JP4036614B2 - パルス化されかつ光学的刺激化されたルミネセンスを用いた異常放射暴露の検出のためのシステム及び方法 - Google Patents

パルス化されかつ光学的刺激化されたルミネセンスを用いた異常放射暴露の検出のためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、一般的に放射フィールドを像形成するルミネセンス技術に関し、詳細には静的及び動的照射条件と他の関連した異常な放射暴露条件とを区別する実験的及び数学的方法の使用に関する。本発明は、要員及び環境放射線量測定分野及びそれに関連した分野の人々により極めて良く認められるであろう。
【0002】
背 景
写真フィルムを用いる現在の放射線量測定方法は、「放射像」をマップするフィルムの像形成能力に利点を有する。これは、放射吸収フィルタを放射源とフィルタとの間に挿入することによりなされる。続いて、フィルムを現像したとき、フィルタの像が得られている。この能力は、異常な暴露条件を検出するための放射線量測定の分野で用いられる。関心のある主たる異常な暴露条件は、放射フィルム「バッジ」を人が着けていないとき、フィルムの放射源への意図的な又は偶然の暴露である。これは、例えば、人ではなくて自分の放射フィルム・バッジを放射に対して暴露させるため誰かがそのバッジを放射源の近くに置いたとき生じる場合がある。そのようなバッジの「静的」暴露は、現像したフィルム上にフィルタの鮮明な像を生成するであろう。これは、人がフィルム・バッジを自分の着物に長期間着けている場合の暴露から区別されるべきである。この「動的」ケースにおける放射吸収フィルタの像は、ぼやけていることが予想される。「鮮明」と「ぼやけ」とを主観的に区別することにより、「静的」暴露の可能性について、特に「静的」暴露とより通常の「動的」暴露とを区別することについての判定を行うことができる。
【0003】
他の潜在的異常暴露条件は、外部の物体(貨幣、紙用クリップ等)によるフィルムに対する意図しない遮蔽を含む。それは、人の着物の外側に正しく着けられているよりむしろバッジが(例えば)人のポケットの中に正しくなく入れられていたからである。そのような暴露は、通常、現像したフィルム上に物体の像を観察することにより検出される。更に他の異常暴露条件は、放射能汚染物質によるフィルム・バッジの汚染、又はフィルム又は放射フィルタの物理的損傷を含む。そのような条件は、通常、「ホットスポット」又は「コールドスポット」を現像したフィルム上に示す。
【0004】
他の人は、光学的刺激されたルミネセンスを用いて大きな範囲の蛍光体の放射暴露の像形成を調査した。例えば、Luckey(米国特許3,859,527)、Ikedo他(米国特許3,957,637)、Kotera他(米国特許4,258,264)、Kato他の(米国特許4,315,318)及びGasiot他(米国特許4,517,463)を参照のこと。これらの参考文献は添付の参考目録により十分に引用されており、その参考目録の参考文献(1)から(5)は特に本明細書において援用されている。しかしながら、これらの各特許の適用分野は医療像形成であり、各ケースにおける目的は、人体のような照射される対象物の像を発光板上に捕捉することである。その板上の潜像は、通常適切なレーザ・ビームで走査することにより読み取られる。特に、Luckey(米国特許3,859,527)は、蛍光体を像形成されるべき対象物を介する放射に暴露し、次いでレーザ・ビームによる走査により蛍光体を刺激することにより記録された情報を読み出すことにより放射像を記録する。像は、蛍光体の表面の走査レーザ・ビームの位置の関数として光検出器の出力を記録することにより読み出される。
【0005】
前述の発明者は本明細書において考慮している問題、即ち、蛍光体サンプルの非標準照射の検出よりはむしろ、対象物を像形成することに彼らの努力を向けていたことに留意されたい。更に、先に公開された像形成方法は、以下で説明するパルス化されかつ同期化された検出技術を用いていない。
【0006】
これまで、放射線量測定技術において周知のように、著しいバックグランド干渉又は刺激光漏洩に遭遇することなく、放射線量の広い動的範囲(〜1mGyから〜100Gy)にわたり異常な線量計暴露条件を迅速でかつ信頼性良く検出することを提供することができる発明に対する必要性があった。
【0007】
従って、本発明者により認識されたように、ある期間、前述の問題を扱い解決するであろう方法及び装置に対する非常に現実的な必要性が存在し、そして存在していたことがここに認められる筈である。しかしながら、本発明の説明を進める前に、添付図面と一緒に、以下の本発明の記述が、図示され説明される例示(又は好適な実施形態)に本発明を制限するよう解釈されるべきでないことに留意し覚えておくべきである。これは、本発明が関係する当業者が特許請求の範囲の範囲内で本発明の他の形式を案出することができるからである。
【0008】
発明の概要
本発明の一局面に従って、静的線量計暴露条件と動的線量計暴露条件とを区別する方法及び装置であって、パルス化されかつ光学的に刺激されたルミネセンス(POSL)が好ましくは酸化アルミニウム、炭素及び他の必要元素を含む発光材料に印加され、吸収された放射線量の特性にアクセスする方法及び装置が提供される。一般的背景として、POSLと関連した技術は、米国特許出願08/710,780及び08/879,385により十分に記載されており、それらの開示内容は本明細書に援用されている。本発明において、ルミネセンス検出器は適切な基板上に被着された、又は(例えば)プラスチックの薄いフィルム間にサンドイッチされた発光性粉末の薄い層から成るが、そのルミネセンス検出器が放射吸収フィルタの下に置かれる。なお、そのフィルタは、高い放射吸収係数の範囲と低い又はゼロの放射吸収係数の範囲を有する空間的に周期的な構造を有する。代替として、2つのフィルタであって、その一方が発光性粉末の一方の側にそして他方が他方の側に配置され、各々が空間的に周期的な吸収特性を有する2つのフィルタを用いてもよい。2つのフィルタ構成は、線量計の向きに無関係に線量計の応答を行わせ、その構成は「前」側又は「後」側を持たないであろう。従って、検出器及びフィルタは、通常、放射暴露を測定するバッジ又は他のデバイスの一部をなし、フィールドに送られる。
【0009】
フィールドからのその戻りの際に、バッジ及びその関連の検出器は、以下のように放射に対する暴露について試験されることが好ましい。発光層が、その発光層の関心のある範囲全体を均一に又はほぼそのように照射するように刺激光のビームの経路に置かれる。刺激光は、所定の周波数でパルス化されることが好ましく、発光層から放出されたルミネセンスは、電荷結合デバイス(CCD)を用いたカメラのような像形成システムにより検出される。光検出は、パルス化されたレーザ刺激間に生じるよう同期化され、カメラにより記録された像は、発光層からのルミネセンス放出のパターンの表示であり、従ってそれは、放射吸収フィルタの構造により規定されるような放射吸収のパターンの表示である。
【0010】
「静的」照射と「動的」照射との区別は、次いでそのように記録された発光像の観察及び/又は解析によりなされる。1つの好適な実施形態において、発光像からの像強度の空間的周波数スペクトル解析が計算され、その結果生じた値が解析される。その結果生じた数値に応じて、像は、正常か異常か−動的か静的かのように分類される。
【0011】
簡単には、「静的」照射と「動的」照射を区別する一方、同時に前述のような他の異常放射暴露を検出する手段を提供する迅速でかつ信頼性のある方法に到達することが本発明の目的である。
【0012】
前述のことは、広い言い方で本明細書に開示される本発明のより重要な特徴を概観したものであり、従って、続く詳細な説明がより明瞭に理解され、当該技術に対する本発明者の寄与がより良く認められ得る。本発明は、その適用が以下の説明で述べられ又は図面に図示された構成の詳細、又は構成要素の構成、又は計算プロセスの特別のステップに制限されない。むしろ、本発明は、他の実施形態が可能であり、そして本明細書で特に列挙しない種々の他の方法で実施されかつ実行されることが可能である。最後に、本明細書において用いられている術語及び専門用語は、説明の目的のためであると理解すべきであり、本明細書が本発明を特に制限しない場合制限とみなすべきでない。
【0013】
好適な実施形態の詳細な説明
本発明を詳細に説明する前に、本発明はその適用において本明細書において説明される構成及びステップの詳細に制限されないことに留意し理解すべきである。本発明は、種々の方法で他の実施形態が可能であり、そして実施又は実行することが可能である。本明細書において用いられている術語及び専門用語は記述の目的のためであり制限のためでないことを理解すべきである。
【0014】
本明細書において教示される本発明は、3つの態様、即ち線量計調製、サンプル像形成、及び続く像形成されたサンプルの解析に関して広く見られ得る。各々が以下に別々に説明されるであろう。
【0015】
線量計調製
図1に図示されるように、好適な線量計200は以下のように構成されている。第1のステップのように、発光性粉末の薄い層20が、適切な基板30の上に被着され、又は適切な上側保持部材30と適切な下側保持部材35との間にサンドイッチされ、そして放射吸収フィルタ10は、発光層20の前方にかつそれに近接して置かれている(図1)。発光性粉末は、3つ以上の化学元素(即ち、それは「多元素」材料である。)から形成され、そして吸収された放射線量潜像のための格納中心として働く「格子欠陥」を有するのが好ましい。好適な実施形態において、固溶体の中に炭素を有する陰イオン欠乏酸化アルミニウムが、三元素(Al,O及びC)発光材料として用いられる。Al23:CからのOSL(光学的に刺激されたルミネセンス)において活性な発光中心は、2つの電子をトラップする酸素空格子点である。固溶体の中に第3の元素(C)を有する結晶性陰イオン欠乏酸化アルミニウムは約1016−1018cm-3の酸素空格子点濃度を有し、それは205nmで1−100cm-1の測定された光学的吸収係数を生じさせる。
【0016】
POSL像形成のため、発光材料は、先に示した関連の特許出願に記載されているように、比較的長寿命で「迅速な」ルミネセンス(即ち、マイクロ秒から数十ミリ秒)を有するべきである。記憶された像は、発光材料を放射フィールドから取り外しそしてそれを記憶された情報の著しい損失なしに測定装置へ運ぶのに少なくとも十分な寿命を有するべきである。発光材料はまた、光学的刺激の波長範囲内で放射誘導された光学的吸収を有するべきである。好適な実施形態においてそして好適な材料を用いて、Al23:Cにおける酸素空格子点中心(F中心と呼ばれる)からのルミネセンスの寿命は、ほぼ35−36msであり、室温でのルミネセンス放出のピークはほぼ420nmである。F中心は、Al23:Cにおいて約1016−1018cm-3の濃度で発生し、約205nmで光学的吸収を示す。広い刺激帯域が、照射されたAl23:Cにおいて約400nmから600nmにわたり存在する。これらのサンプルはまた、いわゆるF+中心を約1015−1017cm-3の濃度で含み、255nm近くに中心付けされた光学的吸収帯域を与える。
【0017】
上記のとおり、他の発光材料は代替形態において確かに用いることができ、そして実際、発光材料の合成方法、発光層20の調製方法、その層の基板への固定又は薄い層30間への固定方法は本発明の部分ではない。本発明は、種々の異なる線量計材料及び検出器設計物200を用いて多くの他の方法で実施することができる。しかしながら、先に説明した線量計200は、本発明での使用に好適なモデルである。
【0018】
好適な実施形態において、本発明のフィルタ要素10はそれを通るあるパターンの穴50を有する。フィルタ10の材料は入射放射40を効率的に吸収する材料であることが好ましく、そのためフィルタ10により覆われていない発光層20の領域が覆われている発光層20より大きな放射暴露を受ける。
【0019】
従って、発光層20の暴露のパターンは、放射フィルタ10用に選定された特定のパターンにより描かれる。より一般的には、フィルタ10は、穴50を含む必要がないが、代わりに高い放射吸収係数の範囲と低い又はゼロの放射吸収係数の範囲とを有してもよい。いずれの場合も、同じ効果が求められる。発光層20のある領域は他の領域より大きな放射暴露を受け、暴露のパターンはフィルタ10により制御される。更に、空間的に周期的な2−Dパターンは、網目線のパターン(例えば、図2(C))、あるいは交互にしたストライプの材料(例えば、図2(A)及び図2(B))を用いることにより生成され得る。
【0020】
あるケースにおいては、2つのフィルタ10を用い、その一方が発光層20の一方の側上に、そして他方が他方の側上に配置されることが可能である。この構成の1つの利点は、そのような「サンドイッチ」内に発光層20を有する線量計200が優先的な向きをもたない(即ち、それは「前面」あるいは「背面」を持たないであろう。)でむしろどのようにそれが入射放射に対して面していたかによらず等しくうまく機能するであろう点である。
【0021】
本発明の1つの重要な局面は、フィルタ10の中の放射透過領域のパターンが既知の空間的周期性があることである。この周期性は、一次元(即ち、「1−D」)か二次元(「2−D」)かのいずれかであり得る。好適な実施形態は2−Dパターンを用いる。図2は、適切なフィルタ・パターンの幾つかの図示的例を含む。各パターンの中の「中実の」範囲は、入射放射に対して相対的に不透過性である。1−Dパターンの幾つかの例は、ストライプのアレイ(図2(A))、又は穴(正方形、長方形又は円形)の一次元アレイを含む。2−D空間的パターンの例は、正方形穴の2−Dアレイ(図2(C)及び図2(E))、長方形又は円形穴の2−Dアレイ(図2(D))を含む。ここに与えられる例は例示のみの目的のためであり、多くの他の空間的構成が確かに可能であることは自明の筈である。更に、用語「穴」は、発光層20の「フィルタリングされた」部分と「フィルタリングされてない」部分との間の放射暴露コントラストを生成するように、フィルタの残部より放射透過性が高い中実の範囲をフィルタの中に含むよう広く解釈されるべきであることに注目すべきである。最後に、用語「空間的に周期的」は、以降において低い放射透過性範囲又は高い放射透過性範囲の任意の1−D又は2−D反復パターンを述べるため用いられる。
【0022】
フィルタ10は、影の形成を最小にする程十分に薄く、しかし効率的な放射吸収を与える程十分に厚くあるべきである。適切なフィルタ材料は、金、真鍮、銅、ステンレス鋼、鉛等のような金属、並びにある種のプラスチック、セラミック及び複合材料を含む。つまり、照射を比較的透過させないよう作られたいずれの材料も潜在的に用い得る。システムの効率的な動作のための他の設計パラメータは、フィルタ10と発光層20の間の距離の最適化を含む。所与のフィルタのための最適距離はフィルタの厚さ及びフィルタの材料に依存し、正確な寸法は試行錯誤により多くは決定される。
【0023】
放射暴露測定
線量計200をフィールドから戻した後、線量計200が暴露された放射の量、性質及び分布を決定するため線量計200はテストされねばならない。図3に概略的に図示されているように、照射されたバッジ又は他の線量計200は、放射暴露の量及び分布を決定するため、好適には、パルス化されかつ光学的に刺激されたルミネセンス(POSL)の放出を誘発するよう設計されている光パルスのストリームにより先に照射された発光層20を刺激することによりテストされる。一般的背景として、POSLは、目標サンプルによる光子放出を刺激するため発光材料の放射誘導された光学的吸収の波長の範囲で一連の短パルスの光を用いる。OSLは、刺激ストリームを備える個々のパルスの間でのみ検出される。この方法における鍵となる変数は刺激パルス幅の選定であり(図4におけるタイミング図を参照)、それは発光材料からの迅速なOSLの寿命より著しく短い筈である。
【0024】
当業者は、刺激光のパワーが刺激中に発光材料を加熱するのを防止するために十分低くあるべきであることが重要であることを認識するであろう。多光子吸収プロセスが発生することにより非放射誘導されたルミネセンス信号を材料から生じさせることを防止するようにパワー及び波長を選択することがまた重要である。これらの関心事から見ると、線量測定(POSL)に対する好適な一般的アプローチは広い動的範囲にわたり高刺激及び検出効率と大きな信号対雑音比を生じるよう設計されているが、このアプローチが、図10に図示され、以下のように要約され得る。
【0025】
(a) 励起されたルミネセンス中心の大きな集団(population)は、強いパルスの刺激光の使用により誘発される(ステップ400)。
【0026】
(b) この集団は、刺激パルスの中止後十分長く励起され続け、ルミネセンス像形成検出器の活性化(即ち、ゲート・オンする)を可能にする。
【0027】
(c) ルミネセンス放出は、刺激パルスと刺激パルスとの間のみで像形成され、そして像形成はこれらのパルス中に起こらない。
【0028】
(d) 連続の刺激事象からの検出されたルミネセンスは、対応する像ピクセル強度を一緒に蓄積する(bin)(例えば、加算する)ことにより積分され(ステップ410)、複合像を形成する。
【0029】
(e) 積分は、検出器のバックグラウンド・ノイズを実質的に越えている複合像を形成するのを可能にする程十分長い時間期間にわたり継続される(ステップ415)。
勿論、好適な実施形態においては、データ収集プロセス全体が完全にコンピュータ制御下にある。
【0030】
ここで好適な像形成システムのハードウエア構成要素に関心を向け、そして図3に図示されているように、線量計200の放射暴露を表す像が、フィルタ要素10を取り除きかつ刺激ビーム60をそのとき十分に暴露された発光層20に対して印加することにより得られる。ビーム60は、発光層20の関心のある範囲全体にわたり均一に、又はほぼそのように拡散されるべきであり、この結果は、好適にはデフォーカス光学機器及び/又はビーム拡大器70を用いて達成される。その結果生じた像の上に放射吸収フィルタ10のパターンが印加されてしまっているのであるが、その生じた像は、以下に記載されるように、その後正規化されかつ解析される。例示として、この像の1つの正規化方法は、像を、同じように発光された発光層であって均一に照射された発光層(例えば、放射吸収フィルタなしに照射された)の像と比較することである。このアプローチは以下により詳細に説明される。
【0031】
図3において、照射光は、パルス発生器100により制御され、532nmの出力を有する周波数逓倍Nd:YAGレーザ90からのビーム60であることが好ましい。用いられる特定のレーザ光周波数は、当業者には周知の要領で発光性粉末の選定と整合される。こうして、実際問題としては、レーザはNd:YAGでなくてもよく、そして波長は発光性粉末の特定の選定に応じて必ずしも532nmである必要はない。
【0032】
照射パルスの全体数はまた、パルス発生器100により制御される。1−10,000nsのパルス持続時間及び1−30,000Hzの繰り返し速度が好ましい。ミラー80及び110を用いて、ビーム60を均一に又はほぼそのように拡大して発光層20の表面をカバーするように該ビーム60をデフォーカス・レンズ及び/又はビーム拡大器70を通るように指向させる。ミラー80及び110はまた、ビーム60をフィルタ120を通りかつ前表面が凹型の球状ミラー140の中心にある穴130を通るように向ける。フィルタ120は、515nmの低域カット・フィルタであることが好ましい。ビーム60は、僅かに軸から外れて、サンプル・ホルダー150上に保持されている発光層上に指向される。そのサンプル・ホルダー150は、サンプル20からのルミネセンスがミラー140から反射されかつ第2のフィルタ・パック160を通ってCCDカメラ180の像増強装置170に戻されるよう配置される。フィルタ・パック160は、許容可能な信号対バックグランド雑音比を与えるよう適切なノッチ、二色性及びガラス・フィルタの組合わせを含む。
【0033】
像増強装置170は、それがレーザ・パルス中にオフに切り替えられ、かつパルスとパルスの間の期間にオンに切り替えられるように、レーザ・ビームの60パルスと同期してゲートされる。像増強装置のゲーティングは、パルス発生器100により制御される。レーザ・パルスに関するゲーティングのタイミングは、図4に概略的に示されている。パルス発生器はレーザ・パルスをトリガし、そのレーザ・パルスはT1の持続時間(ピークの半分の幅)を有する。レーザ・パルスは、時間間隔T2中に発生し、その時間間隔T2中に像増強装置はオフに切り替えられる。適切な遅延後に、像増強装置のゲートは、オンに切り替えられ、そして時間T3の間オンされており、その時間T3中にルミネセンス像を空間的に表すディジタル信号が捕捉される。時間T3後に、それは、再び更に別の期間T2の間オフに切り替えられ、その期間T2中に次のレーザ・パルスが現れる。所望数のディジタル信号が収集されるまで、パルス化することが反復され、信号は、最終的な像信号を与えるため連続的に加算されるのが好ましい。
【0034】
最終的な像を生成するための加算動作は以下のように実行されるのが好ましい。パルスとパルスとの間の期間中(即ち、T3により規定される期間中)に、光検出器、CCDカメラ180上の各ピクセルは、像増強装置170の窓に入射する光の強度のパターンに比例する電荷を蓄積する。こうして、個々のピクセル上の電荷は、発光層20上の特定の位置からの光の強度を表す。各ピクセル上の信号は、複合像をパルスのシークエンスの終りで生成するため、測定期間全体にわたり累積(即ち、加算)されるのが好ましい。測定サイクルの終わりに、各ピクセル上の電荷を表す数値は、接続された又はネットワーク化されたコンピュータにダウンロードされる。データ獲得の動的範囲を拡張するため、幾つかのフレームがコンピュータにダウンロードされてよく、各フレームは一連のパルス全体の積分された結果から成る。こうして、ディジタル像データは、数の二次元アレイの形式であるが、このディジタル像データは、発光層20からのルミネセンス放出のパターンを表し、従って放射吸収のパターンの表示である。次いで、このパターンは、空間的に周期的な放射吸収フィルタと、「静的」又は「動的」放射を含む、放射の正確な条件とにより描かれる。
【0035】
動的照射サンプルの生成
図5に図示されるように、本発明の別の局面に従って、フィールド照射された発光材料の視覚的又は数学的解釈を行うものを支援する装置が提供されている。詳細には、図5の装置は、制御された研究所条件の下でいずれか選定されたフィルタ10を介して発光材料20を動的に照射するのを可能にする。これらの動的に照射された線量計300の中の発光材料20から得られた像は、その特定の線量計300が動的に照射されたか否かを決定するのを補助するためフィールド・サンプル像と比較することができる「既知の」暴露パターンを表す。この装置は、照射源310、好ましくはX線源、回転型サンプル・ステージ320及び線量計300から成る。適用において、動的に照射されたサンプルは、回転型サンプル・ステージ320を照射源310に対して特定の角度で設定し、次いで線量計300を第1の時間期間照射することにより生成されるのが好ましい。次いで、回転型サンプル・ステージ320は、入射X線が線量計300上に異なる角度で落ちかつ線量計300が再び照射されるように調整される。線量計300が種々の異なる角度から照射される場合その結果生じる発光像はその種類の動的照射の合成された表示であることは当業者には明らかな筈である。勿論、フィルタ10及び発光材料20の異なる組合わせは、フィールド・サンプルを評価するのに有効であり得る特定のフィルタ10に対する既知の応答のライブラリを作るように、この装置を用いてテストし得る。更に、好適な実施形態において、照射中に回転型サンプル・ステージ320の向きを調整することにより、真の動的照射を生成することも可能である。
【0036】
図5の装置の使用の例として、正方形の穴の周期的アレイが照射中に穴のラインの1つに平行な軸に沿って回転される場合、その正方形の穴の周期的アレイは、穴が相互に併合するように見える像を生成し、それにより回転軸に垂直な線に沿ってストライプを生成することを注目されたい。そのような像パターンは、サンプルが暴露中に回転したことを明瞭に現すであろうし、そしてそれはまた回転軸を現す。一層複雑な動き(例えば、多重軸に沿った単純な回転)は、元の変調パターンが全体的にあいまいにされ得るスミアにされた像を生成するであろう。この装置の使用の追加の例が以下に与えられるであろう。
【0037】
像解析
本発明の好適な実施形態に従い、そして図10に図示されるように、POSLから生じるディジタル像の解析方法、又は放射フィールドを像形成するいずれの他の方法が提供され、それらの方法は、静的放射暴露と動的放射暴露とを区別し得る2−Dディジタル像を生成する。第1のステップとして、サンプルが各時点の放射暴露に比例する強度でもってその各時点で光を放出するようにサンプルが刺激される(ステップ400)。これを行う好適な方法は、前述したようにPOSLを介してである。しかしながら、サンプルの放射暴露を表す光−可視光、紫外線光又は赤外線光−を放出させる放射フィールド像形成のいずれの他の方法が同様に使えるであろう。
【0038】
本発明の解析段において、像形成検出器により捕捉されたディジタル像は、コンピュータ上の表示のためダウンロードされるのが好ましく(ステップ418及び420)、そして「動的」、「静的」、又はある他の異常暴露条件として解釈される。像は、線量計200の放射暴露の証拠と一緒に、用いられた特定の放射吸収フィルタ10の、像の中に印加された周期的パターンを含むので、好適な解析方法は、捕捉された像の変調パターンを検査し、そしてそれを、静的照射条件の下で同じフィルタにより得られた像の変調パターンと比較する方法である。代替として、ディジタル像は、その暴露特性を評価するため直接確実に検査されることができ(ステップ460)、−そして、これは実際になされることができ、そしてなされるべきであり、−しかしながら、これらの種類のサンプルから得られた像の複雑さがあって、より体系的なアプローチが可能となる。
【0039】
本発明のこの局面は、特定の像が静的対動的照射により生成された相対的可能性を決定する自動化されかつ客観的方法を提供する。好適な像処理ステップは、記憶された像から計算された2−D離散フーリエ変換(DFT)を動作させて、「形状パラメータ」に到達し、その「形状パラメータ」の値は、静的照射の可能性の客観的評価を与える。好適な実施形態において、高速フーリエ変換(FFT)が、像処理ステップにおいてその計算効率が良いゆえに用いられる。しかしながら、当業者は、FFTがDFTを計算するほんの1つの方法であることを理解するであろう。
【0040】
一般的数学的背景として、f(x,y)はxy平面における元の像強度を表す連続関数である場合、この関数の二次元(2−D)フーリエ変換は次の通りに書けることは周知である。
【0041】
【数3】
Figure 0004036614
【0042】
ここで、「j」は虚数であり、u及びvはx及びy方向における空間周波数であり、u及びv軸はx及びy軸のそれぞれに対応する。代わりに、像強度関数fが整数格子上に定義された離散関数f(n,m)である場合、2−D離散フーリエ関数(DFT)は代わりに次の標準二重加算を通して計算され得る。
【0043】
【数4】
Figure 0004036614
【0044】
ここで、N×Mは空間像の分解能である(ステップ440)。
DFTは、空間座標x及びyに対応する、2方向における空間周波数の分布を表す二次元アレイの複素数である。通常の表示において、(そして本明細書において用いられるように、)低周波数成分は2−Dプロットの中心近くに表示され、そして高周波数成分は縁部に分布される。DFTの低周波数成分は、POSLを発生された(又は他を発生された)主像に見られる緩慢な変化を表す傾向があり、一方高周波数成分は、通常ピクセル・ノイズ、鋭いコントラスト特徴等の結果である。
【0045】
こうして、像をDFTとして表されると、像の周波数特性は、望ましくないそれらの周波数を排除又は減衰することにより容易に変えられることができる。例えば、ランダム像ノイズは一般的に広い帯域幅を有し、その大部分をDFTからフィルタリングすることができる。元のデータ・セットの中のスパイクは、高周波数の特徴であり、そしてまた通常容易に排除することができる。他方、選定されたフィルタにより生じた変調パターンは、フィルタ・パラメータの適切な選定により維持されることができかつそうされるべき低周波数の特徴である。
【0046】
好適な次のステップとして、フーリエ変換されたディジタル・データが、次いで適切な表示ソフトウエアを用いてコンピュータ・スクリーン上に表示される(ステップ460)。データの解釈は、以降に説明されるように、選択された像処理技術を採用することにより支援される。しかしながら、基本的アプローチは、得られた像を、制御された条件下で記録された類似の像と比較することである。制御像とテスト像との差は、テスト像に対する照射の条件を現わす。
【0047】
変換された像を調べた後、周波数領域フィルタが指定される(ステップ470)。そのような全てのフィルタと同様に、1つの目的は、周波数領域におけるノイズを誘発されたフーリエ変換成分を排除又は減衰し、そして次いでフーリエ逆変換を計算して、ノイズが減衰された像を調べることである(ステップ490及び500)。その変換を調べることは、カスタムの2−D周波数フーリエを、この線量計200に対する特定の観察された空間周波数分布と整合するよう設計するのを可能にする。しかしながら、周波数フィルタを適用する前に像を調べることは本質的なステップではない。当業者には周知のように、標準周波数領域フィルタは、特定の線量計フィルタ10のパターンと使用のため開発され得て、そしてこれは殆ど確実に実際になされるであろう。
【0048】
こうして、周波数領域フィルタリングの後のフーリエ逆変換による像の再構成は、ノイズが低減された−しかしより拡散した−像を理想的に生成するであろう。周波数領域でフィルタリングされた像の逆DFTは、次の標準公式を介して得られる。
【0049】
【数5】
Figure 0004036614
【0050】
ここで、g(n,m)はフィルタリングされた像であり、W(nl,ml)は選定された特定の空間フィルタを実行する重み関数である(ステップ490)。即ち、ハードな(又は「0−1の」)フィルタリングのため、W(nl,ml)は、その特定の空間周波数成分が「維持される」べきである場合1に等しく、そしてその周波数成分が排除されるべき場合「ゼロ」と等しい。より一般的に、そして当業者には周知のように、W(nl,ml)は、いずれの実数値を取り得て、−しかし、0と1を含めたその間の値に制限されるのが好ましく、−そして、フィルタリングされた像の質を改善するため、空間に依存したテーパ又は他の信号処理装置を含み得る。
【0051】
高周波数切り捨ての背後にある一般的で根本的理由は、そのような周波数領域演算は望ましくないランダム像ノイズを減衰しがちであることであり、一方低周波数切り捨ては、バックグラウンドのゼロに近い周波数(即ち、「DC」)成分と、像の中のゆっくり変化する空間不均一性により生じ得る他の周波数成分とを取り除く。これらの不均一性は、例えば、照射、放射フィールド及び検出器感度における不均一性により生じ得る。周波数領域フィルタが適用された後、DFTスペクトルの残りの成分は、通常、放射吸収フィルタの周期性及び照射の条件(即ち、静的又は動的)についての所望の情報を含む。
【0052】
好適な実施形態において、しかしながら、フィルタリングされたスペクトル値を逆転させるよりむしろ、潜在的に静的な線量計又はさもなければ不規則に照射された線量計を識別するため用いられることができる数値が、それらから計算される。従って、実際に、そのように識別される線量計は、典型的には、直接の視覚検査のため「フラグ」される。視覚検査は、例えば、通常でない照射のしるしについて、フィルタリングされかつ再構成された像、又は元の像、あるいはこれら双方を検査することを含み得る。
【0053】
この数値は以下の通り定義される。ξを、切り捨てられた周波数分布の幅を広く表す形状パラメータとする。パラメータξは、正規化されたパラメータであり、次のように定義される。
【0054】
【数6】
Figure 0004036614
【0055】
ここで、Max(・)は指示された範囲における最大値を表し、|x|は引数の複素数の大きさを表す(ステップ510)。このように定義すると、ξは、像の空間周波数分布の一般的尺度である。当業者は、実際に採用され得る先の公式の多くの変形が存在することを認めるであろう。例えば、先の式をスペクトル値の最大値により正規化するよりむしろ、平均値、メジアン、平均、又は重み付けされた又は重み付けされないスペクトル値から計算されたいずれの他の統計値を代わりに用い得る。更に、分母は、重み付けされないスペクトル値の全部の和、重み付けされないスペクトル値の和の二乗、又は重み付けされた又は重み付けされないスペクトル値のいずれの他の数学的関数と置換され得る。別の特別の例として、分母は、高周波数のDFTの大きさの平均値であってよい。最後に、分母は像スペクトル値から計算されるのが好ましいが、代わりにその計算における「標準」像からの数値を用いることも可能である。これらのいずれのアプローチも、適切なセッティングにおいて有効であることを証明し得る。
【0056】
任意の前処理ステップとして、元の像は、それらからDFTを計算する前に正規化され得る(ステップ435)。特に、「平坦フィールド(flat−field)」訂正像(ステップ425)は、線量計200をフィルタ10なしで照射し、次いでこの一様に照射されたサンプルから後続のパルス化されたOSL放射「像」を記録することにより、線量計200に用いられている種類の発光層20から得られる。実際に、異なる発光層20からのこの種類の多重像は、平均化され、又は加算され、さもなければ組み合わされて、複合の平坦フィールド像を生成する。次いで、この像における強度値は、−ピクセル毎に−線量計発光層20から得られた像(即ち、「目標」像)の中に分割されるのが好ましい。この平坦フィールド像は、一種の実験的「制御」として作用し、数値計算を安定化させる。当業者は、2つの像のピクセル毎の分割は平坦フィールドが発光層20を訂正し又は安定化するため用いられるほんの1つの方法であり、他の構成が確実にあり得て本発明者により企図されたことを知る。例えば、平坦フィールド・ピクセル値から計算されたいずれの単一の統計値は、目標像値に加算され、それから減算され、それに乗算され、又はそれへ分割され得る。更に、差の像(例えば、ピクセル毎の平坦フィールド像から目標像を減算したもの)、積の像等もまた、可能であり、潜在的に有効である。以下の記載において、目標像は、平坦フィールド像により正規化がなされる。単語「正規化され」は、広範囲の数学的操作を含むと理解されるべきである。
【0057】
要約として、本発明に用いられる像処理アルゴリズムにおける好適なステップは、以下のステップを含む(図10)。
【0058】
・ 元の像を二次元及び三次元視野の双方で表示する(ステップ420及び430)。
【0059】
・ 像のDFTを計算し、それにより像における空間周波数を表すフーリエ変換係数を得て、そしてフーリエ変換係数の複素数の大きさを取ることにより周波数スペクトルを得る(ステップ440)。
【0060】
・ DFT像をフィルタリング又は切り捨てを行い、高周波数ノイズを排除する(ステップ480)。
【0061】
・ フィルタリングされた周波数スペクトルの逆FDTを計算して、視覚解析のための(フィルタリングされた)POSL像を再構成する(ステップ490及び500)。
【0062】
・ 形状パラメータξを評価することにより、フィルタリングされた又はフィルタリングされないDFT周波数スペクトルの中の値を数値解析し、そしてそのパラメータを用いて、像が静的か動的であるかの特性を決定する(ステップ510又は520)。
更に、DFTからξを計算するのに含まれるステップは、次の通りであることが好ましい。
【0063】
・ 発光層の前に放射吸収フィルタなしで発光層を照射することにより「平坦フィールド」訂正像を得て、そしてこの均一に照射されたサンプルから後続のパルス化されたOSL放射「像」を記録する。これは「平坦フィールド」像である。(実際には、幾つかの類似の像の平均が取られてもよい。)(ステップ425及び435)。
【0064】
・ 関心のあるパルス化されたOSL放射像(即ち、発光層の前に放射吸収フィルタを有する放射に対して暴露された発光層からの像)を通常の要領で記録する(ステップ400−415)。
【0065】
・ 放射像を平坦フィールド像で除算して、正規化された像を生成する(ステップ435)。
【0066】
・ 正規化された像のDFTを計算する(ステップ440)。
・ DFT変換係数の大きさを計算し、それにより空間パワー・スペクトルを形成する(ステップ450)。所望の場合、その結果生じたスペクトルを表示する(ステップ460)。
【0067】
・ 高周波数ノイズ成分を減衰させることによりパワー・スペクトルを周波数フィルタリングする(ステップ470及び480)。
【0068】
・ 低周波数ノイズ成分を減衰させることによりパワー・スペクトルを周波数フィルタリングする(ステップ470及び480)。
【0069】
・ フィルタリングされたパワー・スペクトルにおける大きさを加算する(ステップ510)。
【0070】
・ スペクトルにおける大きさの最大値で計算された和を除算して、ξを得る(ステップ510)。
【0071】
以下の記載は、本発明が実際に異常暴露を検出するために使用される仕方を説明する幾つかの実験的結果を含む。技術の柔軟性及び放射線量測定での使用に対するその潜在性もまた更に説明される。
【0072】
例示的実験
以下に記載される例示的実験は、前述の手順を説明することを意味し、実際に採用される実験的手順の定義的記述と解釈すべきでない。
【0073】
固溶体の中に炭素を有する陰イオン欠乏酸化アルミニウムが、三元素(Al、O及びC)発光材料20として選定された。サンプルは、上側と下側のプラスチック保持部材の間に被着されたAl23:C単結晶粉末の15−63μm粒状物から構成された。発光材料の被着方法及びプラスチック保持部材に使用される材料を含む、サンプルの調製の正確な方法は、これを行う方法が当業者には周知であるので、ここでは説明しない。必要とされる全てのことは、適切な発光層が読出し可能でかつ解釈可能な像を確立するため存在することである。
【0074】
これらの実験に用いられた刺激源は、第2次高調波において動作し532nmでの出力を有するNd:YAGレーザであった。実験のため選定されたパラメータは、4000Hzのパルス繰り返し周波数、及び30秒の合計刺激持続時間(即ち、120,000刺激パルス)であった。レーザ・パルス幅は300nsであり、1パルス当たりの平均エネルギは1mJを越えなかった。POSL測定中使用のレーザ・パワーの選定に関する種々の考慮は、先に引用した同時係属米国特許出願08/879,385に扱われている。CCDカメラ180上の像増強装置は、レーザ・パルスの開始前に始まる合計25μsの間ゲート・オフされた。像増強装置170の光電陰極は−12℃の温度に冷却され、CCDアレイは測定中−45℃の温度に冷却された。この構成を用いて、照射されないサンプルからのバックグラウンド・ノイズは、最小に保たれた。
【0075】
実験I
上側と下側のプラスチック保持部材の間に被着されたAl23:C粉末の薄い層は、二次元アレイの円形穴から成る銅放射フィルタを介して種々の線量で種々のエネルギのX線に対して暴露された。
【0076】
(1) サンプルが放射フィールドに垂直に保持された「静的」放射及び合計線量が、サンプルを動かすことなく一時に放出された。
【0077】
(2) 構成(1)におけるのと同じ合計線量に対して、サンプルが8セグメントで照射された「1方向の動的」照射。各セグメント中、サンプルは、放射フィールドに対して固定の角度で保持されるが、しかし照射セグメント間で放射フィールドに垂直な軸の回りを回転された。合計で、8つの異なる角度が選定された(10°離間で)。
【0078】
(3) 構成(1)におけるのと同じ合計線量に対して、サンプルが8セグメントで照射された「2方向の動的」照射。各セグメント中、サンプルは、放射フィールドに対して固定の角度で保持されるが、しかし、各々が放射フィールドに垂直である2つの直交軸の回りを回転された。4つの照射セグメント(20°離間で)は、これらの軸の1つのまわりの回転のためであり、そして残りの4つ(これも20°離間で)は、他の軸の回りの回転のためであった。合計8つの異なる角度において、2つの軸の回りの各々4つが選定された。
【0079】
前述したように、照射装置が、図5に概略示され、X線源310、回転型サンプル・ステージ320及び線量計300から成る。こうして、放射の入射方向に対してサンプルの向きを、必要ならば、照射中に変えることができる。
【0080】
照射後に、フィルタ10はサンプル300から取り外され、そして発光材料20は、テストを行うためのPOSL刺激装置に運ばれる。照射されたサンプルの刺激の際に、前述の条件、及び図3及び図5に図示されている装置及びタイミング・スキームを用いて、サンプルから放出されたルミネセンスのパターンの像は、増強されたCCDカメラ180により検出され、そしてそのディジタル出力はコンピュータ・ファイルとして記憶される。出力ファイルは、8ビット、16ビット、又はいずれの他の適切なフォーマットであってよい。
【0081】
通常のコンピュータ像表示ソフトウエアを用いて、ルミネセンス放出パターンの像が生成された。そのような像の例が、図6(A)に30keVのX線及び500mRの線量に対して示されている。図6(B)は、同じ像を3−D投影として示す。この図におけるサンプルは、静的構成において照射された。
【0082】
次のステップは、−先に導入した公式を用いて、−像のDFT−そしてその関連のパワー・スペクトルを計算することである。図6(A)の像の周波数スペクトルが、図7(A)及び(B)に図示されている。当業者には周知のように、像データのフーリエ変換から結果として得られた係数は、各空間周波数のデータにおけるパワーを表す。元の像の中の大部分の情報は、これらの2つの視野の中で図の中心でのコンベンション(convention)により位置を定められた低空間周波数領域に集中されることに注目されたい。
【0083】
高周波数成分(それはピクセル・ノイズ等に起因し得る。)は、その時点で、DFTをフィルタリング又は切り捨てることにより排除されることができる。好適な実施形態において、その程度は、0%と100%の間で変化するパラメータを選択することにより制御される。ここで、100%の値は、フィルタリングが起こらないことを意味し、0%の値は、DFT全体がゼロに等しくセットされたことを示す。中間値は、解析において保持された空間周波数の割合を表す。DFTの中心/DC成分の除去のような追加のフィルタリングは、それが所望される場合、この時点で適用されることができる。
【0084】
逆DFTがここで実行され、そしてフィルタリングされた元の像がそれにより再構成される(図8(A)及び図8(B))。この像は視覚的検査に利用できる。
【0085】
形状パラメータξが、異なる線量、異なるエネルギ及び静的対動的条件を含む、照射の異なる条件の下で得られた像に対して評価された。一般に、ξの最低値は、「静的」照射のケースでもって得られ、そして最高値は、「2方向の動的」照射ケースでもって得られる。サンプルが1つの軸のみの回りを回転された「1方向の動的」ケースは、ξに対して中間値を生成した。静的及び2方向の動的構成の下で得られた像から計算されたξ値の概要が、図9に、60keVのX線に対してX線線量(単位:mR)の関数として示されている。
【0086】
解析は、形状パラメータξの値が線量及び放射エネルギに依存し、かつ選定された放射フィルタ・パターンの詳細(穴直径、間隔、形状等)に依存することを示した。しかしながら、これらの解析は、ξが図9に示される順序付けを依然保っていること、即ちξのより低い値が動的照射ケースと比較して静的照射ケースに対して得られることを示すことを注目することは重要である。概して言えば、静的及び動的照射を分離するξに対する一価のカットオフ値を与えることができないが、しかしむしろ「弁別関数」が、考慮中の特定のフィルタのタイプ、放射エネルギ、線量及び光学的システムに対して決定されることが必要であろう。
【0087】
実験は、静的対動的照射から生じるξの値を区別するため用いられることができる1つの好適な弁別関数を提案した。その関数は、次の一般形式を取る。
【0088】
【数7】
ξdiscr=ADB
ここで、A及びBは、用いられる光学的システムの詳細(大きさ等を含む)に依存する定数である。線量Dでのξ>ξdiscrの値は動的放射を示し、一方線量Dでのξ<ξdiscrの値は静的放射を示す。先の式及び関連の不等式は、−エネルギに無関係で−制限エネルギElまで真である。Elの特定の値は、フィルタ材料及びフィルタの厚さに依存し、より重い材料(例えば、銅の代わりの鉛)及びより厚いフィルタは、Elをより高い値のエネルギへ増大させる。ここに示す例(1mm厚の銅)に対してEl≒150keVである。
【0089】
前述の実験、及び外のところでの多くの一般的説明は、発光材料20から放射暴露に依存する像を生成する手段としてPOSLを使用することについての言及を含むにも拘わらず、この言葉は、像が静的又は動的暴露の結果であるかを決定する方法をそのように制限するいずれの意図よりはむしろ、特異性のみの目的のため選定された。詳細には、POSL、連続的刺激及び熱ルミネセンス等は、全て、本方法によりその後解析される像(そして、任意には平坦フィールド像)を生成するため用いられ得る。本明細書において開示される方法の本質的特徴は、それらの方法が先に照射されたサンプルの発光像について動作し、そこにおいて各時点で放出された光の量はその時点での放射線量を表すことである。
【0090】
最後に、本発明は、像処理の実施形態の一部としてDFTを用いるように記載されているが、当業者は、フーリエ変換は用い得る多くの空間変換のほんの1つであることを認めるであろう。特に、フーリエ正弦及び余弦変換、ハートレイ(Hartley)変換、ウオルシュ(Walsh)変換及び種々の小波変換(Wavelet transforms)は、代わりに用いることができる多くの変換の一部である。従って、頭書の特許請求の範囲において、「DFT」は、離散フーリエ変換だけより多くを表すよう取り上げられであろうし、それは、変換係数を生成するいずれの正規直交ベースの変換を一般的に表すよう用いられるであろう。
【0091】
本発明の装置が添付の図面と関係してある一定の好適な実施形態を参照して本明細書に記載されそして説明されたが、本明細書で示され又は提案された実施形態から離れた種々の変更及び更に修正が、本発明の概念の精神から離れることなく、当業者によりなされ得る。本発明の概念の範囲は、頭書の特許請求の範囲により決定されるべきである。
【0092】
参考文献
以下にリストされた文書は特に本特許出願に援用されている。
1. G.W.Luckey、「高エネルギ放射のパターンに対応する像を生成する装置及び方法」、米国特許3,859,527、1975年1月7日
2. M.Ikedo、Y.Yasuno及びT.Yamashita、「放射像の記憶及び表示装置」、米国特許3,975,637、1976年8月17日
3. N.Kotera、S.Eguchi、J.Miyahara、S.Matsumoto及びH.Kato、「刺激蛍光体に記録された放射像を読出す方法及び装置」、米国特許4,258,264、1981年3月24日
4. H.Kato、M.Ishida及びS.Matsumoto、「放射像を処理する方法及び装置」、米国特許4,315,318、1982年2月9日
5. J.Gasiot、P.F.Braunlich及びJ−P.Fillard、「リアルタイム放射像形成方法及び装置」、米国特許4,517,463、1985年5月14日
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、空間的に周期的な放射吸収フィルタを有する組み立てられた線量計の照射を図示する。
【図2】 図2は、空間的に周期的なフィルタ・パターンの幾つかの例、(A)ストライプ、(B)直交ストライプ、(C)網目線方形穴、(D)2−Dアレイの円形穴、(E)2−Dアレイの方形穴を含む。
【図3】 図3は、像読出しシステムの原理的構成要素を図示する概略図である。
【図4】 図4は、同期化をデータ獲得中に用いる仕方を図示するタイミング図を含む。
【図5】 図5は、入射放射フィールドに関して所定の角度でサンプルを照射する回転ステージを示す照射装置を図示する。
【図6】 図6(A)は、2−Dアレイの円形穴から成る1mm銅フィルタを用いて30keVのX線照射されたサンプル(500mRの暴露で)についてのルミネセンス強度像を図示し、図6(B)は、同じ像の3−D投影を図示する。
【図7】 図7(A)は、図6(A)に示された像のFFT振幅スペクトルを示し、図7(B)は、10%で丸めた後のFFTスペクトルの3−D投影を含む。
【図8】 図8(A)は、図7に示された振幅スペクトルの逆DFTであってフィルタリングされた元の像を再構成する逆DFTを示し、図8(B)は、その同じ像の3−D投影を含む。
【図9】 図9は、60keVのX線を有する静的照射及び2方向の動的照射の下での種々の線量についてのξの値を示す。
【図10】 図10は、本発明の1つの好適な実施形態における原理的ステップを図示するフローチャートを含む。

Claims (25)

  1. 発光性放射検出器の静的暴露と動的暴露とを客観的に区別する方法であって、前記発光性放射検出器が発光材料の少なくとも1つの層から成り、前記発光材料が放射被着のパターンを記憶することができる、方法において、
    (a) 放射を前記発光性放射検出器上に吸収フィルタを介して入射させて、放射被着の空間的周期パターンを前記発光材料内に得るステップであって、
    (a1) 前記吸収フィルタは、高い放射吸収領域と低い放射吸収領域とを有し、
    (a2) 前記高い放射吸収領域と低い放射吸収領域は一緒で空間的周期パターンを形成する、
    前記生成するステップと、
    (b) 前記発光材料からの少なくとも1つのルミネセンス放出を誘発するステップであって、前記少なくとも1つのルミネセンス放出が前記放射被着の空間的周期パターンを表す、前記誘発するステップと、
    (c) 前記少なくとも1つのルミネセンス放出のうちの少なくとも1つの空間的分布を数値解析して、放射暴露が静的であったか又は動的であったかを客観的に評価するステップと
    を備える方法。
  2. ステップ(c)が、
    (c1) 前記少なくとも1つのルミネセンス放出の選択されたルミネセンス放出の2−Dディジタル表示を形成するステップと、
    (c2) 前記選択されたルミネセンス放出の前記2−Dディジタル表示を数値的に処理して、空間線量分布の推定を決定するステップと
    を含む請求項1記載の方法。
  3. 前記吸収フィルタが、銅、真鍮、鉛、ステンレス鋼、金属、セラミック、プラスチックから成るグループから選択された材料から成る請求項1記載の方法。
  4. ステップ(b)が、
    (b1) 所定の時間期間前記発光材料の少なくとも一部にレーザ光により照射するステップであって、前記レーザ光は所定の波長及び所定のパワーレベルで動作することによりそのように照射された前記発光材料の前記少なくとも一部にルミネセンス放出を誘発する、前記照射するステップと、
    (b2) ステップ(b1)を所定回数所定の照射繰り返し速度で実行することにより少なくとも1つのルミネセンス放出を誘発するステップと
    を含む請求項1記載の方法。
  5. 前記発光材料があるルミネセンス寿命を有し、
    照射の前記所定の時間期間が前記ルミネセンス寿命より短い
    請求項4記載の方法。
  6. 前記レーザ光が、約532nmの第2高調波発生を有するNd:YAGレーザから得られ、
    照射の前記所定の時間期間が1nsと約10,000nsとの間であり、
    前記所定の照射繰り返し速度が1Hzと約30,000Hzとの間である
    請求項4記載の方法。
  7. ステップ(c)が、
    (c1) 前記少なくとも1つのルミネセンス放出の少なくとも1つのルミネセンス放出の2−Dディジタル表示を形成するステップと、
    (c2) そのように形成されたいずれの2−Dディジタル表示から複合像を計算するステップと、
    (c3) 前記複合像を数値解析して、空間線量分布の推定を決定するステップと
    を含む請求項4記載の方法。
  8. ステップ(c3)が、
    (i) 前記複合像の離散2−Dフーリエ変換を計算することにより2−Dフーリエ変換された像を形成するステップと、
    (ii) 周波数領域フィルタを定義するステップと、
    (iii) 前記周波数領域フィルタを前記2−Dフーリエ変換された像に適用することにより、フィルタリングされた2−Dフーリエ変換された像を生成するステップと、
    (iv) 前記フィルタリングされた2−Dフーリエ変換された像から、前記空間線量分布を表す形状パラメータを計算するステップと
    を含む請求項7記載の方法。
  9. ステップ(iv)が、次の公式に従って前記形状パラメータを計算するステップを含み、
    Figure 0004036614
    ここで、ξは前記形状パラメータであり、N及びMは前記2−Dフーリエ変換された像の水平寸法であり、Max(・)は指示された範囲における関数の最大を表し、|x|は引数の複素数の大きさを表し、F(nl,ml)は前記2−Dフーリエ変換された像であり、W(nl,ml)は前記の定義された周波数領域フィルタである
    請求項8記載の方法。
  10. ステップ(i)が、
    (1) 制御発光層を照射するステップと、
    (2) 少なくとも1つの制御ルミネセンス放出を前記照射された制御発光層から誘発するステップと、
    (3) 前記少なくとも1つの制御ルミネセンス放出のうちの少なくとも1つのものを表すディジタル表示を得ることにより平坦フィールド像を生成するステップと、
    (4) 前記複合像を前記平坦フィールド像により正規化することにより、正規化された複合像を得るステップと、
    (5) 2−Dフーリエ変換を前記正規化された複合像から計算することにより、2−Dフーリエ変換された像を生成するステップと
    を含む請求項8記載の方法。
  11. 前記発光性放射検出器を吸収フィルタを介して照射する前記のステップが、
    (a1) 前記発光性放射検出器を吸収フィルタを介して特定の線量レベルに到達するまで照射する更なるステップを備える
    請求項8記載の方法。
  12. (v) 前記空間線量分布が静的照射パターンと動的照射パターンのうちのいずれをより特性的に示すかを決定するため、前記計算された形状パラメータを所定値と比較するステップであって、前記所定値は次の式に従って決定され、
    ξdiscr=ADB
    ここで、ξdiscrは前記所定値であり、A及びBは定数であり、Dは前記特定の線量レベルを表す数値である、前記比較するステップを備える請求項11記載の方法。
  13. 前記発光材料は、
    3つ以上の化学元素を含み、
    複数の格子欠陥を有することにより前記の吸収される放射線量像が蓄えられ得て、かつ
    光学的刺激範囲内に放射誘導された吸収を有する
    請求項1記載の方法。
  14. 前記発光材料は、
    炭素を含む結晶性陰イオン欠乏酸化アルミニウムであり、
    約205nmで光学的吸収を示す約1016−1018cm-3のF中心濃度を有し、
    約255nmで光学的吸収を示す約1015−1017cm-3のF+中心濃度を有し、かつ
    約35msのルミネセンス寿命を有する
    請求項13記載の方法。
  15. 静的暴露と動的暴露とを区別することができる放射暴露検出用発光性検出器において、
    (a) 発光材料と、
    (b) 前記発光材料に近接し、かつ照射源と前記発光材料との間に位置される放射フィルタであって、静的暴露と動的暴露とを客観的に区別するため放射被着の空間的周期パターンを前記発光材料に誘発し得るように低放射吸収係数領域の空間的周期パターンを含む前記放射フィルタと、
    (c)前記の誘発された空間的周期パターンを数値解析して、放射暴露が静的であったか又は動的であったかを客観的に評価する手段と
    を備える発光性検出器。
  16. (c) 上側保持部材と、
    (d) 下側保持部材と、を更に備え、
    前記発光材料が、前記上側保持部材と前記下側保持部材との間に配置されている
    請求項15記載の発光性検出器。
  17. (c) 前記発光材料が前記基板上に被着されている請求項15記載の発光性検出器。
  18. 低放射吸収係数の前記領域が、前記放射フィルタを通る開孔である請求項15記載の発光性検出器。
  19. 低放射吸収係数の前記領域が円形形状の領域である請求項15記載の発光性検出器。
  20. 低放射吸収係数の前記領域が正方形形状の領域である請求項15記載の発光性検出器。
  21. 低放射吸収係数領域の空間的周期パターンが一次元周期的である請求項15記載の発光性検出器。
  22. 低放射吸収係数領域の空間的周期パターンが二次元周期的である請求項15記載の発光性検出器。
  23. 前記フィルタが、銅、真鍮、鉛、金、ステンレス鋼、金属、セラミック及びプラスチックから成るグループから選択された材料から成る請求項15記載の発光性検出器。
  24. 前記発光性検出器が線量計である請求項15記載の発光性検出器。
  25. 放射線量計の静的暴露と動的暴露とを客観的に区別するシステムであって、
    (a) 光学的刺激源と、
    (b) 照射された発光性検出器と、を備え、
    前記発光性検出器は、空間的に周期的な吸収フィルタを介して照射され、
    前記発光性検出器は、前記光学的刺激源に暴露されたとき発光し、それにより放射フィールドを表す空間的に分布された発光信号を生成し、
    (c) 暴露が静的であったか又は動的であったかを客観的に評価するため前記発光信号の前記の感知された空間分布を数値解析する光検出器を更に備える、システム。
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