JP4087731B2 - 乾燥処理装置及び乾燥処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は基板に塗布された溶液をホットプレートによって加熱乾燥させる乾燥処理装置及び乾燥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、液晶表示装置の製造工程においては、ガラス製の基板に配向膜、レジスト、カラーフィルタ、有機エレクトロルミネッセンスなどの機能性薄膜を形成する成膜プロセスがある。この成膜プロセスでは、上記溶液を塗布するためにインクジェット方式によって溶液を噴射塗布するノズルヘッドを備えた塗布装置が用いられる。
【0003】
上記塗布装置は、基板を搬送する搬送テーブルを有し、この搬送テーブルの上方には、搬送テーブルの移動方向と直交する方向に沿って複数のノズルヘッドが並設されている。各ノズルヘッドには複数のノズルが穿設されたノズルプレートが設けられ、各ノズルからはノズルヘッドに供給された溶液がピエゾ素子によって加圧されて噴射されるようになっている。
【0004】
基板に塗布された溶液は最終的には加熱炉などによって200℃程度の比較的高い温度で乾燥させられるが、その前に基板上に塗布された溶液が流動して膜厚が変化するのを防止したり、溶液の急激な加熱を避けるためなどに、溶液の塗布後に、最終乾燥温度よりも低い温度で溶液を加熱し、溶液中に含まれる溶媒を蒸発させるという仮乾燥(仮焼成)が行なわれている。
【0005】
溶液の仮乾燥を行なうにはホットプレートが用いられている。ホットプレートによって基板に塗布された溶液を単に加熱乾燥したのでは、溶液を均一に加熱乾燥させることができないため、膜厚が均一になり難いということがある。
【0006】
そこで、従来、溶液を均一に加熱乾燥させるため、乾燥処理時に基板の上方に熱風ノズルを配置し、この熱風ノズルを基板の所定方向に沿って移動させながら、基板に塗布された溶液に向けて熱風を噴射するということが行なわれている。それによって、基板に塗布された溶液を均一に乾燥させ、膜厚を均一化させるようにしている。技術文献1にはこのような従来技術が記載されている。
【0007】
【技術文献1】
特開2002−357798号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
基板に塗布された溶液は、その溶液の流動性によって仮乾燥前にはある程度平坦化されている。そのような状態の溶液に対し、上記熱風ノズルからは基板の板面に対してほぼ垂直に熱風が噴射される。
【0009】
そのため、熱風が基板に塗布された溶液に加圧力として作用することになるから、熱風ノズルを基板の所定方向に沿って移動させても、熱風の温度によって流動性が高くなった溶液が熱風の圧力をもろに受けることで流動する。したがって、熱風によって乾燥処理された溶液の厚さにむらが生じ易いということがあった。
【0010】
基板の板面に上方からほぼ垂直に噴射される熱風は、基板の板面に衝突した後の流れが均一、つまり所定方向に沿って流れ難い。そのため、そのような熱風の不均一な流れによっても、基板に塗布された溶液の厚さにむらが生じる原因となる。
【0011】
この発明は、基板に塗布された溶液を厚さにばらつきが生じるようなことなく乾燥させることができるようにした乾燥処理装置及び乾燥処理方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板に塗布された溶液を加熱して乾燥させる乾燥処理装置において、
上記基板が載置されるホットプレートと、
このホットプレートに設けられ上記基板の上面を覆うとともにこの上面との間に一端と他端とが開口した通路を所定方向に沿って形成するカバーと、
上記通路の幅方向全長に対応する長さで形成された細長いスリットを有し、上記カバーによって形成された通路の一方の開口に対向して配設されその一方の開口から上記所定方向に沿って流れるよう気体を供給する気体供給手段と
を具備したことを特徴とする乾燥処理装置にある。
【0014】
上記カバーの他方の開口には、この開口の幅方向全長にわたって対向する大きさに形成され上記基板の上面に供給された気体を強制的に吸引する吸引手段が設けられていることが好ましい。
【0015】
上記気体供給手段による上記通路への気体の供給量と、上記吸引手段による排気量とをほぼ同じ若しくは排気量の方をわずかに大きく設定することが好ましい。
【0016】
この発明は、インクジェット方式によって基板に塗布された配向膜を形成する溶液を加熱して仮焼成する乾燥処理方法において、
上記溶液の加熱温度を30〜50℃の範囲に設定することを特徴とする乾燥処理方法にある。
【0017】
この発明によれば、基板に塗布された溶液を乾燥させるための気体を、基板の上面の所定方向に沿って流すため、気体の流れによって溶液の厚さにむらが生じることなく、溶液を乾燥処理することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態を説明する。
【0019】
図1乃至図3はこの発明の一実施の形態に係る乾燥処理装置を示し、この乾燥処理装置はホットプレート1を有する。このホットプレート1は制御装置2によって上面に載置される液晶ディスプレイ用の基板3を所定の温度に加熱することができるようになっている。
【0020】
上記基板3の上面には、前工程で図2に鎖線で示す範囲に、溶液Lとしての配向膜、レジスト、カラーフィルタ、有機エレクトロルミネッセンスなどの機能性薄膜、この実施の形態では配向膜を形成する溶液Lがインクジェット方式の塗布ヘッド(図示せず)によって塗布される。すなわち、基板3には上記塗布ヘッドによって液滴状の溶液Lが行列状に噴射塗布される。基板3に噴射塗布された溶液Lは、その流動性によって経時的に平坦化する。
【0021】
したがって、溶液Lが塗布された基板3をホットプレート1上に載置し、制御装置2によってホットプレート1を所定の温度に制御すれば、基板3に塗布された溶液Lを加熱乾燥させることができるようになっている。
【0022】
上記ホットプレート1の上面にはカバー5が着脱可能に装着される。このカバー5は、図3に示すように板材の幅方向両端部をクランク状に折り曲げて係止部6とした、断面形状が逆U字状をなしていて、一対の係止部6を上記ホットプレート1の幅方向両端部に係合させて装着されるようになっている。
【0023】
それによって、カバー5は、ホットプレート1の上面に載置された基板3の上方を覆い、この基板3の上面側に上記幅方向と交差する方向の一端と他端とが開口した通路7を形成する。
【0024】
上記カバー5によって形成された通路7には、その一端の開口に対向してノズル体8が配設される。このノズル体8は図2に示すように上記通路7の幅方向全長に対応する長さ寸法を有し、先端面8aには長さ方向ほぼ全長にわたって開口したスリット(図示せず)が形成されている。
【0025】
上記ノズル体8には給気管9によって気体が供給される。気体としては不活性ガスや清浄な空気などが用いられる。気体は常温で供給されるが、ヒータなどを用いて所定の温度に加熱したものを供給するようにしてもよい。
【0026】
上記ノズル体8の幅寸法が上記通路7の幅寸法と対応する長さ寸法に設定されていることで、上記通路7にはノズル体8から幅方向全長にわたってほぼ均一に気体が供給される。
【0027】
上記通路7の他端の開口には吸引手段を構成する吸引ダクト11がその吸引口12を上記通路7の開口に対向させて配置される。この吸引ダクト11は排気ファン13の吸引側に接続されている。それによって、上記ノズル体8から通路7に供給された気体は、この通路7に沿って流れて上記吸引ダクト11に吸引されて排気される。
【0028】
上記吸引ダクト11の吸引口12は、通路7の他端の開口の幅方向全長にわたって対向する大きさに設定されている。それによって、排気ファン13の吸引力は、通路7の幅方向全長にわたってほぼ均一に作用することになる。
【0029】
つぎに、上記構成の乾燥処理装置によって基板3に塗布された溶液Lを乾燥処理する場合の作用について説明する。カバー5が除去されたホットプレート1の上面に、前工程で溶液Lが塗布された基板3を載置したならば、上記ホットプレート1にカバー5を装着して基板3を覆い、この基板3の上面に通路7を形成する。
【0030】
上記基板3は通常、ホットプレート1によって70〜90℃に加熱されるが、この実施の形態ではホットプレート1による基板3の加熱温度を、制御装置2によって50℃以下、好ましくは30℃程度に設定する。つまり、基板3の加熱温度を30〜50℃の低温度に設定する。
【0031】
基板3の温度がホットプレート1とほぼ同じ温度に上昇したならば、ノズル体8によってカバー5の一端開口から通路7に気体を供給するとともに、排気ファン13を作動させて通路7に供給された気体を排出する。
【0032】
気体が通路7に沿って流れることで、基板3に塗布された溶液がその気体に接触するから、溶液Lが乾燥処理されることになる。気体は、ノズル体8によって通路7の幅方向全長に均一に供給され、しかも吸引ダクト11によって幅方向全長から均一に吸引排出される。それによって、基板3に塗布された溶液Lには、気体が同じ条件で均一に接触することになるから、溶液Lを乾燥むらが生じることなく乾燥処理することができる。
【0033】
ノズル体8による気体の通路7への供給量と、吸引ダクト11による排気量とをほぼ同じ若しくは排気量の方をわずかに大きくに設定すれば、通路7に供給された気体は基板3の上面に沿ってほぼ層流状態で流れる。そのため、気体は溶液Lと接触してその溶液を乾燥させるものの、溶液Lに加圧力を加えることがほとんどない。
その結果、気体によって溶液Lを乾燥処理する際に、溶液Lが気体の力によって流動することがないから、気体の圧力によって乾燥処理された溶液Lの厚さにむらが生じるのを防止することができる。
【0034】
ホットプレート1による基板3の加熱温度を30〜50℃の範囲に設定するようにした。つまり、従来の加熱温度である、70〜90℃に比べて低い温度に設定するようにした。
【0035】
従来のように、乾燥処理時の基板3の加熱温度を70〜90℃に設定すると、溶液Lを仮乾燥させたときに、溶液Lの塗布範囲の周縁部において膜厚が極端に厚くなる傾向があった。とくに、溶液が配向膜用のポリイミド溶液であると、その傾向が顕著であった。
【0036】
塗布範囲の周縁部において、膜厚が厚くなる原因としては、基板3を70〜90℃の高温度に加熱すると、溶液Lの流動性が高くなる。一方、基板3の溶液が塗布された部分と、塗布されていない部分との境界部分には温度差が生じる。
【0037】
流動性が高くなった溶液Lは流動し易くなるが、温度差のある上記境界部分で流動が阻止される。それによって、溶液Lの塗布範囲の周縁部で膜厚が厚くなるものと考えられる。
【0038】
この実施の形態では、基板3の加熱温度を従来よりも低い、30〜50℃に設定した。そのため、溶液Lの流動性が従来に比べて抑制される。その結果、乾燥処理時に、基板3に塗布された溶液Lの塗布範囲の周縁部において、膜厚が厚くなるのを防止することができる。
【0039】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、たとえばカバーによって形成された通路の一端にノズル体、他端に吸引ダクトを設けたが、吸引ダクトを設けなくとも、上記通路に気体をある程度は均一に流すことが可能である。
【0040】
また、基板をホットプレートによって所定の温度に加熱するようにしたが、通路に供給される気体によって基板の加熱温度を制御するようにしてもよく、或いは気体とホットプレートの両方によって温度制御するようにしてもよい。
【0041】
さらに、ノズル体から通路への気体の供給方向は基板の板面に対して所定の角度をもたせてもよいが、平行であってもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、基板に塗布された溶液を乾燥させるための気体を、基板の上面の所定方向に沿って流すようにした。
【0043】
そのため、気体が溶液に圧力として作用し難いとともに、溶液を均一に乾燥させることができるから、溶液の厚さにむらを生じさせることなく、乾燥処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態に係わる乾燥処理装置の一部断面した側面図。
【図2】乾燥処理装置の一部断面した平面図。
【図3】乾燥処理装置の幅方向に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
1…ホットプレート、3…基板、5…カバー、7…通路、8…ノズル体、11…吸引ダクト(吸引手段)、13…排気ファン(吸引手段)。
Claims (4)
- 基板に塗布された溶液を加熱して乾燥させる乾燥処理装置において、
上記基板が載置されるホットプレートと、
このホットプレートに設けられ上記基板の上面を覆うとともにこの上面との間に一端と他端とが開口した通路を所定方向に沿って形成するカバーと、
上記通路の幅方向全長に対応する長さで形成された細長いスリットを有し、上記カバーによって形成された通路の一方の開口に対向して配設されその一方の開口から上記所定方向に沿って流れるよう気体を供給する気体供給手段と
を具備したことを特徴とする乾燥処理装置。 - 上記カバーの他方の開口には、この開口の幅方向全長にわたって対向する大きさに形成され上記基板の上面に供給された気体を強制的に吸引する吸引手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の乾燥処理装置。
- 上記気体供給手段による上記通路への気体の供給量と、上記吸引手段による排気量とをほぼ同じ若しくは排気量の方をわずかに大きく設定することを特徴とする請求項2記載の乾燥処理装置。
- インクジェット方式によって基板に塗布された配向膜を形成する溶液を加熱して仮焼成する乾燥処理方法において、
上記溶液の加熱温度を30〜50℃の範囲に設定することを特徴とする乾燥処理方法。
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