JP4025699B2 - 液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネルおよびそれを用いた液晶表示装置に関する。
従来、液晶表示装置において、正の誘電率異方性を有する液晶を、相互に対向する基板間に水平配向した、いわゆるTNモードが主として使われていた。しかし、TNモードは、その駆動特性上、黒表示をしようとしても基板近傍の液晶分子により複屈折が生じる結果、光漏れが生じ、完全な黒表示を行うことが困難であった。一方、電圧非印加状態に置いて液晶分子が略垂直に配向しているVAモードがある。VAモードでは、光が、偏光面をほとんど変化させること無く液晶層を通過するため、基板の上下に偏光板を配置することにより非駆動状態(電圧非印加状態)で、ほぼ完全な黒色表示が可能である。
しかしながら、VAモードでは、パネル法線方向においてはほぼ完全な黒色表示ができるものの、法線方向から外れた方向(斜め方向)からパネルを観察すると、液晶の複屈折の影響を受け、光漏れが発生する。この結果、VAモードにおいて、視野角が狭くなるという問題があった。この問題を解決するために、nx=ny>nzの屈折率異方性を有する位相差板を、液晶層と偏光板の間の少なくとも一方に配置することで、前記液晶の複屈折を補償することが、提案されている(例えば、特許文献1。)。前記nx、nyおよびnzは、それぞれ、前記位相差板における、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の屈折率を示す。前記X軸方向は、前記位相差板の面内方向において最大の屈折率を示す軸方向であり、前記Y軸方向は、前記面内における前記X軸方向に対して垂直な軸方向であり、前記Z軸方向は、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な厚み方向を示す。しかし、液晶層の複屈折を補償しても、偏光板の光軸から外れた方位においては、偏光板による光漏れが生じ、コントラストの低下が生じてしまうという問題があった。基本的に、PVA系フィルムにヨウ素等の二色性物質等を吸着させた偏光子同士でクロスニコル状態を得ても、その光軸からずれた方位において法線方向から視角を傾けていくと光漏れは必然的に生じてしまうからである。
これに対して、nx>ny=nzとなる正の屈折率異方性を有する第1の位相差板と、nx=ny>nzとなる負の屈折率異方性を有する第2の位相差板とを併用することにより、偏光板の光軸からずれた方位においても光漏れを低減させ、視野角特性を向上する方法が提案されている(例えば、特許文献2。)。しかしながら、この方法では、コントラストの視野角特性の改善、すなわち視感度の一番高い550nm付近の光に対して漏れ量を低減させているのみであり、カラーシフトに関しては解決方法が示されていない。視野角特性という点では、青や赤の光に対しても漏れ量を同様に低減させる必要があり、それが不十分である場合には、黒が、青若しくは赤みがかったりするという、カラーシフト現象が生じてしまう。すなわち、コントラストの視野角特性改善においては、カラーシフト現象の問題も考慮する必要がある。
また、nx>ny>nzの光学的に二軸の位相差板を用いることにより、VAモードの液晶表示装置の視野角特性を向上することが提案されている(例えば、特許文献3。)。しかし、これも上記と同様に、カラーシフトの点は不十分である。
一方、最近の研究において、逆分散のAプレート(nx>ny=nz)とネガティブCプレート(nx=ny>nz)を備えたVAモードの液晶表示装置では、黒表示でのカラーシフト現象が、特に短波長側において少し改善できることが報告されている(例えば、非特許文献1。)。しかし、この方法でもカラーシフトの点では不十分である。
特開昭62−210423号 特許3027805号 特許3330574号 Y.Ono, et.al. : IDW’02 Proceedings p525
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、広範囲にわたり高いコントラスト比を有し、カラーシフトが抑制されたVAモードの液晶パネルの提供を、その目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の液晶パネルは、2枚の偏光板、複屈折層A,複屈折層Bおよび液晶セルCを含む液晶パネルであって、
前記2枚の偏光板が、それらの吸収軸が略直交するように配置され、
前記2枚の偏光板の間に、前記複屈折層A、前記複屈折層Bおよび前記液晶セルCが配置され、
前記複屈折層Aは、下記式(1)の屈折率異方性を有し、
前記複屈折層Bは、下記式(2)の屈折率異方性を有し、かつ前記複屈折層Bの形成材料が2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)から合成されたポリイミドを含み、
前記液晶セルCは、その液晶分子が、電圧非印加状態で略垂直に配向している液晶セルであり、
前記複屈折層Aの波長分散特性(α40(A))、前記複屈折層B(α40(B))および前記液晶セルCの(α40(C))が、下記式(3)および下記式(4)の条件を満たすことを特徴とする、
液晶パネルである。

式(1) nx>ny≧nz
式(2) nx≧ny>nz

前記式(1)および前記式(2)において、nx、nyおよびnzは、それぞれ、前記複屈折層AおよびBにおける、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の屈折率を示す。前記X軸方向は、前記複屈折層AおよびBのそれぞれの面内方向において最大の屈折率を示す軸方向であり、前記Y軸方向は、前記それぞれの面内における前記X軸方向に対して垂直な軸方向であり、前記Z軸方向は、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な厚み方向を示す。

式(3) α40(B)>α40(C)>α40(A)
式(4) 1>α40(A)

前記式(3)および前記式(4)において、下記式(5)に示すように、波長分散特性α40は、複屈折層表面若しくは液晶セル表面の法線方向を基準(0°)とし、これから40°傾いた方向からの430nmおよび550nmの各波長の入射光で測定したリターデーション(Re)の比である。

式(5) α40=Re(430nm)/Re(550nm)
Re(430nm):波長430nmの入射光で測定したリターデーション
Re(550nm):波長550nmの入射光で測定したリターデーション
本発明者等は、前記課題を解決するために一連の研究を重ねた。その過程で、偏光板に使用される透明保護層に着目した。すなわち、各波長に対して十分な光漏れを抑制するようなVAモードの液晶表示装置を得るためには、偏光子の両側に透明保護膜として使用されている透明高分子フィルム(例えば、トリアセチルセルロース(TCA)フィルム)の光学的な影響に注目する必要がある。一般的に、透明高分子フィルムは未延伸状態においてもnx≧ny>nzという屈折率異方性を持つ。特に、厚み方向位相差(nx−nz)dは40〜60nm程度もあることから、フィルム法線から傾いた方向に伝播する光は大きな影響を受けるため、この影響を考慮に入れて複屈折層の位相差値を設定する必要がある。さらに、液晶セル内の液晶分子を紫外光から保護するため、偏光板の透明保護膜にはUV吸収剤が一般的には含まれている。したがって、VAモードの液晶表示装置のカラーシフト現象を無くすためには、このUV吸収剤の光学的影響を排除するように、複屈折層の波長分散特性を設定する必要があるという結論に至った。そして、これに基づき、さらに研究を重ねた結果、VAモードの液晶パネルにおいて、前記式(1)の複屈折層A、前記式(2)の複屈折層Bを用い、これらと前記液晶セルCとが、前記式(3)および前記式(4)の関係を満たすことにより、広範囲にわたりコントラスト比が高く、かつカラーシフトも効果的に抑制できるVAモードの液晶パネルを提供できることを見出し、本発明に到達した。したがって、本発明の液晶パネルを含む液晶表示装置は、広範囲にわたりコントラスト比が高く、かつカラーシフトも抑制されているため、その表示品位が優れている。
なお、本発明において、前記式(3)および前記式(4)において、波長分散特性の入射角を40°としたのは、以下の理由による。
波長分散の入射角依存性に関して、セルに用いる液晶分子は、常光屈折率noと異常光屈折率neの波長分散が大きく異なる。従ってΔn=ne−noの波長分散は、視角により若干異なる。VAモードの場合、液晶分子は略垂直に配向しているため、入射角0°ではΔn=0となり波長分散は測定できない。従って、ある程度位相差が発現するように入射光を傾けた状態で測定する必要があるが、あまり大きくすると表面反射等の影響で精度が悪くなる。このため波長分散特性の測定の入射角は、40°が好ましい。一方、複屈折層は、位相差の波長分散は視角によりほとんど同じであるため、一つの角度で測定すれば十分である。これらのことを総合的に勘案すると、入射角は40°が最適となる。
本発明において、前記複屈折層Bの面内における屈折率の差(Δn=nx−ny、nxおよびnyは、前記式(2)と同じ)は、0.005〜0.2の範囲であれば複屈折層Bの厚みを薄くすることができ、表示装置の薄型化、軽量化の点でも好ましい。さらに、前記Δnは、0.008〜0.17の範囲であることが好ましく、0.01〜0.15の範囲であることがより好ましい。
本発明において、前記複屈折層Bは、非液晶性材料から形成されていることが好ましい。前記非液晶性材料は、特に制限されず、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドがあげられ、これらは単独で使用してもよく、2種類以上で併用しもよい。
本発明において、前記偏光板は、偏光子と、この両面に積層された透明保護層とを含み、前記液晶セルC側の透明保護層が、下記式(6)および下記式(7)の条件を満たすことが好ましい。

式(6) Re=(nx−ny)d<10nm
式(7) Rth=(nx−nz)d<20nm

前記式(6)および前記式(7)において、nx、nyおよびnzは、前記式(1)および前記式(2)と同じである。
前記式(6)および前記式(7)の条件を満たす場合、斜方向に伝波する光に影響を与えることなく、斜方向のコントラスト比を向上することができる。
本発明において、一方の偏光板に、前記複屈折層Aおよび前記複屈折層Bが、この順番で積層されていることが好ましい。この場合、一方の偏光板の偏光子に前記複屈折層Aが積層されており、前記複屈折層Aが前記透明保護層を兼ねており、前記複屈折層Aの遅相軸と前記偏光子の吸収軸が略直交しており、前記複屈折層Aの上に前記複屈折層Bが積層されていることが、より好ましい。さらに、前記複屈折層Bの上に前記液晶セルCが積層されていることが好ましい。すなわち、前記複屈折層Bと前記液晶セルCとが隣接することにより、前記複屈折層Bの前記液晶セルCの光学補償がさらに優れるようになる。
つぎに、本発明について、さらに詳細に説明する。
本発明の液晶パネルは、二つの偏光板の間に、前記複屈折層A、前記複屈折層Bおよび前記液晶セルCが配置されたものである。
前記複屈折層Aの形成材料は、前記式(1)、前記式(3)および前記式(4)を満たし、光学的に透明であれば、特に制限されない。
前記複屈折層Aの形成材料として、例えば、酢酸セルロースを用いる場合には、そのアセチル化度を変えることにより、前記式(4)の条件を満たすようにすることができることが知られている。
前記複屈折層Aの形成材料としては、例えば、樹脂のブレンド物や共重合体であってもよい。ブレンド物の場合、光学的に透明である必要があることから、相溶ブレンド、各々の高分子の屈折率が略等しいことが好ましい。ブレンド物の具体的な組み合わせとしては、例えば、負の光学異方性を有する高分子としてポリ(メチルメタクリレート)と、正の光学異方性を有する高分子としてポリ(ビニリデンフロライド)、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(ビニリデンフロライド−コ−トリフルオロエチレン)の組み合わせ、正の光学異方性を有する高分子としてポリ(フェニレンオキサイド)と、負の光学異方性を有する高分子としてポリスチレン、ポリ(スチレン−コ−ラウロイルマレイミド)、ポリ(スチレン−コ−シクロヘキシルマレイミド)、ポリ(スチレン−コ−フェニルマレイミド)の組み合わせ、負の光学異方性を有するポリ(スチレン−コ−マレイン酸無水物)と正の光学異方性を有するポリカーボネート、また、正の光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン)と負の光学異方性を有するポリ(アクリロニトリル−コ−スチレン)等の組み合わせのブレンド物があげられる。透明性の観点から、ポリスチレンと、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリ(フェニレンオキサイド)との組み合わせが好ましい。
また、前記共重合体としては、例えば、ポリ(ブタジエン−コ−ポリスチレン)、ポリ(エチレン−コ−ポリスチレン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−スチレン)、ポリカーボネート共重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリアリレート共重合体等がある。特に、フルオレン骨格を有するセグメントは負の光学異方性となり得るため、フルオレン骨格を有するポリカーボネート共重合体、ポリエステル共重合体、ポリエステルカーボネート共重合体、ポリアリレート共重合体等が好ましい。
前記複屈折層Aの製造方法は、特に制限されず、例えば、前記形成材料を溶媒に溶解した溶液を調製し、これを表面が平滑な基材フィルムや金属製エンドレスベルトにフィルム状に塗工し、前記溶媒を蒸発除去して、前記複屈折層Aを形成すればよい。
前記塗工する溶液の溶媒は、特に制限されず、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等があげられる。これらの溶媒は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記溶液の塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等があげられる。また、塗工に際しては、必要に応じて、ポリマー層の重畳方式も採用できる。
前記基材フィルムの形成材料は、特に制限されず、透明性に優れるポリマーが好ましく、また、後述するような延伸処理や収縮処理に適していることから、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂(例えば、商品名「ARTON」(JSR(株)製)、商品名「ZEONOR」、商品名「ZEONEX」(日本ゼオン社製)等)、セルロース樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル樹脂や、これらの混合物等があげられる。また、液晶性ポリマー等も使用できる。さらに、例えば、特開平2001−343529号公報(WO 01/37007号)に記載されているような、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物等も使用できる。具体例としては、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物等である。これらの形成材料の中でも、例えば、透明フィルムを形成した際の複屈折率を、相対的により一層低く設定できる材料が好ましく、具体的には、前述の側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物が好ましい。前記の樹脂のなかで、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系ポリマーフィルム、ノルボルネン系ポリマーフィルム(商品名「ARTON」(JSR(株)製)、商品名「ZEONOR」、商品名「ZEONEX」(日本ゼオン社製)等)が代表的ものとして挙げられる。
前記基材フィルムの厚さは、例えば、10〜1000μm程度であるが、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜100μmである。
なお、前記複屈折層Aを偏光板の透明保護層として形成する方法としては、例えば、前記塗工溶液を偏光子に塗工し、前記溶媒を蒸発除去して前記複屈折層Aを形成すればよい。
また、本発明について、前記複屈折層Aの形成方法は、前記方法に特に限定されない。
つぎに、前記液晶セルCは、2枚の液晶セル基板の間に液晶分子が配置されたものであり、電圧非印加時に液晶性分子が実質的に垂直に配向している、いわゆるVAモードの液晶セルである。VAモードの液晶セルとしては、例えば、(1)棒状液晶性分子を電圧非印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625および特公平7−69536号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した液晶セルが含まれる。具体的には、MVA(SID97、Digest of tech. Papers(予稿集)28(1997)845、SID99、Digest of tech. Papers(予稿集)30(1999)206及び特開平11−258605号公報記載)、SURVAIVAL(月刊ディスプレイ、第6巻、第3号(1999)14記載)、PVA(Asia Display98、Proc.of the 18th Inter. Display res. Conf.(予稿集)(1998)383記載)、Para−A(LCD/PDP International ’99で発表)、DDVA(SID98、Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)838記載)、EOC(SID98、Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)319記載)、PSHA(SID98、Digest oftech. Papers(予稿集)29(1998)1081記載)、RFFMH(Asia Display98、Proc.of the 18th Inter. Display res. Conf.(予稿集)(1998)375記載)、HMD(SID98、Digest of tech. Papers(予稿集)29(1998)702記載)が含まれる。その他に、(3)棒状液晶性分子を電圧非印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(IWD’98、Proc.of the 5th Inter. Display Workshop.(予稿集)(1998)143記載)も含まれる。また、前記液晶セルCの波長分散特性α40(C)は、使用している液晶材料が正の波長分散をし、基本的には1より大きくなる。
つぎに、前記複屈折層Bは、前記式(2)、前記式(3)および前記式(4)を満たすものであれば、特に制限されない。また、前記複屈折層Bにおいて、Δn=nx−ny(nx≧ny)は、0.005〜0.2の範囲であれば前記複屈折層Bの厚みを薄くすることができ、液晶表示装置の薄型化・軽量化の点でも好ましい。さらに、前記Δnは、0.008〜0.17の範囲であることが好ましく、0.01〜0.15の範囲であることがより好ましい。また、前記複屈折層Bと前記液晶セルCとは隣接するため、両者の位相差の差は小さいほうがよいことから、前記複屈折層Bにおいて、Rth=(nx−nz)dは、液晶セルの位相差の1/2≦Rth≦液晶セルの位相差の3/2であることが好ましい。
前記複屈折層Bの形成材料は、特に制限されないが、非液晶性材料が好ましい。前記非液晶性材料としては、前述のように、例えば、耐熱性、耐薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーが好ましい。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリアリールエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このようなポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが特に好ましい。
前記ポリマーの分子量は、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは2,000〜500,000の範囲である。
前記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000-511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記一般式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
Figure 0004025699
前記一般式(1)中、R3〜R6は、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R3〜R6は、ハロゲン原子、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
前記一般式(1)中、Zは、例えば、C620の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記一般式(2)で表される基である。
Figure 0004025699
前記一般式(2)中、Z’は、例えば、共有結合、C(R7)2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C25)2基、または、NR8基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、1から10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立に、水素原子またはC(R93である。R8は、水素原子、C120のアルキル基、またはC620アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。R9は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、または塩素原子である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基があげられる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C110のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびF原子やCl原子等のハロゲン原子からなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基があげられる。
この他にも、例えば、特表平8-511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)または下記一般式(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等があげられる。なお、下記一般式(5)のポリイミドは、下記一般式(3)のホモポリマーの好ましい形態である。
Figure 0004025699
前記一般式(3)〜(5)中、GおよびG’は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲン原子である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、および、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記一般式(3)および前記一般式(5)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。また、前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子があげられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0から3までの整数である。
前記一般式(3)〜前記一般式(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基があげられる。また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基があげられる。fは、0から4までの整数であり、gおよびhは、それぞれ0から3および1から3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
前記一般式(4)中、R10およびR11は、水素原子、ハロゲン原子、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R10およびR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記一般式(5)中、M1およびM2は、同一であるかまたは異なり、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子があげられる。また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、およびC1-3ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。
前記一般式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記一般式(6)で表されるもの等があげられる。
Figure 0004025699
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーがあげられる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物があげられる。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
前記ピロメリト酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、3,6−ジフェニルピロメリト酸二無水物、3,6−ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6−ジブロモピロメリト酸二無水物、3,6−ジクロロピロメリト酸二無水物等があげられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロ−ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
としては、例えば、2,2’−ジブロモ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、2,2’−ジクロロ−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物等があげられる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6−トリフルオロ−3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−2,2−ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−[4,4’−イソプロピリデン−ジ(p−フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N−(3,4−ジカルボキシフェニル)−N−メチルアミン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等があげられる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2’−置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2’−ビス(トリハロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’,5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンがあげられる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o−、m−およびp−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2−メトキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−フェニルベンゼンおよび1,3−ジアミノ−4−クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンからなる群から選択されるジアミン等があげられる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、および3,3’−ジアミノベンゾフェノン等があげられる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8−ジアミノナフタレン、および1,5−ジアミノナフタレン等があげられる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリジン、および2,4−ジアミノ−S−トリアジン等があげられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−(9−フルオレニリデン)−ジアニリン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’,5,5’−テトラクロロベンジジン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等があげられる。
前記ポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンがあげられる。
Figure 0004025699
前記一般式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、または、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、C16の直鎖または分岐鎖の低級アルキル基が好ましく、より好ましくはC14の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、および、tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物があげられる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、C16の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはC14の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、および、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物があげられる。
前記一般式(7)中、qは、0から4までの整数である。前記一般式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、前記一般式(7)中、R1は、下記一般式(8)で表される基であり、mは、0または1の整数である。
Figure 0004025699
前記一般式(8)中、X’は置換基を表し、例えば、前記一般式(7)におけるXと同様である。前記一般式(8)において、X’が複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。q’は、前記X’の置換数を表し、0から4までの整数であって、q’=0が好ましい。また、pは、0または1の整数である。
前記一般式(8)中、R2は、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o−、m−もしくはp−フェニレン基、または、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o−、m−もしくはp−テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等があげられる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素原子が、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、前記R2としては、下記一般式(9)〜下記一般式(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
Figure 0004025699
前記一般式(7)中、前記R1としては、下記一般式(16)で表される基が好ましく、下記一般式(16)において、R2およびpは、前記一般式(8)と同義である。
Figure 0004025699
さらに、前記一般式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合でもよい。
さらに、前記一般式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p-テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(17)で表すことができる。なお、下記一般式(17)において、nは、前記一般式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 0004025699
前記一般式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記一般式(18)〜下記一般式(21)で表されるもの等があげられ、下記一般式(18)から下記一般式(21)において、nは、前記一般式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 0004025699
また、これらの他に、前記ポリアミドまたはポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
Figure 0004025699
前記一般式(22)中、Yは、O原子またはNH基である。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX32基(ここで、Xは、ハロゲン原子または水素原子である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、および、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記Eにおいて、Rは、C1-3アルキル基およびC1-3ハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
また、前記一般式(22)中、AおよびA’は、置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0から3までの整数であり、qは、1から3までの整数であり、rは、0から3までの整数である。
前記Aは、例えば、水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、C1-9アルコキシカルボニル基、C1-9アルキルカルボニルオキシ基、C1-12アリールオキシカルボニル基、C1-12アリールカルボニルオキシ基およびその置換誘導体、C1-12アリールカルバモイル基、ならびに、C1-12アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記A’は、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロゲン化アルキル基およびこれらの組み合わせがあげられる。前記tは、0から4までの整数であり、前記zは、0から3までの整数である。
前記一般式(22)で表されるポリアミドまたはポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
Figure 0004025699
前記一般式(23)中、A、A’およびYは、前記一般式(22)で定義したものであり、vは0から3の整数、好ましくは、0から2の整数である。xおよびyは、それぞれ0または1であるが、共に0であることはない。
前記複屈折層Bの製造方法は、特に制限されず、例えば、形成材料を溶媒に溶解した溶液を調製し、これを表面が平滑な基材フィルムや金属製エンドレスベルトにフィルム状に塗工し、前記溶媒を蒸発除去して、前記複屈折層Bを形成すればよい。
前記基材フィルムの形成材料は、特に制限されず、透明性に優れるポリマーが好ましく、また、後述するような延伸処理や収縮処理に適していることから、熱可塑性樹脂が好ましい。具体的には、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセテート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリノルボルネン樹脂(例えば、商品名「ARTON」(JSR(株)製)、商品名「ZEONOR」、商品名「ZEONEX」(日本ゼオン社製)等)、セルロース樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアクリル樹脂や、これらの混合物等があげられる。また、液晶性ポリマー等も使用できる。さらに、例えば、特開平2001−343529号公報(WO 01/37007号)に記載されているような、側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物等も使用できる。具体例としては、例えば、イソブテンとN−メチレンマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物等である。これらの形成材料の中でも、例えば、透明フィルムを形成した際の複屈折率を、相対的により一層低く設定できる材料が好ましく、具体的には、前述の側鎖に置換イミド基または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換フェニル基または非置換フェニル基とニトリル基とを有する熱可塑性樹脂との混合物が好ましい。前記の樹脂のなかで、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系ポリマーフィルム、ノルボルネン系ポリマーフィルム(商品名「ARTON」(JSR(株)製)、商品名「ZEONOR」、商品名「ZEONEX」(日本ゼオン社製)等)が代表的ものとして挙げられる。
前記基材フィルムの厚さは、例えば、10〜1000μm程度であるが、好ましくは20〜500μm、より好ましくは30〜100μmである。
前記塗工する溶液の溶媒は、特に制限されず、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等があげられる。これらの溶媒は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記塗工溶液は、例えば、必要に応じて、さらに、安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を配合してもよい。
また、前記塗工溶液は、異なる他の樹脂を含有してもよい。前記他の樹脂としては、例えば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があげられる。
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等があげられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等があげられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶性ポリマー(LCP)等があげられる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等があげられる。
このように、前記他の樹脂等を前記塗工溶液に配合する場合、その配合量は、前記ポリマー材料に対して、例えば、0〜50質量%であり、好ましくは、0〜30質量%である。
前記溶液の塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等があげられる。また、塗工に際しては、必要に応じて、ポリマー層の重畳方式も採用できる。
塗工後、例えば、自然乾燥、風乾、加熱乾燥(例えば、60〜250℃)により、前記溶液中の溶媒を蒸発除去させることにより、複屈折層Bを形成する。前記複屈折層の厚みは、特に制限されないが、液晶表示装置の薄型化、視角補償およびフィルムの均質性等の観点から、例えば、0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは1〜20μmの範囲である。
前記複屈性層Bにおいて、面内に屈折率の差(nx>ny)を持たせることが好ましい。前記複屈折層Bが面内に屈折率の差を有し、かつ厚み方向との屈折率に差があれば、すなわち、nx>ny>nz(nx、nyおよびnzは前述と同じ)であれば、得られる光学フィルムが光学的二軸性となるからである。前記複屈折層Bの面内に屈折率の差を持たせる方法としては、例えば、以下の方法がある。まず、一方向に面内収縮性を有する基材フィルムを用い、その上に前記溶液を塗工し乾燥することにより、前記基材フィルムの面内収縮性を利用して、形成される複屈折層に面内の屈折率差を持たせることができる。また、一方向に応力を加えた基材フィルムの上に前記溶液を塗工したり、塗工された溶液に一方向から風を吹き付けたりしながら、複屈性層を形成することにより、面内に屈折率の差を持たせることもできる。その他、異方性をもつ基材フィルムの上に前記溶液を塗工して複屈折層を形成することにより、面内に屈折率の差を持たせることもできる。また、基材フィルム層の上に複屈折層を形成後、この積層体を延伸することにより、前記複屈折層の面内に屈折率の差を持たせることができる。なお、これらの方法を組み合わせてもよい。
前記複屈折層Bは、基材フィルムが付いたまま状態で用いることもできる。その場合には、前記基材フィルムの光学異方性としては、Re<10nmかつRth<20nmであることが好ましく、さらにはRe<8nmかつRth<18nmであることが好ましく、Re<5nmかつRth<15nmであることがより好ましい。また、前記基材フィルムを、偏光子の透明保護層として利用することも可能である。なお、ReおよびRthは、前記式(6)および、前記式(7)と同様に定義されるものである。
前記基材フィルムと前記複屈折層Bとの間には、必要に応じて密着性を確保するような層を設けることも可能である。その形成材料としては、ポリエチレンイミン系、アクリルウレタン系、ポリエステルウレタン系、ポリカーボネートウレタン系樹脂などが挙げられる。
前記液晶セルC内に前記複屈折層Bを直接形成する場合には、前記基材フィルム上に形成する場合と同様に、塗工溶液をスピンコート法等で塗工し、溶媒を蒸発除去することにより前記複屈折層Bが形成できる。この他に、基材フィルム上に形成した前記複屈折層Bを、前記液晶セルCに転写してもよい。前記転写は、特に制限されず、熱転写でもよいし、接着剤若しくは粘着材を介しての転写でもよい。なお、前記複屈折層Bを形成する面は、バックライト側もしくは視認側のどちらの液晶セル基板でもよく、その基板の内側でも外側でも良い。特にポリイミドなどの高耐熱性樹脂を用いる場合には、前記複屈折層Bを形成したあとでも、カラーフィルターを設けたりするのに好適である。
なお、前記複屈折層Bは、前記基材フィルム層の一方の表面に形成されていてもよく、また両面に形成されていてもよい。また、前記複屈折層Bは、単層でもよく単一形成材料若しくは複数の形成材料による多層構造でもよい。
また、前記複屈折層Bが基材フィルムと共に用いられる場合、さらに、接着剤層および粘着剤層の少なくとも一方を有することが好ましい。これによって、前記複屈折層Bと、前記偏光板、前記複屈折層A、前記液晶セルC等の他部材との接着が容易になるとともに、前記複屈折層Bの剥離を防止することができるからである。
前記接着層の材料としては、特に制限されないが、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製感圧接着剤や、ゴム系感圧接着剤等が使用できる。また、これらの材料に、微粒子を含有させて光拡散性を示す層としてもよい。これらの中でも、例えば、吸湿性や耐熱性に優れる材料が好ましい。このような性質であれば、例えば、液晶表示装置に使用した場合に、吸湿による発泡や剥離、熱膨張差等による光学特性の低下や、液晶セルの反り等を防止でき、高品質で耐久性にも優れる表示装置となる。
本発明の偏光板は、特に制限されず、例えば、偏光子と透明保護層を含む積層偏光板である。透明保護層は、偏光子の両側に積層してもよいし、いずれか一方の面のみに積層してもよい。また、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用してもよいし、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。
前記偏光子としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光子の厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
前記透明保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
また、前記透明保護層として、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
前記透明保護層は、前記式(6)および前記式(7)のReおよびRthが、それぞれ、Re<10nmかつRth<20nmであることが好ましく、より好ましくは、Re<8nmかつRth<18nm、さらに好ましくは、Re<5nmかつRth<15nmである。
また、前記透明保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶性ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶性ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコティック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
前記透明保護層の厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。
前記透明保護層は、例えば、前記偏光子に前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100質量部あたり2〜70質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50質量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
偏光子と透明保護層の積層方法は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができる。一般には、前述と同様の粘着剤や接着剤等が使用でき、その種類は、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。前記接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。また、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光子や透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマー等の接着剤等を使用した従来公知の方法が採用できる。また、湿度や熱等によっても剥がれにくく、光透過率や偏光度に優れる偏光板を形成できることから、さらに、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のPVA系ポリマーの水溶性架橋剤を含む接着剤が好ましい。これらの接着剤は、例えば、その水溶液を前記各構成物表面に塗工し、乾燥すること等によって使用できる。前記水溶液には、例えば、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合できる。これらの中でも、前記接着剤としては、PVAフィルムとの接着性に優れる点から、PVA系接着剤が好ましい。
本発明の偏光板は、前記透明保護層の他に、さらに他の光学層を含んでもよい。前記光学層としては、例えば、以下に示すような偏光板、反射板、半透過反射板、輝度向上フィルム等、液晶表示装置等の形成に使用される、従来公知の各種光学層があげられる。これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。このような光学層をさらに含む積層偏光板は、例えば、光学補償機能を有する一体型偏光板として使用することが好ましく、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
以下に、このような一体型偏光板について説明する。
まず、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。前記反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに反射板が、前記半透過反射型偏光板は、本発明の積層偏光板にさらに半透過反射板が、それぞれ積層されている。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、前記弾性率を示す偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における透明保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした透明保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記透明保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の透明保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記透明保護層に使用するフィルムのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、透明保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
つぎに、偏光板に、さらに輝度向上フィルムが積層された偏光板の一例を説明する。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D-BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶性ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。
以上のような本発明の各種偏光板は、例えば、本発明の偏光板と、さらに2層以上の光学層とを積層した光学部材であってもよい。
このように2層以上の光学層を積層した光学部材は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によっても形成できるが、予め積層した光学部材として使用すれば、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、積層には、前述と同様に、粘着層等の各種接着手段を用いることができる。
前述のような各種偏光板は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましく、これらは、前記偏光板の片面または両面に配置することができる。前記粘着層の材料としては、特に制限されず、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用でき、特に、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、例えば、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層となることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等でもよい。前記偏光板表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記偏光板の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記偏光板の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、前記偏光板のいずれの表面に形成してもよく、例えば、前記偏光板における前記位相差板の露出面に形成してもよい。
このように偏光板に設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護層に使用するフィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを一層以上設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層体を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記偏光板の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。
前記粘着剤層の厚みは、例えば、偏光板の構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1〜500μmである。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。
前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
前記偏光板、各種光学部材、透明保護層、光学層、粘着剤層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
つぎに、本発明の液晶パネルは、2つの前記偏光板の間に、前記複屈折層A,前記複屈折層Bおよび前記液晶セルCを配置し、前記各構成部材を粘着剤若しくは接着剤で貼着して作製できる。前記粘着剤若しくは接着剤は、特に制限されず、例えば、前述のものが使用できる。前記液晶パネルの構成は、特に制限されず、例えば、以下の(1)〜(5)の構成があげられる。下記の構成(1)では、前記複屈折層Bが、下記の構成(4)および(5)では、前記複屈折層Aが、透明保護層を兼ねており、偏光子と一体となって偏光板を構成している。なお、本発明の液晶パネルにおいて、視認側とバックライト側は、特に制限されない。
(1)偏光板/複屈折層A/液晶セルC/複屈折層B/偏光子
(2)偏光板/複屈折層A/液晶セルC/複屈折層B/偏光板
(3)偏光板/複屈折層A/複屈折層B/液晶セルC/偏光板
(4)偏光子/複屈折層A/液晶セルC/複屈折層B/偏光板
(5)偏光子/複屈折層A/複屈折層B/液晶セルC/偏光板
つぎに、本発明の液晶パネルの構成例を、図1〜5に示す。なお、これらの図において、同一部分には、同一符号を付している。
図1に示す液晶パネルの構成は、前記(1)の構成例である。図示のように、この液晶パネル1では、液晶セルC13の一方の面(図において上の面)に、複屈折層A12および偏光板11が、この順序で積層され、前記液晶セルC13の他方の面(図において下の面)に、複屈折層B14、偏光子111および透明保護層112が、この順序で積層されている。前記偏光板11は、偏光子111の両面のそれぞれに透明保護層112が積層されることにより構成されている。また、前記複屈折層B14は、透明保護層として偏光子111に積層されており、透明保護層112と共に、偏光板16を形成している。
図2に示す液晶パネルの構成は、前記(2)の構成例である。図示のように、この液晶パネル2では、液晶セルC13の一方の面(図において上の面)に、複屈折層A12および偏光板11が、この順序で積層され、前記液晶セルC13の他方の面(図において下の面)に、複屈折層B14および偏光板11が、この順序で積層されている。前記2つの偏光板11は、偏光子111の両面のそれぞれに透明保護層112が積層されることにより構成されている。
図3に示す液晶パネルの構成は、前記(3)の構成例である。図示のように、この液晶パネル3では、液晶セルC13の一方の面(図において上の面)に、複屈折層B14、複屈折層A12および偏光板11が、この順序で積層され、前記液晶セルC13の他方の面(図において下の面)に、偏光板11が積層されている。前記2つの偏光板11は、偏光子111の両面のそれぞれに透明保護層112が積層されることにより構成されている。
図4に示す液晶パネルの構成は、前記(4)の構成例である。図示のように、この液晶パネル4では、液晶セルC13の一方の面(図において上の面)に、複屈折層A12、偏光子111および透明保護層112が、この順序で積層され、前記液晶セルC13の他方の面(図において下の面)に、複屈折層B14および偏光板11が、この順序で積層されている。前記偏光板11は、偏光子111の両面のそれぞれに透明保護層112が積層されることにより構成されている。また、前記複屈折層A12は、透明保護層として、偏光子111に積層されており、透明保護層112と共に、偏光板16を構成している。
図5に示す液晶パネルの構成は、前記(5)の構成例である。図示のように、この液晶パネル5では、液晶セルC13の一方の面(図において上の面)に、複屈折層B14、複屈折層A12、偏光子111および透明保護層112が、この順序で積層され、前記液晶セルC13の他方の面(図において下の面)に、偏光板11が積層されている。前記偏光板11は、偏光子111の両面のそれぞれに透明保護層112が積層されることにより構成されている。また、前記複屈折層A12は、透明保護層として、偏光子111に積層されており、透明保護層112と共に、偏光板16を構成している。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。なお、実施例等において、各種特性は、以下のようにして測定・評価した。ここで、以下の実施例等において、Δnxzは、Δnxz=nx−nzであり、前記nxおよび前記nzは、前記式(1)および前記式(2)の定義と同様である。
(波長分散測定)
日本分光(株)製の商品名「エリプソメータM-220」を使用し、380〜800nmの波長範囲で、40°入射光に対して位相差を測定した。
(Re、Rth算出法)
日本分光(株)製の商品名「エリプソメータM-220」を使用し、550nmの波長にて、0〜40°までサンプルを傾斜させて位相差を測定し、Re及びRthを求めた。
(視野角特性)
液晶表示装置の視野角特性は、ELDIM社製の商品名「EZ-Contrast」を用いて測定した。
(比較例1)
イソブテンおよびN−メチルマレイミドからなる交互共重合体(N−メチルマレイミド含量50モル%)50重量部と、アクリロニトリルの含量が28重量%であるアクリロニトリル−スチレン共重合体50重量部とを塩化メチレンに溶解し、固形分濃度15重量%の溶液を得た。この溶液をガラス板上に敷いたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に流延し、室温で60分放置した後、PETフィルムからはがし、100℃で10分乾燥後140℃にて10分、さらに160℃で30分乾燥して透明フィルム(I)を得た。機械的強度を向上させるため、そのフィルムを135℃で直交する二方向に二軸延伸し、50μmの透明フィルムXを得た。透明フィルムXは、d=38μm、Re=1nm、Rth=(nx-nz)d=5nmであった。
ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて延伸した偏光子の両側に、接着剤を介して透明フィルムを貼りあわせて偏光板とした。
JSR(株)製の商品名「ARTON」フィルムを175℃で縦一軸延伸し、Re=142nm、nx>ny=nzの複屈折層A(1)を得た。
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)から合成されたポリイミドをメソイソブチルケトンに溶解し、20wt%で調製した。透明フィルムX上に塗工し、120℃で5分間乾燥させた。そして、d=5.5μm、Re=1.1nm、Rth=205nm、Δnxz=0.037、nx=ny>nzの複屈折層B(1)を得た。
粘着剤を用いて、前記偏光板と前記複屈折層A(1)とを、吸収軸と遅相軸とが直交するように貼りあわせた。前記複屈折層B(1)は、前記偏光子の片側に透明フィルムXを設けたものの逆側に接着剤を介して貼りあわせた。そして、それらをVAモードの液晶セルCの上下に前記偏光子の吸収軸が直交するように粘着剤を介して貼りあわせ、液晶パネル(I)を得た。この液晶パネルは、図1の構成のものである。前記VAモードの液晶セルCは、シャープ(株)製のモニター(製品番号:LL−T1620)から偏光板を剥がして使用した。
(実施例1)
帝人(株)製の商品名「ピュアエースWR」を230℃で縦一軸延伸し、Re=145nm、nx>ny=nzの複屈折層A(2)を得た。
粘着剤を用いて、比較例1の偏光板と複屈折層A(2)とを、吸収軸と遅相軸とが直交するように貼りあわせた。もう一方は比較例1と同様に複屈折層B(1)を有する楕円偏光板を用いた。そして、比較例1の液晶セルCの上下に前記2枚の偏光子の吸収軸が直交するように粘着剤を介して貼りあわせ、液晶パネル(II)を得た。この液晶パネルは、図1の構成のものである。
(実施例2)
帝人(株)製の商品名「ピュアエースWR」を230℃で固定端横延伸し、Re=110nm、Rth=160nm、nx>ny>nzの複屈折層A(3)を得た。
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)TFMBから合成されたポリイミドをメチルイソブチルケトンに溶解し、20wt%で調製した。PETフィルム上に塗工し、170℃で5分間乾燥させた。そして、d=4.3μm、Re=0.8nm、Rth=172nm、Δnxz=0.04、nx=ny>nzの複屈折層B(3)を得た。
前記偏光子の片側に比較例1の透明保護層を、接着剤を介して貼りあわせ、逆側には前記複屈折層A(3)を吸収軸と遅相軸とが直交するように接着剤を介して貼りあわせた。さらに、前記複屈折層A(3)上に粘着剤を介して前記複屈折層B(3)を転写して楕円偏光板を作製した。また、前記偏光子の両側に比較例1の透明保護層を、接着剤を介して貼りあわせ、前記偏光板を得た。
比較例1と同じ液晶セルCの片側に楕円偏光板を、粘着剤を介して貼りあわせ、逆側にはそれらの偏光子の吸収軸同士が直交するように前記2つの偏光板を貼りあわせて液晶パネル(III)を得た。この液晶パネルは、図4の構成のものである。
(実施例3)
帝人(株)製の商品名「ピュアエースWR」を230℃で縦一軸延伸し、Re=97nm、nx>ny=nzの複屈折層A(4)を得た。
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)から合成されたポリイミドをメチルイソブチルケトンに溶解し、20wt%で調製した。TACフィルム上に塗工し、130℃で5分間乾燥させた。その後、150℃で前記TACフィルムのみを固定端横延伸し、d=5.3μm、Re=25nm、Rth=235nm、Δnxz=0.044、nx>ny>nzの複屈折層B(4)を得た。粘着剤を用いて、比較例1の偏光板と複屈折層A(4)を吸収軸と遅相軸が直交するように貼りあわせ、もう一枚の偏光板と複屈折層B(4)を吸収軸と遅相軸が直交するように転写した。そして、比較例1の液晶セルCの上下に前記2つの偏光子の吸収軸が直交するように粘着剤を介して貼りあわせ、液晶パネル(IV)を得た。この液晶パネルは、図3の構成のものである。
(比較例2)
偏光子の両側に富士フィルム(株)製TACフィルムを、接着剤を介して貼りあわせ、偏光板を作製した。なお、TACフィルムはRe=0.7nm、Rth=59nmであった。
ポリカーボネートを縦一軸延伸し、Re=105nm、nx>ny=nzの複屈折層A6を得た。
2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)から合成されたポリイミドをメチルイソブチルケトンに溶解し、20wt%で調製した。前記TACフィルム上に塗工し、130℃で5分間乾燥させた。そして、d=3.5μm、Re=0.5nm、Rth=145nm、Δnxz=0.041、nx=ny>nzの複屈折層B(6)を得た。
粘着剤を用いて、前記偏光板と前記複屈折層A(6)を吸収軸と遅相軸が直交するように貼りあわせた。もう一枚は、片側にTACフィルムを貼りあわせた前記偏光子に、TACフィルムが偏光子側となるように基材ごと前記複屈折層B(6)を、接着剤を介して貼りあわせた。そして、液晶セルの上下に前記偏光子の吸収軸が直交するように粘着剤を介して貼りあわせ、液晶パネル(VI)を得た。この液晶パネルは、図1の構成のものである。
(比較例3)
JSR(株)製の商品名「ARTON」フィルムを175℃で1.2倍縦一軸延伸し、Re=97nm、nx>ny=nzの複屈折層A(7)を得た。そして、比較例2において、前記複屈折層A(6)を前記複屈折層A(7)に変えた以外は同様にして、液晶パネル(VII)を得た。この液晶パネルは、図1の構成のものである。
このようにして得られた実施例1〜3および比較例1〜3の各液晶パネルについて、その構成部材の波長分散特性(α40)および視野角特性を調べた。その結果を、下記の表1および表2に示す。
(表1)
<波長分散>
液晶セル:α40C=1.079
α40A α40B
比較例1 1.006 1.109
実施例1 0.891 1.109
実施例2 0.900 1.105
実施例3 0.891 1.110
比較例2 1.100 1.103
比較例3 1.003 1.103
(表2)
<視野角特性>
波長分散 コントラスト 黒状態でのカラーシフト(x,y)
比較例1 α(B)>α(C)>α(A)>1 ○ (0.327,0.324)△わずかに赤い
実施例1 α(B)>α(C)>1>α(A) ○ (0.315,0.310)◎
実施例2 α(B)>α(C)>1>α(A) ○ (0.317,0.311)◎
実施例3 α(B)>α(C)>1>α(A) ○ (0.318,0.312)◎
比較例2 α(B)>α(A)>α(C) ○ (0.385,0.397)×赤っぽい
比較例3 α(B)>α(C)>α(A)>1 ○ (0.351,0.370)×赤っぽい

全方位コントラスト:10以上の場合を○とした。
カラーシフト:黒表示状態にて方位角45°/極角60°の時の(x,y)を測定と目視観察を行った。(x,y)=(0.31,0.31)に近いほど、ニュートラルである(CIE1931表色系)。
前記表1および表2からわかるように、本発明の条件を備えた実施例の液晶パネルは、コントラストに優れ、カラーシフトも効果的に抑制できた。これに対し、比較例の液晶パネルは、コントラストには優れるものの、カラーシフトを抑制することができなかった。
以上のように、本発明の液晶パネルは、広範囲にわたりコントラスト比が高く、しかもカラーシフトを効果的に抑制できる。したがって、本発明の液晶パネルを用いた液晶表示装置は、その表示品位が優れたものになる。
本発明の液晶パネルの一例の構成を示す断面図である。 本発明の液晶パネルのその他の一例の構成を示す断面図である。 本発明の液晶パネルのさらにその他の一例の構成を示す断面図である。 本発明の液晶パネルのさらにその他の一例の構成を示す断面図である。 本発明の液晶パネルのさらにその他の一例の構成を示す断面図である。
符号の説明
1 :液晶パネル
11 :偏光板
111 :偏光子
112 :透明保護層
12 :複屈折層A
13 :液晶セルC
14 :複屈折層B
16 :偏光板
2 :液晶パネル
3 :液晶パネル
4 :液晶パネル
5 :液晶パネル

Claims (7)

  1. 2枚の偏光板、複屈折層A、複屈折層Bおよび液晶セルCを含む液晶パネルであって、
    前記2枚の偏光板が、それらの吸収軸が略直交するように配置され、
    前記2枚の偏光板の間に、前記複屈折層A、前記複屈折層Bおよび前記液晶セルCが配置され、
    前記複屈折層Aは、下記式(1)の屈折率異方性を有し、
    前記複屈折層Bは、下記式(2)の屈折率異方性を有し、かつ前記複屈折層Bの形成材料が2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)および2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル)から合成されたポリイミドを含み、
    前記液晶セルCは、その液晶分子が、電圧非印加状態で略垂直に配向している液晶セルであり、
    前記複屈折層Aの波長分散特性(α40(A))、前記複屈折層B(α40(B))および前記液晶セルCの(α40(C))が、下記式(3)および下記式(4)の条件を満たすことを特徴とする、液晶パネル。

    式(1) nx>ny≧nz
    式(2) nx≧ny>nz

    前記式(1)および前記式(2)において、nx、nyおよびnzは、それぞれ、前記複屈折層AおよびBにおける、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の屈折率を示す。前記X軸方向は、前記複屈折層AおよびBのそれぞれの面内方向において最大の屈折率を示す軸方向であり、前記Y軸方向は、前記それぞれの面内における前記X軸方向に対して垂直な軸方向であり、前記Z軸方向は、前記X軸方向および前記Y軸方向に垂直な厚み方向を示す。

    式(3) α40(B)>α40(C)>α40(A)
    式(4) 1>α40(A)

    前記式(3)および前記式(4)において、下記式(5)に示すように、波長分散特性α40は、複屈折層表面若しくは液晶セル表面の法線方向を基準(0°)とし、これから40°傾いた方向からの430nmおよび550nmの各波長の入射光で測定したリターデーション(Re)の比である。

    式(5) α40=Re(430nm)/Re(550nm)
    Re(430nm):波長430nmの入射光で測定したリターデーション
    Re(550nm):波長550nmの入射光で測定したリターデーション
  2. 前記複屈折層Bの面内における屈折率の差(Δn=nx−ny、nxおよびnyは、前記式(2)と同じ)が、0.005〜0.2の範囲である請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記偏光板が、偏光子と、この両面に積層された透明保護層とを含み、前記液晶セルC側の透明保護層が、下記式(6)および下記式(7)の条件を満たす請求項1または2に記載の液晶パネル。

    式(6) Re=(nx−ny)d<10nm
    式(7) Rth=(nx−nz)d<20nm

    前記式(6)および前記式(7)において、nx、nyおよびnzは、前記式(1)および前記式(2)と同じ。
  4. 前記複屈折層Bと前記液晶セルCが隣接して配置していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液晶パネル。
  5. 一方の偏光板に、前記複屈折層Aおよび前記複屈折層Bが、この順番で積層されている請求項1から4のいずれかに記載の液晶パネル。
  6. 一方の偏光板の偏光子に前記複屈折層Aが積層されており、前記複屈折層Aが前記透明保護層を兼ねており、前記複屈折層Aの遅相軸と前記偏光子の吸収軸が略直交しており、前記複屈折層Aの上に前記複屈折層Bが積層されている請求項5記載の液晶パネル。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の液晶パネルを含む液晶表示装置。
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