JP4067723B2 - 感光性組成物および基板上への微細形状の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマイクロレンズ、マイクロプリズムなどの微少光学素子およびその他の基板表面に形成された微細形状からなる機能部品を製造するための感光性組成物と、この感光性組成物を用いた微細形状機能部品の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体プロセス技術を応用したマイクロ加工技術の急速な進展に伴い、この技術を用いて従来の研磨加工によっては作成が不可能か、もしくは非常に困難で極めて高価になるような微小な光学素子およびそれらを多数配列した、いわゆる微少光学素子アレイが高精度な形状精度でかつ安価に作成できるようになり多方面に応用されている。その一つの例は液晶パネルの実質的開口率を向上させるためなどに用いられる凸レンズアレイであり、その形成には所定の形状にパターニングしたフォトレジスト膜を加熱して流動化させ表面張力により球面を形成する手法が用いられる。
【0003】
フォトレジストが透明である場合はそのレンズ形状をそのまま用いてもよいが、多くの応用ではレンズアレイには耐熱性、耐侯性が要求されるので異方性ドライエッチングによりフォトレジストの凸レンズ形状をガラスなどの基板に転写することが行われる。また、このような方法により形成した基板を母型としてガラスや光学プラスチックをモールディングすることにより同じ形状の素子を更に安価に作成することもできる。
【0004】
このようにして作成される微少光学素子アレイは画像関連デバイスの機能を高める手段として有用であるが、上記の加熱、流動化によるレンズ形状形成法は材質の表面張力による形状を基にしているので作成できる形状は球面に限られる。しかし、単なる球面の凸レンズアレイのみでは実現できる光学系が非常に限定されたものとなり、より高機能な光学系を構成するには非球面レンズアレイや凹レンズアレイとの組み合わせ光学系が必要となる。また、画像関連デバイスの微細化に伴い、要求されるアレイ素子のピッチも5μm程度まで微細なものとなっている。しかし、これらの組み合わせ光学系を作る際に必要となる非球面レンズ形状や凹レンズ形状は熱可塑性材料を熱変形させることによっては得にくい形状であり、実際、微小な非球面レンズ、凹レンズ、およびこれらを多数配列した微少光学素子アレイは従来主に用いられている熱可塑性材料の熱変形を元にした形状作製方法では高精度に製作することが困難であった。
したがって非球面レンズや凹レンズを球面凸レンズと組み合わせてより高機能な組み合わせ光学系を製造しようとしてもその具体的な方法が無かった。
【0005】
この問題を解決するため、フォトレジスト等の熱可塑性材料の加熱流動化による変形を基にした方法とは異なる種々の微細形状形成方法が発明されている。
その一つは特開平5−88335に記載されている、グラデーションマスクあるいはハーフトーンマスク等と呼ばれる、部位により光の透過率が異なるフォトマスクを用いて感光性材料層を露光することにより、現像後の残膜厚を変化させてフォトレジスト膜に所望の微細形状を形成する方法である。
この発明のマスクパターンと形成される形状の例をそれぞれ図1及び図2に示す。同種の形状形成方法は特開平9−7115にも記載されている。この発明におけるマスクパターンの例を図3に示す。これらの従来方法は、マスクパターンを工夫して各部分の開口率を変えることにより、マスク面内の各部位での等価的な光透過率を異なるものとさせる方法であり、巨視的には露光量分布をフォトレジスト面内位置により変化させることができる。したがってフォトレジストの各部分の残膜厚を変化させることができ、非球面形状や凹レンズ形状を含む自由曲面を形成できるが、フォトマスクに描画できるパターンの大きさに下限(概ね0.1μm)があるため、実際は、作成された最終形状の表面にこのピッチ、すなわち概ね0.1μmで生じる微細な凹凸が生じることが避けられない。0.1μmの長さは充分に微細な寸法であるようにも考えられるが、微小光学素子が取り扱う光の波長、例えば400nm程度、を考えると波長の1/4程度に過ぎず、このようなピッチの凹凸は光学的に影響が大きい。
【0006】
凹凸の深さが極めて小さければ光学性能への影響は無視できるが、凹凸の深さは用いたパターンにより異なるものの、従来例のパターンから分かるように、開口率の大きな(即ち光線透過率の大きな)部位では遮光パターンが比較的離散的な配置となるため、波長に対して無視できない深い凹凸になることが避けられない。もっとも、このような凹凸は従来のようなアレイピッチが比較的大きなアレイ素子や、それほど高い精度を求めない微少光学素子等ではあまり問題とならなかった。しかし、前述のように現在アレイ素子のピッチが5μm程度にまで微細化されてきたのに伴い、ピッチが0.1μm程度の凹凸であっても相対的に影響が大となり、素子の特性を大きく低下させるものとなる。したがって、この方法は微小なピッチのアレイ素子を作成する場合や、ピッチがそれほど小さくなくとも、特に優れた平滑性、概ね波長の1/10より良好な平滑性を必要とする高精度の光学的反射面あるいは屈折面を形成しようとする場合などには適用できないという問題がある。
【0007】
別の方法として特開平5−281712には、フォトマスクの手前に光拡散板を設け、かつ、フォトマスクを感光材料層からある程度離すことにより感光材料層上に光量分布を生じせしめる方法が記載されている。この方法では光量分布が滑らかに変化するものとなるので前記の従来例に見られるような微細な凹凸が残留するという問題は生じないが、光の拡散を利用しているためその光量分布は自然に決まってしまい、任意の非球面形状を得ることは困難であるという問題がある。また、感光性材料から離れた位置にあるフォトマスク付近での光の拡散を利用しているため、微小な構造を正確に露光して形成することはできず、ピッチが概ね20μm以上の比較的大きな形状の形成にしか適用できない。
【0008】
また、前記の方法とは別な方法として、フォトリソグラフィプロセスを多数回繰り返してフォトレジスト膜が階段状に積層された形状を作成し、擬似的に傾斜面や非球面を形成する方法が従来からある。この手法によれば非球面形状も階段状の斜面を使って擬似的に形成することができる。この方法は作成する微少光学素子の大きさがフォトリソグラフィの設計ルール、概ね0.1μmに比べて非常に大きいときは階段状の形状を相対的に小さくすることができ階段形状の凹凸が無視できるので有効であるが、素子のピッチが5μm程度より小さいと前述の従来例と同じように階段状の凹凸が無視できない光学的な影響を生じる。
上述のように、従来の微小光学素子作成技術の問題点は、光学的に問題のない程度に平滑な表面を有する任意の形状を作成することができず、結果として高精度な非球面レンズアレイを作成できないことである。平滑な素子表面を形成できないことは特にアレイ素子ピッチが数μmと微細である場合、素子の特性を大きく低下させるものとなっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の微小形状形成法では高精度に形成できない基板表面の微細形状、たとえば非球面レンズアレイを光学的にも問題のない程度に平滑な素子表面を持たせて高精度に作成することができる感光性組成物とこれを用いた微細形状形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、感光させるために照射される照射光波長365nm(以下、波長λとも言う)の光に対して屈折率ncを有する液相の感光性組成物(C)の中に、波長λの光に対して小さな減衰率κaを有する光散乱性組成物(A)の固相の微粒子と波長365nmの光に対して大きな減衰率κbを有する光吸収性組成物(B)の固相微粒子の両者が分散混合されて構成され、da/λ〔da:光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の直径、λ:感光性組成物を感光させるため照射される光の波長〕の値が0.003から0.1の間にあり、かつ減衰率κaが0.01より小さい値を持つことを特徴とする感光性組成物に関する。
本発明によれば、光散乱という現象は通常作成される微細形状の大きさに比べて遥かに小さい微粒子等によってもたらされるものであることから、その光量の変化は滑らかなものとなり、グラデーションマスクを用いたときに見られるような無視できない大きさの凹凸が生じることがない。またフォトレジストの内部での光拡散を利用するから、その上部に若干の距離をおいて光拡散板を設ける方法のように微細な形状の再現性が低下するということもない。
さらに、含有させる組成物を変えることにより単なる拡散板とは異なり、光拡散の状態を様々に変化させることができる。
したがって、本発明の方法は、作成する形状が非常に微小となった場合でも、自由度の高い微細形状の形成が可能であるという特徴を有する。
【0011】
本発明の前記微細形状形成方法においては、感光層材料が非常に重要な役割を担っているので、本発明者はこの材料について詳細な検討と実験を行ない、本発明の前記微細形状形成方法に適した感光性組成物を見出した。
次にその感光性組成物について説明する。
(1)感光性組成物を感光させるために照射される波長(以下、波長λとも言う)の光に対して屈折率ncを有する液相の感光性組成物(C)の中に、波長λの光に対して比較的小さな減衰率κaを有し、かつ照射される光束を該感光性組成物層内において所望の程度に散乱させる光散乱性組成物(A)の固相の微粒子が分散して混合された感光性組成物。
前記感光性組成物においては、減衰率κaが0.01より小さい値を持つことが好ましい。
(2)前記(1)の感光性組成物に、光束の状態、主に散乱光の広がりの状態を制御するために、大きな減衰率κbを有する微粒子を含有する光吸収性組成物(B)を加えた感光性組成物。
前記「小さな減衰率κa」および「大きな減衰率κb」とは、複数の種類の微粒子が存在する場合に、相対的に大きな減衰率と小さな減衰率のものが存在することを意味する。
前記減衰率とは光がその物質に吸収されることにより減衰する程度を表す物質固有の定数であり、その物質のバルク体に入射する光強度をI0とし、物質中の光の進行距離をxとした場合、その位置(x)での光強度Iは、
【数1】
I=I0×exp(−κx)
で表されるが、この式におけるκを指す。
【0012】
前記(1)あるいは(2)の感光性組成物を用い、その組成を適切にすれば、フォトマスクにより部分的に照射された露光パターンが感光性混合物層中で所定のプロファイルに散乱されるようにして、フォトレジスト層への三次元的な露光光量を制御し、これにより自由度の高い微細形状形成が可能となる。
前記(1)あるいは(2)の感光性組成物を比較すると、前記(2)の感光性組成物は光散乱の状態をより広く変化させることができ、したがって作成できる形状の範囲も広いという特徴がある。ただし、組成の決定と製造は前記(1)の感光性混合物の方が容易であるのでこれを用いた方が製造コストは低減できる。これらは作成する微細形状に求められる特性と製造コストの工程を考慮して選択することとなる。
【0013】
本発明の感光性組成物の媒質中にある微粒子による光の散乱の働きについては、G.Mieによって詳細に研究され、均一媒質内にある、任意の光学特性の材質でできた任意の直径の球による単色光束の散乱状態を厳密に表す式が求められている〔G.Mie,Ann.d.Physik.(4),Vol25,pp377,1908〕。この理論の内容は、M.BornとE.Wolfの著わしたPrinciples of Optics,第6版(Pergamon Press),pp634〜pp664にも解説されている。
【0014】
M.BornとE.Wolfの著書から引用した、屈折率が1.33の媒質(水に相当)の中にある金(Au)微粒子により、波長5500オングストロームの直線偏光が散乱された場合の計算結果を図4に示す。図4中の各図において数値aはAu粒子の直径(単位:オングストローム)を示し、光束は各図の左側から入射し、各図の水平線上にある粒子で散乱される。図4中の各図において、微粒子を中心とした動径ベクトルの長さがその方位での散乱光の強度を示し、外側の曲線は散乱される光の全強度を示す動径ベクトルの先端の軌跡であり、内側の曲線は粒子で散乱されることにより生じた入射偏光に直交する方位の直線偏光成分の大きさを示す。図4(A)は、粒子直径が0となった極限(a→0)での状態を計算したものである。図4(B)および図4(C)は、それぞれa=800オングストローム、a=900オングストロームの場合を計算したものである。この図から分かるように、粒子が非常に微小な極限(a→0)では光束はその進行する前方及び後方に粒子を中心として対称に散乱され、粒子直径が大きくなるにしたがって光束の進行方向により強く散乱されるようになり、この現象はMie効果と呼ばれている。粒子の形状が球であるとした場合、散乱光の方位に対する強度分布は、粒子の存在する媒質の屈折率、粒子の光学定数、及びこれらの波長依存性、粒子の直径によって定められ、Mieの理論に基づいて計算により求めることができる。
【0015】
本発明者は上記の光散乱理論を基に検討を行ない、従来は若干の吸収を持った均質な組成物であったフォトリソグラフィ用のフォトレジストの中に、光吸収の比較的小さな微粒子を含有する光散乱性組成物(A)と比較的光吸収の大きな微粒子を含有する光吸収性組成物(B)を加えて、フォトマスクによりフォトレジスト層に照射された露光パターンがフォトレジスト中で散乱される状態を様々に変化させ、フォトレジスト層への三次元的な露光光量を制御し、自由度の高い微細形状形成を行なう前記の方法を発明した。
【0016】
本発明の感光性混合物の薄層が基板上に形成された状態を模式的に図5に示す。光散乱性組成物(A)と光吸収性組成物(B)を構成する微粒子の直径は誇張して実際より大きく表してある。この感光性混合物層にフォトマスクを介して部分的に光が照射されたときの感光性混合物層内の光散乱状態を図6に示す。図6において、それぞれ、
1.散乱プロファイル(1)は、層内での散乱の程度が大きく露光光強度が小さい場合に散乱光強度が感光性混合物の感光強度に達する領域、
2.散乱プロファイル(2)は、層内での散乱の程度が小さく露光光強度が大きい場合に散乱光強度が感光性混合物の感光強度に達する領域、
を定性的に示したものである。
【0017】
感光性混合物の組成を具体的に定めるには、形状作成に必要な光散乱の状態を実現するためにどのような特性の微粒子をどの程度の濃度で分散させるか、を決定しなければならない。一つの方法として種々の微粒子を種々の濃度に分散させた感光性混合物を多数作成し、これらにより実際に形状を試作して所望の形状が得られる感光性混合物の組成を決める方法が考えられるが、この方法は目的の感光性混合物を得るまでに多大な労力を必要とし生産性の高い方法ではない。
【0018】
また一つの方法として、種々の微粒子を種々の濃度で加えた場合の光散乱の状態を上記のMieの理論に基づいて解析的に計算し、光散乱状態が所望のものとなるような微粒子の特性と濃度を試行錯誤により求める方法が考えられる。
しかし、この方法は粒子の光吸収がほぼ無視できる場合など限られた場合を除いては極めて複雑な計算となるため実際には困難である。
そのため本発明者は、出発点としてある特性の微粒子をある濃度加えた感光性混合物の中に実現される光散乱状態をその上部に設置されたフォトマスクのパターンも含めて電子計算機により計算し、その結果を基に、感光性混合物の組成をわずかに変化させ、再度、光散乱状態を計算して所望の光散乱状態に近づく組成を見出し、これを繰り返して光散乱状態を所望の状態に収束させることにより感光性混合物の組成を定める方法を取った。ここで得られた結果に感光性混合物の露光量に対する現像後の残膜厚の関係を適用すれば、感光性混合物を現像した後に得られる立体微小形状をシミュレーションすることも可能である。
【0019】
この際必要となる、ある組成の感光性混合物においてどのように光束が分散されるかという特性は、Mieの理論を基にして、モンテカルロシミュレーションの手法により求めることができる。その具体的な手順を述べると、まず、光散乱性組成物および光吸収性組成物各々の材質のバルク体の光学定数をあらかじめ通常の屈折率測定法、例えば偏光解析法などにより求める。しばしば、同材質であってもバルク体の光学特性と微粒子の光学定数は異なるが、そのときは実験に基づき補正を行なう。また、光散乱性組成物および光吸収性組成物各々の微粒子の直径とその粒度分布を電子顕微鏡観察などにより求めておく。そして、感光性混合物層が基板上に形成されたモデルを作成し、感光性混合物層の表面のある一点に光線を入射させた場合の光線軌跡を電子計算機により計算する。
【0020】
入射した光線の軌跡の計算は次の手順による。説明を簡素にするため、基板面に垂直な一つの平面内における計算手順を示すが、立体形状内の光散乱はこれを3次元に拡張することにより容易に求められる。まず、光散乱性組成物および光吸収性組成物各々の粒子直径と混合量から、感光性混合物層中での各微粒子の存在確率を求め、入射した光線をそれぞれの確率でいずれかの微粒子に衝突させる。光線がどの種類の微粒子にどの位置で衝突するかを定めるには例えば次のような方法による。ある光束の進む向きにおける各微粒子の存在確率を単位面積(例えば1辺100オングストロームの正方形)中に占める面積として表し、いずれの粒子も存在しない面積を加えてこれらの合計を1に規格化する。計算プログラムにおいて、光線がその進行方向にこの面積を通過する際に、0から1の間の乱数を生じさせ、例えば0から0.2までは微粒子Aに衝突、0.2を越え0.3までは微粒子Bに衝突、0.3を越え1までは衝突しない、というように場合を振り分ける。粒子が衝突しなければさらに単位長さ(例えば100オングストローム)進み、次の面を仮定して、再度同様に計算し光線がいずれかの微粒子に衝突するまでこれを繰り返す。このようにして光線と微粒子の衝突頻度をそれぞれの存在確率に対応して定めることができる。粒径が種々異なる粒子が混合している場合やいくつかの材質の粒子が混合している場合も、上記の場合分けの数を増やして同様に計算すれば良い。
【0021】
次に、光線が衝突した微粒子の光学定数と直径からMieの式により光の散乱状態を求める。光の散乱強度は極座標表示で見た場合、当然ながらその微粒子の周囲に連続した関数となるが、ここでは、一つの平面において360度の方位を充分な分解能をもって複数の方向に分解し、その各方位における散乱強度によって表す。方位の分割数としては概ね30度おき即ち12方位程度が適当である。これを細かくすれば計算の精度が向上するが、通常、光線は次々と相当の回数散乱されるので計算に要する時間が膨大なものとなる場合がある。
次にその微粒子の位置から各々の方位(ここでは12方位)にそれぞれの強度で新たな光線が射出されたものとして、それぞれの光線を光散乱性組成物(A)および光吸収性組成物(B)の各微粒子の存在確率により、いずれかの微粒子に衝突させる。どの種類の微粒子にどの位置で衝突するかは上記と同様の手順により定める。この手順を入射した一本の光線が次々と散乱されて生じるすべての光線の強度が感光性組成物の感度に対して影響のなくなる時点まで繰り返すと、入射した一本の光線により感光性混合物層中に生じた散乱光の全軌跡が求められる。上記の光線追跡を感光性混合物層の表面に設置されたフォトマスクの開口部全面に対してまんべんなく多数回繰り返すことにより、感光性混合物層内での光の散乱状態が求められる。充分に多い数の光線軌跡を計算したのち、感光性混合物層内の一点を含む十分小さな単位体積(例えば1辺が100オングストロームの直方体)を通過する光線の数を積算し、入射した光線数の面密度に対する比をとれば、感光性混合物層内の各位置における露光光量が入射光量の相対値として求められる。感光性混合物の露光光量に対する感光特性を別に実験により求め、これら2つの結果を組み合わせることにより現像後に感光性混合物層に形成される微細形状が知られる。
【0022】
感光性混合物の基部となる液相の感光性組成物(C)として、露光光量のある閾値で急峻な感光特性を有する組成物を用いれば計算による形状の検討結果と実際に得られる形状の差異が小さくなる傾向がある。ドライエッチングに通常用いられるポジレジスト等はこのような急峻な特性いわゆるγ値の大きな感光特性を有しているものが多く、実際の多くの製造現場において上記のシミュレーション方法は作成形状を良好に再現することができる。
【0023】
一般に、その直径が照射される光の波長の10倍程度の長さから波長に対して極めて小さい長さの範囲にある微粒子による光の散乱の状態、即ち方位に対する散乱光強度分布は、その微粒子の材質の屈折率、減衰率および粒子直径により極めて大きく変化する。また注目すべきことは、光吸収体の微粒子によっても光束は単に吸収されるだけではなく、方位に対して複雑な強度分布をもって散乱されることである。このような現象を利用して、本発明の感光性混合物は含有する微粒子の屈折率、減衰率、粒子直径を変えることにより層内に形成される光散乱領域の形状を種々変化させることができる。各々の組成物は単一の材質からできた微粒子のみを含んでいても良いし、様々な材質の微粒子が混合されたものでも良い。
【0024】
また、特に光吸収組成物の微粒子においては、金属元素が主となるので比重が大きく、基板に塗布する以前の液状の状態での沈降が問題となる場合がある。このような場合には、微粒子に中心部を構成する第一の部分とその周囲を取り囲む第二の部分から構成された同心球様の構造を持たせ、全体の比重を液相の組成物に近づけることにより沈降を起りにくくすることができる。
【0025】
また、それぞれの組成物は様々な材質から作成されるため相互の親和牲が悪い場合があり、基板に塗布する以前の液状の状態で長期間保管すると微粒子が液相組成物から分離し、同種の微粒子が凝集してしまうことが問題となる場合がある。このような場合には各組成物を構成する微粒子の表面をシランカップリング処理することにより液相の組成物との親和性を高め、凝集を防ぐことができる。
前記シランカップリング処理は、全ての微粒子に行っても良いし、その一部に行ってもよい。
【0026】
感光性混合物層の形成時に、感光性混合物層の深さに対して光散乱の状態を変えると、作成できる形状の自由度を高めることが出来る。感光性混合物層の深さに対して光散乱の状態を変えるには、光散乱性組成物(A)および光吸収性組成物(B)のそれぞれを構成する微粒子の単位体積あたりの粒子数が、基板面と垂直な方向に基板表面からの距離に対して所定の変化を有するようにする。このような感光性混合物層の例を図7に示す。図7は点線より表層に近い領域では散乱が大きく、点線より基板に近い領域では散乱が小さくなるようにステップ状に散乱の程度が変化している感光性混合物層に形成される光散乱の状態を模式的に示したものである。
図7に示すように、光散乱プロファイルを均一な層で得られるものに対して変化できるので作成形状をより広く変化させることができるようになる。
【0027】
散乱の状態を深さに対して変えるには各薄層の粒子数を変えることのほかに各層に含まれる微粒子の材質を変えても良い。しかし、この方法は複数の材料を使用するため製造工程が煩雑となるので、特別な必要性がなければあまり利点はない。比較的高濃度に微粒子を含む感光性混合物を基にし、これに順次、液相の感光性組成物を加えて希釈することにより様々な散乱の程度を有する感光性混合物として使用することができるから、上述のような微粒子数を変化させる方法は実施が容易でありかつ優れた効果が得られる。
【0028】
また、付随的な効果として、従来から用いられているグラデーションマスクを使用した微細形状形成方法においても本発明の感光性混合物は有効である。
本発明の感光性混合物を用い、感光材料層内に適切な程度の光散乱特性を持たせることにより、グラデーション作成のための微小なパターンに対応した光量変動を抑制することができ、グラデーションマスクを使用した微細形状形成方法において、従来は形状表面への発生が避けられなかった微小ピッチの凹凸の深さを減少させ、形状精度を向上させることができる。この場合に用いる感光性混合物の光散乱組成物は、これにより生じる散乱光強度がごく小さいものが良く、また光吸収性組成物の混合量は極めて少なくするのが良い。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。
【0030】
実施例1
プラスチック製の非球面凸レンズアレイを作成するための母型となる、表面に凹形状のアレイが形成された石英ガラス基板を次の手順により作成した。目標とするレンズ形状は、直径が10μm、レンズ高さが3μm、配列ピッチが12μmの回転放物面形状である。基板には直径100mm、厚さ0.5mmの石英ガラスウェハを使用した。
【0031】
感光性混合物の調製
液相の感光性組成物(C)には東京応化工業株式会社製のポジ型フォトレジストOFPR−800(粘度800cp)を用いた。
光散乱性組成物(A)は日本アエロジル株式会社製のシリカ微粒子AEROSIL−200(粒子直径120Å)を所定量秤量しエチルセロソルブアセテート中に分散させた溶液を作成し用いた。
光吸収性組成物(B)はニッケル(Ni)を主な組成とする金属微粒子(粒子直径200Å)をエチルセロソルブアセテート中に分散させた溶液を作成し用いた。この金属微粒子は、ニッケルを主な組成とする合金をるつぼ内で誘導加熱により溶融させ、その蒸気をアルゴンガスを導入した別のチャンバ内に隔壁に設けた細孔より高速で噴出させ、冷却されて生じた微粒子を捕集することにより得た。これらの微粒子を溶媒中に分散させるには高速回転翼型のホモジナイザを使用したが超音波型の分散装置なども使用することができる。
上記組成物(C)中に組成物(A)及び組成物(B)を所定量加え、更にエチルセロソルブアセテートを加えて感光性混合物とし、エチルセロソルブアセテートの添加量を調節して粘度が摂氏20度においておよそ200cpとなるようにした。
組成物(A)及び組成物(B)の添加量は、それぞれの微粒子の密度が完成した感光性混合物の1立方センチメートルあたり、組成物(A)についてはおよそ1×10E15個、組成物(B)についてはおよそ1×10E12個となるようにした。これらの添加量は前述の散乱光強度のシミュレーション手法に基づいて導いたものであり、感光性混合物1g中にシリカ微粒子はおよそ10mg、金属微粒子はおよそ30mgが含有されたものに相当する。
【0032】
非球面凹形状の作成
上記の感光性混合物をホモジナイザにより充分に均一化し、静置せずに直ちにスピンコータにより石英ガラスウェハ上に塗布した。スピンコータの回転数は1500rpmとし、回転時間は30秒とした。このウェハを摂氏90度のクリーンオーブン内に30分間保持しプリベークを行なった。プリベーク後の感光性混合物層の膜厚は3.2μmであった。この感光性混合物層に、直径が8μmの円形開口が12μmのピッチで設けられたフォトマスクを重ね、波長が365nmの紫外光で露光したのち、通常の現像、リンスの手順に従って処理し、感光性混合物層に凹形状のアレイを作成した。凹形状は露光光量により変化することが認められたので露光光量を種々変化したところ、およそ1平方センチメートルあたり0.8Jとした場合に、凹形状の中心を通る垂直断面の形状がほぼ放物線形状となり、目標の形状を得ることができた。次に、このウェハを摂氏130度のクリーンオーブン内に30分間保持し、ポストベークを行なった。その後ウェハをECRエッチング装置〔住友金属工業(株)製ERO37型装置(商品名)〕の基板ホルダに取り付け、エッチングガスとして、CHF3ガスを10SCCM、酸素ガスを3SCCM供給し、基板温度摂氏0度、マイクロ波電力600W、基板バイアス用高周波電力400W、ECR条件生成用電磁石電流19A、圧力2×10E−4Torrの条件で40分間エッチングし、感光性混合物層の形状をそのままの形状で石英基板上に転写した。これにより、石英ガラス基板上に目的のレンズ形状の母型となる凹形状のアレイを作成することができた。
【0033】
本実施例では感光性組成物(C)として、通常、半導体プロセスに用いられるノボラック樹脂を主な成分とするフォトレジストを用いたが、これに限られるものではなく、PMMA樹脂やエポキシ樹脂に光硬化性を付与した樹脂、およびネガレジスト材料なども同様に用いることができる。特にPMMA樹脂は光吸収が小さいので厚い感光性混合物層を作成する必要がある場合などに適している。また、本実施例では円形の凹形状を作成したが、凸形状、傾斜面などもそれに応じた光拡散のプロファイルを前述のシミュレーション手法により求めて同様の工程で形成することが出来る。また、円形と異なる開口を持つ形状はそれに応じたフォトマスクを用いることにより作成できる。
また、光散乱性組成物のみを添加した場合においても光照射量を変化することにより所望の形状に近い形状を得ることができたが、その形状精度は上記の場合に対して劣っていた。
【0034】
実施例2
実施例1において、使用する微粒子の直径を変化させた場合、作成できる形状の目標形状に対する再現精度に違いが見られたのでその最適な範囲を実験により調べた。それぞれの微粒子の直径に種々異なるものを使用し、露光波長をフォトレジスト材料が感光する範囲内で種々変化させ、最終的に作成された形状の目標形状に対する差異を計測したところ、光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の直径daは、感光性混合物を感光させるため照射される光の波長Åに対する比、すなわちda/λの値が0.003から0.1の間にある場合が、形状の差異が小さく良好な結果が得られた。daがこれより小さい範囲では光散乱の働きが小さすぎて本発明で期待する効果が得られず、daがこれより大きい範囲では作成した形状の表面に光学的に無視できない粗さの凹凸を生じる場合があった。また、光吸収性組成物(B)を構成する微粒子の直径dbは、感光性混合物を感光させるため照射される光の波長λに対する比、すなわちdb/λの値が0.001から0.03の間にある場合が、形状の差異が小さく良好な結果が得られた。dbがこれより小さい範囲では光吸収及び散乱の働きが小さすぎて本発明で予定する効果が得られず、dbがこれより大きい範囲では光吸収量が大きすぎて感光性組成物全体を充分に感光させることができない場合があった。また、光散乱性組成物のみを用いた場合、形状の精度は若干低下したが微粒子直径の適切な範囲については同様の結果が得られた。
【0035】
実施例3
実施例1において、光散乱性組成物を構成する微粒子の材質を変え、その屈折率を変化させた場合、作成できる形状の目標形状に対する再現精度に違いが見られたのでその最適な範囲を実験により調べた。屈折率の異なる微粒子は酸化シリコン(SiO2、屈折率:1.45)と窒化シリコン(Si3N4、屈折率:2.0)の中間の組成物、いわゆるSiON材料からなる微粒子を作成して用いた。この微粒子は、SiH4ガスにN2Oガスを加えた低圧力気体をグロー放電により分解することにより製造することができる。通常この方法はプラズマCVDと呼ばれ、基板上に薄膜を形成するものであるが、グロー放電を生成する高周波電力を増大させたり、反応圧力を高めることにより気相中での反応が支配的になりダスト状の微粒子が生成される。本実施例では一般的なプラズマCVD装置を使用し、装置内部に生成した微粒子を捕集することによって屈折率が1.45から2.0の間にある種々の微粒子を作成し用いた。その結果、微粒子の屈折率の液相の組成物(C)の屈折率に対する比が0.8から1.3の範囲にある場合、良好な形状再現性が得られることが分かった。微粒子の屈折率がこの範囲を逸脱すると作成した形状の表面に光学的に無視できない粗さの凹凸を生じる場合があった。
【0036】
実施例4
実施例1において、光散乱性組成物及び光吸収性組成物を構成するそれぞれの微粒子の材質を変え、その減衰率を変化させた場合、作成できる形状の目標形状に対する再現精度に違いが見られたのでその最適な範囲を実験により調べた。その結果、光散乱性組成物を構成する微粒子の減衰率が0.01を越えると感光性混合物全体の光吸収量が大きくなり層の下部まで良好に露光できなかった。また、光吸収性組成物の微粒子の減衰率が1000より小さいと本発明で予定している効果が得られず良好な形状制御ができなかった。
なお、本明細書で述べる減衰率は、材質の複素屈折率をn(1−iκ)(iは虚数単位)と表した場合のκを指す。
【0037】
上述のような観点から、本発明者は種々の材質について検討を加え、本発明の形状作成方法における効果を実験により確認すると共に、生産工程での安全性及び入手の容易性などを加味してその適合性を調べた結果、光散乱性組成物(A)を構成する微粒子としては、亜鉛(Zn)、シリコン(Si)、アルミニウム(A)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)、の各元素の酸化物、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)の各元素の弗化物もしくは炭酸塩、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)の各元素の窒化物、ダイアモンド(C)およびダイアモンドライクカーボンの中から選択された材質もしくはこれらから選択された複数の材質が複合した材質からなるものが適当である。
【0038】
光吸収性組成物(B)を構成する微粒子としては、少なくともその一部分が、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)の微結晶もしくはアモルファス体、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)から選択された金属もしくはこれらの金属から選択された金属の合金、前記金属の少なくとも1種の元素を含有するガラス、カーボン、グラファイト、窒化チタン(TiN)、炭化珪素(SiC)、炭化タングステン(WC)、および酸化鉄(Fe2O3)からなる群の中から選択された材料、あるいはこれら材料が複合した材質からなるものが適当である。
【0039】
実施例5
実施例1において、添加する微粒子の量を変化させた場合、作成できる形状の目標形状に対する再現精度に違いが見られたのでその最適な範囲を実験により調べた。それぞれの微粒子の添加量を変え、最終的に作成された形状の目標形状に対する差異を計測したところ、感光性混合物1立方cm中の光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の粒子数が5×10E7個〜5×10E17個(Eはべき乗を示す)の間にある場合が、形状の差異が小さく良好な結果が得られた。粒子数がこれより少ない範囲では光散乱の働きが小さすぎて本発明で予定する効果が得られず、粒子数がこれより大きい範囲では作成した形状の表面に光学的に無視できない粗さの凹凸を生じる場合があった。また、光吸収性組成物(B)を構成する微粒子の粒子数は、5×10E5個〜5×10E15個の間にある場合が、形状の差異が小さく良好な結果が得られた。粒子数がこれより小さい範囲では光吸収及び散乱の働きが小さすぎて本発明で期待する効果が得られず、粒子数がこれより大きい範囲では光吸収量が大きすぎて感光性組成物全体を充分に感光させることができない場合があった。
【0040】
【発明の効果】
(イ)光学的に問題のない程度に平滑な表面を有し、かつ任意の形状をもった屈折面や反射面を形成できるので、高精度な非球面レンズアレイなどが作成できる感光性組成物が提供される。
(ロ)請求項1の効果に加えて、その機能をさらによく発揮させる感光性組成物が得られる。
(ハ)請求項1の発明に比し、その機能をさらによく発揮させる感光性組成物が得られる。
(ニ)請求項6の限定により、微粒子の沈降の問題を低減する感光性組成物が得られる。
(ホ)請求項7の限定により、微粒子の凝縮の問題を低減した感光性混合物が得られる。
(ヘ)光学的に問題のない程度に平滑な表面を有し、かつ任意の形状をもった屈折面や反射面を形成でき、かつ高精度な非球面レンズアレイなどが作成できる微細形状形成方法が提供される。
(ト)作成できる形状の自由度を高めた、感光性混合物層が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の微細形状作成方法におけるグラデーションマスクの1例を示す図である。
【図2】図1のグラデーションマスクにより形成される形状の断面図である。
【図3】(a)〜(d)は従来のグラデーションマスクを示す図である。
(e)〜(h)は(a)〜(d)のグラデーションマスクの長手方向の光透過率の変化を示す図である。
【図4】屈折率が1.33の媒質(水に相当)の中にある金(Au)微粒子により、波長5500オングストロームの直線偏光が散乱された場合の計算結果を示す図である。
(A)波長が0オングストロームの場合。
(B)波長が800オングストロームの場合。
(C)波長が900オングストロームの場合。
【図5】本発明の感光性混合物の薄層が基板上に形成された状態を示す模式図である。
【図6】光散乱性組成物(A)と光吸収性組成物(B)を構成する感光性混合物層にフォトマスクを介して部分的に光が照射されたときの感光性混合物層内の光の散乱状態を示す図である。
【図7】感光性混合物層の深さに対して光散乱の状態を変えた感光性混合物層を示す図である。
【符号の説明】
s 三角形同士の間の隔たり
d 三角形の底辺と頂点との間における距離
Claims (11)
- 感光させるために照射される照射光波長365nm(以下、波長λとも言う)の光に対して屈折率ncを有する液相の感光性組成物(C)の中に、波長λの光に対して小さな減衰率κaを有する光散乱性組成物(A)の固相の微粒子と波長365nmの光に対して大きな減衰率κbを有する光吸収性組成物(B)の固相微粒子の両者が分散混合されて構成され、da/λ〔da:光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の直径、λ:感光性組成物を感光させるため照射される光の波長〕の値が0.003から0.1の間にあり、かつ減衰率κaが0.01より小さい値を持つことを特徴とする感光性組成物。
- na/nc〔na:光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の屈折率、nc:感光性を有する液相の組成物(C)の波長λの照射光における屈折率〕が、0.8〜1.3である請求項1に記載の感光性組成物。
- 光散乱性組成物(A)を構成する微粒子が、亜鉛(Zn)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ジルコニウム(Zr)の各元素の酸化物、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)の各元素の弗化物もしくは炭酸塩、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)の各元素の窒化物、ダイアモンド(C)およびダイアモンドライクカーボンよりなる群から選ばれた少なくとも一種の材質もしくはこれら選択された複数の材質が複合した材質からなるものである請求項1〜2のいずれかに記載の感光性組成物。
- 減衰率κbが1000より大きな値を持つ請求項1〜3のいずれかに記載の感光性組成物。
- da/λ(daおよびλは前記に同じ)の値が0.003から0.1の間にあり、かつdb/λ〔db:光吸収性組成物(B)を構成する微粒子の直径、λは前記に同じ。〕の値が0.001から0.03の間にある請求項1〜4のいずれかに記載の感光性組成物。
- 光吸収性組成物(B)を構成する固相の微粒子は、中心部を構成する第一の部分と該第一の部分の周囲を取り囲む第二の部分から構成された同心球様の構造を持ち、かつ、そのいずれかの部分は単体での減衰率κbが1000より大きい値を持つ材質からなる請求項1〜5のいずれかに記載の感光性組成物。
- 光散乱性組成物(A)を構成する固相の微粒子と光吸収性組成物(B)を構成する固相の微粒子の表面をシランカップリング処理したものである請求項1〜6のいずれかに記載の感光性組成物。
- 光吸収性組成物(B)を構成する固相の微粒子が、少なくともその一部分が、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)の微結晶もしくはアモルファス体、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)から選択された金属もしくはこれらの金属から選択された金属の合金、前記金属の少なくとも1種の元素を含有するガラス、カーボン、グラファイト、窒化チタン(TiN)、炭化珪素(SiC)、炭化タングステン(WC)、および酸化鉄(Fe2O3)からなる群の中から選択された材料、あるいはこれら材料が複合した材質からなるものである請求項1〜7のいずれかに記載の感光性組成物。
- 感光性混合物1立方cm中の光散乱性組成物(A)を構成する微粒子の粒子数が5×10E7個〜5×10E17個(Eはべき乗を示す)、また、光吸収性組成物(B)を構成する微粒子の粒子数は、5×10E5個〜5×10E15個である請求項1〜8のいずれかに記載の感光性組成物。
- 下記(i)〜(iii)の各工程からなる基板上への微細形状の形成方法において、下記(i)の工程で形成される請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物の薄層それ自体に、照射された露光光をその内部において散乱する機能を持たせ、この光散乱の状態を感光性材料に添加した組成物の種類とその含有量を変化することにより調節し、この薄層に現像後に形成される所望の形状のものとすることを特徴とする基板上への微細形状形成方法。
(i)基板上に、感光性を有する薄層を形成する工程、
(ii)この薄層を、現像後に形成される所望の形状が得られるように、面内で露光量分布を持たせて露光したのち現像して、この薄層部分に微細形状を形成する工程、および
(iii)基板および薄層のそれぞれに対するエッチング速度を調整した異方性ドライエッチングにより、薄層部分に形成された微細形状を基板材質へ形状転写する工程。 - 請求項1〜9のいずれかに記載の感光性組成物を用いて深さ方向に対して光散乱の状態を変えて基板上に形成された感光性組成物層。
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