JP4067162B2 - 視野選択性シートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の範囲方向から入射する光は透過するが、他の方向から入射する光は透過できないシート、即ちそのシートを通しては、一定の方向からはその後ろにある物体等を視認することができるが、別の方向からは視認できないという特性(視野選択性)を有するシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特公昭47−43845号公報には、透明及び黒色の円盤を交互に貼り合わせて所望の厚さにした後、積層方向に対して垂直方向に表層をスライスすることにより視界制御性を有するシートを得るという技術が開示されている。
【0003】
特開昭63−309902号公報では、紫外線硬化樹脂に一定方向から紫外線を照射して硬化させることにより、特定の入射角度の光を選択的に散乱させるようにした視界制御フィルムについて記載している。またこの技術では、必要に応じて更に紫外線硬化樹脂を塗布、他方向から紫外線照射して硬化させることで2方向以上の角度の光を選択的に散乱、制御させることもできるとされている。
【0004】
さらに特開平6−82607号公報では、分子配向をもつ透明性の高分子樹脂フィルムを、ブレード等を用いて、分子配向方向とブレードの刃が平行になるようにして折り曲げ、この状態で分子配向方向と垂直方向に引き取ることにより、分子配向方向と略平行に連続的に縞状のクレイズを発生させ、視界制御フィルムを得る技術について記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特公昭47−43845号公報や特開平6−82607号公報に示される技術によって得られたシートは1方向からの視野選択性しか有していない。
【0006】
一方、特開昭63−309902号公報に示される技術では、2方向以上の視界制御性を有するシートを得ることが可能であるが、視界制御の方式が反射、散乱による斜め入射光の透過性制御であるため、完全に光を遮光する視野選択性を有していない。更に特殊な紫外線硬化樹脂を使用するため、コストがかかる等の問題点を有している。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、汎用的な感光材料を用いて、各種視野選択性の要求に応じて、多方向の視野選択性を有したり種々の視野角を有することができる視野選択性シートを、容易に生産可能な製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遮光性を有する画像が形成された部材上に、以下の(1)から(3)の3工程を一連の作業工程とし、当該一連の作業工程を少なくとも一回以上行い、遮光性を有する部分の厚みを調節することにより視野角を調節できるものである。
【0009】
(1)ポジ型画像形成層を積層する。
【0010】
(2)前記部材側から露光処理する。
【0011】
(3)前記ポジ型画像形成層を現像処理することにより、前記ポジ型画像形成層に遮光性複製画像を形成し、前記部材と前記遮光性複製画像とが一体となるようにする。
【0012】
また、好ましい態様としては、前記遮光性を有する画像が縞状、格子状、蜂の巣状等の画像であるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の視野選択性シートの製造方法について詳細に説明する。
【0014】
まず本発明は、遮光性を有する画像が形成された部材(以下、原稿部材という)を用いるものである。この原稿部材とは、後述する一連の作業工程におけるポジ型画像形成層を露光現像処理する際の原稿としての機能と共に、視野選択性シートとしての可視光を遮光する機能を施すものである。
【0015】
そして、この原稿部材としては、遮光性を有する部分と光透過性を有する部分とによって画像が形成されているものであれば一層であるか多層であるかは特に限定されるものではないが、取扱い易さや作製のし易さ等の観点から、光透過性を有する基材上に遮光性を有する画像層が形成された構成の部材等が好適に使用される。
【0016】
尚、ここでいう遮光性、及び本発明で用いる遮光性とは、露光処理においてポジ型画像形成層の感光波長(紫外)域の光を遮光すると共に、視野選択性シートの機能としての可視光域を遮光する性能を意味する。但し、この遮光性は完全遮光を意味するものではなく、光透過性を有する部分との濃度差が光学濃度で0.5、好ましくは0.7以上の濃度差であれば足りるものである。
【0017】
また、ここでいう光透過性とは、後述する露光処理においてポジ型画像形成層の感光波長(紫外)域の光を遮光しないと共に、視野選択性シートの機能としての可視光域を遮光しない性能を意味し、好ましくは高透過率、低拡散性であることが望ましい。
【0018】
また、光透過性を有する基材としては、光透過性を有するものであれば硝子、合成樹脂等の材質は特に限定されるものではない。扱い易さ等の点からはポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムが好ましく使用される。
【0019】
また遮光性を有する画像としては、遮光性を有するものであれば、その形状等は特に限定されるものではないが、比較的均一な視野選択性を有する優れた視野選択性シートを得るためには、その画像が図18に示すような縞状、図19や図20に示すような格子状、図21や図22に示すような蜂の巣状の画像であることが有効である。
【0020】
また、これら遮光性を有する画像層を、光透過性を有する基材上に形成する場合としては、解像度の高い画像を形成するという観点から、露光現像処理により形成する記録方法が適用される層を積層した後、当該記録方法により形成する方法が好適に使用される。但し、特にこの方法に限定されるものではなく、印刷、静電転写記録方法、インクジェット記録方法、感熱転写記録方法等の記録方法に適用される層を積層し、当該記録方法により形成する方法も採用することが可能である。
【0021】
本発明の視野選択性シートは、上記原稿部材上に、ポジ型画像形成層を積層し(第1工程)、当該原稿部材側から露光処理(第2工程)した後、ポジ型画像形成層を現像処理することによりポジ型画像形成層に遮光性複製画像を形成(第3工程)したものである。
【0022】
これら一連の作業工程は、前記原稿部材に形成された遮光性を有する画像を原稿として、当該原稿部材上に積層されたポジ型画像形成層を露光現像処理して、当該遮光性を有する画像に対応する遮光性複製画像を積層形成する工程である。
【0023】
そして、この一連の作業工程を繰り返し行うことにより、遮光性を有する画像の厚みを実質的に厚くすることができ、当該一連の作業工程で得られる視野選択性シートの視野角を調節することが可能となる。
【0024】
以下、本発明における各工程について順次説明する。
【0025】
まず、本発明における第1工程を説明する。
【0026】
本発明における第1工程は、原稿部材上に、ポジ型画像形成層を積層する工程である。
【0027】
ここでいうポジ型画像形成層は前記原稿部材に積層される層であり、前記原稿部材を原稿として光の照射とそれに続く現像処理により前記原稿部材の遮光性を有する画像と同一形状(ポジ−ポジ)の遮光性複製画像が形成される層である。
【0028】
従ってこのポジ型画像形成層は感光層をその中に含めば一層であるか多層であるかは特に限定されるものではない。そのため感光層には、遮光層、接着層、支持体等の別の層が積層されていても良い。
【0029】
即ち、積層形成される遮光性複製画像は、前記原稿部材の遮光性を有する画像と同一形状(ポジ−ポジ)の遮光性を有する画像であれば、未露光部分の感光層に遮光層が積層されたものであっても良いし、未露光部分の感光層が単独で染色や発色等により遮光性を有するようになったものでも良い。
【0030】
本発明にいう感光層とは、光が照射されることにより感光して、当該露光部分の遮光層に対する接着性が低下したり、当該露光部分の染色や発色等による着色性が低下したりする性能を有する層のことである。この様な感光層を構成するものとしては、ジアゾニウム塩、テトラゾニウム塩、ο−ナフトキノンジアジド誘導体、芳香族ビスアジド化合物、芳香族アジド化合物、アジド化合物、光二量化性化合物、ο−キノンジアジド、ハロゲン化銀、アクリレートモノマー/光開始剤/バインダー樹脂等を主成分とした感光性材料等が挙げられる。
【0031】
また、必要に応じて感光層と共に用いられる遮光層としては、感光層の感光波長(紫外)域の光を遮光すると共に、視野選択性シートの機能としての可視光域を遮光する遮光性を有している層であれば特に限定されるものではない。
【0032】
また、この場合の遮光層を構成する染料、顔料、金属等の遮光性材料の種類も特に限定されるものではなく、これら遮光性材料単体で遮光層が形成されていても構わないし、これら遮光性材料が結着材等に分散された状態で形成されていても構わない。
【0033】
本発明の第1工程における積層方法としては、前記感光性材料や前記遮光性材料を公知のコーティング方法により前記原稿部材上に直接積層するか、または別に設けた支持体上に前記感光層や前記遮光性材料をコーティングした後に接着層を介して前記原稿部材にラミネートすることにより積層することができる。
【0034】
ここでいう支持体としては、前記記載の光透過性を有する基材に用いられるプラスチックフィルム等が採用できる。
【0035】
また、公知のコーティング方法としては、ナイフコーティング、ドクターコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、ブレードコーティング、キスコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング等のような液体塗布法のコーティング方法の他、蒸着コーティング、スパッタコーティング等の真空製膜法等のコーティング方法も適宜採用することが可能である。
【0036】
ここで、前記原稿部材上に感光層と遮光層をコーティングにより直接積層する場合は、感光層、遮光層の順に積層する必要性がある。
【0037】
また、あらかじめ光透過性を有する支持体上に感光層と遮光層を積層する際には、その積層順序は問わない。しかし、前記原稿部材に接着層を介してラミネートする際に、前記原稿部材側から感光層、遮光層の順になるように積層する必要性がある。このように積層するのは、原稿部材に形成された遮光性を有する画像と感光層との間に遮光層が存在しないようにして、感光層の露光を妨げないようにするためである。
【0038】
次に、本発明における第2工程を説明する。
【0039】
本発明の第2工程は、原稿部材上に積層されたポジ型画像形成層を、当該原稿部材側から露光処理する工程である。
【0040】
ここでいう露光処理とは、前記原稿部材中の遮光性を有する画像を原稿として扱って光源側に配置した後、前記画像部分に積層された感光層に光が到達しないようにし、前記画像が形成されていない部分に積層された感光層のみに光を照射する処理のことをいう。
【0041】
この場合の光源から照射される光としては、できるだけ拡散光線を含まない平行度の高い光線であり、且つ前記原稿部材に対して垂直に照射される光であることが望ましい。
【0042】
このような平行度の高い光線による露光処理は、光学系にコリメーターの機能を有する露光装置により行うことが適当である。
【0043】
次に、本発明における第3工程を説明する。
【0044】
本発明の第3工程は、第2工程において露光処理されたポジ型画像形成層を現像処理することにより、当該ポジ型画像形成層に遮光性複製画像を形成する工程である。
【0045】
ここでいう現像処理とは、前記露光処理における未露光部分の感光層に遮光性を付与する処理のことである。例えば、あらかじめ遮光層を感光層に積層しておいた感光層の露光部分に対応する遮光層を剥離させる、若しくは感光層の未露光部分に遮光層を接着させる、又は感光層の未露光部分を染色や発色等により着色遮光させる等の処理を施すことである。
【0046】
更に詳しくいえば、あらかじめ遮光層を感光層に積層しておいた感光層の露光部分に対応する遮光層を剥離させる方法としては、支持体等と共に遮光層を剥離する方法(peel−off)や、遮光層に浸透した現像液により遮光層と共に感光層を膨潤溶出剥離する方法(wash−out)等が挙げられる。
【0047】
また、感光層の未露光部分に遮光層を接着させる方法としては、感光層を露光することにより当該露光部分の粘着性を消失させ、粘着性を残存している未露光部分にのみ遮光層を転写させる方法等が挙げられる。
【0048】
更に、感光層の未露光部分を染色や発色等により着色遮光させる方法としては、例えば、アルカリ可溶性バインダー/ジアゾニウム塩の系の感光層を、露光後にアルカリ染色液で現像することで、感光層の露光部分が溶出し、未露光部分が染色されることにより、遮光性を有する着色レリーフ画像を形成する方法等が挙げられる。
【0049】
次に、本発明により得られる視野選択性シートについて説明する。
【0050】
本発明は、上記原稿部材上に、ポジ型画像形成層の積層(第1工程)・露光処理(第2工程)・現像処理(第3工程)の一連の作業工程を繰り返すことにより前記遮光性を有する画像に対応した遮光性複製画像を形成した層が一層以上積層されてなる視野選択性シートの製造方法である。
【0051】
この視野選択性シートの視野選択性や視野角は、前記原稿部材上に設けられた遮光性を有する画像の形状、遮光性を有する部分の厚みにより調節される。
【0052】
また、視野選択性シートの正面透過率を上昇させるためには、上記した遮光性を有する画像部分の面積比率をできるだけ低くするのが好ましく、その面積比率は75%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは25%以下であることが望ましい。
【0053】
この画像部分の形状や面積比率によって視野角や視野選択性を調節することが可能である。
【0054】
また、遮光性を有する画像の遮光性を有する部分の厚みは、前記原稿部材中の遮光性を有する画像の厚み及び積層形成される遮光性複製画像の厚みを調製することにより調節することができる。
【0055】
そこで視野角を狭く調節するためには、遮光性を有する部分の厚みを厚くする必要性がある。
【0056】
この場合、遮光性を有する部分の厚みを厚くするには、前記原稿部材中にあらかじめ設けられている遮光性を有する画像や積層形成される遮光性複製画像の厚みをそれぞれ厚くすることにより可能となる。
【0057】
しかし、前記原稿部材中にあらかじめ設けられている遮光性を有する画像や積層形成される遮光性複製画像の厚みを、それぞれ単独で厚くするにも限界があり、仮に厚くできたとしても弊害を生じ易い。
【0058】
そのため、前記原稿部材中にあらかじめ設けられている遮光性を有する画像や積層形成される遮光性複製画像の厚みそれぞれ単独で、遮光性を有する部分の厚みを厚くすることは適当とはいえない。例えば、積層形成される遮光性複製画像の厚みを一層のみで厚くしようとすると、露光現像時に画像が綺麗に得られない等の弊害を生じるからである。
【0059】
そこで視野角を狭く調節する方法として、ポジ型画像形成層の積層・露光処理・現像処理の一連の作業工程を繰り返すことで遮光性複製画像を複数積層して、遮光性を有する部分の厚みを厚くする方法が採用できる。
【0060】
この場合、一連の作業工程を多数回行うことで遮光性複製画像を複数積層して、遮光性を有する部分の厚みを厚くすることができるため、この一連の作業工程の回数を調製することにより視野角を容易に調節することが可能となる。
【0061】
この場合の遮光性を有する部分の厚みとは、遮光性を有する画像層と遮光性複製画像の間に遮光性を有しない層が挟み込まれていても、外観上その遮光性を有しない層が確認できず、実質的に遮光性を有する部分の厚みと認識できる層の厚みのことをいう。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例にもとづいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。尚、「部」、「%」は特記しない限り、重量基準である。
【0063】
[実施例1]
1.原稿部材の作製
約5μmの感光層を有する感光性銀塩フィルム(コニカクリアライト デュプリケーション フィルム CUHDA:コニカ社製)に、遮光性を有する画像部分が50μm、光透過性を有する非画像部分も50μmの縞状の原稿を重ね合わせて密着露光処理した後、現像定着処理を行い、図2に示すような遮光性を有する画像部分1が形成された原稿部材3を作製した。
【0064】
2.ポジ型画像形成層の積層(第1工程)
50μmのポリエステルフィルム4に遮光層として真空蒸着法を用いて約0.1μmのAl遮光層5を形成し、次いで以下の感光層塗工液、接着層塗工液を順次塗布し、乾燥することにより約5μmの感光層6、約5μmの接着層7を形成した。続いて当該接着層7を介して、上記原稿部材の画像面と貼り合わせて、図3に示すように、原稿部材3にポジ型画像形成層8を積層した。
【0065】
<感光層塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体 20部
・4−(p−トリルメルカプト)−2,5−
ジエトキシベンゼンジアゾニウム塩化亜鉛 0.8部
・メチルエチルケトン 80部
【0066】
<接着層塗工液>
・アクリルウレタン系接着剤 60部
(ポリボンドAY−651A:三洋化成工業社製)
・アクリルウレタン系接着剤 10部
(ポリボンドAY−651C:三洋化成工業社製)
・酢酸エチル 75部
・トルエン 75部
【0067】
3.露光処理(第2工程)
上記ポジ型画像形成層8を積層した原稿部材3を、平行光露光装置(model EXM−1201:オーク製作所社製)を用いて当該原稿部材面側から平行度の高い光線11を用いて露光処理を行い(図4)、感光層6中のジアゾニウム塩を光分解させて、露光部分の感光層6とAl遮光層5間の界面接着力をAl遮光層5とポリエステルフィルム4間の界面接着力よりも低下させた。
【0068】
4.現像処理(第3工程)
上記露光処理後のポジ型画像形成層8を積層した原稿部材3から、ポジ型画像形成層8中の50μmのポリエステルフィルム4を剥離する。すると未露光部分のAl遮光層5は感光層6と十分接着しているため原稿部材3側に残り、露光部分のAl遮光層5は感光層6との界面接着力が低下しているためにポリエステルフィルム4と共に剥離されることになり(図5)、原稿部材3に遮光性複製画像9が積層形成された。
【0069】
5.上記2〜4の3工程の繰り返し
上記遮光性複製画像9を積層形成した原稿部材3に対して、上記2〜4の3工程を更に3回繰り返し行い、図1に示すような合計4層の遮光性複製画像9を積層形成して、視野選択性シート10を作製した。
【0070】
[実施例2]
実施例1の視野選択性シートに対して、実施例1の2〜4の3工程を更に3回繰り返し行い、図6に示すような合計7層の遮光性複製画像9が積層形成された視野選択性シート10を作製した。
【0071】
[実施例3]
1.原稿部材の作製
実施例1と同様にして、原稿部材3を作製した。
【0072】
2.ポジ型画像形成層の積層(第1工程)
25μmのポリエステルフィルム4に、以下の粘着性感光層塗工液を塗布し、乾燥することにより約15μmの粘着性感光層6を形成した。続いて当該粘着性感光層6を介して、上記原稿部材3の画像面と貼り合わせて、図7に示すように、原稿部材3にポジ型画像形成層8を積層した。
【0073】
<粘着性感光層塗工液>
・トリエチレングリコールジメタクリレート 125部
・メチルメタクリレート重合体 107部
・2−ο−クロロフェニル−4,5−ビス(m
−メトキシフェニル)イミダゾリル二量体 6部
・2−メルカプトベンゾチアゾール 6部
・7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン 3部
・トリクロロエチレン 1770部
【0074】
3.露光処理(第2工程)
実施例1と同様に、原稿部材3面側から露光処理を行い、感光層6を硬化させて露光部分の粘着性を消失させた。
【0075】
4.現像処理(第3工程)
上記露光処理後のポジ型画像形成層8を積層した原稿部材3から、ポジ型画像形成層8中の25μmのポリエステルフィルム4を剥離した後、予めアクリル樹脂中に分散したカーボンブラック(バルカンXC−72:キャボット社製)トナーを散布した後、過剰なトナーを除去して現像処理を行った。すると粘着性を失わなかった未露光部分の感光層6のみにトナーが付着して遮光層を形成し、図8に示すように、原稿部材3に遮光性複製画像9が積層形成された。
【0076】
5.上記2〜4の3工程の繰り返し
上記遮光性複製画像9を積層形成した原稿部材3に対して、上記2〜4の3工程を更に3回繰り返し行い、図9に示すような合計4層の遮光性複製画像9を積層形成して、視野選択性シート10を作製した。
【0077】
[実施例4]
1.原稿部材の作製
実施例1と同様の感光性銀塩フィルムに、遮光性を有する画像線部分が約10μm、光透過性を有する非画像部分の一辺が約30μmの格子状の原稿を重ね合わせて露光処理した後、現像定着処理を行い、図10に示すように遮光性を有する画像部分1が形成された原稿部材3を作製した。
【0078】
2.ポジ型画像形成層の積層(第1工程)
50μmのポリエステルフィルム4に、以下の感光層塗工液を塗布し、乾燥することにより約10μmの感光層6を形成し、当該感光層上に実施例1の接着層塗工液を塗布し、乾燥することにより約5μmの接着層7を形成した。続いて当該接着層7を介して、上記原稿部材3の画像面と貼り合わせて、図11に示すように、原稿部材3にポジ型画像形成層8を積層した。
【0079】
<感光層塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 8部
・塩化ビニリデン樹脂 12部
・メチルメタクリレート樹脂 5部
・スルホサリチル酸 10部
・塩化亜鉛 2部
・m−オキシエチルフェノール 10部
・レゾルシン 1部
・3−スルホン酸−1−オキシナフタリン
−8−スルホン酸メチルアミド 2部
・4−モルホリノベンゼンジアゾニウムジクロライド
の複塩 7部
・メチルセロソルブ 400部
・メチルエチルケトン 440部
・エタノール 100部
・珪酸微粉末 5部
(サイリシア435:富士シリシア化学社製)
【0080】
3.露光処理(第2工程)
実施例1と同様に、原稿部材3面側から露光処理を行い、感光層6中のジアゾニウム塩を光分解させた。
【0081】
4.現像処理(第3工程)
上記露光処理後のポジ型画像形成層8を積層した原稿部材3から、ポジ型画像形成層中の50μmのポリエステルフィルム4を剥離した後、乾式アンモニア現像処理を行った。すると未露光部分の感光層中のジアゾニウム塩とカプラーが、アンモニアによるアルカリ雰囲気下でカップリング反応を行ってアゾ系色素に変化することによって、未露光部分の感光層が着色遮光された。よって図12に示すように、原稿部材3に遮光性複製画像9が積層形成された。
【0082】
5.上記2〜4の3工程の繰り返し
上記遮光性複製画像9を積層形成した原稿部材3に対して、上記2〜4の3工程を更に2回繰り返し行い、図13に示すような合計3層の遮光性複製画像9を積層形成して、視野選択性シート10を作製した。
【0083】
[実施例5]
1.原稿部材の作製
実施例1と同様の感光性銀塩フィルムに、遮光性を有する画像線部分が約10μm、光透過性を有する非画像部分の一辺が約20μmの蜂の巣状の原稿を重ね合わせて露光処理した後、現像定着処理を行い、図14に示すような遮光性を有する画像部分1が形成された原稿部材3を作製した。
【0084】
2.ポジ型画像形成層の積層(第1工程)
12μmのポリエステルフィルム4の一方の面に、以下の感光層塗工液を塗布し、乾燥することにより約5μmの感光層6を形成し、もう一方の面に実施例1の接着層塗工液を塗布し、乾燥することにより約5μmの接着層7を形成した。続いて当該接着層7を介して、上記原稿部材3の画像面と貼り合わせて、図15に示すように、原稿部材3にポジ型画像形成層8を積層した。
【0085】
<感光層塗工液>
・バニリン変性ポリビニルアルコール 4部
・メタクリル酸エステル共重合体 4部
・1−ジアゾ−3−クロロ−4−N,N−ジエチル
アミノ−ベンゼン クロライド1/2塩化亜鉛 1.2部
・メチルセロソルブ 85部
【0086】
3.露光処理(第2工程)
実施例1と同様に、原稿部材3面側から露光処理を行い、感光層6中のジアゾニウム塩を光分解させた。
【0087】
4.現像処理(第3工程)
上記露光処理後のポジ型画像形成層8を積層した原稿部材3を、予め染料(Direct Deep Black XA:保土谷化学社製)を溶解したアルカリ性現像液を用いて現像処理を行った後、水道水で洗浄した。すると未露光部分の感光層6はカップリング反応によってアルカリ溶液に難溶性となり、且つ染料によって染色遮光され、露光部分の感光層6はアルカリ溶液によって溶出した。よって図16に示すように、原稿部材3に遮光性複製画像9が積層形成された。
【0088】
5.上記2〜4の3工程の繰り返し
上記遮光性複製画像9を積層形成した原稿部材3に対して、上記2〜4の3工程を更に1回繰り返し行い、図17に示すような合計2層の遮光性複製画像9を積層形成して、視野選択性シート10を作製した。
【0089】
そこで、実施例1〜5で得られた視野選択性シートを、以下のように目視及び視野角度の測定を行って評価した。
【0090】
A.[目視評価]
視野選択性シートをあらゆる角度に傾けて、その視野選択性シートを通して見る向こう側の視認性について評価を行った。
【0091】
[目視評価結果]
すると実施例1〜3については、縞状画像に垂直な一方向に傾けたときに、その視野選択性シートを通して見る向こう側が視認できなくなった。
【0092】
また、実施例4と5については、あらゆる方向(多方向)に傾けたときに、その視野選択性シートを通して見る向こう側が視認できなくなった。
【0093】
B.[視野角度の測定]
レーザー光源から発したレーザー光が、光パワーメーター(オプティカルパワーメーターTQ8210:アドバンテスト社)の受光部に当たるように光源と受光部を設置し、このレーザー光路中に視野選択性シートのサンプル設置場所を設ける。このサンプルの設置角度を変えることにより、入射角度、即ち視野選択性シートサンプルの垂直な方向に対して光路がなす角度を−50度から50度まで10度毎に変化するようにサンプルへのレーザー光の入射角度を変え、それぞれの角度でのパワーメーターの値から、それぞれの入射角度での透過率を求め、表1に示す。なお、各々の角度での透過率は、次式で計算した。
【0094】
透過率=各々の角度でのサンプルを設置した場合の測定値/サンプルがない場合の測定値×100(%)
【0095】
[視野角度の測定結果]
【表1】
Figure 0004067162
【0096】
以上の結果からも明らかなように、本発明の製造方法によれば、原稿部材上に設けられた遮光性を有する画像の形状や遮光性を有する部分の積層厚みを様々調整することにより、多方向の視野選択性を有したり所望の視野角を有することができる視野選択性シートを、容易に製造することができた。
【0097】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、各種視野選択性の要求に応じて、多方向の視野選択性を有したり種々の視野角を有することができる視野選択性シートを、容易に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の視野選択性シートの一実施例を示す断面図
【図2】 本発明の原稿部材の一実施例を示す斜視図
【図3】 本発明の第1工程完了後の原稿部材上にポジ型画像形成層が積層された一実施例を示す断面図
【図4】 本発明の第2工程の概念的断面図
【図5】 本発明の第3工程の一実施例を示す概念的断面図
【図6】 本発明の視野選択性シートの他の実施例を示す断面図
【図7】 本発明の第1工程完了後の原稿部材上にポジ型画像形成層が積層された他の実施例を示す断面図
【図8】 本発明の第3工程完了後の原稿部材上に遮光性複製画像が積層形成された一実施例を示す断面図
【図9】 本発明の視野選択性シートの他の実施例を示す断面図
【図10】 本発明の原稿部材の他の実施例を示す斜視図
【図11】 本発明の第1工程完了後の原稿部材上にポジ型画像形成層が積層された他の実施例を示す断面図
【図12】 本発明の第3工程完了後の原稿部材上に遮光性複製画像が積層形成された他の実施例を示す断面図
【図13】 本発明の視野選択性シートの他の実施例を示す断面図
【図14】 本発明の原稿部材の他の実施例を示す斜視図
【図15】 本発明の第1工程完了後の原稿部材上にポジ型画像形成層が積層された他の実施例を示す断面図
【図16】 本発明の第3工程完了後の原稿部材上に遮光性複製画像が積層形成された他の実施例を示す断面図
【図17】 本発明の視野選択性シートの他の実施例を示す断面図
【図18】 本発明の遮光性を有する画像の一例
【図19】 本発明の遮光性を有する画像の一例
【図20】 本発明の遮光性を有する画像の一例
【図21】 本発明の遮光性を有する画像の一例
【図22】 本発明の遮光性を有する画像の一例
【符号の説明】
1・・・遮光性を有する画像部分
2・・・光透過性を有する部分
3・・・原稿部材
4・・・光透過性を有する支持体
5・・・遮光層
6・・・感光層
7・・・接着層
8・・・ポジ型画像形成層
9・・・遮光性複製画像
10・・視野選択性シート
11・・平行度の高い光線

Claims (2)

  1. 遮光性を有する画像が形成された部材上に、以下の(1)から(3)の3工程を一連の作業工程とし、当該一連の作業工程を少なくとも一回以上行い、遮光性を有する部分の厚みを調節することにより視野角を調節できることを特徴とする視野選択性シートの製造方法。
    (1)ポジ型画像形成層を積層する。
    (2)前記部材側から露光処理する。
    (3)前記ポジ型画像形成層を現像処理することにより、前記ポジ型画像形成層に遮光性複製画像を形成して、前記部材と前記遮光性複製画像とが一体となるようにする。
  2. 前記遮光性を有する画像が、縞状、格子状、蜂の巣状の画像であることを特徴とする請求項1記載の視野選択性シートの製造方法。
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