JP4043113B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、定着ローラの内部に誘導コイルを有した定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常この種の定着装置の主要部分は未定着のトナーが付着した用紙を加熱する定着ローラと、該用紙を押圧して挾持搬送する加圧ローラとを有している。そして定着ローラの内部に加熱ヒータとしてハロゲンランプ等を設け、この加熱ヒータによって定着ローラの内部を加熱し、定着ローラを所定の温度まで上昇させることとなる。
【0003】
しかしこのような加熱方式のものは、定着ローラを所定の温度まで加熱するまでの立上り時間が長く、また加熱ヒータ自身の損失も大きいものである。そのため現在のように地球温暖化等の環境問題がクローズアップされるようになると、このようなものは好ましくないものとされるようになり、このようなことを排除することができて、効率が良くて立上り時間の短いものが要求されるようになっている。
【0004】
そこでこのような要求に応えるものとして、誘導加熱方式による定着装置が提案され、それは定着ローラを電磁誘導による渦電流によって短時間に加熱することができるため、立上り時間を短くし、かつ効率も良好で、環境問題に適応することができるものとされている。そして定着ローラを誘導加熱する部材として誘導コイルを使用し、この誘導コイルが用紙の搬送の邪魔にならないように、定着ローラの内部においてハロゲンランプ等と置換したものが提案された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなものの典型的なものとしては、図8に示すようなものがあり、31は支持部材であって、その外周に誘導加熱するための誘導コイル33が取付けられているボビン34を有し、このボビン34の両側面から突出している支持軸36に、軸受37を介して定着ローラ31の中空軸部38を回転可能に支持している。そして支持軸36に設けた中空孔41に、一端が誘導コイル33に接続されているリード線39を配設して、このリード線39が支持軸36の外部に導出されて電源に接続されている。
【0006】
そしてこのようなものにおいて、誘導コイル33によって定着ローラ31が画像定着に必要な160〜200℃程度まで加熱されることになるが、誘導コイル33が定着ローラ31の内部に位置しているため、加熱の必要のないこの誘導コイル33が、定着ローラ31の伝導熱や輻射熱によって加熱され、安全規格上の温度上昇規制値を超える温度まで上昇するという問題があり、さらに誘導コイル33が焼損してしまうというような問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこのような問題を解決する手段として、従来はボビン34を中空状にし、この中空部分に風を通して冷却する方法があるが、これでは誘導コイル33に直接風が当たることがなくて充分に冷却することができない。このため誘導コイル33を定着ローラ31によって加熱されて焼損しないようにするには、最大入力電力を制限しなければならなくて立上り時間を短くすることができず、また長時間定着が不可能であるという問題がある。また誘導コイル33側に冷却風を流すという方法もあるが、これでは冷却風が誘導コイル33を直接冷却することができるが、それと同時に定着ローラ31にも冷却風が当たって、加熱しなければならない定着ローラ31が逆に冷却されて、さらに入力を大きくしなければならず、誘導加熱による効率向上や省エネ等を実現することができないという問題がある。
【0008】
そこでこの発明の目的は、前記のような従来の定着装置のもつ問題を解消し、誘導コイルが定着ローラからの伝導熱や、輻射熱によって加熱されて、安全規格上の温度上昇規制値を超える温度まで上昇したり、焼損したりすることがないとともに、定着ローラの加熱を迅速に行うことのできる定着装置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記のような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、定着装置において、定着ローラと、この定着ローラの内部に配置されたボビンと、このボビンに外装された誘導コイルと、この誘導コイルの外側に所定間隔離間して配置された非導電性の筒状断熱材と、この筒状断熱材の軸方向一側配置された軸流ファンを備え、前記ボビン及び筒状断熱材を装置本体の側板にブラケットで固定すると共に、前記定着ローラを前記側板に軸受を介して回転可能に支持し、前記ボビンと前記筒状断熱材との間に略ストレートな流路を構成し、該流路に前記軸流ファンの羽根部分が対向するように設置して、前記軸流ファンが発生させる空気流が、前記流路内で誘導コイルの外周を流れて前記誘導コイルを強制冷却するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記軸流ファンが生成した空気流を、前記流路に導くダクトを備えることを特徴とする。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記誘導コイルは、中央部のピッチが粗くなっていることを特徴とする。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の発明において、前記筒状断熱材は、その筒状周壁内部に空気が封入された中空部を有する中空構造体であることを特徴とする。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の発明において、前記筒状断熱材は、樹脂を発泡させた発泡部材であることを特徴とする。
【0014】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の発明において、前記発泡部材は、単泡部からなることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1,2にはこの発明の第1実施形態が示されており、1は定着ローラ、2は定着ローラ1に圧接回転される加圧ローラを示す。定着ローラ1はステンレス又は鉄等の磁性材によって形成された芯金の外周に、フッソ樹脂からなる離型層が設けられたものからなっていて、一端部に駆動用歯車5が取付けられており、定着装置の側板20に軸受21を介して回動可能に支持されている。そしてその内部にボビン3が配置されている。
【0016】
このボビン3に誘導コイル4が装着され、定着ローラ1と誘導コイル4との間の空間に、ストレートな非導電性の筒状断熱材6が設けられている。そして筒状断熱材6の一端に筒状断熱材6と誘導コイル4との間の空間7に、風を流して誘導コイル4を強制空冷する軸流ファン9を有する冷却手段19が設けられている。なおボビン3及び筒状断熱材6は定着装置の側板に設けられた図示を省略したブラケットに支持され、誘導コイル4には図示を省略したリード線によって高周波電流を通じるようになっている。
【0017】
このようなものにおいて、画像定着を行うに際しては、誘導コイル4に高周波電流が通じられて、前記従来のものと同様にして定着ローラ1を加熱し、両ローラ1,2が図2の矢印方向に回動している際、それらのニップにトナー画像Tを担持した記録シートSを搬送し、両ローラ1,2による加圧、加熱によってトナー画像Tを定着することになる。
【0018】
そしてこのようにして定着作業が行われている際、空冷手段19によって誘導コイル4と筒状断熱材6との間の空間7に冷却風を流通させて、誘導コイル4を強制空冷するようになっている。そして筒状断熱材6が定着ローラ1からの誘導コイル4への熱を遮断してその温度上昇を防止するとともに、筒状断熱材6によって電磁誘導によって加熱された定着ローラ1を冷却風から遮断して冷却することなく、記録シートSのトナー画像Tの加熱に悪影響を与えるようなことがない。
【0019】
図3に示す第2実施形態は、請求項2に記載の発明の実施形態に該当し、筒状断熱材6に中空部8が形成されている点で、第1実施形態と相違するだけで他に相違するところがない。このようなものにおいては、中空部8に封入されている空気の断熱機能によって、定着ローラ1からの誘導コイル4への熱をより有効に遮断して、その温度上昇を防止するとともに、定着ローラ1を冷却風からより有効に遮断して冷却することがなく、記録シートSのトナー画像Tの加熱に悪影響を与えるようなことがない。
【0020】
図4に示す第3実施形態は、請求項3,4に記載の発明の実施形態に該当し、筒状断熱材6は、樹脂を発泡させた発泡部材から製作することによって軽量化を図っており、また発泡部材の発泡部は単泡部からなっていて、曲げ強度が大きくて撓み量が少ない安定した筒状断熱材6を供給することができるという点で第2実施形態と相違する。
【0021】
図5に示す第4実施形態は、請求項5に記載の発明の実施形態に該当し、冷却手段19は、定着ローラ1の両側に設置され、この冷却手段19の一方の軸流ファン9は給気を、他方の軸流ファン9′は排気をするようになっており、そしてこれらの冷却手段19からの冷却風を誘導コイル4と筒状断熱材6との間に導くダクト11,12が設けられている。
【0022】
そもそも誘導コイル4と筒状断熱材6との間の空間7は数mmとなっており、このような空間7内に冷却風を流通させて、誘導コイル4を有効に冷却するために、最も大きい風量をうることができる軸流ファンを採用している。そしてこの軸流ファンはその構造上中心部の風量は小さくて、羽根部分の風量が一番大きい。このためにこの実施形態では、筒状断熱材6の開口とほぼ同形の開口をもち、長さの長いダクト11,12を使用して風を絞って送ることとし、これによって送風量が減少するので、2つの軸流ファン9,9′を設け、最も風量の大きい羽根部分の風を誘導コイル4と筒状断熱材6との間の空間7に圧送し、吐出することとなる。なお必要に応じて軸流ファン9又は9′いずれかを設けなくともよい。
【0023】
図6に示す第5実施形態は、請求項6に記載の発明の実施形態に該当し、誘導コイル4は、中央部13のピッチが粗くなっている点で、第1実施形態と相違するだけで他に相違するところがない。誘導コイル4は中央部13がもっとも温度上昇し易いところであるので、ここのピッチを粗くすることによって、通風抵抗を大きくして冷却風の乱流を発生し易くし、この乱流冷却風によって誘導コイル4を有効的に冷却することとなる。
【0024】
図7に示す第6実施形態においては、冷却手段19′が、熱絶縁性の冷却剤を使用し、この冷却剤を誘導コイル4と筒状断熱材6との間に供給して、誘導コイル4の冷却と断熱とを行う点で、第4実施形態と異なっており、液状冷媒としては、水、シリコンオイル等が使用される。この冷却手段19′においては、空間7の一方の開口部側にはポンプ15が、また他方の開口部側には冷媒収容器16が、それぞれその外部に設置され、これらのポンプ15及び冷媒収容器16と、空間7の開口部とは液状冷媒を空間7の開口部に供給し、及び吐出する連結管17,18によって接続されている。
【0025】
そしてこのようなものによって定着作業が行われている際、ポンプ15によって筒状断熱材6と誘導コイル4との間の空間7に液状冷媒を流通させて、誘導コイル4を強制冷却し、同時に他の実施態様と同様に定着ローラ1からの誘導コイル4への熱を遮断してその温度上昇を防止するとともに、筒状断熱材6によって定着ローラ1を液状冷媒から遮断して冷却することがなく、記録シートSのトナー画像Tの加熱に悪影響を与えるようなことがない。
【0026】
【発明の効果】
この発明は上記のようであって、請求項1に記載の発明は、定着装置において、定着ローラと、この定着ローラの内部に配置されたボビンと、このボビンに外装された誘導コイルと、この誘導コイルの外側に所定間隔離間して配置された非導電性の筒状断熱材と、この筒状断熱材の軸方向一側配置された軸流ファンを備え、前記ボビン及び筒状断熱材を装置本体の側板にブラケットで固定すると共に、前記定着ローラを前記側板に軸受を介して回転可能に支持し、前記ボビンと前記筒状断熱材との間に略ストレートな流路を構成し、該流路に前記軸流ファンの羽根部分が対向するように設置して、前記軸流ファンが発生させる空気流が、前記流路内で誘導コイルの外周を流れて前記誘導コイルを強制冷却するよう構成したので、空気流によって、定着ローラからの誘導コイルへの熱を遮断しかつ誘導コイルを空冷でき、誘導コイルの温度上昇を防止して該誘導コイルによる電磁誘導作用が良好に得られるとともに、定着ローラを空気流から遮断して定着ローラが冷却されずに済み、記録シート上のトナー画像の加熱に影響を与えることなく良好な定着性を保持することができるという効果がある。特に、略ストレートな流路を構成しているので、流路に起因して空気の流勢が減殺されずに済み、高い流通効率が得られる。しかも軸流ファンにおいて最も風量の大きい羽根部分が発生した空気流を流路に流通させているので、効率的に高風量が得られる。このため、定着ローラからの熱を遮蔽したうえで、誘導コイル自体を冷却するための充分な空気流量を容易かつ確実に確保できる。他方、この空気流量を確保するために必要な軸流ファンの駆動力も、少なくて済む。
【0027】
請求項に記載の発明は、軸流ファンが生成した空気流を、流路に導くダクトを備えたので、装置の形状のいかんにかかわらず、直径及び風量が大きい大型の空冷用ファンの使用が可能となって、効率よく誘導コイルを冷却することができるという効果がある。
【0028】
請求項に記載の発明は、誘導コイルは、中央部のピッチが粗くなっているので、もっとも温度上昇し易い誘導コイルの中央部付近で空気流に適度な乱流を発生し易くし、この乱流によって空気と誘導コイルとの熱交換を活発化して、誘導コイルを有効的に冷却することができ、また中央部の磁束密度が低くて渦電流も少なくなるため、該中央部による加熱を弱めて定着ローラの温度分布を均一にできるという効果がある。
【0029】
請求項に記載の発明は、筒状断熱材は、その筒状周壁内部に空気が封入された中空部を有する中空構造体であるので、筒の内部に空気層が形成され、この停止した空気層で外部からの熱を遮断し、定着ローラからの誘導コイルへの熱をより有効に遮断して、その温度上昇を防止することができるともに、誘導コイルと定着ローラとの間に介在した絶縁層としての空気層の個数は、この停止した空気層が新たに追加されて増加することから、誘導コイルから定着ローラへの放電防止が図れるという効果がある。
【0030】
請求項に記載の発明は、筒状断熱材は、樹脂を発泡させた発泡部材であるので、軽量化が図れるという効果がある。
【0031】
請求項に記載の発明は、発泡部材は、単泡部からなるので、筒内部に多数の密閉小室が形成され、曲げ強度が大きくて撓み量が少ない安定した筒状断熱材となるとともに、定着ローラからの誘導コイルへの熱をより有効に遮断でき、該誘導コイルの温度上昇をより防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の縦断面図である。
【図2】同上の線2−2による縦断面図である。
【図3】この発明の第2実施形態の縦断面図である。
【図4】この発明の第3実施形態の縦断面図である。
【図5】この発明の第4実施形態の縦断面図である。
【図6】この発明の第5実施形態の縦断面図である。
【図7】この発明の第6実施形態の縦断面図である。
【図8】この発明と同種の従来の誘導発熱ローラの縦断面図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 2 加圧ローラ
3 ボビン 4 誘導コイル
5 駆動用歯車 6 筒状断熱材
7 空間 8 中空部
9 軸流ファン 9′ 軸流ファン
11 供給ダクト 12 吐出ダクト
13 中央部 15 ポンプ
16 冷媒収容器 17 連結管
18 連結管 19 冷却手段
19′ 冷却手段

Claims (6)

  1. 定着装置において、
    定着ローラと、この定着ローラの内部に配置されたボビンと、このボビンに外装された誘導コイルと、この誘導コイルの外側に所定間隔離間して配置された非導電性の筒状断熱材と、この筒状断熱材の軸方向一側配置された軸流ファンを備え、
    前記ボビン及び筒状断熱材を装置本体の側板にブラケットで固定すると共に、前記定着ローラを前記側板に軸受を介して回転可能に支持し、前記ボビンと前記筒状断熱材との間に略ストレートな流路を構成し、該流路に前記軸流ファンの羽根部分が対向するように設置して、前記軸流ファンが発生させる空気流が、前記流路内で誘導コイルの外周を流れて前記誘導コイルを強制冷却するよう構成したことを特徴とする定着装置。
  2. 前記軸流ファンが生成した空気流を、前記流路に導くダクトを備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記誘導コイルは、中央部のピッチが粗くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記筒状断熱材は、その筒状周壁内部に空気が封入された中空部を有する中空構造体であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記筒状断熱材は、樹脂を発泡させた発泡部材であることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記発泡部材は、単泡部からなることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
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