JP4032006B2 - 電子部品実装用フィルムキャリアテープ - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ピンホール等の欠陥の少ない電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TAB(Tape Automated Bonding)テープ)に関する。更に詳しくは本発明は、ピンホール等の欠陥の少ない電子部品実装用フィルムキャリアテープおよび絶縁フィルム上に所望の形状に形成された配線パターンをデバイスのパンプなどと接合するリード部を残してソルダーレジストを塗布する工程を含む電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TABテープ)を製造する際に、塗布されたソルダーレジストにピンホールが生じにくい電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TABテープ)に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
電子部品実装用フィルムキャリアテープ(TABテープ)は、ポリイミドフィルムのような絶縁フィルムに銅箔を貼着し、この銅箔の上にフォトレジストを塗布してこのフォトレジストを所望の形状に露光し不要部分を除去してマスキングした後、酸でエッチングして銅箔を所望のパターンにエッチングし、マスキング剤を除去し、さらに、形成されたリード部を除いてソルダーレジストを塗布した後、リード部にスズ等のようなデバイスのバンプと例えば共晶物を形成してデバイスをボンディング可能な金属メッキをすることにより製造されている。
【0003】
このようなTABテープの製造においてソルダーレジストは、絶縁性の樹脂を塗工可能なように有機溶媒に溶解若しくは分散させた塗工液として用いられており、配線パターンが形成された表面にスクリーン印刷技術を利用して塗布されている。
【0004】
このようにソルダーレジストを塗布することにより、形成された配線パターンを保護すると共に隣接する配線パターン同士を確実に絶縁し、さらに、次の工程であるメッキ工程におけるマスキング剤ともなる。
【0005】
このソルダーレジスト層は、エポキシ系樹脂あるいはポリイミド系樹脂などが溶媒に溶解若しくは分散した液を、通常は10μm程度の厚さに塗布し、120〜160℃程度の温度に加熱することにより、これらの樹脂を硬化させることにより形成されている。
【0006】
しかしながら、このようなソルダーレジスト塗布液中には、微細な気泡が含有されており、ソルダーレジスト塗布液を塗布後に加熱硬化させる際に、この微細な気泡がソルダーレジスト層にボイドあるいはピンホールを形成する。リードピッチが広い従来のTABテープでは、こうした多少のボイドあるいはピンホールは問題になることが少なかったが、近時注目されているピッチ幅が100μmに満たないようなファインピッチのTABテープでは、こうした僅かなボイドあるいはピンホールの発生によっても、例えば配線パターン間に生ずることもあるマイグレーションなどによって電子機器の信頼性が低下するという問題がある。
【0007】
こうしたボイドあるいはピンホールの発生を防止するために、例えば特開平8−124968号公報には、「配線間の保護並びに絶縁のための被覆層を有するTCP用TABテープの製造方法において、真空中のベーク処理で乾燥並びに反応凝固させて前記被覆層を形成することを特徴とするTCP用TABテープの製造方法。」が開示されている。
【0008】
しかしながら、この公報に開示されている方法では、ベーク処理を真空で行うことにより、ソルダーレジスト層に含有される気泡をソルダーレジストが硬化する前に除去しようとするものであり、従ってソルダーレジスト塗布液中には、従来と同様に微細な気泡が含有されている。減圧条件でソルダーレジストを硬化させることにより、ソルダーレジスト層中に含有される気泡は除去し易くなるが、ソルダーレジスト塗布液自体が気泡を含有している以上、含有される気泡を完全に除去することは不可能に近く、従って、この方法においてもボイドあるいはピンホールの生成を完全に防止することはできない。
【0009】
ところで、ソルダーレジスト塗布液を調製する際には、ソルダーレジスト塗布液に巻き込まれた空気によって微細な泡(気泡)が含有されないように、ソルダーレジスト塗布液中に少量のシリコーン系消泡剤を配合するのが一般的である。こうしたシリコーン系消泡剤は、優れた消泡作用を有しており、このようなシリコーン系消泡剤を配合することにより、ソルダーレジスト塗布液中に含まれる気泡量を非常に少なくすることができ、ボイドあるいはピンホールの生成を防止する手段としてシリコーン系消泡剤の使用は極めて有効性が高い。
【0010】
ところで、TABテープにデバイスを実装後、このTABテープはデバイスを含めた領域を樹脂で封止して使用される。ところが、シリコーン系消泡剤は、他の樹脂との相溶性が低く、しかも耐熱性が高いことから、ソルダーレジストを加熱硬化する際にソルダーレジスト表面に滲み出し、この滲み出したシリコーン系消泡剤によって封止樹脂がはじかれることがあり、ボンディングされたデバイスを完全に封止できないことがある。
【0011】
また、ソルダーレジストを硬化させる際に滲み出したシリコーン系消泡剤はインナーリード表面などに付着することがあり、このように付着したシリコーン系消泡剤を除去することは極めて困難である。そして、このようにしてインナーリードにシリコーン系消泡剤が付着すると、インナーリードとデバイスのバンプとの間で接続不良が生じやすいという問題もある。
【0012】
【発明の目的】
本発明は、ピンホール等の欠陥の極めて少ないソルダーレジスト層が形成されたTABテープを提供することを目的としている。また、本発明は、インナーリードにデバイスが実装された後、この実装されたデバイスを含む領域を樹脂で封止する際にこの封止樹脂がはじかれることがないTABテープを提供することを目的としている。
【0013】
さらに本発明は、インナーリードとデバイスのバンプとの接続性が良好なTABテープを提供することを目的としている。
【0014】
【発明の概要】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、絶縁フィルム表面に所望の配線パターンが形成され、該配線パターンのリード部を除く部分に、ウレタン樹脂またはウレタン樹脂のエラストマー変性物を含む脱泡処理ソルダーレジスト塗布液の120〜165メッシュ範囲のスクリーンマスク塗布を用いた塗布により形成されたソルダーレジスト塗布層を常圧で40〜170℃の範囲内で段階的に昇温して形成された硬化体からなる厚さ25〜40μmのソルダーレジスト層が形成されてなり、該ソルダーレジスト層には、ピンホールあるいはボイドが形成されておらず、かつフィルムキャリアテープにはシリコーン消泡剤が付着していないインナーリードを有し、そして、該シリコーン消泡剤が付着していないインナーリードには、一部に銅が拡散した0.1〜0.6μmの厚さのスズメッキ層が形成されていることを特徴としている。
【0015】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープは、絶縁フィルム表面に銅箔を接着し、該銅箔をエッチングして所望の配線パターンを形成した後、該エッチングにより形成されたリード部を除く配線パターンを覆うようにソルダーレジストを塗布する工程を有する電子部品実装用フィルムキャリアテープの製造方法において、該ソルダーレジスト塗布液を、平均塗布厚さ25〜40μmの範囲内であって、かつ塗布されたソルダーレジスト層が実質的にピンホールを有しないように塗布するにより製造することができる。
【0016】
本発明で使用されるソルダーレジスト塗布液は、有機溶媒中に溶解若しくは分散された硬化性樹脂を含有し、かつ該ソルダーレジスト塗布液がシロキサン骨格を有する成分を含有していない。即ち、本発明で使用されるソルダーレジスト塗布液には、シリコーン系消泡剤を実質的に含有していない。
【0017】
ソルダーレジスト塗布液の調製中等に塗布液が発泡すると、発生した泡が塗布液中に内包され、この内包される気泡によってソルダーレジスト層にボイドあるいはピンホール等が形成されることから、一般にはこうした発泡を防止するために、ソルダーレジスト塗布液には、消泡剤が含有されている。そして、この消泡剤として最も効果が高いのは、シリコーン系消泡剤である。ところが、ソルダーレジスト塗布液にシリコーン系消泡剤を配合すると、ソルダーレジストが加熱硬化する際にシリコーン系消泡剤が表面ににじみ出しやすく、デバイスをボンディングした後、このデバイス付近を樹脂で封止しようとしてもにじみ出たシリコーン系消泡剤によって樹脂がはじかれてしまうという問題を生ずる。この樹脂のはじきは、特にベースフィルム上で顕著に表される。また、滲み出した(ブリードした)シリコーン系消泡剤がインナーリードの表面などに付着すると、デバイスのボンディング不良が発生することが判った。
【0018】
シリコーン系消泡剤を配合しなければ上記のような問題は生じないが、ソルダーレジスト塗布液を調製する際に塗布液に微細な気泡が含有されやすく、形成されたソルダーレジスト層に微細な気泡が除かれることによりボイドあるいはピンホールが形成される。
【0019】
本発明者は、上記のような種々の問題を有するが、その消泡効果が高いことから依然として使用され続けているシリコーン系消泡剤を用いることなく、ボイドあるいはピンホール等が発生しにくいTABテープ法について検討した結果、第1にソルダーレジスト層の厚さを一定の範囲内にすることによりボイドあるいはピンホールの発生を防止できるとの知見を得た。さらに、こうしたソルダーレジスト層の厚さの他に、ソルダーレジスト塗布液の攪拌方法、ソルダーレジストの塗布方法および塗布装置等を改善することにより、従来必ず使用しなければならないと考えられていたシリコーン系消泡剤を使用せずにボイドあるいはピンホールの発生を防止することができるのである。
【0020】
【発明の具体的説明】
次に、本発明のTABテープ、および、このTABテープを製造する方法について具体的に説明する。
【0021】
図1、 図2に示すように、本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープ1には、絶縁フィルム10と、この表面に、例えば接着剤層12により貼着された電解銅箔からなる配線パターン30がこの順序で積層されている。この電解銅箔は、上面にフォトレジストを塗布し所望のパターンを露光し、現像した後、酸等を用いることによりエッチングして所望の配線パターン30が形成される。そして、この配線パターン30のインナーリード或いはアウターリードの部分を除いて、その表面を保護するようにソルダーレジスト20が塗布されている。
【0022】
本発明の電子部品実装用フィルムキャリアテープを構成する絶縁フィルム10は、可撓性樹脂フィルムからなる。また、この絶縁フィルム10は、エッチングする際に酸などと接触することからこうした薬品に侵されない耐薬品性、および、ボンディングする際の加熱によっても変質しないような耐熱性を有している。このような可撓性樹脂フィルムを素材の例としては、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリエステル、ポリアミドおよびポリイミドなどを挙げることができる。特に本発明ではポリイミドからなるフィルムを用いることが好ましい。
【0023】
絶縁フィルム10を構成するポリイミドフィルムの例としては、ピロメリット酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成される全芳香族ポリイミド、ビフェニルテトラカルボン酸2無水物と芳香族ジアミンとから合成されるビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミドを挙げることができる。特に本発明ではビフェニル骨格を有する全芳香族ポリイミド(例;商品名:ユーピレックス、宇部興産(株)製)が好ましく使用される。このような絶縁フィルム10の厚さは、通常は25〜125μm、好ましくは50〜75μmの範囲内にある。
【0024】
このような絶縁フィルム10には、デバイスホール41、スプロケットホール42、アウターリードの切断穴、さらに屈曲部を有する場合には、屈曲位置にフレックススリット等がパンチングにより形成されている。
【0025】
配線パターン30は、上記のような所定の穴41、42・・・が形成された絶縁フィルム10の少なくとも一方の面に、絶縁性の接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、この接着剤層12のより銅箔を接着し、この銅箔をエッチングすることにより形成される。ここで銅箔としては、電解銅箔および圧延銅箔のいずれをも使用することができるが、本発明では、昨今のファインピッチ化に対応可能な電解銅箔を使用することが好ましい。
【0026】
ここで使用される接着剤には、耐熱性、耐薬品性、接着力、可撓性等の特性が必要になる。このような特性を有する接着剤の例としては、エポキシ系接着剤およびフェノール系接着剤を挙げることができる。このような接着剤は、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などで変性されていてもよく、またエポキシ樹脂自体がゴム変性されていてもよい。このような接着剤は通常は加熱硬化性である。このような接着剤層の厚さは、通常は8〜23μm、好ましくは10〜21μmの範囲内にある。なお、上記のような絶縁フィルム10に銅箔を貼着する際には、接着剤を用いることなく貼着することもできる。
【0027】
このような接着剤からなる接着剤層12は、絶縁フィルム10の表面に塗布して設けても良いし、また電解銅箔の表面に塗布して設けても良い。ここで使用される電解銅箔としてはTABテープの製造に通常使用されている厚さの銅箔を使用することができるが、ファインピッチのTABテープを製造するためには、銅箔として通常は6〜75μmの範囲内、好ましくは9〜75μm、さらに好ましくは9〜50μmの範囲内にある銅箔を使用する。このような薄い電解銅箔を使用することにより、狭ピッチ幅のインナーリードを容易に形成することが可能になる。
【0028】
このように絶縁フィルムの表面に銅箔を貼着した後、この銅箔の表面にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストに所望の配線パターンを焼き付けてフォトレジストを硬化させ、硬化していない部分のフォトレジストを除去する。また逆に、露光することにより、特定媒体に溶解可能となるフォトレジストを使用することもできる。
【0029】
こうして硬化したフォトレジストによって所望の配線パターンが形成された銅箔をエッチングして、フォトレジストの存在しない部分の銅箔を溶解除去して絶縁フィルムの表面に銅箔からなる配線パターン30を形成する。
【0030】
こうしてエッチングにより配線パターン30を形成した後、硬化したフォトレジストを、例えばアルカリ溶液などで除去する。
【0031】
本発明では、このように所定の配線パターンを形成した後、次の工程でメッキするインナーリード51及びアウターリード52の先端部を除いてソルダーレジスト塗布液を塗布する。
【0032】
本発明で使用されるソルダーレジスト塗布液には、硬化性樹脂が有機溶媒に溶解若しくは分散しており、このソルダーレジスト塗布液には、シリコーン系消泡剤は含有されていないことが好ましい。
【0033】
本発明で使用されるソルダーレジスト塗布液中に含有される硬化性樹脂は、ウレタン樹脂、ウレタン樹脂のエラストマー変性物を含有するものであることが好ましい。特にエラストマー変性物を使用することが好ましい。このエラストマー変性には、ウレタン樹脂にエラストマー成分を混合して変性する方法と、ウレタン樹脂を形成するモノマーと、エラストマーを形成するモノマーとを共重合させる方法があるが、本発明ではいずれのエラストマー変性物を使用することができるが、特にエラストマーを形成するモノマーを共重合させて、主成分である樹脂に弾性を付与する方法によって形成されたエラストマー変性物を使用することが特に好ましい。
【0034】
例えば、本発明においてソルダーレジスト塗布液を形成するための樹脂としてウレタン樹脂を例にして説明すると、本発明では、ソルダーレジストを形成するウレタン樹脂としては、(a)数平均分子量が1000〜8000の範囲内にあり、かつ1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリブタジエンポリオール、(b)数平均分子量が13000〜30000であって、かつ1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリエステルポリオール、(c)数平均分子量が1000〜8000であって、かつ1分子当たり2〜10個の水酸基を有するポリブタジエンポリブロックイソシアネートを必須成分として、ポリオールの重量比が固形分において(a):(b)=40:60〜90:10であり、ポリブロックイソシアネート(c)の量がポリオールの総水酸基当量に対し、0.8〜3.5当量の量で含有されるウレタン樹脂が好ましく使用される。
【0035】
上記(a)成分により、耐熱性、耐薬品性等、剛直性樹脂に見られる特性と、可撓性、低収縮性等、軟質性樹脂に見られる特性の両者を樹脂に付与することができる。
【0036】
分子量が上記規定する範囲より小さい場合、あるいは、1分子当たりの水酸基の数が上記範囲よりも大きくなる場合は、硬化時の架橋密度が高くなるために、より固い硬化物となり、ソルダーレジストに柔軟性及び硬化後の低収縮性などの特性を充分には付与できないことがある。また、分子量が上記規定する範囲よりも大きい場合、1分子当たりの水酸基の数が上記の範囲よりも小さい場合は、硬化時の架橋密度が低くなり、硬化物は柔軟性を有するものの、硬化体の耐熱性、耐薬品性が低下しやすい。
【0037】
上記(b)成分は、柔軟性向上、硬化後の低収縮性等、柔軟性硬化物に見られる特性を付与させると共に、樹脂骨格に含まれる極性の高いエステル結合によって下地との密着性を向上させるものである。
【0038】
上記(c)成分は、耐熱性、耐薬品性等剛直性樹脂に見られる特性と、可撓性、低収縮性等、柔軟性樹脂に見られる特性の両者を樹脂に付与するものである。分子量が上記規定する範囲よりも小さい場合、1分子当たりの水酸基の数が上記規定する範囲よりも大きい場合は、硬化後の架橋密度が高くなり、より固い硬化物となり、硬化塗膜柔軟性および硬化時の低収縮性が充分に確保されないことがある。また、分子量がこの範囲よりも小さい場合は、硬化時の架橋密度が低くなるため、より柔軟な硬化物となる反面、硬化塗膜の耐熱性及び薬品性が低下することがある。また、この成分(a)がポリブタジエン骨格であることにより、ソルダーレジストの柔軟性及び硬化時の低収縮性をより向上させることができる。
【0039】
ポリブタジエンポリオール(a)を単独で用いて、これをポリブタジエンポリイソシアネート(b)で硬化させると、耐熱性、耐薬品性、柔軟性、硬化時の低収縮性等の特性については比較的バランスがとりやすいが、これらの特性の中で、柔軟性、硬化時の低収縮性、下地との密着性に関してはさらに改善の余地がある。こうした特性を改善するために、ポリエステルポリオールを組み合わせて使用することが必要になる。すなわち(a):(b)=40:60〜90:10の範囲内で混合して用いることが好ましく、ポリオール(a)がこの範囲よりも少ないと、架橋密度が下がりすぎるため、塗膜の耐熱性、耐薬品性等の特性が低下しやすい。また、ポリブタジエンポリブロックイソシアネート(c)の量は、ポリオールの総水酸基当量に対し、0.8〜3.5当量となることが好ましく、これよりも多い場合も少ない場合も共に架橋密度が低くなるため、塗膜の耐熱性、耐薬品性が充分に改善されないことがある。
【0041】
また、本発明において、ソルダーレジスト塗布液中には、上記のような樹脂成分の他に、硬化促進剤、充填剤、添加剤、チキソ剤、溶剤等、通常ソルダーレジスト塗布液に添加される物質を添加することができる。さらに、ソルダーレジスト層の可撓性等の特性を向上させるために、ゴム微粒子のような弾性を有する微粒子などを配合することも可能である。
【0042】
このようなソルダーレジスト塗布液を塗工可能なように通常の攪拌装置を用いて攪拌すると、微細な気泡が塗布液中に混入し、このように一旦混入した微細な気泡は通常の方法で除去することは非常に難しい。従って、従来から樹脂成分に対して1〜3重量%程度のシリコーン系消泡剤を配合して、微細な気泡が発生するのを防止してボイドあるいはピンホールの発生を防止していた。しかしながら、このようにシリコーン系消泡剤を用いたとしても、例えば一般的な攪拌装置であるプロペラ型の攪拌装置を使用した場合には、微細な気泡の混入を完全に防止することはできない。
【0043】
本発明において、ソルダーレジスト塗布液を混合する際には、図3に示すような、容器61が自転し、この容器61が公転する攪拌装置を使用することが好ましい。このような攪拌装置を用いることにより、ソルダーレジスト塗布液を良好に混合することができると共に、ソルダーレジスト塗布液に混入している微細な気泡を除去することができる。このときの公転速度は1000〜4000rpm、自転速度は300〜1200rpmの範囲内にあることが好ましい。このような装置を用いた脱気泡処理に要する時間は、通常は5秒〜15分、好ましくは1〜10分である。このような条件で処理することにより、ソルダーレジスト塗布液に大きな遠心力が連続的にかかり、ソルダーレジスト塗布液中に含有される微細な気泡の殆どが除去される。
【0044】
さらに、本発明では、上記のような脱気泡処理を施した塗布液をスクリーン印刷技術を利用して塗布する。従来、このスクリーン印刷技術を利用したソルダーレジスト塗布液の塗布には、180メッシュ程度の比較的目開きの小さいスクリーンマスクが使用されているが、本発明では、こうした従来から一般に使用されているスクリーンマスクよりも目開きの大きいスクリーンマスクを使用する。
【0045】
特に本発明では、120〜165メッシュの範囲内のスクリーンマスクを使用する。このようなスクリーンマスクを用いることにより、ソルダーレジストの塗布厚さを25〜40μmの範囲内とすることができ、このようにソルダーレジストの厚さを上記のように厚くすることにより、ピンホールの形成を防止することができる。殊にこのようにソルダーレジストを厚くする本発明のTABテープにおいては、ソルダーレジストが弾性を有していることが好ましい。そして、本発明ではソルダーレジストの樹脂成分としてエラストマー変性物を使用すればソルダーレジストを厚く塗工してもソルダーレジストにクラック等が発生することを有効に防止することができる。
【0046】
こうしたソルダーレジスト塗布液は、スキージエッジを用いて塗布する。通常このスキージエッジとしては、底部が平坦な板状のスキージエッジが使用される。従って、このスキージエッジは、スクリーンマスクに対してほぼ直角に接触しながらソルダーレジストを塗布する。しかしながら、このように底部が平坦な板状のスキージエッジでは、スクリーンマスク上のソルダーレジストのためが少なくなりやすく、ソルダーレジストの塗布厚さを充分に確保することが困難になる。
【0047】
本発明では、図4に示すように、このスキージエッジ70をスキージエッジ厚さの少なくとも1/10、好ましくは1/9〜1/2に亘って、スクリーンマスク72に対して通常は45度以下の角度、好ましくは30〜45度の角度で接触するように幅方向に切欠71を形成して使用する。このように切欠71を形成することにより、この切欠71部分にソルダーレジスト塗布液がより多く保持され、ソルダーレジストの厚塗りが可能になる。
【0048】
さらに、本発明では、このような切欠71を有するスキージエッジ70を用いて、ソルダーレジスト塗布液を塗布するに際して、スクリーンマスク72上を通常は50〜200mm/秒の範囲内の速度、好ましくは80〜150mm/秒の範囲内の速度で移動させてソルダーレジスト塗布液を塗布する。このように従来よりもゆっくりスキージエッジ70を移動させてソルダーレジスト塗布液を塗布することにより、気泡が巻き込まれにくくなり、また、スキージエッジ70に切欠71を形成することにより、気泡含有量の少ないソルダーレジスト塗布液を多量にスクリーンマスクのソルダーレジスト塗布部分に供給することができるので、シリコーン系消泡剤を用いなくとも、絶縁フィルム上に形成された配線パターンを覆うように気泡含有量の少ないソルダーレジスト層を所定の厚さで形成することができる。そして、このようにして形成されたソルダーレジスト層には、気泡が実質的に含有されていないので、ピンホールあるいはボイド等が形成されることはない。
【0049】
さらに、本発明では、上記のようにしてソルダーレジスト塗布液を塗布した後、より穏和な条件でこのソルダーレジスト層中に含有される樹脂を硬化させることにより、仮に少量の気泡が含有される場合であっても、これらの気泡が消失した後、ソルダーレジストの有するセルフレベリング性によって消泡した部分に樹脂が流れ込み、ボイドあるいはピンホールの発生を防止できる。すなわち、本発明では、ソルダーレジスト塗布液を塗布した後、40℃〜170℃の範囲内で段階的に昇温してソルダーレジスト層中に含有される溶剤を除去すると共に、樹脂を硬化させる。このときの段階的昇温の例としては、第1硬化段階における硬化温度を90℃以下に設定して硬化対象物をこの第1硬化段階で5〜120分間保持した後、徐々に温度を挙げて90℃よりも高い第2硬化段階に移行させる。この第2硬化段階では90℃よりも高い温度、好ましくは95〜180℃程度の温度で10〜300分間硬化対象物を保持する。上記例は、2段階で硬化させる例であるが、同様にして3段階以上の多段階であってもよい。なお、このように多段階に温度設定をして硬化させる場合、ある硬化段階から次の硬化段階に加熱する際には、できるだけ穏和な条件で昇温することが好ましく、たとえば、上記の例で示したように、第1硬化段階から第2硬化段階への昇温速度は、通常は、0.01℃/1分間〜10℃/1分間、好ましくは0.1℃/1分間〜5℃/1分間の範囲内にするとよい。
【0050】
なお、この加熱には、通常のヒーターの他、熱風、(遠)赤外線ヒーター等を使用することができる。
【0051】
こうしてソルダーレジスト層を形成した後、この配線パターンおよびソルダーレジスト層の形成された絶縁フィルムをメッキ槽に移動して、配線パターンの表面にスズメッキ層を形成する。スズメッキ層は、無電解スズメッキあるいは電気スズメッキ等の方法によって形成される。こうして形成された当初のスズメッキ層は、通常は実質的にスズから形成されているが、このスズメッキ層の特性を損なわない範囲内で他の金属が含有されていても良い。
【0052】
スズメッキ層の厚さは、0.1〜0.6μmの範囲内にあることが好ましい。このような厚さでスズメッキ層を形成することにより、インナーリードとデバイスのバンプをボンディングする際、バンプを形成する金等の金属とスズとが適量の共晶物を形成するので、インナーリードとバンプとを良好に接合することができると共に、過度の共晶物が形成されることがなく、ファインピッチのTABテープであってもボンディングの際にインナーリード部で短絡が生ずることが少ない。このスズメッキ層は、ソルダーレジスト層が形成されている部分から露出している配線パターン全面に形成される。こうしてスズメッキ層を形成した後、加熱することにより、リードを形成する銅の一部がスズメッキ層に拡散し、リード部からのウィスカーの生成を抑制することができる。また、上記のようにしてスズメッキ層を形成した後、形成されたスズメッキ層の表面に薄いスズメッキ層が形成されるようにスズメッキ(フラッシュメッキ)することによっても、ウィスカーの生成を制御することができる。
【0053】
上記の方法では、ソルダーレジスト層を形成した後に、メッキ層を形成するが、メッキ層を形成した後にソルダーレジストを塗布する前にメッキ層を形成しても良い。すなわち、エッチングにより配線パターンを形成した後、この配線パターンが形成された絶縁フィルムをメッキ槽に移して例えばスズメッキ層を形成し、次いで、こうしてメッキ層が形成された上からソルダーレジストを塗布することができる。
【0054】
こうして形成されたTABテープには、通常の方法に従ってデバイスをボンディングすることができる。
【0055】
こうしてデバイスをボンディングした後、通常の方法に従って、樹脂塗布してデバイスを封止する。本発明では、シリコーン系消泡剤を使用していないので、このような封止樹脂がベースフィルム上などで封止不良(密着不良)を起こすことがない。
【0056】
【発明の効果】
本発明で使用するソルダーレジスト塗布液中には、シリコーン系消泡剤は含有されていない。このように本発明のソルダーレジスト塗布液は、シリコーン系消泡剤を含有していないけれども、ソルダーレジスト塗布液の塗布厚さ、さらにソルダーレジストの攪拌方法の改善、塗布装置の改良、印刷方法の改良、乾燥方法の改良などによりソルダーレジスト層にボイドあるいはピンホールなどが発生するのを防止することができる。
【0057】
そして、本発明で使用するソルダーレジストは、シリコーン系消泡剤を含有していないので、インナーリードに良好にデバイスをボンディングすることができると共に、デバイスをボンディングした後、このデバイスを含む部分を樹脂で封止する際ににじみ出たシリコーン系消泡剤によって樹脂による封止性が低下することがない。また、本発明で使用されるソルダーレジストは、シリコーン系消泡剤を使用していないので、工場全体がシリコーン汚染されることがないとの利点もある。
【0058】
【実施例】
次に本発明の実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0059】
【実施例1】
厚さ75μmのポリイミドフィルムに、パンチングにより、デバイスホール、スプロケットホールを形成した。次いで、このポリイミドフィルム表面に、エポキシ系接着剤を塗布し、厚さ18μmの銅箔を貼着した。
【0060】
さらに、この銅箔上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストを露光し、さらにエッチングすることにより銅箔に配線パターンを形成した。
【0061】
これとは別に、シリコーン系消泡剤を含有していないウレタン系ソルダーレジスト塗布液を、自転公転型攪拌装置(株式会社シンキー製、コンディショニングミキサーMX−201)に入れ、自転速度600rpm、公転速度2000rpmの速度で2分間攪拌して、含有される微細な気泡の大部分を除去した脱泡ウレタン系ソルダーレジスト塗布液を得た。
【0062】
次いで、インナーリードおよびアウターリードの先端部がマスキングされたシルクスクリーン(目開き150メッシュ)に、塗布方向のエッジが図4に示すように、切欠かれたスキージエッジを配置し、ここに上記のようにして調製した脱泡ウレタン系ソルダーレジスト塗布液を供給した。上記のように配置したソルダーレジスト塗布装置を用いて、形成された配線パターンの上からウレタン系の脱泡ソルダーレジストを乾燥厚さが40μmになるように、スキージエッジの移動速度;80mm/secの塗布速度で塗布した。
【0063】
こうしてソルダーレジストを塗布した後、80〜140℃の温度に段階的に2.5時間かけて昇温して加熱してソルダーレジストを硬化させた。なお、この加熱は、常圧で行った。
【0064】
こうしてソルダーレジスト層を形成した後、このフィルムを無電解スズメッキ層に移してソルダーレジストが塗工されていない配線パターン表面に0.2μmの厚さでスズメッキ層を形成した。
【0065】
スズメッキ層を形成した後、このTABテープを120℃の温度に1時間保持した。
【0066】
こうして得られたTABテープ100個について、ソルダーレジスト層のピンホールおよびボイドの数を測定したところ、TABテープ1個当たりのピンホールあるいはボイドの平均発生数は、0.01個であり、実質的にボイドあるいはピンホールは発生しなかった。
【0067】
上記のようにして100個のTABテープについてボンディング不良を測定した結果、ボンディング不良は実質的に見られなかった。
【0068】
こうして得られたTABテープにデバイスをボンディングし、このデバイスを含む部分にエポキシ系樹脂を塗布してデバイスを封止したが、封止樹脂はデバイスおよびTABテープに良好に密着して封止不良は見られなかった。
【0069】
なお、本発明におけるピンホールあるいはボイドの平均発生数およびボンディング不良は、100個のTABテープを1単位として測定した平均値である。
【0070】
【比較例1】
厚さ75μmのポリイミドフィルムに、パンチングにより、デバイスホール、スプロケットホールを形成した。次いで、このポリイミドフィルム表面に、エポキシ系接着剤を塗布し、厚さ18μmの銅箔を貼着した。
【0071】
さらに、この銅箔上にフォトレジストを塗布し、このフォトレジストを露光し、さらにエッチングすることにより銅箔に配線パターンを形成した。
【0072】
これとは別に、シリコーン系消泡剤を含有していないウレタン系ソルダーレジスト塗布液を、実施例1と同様に処理して、脱泡ウレタン系ソルダーレジスト塗布液を得た。
【0073】
次いで、インナーリードおよびアウターリードの先端部がマスキングされたシルクスクリーン(目開き180メッシュ)に、エッジに切欠の形成されていないスキージエッジを配置し、ここに上記のようにして調製した脱泡ウレタン系ソルダーレジスト塗布液を供給し、実施例1と同様にして、ウレタン系の脱泡ソルダーレジストを乾燥厚さが20μmになるように、スキージエッジの移動速度;120mm/secの塗布速度で塗布した。
【0074】
こうして塗布したソルダーレジストを実施例1と同様にして硬化させた。
【0075】
こうしてソルダーレジスト層を形成した後、このフィルムを無電解スズメッキ層に移してソルダーレジストが塗工されていない配線パターン表面に0.2μmの厚さでスズメッキ層を形成した。
【0076】
スズメッキ層を形成した後、このTABテープを120℃の温度に1時間保持した。
【0077】
こうして得られたTABテープ100個について、ソルダーレジスト層のピンホールおよびボイドの数を測定したところ、TABテープ1個当たりのピンホールあるいはボイドの平均発生数は、0.1個であり、TABテープの歩留まり低下の主要因となった。
【0078】
上記のようにして100個のTABテープについてボンディング不良を測定した結果、ボンディング不良は実質的に見られなかった。
【0079】
こうして得られたTABテープにデバイスをボンディングし、このデバイスを含む部分にエポキシ系樹脂を塗布してデバイスを封止したが、封止樹脂はデバイスおよびTABテープに良好に密着して封止不良は見られなかった。
【0080】
【比較例2】
実施例1と同様にエッチングして配線パターンを形成した。
【0081】
これとは別にシリコーン系消泡剤を1重量%含有するウレタン系ソルダーレジストを、プロペラ型攪拌機にいれ、100rpmで15分間攪拌してウレタン系ソルダーレジストの塗布液を得た。
【0082】
次いで、インナーリードおよびアウターリードの先端部がマスキングされたシルクスクリーン(目開き180メッシュ)に、エッジに切欠の形成されていないスキージエッジを配置し、ここに上記のようにして調製した脱泡ウレタン系ソルダーレジスト塗布液を供給し、実施例1と同様にして、ウレタン系の脱泡ソルダーレジストを乾燥厚さが25μmになるように、スキージエッジの移動速度;120mm/secの塗布速度で塗布した。
【0083】
こうして塗布したソルダーレジストを実施例1と同様にして硬化させた。
【0084】
こうしてソルダーレジスト層を形成した後、このフィルムを無電解スズメッキ層に移してソルダーレジストが塗工されていない配線パターン表面に0.2μmの厚さでスズメッキ層を形成した。
【0085】
スズメッキ層を形成した後、このTABテープを120℃の温度に1時間保持した。
【0086】
こうして得られたTABテープ100個について、ソルダーレジスト層のピンホールおよびボイドの数を測定したところ、TABテープ1個当たりのピンホールあるいはボイドの平均発生数は、0.01個であり、実質的にボイドあるいはピンホールは発生しなかった。
【0087】
上記のようにして100個のTABテープについてボンディング不良を測定した結果、ボンディング不良は実質的に見られなかった。
【0088】
こうして得られたTABテープにデバイスをボンディングし、このデバイスを含む部分にエポキシ系樹脂を塗布してデバイスを封止したが、封止樹脂はデバイスホール近傍のベースフィルム上で80個にはじきがみられ封止不良が生じていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を模式的に示す平面図である。
【図2】 図2は、電子部品実装用フィルムキャリアテープの例を模式的に示す断面図である。
【図3】 図3は、自転公転型攪拌装置を模式的に示す図である。
【図4】 図4は、本発明で使用するスキージエッジを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1・・・TABテープ
10・・・絶縁フィルム
12・・・接着剤層
20・・・ソルダーレジスト
30・・・銅箔(配線パターン)
41・・・デバイスホール
42・・・スプロケットホール
51・・・インナーリード
52・・・アウターリード
61・・・容器
70・・・スキージエッジ
71・・・切欠
72・・・スクリーンマスク
Claims (2)
- 絶縁フィルム表面に所望の配線パターンが形成され、該配線パターンのリード部を除く部分に、ウレタン樹脂またはウレタン樹脂のエラストマー変性物を含む脱泡処理ソルダーレジスト塗布液の120〜165メッシュ範囲のスクリーンマスク塗布を用いた塗布により形成されたソルダーレジスト塗布層を常圧で40〜170℃の範囲内で段階的に昇温して形成された硬化体からなる厚さ25〜40μmのソルダーレジスト層が形成されてなり、該ソルダーレジスト層には、ピンホールあるいはボイドが形成されておらず、かつフィルムキャリアテープにはシリコーン消泡剤が付着していないインナーリードを有し、そして、該シリコーン消泡剤が付着していないインナーリードには、一部に銅が拡散した0.1〜0.6μmの厚さのスズメッキ層が形成されていることを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
- 上記絶縁フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項第1項記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
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