JP4042640B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和機による空調暖房と床暖房を併用可能な空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のヒートポンプ床暖房空調装置は、低温低圧のガス冷媒を吸入して圧縮し高温高圧のガス冷媒を吐出する圧縮機、四方弁、室内熱交換器、前記室内熱交換器と並列に接続された床暖房用の温水熱交換器、絞り装置、室外熱交換器を配管で接続した冷凍サイクルと、床暖房の2次側熱媒体を循環するためのポンプ、前記温水熱交換器、床暖房パネルを配管で接続したものがある。
【0003】
この従来のヒートポンプ床暖房空調装置は、圧縮機の吐出側に一端が接続された四方弁を介して室外熱交換器が接続される。この室外熱交換器の他端に一端が絞り装置を介して接続された室内熱交換器の他端が四方弁へ接続されるとともに、前記室外熱交換器の他端に一端が絞り装置を介して接続された温水熱交換器である床暖房用熱交換器が前記室内熱交換器と並列に四方弁へ接続される。一方、床暖房パネルの一端は床暖房用熱交換器に接続され、他端はポンプを介して前記床暖房用熱交換器に接続され2次側熱媒体である温水を循環する構成となっている。
【0004】
以上のように構成された従来のヒートポンプ床暖房空調装置において、例えば床暖房+空調暖房運転の場合について動作を説明する。圧縮機より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁を通った後室内熱交換器に接続される配管と床暖房用熱交換器に接続される配管に分岐される。室内熱交換器に分岐したガス冷媒の一部は室内空気と熱交換することにより、気液二相冷媒または液冷媒に凝縮し、室内熱交換器を流出する。また、床暖房用熱交換器に分岐した残りのガス冷媒は2次側熱媒体と熱交換することにより、気液二相冷媒または液冷媒に凝縮し、床暖房用熱交換器を流出する。室内熱交換器を流出した冷媒は絞り装置により減圧され、床暖房用熱交換器を流出した冷媒は絞り装置により減圧されたのち合流し、室外熱交換器に流入する。ここで外気と熱交換することにより冷媒は蒸発し、乾き度の高い二相冷媒またはガス冷媒となって流出し、四方弁を通って圧縮機に吸入される。
【0005】
また、ここで用いる2次側熱媒体であるブラインの送水温度と床暖房パネル表面の温度の関係では、一般的に快適と考えられている床暖房パネル表面温度は28℃〜30℃と言われており、これより必要なブライン送水温度は少なくとも40℃以上が必要と言える。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−46417号公報(第3−4頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のヒートポンプ床暖房空調装置は、室内熱交換器と床暖房用熱交換器が並列接続された冷媒回路となっている。床暖房用熱交換器は40℃以上の2次側熱媒体温度を確保するために、常に比較的高めの冷媒温度を必要とするのに対し、室内熱交換器は暖房負荷に応じて必要な冷媒温度は変化し、また伝熱面積が広く伝熱性能の良い室内熱交換器では冷媒温度は床暖房用熱交換器で必要な冷媒温度よりも低い温度で十分である。しかし、従来のヒートポンプ床暖房空調装置では室内熱交換器と床暖房用熱交換器は並列に配管接続されているため、圧縮機から吐出した同じ温度の吐出ガス冷媒が流入する構造となっており、床暖房能力に合わせて圧縮機回転数を調整すると室内空調暖房能力が過大となったり、逆に空調暖房能力に合わせて圧縮機周波数を調整すると床暖房能力が不足し床暖房パネルの表面温度が不足するという問題点があった。
【0008】
また、空調暖房優先時には室内温度は安定するが床暖房パネルの表面温度は低下し、逆に床暖房優先運転時には床暖房パネルの表面温度は安定するが室内温度が上昇するため、特に室内温度の安定性が悪く、快適性が悪化するという問題もあった。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、空調暖房と床暖房の併用運転において、吸込み空気温度センサーとリモートコントローラによる設定温度の差および圧縮機回転数を検知して空調暖房と床暖房の優先運転を切換えることにより、頻繁な優先運転の切換えを防止することで、室内温度の上昇および低下や床暖房パネルの表面温度の低下を回避することを目的とする。さらに、圧縮機の回転数の制御方法を空調暖房運転と床暖房優先運転で変更することにより、室内温度および床暖房パネルの表面温度の安定性を高めることで、高い快適性を得ることを目的とする。
また、前記温水熱交換器と前記室内熱交換器が副絞り装置を介して直列に配管接続して空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置であり、空調暖房優先運転時と床暖房優先運転時で副絞り装置と圧縮機回転数の制御方法を変更することにより、室内温度および床暖房パネルの表面温度の安定性を高めることで、高い快適性を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和装置は、室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設け、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えるものである。
【0011】
また、前記ΔT1とΔT2との差からなるデファレンシャル幅は、前記空気温度センサーが検知できる最小分解温度の3倍程度である。
【0012】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、床暖房パネルの流入側配管に設けられた送水温度センサにより検知される送水温度を一定に制御するよう前記圧縮機回転数を制御するものである。
【0013】
この発明に係る空気調和装置は、室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設けるとともに、前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器が副絞り装置を介して直列に配管接続され、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に前記副絞り装置により前記室内熱交換器より優先して前記床暖房用熱交換器の凝縮温度を高めるように空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に前記副絞り装置を制御して前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器に流れる冷媒を同じ圧力とするように床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えるものである。
【0014】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置を制御して絞り量を少なくするものである。
【0015】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記圧縮機回転数を大きくして暖房能力を増加させるものである。
【0016】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、前記床暖房パネルの流出側配管に設けられた戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置で絞り量を大きくとるように制御するものである。
【0017】
また、前記戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が予め定めたΔTw1以上の領域では、前記副絞り装置を最小開口面積で固定するように制御するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和装置を示すブロック図である。図において、1は圧縮機、2は四方弁、3は室内熱交換器、5は絞り装置、6は室外熱交換器、4は四方弁2と室内熱交換器3を接続する配管に並列に設けられて接続された床暖房用熱交換器、18は前記床暖房用熱交換器から室内熱交換器3側の配管に設けられ電子膨張弁を用いた副絞り装置であり、これらが冷媒回路を構成している。また、7は床暖房パネル、13はバッファータンク、8はポンプであり、床暖房用熱交換器4と順次配管接続され2次側熱媒体循環回路を構成している。
【0019】
図1において、5は室外熱交換器6と室内熱交換器3とを接続する冷媒配管に取り付けられた絞り装置であり、2は圧縮機1に接続され流れ方向を切換える四方弁である。4は床暖房用熱交換器であり、図に示すように暖房運転時の冷媒流れ方向において、室内熱交換器3の上流側に副絞り装置18を介して冷媒配管により直列接続されている。したがって、熱源側熱交換器である室外熱交換器6に対応した負荷側熱交換器は直列に接続された床暖房用熱交換器4と室内熱交換器3の両方となる。また床暖房用熱交換器4にはブラインなどの2次側熱媒体を循環させるためのポンプ8と床暖房パネル7を2次側熱媒体で順次環状に接続している。
【0020】
このヒートポンプ床暖房の空気調和装置の構成について説明する。図1に示すように、圧縮機1から四方弁2を介して一端は室外熱交換器6から絞り装置5を経て室内熱交換器3へ順次配管接続され、四方弁2のもう一端は床暖房用熱交換器4へ配管接続されている。そして、前記室内熱交換器3の絞り装置側とは逆側の一端と前記床暖房用熱交換器4の四方弁とは逆側の一端を副絞り装置18を介して配管接続することで圧縮機1から吐出した冷媒が循環する冷媒回路が形成されている。なお、圧縮機1、四方弁2、室外熱交換器6及び絞り装置5は通常一般的に用いられている空気調和装置室外機の主要冷媒回路部であり、また室内熱交換器3は空気調和装置室内機の主要冷媒回路部、床暖房用熱交換器4は床暖房用熱交換ユニットの主要冷媒回路部である。したがって、通常一般的に用いられている空気調和装置室外機と空気調和装置室内機、および床暖房用熱交換ユニットとを冷媒配管で順次接続した構成となっている。また、床暖房用熱交換器4は圧縮機から吐出された冷媒と熱交換する2次側熱媒体を流通させる配管により床暖房パネル7へ接続され、さらに床暖房パネルの他端からバッファータンク13およびポンプ8を介して床暖房用熱交換器4へ配管接続して2次側熱媒体循環回路を形成している。
【0021】
次に、このように構成された冷凍サイクルにおいて空調暖房+床暖房運転時の空調暖房優先運転時の動作を図2を参照しながら説明する。図2は空調暖房+床暖房運転時の空調暖房優先運転時のモリエル線図の一例である。
圧縮機1より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁2を通った後床暖房用熱交換器4に流入する(図2のイ)。床暖房用熱交換器4に流入したガス冷媒はポンプ8により循環している2次側熱媒体であるブラインと熱交換することにより、吐出温度より冷却されたガス冷媒または乾き度の高い二相冷媒に凝縮し、床暖房用熱交換器4を流出する(図2のロ)。一方、温度の上昇したブラインは床暖房パネル7内の配管に入り床暖房パネルの表面温度を上昇させ、床暖房運転を実現させる。床暖房用熱交換器4を流出したガス冷媒または二相冷媒は副絞り装置18をわずかな減圧で通過し室内熱交換器3に流入し、室内空気と熱交換することにより、乾き度の低い気液二相冷媒または過冷却液冷媒に凝縮し、室内熱交換器3を流出する(図2のハ)。一方室内熱交換器を通った室内空気は冷媒との熱交換により温度が上昇し、空調暖房運転を実現する。室内熱交換器3を流出した冷媒は絞り装置5により減圧され、室外熱交換器6に流入する。ここで外気と熱交換することにより冷媒は蒸発し、乾き度の高い気液二相冷媒またはガス冷媒となって室外熱交換器6を流出し、四方弁2を通って圧縮機1に吸入される。
【0022】
このように空調暖房優先モードにおいては、床暖房用熱交換器4と室内熱交換器3を流れる冷媒は同じ高圧となり、相対的に伝熱面積が大きく伝熱性能の良い室内熱交換器3の凝縮能力によって高圧の動作圧力が決まる。したがって、空調暖房能力が床暖房能力に比べて相対的に大きくなり、空調暖房優先の運転を実現することができる。空調暖房優先モードは特に室温が低い立ち上がり時に適用され、床温度よりも室温の上昇を優先する場合の運転モードである。
【0023】
次に、このように構成された冷凍サイクルにおいて空調暖房+床暖房運転時の床暖房優先運転時の動作を図3を参照しながら説明する。図3は空調暖房+床暖房運転時の床暖房優先運転時のモリエル線図の一例である。
圧縮機1より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁2を通った後床暖房用熱交換器4に流入する(図3のイ)。床暖房用熱交換器4に流入したガス冷媒はポンプ8により循環している2次側熱媒体であるブラインと熱交換することにより、吐出温度より冷却されたガス冷媒または乾き度の高い二相冷媒に凝縮し、床暖房用熱交換器4を流出する(図3のロ)。一方、温度の上昇したブラインは床暖房パネル7内の配管に入り床暖房パネルの表面温度を上昇させ、床暖房運転を実現させる。床暖房用熱交換器4を流出したガス冷媒または二相冷媒は副絞り装置18によって高圧から中圧に減圧され、凝縮温度は床暖房用熱交換器内の高温から中温に低下して室内熱交換器3に流入する(図3のハ)。中圧中温の二相冷媒は室内空気と熱交換することにより、乾き度の低い気液二相冷媒または過冷却液冷媒に凝縮し、室内熱交換器3を流出する(図3のニ)。一方室内熱交換器を通った室内空気は冷媒との熱交換により温度が上昇し、空調暖房運転を実現する。室内熱交換器3を流出した冷媒は絞り装置5により減圧され、室外熱交換器6に流入する。ここで外気と熱交換することにより冷媒は蒸発し、乾き度の高い気液二相冷媒またはガス冷媒となって室外熱交換器6を流出し、四方弁2を通って圧縮機1に吸入される。
【0024】
このように床暖房優先モードにおいては、副絞り装置18によって2つの凝縮温度を作りだし、高温高圧の吐出ガス冷媒を室内熱交換器3より優先して床暖房用熱交換器4に流し、床暖房用熱交換器4で放熱し温度の低下したガス冷媒または二相冷媒を副絞り装置18によって減圧させ中圧中温の二相冷媒として下流の室内熱交換器3に流す構成としているため、圧縮機から吐出された過熱ガス冷媒を有効に利用しさらに高凝縮温度の二相冷媒と熱交換することによってブライン温度を高温化することができ床暖房能力を増加することが可能となり、一方室内熱交換器3へは凝縮温度の低下した中圧中温の冷媒を流すため、空調暖房能力を抑制することが可能となり、空調暖房能力を過大にすることなく床暖房能力を優先する運転が可能となり、室温を適性に保ちながら、床暖房パネルの表面温度の上昇を実現することができる。床暖房優先モードは特に室温が設定温度付近で床温度が十分に上がっていない場合に適用され、室温よりも床温度の上昇を優先する場合の運転モードである。
【0025】
次に、空調暖房優先運転と床暖房優先運転の切換え動作について説明する。空調暖房運転時はリモートコントローラ(図示せず)で設定した室内温度になるよう圧縮機1と絞り装置5を制御する。ここで、図4に示すようにリモートコントローラからの空気側の設定温度と室内熱交換器3の室内空気流入側に設けられた吸込み空気温度センサー16の検知温度との差、および圧縮機1の回転数を検知し、リモートコントローラの空気側設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差が予め定めたΔT1以下で、圧縮機の回転数が予め定めたF1以下になった時点で空気側負荷が満足したものと判定し、空調暖房運転から床暖房優先運転への切換えをする。一方、床暖房優先運転において、リモートコントローラの空気側設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差が予め定めたΔT2以上(ΔT1よりΔT2は大きい)になった時点で空気側負荷が不足したものと判定し、床暖房優先運転から空調暖房運転への切換えを実施する。ここで、ΔT1とΔT2との差からなるデファレンシャル幅は、例えば空気温度センサー16が検知できる最小分解温度幅の3倍程度とし、具体例ではΔT1=0deg,ΔT2=1degとする。また、F1値は、例えば定格能力における定格周波数とする。
【0026】
以上のように、空調暖房+床暖房運転で空調暖房優先運転と床暖房優先運転の切換えを実施する際に、リモートコントローラの空気側設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差および圧縮機1の回転数を検知して空気側の負荷判定を行うため、頻繁な切換え動作を防止することが可能となり、室温および床暖房パネルの表面温度の安定性を高め、高い快適性を得ることができる。
【0027】
また、図5は実施の形態1のさらに別の空気調和装置を示すブロック図である。なお、図5の冷凍サイクルは空調暖房+床暖房運転時の状態を示しており、図1で説明した同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。図中の9は図1の副絞り装置18の代わりに設けた毛細管、19は毛細管9のバイパス回路に配設された二方弁である。
【0028】
図5のヒートポンプ床暖房の空気調和装置において、空調暖房+床暖房運転時の次の2つの運転モードの動作を説明する。
まず、空調暖房優先モードにおいては、床暖房用熱交換器4の下流側に設けられた毛細管9をバイパスするために二方弁19を開の状態で運転する。圧縮機1より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁2を通った後床暖房用熱交換器4に流入する。床暖房用熱交換器4に流入したガス冷媒はポンプ8により循環している2次側熱媒体であるブラインと熱交換することにより、吐出温度より冷却されたガス冷媒または乾き度の高い二相冷媒に凝縮し、床暖房用熱交換器4を流出する。一方、温度の上昇したブラインは床暖房パネル7内の配管に入り床暖房パネルの表面温度を上昇させ、床暖房運転を実現させる。床暖房用熱交換器4を流出したガス冷媒または二相冷媒は二方弁19を介して室内熱交換器3に流入し、室内空気と熱交換することにより、高圧で乾き度の低い気液二相冷媒または過冷却液冷媒に凝縮し、室内熱交換器3を流出する。一方室内熱交換器を通った室内空気は冷媒との熱交換により温度が上昇し、空調暖房運転を実現する。室内熱交換器3を流出した冷媒は絞り装置5により減圧され、室外熱交換器6に流入する。ここで外気と熱交換することにより冷媒は蒸発し、乾き度の高い気液二相冷媒またはガス冷媒となって室外熱交換器6を流出し、四方弁2を通って圧縮機1に吸入される。
【0029】
このように空調暖房優先モードにおいては、二方弁19を開で運転するため、床暖房用熱交換器4と室内熱交換器3を流れる冷媒は同じ高圧となり、相対的に伝熱面積が大きく伝熱性能の良い室内熱交換器3の凝縮能力によって高圧の動作圧力が決まる。したがって、空調暖房能力が床暖房能力に比べて相対的に大きくなり、空調暖房優先の運転を実現することができる。空調暖房優先モードは特に室温が低い立ち上がり時に適用され、床温度よりも室温の上昇を優先する場合の運転モードである。
【0030】
また、もう一つの運転モードである床暖房優先モードにおいては、二方弁19を閉の状態で運転する。圧縮機1より高温高圧のガス冷媒が吐出し、四方弁2を通った後床暖房用熱交換器4に流入する。床暖房用熱交換器4に流入したガス冷媒はポンプ8により循環している2次側熱媒体であるブラインと熱交換することにより、吐出温度より冷却されたガス冷媒または乾き度の高い二相冷媒に凝縮し、床暖房用熱交換器4を流出する。一方、温度の上昇したブラインは床暖房パネル7内の配管に入り床暖房パネルの表面温度を上昇させ、床暖房運転を実現させる。床暖房用熱交換器4を流出したガス冷媒または二相冷媒は毛細管9によって高圧から中圧に減圧され、凝縮温度は床暖房用熱交換器内の高温から中温に低下して室内熱交換器3に流入する。中圧中温の二相冷媒は室内空気と熱交換することにより、乾き度の低い気液二相冷媒または過冷却液冷媒に凝縮し、室内熱交換器3を流出する。一方室内熱交換器を通った室内空気は冷媒との熱交換により温度が上昇し、空調暖房運転を実現する。室内熱交換器3を流出した冷媒は絞り装置5により減圧され、室外熱交換器6に流入する。ここで外気と熱交換することにより冷媒は蒸発し、乾き度の高い気液二相冷媒またはガス冷媒となって室外熱交換器6を流出し、四方弁2を通って圧縮機1に吸入される。
【0031】
このように床暖房優先モードにおいては、ニ方弁19を閉じて毛細管9によって2つの凝縮温度を作りだし、高温高圧の吐出ガス冷媒を室内熱交換器3より優先して床暖房用熱交換器4に流し、床暖房用熱交換器4で放熱し温度の低下したガス冷媒または二相冷媒を毛細管9によって減圧させ中圧中温の二相冷媒として下流の室内熱交換器3に流す構成としているため、圧縮機から吐出された過熱ガス冷媒を有効に利用しさらに高凝縮温度の二相冷媒と熱交換することによってブライン温度を高温化することができ床暖房能力を増加することが可能となり、一方室内熱交換器3へは凝縮温度の低下した中圧中温の冷媒を流すため、空調暖房能力を抑制することが可能となり、空調暖房能力を過大にすることなく床暖房能力を優先する運転が可能となり、室温を適性に保ちながら、床暖房パネルの表面温度の上昇を実現することができる。床暖房優先モードは特に室温が設定温度付近で床温度が十分に上がっていない場合に適用され、室温よりも床温度の上昇を優先する場合の運転モードである。
【0032】
次に、空調暖房優先運転と床暖房優先運転の切換え動作について説明する。空調暖房運転時はリモートコントローラ(図示せず)で設定した室内温度になるよう圧縮機1と絞り装置5を制御する。ここで、図4に示すようにリモートコントローラの空気側の設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差および圧縮機1の回転数を検知し、上述と同様にリモートコントローラの設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差がΔT1以下で、圧縮機の回転数がF1以下になった時点で空気側負荷が満足したものと判定し、ニ方弁19を閉じて空調暖房運転から床暖房優先運転への切換えを実施する。一方、床暖房優先運転において、リモートコントローラの空気側設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差がΔT2以上になった時点で空気側負荷が不足したものと判定し、ニ方弁19を開けて床暖房優先運転から空調暖房運転への切換えを実施する。
【0033】
以上のように、空調暖房+床暖房運転で空調暖房優先運転と床暖房優先運転の切換えを実施する際に、リモートコントローラの設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差および圧縮機1の回転数を検知して空気側の負荷判定を行いニ方弁19の開閉動作を行うため、頻繁な切換え動作を防止することが可能となり、室温および床暖房パネルの表面温度の安定性を高め、高い快適性を得ることができる。
【0034】
次に、図1において、空調暖房+床暖房運転で空調暖房優先運転時の副絞り装置18と圧縮機1の制御について説明する。空調暖房優先運転時の副絞り装置18(電子膨張弁)の絞り量および圧縮機1の回転数はリモートコントローラ(図示せず)の空気側の設定温度と吸込み空気温度センサー16の検知温度との差(ΔTr)により制御を行う。図6に示すようにΔTrが大きくなると、副絞り装置18の開口面積を大きくして絞り量を少なくし、床暖房用熱交換器4と室内熱交換器3の圧力差を小さくするように制御する。ここで、ΔTrがΔT3以上の領域では、副絞り装置18の開口面積が最大であるSmaxで固定して使用する。この結果、室内熱交換器3の高圧圧力が上昇し、高い空調暖房能力を得ることが可能となる。ここで、ΔT1、ΔT2、ΔT3はこの順に大きな値としている。
また、圧縮機1の回転数はΔTrが大きくなると、回転数を大きくし暖房能力を増加させるよう制御する。この結果、高い空調暖房能力を得ることが可能となる。
【0035】
次に、空調暖房+床暖房運転で床暖房優先運転時の副絞り装置18と圧縮機1の制御について説明する。空調暖房優先運転時の副絞り装置18の絞り量はリモートコントローラの設定床温度レベルと床温度を間接的に推測するために床暖房パネルの出口側配管に設けられた戻水温度センサー60の検知温度との差(ΔTw)により制御を行う。例えば床温度レベルが強と設定されたときは戻水温度の目標値は45℃、中では40℃、弱では35℃とし、この目標値に戻水温度センサー60の検出する値が近づくように副絞り装置18の制御を行う。図7に示すようにΔTwが大きくなると、副絞り装置18の開口面積を小さくして絞り量を大きくとり、床暖房用熱交換器4と室内熱交換器3の圧力差を大きくするように制御する。ここで、副絞り装置18の全閉運転を防止するため、ΔTwがΔTw1以上の領域では、副絞り装置18の開口面積をSminで固定し、最小開口面積を規定する。この結果、床暖房用熱交換器4の高圧圧力が上昇し、高い床暖房能力を得ることが可能となり、さらに副絞り装置18の全閉運転を防止することができる。また、室内熱交換器3の圧力は中圧となり、空調暖房能力を抑制することが可能となるため、室内温度の過上昇を防止することができる。このとき、室内ユニットのファンモータ(図示せず)の回転数を低下させ、さらに、吹出し空気の風向を変向する室内フラップを上向きにすることで冷風感を防止することができる。
また、上記戻水温度による福絞り装置18の制御とともに、圧縮機1の回転数は床暖房パネル7に流入する側の配管に設けられた送水温度センサー61の温度を一定に保つように制御する。例えば、送水温度の目標値を50℃とすると、圧縮機1の回転数は送水温度センサー61の値が50℃に近づくように制御する。この結果、素早く送水温度を上昇させることが可能となり、立上がり性能を改善することができる。
【0036】
【発明の効果】
この発明に係る空気調和装置は、室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設け、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えるので、頻繁な切換え動作を防止することが可能となり、室温および床暖房パネルの表面温度の安定性を高め、高い快適性を得ることができる。
【0037】
また、前記ΔT1とΔT2との差からなるデファレンシャル幅は、前記空気温度センサーが検知できる最小分解温度の3倍程度であるので、頻繁な切換え動作を防止することが可能となり、室温および床暖房パネルの表面温度の安定性を高め、高い快適性を得ることができる。
【0038】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、床暖房パネルの流入側配管に設けられた送水温度センサにより検知される送水温度を一定に制御するよう前記圧縮機回転数を制御するので、素早く送水温度を上昇させることが可能となり、立上がり性能を改善することができる。
【0039】
この発明に係る空気調和装置は、室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設けるとともに、前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器が副絞り装置を介して直列に配管接続され、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に前記副絞り装置により前記室内熱交換器より優先して前記床暖房用熱交換器の凝縮温度を高めるように空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に前記副絞り装置を制御して前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器に流れる冷媒を同じ圧力とするように床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えるので、頻繁な切換え動作を防止することが可能となり、室温および床暖房パネルの表面温度の安定性を高め、高い快適性を得ることができる。
【0040】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置を制御して絞り量を少なくするので、高い空調暖房能力を得ることができる。
【0041】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記圧縮機回転数を大きくして暖房能力を増加させるので、高い空調暖房能力を得ることができる。
【0042】
また、前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、前記床暖房パネルの流出側配管に設けられた戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置で絞り量を大きくとるように制御するので、高い床暖房能力を得ることが可能となる。
【0043】
また、前記戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が予め定めたΔTw1以上の領域では、前記副絞り装置を最小開口面積で固定するように制御するので、床暖房用熱交換器の高圧圧力が上昇し、高い床暖房能力を得ることが可能となり、さらに副絞り装置の全閉運転を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る空気調和装置を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係り、空調暖房+床暖房運転時の空調暖房優先運転時のモリエル線図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係り、空調暖房+床暖房運転時の床暖房優先運転時のモリエル線図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係り、空調暖房優先運転と床暖房優先運転の切換え条件である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係る別の空気調和装置を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係り、空調暖房優先運転時の副絞り装置の制御範囲である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係り、床暖房優先運転時の副絞り装置の制御範囲である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 四方弁、 3 室内熱交換器、 4 床暖房用熱交換器、5 絞り装置、 6 室外熱交換器、 7 床暖房パネル、 8 ポンプ、9 毛細管、 13 バッファータンク、 16 吸込み空気温度センサー、18 副絞り装置、 19 二方弁、 33、34 冷媒配管、 60 戻水温度センサー、 61 送水温度センサー。
Claims (8)
- 室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設け、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えることを特徴とする空気調和機。
- 前記ΔT1とΔT2との差からなるデファレンシャル幅は、前記空気温度センサーが検知できる最小分解温度の3倍程度であることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、床暖房パネルの流入側配管に設けられた送水温度センサにより検知される送水温度を一定にするよう前記圧縮機回転数を制御することを特徴とした請求項1記載の空気調和装置。
- 室外機に配置された圧縮機、室外熱交換器、絞り装置、床暖房用のブラインまたは水と冷媒を熱交換させる床暖房用熱交換器と室内機に配置された室内熱交換器を冷媒配管で接続した冷媒回路と、前記床暖房用熱交換器から2次側熱媒体を床暖房パネルへ循環させるポンプを設けた2次側熱媒体循環回路とからなる空調暖房と床暖房の併用運転を行う空気調和装置において、前記室内機に吸い込み室内空気温度を検知する吸込み空気温度センサーを設けるとともに、前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器が副絞り装置を介して直列に配管接続され、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が予め定めたΔT1以下で、前記圧縮機の回転数が予め定めたF1以下の場合に前記副絞り装置により前記室内熱交換器より優先して前記床暖房用熱交換器の凝縮温度を高めるように空調暖房運転から床暖房優先運転へ切換え、前記吸込み空気温度センサーにより検知された室内温度と設定温度との差が前記ΔT1より大きい予め定められたΔT2以上の場合に前記副絞り装置を制御して前記床暖房用熱交換器と前記室内熱交換器に流れる冷媒を同じ圧力とするように床暖房優先運転から空調暖房運転へ切換えることを特徴とする空気調和機。
- 前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置を制御して絞り量を少なくすることを特徴とした請求項4記載の空気調和装置。
- 前記空調暖房と床暖房の併用運転において、空調暖房を優先する際は、室内温度とその設定温度との差が大きくなると前記圧縮機回転数を大きくして暖房能力を増加させることを特徴とした請求項4または5記載の空気調和装置。
- 前記空調暖房と床暖房の併用運転において、床暖房を優先する際は、前記床暖房パネルの流出側配管に設けられた戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が大きくなると前記副絞り装置で絞り量を大きくとるように制御することを特徴とする請求項4記載の空気調和装置。
- 前記戻水温度センサーにより検知された戻水温度とその設定温度との差が予め定めたΔTw1以上の領域では、前記副絞り装置を最小開口面積で固定するように制御することを特徴とする請求項7記載の空気調和装置。
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