JP4077643B2 - Iii族窒化物結晶成長装置およびiii族窒化物結晶成長方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク用青紫色光源,紫外光源(LDやLED),電子写真用青紫色光源,III族窒化物電子デバイスなどに利用可能なIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒化物結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、その殆どがサファイア基板あるいはSiC基板上に、MO−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いる場合には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという問題がある。
【0003】
更に、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長したIII族窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行っているが、この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で容易に行うことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
【0004】
これらの問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工夫を行うことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。この手法では、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比較して、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファイア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。更には、工程が複雑化すること、及びサファイア基板とGaN薄膜という異種材料の組み合わせに伴う基板の反りという問題が生じる。これらは高コスト化につながっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような問題を解決するためには、基板としては、基板上に結晶成長するIII族窒化物材料(ここでは、GaNとする)と同一であるGaN基板が最も適切である。そのため、気相成長,融液成長等によりバルクGaNの結晶成長の研究がなされている。しかし、未だ高品質で且つ実用的な大きさを有するGaN基板は実現していない。
【0006】
GaN基板を実現する一つの手法として、文献「Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416」(以下、従来技術という)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている。この方法は、アジ化ナトリウム(NaN3)と金属Gaを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。
【0007】
この従来技術の場合には、600〜800℃と比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm2程度と比較的圧力が低く、実用的な成長条件であることが特徴である。しかし、この従来技術の方法では、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さいという問題がある。
【0008】
上述の従来技術の問題を解決するために、本願出願人は、III族原料および/またはV族原料を外部より反応容器内に供給する発明を数多く案出し、特許出願している。例えば、本願出願人による先願である特願2001−355720には、外部からGaを供給する方法が記載されている。すなわち、Gaの自重によってGaを反応容器内に導入する方法が記載されている。
【0009】
図1は先願である特願2001−355720に記載されているIII族窒化物結晶成長装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、反応容器101内には、アルカリ金属(例えば、Na)と少なくともIII族金属(例えば、Ga)を含む物質との混合融液103を保持する混合融液保持容器102が設置されている。
【0010】
なお、アルカリ金属(例えば、Na)は、外部から供給されても良いし、あるいは、最初から反応容器101内に存在していても良い。
【0011】
また、反応容器101は、例えばステンレスで形成されている。また、混合融液保持容器102は、例えば、BN(窒化ホウ素)、あるいは、AlN、あるいは、パイロリティックBNで形成されている。
【0012】
また、図1のIII族窒化物結晶成長装置には、反応容器101内に少なくとも窒素を含む物質(例えば、窒素ガス,アンモニアガスまたはアジ化ナトリウム)を供給するための窒素供給管104が設けられている。なお、ここで言う窒素とは、窒素分子あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素、および窒素を含む原子団および分子団のことであり、以後、本願(明細書)において、窒素とは、このようなものであるとする。
【0013】
また、窒素供給管104には、窒素ガスの圧力を調整するために圧力調整機構105が設けられている。なお、この圧力調整機構105は、圧力センサー及び圧力調整弁等から構成されている。
【0014】
また、反応容器101には、III族窒化物(例えばGaN)を結晶成長可能な温度に反応容器101内を制御するための第1の加熱装置106が設けられている。すなわち、第1の加熱装置106による温度制御機能によって、反応容器101内を結晶成長可能な温度に上げること、及び、結晶成長が停止する温度に下げること、及び、それらの温度に任意の時間保持することが可能となっている。
【0015】
また、図1のIII族窒化物結晶成長装置には、少なくともIII族金属を含む物質110(以下、III族原料と称す)を反応容器101の外部から反応容器101に供給するために、反応容器101の外部には、III族原料110を収容する容器109が設けられている。具体的に、この容器109内には、反応容器101内で消費されるIII族金属分(例えば、GaとNとからGaNを結晶成長させる場合のGa消費分)を補うことができる程度の量のIII族原料110(例えば、金属Ga)が収容されている。
【0016】
そして、この容器109と反応容器101とは、反応容器101内の圧力と少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109の圧力とが同一となるように、圧力調整管116によって連通しており、また、少なくともIII族金属を含む物質110を混合融液保持容器102内に送り込むために、供給管107により連通している。
【0017】
ここで、反応容器101内の圧力と少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109の圧力とが同一であるということは、反応容器101内の気体の圧力とIII族金属を含む物質110を収容している容器109内の気体の圧力とが、同一であるということである。
【0018】
また、図1のIII族窒化物結晶成長装置では、少なくともIII族金属を含む物質110と混合融液保持容器102に保持されている混合融液103との相対的高さを制御する機構が設けられている。具体的に、少なくともIII族金属を含む物質110と混合融液保持容器102に保持されている混合融液103との相対的高さを制御する機構は、図1の例では、支柱113と、支柱113に支持され、容器109の高さを調整するための高さ調整ユニット112とにより構成されている。この機構によって、少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109は、少なくともIII族金属を含む物質110を反応容器101内部に自重で送り込むことが可能なように、混合融液保持容器102よりも高く位置決めされる。
【0019】
このように、図1のIII族窒化物結晶成長装置は、反応容器101内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液103を形成し、該混合融液103と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるものであって、混合融液103が保持されている混合融液保持容器102とは別に、少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109が反応容器101外に設けられており、これら2つの容器101,109は、反応容器101内の圧力と少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109の圧力とが同一となるように、圧力調整管116によって連通しており、また、少なくともIII族金属を含む物質110を混合融液保持容器102内に送り込むために、供給管107によって連通しており、少なくともIII族金属を含む物質110と混合融液保持容器102に保持されている混合融液103との相対的高さを制御する機構(112,113)が設けられている。
【0020】
なお、ここでいう連通とは、2つの容器101,109が物理的につながっていることであり、容器101,109内の気体の圧力が同一であり、かつ、少なくともIII族金属を含む物質110が輸送されるように、それぞれつながっていることを意味している。
【0021】
また、図1のIII族窒化物結晶成長装置には、供給管107,容器109を加熱制御するための第2の加熱装置114が設けられている。この第2の加熱装置114によって、供給管107,容器109の温度を40℃程度に設定することができ、この場合には、容器109から供給管107を通って反応容器101に送られるまでのIII族原料(少なくともIII族金属を含む物質)110を、後述のように、液体状態(例えば、液体の金属Ga(ガリウム))に保持することができる。
【0022】
図1のIII族窒化物結晶成長装置では、反応容器101内の温度および実効窒素分圧をIII族窒化物結晶が結晶成長する条件に設定することにより、III族窒化物の結晶成長を開始させることができる。
【0023】
具体的に、反応容器101内の窒素圧力を50気圧にし、反応容器101内の温度を結晶成長が開始する温度750℃まで昇温する。この成長条件を一定時間保持することで、III族窒化物結晶(例えば、GaN結晶)111が混合融液保持容器102内に成長する。
【0024】
このときに、反応容器101外にある少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109の高さを高くすることで、少なくともIII族金属を含む物質110の自重により、反応容器101内に少なくともIII族金属を含む物質110を送り込むことができる。
【0025】
このように、図1のIII族窒化物結晶成長装置では、III族窒化物結晶(例えば、GaN)111が結晶成長することにより消費した分のIII族金属(例えばGa)を補うためのIII族原料(例えば、Ga)を、容器109内から供給管107を通して反応容器101内に液体状態で供給することができる。また、消費した分の窒素を補うための窒素を、窒素ガスの状態で窒素ガス供給管104を介して供給することができる。
【0026】
このように、III族窒化物結晶の成長が開始して以降、III族原料(少なくともIII族金属を含む物質)110を反応容器101内に送り込むことで、継続的にIII族窒化物結晶を成長させることができる。
【0027】
このようにして、III族原料を反応容器101内に安定して供給することで、III族窒化物結晶(例えば、GaN結晶)111を継続的に安定して成長させることができ、大きな寸法のIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させることができる。
【0028】
以上のように、図1のIII族窒化物結晶成長装置では、反応容器101内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液103を形成し、該混合融液103と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物111を結晶成長させる場合に、混合融液103が保持されている混合融液保持容器102とは別に、少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109が設けられており、反応容器101内の圧力と少なくともIII族金属を含む物質110を収容している容器109の圧力とが同一であり、少なくともIII族金属を含む物質110の自重により、反応容器101外部から反応容器101内部に少なくともIII族金属を含む物質110を送り込むことで、III族窒化物の薄膜結晶成長用の基板となるIII族窒化物結晶が得られる。その結果、複雑な工程を必要とせず、低コストで高品質なIII族窒化物結晶、及び、それを用いたデバイスを実現することが可能となる。
【0029】
さらに、1000℃以下と成長温度が低く、100気圧程度以下と圧力も低い条件下でIII族窒化物の結晶成長が可能となることから、超高圧,超高温に耐えうる高価な反応容器を用いる必要がない。その結果、低コストでのIII族窒化物結晶及びそれを用いたデバイスを実現することが可能となる。
【0030】
さらに、図1のIII族窒化物結晶成長装置では、少なくともIII族金属を含む物質110を反応容器101内に継続的に送ることが可能となる。従って、反応容器101内で消費したGaを追加し、III族窒化物結晶111を継続的に成長することが可能となり、所望の大きさのIII族窒化物結晶111を得ることができるとともに、混合融液103内のGa量比を一定にすることができ、その結果、欠陥密度の低い良質なIII族窒化物結晶111を成長させることが可能となる。
【0031】
ところで、上述したような本願出願人による発明では、III族窒化物結晶を結晶成長させるのに所謂フラックス法を用いているので(すなわち、蒸気圧の高いアルカリ金属(例えば、ナトリウム(Na)を使用しているので)、III族窒化物の結晶成長中にアルカリ金属が蒸発し、低温部に凝集する。このため、例えば上述した特願2001−355720においては、反応容器101外から反応容器101内へのIII族金属の供給口115にアルカリ金属が凝集し、そこでIII族金属とアルカリ金属との金属間化合物が形成されて、III族金属の供給口115が詰まってしまうことがある。
【0032】
本発明は、フラックス法を用いて(すなわち、蒸気圧の高いアルカリ金属(例えば、ナトリウム(Na)を使用して)、III族窒化物結晶を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒化物結晶成長方法において、反応容器外からIII族金属を含む物質を反応容器内へ供給する場合に、反応容器内へのIII族金属を含む物質の供給口におけるIII族金属とアルカリ金属との金属間化合物の形成(凝集)を防止し、III族窒化物結晶を安定して結晶成長させることの可能なIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒化物結晶成長方法を提供することを目的としている。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長装置であって、反応容器外から少なくともIII族金属を含む物質を反応容器内へ供給する供給手段を具備し、少なくともIII族金属を含む物質は、前記供給手段の供給口から反応容器内へ供給されるようになっており、混合融液からのアルカリ金属の蒸気が供給手段の供給口に存在しないようにするため、混合融液と前記供給手段の供給口との間に混合融液の温度よりも高い温度領域を設定可能になっていることを特徴としている。
【0034】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のIII族窒化物結晶成長装置において、混合融液の温度と前記供給手段の供給口の温度とが独立に制御可能になっていることを特徴としている。
【0035】
また、請求項3記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、少なくともIII族金属を含む物質を所定の供給口から反応容器内へ供給してIII族窒化物を結晶成長するときに、混合融液と前記所定の供給口との間に混合融液の温度よりも高い温度領域を設けることを特徴としている。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係るIII族窒化物結晶成長装置の構成例を示す図である。図2を参照すると、このIII族窒化物結晶成長装置は、アルカリ金属(例えばナトリウム(Na))とIII族金属(例えばGa)を含む混合融液24を保持し結晶成長を行なうための混合融液保持容器12が、ステンレス製の閉じた形状の反応容器11内に設けられている。ここで、混合融液保持容器12の材質は例えばBN(窒化ホウ素)である。
【0037】
また、反応容器11には、反応容器11内に窒素原料となる窒素(N2)ガスとアルカリ金属の蒸発を抑制する為のアルゴン(Ar)ガスを充満させ、かつ、反応容器11内の窒素(N2)圧力とアルゴン(Ar)ガス圧力を制御することを可能にするガス供給管14が反応容器11を貫通して装着されている。
【0038】
ガス供給管14は、窒素供給管17と、アルゴン供給管20とに分岐しており、それぞれ、バルブ15,18で分離することが可能となっている。また、それぞれの圧力を圧力制御装置16,19で調整することが可能となっている。
【0039】
また、反応容器11内の全圧力をモニターするための圧力計22が設置されている。なお、不活性気体としてのアルゴンを混合するのは、アルカリ金属の蒸発を抑制しつつ、窒素ガスの圧力を独立して制御するためである。これにより、制御性の高い結晶成長が可能となる。また、混合融液保持容器12は、反応容器11から取り外すことができる。
【0040】
また、反応容器11は、バルブ21の部分で結晶成長装置から取り外すことが可能であり、反応容器11の部分のみをグローブボックスに入れて作業することができる。
【0041】
また、図2のIII族窒化物結晶成長装置は、図1のIII族窒化物結晶成長装置と同様に、反応容器11内に少なくともIII族金属を含む物質を供給するためのIII族金属供給装置30と供給管31とが設けられている。ここで、III族金属供給装置30と供給管31とは、反応容器11外から少なくともIII族金属を含む物質を反応容器11内へ供給する供給手段として機能するようになっている。また、図2において、供給管31の先端部分は、少なくともIII族金属を含む物質の反応容器11内への供給口32として機能するようになっている。
【0042】
このように、図2のIII族窒化物結晶成長装置は、反応容器11内で、アルカリ金属(例えばNa)と少なくともIII族金属を含む物質(例えばGa)とが混合融液24を形成し、該混合融液24と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物(例えばGaN)25を結晶成長させるものであって、供給手段(30,31)を具備し、少なくともIII族金属を含む物質は、供給手段(31)の供給口32から反応容器11内へ供給されるようになっている。
【0043】
ところで、このような構成において、混合融液24からのアルカリ金属の蒸気が供給手段(31)の供給口32に存在しないようにするため、本発明では、混合融液24と供給手段(31)の供給口32との間に混合融液24の温度よりも高い温度領域を設定可能になっている。
【0044】
このため、図2のIII族窒化物結晶成長装置では、反応容器11の外側には、複数種(図2の例では2つ)のヒーター41,42が設置されている。
【0045】
また、この際、混合融液24の温度と供給手段(31)の供給口32の温度とが独立に制御可能になっているのが良い。
【0046】
以下に、図2の結晶成長装置を使用したGaNの結晶成長の仕方について説明する。まず、反応容器11をバルブ21の部分で結晶成長装置から分離し、Ar雰囲気のグローブボックスに入れる。
【0047】
次いで、BN製の混合融液保持容器12に、III族金属原料としてGaを入れ、アルカリ金属としてナトリウム(Na)を入れる。次いで、混合融液保持容器12を反応容器11内に設置する。次いで、反応容器11を密閉し、バルブ21を閉じ、混合融液保持容器12の内部を外部雰囲気と遮断する。一連の作業は高純度のArガス雰囲気のグローブボックス内で行うので、反応容器11の内部はArガスが充填されている。
【0048】
次いで、反応容器11をグローブボックスから出し、結晶成長装置に組み込む。すなわち、反応容器11をヒーター41,42がある所定の位置に設置し、バルブ21の部分で窒素とアルゴンのガス供給ライン14に接続する。次いで、ヒーター41,42に通電し、混合融液保持容器12を結晶成長温度まで昇温する。また、このとき、反応容器11内の温度分布が図3のようになるように、ヒーター41,42を制御する。すなわち、混合融液24と供給口32との間に混合融液24の温度よりも高い温度領域を設ける。
【0049】
次いで、バルブ21とバルブ18を開け、Arガス供給管20からArガスを入れ、圧力制御装置19で圧力を調整して、反応容器11内の全圧を3MPaにしてバルブ18を閉じる。次いで、窒素ガス供給管17から窒素ガスを入れ、圧力制御装置16で圧力を調整してバルブ15を開け、反応容器11内の全圧を5MPaにする。すなわち、反応容器11内の窒素の分圧は、2MPaである。また、III族金属供給装置30,供給管31から少なくともIII族金属を含む物質を反応容器11に供給する。この状態で200時間保持した後、室温まで降温する。
【0050】
このように、III族金属供給装置30,供給管31から少なくともIII族金属を含む物質を反応容器11に供給するとき、混合融液24からアルカリ金属(例えばNa)が蒸発し、アルカリ金属(例えばNa)が供給管31の供給口32のところに存在すると、III族金属(例えばGa)とアルカリ金属(例えばNa)との化合物が供給口32のところに形成され、供給口32が詰まってしまうことがある。
【0051】
本発明では、図3に示すように、ヒーター41,42によって、混合融液24と供給口32との間に混合融液24の温度よりも高い温度領域を設けることによって、アルカリ金属が供給口32のところに存在するのを確実に防止することができる。
【0052】
このように、本発明では、供給口32のところにアルカリ金属が存在することを確実に防止できるので、III族金属(例えばGa)とアルカリ金属(例えばNa)との化合物が供給口32のところに形成されて供給口32が詰まってしまうことを確実に防止することができて、良質のIII族窒化物結晶を安定に成長させることができる。
【0053】
実際に、図2,図3の装置を用いて、混合融液保持容器12内に、数百μm前後の大きさの無色透明な立方晶GaNの単結晶25を結晶成長させることができた。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように、請求項1乃至請求項3記載の発明によれば、反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させる場合において、少なくともIII族金属を含む物質を所定の供給口から反応容器内へ供給してIII族窒化物を結晶成長するときに、混合融液と供給口との間に混合融液の温度よりも高い温度領域を設けるので、少なくともIII族金属を含む物質を供給口から反応容器内へ供給する場合に、供給口におけるIII族金属とアルカリ金属との金属間化合物の形成(凝集)を防止し、III族窒化物結晶を安定して結晶成長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の先願のIII族窒化物結晶成長装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明に係るIII族窒化物結晶成長装置の構成例を示す図である。
【図3】温度分布の一例を示す図である。
【符号の説明】
11 反応容器
12 混合融液保持容器
14 ガス供給管
15,18,21 バルブ
16,19 圧力制御装置
17 窒素供給管
20 アルゴン供給管
22 圧力計
24 混合融液
25 III族窒化物結晶
30 III族金属供給装置
31 供給管
32 供給口
41,42 ヒーター
Claims (3)
- 反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長装置であって、反応容器外から少なくともIII族金属を含む物質を反応容器内へ供給する供給手段を具備し、少なくともIII族金属を含む物質は、前記供給手段の供給口から反応容器内へ供給されるようになっており、混合融液からのアルカリ金属の蒸気が供給手段の供給口に存在しないようにするため、混合融液と前記供給手段の供給口との間に混合融液の温度よりも高い温度領域を設定可能になっていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
- 請求項1記載のIII族窒化物結晶成長装置において、混合融液の温度と前記供給手段の供給口の温度とが独立に制御可能になっていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
- 反応容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であって、少なくともIII族金属を含む物質を所定の供給口から反応容器内へ供給してIII族窒化物を結晶成長するときに、混合融液と前記所定の供給口との間に混合融液の温度よりも高い温度領域を設けることを特徴とするIII族窒化物結晶成長方法。
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