JP4005964B2 - ピストンリングの検査方法及びその装置 - Google Patents

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本発明は、例えば自動車用エンジン等に組み込まれる前のピストンを対象とし、このピストン外周にその軸線方向に所定間隔を隔てて形成されている複数のリング溝に組付けられたピストンリングの検査方法及びその装置に関する。
ピストンの複数のリング溝には、トップリング、セカンドリング、サイドレールアッパーリング、サイドレールロアーリング等の複数のピストンリングがピストンリング組付機等により組付けられる。その際、組付け忘れや各ピストンリング合口部の周方向位置が一致して直線上に並んでいるような組付け不良、さらには、組付け力等によってピストンリング自体が変形してその合口部の幅が所定値よりも変化するなどの異常事態が生じたままであると、ピストンをエンジンに組み込んだとき、ピストンリング本来の性能、つまり、ピストンとシリンダ内壁との間の気密性が損なわれたり、シリンダ内壁の潤滑油のかき落とし性能が不十分になったりしてエンジン動作に種々の弊害をもたらしかねない。そのため、ピストン外周面の複数のリング溝にピストンリングを組付けた後、各ピストンリングの有無の確認及び各ピストンリング合口部の周方向位置の確認並びに各ピストンリング合口部の幅の合否を判断する検査作業は必須不可欠である。
かかるピストンリングの検査方法として、従来一般には、作業者がピストンリングの組付後のピストンを一つ一つ手に取って目視によりピストンリングの有無の確認、合口部の周方向位置の確認及び合口部の幅の合否判断が行われていた。
しかし、上記したような従来の目視による検査方法の場合は、面倒な手数を要するだけでなく、検査時間が長くかかり、エンジンの組付ラインタクトに間に合わないため、ピストンリングの組付けが完了したピストンの多数を検査のためにストックしておくためのスペースの確保が必要になる。また、ピストンリングの有無及び合口部の周方向位置の確認は、一目するだけでよいので、熟練者でなくても可能であるが、合口部の幅の合否については、この種の作業経験並びに技術知識が豊富な熟練作業者でなければ正確に判定することができないという問題がある。
本発明は上述の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、ピストンリングの有無及び合口部の周方向位置の確認はもとより、合口部の幅の合否をも未熟練作業者であっても、容易かつ迅速に、しかも正確に判定することができるピストンリングの検査方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために案出された本発明に係るピストンリングの検査方法は、ピストン外周にその軸線方向に所定間隔を隔てて形成した複数のリング溝に組付けられたピストンリングの検査方法であって、ピストンの側方位置から前記ピストンリング組付け位置に向けてピストン径方向に対して傾斜する方向の光を照射し、この光照射状態でピストンをその軸心周りに回転させてその外周面一周分の画像を前記のピストン側方位置からカメラで撮影することにより、ピストンリングの有無及び各ピストンリング合口部の周方向位置を確認するとともに、前記撮影画像のデータ処理により、各ピストンリング合口部の幅の合否を判定することを特徴としている。
また、上記と同一の目的を達成するために案出された本発明に係るピストンリングの検査装置は、ピストン外周にその軸線方向に所定間隔を隔てて形成した複数のリング溝に組付けられたピストンリングの検査装置であって、ピストンの側方位置に配置され前記ピストンリング組付け位置に向けてピストン径方向に対して傾斜する方向の光を照射する光源と、ピストンをその軸心周りに回転させるピストン回転機構と、前記ピストンの側方位置に配置されピストンの回転時にその外周面一周分の画像を撮影するカメラと、その撮影画像のデータ処理により各ピストンリング合口部の幅の合否判定画面を表示する手段とを備えていることを特徴としている。
上記のごとき特徴構成を有する本発明に係るピストンリングの検査方法及びその装置によれば、ピストンの側方位置から複数のピストンリングが組付けられた位置に向けてピストン径方向に対して傾斜方向の光を照射した状態でピストンをその軸心周りに回転させてピストン外周面一周分の画像をカメラ撮影することにより、ピストンリングが正常にリング溝内に組付けられているときとそうで無いときとで各ピストンリングの外周面における最強光照射部位が画像上の異なる位置に線状に写し出されるために、その画像上に写し出された線状部位の位置を観察するだけで、各ピストンリングそれぞれが対応するリング溝に所定どおり組付けられているか否か、つまり、各ピストンリングの有無及び各ピストンリング合口部の周方向位置を容易かつ迅速に確認することができる。しかも、撮影画像のデータ処理により得られたピストンリング合口部の幅を画面上に表示させる、あるいは、ピストンリング合口部の幅として許容範囲の数値を予め入力しておき、この許容範囲の数値と撮影画像のデータ処理による数値とを比較させてピストンリング合口部の幅の合否判定結果を画面上に表示させることによって、熟練や経験の少ない作業者であっても、合口部の幅の合否を極めて容易に、かつ正確に判定することができる。したがって、ピストンリング組付け位置に向けて光を照射して得られる画像及びその画像のデータ処理結果として画面上に表示される内容を観察し読み取るだけでよく、ピストンリングの検査作業の省力化、効率化を実現できるだけでなく、非常に信頼性の高い検査を実行できるという効果を奏する。
本発明に係るピストンリングの検査方法及び装置において、請求項2及び請求項5に記載のように、光照射位置及びカメラ撮影位置とは反対側からピストン外周面にリング押出用ローラを押圧させて各ピストンリングの光照射及びカメラ撮影側の外周面部分をピストン外周面の外方へ飛び出させて一周分の画像を撮影することにより、ピストンリングが正常にリング溝内に組付けられているときとそうで無いときとで画像上の異なる位置に線状に写し出される最強光照射部位とそれ以外の部位とのコントラストを大きくとれ、画面上でのピストンリングの有無及び各ピストンリング合口部の周方向位置の確認を一層容易、正確なものとすることができる。
また、照射光及び光源としては、どんなものであってもよいが、特に、請求項3及び6に記載のように、指向性の強いレーザー光及びレーザーを用いることが望ましく、この場合は、いかなる作業環境のもとでの検査であっても、ピストンリングの有無及び各ピストンリング合口部の周方向位置の確認並びに合口部の幅の合否判定という所定の検査を正確に行なうことができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るピストンリングの検査方法に用いられる検査装置全体の概略平面図、図2はその要部の側面図、図3は同検査装置の要部の縦断正面図である。これら図1〜3において、1は床面に立設された架台2に図外のエアシリンダーを介して昇降自在に支持された装置フレームであり、この装置フレーム1にはベアリング3a付き筒状軸受部材3を介して縦軸4が回転自在に支承されている。
この縦軸4の下端部には、水平搬送コンベア上に載荷されるパレット(図示省略する)にその軸心が縦向き姿勢の状態で収容保持されて検査装置内に搬入されてくるピストン5を挟持して所定高さ位置まで上昇させるピストンハンドユニット6が装備されているとともに、上端部には、ロータリーエンコーダ7が直結されている。また、この縦軸4はタイミングプーリー8,9及びタイミングベルト10を介して前記装置フレーム1に固設されたスピードコントロールモータ11に連動連結されており、このスピードコントロールモータ11と縦軸4と前記ハンドユニット6によりピストン5をその軸心、すなわち、縦軸心aの周りに駆動回転させるピストン回転機構が構成されている。
前記パレットによるピストン5の搬入口部12から検査後のピストン5の搬出口部13までのピストン移動経路における移動方向(図1の矢印A)に対して直交する方向の一側方に位置するフレーム部分1aには、前記ピストン5の外周面でその軸線方向に所定間隔を隔てて形成されている複数のリング溝14へのピストンリング組付け位置に向けてレーザー光LBを照射するレーザー(光源)15とそのレーザー光LBの照射されたピストン5外周面の画像を撮影するCCDカメラ16とが配置されている。
また、前記レーザー15及びCCDカメラ16の配置側とは反対側、つまり、前記ピストン移動経路における移動方向Aに対して直交する方向の他側方位置にはエアシリンダー17を介してピストン移動経路に対し矢印x-y方向に接近離間移動可能な可動枠18が設けられており、この可動枠18には後述する一対のピストンリング押出用ローラ19,19が取付けられている。さらに、前記CCDカメラ16には、撮影画像をデータ処理してその処理結果等の画面を表示するPC20が接続されている。
なお、図1、図2では、前記ピストン移動経路に搬入されてくるピストン5の3個を同時に検査できるように、ハンドユニット6付き縦軸4、レーザー15、CCDカメラ16及びピストンリング押出用の一対のローラ19,19のそれぞれをピストン移動方向Aに適宜間隔を隔てて3組、配置したものを示しているが、ピストン5を一つ一つ検査するように構成してもよく、以下においては一つのピストンリング検査装置の構成についてのみ説明する。
前記ピストン5の外周面に形成されている複数のリング溝14、具体的には、3つのリング溝14a〜14cには、図4(a),(b)に明示するように、トップリング21a、セカンドリング21b、サイドレールアッパーリング21c、サイドレールロアーリング21dと通称されている4つのピストンリング21がそれらの合口部21B(21a1,21b1,21c1,21d1)の周方向位置が少しづつずれるようにピストンリング組付機等を介して組付けられている。
前記レーザー15は、該レーザー15から出射されたレーザー光LBがピストン径方向に対して傾斜する方向に指向されてピストン外周面を照射するような傾斜姿勢で前記フレーム部分1aに配置固定されているとともに、前記CCDカメラ16はレーザー光LBの最強光照射位置を略中心とするような画像が得られる傾斜姿勢で前記フレーム部分1aに配置固定されている。なお、レーザー15及びCCDカメラ16の傾斜角度は調整可能に構成されている。
前記ピストンリング押出用の一対のローラ19,19は、図5及び図6に示すように、前記可動枠18に固定のブラケット22の左右二箇所に支軸23,23を中心として揺動自在に枢支されたベルクランク24,24の先端部に自由回転可能に支承されているとともに、両ベルクランク24,24の他端部間には、一対のローラ19,19をストッパー25,25による制限位置まで互いに接近する方向に揺動付勢するバネ26が介在されており、これによって、可動枠18が図1の仮想線に示すように、ピストン移動経路側に接近移動して一対のローラ19,19がピストン5外周面に当接したとき、バネ25の付勢力に抗してベルクランク24,24が互いに離間する方向に揺動して一対のローラ19,19による弾性押圧力によって各ピストンリング21の光照射及びカメラ撮影側の外周面部分21Aをピストン5外周面の外方へ飛び出させるように構成している。
次に、上記のように構成されたピストンリング検査装置による検査方法(手順)について説明する。
前記ピストン5を縦向き姿勢に収容保持しているパレットが水平搬送コンベアにより検査装置内部のピストン移動経路に搬入されて所定位置に停止されると、装置フレーム1が下降されて縦軸4下端部のハンドユニット6がピストン5を挟持し、続く装置フレーム1の上昇によって該ピストン5が図7に示すような所定高さ位置まで上昇される。
次いで、スピードコントロールモータ11が作動開始しその回転力がタイミングプーリー9,8及びタイミングベルト10を介して縦軸4に伝達されて該縦軸4及びその下端部に装備のハンドユニット6に挟持されたピストン5が縦軸心a周りに駆動回転される。このとき、可動枠18はエアシリンダー17を介して図1の仮想線に示すように、ピストン移動経路側に接近移動されて、この可動枠18に取付けられている一対のローラ19,19がピストン5の外周面に弾性的に押圧されるので、各ピストンリング21の光照射及びカメラ撮影側の外周面部分21Aは、図8に示すように、ピストン5外周面の外方へ飛び出され、この状態で縦軸4及びピストン5、ピストンリング21はロータリーエンコーダ7に設定されているパルス数に基づいてピストン外周面の一周分だけ駆動回転される。
このような縦軸4、ピストン5及びピストンリング21の回転に並行してレーザー15が動作され、このレーザー15から出射されたレーザー光LBが図8に示すように、ピストン径方向に対して傾斜する方向からピストンリング組付け位置に向けて照射されるとともに、CCDカメラ16が作動してピストン5外周面一周分の画像が撮影されることになる。
ここで、前記レーザー光LBはピストンリング組付け位置の最も外方へ突出した部分を最も強く照射するので、各ピストンリング21(21a〜21d)が正常にリング溝14内に組付けられているときは、図9に示すように、ピストンリング21の最強光照射部位である飛び出しピストンリング21の外周面部分21Aの線L1が、その他の部位のうち最強光照射部位となる複数のリング溝14間のピストン外周面部分の線L2の一側に偏位して画像P上に写し出され、また、各ピストンリング21がリング溝14内に組付けられていないときは、図10に示すように、各リング溝14に対応する線L3が前記リング溝14間のピストン外周面部分の線L2の他側に偏位して画像P上に写し出されるために、その画像P上に写し出された線L1またはL3の線L2に対する位置を観察するだけで、各ピストンリング21それぞれが対応するリング溝14に所定どおり組付けられているか否か、つまり、各ピストンリング21の有無及び各ピストンリング合口部21B(21a1,21b1,21c1,21d1)の周方向位置を容易かつ迅速に確認することができる。
また、前記CCDカメラ16で撮影された一周分の画像はPC20に入力されデータ処理されてそのディスプレイには図11に示すようなモニター画面Sが表示される。このモニター画面S上に表示されたピストンリング合口部の幅w(図4の(b)参照)を確認するか、もしくは、ピストンリング合口部の幅として許容範囲の数値をPC20に予め入力しメモリに記憶入させておき、この記憶された許容範囲の数値と撮影画像のデータ処理による数値とを比較させてピストンリング合口部の幅の合否判定結果(OK又はNG)をモニター画面S上に表示させることによって、熟練や経験の少ない作業者であっても、合口部の幅の合否を極めて容易に、かつ正確に判定することができる。
なお、前記ロータリーエンコーダ7への設定パルス数を変更することにより、外径寸法の異なる各種大きさ(径)のピストンを検査対象として、上記したような内容のピストンリングの検査に適用することが可能である。
また、カメラとしては、上述したとおり、CCDカメラが最も好ましいが、デジタルカメラであっても、ビデオカメラであってもよい。
本発明に係るピストンリングの検査方法に用いられる検査装置全体の概略平面図である。 同検査装置全体の要部の側面図である。 同検査装置の要部の縦断正面図である。 (a)は検査対象となるピストンリング組付けピストンの縦断面図、(b)はその外観正面図である。 検査装置における要部の拡大平面図である。 同検査装置における要部の拡大側面図である。 同検査装置による検査開始時の状態を示す要部拡大正面図である。 同検査装置による検査状況を概略的に示す要部の平面図である。 各ピストンリングが正常にリング溝内に組付けられている(有)ときにカメラに写し出される撮影画像の図である。 各ピストンリングがリング溝内に組付けられていない(無)ときにカメラに写し出される撮影画像の図である。 一周分の撮影画像のデータ処理により得られてPCのディスプレイ上に表示されるモニター画面の図である。
符号の説明
5 ピストン
14(14a〜14d) リング溝
15 レーザー(光源)
16 CCDカメラ
19 ピストンリング押出用ローラ
20 PC(撮影画像のデータ処理及び表示手段)
21(21a〜21d) ピストンリング
21A 飛び出し外周面部分
21B ピストンリング合口部
LB レーザー光

Claims (6)

  1. ピストン外周にその軸線方向に所定間隔を隔てて形成した複数のリング溝に組付けられたピストンリングの検査方法であって、
    ピストンの側方位置から前記ピストンリング組付け位置に向けてピストン径方向に対して傾斜する方向の光を照射し、この光照射状態でピストンをその軸心周りに回転させてその外周面一周分の画像を前記のピストン側方位置からカメラで撮影することにより、各ピストンリングの有無及び各ピストンリング合口部の周方向位置を確認するとともに、前記撮影画像のデータ処理により、各ピストンリング合口部の幅の合否を判定することを特徴とするピストンリングの検査方法。
  2. 前記ピストンの回転時に、光照射及びカメラ撮影位置とは反対側からピストン外周面にローラを押圧させることによって、各ピストンリングの光照射及びカメラ撮影側の外周面部分をピストン外周面の外方へ飛び出させて一周分の画像を撮影する請求項1に記載のピストンリングの検査方法。
  3. 前記照射光として、レーザー光を使用する請求項1または2に記載のピストンリングの検査方法。
  4. ピストン外周にその軸線方向に所定間隔を隔てて形成した複数のリング溝に組付けられたピストンリングの検査装置であって、
    ピストンの側方位置に配置され前記ピストンリング組付け位置に向けてピストン径方向に対して傾斜する方向の光を照射する光源と、ピストンをその軸心周りに回転させるピストン回転機構と、前記ピストンの側方位置に配置されピストンの回転時にその外周面一周分の画像を撮影するカメラと、その撮影画像のデータ処理により各ピストンリング合口部の幅の合否判定画面を表示する手段とを備えていることを特徴とするピストンリングの検査装置。
  5. 前記の光線照射及びカメラ撮影位置とは反対側のピストンの側方位置には、ピストンの回転時にピストン外周面に押圧されて各ピストンリングの光照射及びカメラ撮影側の外周面部分をピストン外周面の外方へ飛び出させるリング押出用ローラが設けられている請求項4に記載のピストンリングの検査装置。
  6. 前記光源が、レーザーである請求項4または5に記載のピストンリングの検査装置。

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