JP4048889B2 - 液晶表示装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリ性液晶を有する液晶表示装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、TN、STN、TFT液晶表示素子が広く使用されている。これらの液晶表示素子は、所定の駆動を常時行って表示を行う。これに対し、メモリ性の動作モードを有するコレステリックまたはカイラルネマチック液晶等のメモリ性液晶が注目され、それを備えた液晶表示装置の実用化が検討されている。
【0003】
一対の平行基板間に挟持されたメモリ性液晶は、その液晶ディレクタが一定周期でねじれた「ねじれ構造」を有する。そのねじれの中心軸(以下、ヘリカル軸という。)が基板に対して平均的に垂直方向になる配列が存在する。
【0004】
複数の液晶ドメインの各ヘリカル軸の平均的な方向が基板面に対してほぼ垂直となる状態をプレナー状態という。プレナー状態では、入射光のうちの、液晶層のねじれの向きに対応した円偏光を選択反射する。選択反射される波長λは、液晶組成物の平均屈折率nAVGと液晶組成物のピッチpの積にほぼ等しい(λ=nAVG・p)。
【0005】
ピッチpは、カイラル剤等の光学活性物質の添加量cと光学活性物質の定数HTP(Helical Twisting Power)から、p=1/(c・HTP)によって決まる。したがって、選択反射波長は、光学活性物質の種類と添加量によって調整できる。メモリ性液晶の選択反射波長を可視域外となるようにピッチを設定すれば、選択反射時に目視では透明になり透過散乱の動作モードを呈する。
【0006】
選択反射を呈するプレナー状態に対して、複数の液晶ドメインのヘリカル軸が基板面に対してランダム方向または非垂直方向に配列したフォーカルコニック状態をとることもできる。一般的に、フォーカルコニック状態の液晶層は全体として弱い散乱状態を示す。選択反射時のように特定の波長の光を反射することはない。また、フォーカルコニック状態およびプレナー状態は、無電界時でも安定に存在する。
【0007】
図12(a)はプレナー状態、図12(b)はフォーカルコニック状態の模式図であり、鼓型で示す液晶ドメインの配列状態を示す。
【0008】
図12(b)のフォーカルコニック状態のときに、裏面側に吸収層を設けることよって吸収層の色の表示が得られる。したがって、明状態であるプレナー状態と、暗状態(吸収層が黒の場合)であるフォーカルコニック状態の2状態を利用したメモリ型の表示動作を実現できる。
【0009】
液晶表示装置のセル構造、液晶材料、駆動法などの基本構成については、非特許文献1や特許文献1〜6に示されている。また、特許文献2は、プレナー状態とフォーカルコニック状態が混在した安定的な中間状態が存在し、表示に利用できることを示している。
【0010】
次に、液晶表示装置の駆動法について説明をする。特許文献1では、駆動電圧の振幅の大きさによって、プレナー状態をフォーカルコニック状態に、またフォーカルコニック状態をプレナー状態にそれぞれ変化させている。後者の場合は、液晶分子が電圧印加方向にほぼ平行になるホメオトロピック状態を経由して起こすので、最も高い電圧が必要とされる。
【0011】
メモリ性液晶では、一連の印加電圧波形の実効値が直接電圧消去後の状態を決定するのではなく、電圧消去後の表示は、直前に印加された電圧パルスの印加時間および振幅値に依存する。
【0012】
次に、液晶表示装置におけるマトリクス表示について説明する。フォーカルコニック状態に転移させる電圧をVFとし、プレナー状態に転移させる下限電圧をVPとし、電圧を印加しても表示状態が変わらない上限電圧をVSとする。
【0013】
線順次駆動を行う場合、行電極に電圧振幅Vrの電圧パルスを入力し、それに同期して列電極には電圧振幅Vcの電圧パルス(選択パルス)を入力する。各行電極に対して1度ずつ選択パルスを入力して、1表示シーケンスを完了する。表示シーケンスにおいて、オン表示が選択された場合には表示画素に(Vr+Vc)の電圧振幅が1度だけ入力され、オン表示の非選択期間では電圧Vcが印加される。また、オフ表示が選択された場合には表示画素に(Vr−Vc)の電圧振幅が1度だけ入力され、オフ表示の非選択期間では電圧Vcが印加される。オン時にはプレナー状態が選択され、オフ時にはフォーカルコニック状態が選択されるとすると、それぞれの条件は以下の通りである。
【0014】
Vr+Vc>VP、Vr−Vc=VF
【0015】
さらに、書き込まれた状態が変化しないように、Vc<VSでなければならない。以上のように印加電圧の制御を行えばマトリクス表示が可能になる。
【0016】
液晶表示装置では走査電極数が増加しても、表示データが書き込まれた状態での表示品位は悪化しない。また、電極数が増加しても駆動電圧は増大しない。
【0017】
【特許文献1】
米国特許第3936815号明細書
【0018】
【特許文献2】
米国特許第4097127号明細書
【0019】
【特許文献3】
米国特許出願公開第2002/0036614A1明細書
【0020】
【特許文献4】
米国特許出願公開第2002/0047819A1明細書
【0021】
【特許文献5】
米国特許出願公開第2002/0122148A1明細書
【0022】
【特許文献6】
米国特許出願公開第2002/0126229A1明細書
【0023】
【非特許文献1】
George H.Heilmeier, Joel E.Goldmacher et al, Appl. Phys. Lett., 13(1968),132
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
液晶表示装置では、電圧消去後の表示は、直前に印加された電圧パルスの印加時間および振幅値に依存するので、表示を保持するために常時電圧を印加する必要はないのであるが、長時間放置しておくと、新たな表示データを書き込むときに、それ以前の表示状態が残像として残ってしまう現象が生ずる。このような残像を残さずに、新たな表示データを書き込めることが望ましい。
【0025】
また、行電極および列電極には、それぞれ駆動IC(行ドライバおよび列ドライバ)によって電圧パルスが入力される。駆動ICには、電源形成用IC(液晶電源装置)から必要な電圧が供給される。駆動ICは複数の演算増幅器接続部(以下、オペアンプ接続部と記す。)を有し、駆動ICと液晶電源装置は、可変抵抗および演算増幅器(オペアンプ)を介して接続される。駆動ICの各オペアンプ接続部には所定の電位が設定され、各オペアンプ接続部の電位の高低関係は保たれる必要がある。しかし、液晶表示装置を駆動する際、全行電極を同時に選択し、画面全体のメモリ性液晶に電圧を印加しようとすると、駆動ICを流れる電流が多くなり、駆動ICの負荷が大きくなる。具体的には、各オペアンプ接続部の電位の高低関係が保たれなくなる場合が生じる。多くの電流が流れても各オペアンプ接続部の電位の高低関係が保たれるような駆動ICを実現する場合、駆動ICを大きくする必要が生じたり、消費電力が増加してしまうことが考えられる。また、液晶駆動装置の生産コストも高くなってしまう。
【0026】
また、表示書換時間の短縮化、駆動ICの簡易化、書き換えた表示のコントラストの向上等を図れることが望ましい。
【0027】
本発明は、上記の課題を解決し、残像を残さずに、また、駆動ICに負荷を与えずに新たな表示を書き込むことができる液晶表示装置の駆動方法を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明の態様1は、カイラルネマチック液晶を含み少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ性液晶層と、複数のコモン電極および複数のセグメント電極を含み、コモン電極を1本ずつ選択するように走査する液晶表示装置の駆動方法であって、コモン電極の総数をL、メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をAt秒、メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を印加する少なくとも1回の走査であり、全てのコモン電極を1本ずつ選択するように行う走査の回数をAn回(A n :1以上の整数)、メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をBt秒、メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を印加する走査の回数をBn回(B n :0以上の整数)、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をWt秒、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶層に印加する走査の回数をWn回(W n :2以上の整数)としたときに、L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)が所定の時間以下となるようにAn、Bn、およびWnを定め、メモリ性液晶層をオン表示にするためのオン電圧を、メモリ性液晶層をオフ表示にするためのオフ電圧よりも高くし、オン電圧をメモリ性液晶層に印加し、次にオフ電圧をメモリ性液晶層に印加し、次に表示データに対応する電圧をメモリ性液晶層に印加することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0029】
本発明の態様2は、カイラルネマチック液晶を含み少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ性液晶層と、複数のコモン電極および複数のセグメント電極を含み、コモン電極を1本ずつ選択するように走査する液晶表示装置の駆動方法であって、コモン電極の総数をL、メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をA t 秒、メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を印加する少なくとも1回の走査であり、全てのコモン電極を1本ずつ選択するように行う走査の回数をA n 回(A n :1以上の整数)、メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をB t 秒、メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を印加する走査の回数をB n 回(B n :0以上の整数)、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をW t 秒、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶層に印加する走査の回数をW n 回(W n :1以上の整数)としたときに、L(A t ・A n +B t ・B n +W t ・W n )が所定の時間以下となるようにA n 、B n 、およびW n を定め、メモリ性液晶層をオン表示にするためのオン電圧を、メモリ性液晶層をオフ表示にするためのオフ電圧よりも高くし、オン電圧をメモリ性液晶層に印加し、次にオフ電圧をメモリ性液晶層に印加し、At=Bt=Wtを満足する液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、駆動装置を簡易化することができる。
【0030】
本発明の態様3は、An=Bn=Wn (ただしB n =0の場合を除く。)を満足する液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、駆動装置を簡易化することができる。
【0031】
本発明の態様4は、Bn=0であってメモリ性液晶層にオフ電圧を印加しない液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0032】
本発明の態様5は、Bn=0であってメモリ性液晶層にオフ電圧を印加せず、かつAn=Wnを満足する液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、駆動装置を簡易化することができる。
【0033】
本発明の態様6は、At≧Wtを満足する液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、コントラストを向上でき、また、動作許容電圧を広げることができる。
【0034】
本発明の態様7は、At≧1.2・Wtを満足する液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、さらにコントラストを向上でき、また、動作許容電圧をさらに広げることができる。
【0035】
本発明の態様8は、Wnが、1または2である液晶表示装置の駆動方法を提供する。このような駆動方法によれば、表示の書き換え完了までの時間を短縮することができる。
【0036】
本発明の態様9は、A n =W n =2である液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0037】
本発明の態様10は、メモリ性液晶層によって生ずる選択反射波長域に可視光が含まれる液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0038】
本発明の態様11は、メモリ性液晶層によって生ずる選択反射波長域に赤外光または紫外光が含まれる液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0039】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の液晶表示装置の模式的断面図を示す。図1に示す液晶表示装置は、ガラス基板1A、1B、電極2A、2B、高分子薄膜3A、3B、液晶組成物(メモリ性液晶)4、および裏面側に黒色の光吸収体5が配置され、フォーカルコニック状態とプレナー状態を安定に表示する液晶パネルである。電極2A、2Bの一方は行電極(コモン電極)であり、他方は列電極(セグメント電極)である。以下の説明では、電極2Aが列電極であり、電極2Bが行電極であるとする。
【0040】
高分子薄膜3A、3Bは、ポリイミド等の有機薄膜によって形成する。高分子薄膜3A、3Bの代わりにシリカなどの無機薄膜を形成してもよい。しかし、メモリ性液晶に接する薄膜の表面をラビング処理すると、薄膜の種類によってはメモリ性液晶のフォーカルコニック状態の安定性が失われてしまうことがある。よって、ラビング無しの薄膜を設けるか、または、電極と液晶組成物が直接接するように設ける。
【0041】
電極間間隙はスペーサー等で保持し、2〜15μmが好ましい。さらには、3〜6μmが好ましい。電極間隙が小さすぎると表示のコントラスト比が低下し、大きすぎると駆動電圧が上昇するからである。
【0042】
表示の態様は、例えば、ドットマトリックス表示である。コモン電極を走査する表示態様であれば、セグメント表示などの非フルドットマトリックス表示であってもよい。基板は、ガラス基板でも樹脂基板でもよく、また、ガラス基板と樹脂基板の組み合わせでもよい。反射表示素子として用いる場合には、どちらか一方の基板の内面または外面に光吸収体を設置するか、または、基板として光吸収機能を有するものを用いてもよい。
【0043】
電極面内に微量のスペーサーを散布し、対向させた基板の四辺を注入孔を除いてエポキシ樹脂等のシール材で封止し、真空注入によって液晶組成物をセルに満たす。
【0044】
図2は、液晶パネル(液晶表示装置)を駆動する駆動装置の構成例を示すブロック図である。コントローラ11は、行ドライバ12に行電極への電圧パルス入力を指示し、列ドライバ13に列電極への電圧パルス入力を指示する。液晶電源装置14は、行ドライバ12および列ドライバ13に必要な電圧を供給する。行ドライバ12および列ドライバ13は、コントローラ11の指示に従い、行電極2Bおよび列電極2Aに電圧パルスを入力する。コントローラ11は、各電極の電位を切り替えて、メモリ性液晶4をプレナー状態やフォーカルコニック状態に移行させる。以下、プレナー状態の表示をオン表示、フォーカルコニック状態の表示をオフ表示と記す。
【0045】
次に、液晶パネル100の表示を書き換えるときの動作について説明する。
まず、液晶駆動装置は、行電極2Bを1本ずつ選択しながら線順次走査し、各画素に配置されたメモリ性液晶4をプレナー状態に移行させるための電圧(オン表示とするための電圧)を印加する。この電圧が印加されるとメモリ性液晶4はホメオトロピック状態になる。そして、電圧印加が終了するとメモリ性液晶4はプレナー状態に移行し、オン表示となる。行電極2Bを走査しながら全画素をオン表示にするので、これまで表示されていた画面が消去される。液晶駆動装置は、全ての行電極2Bを一本ずつ選択する行電極2Bの走査を少なくとも1回行い、画面全体をオン表示にする。
【0046】
続いて、液晶駆動装置は、行電極2Bを線順次走査して、表示データに対応する電圧を印加する。この結果、所望の表示が書き込まれ、表示の書き換えが完了する。液晶駆動装置は、行電極2Bの走査を少なくとも1回行って、表示データを書き込む。
【0047】
メモリ性液晶をオン表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの各行電極2Bの選択時間をAt秒とする。また、メモリ性液晶をオン表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をAn回とする。同様に、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶に印加するときの各行電極2Bの選択時間をWt秒とし、表示データに対応する電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をWn回とする。
【0048】
図3は、表示書換時の駆動波形の例を示す説明図である。図3は、An=Wn=2である場合の例を示す。すなわち、画面全体をオン表示とするための走査と、表示データを書き込むための走査をそれぞれ2回ずつ行ったときの例を示す。時間Tp1,Tp2は、それぞれオン表示とするための1回目の走査時間と2回目の走査時間を示す。同様に、時間Td1,Td2は表示データを書き込むための1回目の走査時間と2回目の走査時間を示す。
【0049】
図3(a)は一つの行電極2Bに印加される駆動波形の例であり、図3(b)は一つの列電極2Aに印加される駆動波形の例である。図3(a),(b)に示すように、行ドライバ12は選択された行電極2Bに電圧振幅Vrの電圧パルスを入力する。列ドライバ13は、列電極2Aに電圧振幅Vcの電圧パルスを入力する。このとき、既に述べたVr+Vc>VP、Vr−Vc=VF、Vc<VSという条件を満足するようにVrおよびVcを定める。図3(c)は、図3(a),(b)に示す電圧パルスが入力されたときにメモリ性液晶4に印加される電圧の波形を示す。
【0050】
時間Tp1において、行ドライバ12は、選択された行電極2Bの電位をVrに設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。時間Tp1では、各行電極2Bの選択時間はAtである。また、列ドライバ13は、時間Tp1の間、全ての列電極2Aの電位を−Vcに設定する。この結果、図3(c)に示すように、選択された行の画素のメモリ性液晶4にはVr+Vcの電圧が印加され、電圧印加終了後、その画素はオン表示へ移行する。また、選択されていない行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vcが印加される。電圧Vcが印加されても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12および列ドライバ13は、時間Tp2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0051】
図4は、表示書換時の画面変化の例を示す説明図である。最初に図4(a)に示す画面が表示されていたとする。時間Tp1において、オン表示とするための1回目の走査を行うと、全画素がオン表示に移行し、図4(b)に示すように、表示が消え始める。時間Tp2において、2回目の走査を行うとさらに表示が消え、図4(c)に示すように残像が消える。
【0052】
時間Td1において、行ドライバ12は、選択された行電極2Bの電位をVrに設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。時間Td1では、各行電極2Bの選択時間はWtである。また、列ドライバ13は、各列電極2Aを、選択された行の表示データに応じてVcまたは−Vcに設定する。この結果、選択された行の各画素のメモリ性液晶4にはVr+VcまたはVr−Vcの電圧設定され、各画素がオン表示またはオフ表示に移行する。各行電極2Bが走査されることにより所望の表示に書き換えられる。なお、選択されていない行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vcが印加される。電圧Vcが印加されても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12および列ドライバ13は、時間Td2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0053】
図3では、時間Td1,Td2において、一つの列電極2Aに電圧Vcが連続的に設定される場合を示した。
【0054】
時間Tp2における走査の後、時間Td1において表示データを書き込むための走査を行うと、図4(d)に示すように所望の表示が書き込まれる。時間Td2において、表示データを書き込むための2回目の走査を行うと、コントラストがより改善され、図4(e)に示すように表示データの書き込みが完了する。
【0055】
ここでは、オン表示とするための走査と、表示データを書き込むための走査を2回ずつ行う場合(An=Wn=2の場合)を示したが、各走査回数は2回でなくてもよい。例えば、電圧Vr+Vcをより高く設定したり、選択時間Atを長く設定すれば、オン表示とするための走査を1回行うだけで図4(c)に示すように残像を消すことができる。逆に、電圧Vr+Vcをより低く設定したり、選択時間Atを短くすれば、残像を消すための走査回数Anは増加する。
【0056】
表示データを書き込むための走査を行う場合においても、Vr+Vcの電圧をより高く設定したり、選択時間Wtを長く設定すれば、1回の走査で表示データの書き込みを完了することができる。逆に、Vr+Vcの電圧をより低く設定したり、選択時間Wtを短く設定すれば、表示データを書き込むための走査回数Wnは増加する。複数回の走査で表示データを書き込む場合には、1回目の走査後と2回目の走査後のコントラストの差が最も大きく、3回目以降の走査ではコントラストの改善の程度は徐々に減少する。
【0057】
なお、Vr+Vcをより高く設定したり、選択時間Atや選択時間Wtを長く設定すると、走査1回あたりの消費電力は増加する。また、選択時間Atや選択時間Wtを長く設定すれば、1回の走査に要する時間も長くなる。
【0058】
オン表示とするための走査回数Anと、表示データを書き込むための走査回数Wnは、行電極2Bの総数をLとしたときに、L(At・An+Wt・Wn)が所定の時間以内になるように定めることが好ましい。L(At・An+Wt・Wn)は、オン表示とするための走査の開始から、表示データの書き込み終了までの時間である。したがって、L(At・An+Wt・Wn)が所定の時間以内になるという条件を満たすように、AnおよびWnを定めれば、所定時間内に表示データの書き換えを完了することができる。表示データの書き換えを行うオペレータは、書換時間が60秒を超えると、時間がかかりすぎると感じることが多い。そのため、L(At・An+Wt・Wn)が60秒以内になるようにAnおよびWnを定めることが好ましい。特に、表示データを書き込むための走査回数Wnを1回または2回とすれば、表示の書き換え時間をより短縮できる。従って、Wnを1回または2回に定めることが好ましい。
【0059】
オン表示とするための走査および表示データを書き込むための走査において、各行電極2Bの選択時間At,Wtが等しければ、一種類の選択時間を設定すればよいので、コントローラ11、行ドライバ12、および列ドライバ13を簡易化することができる。同様に、走査回数An,Wnを等しくする場合にも、コントローラ11等を簡易化できる。従って、コントローラ11等の簡易化の観点からは、選択時間At,Wtを等しく定めたり、あるいは、走査回数An,Wnを等しく定めることが好ましい。
【0060】
また、At≧Wtとすれば、書き込んだ表示のコントラストを向上させ、また、動作許容電圧を広げることができる。ここで、動作許容電圧について説明する。オン表示とするためにメモリ性液晶に電圧V1を印加することによって、最良のコントラストが得られるとする。しかし、オン表示とするための電圧としてV1から少しずれた電圧を印加しても良好なコントラストを維持できる。電圧V1を中心にして、良好なコントラストを維持できる電圧の幅を動作許容電圧という。コントラストと動作許容電圧の向上の観点からは、At≧Wtとすることが好ましく、特にAt≧1.2・Wtとすることが好ましい。At≧1.5・Wtとすれば、さらにコントラストや動作許容電圧を向上できる。
【0061】
また、画面全体をオン表示とした後に、画面全体をオフ表示にしてから表示データを書き込んでもよい。この場合、液晶駆動装置は、オン表示とするための走査を行った後に、行電極2Bを線順次走査し、各画素に配置されたメモリ性液晶4をフォーカルコニック状態に移行させる電圧(オフ表示とするための電圧)を印加する。この線順次走査によって各画素のメモリ性液晶4をフォーカルコニック状態にするので、画面全体がオフ表示となる。
【0062】
図5は、画面全体をオフ表示にしてから表示データを書き込むときの駆動波形の例を示す説明図である。図5(a)は一つの行電極2Bに印加される駆動波形の例であり、図5(b)は一つの列電極2Aに印加される駆動波形の例である。図5(c)は、図5(a),(b)に示す電圧パルスが入力されたときのメモリ性液晶4の印加電圧の波形を示す。図5に示す時間Tp1,Tp2,Td1,Td2における駆動波形は、図3に示す場合と同様である。時間Tf1,Tf2は、それぞれオフ表示とするための1回目の走査時間と2回目の走査時間を示す。
【0063】
メモリ性液晶をオフ表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの各行電極2Bの選択時間をBtとする。また、メモリ性液晶をオフ表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をBn回とする。図5は、Bn=2の場合を示している。
【0064】
図5に示す例では、時間Tp1,Tp2においてオン表示とするための走査を2回行って、画面全体をオン表示にする。続いて、時間Tf1において、行ドライバ12は、選択された行電極2Bの電位をVrに設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。また、列ドライバ13は、時間Tf1の間、全ての列電極2Aの電位をVcに設定する。この結果、図5(c)に示すように、選択された行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vr−Vcが印加され、そのメモリ性液晶4は、フォーカルコニック状態に移行する。すなわち、選択された行の画素はオフ表示に移行する。また、選択されていない行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vcが印加される。電圧Vcが印加されても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12および列ドライバ13は、時間Tf2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0065】
時間Tf1,Tf2における走査で、画面全体がオフ表示になる。続いて、時間Td1,Td2における走査で表示を書き込む。
【0066】
オン表示とするための走査を行った後にオフ表示とするための走査を行うと、表示データの書換後のコントラストが向上する。したがって、コントラストを向上させるためには、オフ表示とするための走査を行うことが好ましい。
【0067】
オフ表示とするための走査回数は、2回に限定されない。各行電極2Bの選択時間Btを長く設定すれば、オフ表示とするための走査を1回行うだけで画面全体をオフ表示にすることができる。逆に選択時間Btを短くすれば、画面全体をオフ表示とするための走査回数Bnは増加する。
【0068】
本例の場合、L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)が所定の時間以内になるようにAn、Bn、およびWnを定めることが好ましい。特に、L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)が60秒以内になるようにAn、Bn、およびWnを定めることが好ましい。L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)は、オン表示とするための走査の開始から、表示データの書き込み終了までの時間である。したがって、L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)が60秒以内になるようにAn、Bn、およびWnを定めれば、60秒以内に書き換えを完了することができる。特に、表示データを書き込むための走査回数Wnを1回または2回とすれば、表示の書き換え時間をより短縮できる。従って、Wnを1回または2回に定めることが好ましい。
【0069】
本例においても、選択時間や走査回数を一種類に定めれば、コントローラ11、行ドライバ12、および列ドライバ13を簡易化できる。従って、コントローラ11等の簡易化の観点からは、At,Bt,およびWtを等しく定めたり、あるいは、走査回数An,Bn,およびWnを等しく定めることが好ましい。
【0070】
また、本例においても、コントラストと動作許容電圧の向上の観点からは、At≧Wtとすることが好ましく、特にAt≧1.2・Wtとすることが好ましい。At≧1.5・Wtとすれば、さらにコントラスト等を向上できる。
【0071】
図3に示すような、画面全体をオン表示とした後に、画面全体をオフ表示にせずに表示データを書き込む駆動方法は、本例においてBn=0とした場合に該当する。
【0072】
上記の各例に示す駆動方法によれば、新たな表示を書き込む前に、全画素をオン表示またはオフ表示にするので、残像を消去することができる。また、全画素をオン表示やオフ表示にするときに、行電極2Bを1本ずつ選択しながら走査するので、行ドライバ12に負荷が生じることがない。
【0073】
上記の各例では、行電極2Bおよび列電極2Aに入力される電圧パルスの電圧振幅がそれぞれVr,Vcで一定である場合を示した。オン表示とするための走査、オフ表示とするための走査、および表示データを書き込むための走査で、これらの電圧振幅を変化させてもよい。
【0074】
例えば、表示データを書き込むための走査では、行電極2Bおよび列電極2Aに対する電圧振幅をそれぞれVr,Vcとして、各画素にVr+VcまたはVr−Vcの電圧を印加するものとする。このとき、オン表示とするための走査では、VrおよびVc以外の電圧振幅でメモリ性液晶にVr+Vcとは異なる電圧を印加することで画面全体をオン表示にしてもよい。同様に、オフ表示とするための走査でも、Vr,Vc以外の電圧振幅でメモリ性液晶にVr−Vcとは異なる電圧を印加することで画面全体をオフ表示にしてもよい。以下、オン表示とするための走査においてメモリ性液晶に印加される電圧をAvと記し、オフ表示とするための走査においてメモリ性液晶に印加される電圧をBvと記す。
【0075】
ただし、メモリ性液晶をプレナーに移行させるための電圧は、フォーカルコニックに移行させるための電圧よりも高い。したがって、メモリ性液晶をオン表示とするための電圧Avは、メモリ性液晶をオフ表示とするための電圧Bvよりも高くする。このように電圧Avを印加して画面全体をオン表示にした後に、電圧Avより低い電圧Bvを印加して画面全体をオフ表示にすることで、表示データを書き込んだのちに良好なコントラストと動作許容電圧が得られる。
【0076】
なお、上記の各例では、線順次走査を行う場合について説明したが、行電極2Bの走査は線順次走査でなくてもよい。
【0077】
上記の各例において、各走査毎に極性を逆転させながら、メモリ性液晶4に電圧を印加してもよい。すなわち、各走査毎に、行電極2Bの電位と列電極2Aの電位の高低関係を逆転させて電圧を印加してもよい。図6は、オン表示とするための走査において各走査毎に極性を逆転させる場合の駆動波形の例を示す。図6(a),(b)は、それぞれ一つの行電極2B、一つの列電極2Aに印加される駆動波形を示す。図6(c)は、メモリ性液晶4に印加される電圧の波形を示す。図6(c)では、行電極2Bの電位が列電極2Aの電位よりも高く設定された場合の電圧を正として示し、行電極2Bの電位が列電極2Aの電位よりも低く設定された場合の電圧を負として示している。
【0078】
図6に示すように、1回目の走査で選択した行電極2Bの電位をVrとしたならば、次の走査では選択した行電極2Bの電位を−Vrに設定する。一方、列電極2Aの電位は、1回目の走査で−Vcに設定したならば、2回目の走査でVcに設定する。この結果、1回目の走査で選択された行のメモリ性液晶にはVr+Vcが印加され、2回目の走査で選択されたときには−(Vr+Vc)が印加される。このように、極性の逆転を繰り返して電圧を印加してもよい。オフ表示とするための走査や、表示データを書き込むための走査においても、各走査毎に極性を反転させてよい。
【0079】
また、各行電極2Bの選択時間内で極性を反転させてもよい。すなわち、選択時間内で行電極2Bの電位と列電極2Aの電位の高低関係を逆転させながら、電圧を印加してもよい。図7は、オン表示とするための走査において、選択期間内で極性を逆転させる場合の駆動波形の例を示す。図7(a),(b)は、それぞれ一つの行電極2B、一つ列電極2Aの駆動波形である。図7(c)は、メモリ性液晶に印加される電圧の波形である。図7に示すように、選択期間At内で、行電極2Bの電位を、Vr,−Vrに交互に逆転する。また、列電極2Aの電位を、−Vc,Vcに交互に逆転する。この結果、選択された行のメモリ性液晶4には、Vr+Vc,−(Vr+Vc)の電圧が交互に印加される。このように、選択期間内で極性を反転させてもよい。オフ表示とするための走査や、表示データを書き込むための走査においても、同様に極性を反転させてよい。
【0080】
選択期間内で極性を反転させるようにすると、消費電力が増加する。しかし、表示データを書き込むための走査において、選択期間内で極性を反転させると、画面に筋が発生することを防止できる。よって、表示書換時の見映えを向上させるために、表示データを書き込むための走査では、選択期間内で極性を反転させることが好ましい。
【0081】
【実施例】
次に、本発明の実施例について説明する。
[例1]240本のストライプ状の透明電極を有するガラス基板と、320本のストライプ状の透明電極を有するガラス基板を作成した。各ガラス基板の液晶層と接する面に無機薄膜を作成し、その後、上下基板面に直径4μmの樹脂性のスペーサーを散布した。注入孔を除く四辺に、幅約0.4mmで印刷したエポキシ樹脂を介してストライプ状電極が交差するように、ガラス基板を重ね合わせて、空セルを形成した。
【0082】
市販のネマチック液晶(メルク・ジャパン株式会社製「MJ00423」:Tc=94.0℃、Δn=0.230、ε=15.0)の70.8質量部、式1に示すカイラル剤14.6質量部、式2に示すカイラル剤14.6質量部からなるカイラルネマチック液晶A(以下、液晶Aと記す。)を調整した。
【0083】
【化1】
【0084】
【化2】
【0085】
上述したように、液晶層のピッチpは、カイラル剤等の光学活性物質の添加量cと、光学活性物質のHTP(ヘリカル・ツイスティング・パワー)の定数に基づき、p=1/(c・HTP)の式で決定される。
よって、カイラルネマチック液晶表示素子の選択反射波長を、赤外線、紫外線および可視域の波長領域になるように、調整することができる。
たとえば、前記のネマチック液晶(MJ00423)を83質量部、式1に示すカイラル剤を8.5質量部、式2に示すカイラル剤を8.5質量部からなるカイラルネマチック液晶の選択波長域は赤外光領域となる。そして、カイラルネマチック液晶を含むメモリ性液晶が、プレナー状態の際に透明、フォーカルコニック状態の際に散乱を示し、この2状態を電圧で可逆的に制御可能である。このようにして、透過散乱の2つの表示状態を呈することができる。
【0086】
先に作製した空セルに液晶Aを真空注入法で注入し、注入孔を紫外線硬化の封止材で封止して液晶パネルを作製した。この液晶パネルでは、240本の透明電極を行電極、320本の透明電極を列電極とし、行ドライバおよび列ドライバをそれぞれ行電極および列電極に接続した。なお、本例では、行ドライバおよび列ドライバを備える駆動装置として、サンウォーター株式会社製の任意波形発生器を使用した。
【0087】
図8は、駆動パラメータの組み合わせの例と、各組あわせにおけるコントラスト等の計測結果を示す。図8に示すように、オン表示とするための走査回数An、メモリ性液晶をオン表示とするための電圧Av、オフ表示とするための走査回数Bn、メモリ性液晶をオフ表示とするための電圧Bv、表示データを書き込むための走査回数Wn、選択時間At,Bt,Wtを変化させて、液晶パネルを駆動した。表示データを書き込むための走査における行電極に対する電圧振幅Vrは16Vとし、列電極に対する電圧振幅Vcは2Vとした。すなわち、表示を書き込むための走査では、オン表示とするメモリ性液晶にVr+Vc=18Vを印加し、オフ表示とするメモリ性液晶にVr−Vc=14Vを印加した。
【0088】
この各パラメータの組み合わせにおける、表示書換時間およびコントラストを計測し、また、表示を書き換えた後に残像が生じているか否かを確認した。計測結果は、図8に示すとおりである。図8に示す各パラメータの組み合わせにおいて、表示書換時間はいずれも60秒以下であった。また、いずれの場合も6以上のコントラストを実現することができ、残像は確認されなかった。
【0089】
[比較例1]オン表示とするための走査と、オフ表示とするための走査を行わずに表示を書き換えた。このときのパラメータの組み合わせおよび計測結果を図9に示す。図9に示すように、表示データを書き込むための走査回数Wnを変化させた。また、選択時間Wtは20msとした。この場合、図9に示すように、コントラストは例1の場合よりも低くなり、また、残像が確認された。
【0090】
例1と比較例1の結果から、画面全体をオン表示とするための走査やオフ表示とするための走査を行い、次に表示データを書き込むための走査を行うことで、残像がなく、よりコントラストが高い表示が得られることがわかる。
【0091】
また、電圧Avを18Vとし、電圧Vr+Vcも18Vとなるようにして、液晶パネルを駆動した。このとき、選択時間Wtと選択時間Atの比を変化させて、表示書換後のコントラストおよび動作許容電圧を測定した。この測定結果を図10に示す。この測定結果から、選択時間Wtよりも選択時間Atを長くしていけば、コントラストはより向上し、また動作許容電圧はより広がることがわかる。
【0092】
次に、本発明の駆動方法により駆動される液晶表示装置の使用例について説明する。従来、小売店では、商品の価格等を記載した札(以下、棚札と記す。)を商品棚に貼って価格等を示していた。本発明の駆動方法により駆動される液晶表示装置は、棚札として用いることができる。図11は、棚札として使用された液晶表示装置が表示する情報の例である。日毎に価格等の情報が変わる場合には、本発明の駆動方法によって新たな表示に書き換えればよい。図11に示す情報を書き換える場合であっても、新たな表示に「98円」等の情報が残像として残ることはない。縦9cm、横11cmの大きさの表示を行う場合、例えば、240本の行電極と320本の列電極を用いて、図11に示す表示を書き込むことができる。なお、このときの1画素の大きさは、縦0.33mm、横0.33mmである。
【0093】
下記の表1は、本発明におけるAn,BnおよびWnのようなパラメータのその他の組み合わせを示すものである。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】
本発明の態様1では、残像を残さずに、所定の時間以内で表示を書き換えることができ、また、行ドライバや列ドライバでの負荷発生を防止することができる。また、良好なコントラストで表示を行うことができる。態様2では、At=Bt=Wtとするので駆動装置を簡易化することができる。態様3では、An=Bn=Wnとするので駆動装置を簡易化することができる。
【0096】
態様4のようにBn=0としても、残像を残さずに、所定の時間以内で表示を書き換えることができ、また、行ドライバや列ドライバでの負荷発生を防止することができる。また、態様5では、Bn=0かつAn=Wnとするので駆動装置を簡易化することができる。
【0097】
態様6では、At≧Wtとするので、コントラストを向上でき、また、動作許容電圧を広げることができる。態様7では、At≧1.2・Wtとするので、よりコントラストを向上でき、より動作許容電圧を広げることができる。態様8では、Wnを1または2とするので、表示の書き換え完了までの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メモリ性液晶を用いた液晶パネルの概略構成を示す断面図。
【図2】 液晶パネルを駆動する駆動装置の構成例を示すブロック図。
【図3】 表示書換時の駆動波形の例を示す説明図。
【図4】 表示書換時の画面変化の例を示す説明図。
【図5】 表示書換時の駆動波形の例を示す説明図。
【図6】 各走査毎の極性の逆転の例を示す説明図。
【図7】 選択時間内における極性の逆転の例を示す説明図。
【図8】 実施例の設定パラメータおよび測定結果を示す図。
【図9】 比較例の設定パラメータおよび測定結果を示す図。
【図10】 選択時間の比を変化させたときのコントラストおよび動作許容範囲電圧の測定結果を示す図。
【図11】 液晶パネルが表示する情報の例を示す説明図。
【図12】 メモリ性液晶の配向状態の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1A,1B ガラス基板
2A,2B 電極
3A,3B 高分子薄膜
4 液晶組成物
5 光吸収体
11 コントローラ
12 行ドライバ
13 列ドライバ
14 液晶電源装置
Claims (11)
- カイラルネマチック液晶を含み少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ性液晶層と、複数のコモン電極および複数のセグメント電極を含み、コモン電極を1本ずつ選択するように走査する液晶表示装置の駆動方法であって、
コモン電極の総数をL、
前記メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をAt秒、
前記メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を印加する少なくとも1回の走査であり、全てのコモン電極を1本ずつ選択するように行う走査の回数をAn回(A n :1以上の整数)、
前記メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をBt秒、
前記メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を印加する走査の回数をBn回(B n :0以上の整数)、
表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をWt秒、
表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加する走査の回数をWn回(W n :2以上の整数)としたときに、
L(At・An+Bt・Bn+Wt・Wn)が所定の時間以下となるようにAn、Bn、およびWnを定め、前記メモリ性液晶層をオン表示にするためのオン電圧を、前記メモリ性液晶層をオフ表示にするためのオフ電圧よりも高くし、
オン電圧を前記メモリ性液晶層に印加し、
次にオフ電圧を前記メモリ性液晶層に印加し、
次に表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。 - カイラルネマチック液晶を含み少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ性液晶層と、複数のコモン電極および複数のセグメント電極を含み、コモン電極を1本ずつ選択するように走査する液晶表示装置の駆動方法であって、
コモン電極の総数をL、
前記メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をA t 秒、
前記メモリ性液晶層をオン表示にするための電圧を印加する少なくとも1回の走査であり、全てのコモン電極を1本ずつ選択するように行う走査の回数をA n 回(A n :1以上の整数)、
前記メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をB t 秒、
前記メモリ性液晶層をオフ表示にするための電圧を印加する走査の回数をB n 回(B n :0以上の整数)、
表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加するときの各コモン電極の選択期間をW t 秒、
表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加する走査の回数をW n 回(W n :1以上の整数)としたときに、
L(A t ・A n +B t ・B n +W t ・W n )が所定の時間以下となるようにA n 、B n 、およびW n を定め、前記メモリ性液晶層をオン表示にするためのオン電圧を、前記メモリ性液晶層をオフ表示にするためのオフ電圧よりも高くし、
オン電圧を前記メモリ性液晶層に印加し、
次にオフ電圧を前記メモリ性液晶層に印加し、
次に表示データに対応する電圧を前記メモリ性液晶層に印加し、
At=Bt=Wtを満足する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。 - An=Bn=Wn (ただしB n =0の場合を除く。)を満足する請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- Bn=0であってメモリ性液晶層にオフ電圧を印加しない請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- Bn=0であってメモリ性液晶層にオフ電圧を印加せず、かつAn=Wnを満足する請求項1または2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- At≧Wtを満足する請求項1、3、4、または5に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- At≧1.2・Wtを満足する請求項1、3、4、または5に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- Wnが、1または2である請求項2、3、4、5、6、または7に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- A n =W n =2である請求項1〜8のいずれか1項に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- メモリ性液晶層によって生ずる選択反射波長域に可視光が含まれる請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置の駆動方法。
- メモリ性液晶層によって生ずる選択反射波長域に赤外光または紫外光が含まれる請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示装置の駆動方法。
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