JP4033433B2 - 液体散布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、散布ノズル群から液体の散布を行う液体散布装置に関し、特に、前記散布ノズル群の内、実際に前記液体を吐出するノズルの数を変化せしめ得るように形成された液体散布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、前記の如き液体散布装置の一例としての農用ブームスプレーヤは、その進行方向左右外方へブームを展張して、進行しながら、該ブームの長さ方向に沿って所定間隔をおいて配設された散布ノズル群から、地面の作物へ向けて、防除剤や肥料等の液体の広幅散布を行う。
【0003】
前記の如きブームスプレーヤにおいては、圃場の外周形状等に応じて散布幅を変更できることが望ましい。
【0004】
このため、前記ブームとして、いわゆるスライドブームと呼ばれる伸縮式のブームを採用したり、あるいは、その長さ方向の途中の一又は二箇所で折り畳むことができる折り畳み式のブームを採用したりしている。そして、前記伸縮式ブームの場合には、ブームの収縮によりノズルの位置が重なり合っても散布が重なり合わないように、前記各ノズルにコックを付設し、これらのコックが前記ブームの伸縮に連動して自動的に開いたり閉じたりするようになっている。同様に、前記折り畳み式ブームの場合には、散布を止めて折り畳まれる等したブームのノズル群への前記液体の供給を制御するためのコックが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記伸縮式ブームにおいても、前記折り畳み式ブームにおいても、その伸縮や折り畳み等によって、実際に前記液体を吐出するノズルの数が変化するので、何らの措置も講じないと、散布幅の変更によって、個々のノズルからの液体吐出量が変化してしまい、地面に対する単位面積当たりの散布量が不均一となってしまう。
【0006】
本発明は、前記の如き事情に鑑みてなされたもので、その第一の解決課題は、実際に液体を吐出するノズルの数の変化に影響されず、常に均一散布を達成することができる、液体散布装置を提供することである。
【0007】
本発明の第二の解決課題は、実際に液体を吐出するノズルの数の変化だけでなく、その移動速度の変化にも影響されず、常に均一散布を達成することができる、液体散布装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記第一の課題を解決するため、請求項1に記載の本発明に係る液体散布装置は、散布ノズル群と、該散布ノズル群へと液体を圧送するポンプと、を備え、前記散布ノズル群の内、実際に前記液体を吐出する液体吐出ノズルの数を変化せしめ得るように形成された液体散布装置であって、前記ポンプの吐出口側に連通するとともに前記散布ノズル群を形成する個々のノズルからの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記液体を通過させるように散布ノズル群に対して並列に開口する一定の絞りに連通する分流管路と、該分流管路における液体流量を検知する流量センサと、単位面積当たりの目標散布量の入力の下で、前記流量センサからの信号に基づいて、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路における液体流量を演算し、その演算結果が実現されるように前記ポンプの吐出量を制御する制御装置と、を備えたものである。
【0009】
本発明によれば、前記液体吐出ノズルの数が変化すると、必然的に、個々の液体吐出ノズルからの液体吐出量が変化するとともに、前記分流管路の液体流量が変化する。ここで、本発明においては、前記分流管路を流れる前記液体の流量と、前記散布ノズル群を形成する個々のノズルからの液体吐出量と、の間に、常に一定比率の関係が成立している。このため、前記制御装置において、前記流量センサからの信号に基づいて、かつ、前記比率を考慮して、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路における液体流量が演算され、その演算結果が実現されるように前記ポンプの吐出量が制御されることにより、前記液体吐出ノズルの数の変化にかかわらず、目標量通りの均一散布が達成される。
【0010】
前記第二の課題を解決するため、請求項2に記載の本発明に係る液体散布装置は、散布ノズル群と、該散布ノズル群へと液体を圧送するポンプと、を備え、前記散布ノズル群の内、実際に前記液体を吐出する液体吐出ノズルの数を変化せしめ得るように形成された液体散布装置であって、該液体散布装置の移動速度を検知する速度センサと、前記ポンプの吐出口側に連通するとともに前記散布ノズル群を形成する個々のノズルからの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記液体を通過させるように散布ノズル群に対して並列に開口する一定の絞りに連通する分流管路と、該分流管路における液体流量を検知する流量センサと、単位面積当たりの目標散布量の入力の下で、前記速度センサ及び前記流量センサからの信号に基づいて、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路における液体流量を演算し、その演算結果が実現されるように前記ポンプの吐出量を制御する制御装置と、を備えたものである。
【0011】
この場合、前記液体散布装置の移動速度が前記速度センサで検知され、前記流量センサからの信号に加えて、前記速度センサからの信号も、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路における液体流量の演算のための要素となる。そして、前記制御装置において、あらかじめ定められたプログラムに沿って前記演算が行われ、その演算結果が実現されるように、前記制御装置によって、前記ポンプの吐出量が制御される。その結果、前記液体散布装置の移動速度の変化、前記液体吐出ノズルの数の変化のいずれにもかかわらず、目標量通りの均一散布が達成される。
【0012】
前記各液体散布装置において、前記絞りが、前記ポンプの吸入口側に連通する散布液タンク内に攪拌流を生ぜしめる攪拌ノズルであるものとせしめれば(請求項3)、該攪拌ノズルからの噴流によって前記散布液タンク内の散布液が攪拌されるので、例えば、該散布液が混合液の場合に、前記散布ノズル群から常に均質な液体の散布ができて、好適である。
【0013】
また、前記各液体散布装置において、前記制御装置は、例えば、前記ポンプの回転数を制御することによって、その吐出量を制御するようにせしめてもよいが、その他、前記ポンプの調圧弁を制御して吐出圧力を変化せしめることによって、前記ポンプの吐出量を制御するようにせしめれば(請求項4)、その制御が容易かつ確実に行えて、好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。本実施の形態に係る液体散布装置は、図示しないトラクタ等の走行機体に搭載されて、圃場内を走行しながら防除液や液肥等を散布する農用ブームスプレーヤ1であり、中でも特に、いわゆるスライドブームと呼ばれる伸縮式ブームを備えたブームスプレーヤについて、本発明を適用した例である。しかし、これには限定されず、折り畳み式ブームを有する、いわゆる条止め式散布装置についても適用できることは言うまでもない。
【0022】
図1において、ポンプ2は、その吸入口3が、散布液Lを貯留するタンク4に連通されるとともに、その吐出口5が、液体分配筺6に連通されている。該液体分配筺6からは、複数本(本実施の形態では二本)の散布液管路7,7が延び出していて、該二本の送液管路7,7は、それぞれ、その長さ方向に沿って散布ノズル群Nを有するノズル管8,8へと連通している。該各ノズル管8,8は、その長さ方向に沿って相対伸縮自在に結合せしめられた一対のブーム9,9のそれぞれの下面に沿って取着されている。
【0023】
前記各散布ノズル群Nを形成する個々の散布ノズルnは、互いに同一のものであり、いずれの散布ノズルnからも、互いに同一量の散布液Lが吐出されるようになっている。すなわち、前記各散布ノズルnは、その噴口の形状および大きさ(口径)が互いに同一で、その内部に挿入された中子等の噴霧形態制御部材も、互いに同一のものとされている。
【0024】
前記ブームスプレーヤ1によれば、前記一対のブーム9,9を、前記走行機体の進行方向に対して左右方向外方へ向けて長く伸ばして、圃場内を走行しながら、前記散布ノズル群Nによって広幅の液体散布を行うことができる。しかも、必要に応じて前記一対のブーム9,9を伸縮操作してブーム全長(散布幅)を変更することにより、圃場の外周形状変化等に応じた散布を行うことができる。
【0025】
ところで、散布作業中に前記一対のブーム9,9が収縮操作された場合、該各ブーム9,9における前記散布ノズルnの位置が重複する部分が生ずることになるので、何らの措置も講じないと、散布が不均一になってしまう。このため、前記ブームスプレーヤ1においては、前記一対のブーム9,9の内の一方のブーム9側の前記各散布ノズルnに図示しないコックをそれぞれ付設し、これらのコックが、前記他方のブーム9の相対伸縮に応じて自動的に開閉操作されるようにせしめて、前記ブーム9の収縮により前記散布ノズルnの位置が重なり合っても、液体吐出は重なり合わないようにされている。すなわち、本実施の形態では、前記一対のブーム9,9が相対伸縮することによって、実際に前記散布液Lを吐出する前記散布(液体吐出)ノズルnの数が変化することになる。
【0026】
前記ポンプ2の前記吐出口5は、前記各ノズル管8,8のほかに、分流管路10を介して、前記タンク4にも連通している。前記分流管路10は、前記散布ノズル群Nを形成する個々の前記散布ノズルnからの液体吐出量に対して常に一定比率量の液体Lを通過させるように、散布ノズル群Nに対して並列に開口する一定の絞りに連通している。本実施の形態では、前記分流管路10の一端部11を、前記液体分配筺6に接続するとともに、前記分流管路10の他端部12を前記絞りとしての攪拌ノズル13に接続し、該攪拌ノズル13を、常時前記タンク4の液面下に位置するように配置している。そして、前記攪拌ノズル13による液体吐出量と、前記各散布ノズルnからの液体吐出量と、の間に、常に一定比率の関係が成立するように、前記攪拌ノズル13と前記各散布ノズルnとの仕様を選択している。
【0027】
前記攪拌ノズル13から吐出される前記散布液Lは、前記タンク4内に攪拌流を生ぜしめ、該タンク4内の前記散布液Lの全体を常に均質に保持せしめる作用を奏する。したがって、前記各散布ノズルnの液体吐出量に対する前記攪拌ノズル13の液体吐出量の比率は、前記タンク4の大きさを考慮して、前記攪拌ノズル13によって十分な攪拌効果が得られるように、適宜に設定する。例えば、前記攪拌ノズル13の液体吐出量:前記各散布ノズルの液体吐出量=10:1、の如くである。
【0028】
前記分流管路10の途中には、該分流管路10における液体流量を検知する、適宜の型式の、電気信号を出力する流量センサ14が配設されている。該流量センサ14からの信号は、前記各散布ノズルnの地面に対する移動速度(前記走行機体の走行速度)を検知する速度センサ15からの信号とともに、マイクロコンピュータを含む制御装置16へと送られる。該制御装置16は、前記各散布ノズルnの所定吐出量と単位面積当たりの目標散布量の入力の下で、前記速度センサ15及び前記流量センサ14からの信号に基づいて、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路10における液体流量を演算し、その演算結果が実現されるように、前記ポンプ2の吐出量を制御する。
【0029】
本実施の形態では、前記制御装置16が、前記ポンプ2の電動式等の調圧弁17で吐出圧力を変化せしめることによって、前記ポンプ2の吐出量が制御されるようになっている。すなわち、前記制御装置16からの信号によって前記調圧弁17の調圧値が自動調節されると、余水管路18を通じて前記ポンプ2から前記タンク4へと戻される余水の量が変化するので、これにより、前記ポンプ2の液体吐出量が自動的に調節される。
【0030】
以上のように構成される前記ブームスプレーヤ1の動作は、次の通りである。
【0031】
いま、前記一対のブーム9,9の収縮作動によって、前記散布ノズルnの内の実際に液体を吐出するノズルの数が、それまでの半分に減ったとする。すると、個々の実際液体吐出ノズルnからの液体吐出量は、それまでの二倍に増えることになり、それに応じて、前記攪拌ノズル13からの液体吐出量も、それまでの二倍に増えることになる。
【0032】
しかし、前記分流管路10の流量は、前記流量センサ14で常時検知されており、該流量センサ14からの信号は、前記速度センサ15からの信号とともに前記制御装置16に送られている。該制御装置16においては、所定のプログラムに従い、あらかじめ入力された単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な、前記分流管路10における液体流量が演算される。例えば、前記走行機体の走行速度に変化がない場合には、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な、前記分流管路10における液体流量は、前記散布ノズルnの数の変化前の前記分流管路10における液体流量と一致する。そこで、前記制御装置16によって、前記演算の結果が実現されるように、前記ポンプ2の前記調圧弁17が自動的に調節され、前記ポンプ2の吐出量が自動的に調節されることにより、結果的に、前記各散布ノズルnからの液体吐出量も、前記散布ノズルnの数の変化前の吐出量に制御されることになる。これにより、実際に前記散布液Lを吐出する液体吐出ノズルnの数が変化した場合でも、地面に対する均一散布が達成される。
【0033】
一方、前記一対のブーム9,9の伸縮作動がない状態で、前記走行機体の走行速度が、例えば速くなった場合には、前記速度センサ15からの信号を受けて、前記制御装置16において、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な、前記分流管路10における液体流量が演算される。そして、その演算結果が実現されるように前記ポンプ2の吐出量が自動的に増やされ、その結果、前記走行機体の走行速度の変化にかかわらず、目標量通りの均一散布が達成される。
【0034】
また、前記一対のブーム9,9の相対伸縮作動による実際に前記散布液Lを吐出する液体吐出ノズルnの数の変化に加え、前記走行機体の走行速度も変化した場合には、それらの両者を織り込んで、前記制御装置16において、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な、前記分流管路10における液体流量が演算される。そして、その演算結果が実現されるように、前記ポンプ2の吐出量が制御され、その結果、前記走行機体の走行速度の変化、実際に前記散布液Lを吐出する前記液体吐出ノズルnの数の変化のいずれにもかかわらず、目標量通りの均一散布が達成される。
【0035】
なお、本実施の形態では、前記分流管路10を前記攪拌ノズル13に連通せしめている関係上、該攪拌ノズル13からの液体吐出量が前記各散布ノズルnからの液体吐出量より多くなるように、それらの間の比率を設定し、前記攪拌ノズル13による十分な攪拌作用が奏されるようにせしめるのが望ましい。しかし、その他、前記攪拌ノズル13に代えて、前記分流管路10を、前記各散布ノズルnと同一の、単一の副散布ノズル(図示せず)に連通せしめることもできる。このようにすれば、該単一の副散布ノズルからの液体吐出量と、前記各散布ノズルnからの液体吐出量の比率は、常に1:1となるので、前記制御装置における演算プログラムが簡素化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。
【符号の説明】
1,20 液体散布装置(ブームスプレーヤ)
2 ポンプ
3 吸入口
4 散布液タンク
5 吐出口
10 分流管路
13 絞り(攪拌ノズル)
14 流量センサ
15 速度センサ
16 制御装置
17 調圧弁
23 制御装置
L 液体(散布液)
n ノズル
N 散布ノズル群
Claims (4)
- 散布ノズル群(N,N)と、該散布ノズル群(N,N)へと液体(L)を圧送するポンプ(2)と、を備え、前記散布ノズル群(N,N)の内、実際に前記液体(L)を吐出する液体吐出ノズル(n)の数を変化せしめ得るように形成された液体散布装置(1)であって、
前記ポンプ(2)の吐出口(5)側に連通するとともに前記散布ノズル群(N,N)を形成する個々のノズル(n)からの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記液体(L)を通過させるように散布ノズル群(N,N)に対して並列に開口する一定の絞り(13)に連通する分流管路(10)と、
該分流管路(10)における液体流量を検知する流量センサ(14)と、
単位面積当たりの目標散布量の入力の下で、前記流量センサ(14)からの信号に基づいて、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路(10)における液体流量を演算し、その演算結果が実現されるように前記ポンプ(2)の吐出量を制御する制御装置(16)と、
を備えてなる、液体散布装置。 - 散布ノズル群(N,N)と、該散布ノズル群(N,N)へと液体(L)を圧送するポンプ(2)と、を備え、前記散布ノズル群(N,N)の内、実際に前記液体(L)を吐出する液体吐出ノズル(n)の数を変化せしめ得るように形成された液体散布装置(1)であって、
該液体散布装置(1)の移動速度を検知する速度センサ(15)と、
前記ポンプ(2)の吐出口(5)側に連通するとともに前記散布ノズル群(N,N)を形成する個々のノズル(n)からの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記液体(L)を通過させるように散布ノズル群(N,N)に対して並列に開口する一定の絞り(13)に連通する分流管路(10)と、
該分流管路(10)における液体流量を検知する流量センサ(14)と、
単位面積当たりの目標散布量の入力の下で、前記速度センサ(15)及び前記流量センサ(14)からの信号に基づいて、前記単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な前記分流管路(10)における液体流量を演算し、その演算結果が実現されるように前記ポンプ(2)の吐出量を制御する制御装置(16)と、
を備えてなる、液体散布装置。 - 前記絞りが、前記ポンプ(2)の吸入口(3)側に連通する散布液タンク(4)内に攪拌流を生ぜしめる攪拌ノズル(13)である、請求項1または2に記載の液体散布装置。
- 前記制御装置(16)は、前記ポンプ(2)の調圧弁(17)を制御することによって前記ポンプ(2)の吐出量を制御する、請求項1,2または3に記載の液体散布装置。
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