JP4033459B2 - がんもどき様加工食品の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、「がんもどき」即ち、「飛竜頭」とも呼ばれる豆腐加工食品である「がんもどき」を基にした新規な加工食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゆで卵は人気の食品で、おでん等に良く使用されるが、加熱しすぎると硬くなる欠点がある。また、卵加工品のうち、卵豆腐があるが、これはそのまま食べるだけで、大豆の豆腐のように鍋物や汁の具材として使われることがないのは、柔らかすぎる性状に由来しているためであると思われる。
【0003】
一方、卵と豆腐との融合を図った新規な食品が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、熱凝固性を有する大豆蛋白に、卵と水、更に油脂を混練した混練物を油で揚げるものである。
【0004】
【特許文献1】
特公昭57−18455号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、卵と豆腐との融合を図った新規な食品は、加熱する前の豆腐生地中に卵を混練するものである。
【0006】
本発明は、卵液をがんもどきの空隙に分散含浸又は充填させ、卵が加熱で硬くなったり、卵豆腐のように柔らかくて崩れることがなく、おでん種や煮物に使用できる新規ながんもどき様加工食品を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明に係るがんもどき様加工食品の製造法は、潰した豆腐及び/又は分離大豆蛋白を含む生地を任意の形状に成型して油ちょうした後、油ちょうによって形成された空隙内に、卵100重量%から水又はだし汁で割った卵20重量%まで任意に設定された卵液を含浸又は充填し、卵液を含浸又は充填した成型品を加熱して内部の卵液を固化することを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載された発明に係るがんもどき様加工食品の製造法は、請求項1に記載の油ちょう物を卵液に浸して減圧又は加圧を行うか又はノズルを用いて前記卵液を注入して、前記空隙内に前記卵液を含浸又は充填することを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載された発明に係るがんもどき様加工食品の製造法は、請求項1又は2に記載の卵液が、卵4,だし汁6が混合されたものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載された発明に係るがんもどき様加工食品の製造法は、請求項1〜3の何れか1項に記載の潰した豆腐及び/又は分離大豆蛋白を含む生地として、該生地に塩摺りした魚肉すり身を添加した生地を用いることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、潰した豆腐及び/又は分離大豆蛋白を含む生地を油ちょうして得られるがんもどき食品は、油ちょうにより膨化し、内部に空隙が生じると共に表面が固化するため、油ちょうされたものは多数の空隙部を構成して一種のカプセルのような構造となる。そのため、内部の空隙に加熱凝固性可食液を含浸又は充填することができ、これを加熱固化させることにより、食品中に散在する空隙部内に加熱固化体ができるため、硬くなりすぎたり、柔らかくても崩れることがなく、おでん種や煮物に使用できる新規ながんもどき様加工食品を得ることができる。
【0014】
本発明の加熱凝固性可食液は、加熱することにより凝固するものであればよく、例えば、豆腐用の豆乳等や、加熱凝固性のゲル化剤などを加えた液、汁などが挙げられる。好ましい態様としては、全卵液、卵黄液、卵白液、卵黄又は卵白の比率を上げた卵液、通常の豆腐製造用に製造された豆乳を冷却して凝固剤を加えた豆乳及びこれら液に調味料を添加した調味済み液の何れかを用いることができる。
【0015】
本発明における豆腐生地、分離大豆蛋白生地は、常法に従ってがんもどきの製造に用いるものが上げられる。具体的には、水気を切った豆腐生地、好ましくは木綿豆腐の豆腐生地や、油脂及び水と混練した大豆蛋白質カード等を用いる。また、好みに応じて細かく切った野菜、ひじき、ぎんなん等の具材をこの豆腐生地や分離大豆蛋白生地に混ぜ合わせてもよい。更に、豆腐生地や分離大豆蛋白生地には必要によって、塩摺りした魚肉すり身を添加してもよい。また、分離大豆蛋白生地を作成する際に大豆蛋白質カードを調整する目的で水替わりに豆乳を使用してもよい。
【0016】
具体的な分離大豆蛋白生地としては、分離大豆蛋白と、油脂、水等の比率は、大豆蛋白1に対し、油脂0.2〜3、水2〜10の範囲で選ばれ、求める油ちょう物の膨化、性状に応じて決定される。また、分離大豆蛋白生地は、ボールなどの任意の形に成型され油ちょうされるが、通常のがんもどきを揚げる時のように低温、高温の二段加熱を行うのが適しているが、充分に膨化するのであれば、一段加熱でも良い。
【0017】
本発明における空隙とは、常法に従ってがんもどきの製造を行った際に豆腐生地や分離大豆蛋白生地中に形成されるものを指す。即ち、油ちょうによって分離大豆蛋白生地中の空気や水が膨張して膨化した後の痕跡である。
【0018】
本発明における卵液は、卵100重量%から、水又はだし汁で割った卵20重量%程度まで任意に設定でき、必要に応じて調味を行うことができる。また、卵は、全卵はもとより、卵黄又は卵白のみ、卵黄又は卵白の割合を増やしたものでもよい。豆腐用の豆腐の場合、通常の豆腐に使用される8〜12%(豆乳濃度;BX)が使用でき、凝固剤としては、にがり、硫酸カルシウム、GDL(グルコノデルタラクトン)が挙げられる。
【0019】
空隙に充填された卵液はそのままでは次第に液体として流出するが、卵液が空隙に充填された状態で加熱することにより、固化して滑らかな状態で空隙内に保持される。加熱方法としては、好ましくは、蒸す、茹でる、又は、揚げるの何れでも良いが通常は蒸し加熱が適しており、80℃〜90℃で中心が75℃〜80℃になれば卵液が凝固する。充填後、加熱前に液漏れを防止するために卵液を粘度調整などをして液漏れを防止してもよい。
【0020】
本発明のがんもどき様加工食品の製造は、潰した豆腐生地及び/又は分離大豆蛋白生地を任意の形状に成型して油ちょうした後、油ちょうによって形成された空隙内に卵液を含浸又は充填し、卵液を充填した成型品を加熱して内部の卵液を固化するものであるため、がんもどきのようなおでんや、煮物にした時、浸み込んだ汁がこぼれたり、かんだ時にたれることもなくなり、がんものおいしさと、卵、だし汁の美味しさが味わえる新規ながんもどき様加工食品を得ることができる。
【0021】
本発明での卵液の空隙への含浸は、潰した豆腐生地及び/又は分離大豆蛋白生地を任意の形状に成型して、油ちょうした油ちょう物を卵液に浸し、容器を密封し真空ポンプ等で減圧又は加圧、更には、減圧と加圧とを繰り返すことで空隙部に卵液を浸み込ませることができる。また、充填は先端に細いノズルを用いて卵液を注入して満たすなどすることも出来る。
【0022】
このようにして得られたがんもどき様加工食品は、そのまま食してもいいし、煮物、おでん種としても美味しいものであった。
【0023】
【実施例】
実施例1.
図1は本発明のがんもどき様加工食品の製造法の一実施例の工程を示す工程図である。図に示す通り、大豆蛋白生地作製工程として、分離大豆蛋白質(例えば、フジプロ545)1に、大豆油1,水3.5をミキサーで混合、乳化カードを作成した。このカードを3時間室温で放置し、ゲル化させた。その後、このカードを直径5mm程度の大きさに破砕した。
【0024】
次に、成型工程として、常法通りに、魚肉すり身10に対し、0.3塩を加え、塩ずりし、0.5の澱粉、1の水を加えて摺り上げた塩ズリ身を加えてボール状に成型した。加熱工程として、このボールを低温140℃の油で7分、次いで、170℃の油で3分加熱した。この加熱で、この生地は膨化し、海綿状の組織を形成した。
【0025】
漬け込み工程として、この海綿状のボールの空隙部に卵4,だし汁6で混合し、更に食塩1%で加えた卵液を浸み込ませてた。具体的には、海綿状のボールを卵液に浸し、これらを入れている容器を密封し真空ポンプ等で減圧して空隙部に卵液を浸み込ませた。尚、この他に、注射器等で卵液を直接ボール内に充填させてもよい。その後、加熱工程として、85℃で30分間蒸し加熱を行い、卵を凝固させた。
【0026】
図2は本製造工程で得られたがんもどき様加工食品の断面構成を模式的に示した説明図であり、a図は含浸させた状態を示し、b図は充填させた状態を示す。a図に示す通り、本発明のがんもどき様加工食品は、大豆蛋白生地21がキツネ色に油ちょうされた硬い外皮22の内部に、細かな膨化した空隙23が多数形成されており、この空隙23の各々に茶碗蒸し様の卵液24が浸み込み、加熱によって固化している。また、b図に示すように注射器等での卵液の充填は卵液24の注入により、卵液24自体が含浸よりも大きくなる。
【0027】
以上のように、このがんもどき様加工食品は、そのままでもみずみずしく美味しく、おでんにしても風味があり、なめらかで柔らかい触感で美味しいものであった。浸み込ませる卵液は卵とだし汁などで任意に硬さを調整できるので、ゆで卵のように硬くなったり卵豆腐のように柔らかすぎて鍋物に入れた時に崩れることを防ぐことができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は以上説明した通り、卵が加熱で硬くなったり、柔らかくて崩れることがなく、おでん種や煮物に使用できる新規ながんもどき様加工食品を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のがんもどき様加工食品の製造法の一実施例の工程を示す工程図である。
【図2】本製造工程で得られたがんもどき様加工食品の断面構成を模式的に示した説明図であり、a図は含浸させた状態を示し、b図は充填させた状態を示す。
【符号の説明】
21…大豆蛋白生地、
22…外皮、
23…間隙、
24…卵液、
Claims (4)
- 潰した豆腐及び/又は分離大豆蛋白を含む生地を任意の形状に成型して油ちょうした後、油ちょうによって形成された空隙内に、卵100重量%から水又はだし汁で割った卵20重量%まで任意に設定された卵液を含浸又は充填し、卵液を含浸又は充填した成型品を加熱して内部の卵液を固化することを特徴とするがんもどき様加工食品の製造法。
- 前記油ちょう物を卵液に浸して減圧又は加圧を行うか又はノズルを用いて前記卵液を注入して、前記空隙内に前記卵液を含浸又は充填することを特徴とする請求項1に記載のがんもどき様加工食品の製造法。
- 前記卵液が、卵4,だし汁6が混合されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のがんもどき様加工食品の製造法。
- 前記潰した豆腐及び/又は分離大豆蛋白を含む生地として、該生地に塩摺りした魚肉すり身を添加した生地を用いることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のがんもどき様加工食品の製造法。
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