取付けビス4の高さと等しくない高さにおいて、内召合せ框1に取付けられる。図示の例では、クレセント受け取付け用の2個のビス4の中間の高さに1個設けられている。しかし、クレセント受けの取付け高さに対応する位置の上下複数の位置にチリ出しブロックを取付けても良い。
【0015】
上記のようにチリ出しブロック7が取付けられたサッシにおいて引き違い障子Di,Doが閉鎖される時は、完全閉鎖直前に、すなわち、内召合せ框1の煙り返し12がクレセント受け取付けビス4に到達する前に、チリ出しブロック7の先端がすでに外召合せ框2の屋内側壁21の屋内側面に近接し、又は場合によっては摺動当接するため、煙り返し12とクレセント受け取付けビス4の間に所定のチリ設定寸法が確保されている。従って、煙り返し12がクレセント受け取付けビス4の頭41に衝突することはない。図1の図示状態ではクレセント錠3が施錠されているので、チリ出しブロックのリブ73が外召合せ框の屋内側面に当接されているが、解錠状態においてはリブ73が外召合せ框の屋内側面からわずかに離れている。
従って、ビス4が内召合せ框1に傷を付けたり、衝突による騒音を出したり、両障子に衝撃を与えることなく、円滑に静かに障子Di,Doを閉鎖することができる。
【0016】
図1及び図2に例示されたチリ出しブロック7は、先端が内召合せ框1の煙り返し12を被覆するように係合し、かつ、基端部がねじ8により内召合せ框に固定されるので、障子開閉時に受ける振動により、チリ出しブロック7がねじ8を中心に回転して不適切な姿勢になることが防止されるので好ましい。
しかし、このような効果は、チリ出しブロック7を図6に例示するように、その先端を煙り返し12に重ね、その付近の部分を煙り返しの肩に係合させてねじ8により基端部を内召合せ框1に固定するようにした場合にも得られる。
【0017】
上記の実施の形態は、いずれもチリ出しブロック7を内召合せ框1に取付けた例であるが、外召合せ框2の屋内側壁21にその壁面からの突出高さがクレセント受け取付けビス4の頭41の突出高さよりもそのビスの頭から内召合せ框1の煙り返し12の室外側面までの所定の距離だけ大きくされたチリ出しブロック(図示せず)を取付け、障子閉鎖時に、内召合せ框の煙り返しの先端がそのチリ出しブロックに近接又は摺動接触するようにした場合にも、同様の効果が得られる。
【0018】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、チリ出しブロックの幅方向の中間部分が内召合せ框の煙り返しの室外側面から室外方向に、前記ビスの頭の高さよりもわずかに大きい突出高さを有し、かつ、中間部分から煙り返しまでの部分に突出高さが漸減するテーパを有するチリ出しブロックを備えたので、内外召合せ框間のチリの設定寸法が確保される。従って、障子閉鎖時に、内召合せ框の煙り返しの先端がクレセント受け取付けビスの頭に衝突又は接触することがないので、障子閉鎖時に、煙り返しが衝突音を出したり衝撃を与えたりすることが有効に防止される。
また、チリ出しブロックは、その先端部ガ内召合せ框の煙り返しに係合されるので、そのチリ出しブロックを上下移動させると、チリ出しブロックの適切な取付け位置への位置決めが容易にできる。さらに、チリ出しブロックは、その先端部が内召合せ框の煙り返しに係合され、かつ、内召合せ框の煙り返しよりも戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定してあるので、障子開閉時に受ける振動により、チリ出しブロックがねじを中心に回転して不適切な姿勢になることが防止される。
【0019】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様に、障子閉鎖時に、内召合せ框の煙り返しの先端がクレセント受け取付けビスの頭に衝突又は接触することがないので、障子閉鎖時に、煙り返しが衝突音を出したり衝撃を与えたりすることが有効に防止されるほか、チリ出しブロックは、その先端部を前記内召合せ框の煙り返しに重ね合わせ、かつ、前記煙り返しの肩に係合させて、前記内召合せ框の戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定してあるので、障子開閉時に受ける振動により、チリ出しブロックがねじを中心に回転して不適切な姿勢になることが防止される。
【0020】
請求項3の発明によれば、チリ出しブロックの外召合せ框に対する摩擦係数が軽減されるので、障子閉鎖最終時点における閉鎖性能が損なわれることが防止され、かつ、チリ出しブロック自体の外召合せ框に接触に対する際の強度が補強される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を示す召合せ部の横断面図。
【図2】 図1に示されているチリ出しブロックの拡大横断面図。
【図3】 同チリ出しブロックの右側面図。
【図4】 クレセント錠とチリ出しブロック取付け位置との関係を示す正面図。
【図5】 図1の左側から見た一部省略側面図。
【図6】 他の実施の形態によるチリ出しブロックの拡大横断面図。
【図7】 従来のサッシの召合せ部の横断面図。
【符号の説明】
1 内召合せ框
11 屋外側壁
12 煙り返し
2 外召合せ框
21 屋内側壁
3 クレセント錠
3B クレセント受け
4 クレセント受け取付けビス
41 ビスの頭
7 チリ出しブロック
71 ねじ貫通孔
72 係合部
73 リブ
8 ねじ
Claims (3)
- クレセント錠のクレセント受けが外召合せ框の屋内側壁にビスで取り付けられているサッシにおいて、
内召合せ框の屋外側壁の屋外側面に、前記内召合せ框の煙り返しからその内召合せ框の戸尻面側に延びるチリ出しブロックを設けたこと、
前記チリ出しブロックは、その先端部を前記内召合せ框の煙り返しに係合し、かつ、前記内召合せ框の煙り返しよりも戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定してあること、
前記チリ出しブロックは、そのチリ出しブロックの幅方向の中間部分が前記内召合せ框の煙り返しの室外側面から室外方向に、前記ビスの頭の高さよりもわずかに大きい突出高さを有し、前記中間部分から前記煙返しまでの部分は、前記突出高さが漸減するテーパを有すること、を特徴とするサッシ。 - クレセント錠のクレセント受けが外召合せ框の屋内側壁にビスで取り付けられているサッシにおいて、
内召合せ框の屋外側壁の屋外側面に、前記内召合せ框の煙り返しからその内召合せ框の戸尻面側に延びるチリ出しブロックを設けたこと、
前記チリ出しブロックは、その先端部を前記内召合せ框の煙り返しに重ね合わせ、かつ、前記煙返しの肩に係合させて、前記内召合せ框の煙り返しよりも戸尻側部分においてその内召合せ框の屋外側壁にねじ止めして固定してあること、
前記チリ出しブロックは、そのチリ出しブロックの幅方向の中間部分が前記内召合せ框の煙り返しの室外側面から室外方向に、前記ビスの頭の高さよりもわずかに大きい突出高さを有し、前記中間部分から前記煙り返しまでの部分は、前記突出高さが漸減するテーパを有すること、を特徴とするサッシ。 - チリ出しブロックは、複数のリブを有し、その各リブが、クレセント受け取付ビスの頭よりもわずかに大きい突出高さを有する中間部分と突出高さが漸減するテーパを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のサッシ。
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