JP4019182B2 - 視覚装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カメラによって撮像した画像によって撮像領域を認識する視覚装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラを車両に搭載して、前方領域をビデオカメラにより撮像して、その撮像画像から障害物を認識するようにしている(特開平6−215300号公報参照)。
【0003】
しかし、ビデオカメラによるのでは、霧中などでは車両のヘッドライトを点灯しても前方領域の撮像をなすことができない。
【0004】
すなわち、例えば、図8に示すように、照明光LLの開き角度6が比較的広いヘッドライト4により前方の領域を照明し、その照明領域からの反射光RLをビデオカメラ2によって受光して照明領域の撮像をなす場合、照明領域に霧、煙、粉塵等のエアロゾルZが存在すると、照明光LLがそのエアロゾルZによって散乱されてしまい、その散乱光のなかのビデオカメラ2の受光部に向かう光Nがビデオカメラ2にノイズとなって受光される。また、エアロゾルZを通過した照明光LLの一部が照明領域にある物体3を照射するが、その反射光RLもさらにエアロゾルZによって散乱されて減衰し、反射光RLのうちのわずかな光しかビデオカメラ2によって受光されなくなる。
【0005】
したがって、照明領域におけるエアロゾルZの量が多くなるにしたがって、ノイズが増えて、照明領域からの反射光RLの受光量が減り、照明光LLの光強度を上げてもビデオカメラ2によって照明領域の撮像をなすことが困難になってしまう。
【0006】
また、従来、赤外線カメラを車両に搭載して、前方領域を赤外線カメラにより撮像して、その撮像画像から障害物を認識するようにしている(特開昭54−92117号公報参照)。
【0007】
しかし、赤外線カメラによるのでは、夜間や霧中などでも人間や自動車などの赤外線の放射量の多い物体を比較的良好に認識することはできても、前方道路を認識しようとする場合、赤外線の放射量の少ない路面や道路構造物を明瞭に認識することができず、特に道路上の白線などの認識をなすことが困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする問題点は、従来のビデオカメラを用いた視覚装置では、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中では前方領域を撮像することができない。また、赤外線カメラを用いた視覚装置では、赤外線の放射量の少ない物体を認識することができないということである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両に搭載したカメラによって車両の前方領域を撮像するに際して、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中にあっても良好な撮像画像を得ることができるようにするべく、照明用光源によって照明される領域を撮像する路面撮像用の第1のカメラと、その第1のカメラとは感度が異なる波長帯域で同一方を撮像する障害物撮像用の第2のカメラとをそなえ、第1および第2の各カメラによってそれぞれ撮像された画像の合成画像を得る手段をとるようにしている。
【0010】
その際、特に本発明では、第1のカメラに可視光または近赤外線の周波数帯域に感度を示すものを用いたうえで、照明用光源から発せられろ照明光の開き角および第1のカメラの1画素の視野角が、照明光の光軸とその照明光が照射される物体からの第1のカメラへの反射光の光軸とのなす角よりも小さくなるように、照明用光源と第1のカメラとを設置する際の相対的な関係を工夫して、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中にあっても、第1のカメラによりエアロゾルによる散乱ノイズに対してSN比の高い反射光を得て照明領域の撮像を行わせることができるようにしている。
【0011】
そして、第2のカメラに10μm前後の赤外線の周波数帯域に感度を示すものを用いて、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中にあっても、赤外線を放射する人間や自動車などの障害物の認識を比較的広い範囲にわたって明瞭に行うことができるようにしている。
【0012】
【実施例】
図5は、照明用光源1とビデオカメラ2との間の設置間隔Dを可変にしながら、照明光LLの開き角度θを種々に変えたときの反射光RLのSN比を測定するシュミレーションモデルを示しており、L=50m先で可視光による照明光LLの透過率が約5%に低下する霧中で、50m先に置いた反射率1の物体3からの反射光RLをビデオカメラ2によって受光するようにしている。
【0013】
図6は、そのときのシュミレーション結果の特性を示している。その特性図は、横軸に照明用光源1とビデオカメラ2との間の設置間隔Dをとり、縦軸にSN比をとっている。また、照明光LLの開き角度θとして、0.5mrad(ミリフラジアン)、lmrad、5mrad、17mrad、85mradの各パラメータをとっている。
【0014】
このシュミレーション結果をみれば、照明用光源1から発せられる照明光LLの開き角度θを小さくするほどSN比が良くなることがわかる。このことは、ビデオカメラ2における1画素の受光の開き角度(視野角)θを小さくしても同様である。また、照明用光源1とビデオカメラ2との間の設置間隔Dが大きいほどSN比が良くなることがわがる。
【0015】
このことは、照明光LLの開き角度θまたはビデオカメラ2における視野角θを小さくし、また、照明用光源1と光センサ2との間の設置間隔Dを大きくすると、照明光LLの照明領域Aと反射光RLの反射領域Bとの重合領域Cの大きさが小さくなり、霧により照明光LLが散乱したときのビデオカメラ2の受光部に向かうノイズ光の量が抑制されるためと考えられる。
【0016】
照明用光源1から発せられる照明光LLとしては、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中での透過性の良い赤外線を用いることが考えられるが、以下の理由からして、可視光か近赤外線を用いるのが適当である。
【0017】
すなわち、照明用光源1およびビデオカメラ2を車両に搭載して前方の道路を撮像するような場合など、物体に照明光LLを斜めに照射したときにも物体からの反射光を充分に得ることができるようにするために、物体の表面の凹凸よりも小さな波長をもった照明光を用いるのがよく、赤外線よりも波長の短い可視光か近赤外線のほうが適している。
【0018】
また、図7は、平均粒径を1〜10μmの範囲で変えた人工の霧中での電磁波の透過率を同一条件下で測定したときの特性図であり、その測定が果からして、10μm前後(5〜20μmの範囲)の赤外線の透過率が高いことがわかる。
【0019】
そして、物体は自ら電磁波を放射しており、常温では10μm付近の赤外線が最も多く放射されていることがわかっている。
【0020】
したがって、特に10μm前後の周波数帯域に感度を示す赤外線カメラを用いれば、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中にあっても物体を撮像することができ、特に、道路環境を想定する場合、人間や自動車などの周囲に比べて温度が高くて赤外線の放射量の多い物体を認識することができるようになる。
【0021】
図1は、以上の検討結果を考慮したうえで構成された本発明による視覚装置の一実施例を示すもので、ここでは、その視覚装置を車両に搭載して、霧、煙、粉塵等のエアロゾル中にあっても、主として、ビデオカメラ2によって照明用光源1による車両前方における道路の照明領域の撮像を可能とし、また、赤外線カメラ5によって車両の前方領域に存在する人間や自動車などの障害物の撮像を広範囲にわたって行わせて、その各撮像画像を画像合成器(図示せず)によって合成するようにしている。
【0022】
照明用光源1とビデオカメラ2は、車両7の前部の上下方向に、照明用光源1における照明光LLの開き角度θおよびビデオカメラ2の視野角θが、前方の路面8を照射する照明光LLの光軸と路面8からの反射光RLの光軸とのなす角αよりも小さくなるような関係(θ,θ<α)をもって配設されている。
【0023】
しかして、θ,θ<αの関係を満足するように照明用光源1とビデオカメラ2とを車両7の前部に配設することにより、照明領域に霧、煙、粉塵等のエアロゾルが存在しても、そのエアロゾルにより照明光LLが散乱したときのビデオカメラ2の受光部に向かうノイズ光量が最小限に抑制されたSN比の高い反射光RLをビデオカメラ2によって受光することができるようになり、車両前方の路面8の撮像を有効に行わせることができるようになる。
【0024】
その際、例えば、霧中走行時の前方視界を必要最小限に確保するべく、車両7の前方数mほど先の路面8上を照明できるように照明用光源1およびビデオカメラ2をセットする。そして、その路面を充分な幅をもって撮像することができるようにするべく、照明用光源1にそれから発せられる照明光LLが左右方向に広がるようなアパーチャーをもたせるとともに、ビデオカメラ2の受光部も同様に左右方向の広がりをもたせるようにする。
【0025】
図2は、このようにして照明用光源1およびビデオカメラ2を車両7の前部に取り付けたときのビデオカメラ2による路面8の撮像画像の一例を示しており、ここでは路面8上に引かれた道路端および中央線の白線9が明瞭に撮像されている。
【0026】
なお、その際、車両7のヘッドライト4を点灯することにより見える手前の路面をもビデオカメラ2によって同時に撮像することができるようになる。
【0027】
照明用光源1にもヘッドライト4にも照明されない部分は、両者のデータから予測する。また、照明用光源1を1ラインではなく、複数ライン走査することでデータを増やすことができるようになる。
【0028】
また、赤外線カメラ5は、車両の前方領域を広範囲にわたって撮像することができるように、車両7の前部に設置されている。
【0029】
図3は、赤外線カメラ5による撮像画像の一例を示しており、ここでは車両の前方の照明用光源1による照明領域外にいる人間10が明瞭に撮像されている。
【0030】
しかして、霧中などの車両7の走行時にあっても、このようなビデオカメラ2による撮像画像と赤外線カメラ5による撮像画像とを画像合成器によって合成することにより、図4に示すように、照明用光源1によって照明されている車両前方の路面8とその照明領域外にいる人間10とが一体となった実際に即した画像が得られるようになる。
【0031】
そして、その合成画像を、例えばヘッドアップディスプレイを用いて運転席側のフロントガラス方に写し出すようにすれば、見通しのきかない濃い霧中での車両走行時にあっても、運転者は前方の道路状態を認識し、また、前方に人間や自動車などの障害物があることを認識することができるようになる。
【0032】
また、その合成画像のデータを自動走行装置に与えて、障害物を避けながら道路上を自動走行するような制御を行わせるようにすることも可能である。
【0033】
さらに、本発明は車載用に限らず、自動走行ロボットの視覚装置として、また、一般の監視用の視覚装置などとして広く用いられることはいうまでもない。
【0034】
【効果】
以上、本発明による視覚装置によれば、車両の上部に設置されて車両の前方領域を照明する照明用光源と、車両における前記照明用光源の下方に設置され、その光源によって照明される領域を撮像する可視光または近赤外線の周波数帯域に感度を示す路面撮像用の第1のカメラと、車両に設置されて第1のカメラと同一方を撮像する10μm前後の赤外線の周波数帯域に感度を示す赤外線を放射する人間などの障害物撮像用の第2のカメラと、第1および第2の各カメラによってそれぞれ撮像された画像の合成画像を得る手段とをそなえ、照明用光源から発せられる照明光の開き角および第1のカメラの視野角が、照明光の光軸と照明領域から第1のカメラへの反射光の光軸とのなす角よりも小さくなるような関係をもって、照明用光源と第1のカメラとを配設することにより、視界のきかないエアロゾル中にあっても車両前方の路面およびその前方領域に存在する人間などの障害物に係る実際に即した明瞭な撮像画像を得ることができ、運転視界を確保することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による視覚装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】同実施例において照明用光源による照明領域をビデオカメラによって撮像した画像の一例を示す図である。
【図3】同実施例において赤外線カメラによって撮像した画像の一例を示す図である。
【図4】ビデオカメラによる撮像画像と赤外線カメラによる撮像画像とを合成した画像の一例を示す図である。
【図5】照明用光源による照明領域をビデオカメラにより撮像する際の反射光のSN比を測定するシュミレーションモデルの概略構成図である。
【図6】照明光の開き角をパラメータにとり、横軸に照明用光源とビデオカメラとの間隔をとり、縦軸にSN比をとったシュミレーション結果の特性図である。
【図7】粒径を1〜10μmの範囲で変えた人工の霧中での電磁波の透過率を同一条件下で測定したときの特性図である。
【図8】従来の車両のヘッドライトによる照明領域をビデオカメラによって撮像するときの状態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 照明用光源
2 ビデオカメラ
4 ヘッドライト
5 赤外線カメラ
7 車両
8 路面

Claims (1)

  1. 車両の上部に設置されて車両の前方領域を照明する照明用光源と、車両における前記照明用光源の下方に設置され、その光源によって照明される領域を撮像する可視光または近赤外線の周波数帯域に感度を示す路面撮像用の第1のカメラと、車両に設置されて第1のカメラと同一方を撮像する10μm前後の赤外線の周波数帯域に感度を示す赤外線を放射する人間などの障害物撮像用の第2のカメラと、第1および第2の各カメラによってそれぞれ撮像された画像の合成画像を得る手段とをそなえ、照明用光源から発せられる照明光の開き角および第1のカメラの視野角が、照明光の光軸と明領域から第1のカメラへの反射光の光軸とのなす角よりも小さくなるような関係をもって、照明用光源と第1のカメラとを配設したことを特徴とする視覚装置。
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