JP4047511B2 - ロッカカバーのシール方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダーブロックとロッカカバーとの接合部をシールする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ロッカカバーとシリンダーブロックとの間には、エンジンオイルが洩れ出さないようにシール材が介装されている。このシール材としては、一般的に、固形パッキンなどのガスケットが知られているが、予め成形されたガスケットをロッカカバーとシリンダーブロックとの間に挟み込む作業は自動化するのが困難である。しかも、ガスケットの形状はエンジンの種別毎に異なるため、部品点数の管理も煩雑となる。
【0003】
そこで、近年では、現場成形ガスケットが普遍的に採用されるようになってきた。この現場成形ガスケットはフランジ面にシリコーンゴム等のシール材を盛り付け、その後に加熱や自然放置により硬化させてフランジ面にガスケット層すなわちシール層を形成するものである。しかし、この方法では、シール材をシール面に盛り付けた状態で硬化させるので、部分的に厚くなったり薄くなったり、或いは部分的に太くなったり細くなったり、更に、断面が円弧状になったり角状になったりと一定せず、また、シール材の塗布開始位置と塗布終了位置とが重なる部分に継ぎ目が生じてしまうことに起因して、表面平滑性に欠けるとともに、シール性にも劣るという不都合がある。
【0004】
そのため特開昭60−237267号公報に開示されているように、シール面にシール層を形成する材料としての重合性液状ゴムを盛り付け、これが硬化する前に盛り付けられた液状ゴムを凹状のかぶせ型で覆い、その状態で液状ゴムを硬化させることにより、表面が平滑で、且つ、ビードの高さや形状が均一とされたシール層を得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ロッカカバー用のガスケットはエンジンブロックの上部に位置するとともに、熱や振動などの過酷な使用環境にあるため、ロッカカバーからのオイル洩れは軽微なものであっても発見され易く、また、汚れが付着しやすい箇所のためオイル洩れがあるとすぐに目立つこととなる。
【0006】
前記ロッカカバーはオイルパン等に比べ、シリンダーブロックを固定するボルト等の個数をあまり増やすことができないため、ボルト間の間隔が大きくなり、ボルト間の面圧が下がってオイル洩れを発生することがある。シリコーン樹脂などの柔軟性ゴムをシール材として用いると、シール性は改善されるものの、いわゆる汗かき現象が生じる。ここで、「汗かき現象」とは、シール材自体にエンジンオイルが浸透し、当該シール材の外側表面にエンジンオイルが滲み出て汗をかいた状態になることを言う。この汗かき現象によって洩れ出るエンジンオイル量は極めて少ないが、漏洩したエンジンオイルには粉塵や埃などの汚れが容易に付着することとなる。また、シール不良によるオイル洩れとの区別もつき難く、これが、シール材自体の劣化によるエンジンオイルの漏洩の早期発見の妨げとなる。
【0007】
特に、ロッカカバー用のシール層は、他のエンジンオイルと接する部位のシール層に比べて汗かき現象が起こり易く、また、汗かき現象が最も目立つ部分であるためこれを防ぐことが課題となっている。
【0008】
そこで、汗かき現象が起きないようなシール方法を鋭意研究した結果、本発明者達は、以下に詳述するシール方法を採用することにより、オイル洩れや、汗かき現象が起きないことを知見した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ロッカカバーのフランジ部にシール材を塗布してこれを硬化させた後、前記フランジ部をシリンダーブロック側に圧接するロッカカバーのシール方法において、シール材組成物が、
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)前記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して10〜30重量部のフュームドシリカ、
(D)前記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して50〜100重量部の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英粉末から選択される無機充填剤からなり、
前記シール材の硬化状態の硬さがJIS K 6253のタイプAデュロメーターで60〜80であって、当該シール材の圧縮率が20〜40%になるように前記ロッカカバーとシリンダーブロックとを圧接する、という手法を採っている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される(A)成分のオルガノポリシロキサンは本発明組成物の主成分であり、これは、1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合アルケニル基を有することが必要である。このようなアルケニル基としては、ビニル基,アリル基,プロペニル基等が例示される。アルケニル基以外の有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基で例示されるアルキル基;フェニル基,トリル基で例示されるアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基,3−クロロプロピル基で例示される置換アルキル基等が挙げられる。(A)成分の分子構造は直鎖状、分岐を含む直鎖状のいずれであってもよい。(A)成分の分子量は特に限定はなく、粘度の低い液状のものから粘度の高い生ゴム状のものまで使用できるが、硬化してゴム状弾性体になるためには25℃における粘度が200〜200000csであることが好ましい。
【0011】
本発明に使用される(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは(A)成分の架橋剤であり、(B)成分の珪素原子結合水素原子が、(A)成分の珪素原子結合アルケニル基に付加反応し、その結果、架橋し硬化に至るものである。(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合水素原子を有することが必要である。珪素原子結合水素原子以外の有機基としてはメチル基,エチル基,プロピル基で例示されるアルキル基;フェニル基,トリル基で例示されるアリール基;3,3,3−トリフロロプロピル基,3−クロロプロピル基で例示される置換アルキル基等が挙げられる。
(B)成分の分子構造は、直鎖状、分岐を含む直鎖状、環状、網目状のいずれでもよい。(B)成分の分子量は特に限定はないが、25℃における粘度が3〜800csの範囲であることが好ましい。
【0012】
前記(B)成分の配合量は、本成分中の珪素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基のモル数の比が(0.5:1)〜(10:1)となる量であり、好ましくは(1:1)〜(3:1)の範囲である。これは(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基のモル数1に対して本成分中の珪素原子結合水素原子のモル数が0.5より小さいと十分に硬化することができず、10より大きいと発泡することがあるからである。
【0013】
前記(C)成分のフュームドシリカは比表面積が200〜300m2/g程度の煙霧質シリカ(乾式法シリカ)である。(C)成分の添加量は(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して10〜30重量部である。
【0014】
前記(D)成分は炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英粉末から選択される無機充填剤である。これらの中から1種類のみ使用してもよいし、これら複数を混合してもよい。これらはオルガノシラン,オルガノシロキサンオリゴマー等の有機珪素化合物で表面処理したものが好ましい。(D)成分の添加量は(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して50〜100重量部である。50重量部未満であると、ロッカカバーのシール材として適用したときに汗かき現象を生じてしまい、100重量部を超えると硬化物が硬くなり、シール材としての弾性が乏しくなる。
【0015】
更に、本シール材組成物は硬化状態の硬さがJIS K 6253で規定されるタイプAのデュロメーターで60〜80であることが必要であり、前記添加量に配合して更に硬度が前記パラメーターの範囲である必要がある。硬化状態の硬さ測定はJIS K 6253に規定される測定法で求められる。
【0016】
また、前記成分以外に(A)成分と(B)成分を架橋して硬化させるための触媒である白金系触媒を添加することが好ましい。白金系触媒としては、白金黒、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,塩化白金酸とオレフィン類との錯化合物,塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物,これらの白金または白金化合物を含有する熱可塑性樹脂微粒子触媒が挙げられる。白金触媒の添加量は(A)成分と(B)成分の合計量100万重量部に対して白金金属として0.1〜500重量部であり、好ましくは1〜50重量部である。これは0.1重量部未満では硬化が充分に進行せず、500重量部を超えると不経済であるためである。
【0017】
本発明で使用されるシリコーンゴム組成物は、上記(A)成分〜(D)成分からなるものであるが、従来のシリコーンゴム組成物に添加配合することが周知とされる各種の添加剤を添加配合することができる。例えば、硬化反応を抑制するための添加剤としてアセチレン系化合物,ヒドラジン類,トリアゾール類,フォスフィン類,メルカプタン類を微量または少量添加することは、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。また必要に応じて顔料,耐熱剤,難燃剤,内部離型剤,可塑剤等を添加配合してもよい。
【0018】
また、本発明で使用されるシリコーン組成物は、汗かき現象を低下させるために炭酸カルシウムを添加することが好ましいが、炭酸カルシウムはテトラアルコキシシランの部分加水分解物で表面処理されたものを使用すると汗かき現象が更に低下される。テトラアルコキシシランのアルコキシ基は低級アルコキシであり、メトキシ基、エトキシ基が挙げられる。部分加水分解縮合物は重量平均分子量が150〜10000のものが挙げられる。
【0019】
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)成分〜(D)成分或いはこれらに必要に応じて各種添加剤を配合したものを2本ロール,ニーダーミキサーなどの公知の混練手段により均一に混合することにより容易に製造することができる。
【0020】
以上のシリコーンゴム組成物は、これを以下の成形方法を用いてシリコーンゴム製のシール材として成形される。
【0021】
すなわち、被成形物であるロッカカバーのシール面であるフランジ面にはシール材が塗布される。フランジ面にはシール材が保持されるための溝や筋が形成されることが好ましい。この溝や筋は、成形されるシール材保持用のものであると同時に、シール材とフランジの界面が剥離してその剥離部分の毛細管現象によるエンジンオイルの漏洩を防ぐ役割もある。溝の横断面形状は成形容易性、シール材の保持力確保などの観点からV字状であることが好ましいが、これに限定されない。
【0022】
ロッカカバーのフランジ面に前記シール材を自動塗布装置などによりビード状に塗布する。この時、ビードに気泡等が入らず、未塗布部が残らないように塗布し、かつフランジ面から2〜5mm程度、盛り上がるように塗布する。自動塗布装置は先端にノズルを備えたもので、ビード状に塗布できるものを用いることができる。
【0023】
次いで、前記塗布されたシール材上を、例えば、特開昭60−237267号公報に示されるかぶせ型で覆い、加熱等の手段によりシール材を硬化させる。かぶせ型には凹状の溝が形成されており、シール材がフランジ面よりも凸状に盛り上がるようにすることが必要である。かぶせ型により硬化したシール材の表面は平滑になり、また、凸形状の高さや幅も一定となる。更に、ノズルでの塗布は塗布開始位置と塗布終了位置とに継ぎ目が生じ易いが、かぶせ型での成形により均一形状に補正される。
【0024】
かぶせ型の表面はフッ素加工などで非粘着加工をしておくことが好ましく、また、かぶせ型の内部にヒーターを内蔵してシリコーン組成物であるシール材を加熱硬化させることが好ましい。
【0025】
このようにしてシール材が成形されたロッカカバーは、そのフランジ面を接合面としてシリンダヘッドに組み付けられ、ロッカカバーとシリンダヘッドとが相互に圧接されてボルトなどの締結部材で締結される。この時、シール材の圧縮率が20〜40%の圧縮となる力で圧接する。これは硬化したシール材のビード高さに対して圧縮時のビード高さが20〜40%圧縮された状態である。圧縮率が20%未満であると、ロッカカバーとシリンダーブロックとの間のシール材として使用したときに、当該シール材に汗かき現象が生じてしまう一方、40%を越えると面圧が高くなりすぎてシール材の追従性が乏しくなり、走行中の振動や衝撃によりエンジンオイルが漏洩することがある。
【0026】
以下に、本発明の有用性を実証するため、本発明の実施例を比較例と参照しながら説明する。
【0027】
[実施例1]
粘度1000csの両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.000125モル/g、1分子中のビニル基の数:2個、ビニル基間に介在するジメチルシロキサン単位の平均数:216)100部に比表面積300m2/gのヒュームドシリカ20部、テトラアルコキシシランの部分加水分解物で表面処理した炭酸マグネシウム60部、ヘキサメチルジシラザン6部、水3部をニーダーミキサーに入れ撹拌を3時間続け、ゴムコンパウンドを得た。
【0028】
これに更に珪素数10個、水素基4個、それ以外はメチル基を有する直鎖状のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体2.18部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部とを添加し、均一に混合し、シリコーン組成物を得た。
【0029】
実験装置としてJIS K 6820に規定されている耐圧試験用フランジ圧力容器に類似する、図1(a),(b)に示される模擬容器10を用いて試験を行った。この模擬容器10は、内径52mm、外形80mm、フランジ幅14mm、フランジ高さ10mmの円形状上側フランジ11を有する上側容器10aと、上側フランジ11と同寸法の下側フランジ12を有する下側容器10bとからなり、上側容器10aと下側容器10bは、4ヶ所位置で、ボルト・ナットからなる締結具14によりフランジ同士を突き合せた状態で接合される。
【0030】
前記組成物を用い、図示しないロボット混合塗布機を使用して下側容器10bのフランジ12面略中央に、フランジ形状に沿って円環状にビード幅10mm、高さ3mmで塗布した。そして、幅10mm、深さ2.8mmの円環状の凹部を有する図示しないかぶせ型で覆い、120℃で60分間加熱した。かぶせ型を外すと、高さ2.8mmの表面が滑らかに硬化したシール材Sが形成されていた。硬化したシール材Sを測定したところ、JIS K 6253で規定されるタイプAデュロメーターで63であった。
【0031】
シール材Sを成形した下側容器10bのフランジ12と上側容器10aのフランジ11とを対面させ、前記締結具14を用いて締結することにより、シール材Sを圧縮した。このとき、シール材Sの圧縮距離を一定にするため、上下の各容器10a,10b間にスペーサー16を使用することが好ましい。
【0032】
スペーサー16の高さを21.95mmに選択してボルト・ナットを締結することにより、フランジ11,12の突き合わせ面間が1.95mmになるように圧接した。この時、シール材Sの圧縮率は約30%である。そして、下側容器10bの底部に形成されたオイル注入口17より容器10内にSG5W−30エンジンオイルを満杯注入し、オイル注入口17を密栓した。これを150℃の加熱炉に入れ、240時間加熱した。加熱により容器内は内圧が高くなっている。
【0033】
加熱終了後、容器を分解せずフランジ接合部を目視により確認したところ、エンジンオイルの洩れは無く、更に、フランジ接合部にホワイトパウダーを振りかけたが、シール材の表面は乾燥していて、当該シール材の表面にはホワイトパウダーは付着しなかった。これにより、汗かき現象は発生していないことが実証される。
[実施例2]
【0034】
粘度1000csの両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.000125モル/g、1分子中のビニル基の数:2個、ビニル基間に介在するジメチルシロキサン単位の平均数:216)100部に比表面積300m2/gのヒュームドシリカ10部、テトラアルコキシシランの部分加水分解物で表面処理した炭酸カルシウム90部、ヘキサメチルジシラザン6部、水3部をニーダーミキサーに入れ撹拌を3時間続け、ゴムコンパウンドを得た。
【0035】
これに更に珪素数10個、水素基4個、それ以外はメチル基を有する直鎖状のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体2.18部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部を添加し、均一に混合し、シリコーン組成物を得た。
【0036】
この組成物を実施例1と同じ模擬容器を使用して同様に試験を行った。但し、ビード幅6mm、高さ3mmでシール材を塗布した。かぶせ型は幅6mm、深さ2.8mmの凹部を有するものを使用した。かぶせ型で120℃、1時間加熱し、高さ2.8mmの表面が滑らかなシール材を形成した。硬化したシール材の高度を測定したところ前記タイプAデュロメーターで75だった。
【0037】
実施例1と同様にこれをフランジ面間が1.7mmになるように圧接した。この時、シール材は約40%圧縮された。また、実施例1と同様にエンジンオイルを注入し、加熱炉に入れて加速試験を行った。加熱後、エンジンオイルの洩れ、汗かき現象は起きていなかった。更に、このエンジンのロッカカバーとシリンダーブロックの接合部にホワイトパウダーを振りかけて、汗かき現象を確認したがシール材の表面にホワイトパウダーは付着していなかった。
【0038】
[実施例3]
実施例1で使用したシリコーン組成物を実施例1と同じ模擬フランジを使用して実施例1と同じビード形状のシール材を形成した。硬化したシール材の硬度を測定したところ前記タイプAデュロメーターで63であった。
【0039】
実施例1と同様にフランジ面間が2.2mmになるように圧接した。この時、シール材は約20%圧縮された。また、実施例1と同様にエンジンオイルを注入し、加熱炉に入れて加速試験を行った。加熱後、エンジンオイルの洩れ、汗かき現象はおきていなかった。更に、このエンジンのロッカカバーとシリンダーブロックの接合部にホワイトパウダーを振りかけて、汗かき現象を確認したがシール材の表面にホワイトパウダーは付着していなかった。
【0040】
[比較例1]
粘度1000csの両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基含有量0.000125モル/g、1分子中のビニル基の数:2個、ビニル基間に介在するジメチルシロキサン単位の平均数:216)100部に比表面積300m2/gのヒュームドシリカ30部、テトラアルコキシシランの部分加水分解物で表面処理した炭酸カルシウム20部、炭酸マグネシウム20部、ヘキサメチルジシラザン6部、水3部をニーダーミキサーに入れ撹拌を3時間続け、ゴムパウンドを得た。
【0041】
これに更に珪素数10個水素基4個、それ以外はメチル基を有する直鎖状のジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体2.18部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.1部とを添加し、均一に混合し、シリコーン組成物を得た。
【0042】
実験装置として実施例1と同じ模擬容器を使用した。模擬容器の下側フランジに前記シール材を幅10mm、高さ3mmのビード状に塗布し、実施例1と同じ条件で硬化させた。硬化したシール材の硬度を測定したところ前記タイプAのデュロメーターで48だった。実施例1と同様にエンジンオイルを充填して、加熱炉で加熱した。また、スペーサー16の高さを21.95mmに選択してボルト・ナットを締結することによりフランジ11,12の突き合わせ面間が1.95mmになるように圧接した。このとき、シール材Sの圧縮率は約30である。
【0043】
加熱終了後、模擬試験容器を分解せずフランジ接合部を目視により確認したところ、エンジンオイルの洩れはなかったが、シール材の表面に光沢があり、フランジ接合部にホワイトパウダーを振りかけたところ、シール材の表面にホワイトパウダーが付着した。よって、汗かき現象が発生していることとなる。
【0044】
[比較例2]
実施例1と同様に実施例1で使用したシール材をビード幅10mmに塗布し、かぶせ型を使用して高さ2.8mmの表面が滑らかなシール材を形成した。硬化したシール材の硬度を測定したところ、前記タイプAデュロメーターで63であった。
【0045】
この模擬容器のフランジ面間が2.5mmになるように圧接した。この時、シール材は約15%圧縮された。実施例1と同条件にてこの容器に前記同様エンジンオイルを充填し、加熱炉に入れた。加熱後、目視にて確認したところ、エンジンオイルの洩れは生じていなかったが、汗かき現象は生じていた。接合部にホワイトパウダーを振りかけると、シール材の表面にホワイトパウダーは付着した。
【0046】
[比較例3]
実施例1で使用したシール材を同様にビード幅10mm、高さ3mmに塗布し、かぶせ型を使用して高さ2.8mmの表面が滑らかなシール材を形成した。硬化したシール材の硬度を測定したところ、前記タイプAデュロメーターで63であった。
【0047】
この模擬容器をフランジ面間が1.5mmになるように圧接した。この時、シール材は46%圧縮された。実施例1と同条件にてこの容器に前記同様のエンジンオイルを充填し、加熱炉に入れた。加熱後、目視にて確認したところ、エンジンオイルの洩れは生じていなかったが汗かき現象は生じていた。接合部にホワイトパウダーを振りかけると、ガスケット表面にホワイトパウダーは付着した。
【0048】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明は現場成形シール材を使用してもエンジンオイルの洩れがなく、また、シール材自体を浸透してその表面にエンジンオイルが滲み出る汗かき現象を回避できる、という従来にない優れた効果を奏するシール方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本実施例で用いた耐圧試験用模擬容器の概略断面図、(b)は前記容器を構成する下側容器の平面図。
【符号の説明】
10 模擬容器
10a 上側容器
10b 下側容器
11 上側フランジ
12 下側フランジ
S シール材
Claims (3)
- ロッカカバーのフランジ部にシール材を塗布してこれを硬化させた後、前記フランジ部をシリンダーブロック側に圧接するロッカカバーのシール方法において、シール材組成物が、
(A)1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中に少なくとも2個の珪素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)前記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して10〜30重量部のフュームドシリカ、
(D)前記(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して50〜100重量部の炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英粉末から選択される無機充填剤からなり、
前記シール材の硬化状態の硬さがJIS K 6253のタイプAデュロメーターで60〜80であって、当該シール材の圧縮率が20〜40%になるように前記ロッカカバーとシリンダーブロックとを圧接することを特徴とするロッカカバーのシール方法。 - 前記(B)成分の配合量は、当該(B)成分中の珪素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中の珪素原子結合アルケニル基のモル数の比が0.5:1〜10:1であることを特徴とする請求項1のロッカカバーのシール方法。
- 前記(A)成分と(B)成分を架橋して硬化させる白金系触媒を更に含むことを特徴とする請求項1又は2記載のロッカカバーのシール方法。
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