JP4064143B2 - チタン製自動車部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽量・高強度の特徴を有するチタンからなる自動車部品に関するものである。特に、JIS2種あるいは3種の工業用純チタン、あるいはこれらにさらに少量のFeを添加した低合金チタンからなる自動車部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チタン材は、合金チタンと工業用純チタンに分類されるが、その中で工業用純チタンは、中程度の強度特性と優れた耐食性に加え加工性も比較的優れており、また溶接も比較的容易であるという特徴を有しており、厚中板、熱延および冷延ストリップ、これらから切り出した薄板、これら薄板を成型し溶接した溶接管、太径丸直棒、矩形直棒、棒線コイル、これらから切り出した中〜小径棒線、熱間押出し法による継目無し管など、種々の形状に加工され、その軽量、高強度、高耐食性などの特徴を活かすべく、これら諸特性が特に要求される航空機、化学、海洋、電力等の分野で使用されてきた。また最近では、自動車などいわゆる民生品への適用も著しく進んでおり、種々のチタン製部品が実際にこれら分野でも多用されるようになっている。
【0003】
この工業用純チタンは、添加元素および強度特性から、JIS1種〜4種に分類されており、最汎用のJIS2種では、酸素が0.20質量%以下、窒素が0.05質量%以下、Feが0.25質量%以下と規定されている。また、JIS2種よりも高強度のJIS3種は、酸素が0.30質量%以下、窒素が0.07質量%以下、Feが0.30質量%以下と規定されている。(なお、以下の説明において化学成分量は質量%である。)
【0004】
しかし実際には、これらJIS2種、3種の工業用純チタンは、窒素は高々0.015%、Feは高々0.1%程度しか含まれていないのが現状であり、0.07〜0.3%の酸素と不可避的不純物を含有する以外は、文字通り純チタンであった。
【0005】
これら従来のJIS2種およびJIS3種の工業用純チタンは、先に述べたとおり、種々の断面形状、寸法の製品が製造され、幅広い分野で多用されているが、マフラーや排気管、二輪のリアフォーク、フレームなどの自動車部品などに適用する際には、曲げ、鍛造、平圧延(円形断面の棒線を平板状に冷間圧延する)、縮管、絞り、拡管、打ち抜き、穴拡げ、などの冷間加工工程を経て、複雑な形状に加工される。そのため加工中に延性を消費し、部分的に、加工後の部品の延性が小さくなる場合があった。一方、自動車部品は今後ますます過酷な環境で使用されるようになると考えられることから、より残留延性の大きい部品が強く望まれていた。
【0006】
加工後の部品の残留延性を増大させるには、素材の延性を向上させる必要がある。後者に関しては、高強度チタン合金では、高延性を確保する方法として、特表平8−833292号公報(国際公開 No.WO96/33292)に記載されているように、Feと窒素を同時に添加する方法がある。この方法は、もっと低強度のJIS2種あるいは3種に相当する強度水準のチタン材にも適用できる可能性が類推されるが、この方法のように1%近いFeを添加すると、マトリクスのα相(hcp結晶構造)とは結晶構造の異なるβ相(bcc結晶構造)が多量に生成し、弾性率や熱膨張特性が従来のα相のみを主相とする場合と異なるようになり、周辺部品との適合性を確保するために部品形状や製造工程、加工方法を再調整する必要があるという問題点が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような現状に鑑み、本発明は、従来のJIS2種および3種と同等の強度を有し、かつ、従来のJIS2種および3種チタン材と同様の部品・工程設計が可能な相構成のチタン材からなり、かつ加工後の残留延性の高い、チタン製自動車部品を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、種々の成分のチタン材の組成と特性の関係について包括的な検討を行い、酸素等量値、Fe濃度、窒素濃度などの成分と強度・延性の関係を見いだし、従来のJIS2種および3種チタン材とほとんど同じ強度レベルおよび相構成で、かつ製品加工後の残留延性が従来よりも高いチタン製自動車部品を提供することの可能な成分範囲を限定するに至って本発明を完成させた。
【0009】
本発明はかかる技術思想に基づくものであって、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)質量%で、Fe:0.15〜0.5%、窒素:0.015〜0.04%および酸素を含有し、残部チタンと不可避不純物からなり、Fe含有量を[Fe]、窒素含有量を[N]、酸素含有量を[O]とするとき、酸素等量値Q=[O]+2.77[N]+0.1[Fe]が、Q:0.11〜0.28%であることを特徴とするチタン製自動車部品。
(2)前記酸素等量値Qが0.11〜0.20%であることを特徴とする前記 (1)に記載のチタン製自動車部品。
(3)自動車部品が、マフラー、排気管、二輪フレーム、二輪リアフォーク、二輪フロントフォークインナー管のいずれかであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のチタン製自動車部品。
【0010】
【発明の実施の形態】
発明者らは、種々の成分のチタン材において、組成と特性の関係を鋭意検討した結果、下記の重要な現象を見出すに至った。すなわち、
▲1▼Feの添加量が0.5%を超えると、マトリクスのα相(hcp結晶構造)とは結晶構造の異なるβ相(bcc結晶構造)が多量に生成し、弾性率や熱膨張特性が従来のα相のみを主相とする場合と顕著に異なるようになるが、Feの添加量が0.5%以下であれば、β相の生成量は少なく、周辺部品との適合性を確保するために部品形状や製造工程などを再調整する必要は生じない。すなわち、従来通りの設計、製造工程にて自動車部品を製造することが可能である。
【0011】
▲2▼2β相の生成量が少ない0.5%以下のFe添加量でも、その添加量が0.15%以上であれば、0.04%以下の窒素の添加は、延性の低下をもたらすことなく強度上昇を達成できる。あるいは強度を低下させることなく延性を向上させることができる。すなわち、強度・延性バランスを向上させることができる。
【0012】
本発明は、上記二つの知見をもとに達成されたものである。なお、上記知見の▲2▼において、Feの添加量が0.6%を超えるとこの効果は一旦消失するが、0.9%を超えると、強度延性バランスに優れたβ相の量が増大するため、再度Feと窒素の複合添加による強度と延性の関係向上が現れる。しかし、この効果は、前記特表平8−833292号公報(国際公開 No.WO96/33292)記載のような高強度合金には有効であるが、本発明が対象としている、JIS2種あるいは3種クラスの強度のチタン材に対しては過強度となり、逆にこのクラスのチタン材で求められている延性や加工性を損なうため、本発明で対象としている強度水準の材料に適用することは好ましくない。
【0013】
また上記▲1▼で述べたように、この場合、β相の量が多いため、周辺部品との適合性を確保するために部品形状や製造工程を再調整する必要が生じてしまい、従来通りの製造工程では必ずしも十分な加工を行うことができない。
【0014】
前記(1)において、酸素、窒素、Feの含有量を規定した理由について説明する。
前記(1)では、Feを0.15〜0.5%添加することとした。0.15%以上添加することとしたのは、窒素との複合添加により強度を低下させずして延性を向上させる、あるいは延性の低下なくして強度を向上させるには、上述の知見▲2▼に記載したように、0.15%以上のFeの添加が必要であるからである。
【0015】
ただし、0.5%を超えて添加すると、この効果が消失するばかりか、▲1▼で述べたように、マトリクスのα相(hcp結晶構造)とは結晶構造の異なるβ相 (bcc結晶構造)が多量に生成し、弾性率や熱膨張特性が従来のα相のみを主相とする場合と顕著に異なるようになるため、周辺部品との適合性を確保するために部品形状や製造工程などを再調整する必要が生じ、従来通りの設計、製造工程にて自動車部品を製造することが困難となる。
【0016】
また前記(1)では、窒素の添加量を0.015〜0.04%とした。この理由は以下の通りである。すなわち、窒素の添加量が0.015%未満の場合、Feと窒素の複合添加による強度と延性の関係向上は殆ど認められず、強度を低下させることなく延性を向上させたり、延性を損なうことなく強度を増加させることができない。したがって本発明(1)では、窒素の添加量は0.015%以上とした。また、窒素の添加量が0.04%を超えると、Tiと窒素の化合物が生成し延性低下が著しくなり、強度と延性の関係を向上させる効果が消失する。したがって、窒素添加量の上限は0.04%とした。
【0017】
さらに前記(1)では、酸素の添加量は、酸素等量値Q=[O]+2.77 [N]+0.1[Fe]が、0.11〜0.28となるような値とした。
ここで、[Fe]、[N]、[O]は各々Fe含有量、窒素含有量、酸素含有量を表している。この酸素等量値とは、酸素、窒素、Feのチタンに対する強化能を総合的に示す指標であり、単位質量%の酸素がチタンを強化する能力を1とした場合、単位質量%の窒素はその2.77倍の、また、単位質量%のFeはその0.1倍の強化能を有していることを示している。
【0018】
本発明でQを0.11〜0.28の範囲としたのは、この範囲のQ値とすることにより、本発明が対象としている、現行のJIS2種および3種が有すると同等の強度レベルを達成することができるからである。すなわち、Qが0.11未満の場合は強度が低すぎて、実際に市販されている一般的なJIS2種クラスの強度を有する材料を得ることができないし、相対的にチタン中の酸素濃度を低くする必要があり、高価な低酸素スポンジを使用せざるを得ず好ましくない。また、Qが0.28を超える場合は高強度となりすぎて、通常の市場に流通しているJIS3種クラスに比べて冷間での加工がしにくくなるなどの問題が生ずる。
【0019】
上記のとおりの限定された成分からなるチタン材は、従来のJIS2種からJIS3種と同等の強度を有し、かつこれらよりも高い延性を有しており、このチタン材からなる自動車部品は、従来のJIS2種や3種からなる自動車部品よりも、冷間加工後の残留延性が高くなっており、より安心して使用することができる。また、従来のJIS2種および3種チタン材と同様の部品設計が可能な相構成からなっていることから、周辺部品との適合性を確保するために部品形状などを再調整する必要もなく、従来通りの設計、製造工程にて製造可能である。
【0020】
次に前記(2)では、酸素等量値Qの値の範囲を、0.11〜0.20の範囲とした。本発明(1)の範囲のチタン製自動車部品において、その製造過程でより延性を必要とするのは、より過酷な冷間加工性を施されることの多い軟質材である。すなわち、特に軟質の、JIS2種に相当する強度レベルの、0.11〜0.20の範囲のQ値を有するチタン製自動車部品に本発明を適用すると、特にその効果が強く発揮される。
【0021】
なお、本発明でいうところのチタンとは、酸素、窒素、Feと不可避的不純物以外は実質的にTiからなる。ここに不可避的不純物とは、使用する原料スポンジチタンやスクラップチタンから、あるいは製造工程途中表面から混入する、0.05%未満のNi,Cr、0.015%未満の炭素、100ppm以下の水素などを指す。
【0022】
また、前記(1)乃至(2)において、Feの添加量が0.3%以下の場合、本発明記載の成分は、JIS2種または3種に属する成分となる。しかし、従来の技術の項で説明したように、実際に市場で流通しているJIS2種および3種の工業用純チタンは、Fe含有量は高々0.1%程度であり、また窒素含有量も高々0.015%程度であり、同じJIS規格内に属しているとはいえ、異質の材料である。
また、Feの含有量が0.3%を超える場合は、JIS2種あるいは3種には属さない低合金チタン材となる。
【0023】
次に前記(3)は、自動車部品が、マフラー、排気管、二輪フレーム、二輪リアフォーク、二輪フロントフォークインナー管のいずれかであることとした。これら部品は、各々図1〜4に示すような外観をしており、例えば二輪を例にとると、各々図5に示す部位(マフラー(A)、排気管(B)、フレーム(C)、リアフォーク(D)、フロントフォークインナー管(E))に使用されている。これら部品は、表1に示すような役割を各々果たしており、これら部品をチタン製とすることにより、車体が軽量化され燃費や操縦性能が向上する。また表1に示すように、これら部品は、いずれもプレス加工(絞り、穴拡げ、張出し)、曲げ、拡管などの冷間加工により成形されており、特に本発明の効果が期待される自動車部品である。
【0024】
【表1】
Figure 0004064143
【0025】
【実施例】
以下に本発明を試験例に基づく実施例で詳細に説明する。
(試験1)
表2の試験番号1〜11に示す組成のチタン管(1mm厚、48mm径)等を用い、JIS2種と全く同じ方法でマフラーを製造し、その製造性を評価するとともに、マフラー長手方向に、幅10mmで長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、評点間距離50mmで引張試験を実施し、引張強さおよび伸びを測定した。試験片採取位置は、図1に示すとおりである。評価結果は表2に併せて記す。
【0026】
表2において、本発明の実施例である試験番号5,8,9、11は、いずれも十分にマフラーに加工でき、かつ同じ酸素等量値を有し、Fe、窒素を意図的に添加せず、原料スポンジチタン中に存在する不可避的量のFe、窒素しか含有しない従来の工業用純チタン(比較例)と比べて、同程度の強度と2%以上高い伸びが残留していた。
【0027】
すなわち、試験番号5は試験番号4と比べて、試験番号8,9,11は試験番号6と比べて、2%以上高い残留伸びが得られており、本発明の効果が発揮されている。また、試験番号1,3は18%以上の極めて高い伸びが残留しており、特に試験番号3は、同じ酸素等量値を有するもFe、窒素を意図的に添加せず、原料スポンジチタン中に存在する不可避的量のFe、窒素しか含有しない従来の工業用純チタン(試験番号2)と比べて、同等の引張強さと2%以上高い残留伸びを有している。しかし、試験番号4の最汎用JIS2種材の引張強度を遙かに下回る不十分な強度レベルしか得られておらず、使用したスポンジチタンも、0.05質量%以下の酸素しか含まない高純度材を使用するなど製造コストも高くなっており、本発明の効果を十分に発揮することができない。これは、酸素等量値Qが本発明における下限値の0.11を下回ったためである。
【0028】
試験番号7,10は、同じ酸素等量値を有するもFe、窒素を意図的に添加せず、原料スポンジチタン中に存在する不可避的量のFe、窒素しか含有しない従来の工業用純チタン(試験番号6)と同等の引張強度、残留伸びしか得られておらず、本発明の効果が十分に発揮されていない。それは、試験番号7の場合Feの添加量が、また試験番号10の場合窒素の添加量が、本発明の下限値以下であったためである。
【0029】
【表2】
Figure 0004064143
【0030】
(試験2)
表3の試験番号12〜22に示す組成のチタン管(2.0mm厚、32mm径)等を用いて、JIS2種または3種と全く同じ方法で二輪フレームを製造し、その製造性を評価するとともに、図2に示す部位から、長手方向に、幅10mmで長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、さらに試験片の端部を曲げ加工により掴み部に加工し、評点間距離50mmで引張試験を実施し、引張強さおよび伸びを測定した。評価結果は表3に併せて記す。なお引張試験初期には、湾曲試験片は湾曲状態から次第に真っ直ぐに変形し、その後さらに伸びて破断した。
【0031】
表3において、本発明の実施例である試験番号13,14,17,19,20は、いずれも十分にマフラーに加工でき、かつ同じ酸素等量値および強度レベルを有する、Fe、窒素を意図的に添加せず、原料スポンジチタン中に存在する不可避的量のFe、窒素しか含有しない従来の工業用純チタン(比較例)と比べて、2%以上高い伸び値が残留していた。
【0032】
すなわち、試験番号13,14は試験番号12(従来のJIS2種)と比べて、試験番号17は試験番号16(従来のJIS3種)と比べて、試験番号19,20は試験番号18(従来のJIS3種)と比べて、同程度の強度と2%以上高い伸びが得られており、本発明の効果が発揮されている。
【0033】
一方、試験番号15は、加工中に割れが生じてしまった。この理由は下記の通りである。すなわち、Feの添加量が本発明の上限値を超えたため、マトリクスのα相(hcp結晶構造)とは結晶構造の異なるβ相(bcc結晶構造)が多量に生成し、弾性率や熱膨張特性が従来のα相のみを主相とする純チタンとは顕著に異なるようになった。ところが、周辺部品との適合性を確保するための部品形状調整や成形方法の調整を行うことなく、従来の純チタンと同じ設計、製造工程にて部品製造したため、加工中に割れを生じてしまった。
【0034】
また、試験番号21も加工中に割れを生じてしまった。これは、窒素の添加量が本発明の上限値を超えたためTiと窒素の化合物が生成し延性が損なわれ、本発明の効果が達成されなかったものである。
試験番号22も加工中に割れを生じてしまったが、これは、Qが0.28を超えてしまったため高強度となりすぎて相対的に延性が低下し、通常の市場に流通しているJIS3種クラスに比べて冷間での加工がし難くなったためである。
【0035】
【表3】
Figure 0004064143
【0036】
(試験3)
表4の試験番号23〜24に示す組成のチタン管(1mm厚、38mm径)等を用いて、JIS2種と全く同じ方法で排気管を製造し、その製造性を評価するとともに、図1に示す部位から、長手方向に、幅10mmで長さ150mmの湾曲短冊状試験片を切り出し、さらに試験片の端部を曲げ加工により掴み部に加工し、評点間距離50mmで引張試験を実施し、引張強さおよび伸びを測定した。評価結果は表4に併せて記す。なお引張試験初期には、湾曲試験片は湾曲状態から次第に真っ直ぐに変形し、その後さらに伸びて破断した。
【0037】
表4において、本発明の実施例である試験番号24は、通常の純チタンJIS2種(試験番号23)と全く同じ方法で割れ等生じることなく加工でき、しかも通常の純チタン(試験番号23)と強度レベルは同等であるが、これを凌ぐ残留伸びを有していた。
【0038】
【表4】
Figure 0004064143
【0039】
(試験4)
表4の試験番号25〜26に示す組成のチタン管(1.5mm厚、32mm径)等を用いて、JIS3種と全く同じ方法で二輪リアフォークを製造し、その製造性を評価するとともに、図3に示す部位から長手方向に、幅10mmで長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、さらに試験片の端部を曲げ加工により掴み部に加工し、評点間距離50mmで引張試験を実施し、引張強さおよび伸びを測定した。評価結果は表4に併せて記す。なお引張試験初期には、湾曲試験片は湾曲状態から次第に真っ直ぐに変形し、その後さらに伸びて破断した。
【0040】
表4において、本発明の実施例である試験番号26は、通常の純チタンJIS3種(試験番号25)と全く同じ方法で割れ等生じることなく加工でき、しかも通常の純チタン(試験番号25)と強度レベルは同等であるが、これを凌ぐ残留伸びを有していた。
【0041】
(試験5)
表4の試験番号27〜28に示す組成のチタン管(3mm厚、32mm径)等を用いて、JIS3種と全く同じ方法で二輪フロントフォークインナー管を製造し、その製造性を評価するとともに、図4に示す部位から長手方向に、幅10mmで長さ150mmの短冊状試験片を切り出し、評点間距離50mmで引張試験を実施し、引張強さおよび伸びを測定した。評価結果は表4に併せて記す。
【0042】
表4において、本発明の実施例である試験番号28は、通常の純チタンJIS3種(試験番号27)と全く同じ方法で割れ等生じることなく加工でき、しかも通常の純チタン(試験番号27)と強度レベルは同等であるが、これを凌ぐ残留伸びを有していた。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明を適用することにより、従来のJIS2種および3種と同等の強度を有し、従来のJIS2種および3種チタン材と同様の部品・工程設計で製造可能な相構成のチタン材からなり、従来のJIS2種および3種チタン材よりも加工後の残留延性の高い、チタン製自動車部品を提供することができ、工業的に極めて有益な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明試験例に用いた二輪自動車のマフラーおよび排気管を示す。
【図2】本発明試験例に用いた二輪自動車の二輪フレームを示す。
【図3】本発明試験例に用いた二輪自動車の二輪リアフォークを示す。
【図4】本発明試験例に用いた二輪自動車の二輪フロントフォークインナー管を示す。
【図5】本発明試験例に用いた二輪自動車の外観を示す。
【符号の説明】
A:フラー B:排気管 C:フレーム
D:リアフォーク E:フロントフォークインナー管

Claims (3)

  1. 質量%で、
    Fe:0.15〜0.5%、
    窒素:0.015〜0.04%および酸素
    を含有し、残部チタンと不可避不純物からなり、
    Fe含有量を[Fe]、窒素含有量を[N]、酸素含有量を[O]とするとき、酸素等量値Q=[O]+2.77[N]+0.1[Fe]が、Q:0.11〜0.28%であることを特徴とするチタン製自動車部品。
  2. 酸素等量値Qが0.11〜0.20%であることを特徴とする請求項1に記載のチタン製自動車部品。
  3. 自動車部品が、マフラー、排気管、二輪フレーム、二輪リアフォーク、二輪フロントフォークインナー管のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のチタン製自動車部品。
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