JP4053621B2 - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に係り、特に樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造を用いて視野角を拡大する液晶表示装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、視野角を拡大するために種々の改善がなされてきた。その技術の一つとして、樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造を用いるものがあり、その構造と特性が特開平7−120728号公報に詳述されている。その基本的な構造と製造方法について、図9〜図10を参照して説明する。
【0003】
図9において、ガラス基板10,11の内面に透明電極20,21が配設され、その間隙部に樹脂層140が形成されている。この樹脂層140の内部に、表示セルに対応して複数の穴141が形成され、その中に液晶150が封入されている。
【0004】
この液晶150としては、通常、カイラル剤が添加されたネマチック液晶が用いられ、樹脂としては光硬化性樹脂が用いられる。このような液晶150を含む穴141は、次のようにして形成される。
【0005】
上記の液晶材料と樹脂材料とを混合した材料を基板間に封入し、表示セルに対応する穴の部分を遮光するホトマスクを用いて紫外線を照射する。この紫外線照射により、穴の外側の部分で、樹脂が重合反応を起こして液晶材料と樹脂材料とが相分離する。この重合反応と相分離とが進むことにより、穴の外側には樹脂が凝集し、穴の部分には液晶が凝集して固化する。その結果、図9に示したように、穴141の中に液晶150が充填された樹脂層140が形成される。
【0006】
このように樹脂層の穴141に封入された液晶150は、図10に示すように配向する。図中、151,152,153は、図9のS151(上層),S152(中層),S153(下層)に対応する面の液晶の配向状態を示す平面図である。上層と下層においては、液晶分子が渦巻状に配向し、中層においては液晶分子が同心円状に配向している。このような配向は、まず、液晶150を包み込む樹脂層の穴141の全壁面が水平配向特性を有することによるものであり、次に、液晶分子が、カイラル剤の添加により回転方向に配向しやすくなっていることによるものである。上記の渦巻状または同心円状の配向は、いずれの場合も、その渦巻または同心円のほぼ中心となる点を軸として、軸対称の配向をするものとなっている。
【0007】
なお、上記の配向状態は、電圧が印加されない場合を示すものである。一方、電圧が印加された場合は、その電圧が高くなると共に液晶分子は電極に垂直になる方向に立つことになるが、どのような電圧レベルにおいても、液晶分子は軸対称に配向するものとなっている。このように、液晶分子が軸対称に配向することにより、液晶表示装置は視野角の広い良好な表示を実現することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の液晶表示装置は、樹脂層の穴を形成する3種類の面(図9における上面141U、下面141D、側面141W)が全て水平配向特性を有する同一の材料からなるものである。しかも、この樹脂は光硬化性の樹脂であり、製造工程において液晶材料と混合して用いられ、紫外線照射により適度な凝集と相分離とを生起することができるものでなければならない。ところが、これらの条件を全て満足するような樹脂を選定するに際して、必ずしも水平配向特性の良好な樹脂を選定できるとは限らないという問題がある。
【0009】
液晶分子を軸対称に配向させるためには、上記3種類の面の内、特に電極を被覆する上下の面141U,141Dが、良好な水平配向特性を有するものであることが重要である。しかし、上記のように水平配向特性の良好な樹脂を選定できなかった場合には、図10に示したような軸対称の配向が不十分なものとなることがあり、その結果、コントラストや視野角等の表示特性が劣化するという問題が発生する。
【0010】
従って、少なくとも電極を被覆する上下の面141U,141Dが、良好な水平配向特性を有するように構成された液晶表示装置を実現することが、本発明の課題である。
【0011】
即ち、本発明は、樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造の液晶表示装置において、少なくとも穴の上下の面を構成する樹脂層(即ち、電極を被覆する樹脂層)の表面が良好な水平配向特性を有するものとなる構造を提供し、しかも、その液晶表示装置を簡便に製造する製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の液晶表示装置は、対向して配置された一対の基板の内面上に配設された配向膜と、前記一対の基板に挾持された樹脂層を貫通する複数の孔と、前記孔に充填される液晶とを備え、前記配向膜は液晶分子を水平に配向させる水平配向膜であり、前記孔の壁面は、前記水平配向膜で被覆され、前記液晶は、前記水平配向膜に接していることを特徴とする。
【0013】
この構造を用いることにより、液晶が封入される「穴」は、上下の面が水平配向膜からなる面であり、他の面(側面)が樹脂層に形成された「孔」の壁面からなるものである。なお、ここでは「穴」と「孔」とを区別して説明している。「孔」は開口部を持つ開いた形状のものであり、「穴」は開口部を持たない閉じた形状のものを示すものとした。
【0014】
この構造により、穴の上下の面を構成する水平配向膜は、穴の側面を構成する樹脂層とは独立に形成することができる。従って、電極を被覆する水平配向膜は、良好な水平配向特性を有するものを自由に選定することができる。その結果、以下に示すように、液晶分子が安定にかつ十分に軸対称の配向(渦巻状・同心円状、または放射状の配向)をすることができるため、視野角の広い液晶表示装置を実現することができる。
【0015】
ここで、樹脂層の孔の壁面は、水平配向特性を有するもの、または垂直配向特性を有するもののいずれかを用いることができる。それらに対応して、液晶材料も別のものを選定することが望ましい。それぞれの構成と作用は、次の通りである。
【0016】
第1に、樹脂層の孔の壁面に水平配向特性を有するものを用いる場合、液晶材料としてはカイラル剤を添加したものを用いることが望ましい。(添加されていなくてもよい。)この構成により、液晶分子は、その上下の面と側面とが全て水平配向特性を持つ面で囲まれているため、渦巻状や同心円状に回転する軸対称の配向をするものとなる。ここで、カイラル剤が添加されている場合には、液晶分子の回転が容易になると共に、回転角度の調節をすることも可能になる。
【0017】
なお、この壁面の水平配向特性は水平配向膜ほど良好なものでなくてもよい場合が多い。従って、樹脂層の材料は、水平配向特性を有する樹脂の中から、孔の形成しやすさ・表示特性・経時変化特性等を考慮して、所望の樹脂を選定することができる。
【0018】
さらに、この樹脂層の孔の壁面は、上記のように樹脂層そのものを露出させた壁面とすることができることは勿論、その壁面に水平配向膜を塗布し水平配向特性の優れた壁面とすることもできる。これにより、一層、軸対称の配向特性を改善または安定化することができる。
【0019】
第2に、樹脂層の孔の壁面に垂直配向特性を有するものを用いる場合、液晶材料としてはカイラル剤を添加しないものを用いる。垂直配向特性を有する壁面と水平配向膜で囲まれた穴の中に、カイラル剤を含まない液晶を封入することにより、液晶分子は放射状に配向する。(具体例を図4に示したが、その内容は後述する。)この場合も軸対称の配向であり、上記の場合と同様に、視野角の広い液晶表示装置を実現することができる。
【0020】
このように、請求項1記載の発明によれば、穴の上下の面を構成する樹脂層として、良好な水平配向特性を有する水平配向膜を用いる構造を実現することができる。その結果、穴の中の液晶が、安定にかつ十分に軸対称(渦巻状・同心円状または放射状)の配向を行うことができるものとなる。
【0021】
なお、請求項1記載の発明は、次に示すように、工程を簡略化できるという特徴を派生するものである。まず、水平配向膜はラビングの必要がないためラビング工程が不要であり、さらに、樹脂層がスペーサとして作用するためスペーサ散布の工程が不要である。
【0022】
次に、請求項記載の液晶表示装置の製造方法は、一対の基板の内、複数の孔を有する樹脂層と、水平配向膜と、電極とを備えた一方の基板を形成するに際し、電極を有する基板に前記樹脂層を形成する工程と、前記樹脂層に前記複数の孔を形成し、前記孔の底部に前記基板を露出させる工程と、前記孔の壁面と前記底部に露出された前記基板とに前記水平配向膜を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0024】
上記の製造方法によれば、穴の全壁面(上下の面および側面)が良好な水平配向特性を有する穴を形成できるため、軸対称の配向に対して極めて適した構造を実現できる。
【0025】
このように、請求項記載の製造方法を用いて一方の基板を形成することにより、請求項1記載の液晶表示装置を簡便にかつ適正に製造することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
〔第1参考例〕第1参考例を、図1〜図3を参照して説明する。
【0027】
図1において、ガラス基板10,11の上にITOからなる透明電極20,21が配設され、それらの透明電極20,21を配向膜30,31が被覆している。この配向膜 30,31は、AL1051(日本合成ゴム製)からなる水平配向膜で、そのプレチルト角は約0.8°である。(プレチルト角は1°以下のものを用いることが望ましい。)
図中40は、PC302(日本合成ゴム製)からなる層厚5μmの樹脂層であり、図2に示すように、約100μmの正方形のを有するものである。
【0028】
図1〜図2において40が樹脂層、50がその樹脂層40に形成された穴41の中に封入された液晶である。この液晶は、FT5017(メルク製)のネマチック液晶にカイラル剤CM−33(チッソ製)を添加したものであり、このカイラル剤により、液晶分子が約90°ツイストするように調整したものである。このように液晶分子を約90°ツイストさせることにより、クロスニコルに配設した偏光板(後述)との組合せによりコントラストの向上を図ることができる。なお、液晶材料としては、誘電率異方性が正の液晶であれば、FT5017(メルク製)以外のものを用いることもできる。
【0029】
また、液晶の屈折率異方性Δnと液晶の厚み(即ち、樹脂層の厚み)dとの積Δn・dが0.3〜0.6μmの範囲のものとすることにより、表示の色付を防ぎ、しかもTN型の液晶表示装置と同等の輝度となる明るい表示を得ることができる。
【0030】
このように構成された液晶パネルのガラス基板10,11の外側に、クロスニコルに組み合わされた一対の偏光板(図示せず)が配設されて液晶表示装置が構成されている。
【0031】
この液晶表示装置を顕微鏡(偏光顕微鏡)で観察したところ、正方形の穴の中に黒い十字型のシュリーレン構造(模様)が観察された。しかも、このシュリーレン構造(模様)は液晶表示装置を回転させても変化がなかった。このことから、液晶分子が軸対称(渦巻状や同心円状)に配向していることが推測される。
【0032】
このような液晶分子の配向状態を示したものが図3である。図中50が、樹脂の孔と水平配向膜とで囲まれた穴に封入された液晶(図1〜図2の符号50に対応する液晶)である。図中51,52,53は、穴に封入された液晶50の上層、中層、下層に対応する液晶層の配向状態を示すものである。上層51と下層53では渦巻状に配向し、中層52では同心円状に配向している。
【0033】
また、どのような電圧を印加した状態であっても、液晶分子の立上がり方の違いはあるが、このような軸対称の配向は、安定に形成され安定に維持されるものとなっている。
【0034】
この液晶表示装置の視角特性を図8に示した。横軸と縦軸は、それぞれ左右方向と上下方向の視角を示し、それらの軸の中間部分は中間方向の視角を示すものである。そして、符号CR10で示す曲線はコントラストが10となる視角を示す線であり、この線で囲まれた内側の領域はコントラストが10以上の領域となっている。
【0035】
この図から明らかなように、この液晶表示装置は、特に上下および左右方向の視野角が対称な特性となり、±70°の範囲でコントラストが10以上となるものである。従って、通常のTN型液晶表示装置よりもはるかに広い視野角を有するものである。
【0037】
なお、本参考例においては、水平配向膜はラビングの必要がないためラビング工程が不要であり、樹脂層がスペーサとして作用しスペーサ散布の工程が不要であるため、製造工程を簡略化できるという特徴を持つものである。
【0038】
〔第1参考例の変形例〕第1参考例の約100μmの正方形のの代わりに、直径約100μmの円形の孔を用いた液晶表示装置を試作した。
【0039】
変形例においても、第1参考例の場合と同様に、液晶分子が軸対称(渦巻状や同心円状)に配向していることを示すシュリーレン構造(模様)が観察され、図8と同等の広い視角特性を確認することができた。
【0040】
なお、孔の形状としては、三角形、四角形、五角形・・・等の形状を用いることもできる。
〔第2参考例〕第2参考例を、図4を参照して説明する。本参考例は、液晶分子の配向状態が第1参考例とは異なるものとなる。
【0041】
参考例においては、図1〜図2に示したガラス基板10,11、透明電極20,21、水平配向膜30,31を、第1参考例と同様に構成し、樹脂層40を垂直配向特性を有する樹脂で構成する。この垂直配向特性を有する樹脂としてはポリイミド系の樹脂RN783(日産化学製)を用いた。さらに、液晶材料として、カイラル剤を添加しないネマチック液晶FT5017(メルク製)を用いた。
【0042】
このような液晶表示装置を構成することにより、液晶分子62を図4に示すように、放射状に配向させることができる。この液晶表示装置の表示特性は、第1参考例とほぼ同様である。
【0043】
実施形態〕本発明の液晶表示装置の製造方法を具体化した実施形態を、図5を参照して説明する。図中の(a)〜(e)は、各工程を示す図である。
【0044】
(a)ITOの透明電極(図示せず)を形成したガラス基板10上に、ポジ型感光性樹脂オプトマーPC302(日本合成ゴム製)401を、500rpm、30秒の条件でスピンコートし、80°Cのホットプレート上で1分間プレベークを行う。なお、ガラス基板としてはOA2(日本電気硝子製)を用いた。
【0045】
(b)一辺が100μmの正方形のパターンを有する合成石英マスク(HOYA製)402を用いて、800mJ/cm2 の紫外線により露光を行う。
(c)その後、CD702AD(日本合成ゴム製、0.2%TMAHaq)の現像液で3分間現像を行う。そして、純水で2分間洗浄後、800mJ/cm2 の紫外線によりポスト露光を行う。次に、200°Cのオーブンの中で1時間放置してポストベークを行い、孔が形成された樹脂層40を形成する。この樹脂層40の厚みは5μmである。
【0046】
(d)この孔が形成された樹脂層40を備えたガラス基板10を被覆するように、水平配向膜AL1051(日本合成ゴム製、プレチルト角は0.8°)を、2000rpm、30秒の条件でスピンコートし、180°Cのオーブンに1時間放置して、配向膜32を形成する。このスピンコートにより、この配向膜32は、樹脂層の頂面と、孔の側面と、孔の底面に対応するガラス基板の面(ここでは電極(図示せず)の表面)とを含む全ての面に形成される。以上の工程により、配向膜32と、孔を有する樹脂層40と、電極とを備えた一方の基板10ASが完成する。
【0047】
(e)次に、電極(図示せず)のみを有する他方の基板11の表面に、上記の配向膜32と同様の方法により、配向膜31を形成して、基板11ASを完成する。そして、完成した二つの基板10AS,11ASを、組み合わせて周辺部(図示せず)を封止する。これで、液晶を封入する前の液晶パネルが完成する。樹脂層40と、配向膜31,32とにより、閉じた穴50Hが形成されたものとなる。
【0048】
(f)次に、この液晶パネルの穴50Hに液晶を封入する工程を実施するが、この工程は図示していない。なお、この穴50Hは、閉じた穴であるため液晶を封入することができないように思われるが、実際はそうではない。その内容を次に説明する。
【0049】
工程(e)で構成された液晶パネルは、二つの基板10AS,11ASが反りを有するものであり、通常は外側に反っているため、樹脂層40の頂面と、対向する基板の配向膜とは、わずかなギャップがあり、離れた状態にある。従って、この工程では穴は閉じたものではなく、そのギャップを通じて連結した状態になっている。この状態の液晶パネルに対して、注入口(図示せず)から液晶を注入し、その後一対のガラス基板を両側から押圧して余分な液晶を排出して封口する。その結果、当初外側に反っていた一対のガラス基板は互いに平行な状態に矯正されて密着し、穴50Hは閉じたものとなり、所望の液晶パネルが完成する。
【0050】
この実施形態の方法により製造した液晶パネルは、穴の側壁にも配向膜があるため、穴の全壁面が良好な水平配向膜からなるものとなっている。従って、カイラル剤を含んだ液晶材料を穴に封入することにより、液晶分子が渦巻状や同心円状に配向する状態を、安定かつ確実に実現することができる。第1参考例は、図1に示すように水平配向膜30,31が透明電極20,21の面のみを被覆する構成のものであるが、本実施の形態のように、水平配向膜が樹脂層40に形成された孔の壁面(即ち、穴41の側面)41Wをも被覆する構成を用いることができる。この構成は、構造上少し複雑なものとなるが、穴41の側面41Wの水平配向特性をさらに良好なものとすることができるため、軸対称の配向を一層安定なものとすることができるという特徴がある。勿論、穴41の側面41Wの水平配向特性が所定のレベルのものであれば、この面を水平配向膜で被覆する必要はない。
【0051】
実施形態の変形例〕実施形態の変形例を、図6を参照して説明する。図6(a),(b)は、実施形態の工程を示す図5の(c),(d)に対応するものであり、実施形態の(d)までの工程と同じ方法で、図6(b)に示す基板10AS(水平配向膜32と、孔を有する樹脂層40とを備えたガラス基板10)を形成する。
【0052】
さらに、この基板10ASと同じ構成の基板10bASを準備し、これら二つの基板10AS,10bASを、図6(c)に示すように組み合わせて周辺部(図示せず)を封止する。このように構成した空の(液晶を封入していない)液晶パネルに液晶を封入する工程は、実施形態の工程(f)と同様である。
【0053】
ここで、実施形態と異なる点は、第1に樹脂層40の厚みであり、本実施形態では2.5μm(実施形態の1/2)に設定している。そして、異なる点の第2は、この樹脂層40,40bを有する二つのガラス基板を組み合わせることである。これにより、穴50Hの形状は実施形態と同じものとなる。
【0054】
本変形例は、樹脂層40の厚みを薄くすることができるため、孔のピッチを小さくする場合に有利であること、孔の側面にも水平配向膜を塗布する場合に塗布性を良好なものとすることができること、の2点において実施形態よりも優れている。(他方、実施形態の方が、構造が簡単であるという特徴がある。)
第3参考例〕液晶表示装置の他の製造方法を、第3参考例として、図7を参照して説明する。図中の(a)〜(c)は、各工程を示す図である。
【0055】
(a)電極(図示せず)を有するガラス基板10の表面に、実施形態(d)の工程と同様の方法により、配向膜30を形成して、基板10ASを完成する。
【0056】
(b)その配向膜30を備えたガラス基板10の上に、実施形態の(a)〜(c)の工程と同様の方法により、孔を有する樹脂層40を形成する。この工程で、孔を有する樹脂層40と配向膜30とを備えた基板10ASが完成する。
【0057】
(c)上記(a)と同様の工程により、配向膜31を有する他方の基板11ASを準備し、これら二つの基板10AS,11ASを、図7(c)に示すように組み合わせて周辺部(図示せず)を封止する。このように構成した空の(液晶を封入していない)液晶パネルに液晶を封入する工程は、実施形態の工程(f)と同様である。
【0058】
参考例は、孔の側面に配向膜を塗布しない構造となるため、実施形態よりも構造と製造方法が簡単であるという特徴を有する。この樹脂層を、水平配向特性を有する樹脂で形成する場合、孔の壁面の水平配向特性は実施形態よりも劣るものとなるが、液晶が渦巻状または同心円状に配向する液晶パネルとするためにはこの構成で良い場合が多い。
【0059】
また、この樹脂層を、垂直配向特性を有する樹脂で形成する場合には、液晶材料としてはカイラル剤を添加しない液晶を封入する。そして、この液晶は放射状の軸対称配向をすることができる。この場合の表示特性は実施形態とほぼ同等であるが、カイラル剤を添加しない分液晶材料を安価なものとすることができる。
【0060】
【発明の効果】
請求項1乃至記載の発明によれば、樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する構造の液晶表示装置において、電極を被覆する樹脂層として、良好な水平配向特性を有する水平配向膜を用いる構造を実現することができる。従って、穴に封入された液晶を軸対称(渦巻状・同心円状または放射状)に安定かつ確実に配向させることができるため、視野角の広い液晶表示装置を実現することができる。
【0061】
請求項記載の発明によれば、上記の液晶表示装置を簡便にかつ適正に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1参考例を示す断面図
【図2】 第1参考例を示す斜視図
【図3】 第1参考例の液晶の配向状態を示す図
【図4】 第2参考例を示す平面図
【図5】 実施形態を示す図
【図6】 実施形態の変形例を示す図
【図7】 第3参考例を示す図
【図8】 液晶表示装置の視角特性を示す図
【図9】 樹脂で囲まれた穴の中に液晶を封入する従来の液晶表示装置を示す断面図
【図10】 図9の液晶表示装置の液晶の配向状態を示す平面図
【符号の説明】
10,11,10b ガラス基板
10AS,11AS,10bAS 基板
20,21 透明電極
30,31 配向膜、水平配向膜
32,32b 配向膜
40,40b 樹脂層
41 穴
41W 壁面、側面
41U,41D 面
50 液晶
50H 穴
51 上層
52 中層
53 下層
401 樹脂
402 マスク

Claims (5)

  1. 対向して配置された一対の基板の内面上に配設された配向膜と、前記一対の基板に挾持された樹脂層を貫通する複数の孔と、前記孔に充填される液晶とを備えた液晶表示装置であって、
    前記配向膜は、液晶分子を水平に配向させる水平配向膜であり、
    前記孔の壁面は、前記水平配向膜で被覆され
    前記液晶は、前記水平配向膜に接していることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記水平配向膜は、プレチルト角が1°未満である請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶は、屈折率異方性Δnと厚みdとの積Δn・dが0.3〜0.6μmの範囲のものである請求項1記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶は、カイラル剤が添加されたネマチック液晶であり、前記一対の基板の間隙で90°ツイストする請求項1記載の液晶表示装置。
  5. 複数の孔を有する樹脂層と、水平配向膜とを備えた一対の基板の内の一方の基板を形成するに際し、
    電極を有する基板に前記樹脂層を形成する工程と、
    前記樹脂層に前記複数の孔を形成し、前記孔の底部に前記基板を露出させる工程と、
    前記孔の壁面と前記底部に露出された前記基板とに前記水平配向膜を形成する工程とを含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
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