JP4064090B2 - 半導体用樹脂ペースト及び半導体装置 - Google Patents

半導体用樹脂ペースト及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IC、LSI等の半導体素子を金属フレーム、有機基板等に接着する絶縁性半導体用樹脂ペーストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC等の半導体素子をリードフレームに接着する方法として半導体用樹脂ペーストが一般的に使用されている。近年の電子機器の小型軽量化、高機能化の動向に対応して、半導体装置の小型化、薄型化、狭ピッチ化が益々加速する方向にある。半導体素子では、細線化や高速化により発熱量が増加する傾向にあり、半導体用樹脂ペーストには高熱伝導性が求められるようになってきた。フィラーとして金属粉を用いる導電性樹脂ペーストの場合は、金属粉を高充填化することで高熱伝導化が可能であるが、絶縁性の樹脂ペーストではセラミック系のフィラーや有機フィラーが用いられるため、フィラーの熱伝導率が低く、高熱伝導化が困難であった。また、熱伝導率を向上させるためにフィラーを高充填化すると、リードフレームや半導体素子と半導体用樹脂ペーストとの密着性が低下してしまうといった問題や、粘度が上昇してしまい樹脂ペーストの塗布作業性が劣るといった問題があった。このため、塗布作業性と接着強度に優れた絶縁性の高熱伝導半導体用樹脂ペーストが求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、熱伝導性、接着性と作業性に優れた絶縁性半導体用樹脂ペーストを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体素子を金属フレームまたは有機基板に絶縁性半導体用樹脂ペーストを用いて接着した半導体装置であって、前記絶縁性半導体用樹脂ペーストが、(A)熱硬化性樹脂と(B)フィラーからなり、(B)フィラー100重量部中に、金属粉を有機樹脂で被覆したフィラーを30重量部以上含むことを特徴とする半導体装置である。更に好ましい形態としては、(B)フィラーの平均粒径が、0.3〜20μmであり、且つ最大粒径が50μm以下であり、フィラー中の金属粉に有機樹脂で被覆したフィラーの金属粉が銀粉又は/及び銅粉である半導体装置である。
また、上記に記載の半導体装置に用いられることを特徴とする絶縁性半導体用樹脂ペーストである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる有機樹脂で被覆した金属粉は、フィラーの熱伝導性が優れているため、このフィラーを充填した半導体用樹脂ペーストは熱伝導性に優れ、且つ絶縁性という特徴がある。また、高充填化しなくても熱伝導率が良好であり、樹脂ペーストの粘度を低く出来るため、塗布作業性、接着強度に優れるという特徴がある。
【0006】
本発明に用いる熱硬化性樹脂(A)は、樹脂、硬化剤、硬化促進剤等からなる一般的な熱硬化性樹脂であり、特に限定されるものではないがペーストを形成する材料であることから樹脂としては室温で液状であることが望ましい。
【0007】
本発明に用いられる液状の樹脂としては、例えば、液状のシアネート樹脂、液状エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン型の液状エポキシ樹脂、ラジカル重合性の各種アクリル樹脂、アリール基を有するトリアリールイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0008】
シアネート樹脂の硬化触媒としては、例えば、銅アセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等の金属錯体が挙げられる。エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、フェノール樹脂等が例として挙げられる。ジヒドラジド化合物の例としては、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、P-オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
【0009】
硬化促進剤兼硬化剤としては各種のイミダゾール化合物あり、その例としては、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール,2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,2−C1123−イミダゾール等の一般的なイミダゾールやトリアジンやイソシアヌル酸を付加し、保存安定性を付与した2,4−ジアミノ−6−{2−メチルイミダゾール−(1)}−エチル−S−トリアジン、またそのイソシアネート付加物等があり、これらは何れも1種類あるいは複数種と併用して使うことが可能である。
【0010】
本発明においては室温で固体の熱硬化性樹脂成分を特性低下が起きない程度に混合して用いることも充分可能である。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック類とエピクロルヒドリンとの反応により得られるポリグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ、ジグリシジルヒダントイン等の複素環式エポキシ、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、アリサイクリックジエポキシーアジペイトのような脂環式エポキシがあり、これらの内の1種類あるいは複数種と併用可能である。
【0011】
本発明に用いるフィラー(B)において、金属粉に有機樹脂で被覆したフィラーの金属粉として、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等の粉末及び錫−鉛や錫−銀、錫−銀−ビスマス等の半田粉等があるが、入手のし易さ、形状、粒径の多様さ、価格、熱伝導性から銀粉、銅粉が特に好ましい。被覆する有機樹脂には熱硬化樹脂と熱可塑樹脂があり、熱硬化樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等があり、熱可塑樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂がある。熱硬化樹脂は金属粉を被覆後、硬化させたものが望ましく、熱可塑樹脂の場合は金属粉を被覆し且つ絶縁性を保つため、融点が180℃以上が望ましい。180℃以下では硬化時や半導体素子の封止時に被覆が溶けたり膜厚が薄くなり、絶縁性を保てなくなるため好ましくない。
有機樹脂は金属粉全体を被覆していることが望ましく、被覆に欠陥があると絶縁性を保てないため、好ましくない。
有機樹脂で金属粉を被覆する方法としては、金属粉を完全に被覆可能であれば特定する方法は無いが、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法等の化学的マイクロカプセル化法や気中懸濁被覆法、スプレードライ法等の物理的・機械的製法、又は界面沈澱法等の物理化学的製法がある。
【0012】
本発明に用いる有機樹脂を被覆した金属粉以外のフィラーとしては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミ、タルク等の無機フィラーやシリコーン樹脂、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ベンゾグアナミンやメラミンとホルムアルデヒドとの架橋物等の有機フィラーが挙げられる。また、粒径が1〜100nm程度のナノスケールフィラーやシリカとアクリル複合材のような有機と無機の複合フィラーがある。
使用するフィラーは、ハロゲンイオン、アルカリ金属イオン等のイオン性不純物の含有量は10ppm以下であることが好ましい。又形状としてはフレーク状、鱗片状、樹脂状や球状等が用いられる。必要とするペーストの粘度により、使用する粒径は異なるが、通常平均粒径は0.3〜20μm、最大粒径は50μm程度のものが好ましい。平均粒径が0.3μm未満だと粘度が高くなり、20μmを越えると塗布又は硬化時に樹脂分が流出するのでブリードが発生するため好ましくない。最大粒径が50μmを越えるとディスペンサーでペーストを塗布するときに、ニードルの出口を塞ぎ長時間の連続使用ができない。又比較的粗いフィラーと細かいフィラーとを混合して用いることもでき、種類、形状についても各種のものを適宜混合してもよい。
尚、本発明のフィラーは、予め表面をアルコキシシラン、アシロキシシラン、シラザン、オルガノアミノシラン等のシランカップリング材等で処理したものを用いてもよい。
【0013】
本発明の半導体用樹脂ペーストは、(A)、(B)成分、及びその他の添加剤等を予備混合し、ロール等を用いて混練した後、真空下脱泡する等の製造方法で得られる。
半導体装置の製造方法は公知の方法を用いることができる。
【0014】
【実施例】
以下に実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明する。
<実施例1〜7>
実施例1〜7は表1に示した組成の各成分とフィラーを配合し、3本ロールで混練して樹脂ペーストを得た。
この樹脂ペーストを真空チャンバーにて2mmHgで30分間脱泡した後、以下の方法により各種の性能を評価した。実施例の評価結果を表1に示す。
【0015】
<用いる原料成分>
・液状エポキシ樹脂:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(粘度4.0Pa・s/25℃、エポキシ当量170)(以下、BPFEPという)
・フェノール樹脂:フェノールノボラック樹脂(軟化点110℃、水酸基当量105)(以下、PNという)
・ジシアンジアミド(以下、DDAという)
・2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(以下、2P4MHZという)
・シアネートL−10
【化1】
Figure 0004064090
【0016】
・ナフテン酸コバルト
・ウレタンアクリレート(東亞合成株式会社製、アロニックスRM−1600)・1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下、パーヘキサ3M)
・無機フィラー
被覆銀粉−1:平均粒径3.0μmで、最大粒径30μmのフレーク状銀粉を熱硬化樹脂のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジアミノジフェニルメタンの混合物)で被覆し、樹脂を硬化させたフィラーで被覆した樹脂の膜厚は1μm
被覆銀粉―2:平均粒径3.0μmで、最大粒径30μmのフレーク状銀粉を熱可塑樹脂のポリアミド樹脂(ナイロン66、融点265℃)で被覆したフィラーで被覆した樹脂の膜厚は1μm
被覆銅粉:平均粒径3.0μmで、最大粒径30μmのフレーク状銅粉を熱硬化樹脂のエポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジアミノジフェニルメタンの混合物)で被覆し、樹脂を硬化させたフィラーで被覆した樹脂の膜厚は1μm
シリカ:平均粒径1.5μmで、最大粒径20μmのシリカ粉
窒化アルミ:平均粒径2.0μmで、最大粒径20μmの窒化アルミ粉
【0017】
<評価方法>
・粘度:E型粘度計(3°コーン)を用い25℃、2.5rpmでの値を測定し粘度とした。
・チキソ比: E型粘度計(3°コーン)を用い25℃でのチキソ比(0.5rpmでの粘度/2.5rpmでの粘度)を計算した。
・熱伝導率:半導体樹脂ペーストを型に入れて200℃60分で硬化させて10mmφ、厚み1mmの硬化物を作成した。この硬化物の熱伝導率をレーザーフラッ シュ方で測定した。
・接着強度:6×6mmのシリコンチップを半導体用樹脂ペーストを用いて銅フレームにマウントし、オーブンを使用し200℃60分で硬化させた。硬化後マウ ント強度測定装置を用い250℃での熱時ダイシェア強度を測定した。
【0018】
【表1】
Figure 0004064090
【0019】
<比較例1〜12>
表2に示す配合割合に基づき実施例と同様にして半導体用樹脂ペーストを得、実施例1と同様にして評価した。結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
Figure 0004064090
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、熱伝導性、接着性に優れ、且つ塗布作業性に優れた絶縁性半導体用樹脂ペースト、及びこれを用いた半導体装置が得られる。

Claims (6)

  1. 半導体素子を金属フレームまたは有機基板に絶縁性半導体用樹脂ペーストを用いて接着した半導体装置であって、前記絶縁性半導体用樹脂ペーストが、(A)熱硬化性樹脂と(B)フィラーからなり、(B)フィラー100重量部中に、金属粉を有機樹脂で被覆したフィラーを30重量部以上含むことを特徴とする半導体装置。
  2. (B)フィラーの平均粒径が、0.3〜20μmであり、且つ最大粒径が50μm以下である請求項1記載の半導体装置。
  3. (B)フィラー中の金属粉に有機樹脂で被覆したフィラーの金属粉が銀粉又は/及び銅粉である請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. (B)フィラー中の金属粉に有機樹脂で被覆後、有機樹脂を硬化させたものである請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. (B)フィラー中の金属粉に被覆する有機樹脂が、融点180℃以上の熱可塑性樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体装置に用いられることを特徴とする絶縁性半導体用樹脂ペースト
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