JP4087782B2 - メタクリル系樹脂組成物およびメタクリル系樹脂硬化物 - Google Patents

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本発明は、メタクリル系樹脂組成物およびメタクリル系樹脂硬化物に関する。詳しくは、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物、および、メタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物に関する。
透明性プラスチックは、ガラスなどの透明性無機材料に比べて成形加工性が良好であることや軽量であることから、光学部材、照明部材、自動車部材などの各種用途に好ましく用いられている。
最近、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性に優れた透明性プラスチックを得る材料として、メタクリル系重合体および多官能メタクリレートを含むメタクリル系樹脂組成物が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
メタクリル系樹脂組成物を硬化して得られる透明性プラスチックは、透明性プラスチックの中では無色透明性、耐光性に比較的優れたものである。しかしながら、その無色透明性、耐光性のレベルは、ガラスなどの透明性無機材料に比べると、経時的な変色が大きいという点でまだまだ低いものであった。
したがって、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性が要求される用途において、従来のメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られる透明性プラスチックを使用することには問題があり、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックの開発が非常に望まれている。
特許第2947812号公報
本発明の課題は、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックであるメタクリル系樹脂硬化物、および、それを得るための材料であるメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
まず、メタクリル系重合体および多官能メタクリレートを含む従来のメタクリル系樹脂組成物において、その硬化物の経時的な変色の要因を探求するべく、組成物中に含まれる組成成分の種類、含有量、製造条件等について検討を行った。
その結果、本発明者は、(1)多官能メタクリレートとしてポリオールポリメタクリレートを用いた場合に経時的な変色が抑制されること、(2)従来のメタクリル系樹脂組成物中に微量に含まれているイオウ成分が経時的な変色の要因の一つとなっていること、を見出した。そして、多官能メタクリレートとしてポリオールポリメタクリレートを用いるとともに、メタクリル系樹脂組成物中のイオウ原子含有率を10ppm以下に低減すれば、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックであるメタクリル系樹脂硬化物を得ることができることが判った。
なお、従来のメタクリル系樹脂組成物中にイオウ成分が微量に含まれている理由は、多官能メタクリレートの工業的な製造プロセスにおいては、製造コスト等の問題から、触媒としてスルホン酸系触媒(特に、p−トルエンスルホン酸)を用いた脱水縮合法を行うことが一般化、常識化しており、最終的に洗浄工程や蒸留工程を経ても微量のスルホン酸系触媒が不可避的に残存するためである。そして、スルホン酸系触媒を用いた脱水縮合法以外の方法(例えば、金属アルコラート等を触媒とするエステル交換法)によって多官能メタクリレートを製造することは、製造コスト等の問題から、現在、工業的にはほとんど行われていない。
すなわち、本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物であって、前記多官能メタクリレートがポリオールポリメタクリレートであり、且つ、組成物中のイオウ原子含有率が10ppm以下であることを特徴とする。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物は、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物であって、厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下であることを特徴とする。
本発明によれば、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックであるメタクリル系樹脂硬化物、および、それを得るための材料であるメタクリル系樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更実施し得る。
〔メタクリル系樹脂組成物〕
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含む。
メタクリル系重合体としては、メタクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸を50モル%以上含む単量体成分を重合して得られる重合体であれば、特に限定されない。
メタクリル系重合体は、1種類のみを含んでいても良いし、2種類以上を含んでいてもよい。
メタクリル系重合体としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メチルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体へのメタクリル酸グリシジル付加物、メチルメタクリレートとメタクリル酸グリシジルとの共重合体へのメタクリル酸付加物、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合体などが挙げられ、好ましくは、ポリメチルメタクリレートである。
多官能メタクリレートとしては、ポリオールポリメタクリレートであることが重要である。ポリオールポリメタクリレートを含むことにより、従来のメタクリル系樹脂組成物に比べて、硬化物の経時的な変色を抑制し、且つ、耐熱性、寸法安定性、表面硬度等を向上させることができる。
ポリオールポリメタクリレートとしては、ポリオールに含まれる複数の水酸基がメタクリレートに変換された化合物であれば特に限定されない。
ポリオールポリメタクリレートは、1種類のみを含んでいても良いし、2種類以上を含んでいてもよい。
ポリオールポリメタクリレートとしては、本発明の効果を十分に発揮させるため、炭素数4〜20のアルカンジオールジメタクリレートが好ましい。
炭素数4〜20のアルカンジオールジメタクリレートとしては、例えば、1,2−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,7−ヘプタンジオールジメタクリレート、1,7−オクタンジオールジメタクリレート、1,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、1,11−ウンデカンジオールジメタクリレート、1,12−ドデカンジオールジメタクリレート、1,13−トリデカンジオールジメタクリレート、1,14−テトラデカンジオールジメタクリレート、1,15−ペンタデカンジオールジメタクリレート、1,16−ヘキサデカンジオールジメタクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,3−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、水素化ビスフェノールAジメタクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、ネオペンチルグリコールジメタクリレートは、光による劣化を特に受けにくく、また、架橋構造を持たせることによって高耐熱性も発現できる点で、好ましい。
ポリオールポリメタクリレートの製造方法としては、特に限定されないが、好ましくは、ポリオールとメタクリル酸エステルとの脱アルコール反応により製造する方法(エステル交換法)、および、ポリオールとメタクリル酸との脱水反応により製造する方法(脱水縮合法)とが挙げられる。
エステル交換法を行う場合、ポリオールとメタクリル酸エステルとの仕込みモル比(ポリオール:メタクリル酸エステル)は、1:1〜1:20が好ましく、1:1.5〜1:10がより好ましく、1:2〜1:5がさらに好ましい。
エステル交換法を行う場合、触媒としては、例えば、アルカリ金属アルコラート、マグネシウムアルコラート、アルミニウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズオキシド、陰イオン交換樹脂などが挙げられる。触媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。なお、反応後は、触媒を除去することが好ましい。
エステル交換法を行う場合、溶媒としては、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、10〜30重量部がさらに好ましい。
エステル交換法を行う場合、反応温度は、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、ポリオールとメタクリル酸との仕込みモル比(ポリオール:メタクリル酸)は、1:1〜1:5が好ましく、1:1.01〜1:2がより好ましく、1:1.05〜1:1.5がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには、陽イオン交換樹脂が好ましい。陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)などが挙げられる。陽イオン交換樹脂は、使用前に、トルエン、メタノールなどの有機溶媒および水で十分に洗浄し、イオウ成分が留出しないようにしてから用いることが、本発明の効果を十分に発揮させる上で、より好ましい。触媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜5重量部がより好ましく、0.1〜3重量部がさらに好ましい。なお、反応後は、触媒を除去することが好ましい。
脱水縮合法を行う場合、溶媒としては、例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100重量部に対して、1〜70重量部が好ましく、5〜50重量部がより好ましく、10〜30重量部がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、反応温度は、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物中の、メタクリル系重合体の含有割合は特に限定されないが、メタクリル系樹脂組成物全体に対して、メタクリル系重合体を5〜50重量%の割合で含むことが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、さらに好ましくは15〜30重量%である。メタクリル系重合体を上記割合で含むことにより、本発明の効果を十分に発揮することができ、特に、硬化時の収縮が抑えられ、良好な成形性が得られる。上記割合を外れる場合には、本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物中の、多官能メタクリレートの含有割合は特に限定されないが、メタクリル系樹脂組成物全体に対して、多官能メタクリレートを1〜90重量%の割合で含むことが好ましく、より好ましくは2〜85重量%、さらに好ましくは5〜80重量%である。多官能メタクリレートを上記割合で含むことにより、本発明の効果を十分に発揮することができ、特に、耐熱性、寸法安定性、成形性のバランスの取れた硬化物を与えることができる。上記割合を外れる場合には、本発明の効果を十分に発揮できないおそれがある。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、多官能メタクリレート以外の他の重合性モノマーを含んでいても良い。
重合性モノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、α−ヒドロキシメチルアクリル酸ブチル、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、等の単官能(メタ)アクリレート;
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、等の単官能(メタ)アクリルアミド;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、等の単官能ビニルエーテル;
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、等の単官能N−ビニル化合物;
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、等の単官能ビニル化合物;
無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、フマル酸、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、無水イタコン酸、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、メチレンマロン酸、メチレンマロン酸ジメチル、メチレンマロン酸モノメチル、桂皮酸、桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、クロトン酸、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、等の単官能α,β−不飽和化合物;
メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、n−ノニルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、メトキシエチルグリシジルエーテル、エトキシエチルグリシジルエーテル、メトキシエトキシエチルグリシジルエーテル、エトキシエトキシエチルグリシジルエーテル、メトキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル、等の単官能エポキシ化合物;
3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−メチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、等の単官能脂環式エーテル化合物;
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジオールジアクリレート、シクロヘキサンジメタノールジアクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジアクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、等の多官能アクリレート;
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、等の多官能ビニルエーテル;
ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
上記他の重合性モノマーの中でも、単官能(メタ)アクリレートをさらに含むことが好ましい。
単官能(メタ)アクリレートを含む場合、単官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリレートとの含有量の比(単官能(メタ)アクリレート/多官能(メタ)アクリレート(重量比))は、0.1〜100の範囲が好ましく、より好ましくは1〜50の範囲、さらに好ましくは2〜40の範囲、さらに好ましくは3〜30の範囲、特に好ましくは4〜20の範囲、最も好ましくは5〜10の範囲である。上記含有量の比をこのような範囲とすることにより、硬化時の収縮率を小さくすることでき、成形性や耐クラック性に優れる硬化物を得ることができる。上記含有量の比が0.1未満であると、硬化時の収縮率が大きくなり、成形性や耐クラック性に悪影響を及ぼすおそれがある。上記含有量の比が100を超えると、耐熱性が低下するおそれがある。なお、上記の多官能(メタ)アクリレートとは、多官能アクリレートを含まない場合は多官能メタクリレートのみを意味し、多官能アクリレートを含む場合は多官能メタクリレートおよび多官能アクリレートの両方を意味する(以下、同様)。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、重合性オリゴマーまたはポリマーを含んでいても良い。
重合性オリゴマーまたはポリマーとしては、例えば、
飽和または不飽和の多塩基酸またはその無水物酸(例えば、マレイン酸、コハク酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸等)と飽和または不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールベンゼン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)と(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステル(メタ)アクリレート;
飽和または不飽和の多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール等)と有機ポリイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等)と水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)との反応で得られるウレタンポリ(メタ)アクリレート;
ポリシロキサンと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリシロキサンポリ(メタ)アクリレート;
ポリアミドと(メタ)アクリル酸との反応によって得られるポリアミドポリ(メタ)アクリレート;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系重合体以外のその他重合体を含んでいても良い。
その他重合体としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ケイ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、飽和ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、AS樹脂、EVA樹脂などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、重合開始剤を含んでいても良い。重合開始剤としては、特に限定されないが、熱重合開始剤と光重合開始剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、熱重合開始剤と光重合開始剤とを共に含むことがより好ましい。熱重合開始剤と光重合開始剤とを併用することによって、十分な活性エネルギー線硬化性(重合性)を付与することができ、硬化後は耐候性に優れたものとなる。
熱重合開始剤としては、例えば、
メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセテートパーオキサイド、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシン酸パーオキサイド、m−トルオイルベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、α,α´−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノオエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメトルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、等の有機過酸化物系開始剤;
2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1´−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドリドクロリド、2,2´−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]ジヒドロクロリド、2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド]、2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2´−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2´−アゾビス(2−メチルプロパン)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4´−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2´−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、等のアゾ系開始剤;
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、熱重合開始剤とともに熱重合促進剤を含んでいても良い。
熱重合促進剤としては、例えば、
コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウム、カリウム等の金属石鹸;
1級、2級、3級のアミン化合物;
4級アンモニウム塩;チオ尿素化合物;ケトン化合物;
などが挙げられ、好ましくは、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルである。これらは1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマー、等のアセトフェノン類;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、等のベンゾイン類;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4´−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3´,4,4´−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、等のベンゾフェノン類;
2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリド、等のチオキサントン類;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、等のアシルフォスフォンオキサイド類;
などが挙げられ、これらの中でも、イオウ原子を含んでいないものが好ましい。光重合開始剤として、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物が上記重合開始剤を含む場合、組成物中の重合開始剤の含有割合は、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.001〜3重量%、特に好ましくは0.001〜2重量%、最も好ましくは0.01〜2重量%である。上記含有割合が0.001重量%未満であると、重合性が低下するおそれがあり、10重量%を超えると、耐候性が低下するおそれがある。
上記重合開始剤として、熱重合開始剤と光重合開始剤とを共に含む場合、これらの含有量の比(熱重合開始剤/光重合開始剤(重量比))は、1〜100の範囲が好ましく、より好ましくは2〜100の範囲、さらに好ましくは2〜50の範囲、さらに好ましくは2〜30の範囲、特に好ましくは3〜20の範囲、最も好ましくは5〜20の範囲である。上記含有量の比が1未満であると耐候性向上への効果が小さくなるおそれがあり、100を超えると、活性エネルギー線硬化性が低下するおそれがある。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、上述のごとく、多官能メタアクリレートと共に単官能(メタ)アクリレートをさらに含むことが好ましく、重合性開始剤として熱重合開始剤と光重合開始剤とを共に含むことが好ましいが、これら2つの好ましい形態を共に満たすことが特に好ましい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機充填材、消泡剤、増粘剤、揺変化剤、レベリング剤など、その他の成分を含んでいても良い。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、耐候性を改善する添加剤として、水酸基含有化合物および/またはエーテル結合含有化合物を含んでいても良い。
水酸基含有化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘプタンジオール、1,4−ヘプタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,3−オクタンジオール、1,4−オクタンジオール、1,5−オクタンジオール、1,6−オクタンジオール、1,7−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,3−ノナンジオール、1,4−ノナンジオール、1,5−ノナンジオール、1,6−ノナンジオール、1,7−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールプロパン、これらアルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリエチレングリコール(炭素数4〜20000のエチレンオキシドの付加体)、ポリプロピレングリコール(炭素数4〜20000のプロピレンオキシドの付加体)、等が挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
エーテル結合含有化合物としては、例えば、
エチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート;
ジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールAなど)のアルキレンオキシド付加物のジメタクリレート;
ポリオール(例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリンなど)のアルキレンオキシド付加物のポリメタクリレート
などが挙げられ、これらの1種のみ用いても良いし、2種以上を併用してもよい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、組成物中のイオウ原子含有率が10ppm以下であることが重要である。
組成物中のイオウ原子含有率は、好ましくは10ppm以下、より好ましくは7ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下、特に好ましくは3ppm以下である。
従来のメタクリル系樹脂組成物中に微量に含まれているイオウ成分が経時的な変色の要因の一つであること、すなわち、イオウ成分の存在が耐光性の低下に影響を与えることは、これまでに全く知られていなかったことである。そして、本発明者により得られた本知見に基づき、組成物中のイオウ原子含有率を10ppm以下という極めて低いレベルにまで下げるとともに、前述のように、多官能メタクリレートとしてポリオールポリメタクリレートを選択すれば、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックを与える材料となることが判った。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物の製造方法は、多官能メタクリレートとしてポリオールポリメタクリレートを選択するとともに、組成物中のイオウ原子含有率が10ppm以下となるように各種製造条件を調整した方法であれば、特に限定されない。
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、好ましくは、メタクリル系重合体、多官能メタクリレート、および、その他の任意成分を、混合することによって得ることができる。また、メタクリル系単量体を部分重合することによってメタクリル系重合体とメタクリル系単量体の混合物を製造し、さらに多官能メタクリレートおよびその他の任意成分を混合することによっても得ることができる。さらに、官能基を有するメタクリル系単量体組成物を部分重合した後、その官能基と反応し得る別の官能基を有するメタクリレートを混合して反応させることによって、メタクリル系重合体、多官能メタクリレート、および、メタクリル系単量体の混合物を製造することもできる。
メタクリル系樹脂組成物中のイオウ原子含有率を10ppm以下とするための手段としては、例えば、以下の手段が挙げられる。
(1)メタクリル系樹脂組成物が得られるまでの全ての製造工程においてイオウ成分の使用を避ける。
(2)メタクリル系樹脂組成物の製造工程の中において、イオウ成分を使用する場合、イオウ成分を十分に除去する工程を行う。
上記の手段(1)としては、例えば、メタクリル系重合体を製造する際に用いる触媒や連鎖移動剤としてイオウ化合物の使用を避け、多官能メタクリレートを製造する際に用いる触媒としてイオウ化合物の使用を避け、組成物中のメタクリル系重合体とポリオールポリメタクリレート以外の成分としてイオウ化合物の使用を避けることが挙げられる。
前述のように、多官能メタクリレートの工業的な製造プロセスにおいては、製造コスト等の問題から、触媒としてスルホン酸系触媒(特に、p−トルエンスルホン酸)を用いた脱水縮合法を行うことが一般化、常識化しており、スルホン酸系触媒を用いた脱水縮合法以外の方法(例えば、金属アルコラート等を触媒とするエステル交換法)によって多官能メタクリレートを製造することは、製造コスト等の問題から、現在、工業的にはほとんど行われていない。したがって、上記の手段(1)において、多官能メタクリレートを製造する際に用いる触媒としてイオウ化合物の使用を避けることは製造コスト等の点では従来と比較して不利となるかもしれない。しかしながら、本発明によれば、かかる不利を補えるだけの優れた効果、すなわち、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックを与えるという効果を発現できるのである。
上記の手段(2)としては、例えば、多官能メタクリレートを得るために、従来と同様、触媒としてスルホン酸系触媒(特に、p−トルエンスルホン酸)を用いた脱水縮合法を行う場合、最終的に残存するイオウ成分を十分に除去するための工程(例えば、洗浄工程、精製工程、分離工程など)を行うことが挙げられる。
しかしながら、上記の手段(2)における除去工程によっては、組成物中のイオウ原子含有率10ppm以下というレベルにまで低減させることが容易ではないため、確実かつ容易に10ppm以下のレベルを達成させるためには、手段(2)よりも手段(1)の方が好ましい。
従って、本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物を製造するための、好ましい態様としては、メタクリル系重合体を製造する際に用いる触媒や連鎖移動剤としてイオウ化合物の使用を避け、ポリオールポリメタクリレートを製造するためにスルホン酸系触媒を用いた脱水縮合法以外の方法(例えば、エステル交換法や、陽イオン交換樹脂を触媒として用いた脱水縮合法)を行い、組成物中のメタクリル系重合体とポリオールポリメタクリレート以外の成分としてイオウ化合物の使用を避けること、が挙げられる。
さらに、本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物に含まれうるイオウ化合物の中で、最も耐光性に悪影響を及ぼすのは、スルホン酸系触媒に由来するイオウ原子である。したがって、多官能メタクリレート中のイオウ原子含有率が、本発明の効果を発揮させる上で最も重要な因子であり、好ましくは10ppm以下、より好ましくは7ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下、特に好ましくは3ppm以下である。
〔メタクリル系樹脂硬化物〕
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物は、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物であり、好ましくは、本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物である。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物を得るために硬化させるメタクリル系樹脂組成物はメタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むが、前述と同様の理由により、さらに単官能(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
メタクリル系樹脂組成物を硬化して硬化物とするための方法としては、従来より知られている硬化性樹脂組成物の硬化方法が適用でき、例えば、加熱や、活性エネルギー線の照射等により行うことができるが、硬化性のメタクリル系樹脂組成物の特性等から考えて、電磁波、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、ガンマー線等の活性エネルギー線や、熱を用いることが好ましい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物を得るために硬化させるメタクリル系樹脂組成物は、前述と同様の理由により、さらに熱重合開始剤および光重合開始剤を含むことが好ましく、この場合の組成物の硬化は活性エネルギー線を照射することによりなされることが好ましい。
紫外線による硬化の場合、波長150〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いることが好ましい。このような光源としては、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯等が好適である。これらの光源とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
電子線による硬化は、加速電圧の下限として、好ましくは10kV以上、より好ましくは20kV以上、さらに好ましくは30kV以上、加速電圧の上限として、好ましくは500kV以下、より好ましくは300kV以下、さらに好ましくは200kV以下、である電子線を用いればよい。電子線の照射量は、下限として、2kGy以上が好ましく、3kGy以上がより好ましく、5kGy以上がさらに好ましく、上限として、500kGy以下が好ましく、300kGy以下がより好ましく、200kGy以下がさらに好ましい。電子線とともに、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱等による熱の併用も可能である。
本発明においては、硬化性のメタクリル系樹脂組成物が、前述の熱重合開始剤および必要に応じて熱重合促進剤を含むことにより、室温でまたは加熱により硬化する熱硬化性のメタクリル系樹脂組成物となる。
熱硬化性のメタクリル系樹脂組成物を室温で硬化させる場合は、下限として−20℃以上が好ましく、上限として50℃以下が好ましい。硬化温度が−20℃を下回ると、硬化スピードが著しく低下して生産性が犠牲となったり、不完全硬化となって優れた硬化物物性が犠牲となったりする可能性がある。また、硬化温度が50℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生する可能性がある。下限としては、0℃以上がより好ましく、上限としては、40℃以下がより好ましい。
熱硬化性のメタクリル系樹脂組成物を加温により硬化させる場合には、下限として40℃以上が好ましく、上限として180℃以下が好ましい。硬化温度が40℃を下回ると、硬化スピードが著しく低下して生産性が犠牲となったり、不完全硬化となって優れた硬化物物性が犠牲となったりする可能性がある。また、硬化温度が180℃を上回ると、急激に硬化が進むため、硬化物の発泡、クラックや成形品の反り等の不具合が発生する可能性がある。下限としては、50℃以上がより好ましく、60℃以上がさらに好ましく、上限としては、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物は、厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下である。厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験の詳細については後に説明する。
厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下であることにより、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有する透明性プラスチックとなる。厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験前後のイエローインデックスの差は、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.3以下、さらに好ましくは1.2以下、さらに好ましくは1.1以下、特に好ましくは1.0以下、最も好ましくは0.5以下である。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物は、メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物であるとともに、上記の特性を有するため、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックである。
以下に、実施例および比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔合成例1〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水したネオペンチルグリコール104g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド1.04gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液から蒸留によってネオペンチルグリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−1)とした。
得られた化合物(M−1)に含まれる硫黄原子の含有率を誘導結合プラズマ分析(Inductively Coupled Plasma:以下、ICPと略することがある)によって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例2〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ネオペンチルグリコール104g、メタクリル酸258g、トルエンおよび水で各3回洗浄した陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)18g、トルエン181gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によってネオペンチルグリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−2)とした。
得られた化合物(M−2)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は4ppmであった。
〔合成例3〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ネオペンチルグリコール104g、メタクリル酸258g、陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)18g、トルエン181gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によってネオペンチルグリコールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−3)とした。
得られた化合物(M−3)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は7ppmであった。
〔合成例4〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水した1,4−ブタンジオール90g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド0.90gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液から蒸留によって1,4−ブタンジオールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−4)とした。
得られた化合物(M−4)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例5〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオール90g、メタクリル酸258g、トルエンおよび水で各3回洗浄した陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)17.4g、トルエン174gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によって1,4−ブタンジオールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−5)とした。
得られた化合物(M−5)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は5ppmであった。
〔合成例6〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、1,4−ブタンジオール90g、メタクリル酸258g、陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)17.4g、トルエン174gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によって1,4−ブタンジオールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−6)とした。
得られた化合物(M−6)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は8ppmであった。
〔合成例7〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水したシクロヘキサンジメタノール144g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド1.44gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成するメタノールのみを留去し、6時間かけてエステル交換反応を行った。得られた反応液から蒸留によってシクロヘキサンジメタノールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−7)とした。
得られた化合物(M−7)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例8〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、シクロヘキサンジメタノール144g、メタクリル酸258g、トルエンおよび水で各3回洗浄した陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)20.1g、トルエン201gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によってシクロヘキサンジメタノールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−8)とした。
得られた化合物(M−8)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は4ppmであった。
〔合成例9〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、シクロヘキサンジメタノール144g、メタクリル酸258g、陽イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバーリスト15D)20.1g、トルエン201gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した後、蒸留によってシクロヘキサンジメタノールジメタクリレートを得た。これを化合物(M−9)とした。
得られた化合物(M−9)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は8ppmであった。
〔合成例10〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、ネオペンチルグリコール104g、メタクリル酸258g、p−トルエンスルホン酸3.62g、トルエン181gを入れて攪拌し、110℃に昇温した。反応によって生成する水を留去し、6時間かけて脱水エステル化反応を行った。反応終了後、陰イオン交換樹脂をろ過により除去し、得られた反応液に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて残存メタクリル酸を中和した後、すばやく分液ロートにて水層を除去した。更にpHが7.5以下になるまで水洗した。得られた反応物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、97%以上がネオペンチルグリコールジメタクリレートであった。これを化合物(M−10)とした。
得られた化合物(M−10)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は500ppmであった。
〔合成例11〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水したネオペンチルグリコール104g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド1.04gを入れて攪拌し、95℃に昇温し、反応によって生成するメタノールを留去した。ネオペンチルグリコールが80%程度反応した段階で反応を停止し、得られた反応液から蒸留によってネオペンチルグリコールモノメタクリレートとネオペンチルグリコールジメタクリレートの混合物(ネオペンチルグリコールモノメタクリレート/ネオペンチルグリコールジメタクリレート=90/10(重量比))を得た。これを化合物(M−11)とした。
得られた化合物(M−11)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例12〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水した1,4−ブタンジオール90g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド0.90gを入れて攪拌し、95℃に昇温し、反応によって生成するメタノールを留去した。1,4−ブタンジオールが80%程度反応した段階で反応を停止し、得られた反応液から蒸留によって1,4−ブタンジオールモノメタクリレートと1,4−ブタンジオールジメタクリレートの混合物(1,4−ブタンジオールモノメタクリレート/1,4−ブタンジオールジメタクリレート=90/10(重量比))を得た。これを化合物(M−12)とした。
得られた化合物(M−12)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例13〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、空気と窒素の混合ガス導入管を備えたフラスコに、十分に脱水したシクロヘキサンジメタノール144g、メタクリル酸メチル500g、カリウムt−ブトキサイド1.44gを入れて攪拌し、95℃に昇温し、反応によって生成するメタノールを留去した。シクロヘキサンジメタノールが80%程度反応した段階で反応を停止し、得られた反応液から蒸留によってシクロヘキサンジメタノールモノメタクリレートとシクロヘキサンジメタノールジメタクリレートの混合物(シクロヘキサンジメタノールモノメタクリレート/シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート=90/10(重量比))を得た。これを化合物(M−13)とした。
得られた化合物(M−13)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例14〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メタクリル酸メチル30g、トルエン70gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)0.3gをトルエン20gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で3時間反応を行った後、90℃で2時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−1)得た。
得られた化合物(P−1)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は58000、重量平均分子量(Mw)は110000であった。
また、得られた化合物(P−1)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例15〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メタクリル酸メチル95g、メタクリル酸4.3g、トルエン232gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)0.93gをトルエン20gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で3時間反応を行った後、90℃で2時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。
次に、メトキノン0.17g、メタクリル酸グリシジル7.1g、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド3.38gを添加して、空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら100℃に昇温し、酸価が5以下になるまで反応を行った。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−2)得た。
得られた化合物(P−2)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は61000、重量平均分子量(Mw)は130000であった。
また、得られた化合物(P−2)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例16〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メタクリル酸メチル95g、メタクリル酸グリシジル7.1g、トルエン238gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)1.02gをトルエン20gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で3時間反応を行った後、90℃で2時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。
次に、メトキノン0.17g、メタクリル酸4.3g、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド3.45gを添加して、空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら100℃に昇温し、酸価が5以下になるまで反応を行った。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−3)得た。
得られた化合物(P−3)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は62000、重量平均分子量(Mw)は140000であった。
また、得られた化合物(P−3)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子は観測されなかった。
〔合成例17〕
攪拌装置、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えたフラスコに、メタクリル酸メチル30g、トルエン70gとn−ドデシルメルカプタン0.607gを入れて窒素置換し、70℃に昇温した。次に2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬製、V−65)0.3gをトルエン20gで希釈した溶液を発熱に注意しながらゆっくり滴下した。70℃で3時間反応を行った後、90℃で2時間反応を行ってラジカル重合を完結させた。得られたポリマー溶液をn−ヘキサンで再沈後、減圧にてn−ヘキサンを除去して化合物(P−4)得た。
得られた化合物(P−4)の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定したところ、数平均分子量(Mn)は13000、重量平均分子量(Mw)は21000であった。
また、得られた化合物(P−4)に含まれる硫黄原子の含有率をICPによって測定したところ、硫黄原子含有率は850ppmであった。
〔実施例1〜33、比較例1〜6〕
表1〜4に示す配合にて、実施例1〜33および比較例1〜6のメタクリル系樹脂組成物を調合した。
実施例1〜28および比較例1〜6のメタクリル系樹脂組成物について、該組成物の硫黄原子含有率をICPによって測定した。また、下記硬化方法によりメタクリル系樹脂硬化物とし、該硬化物について、下記促進耐候性試験によるイエローインデックス変化率の測定と、下記体積収縮率の測定を行った。
実施例29〜33のメタクリル系樹脂組成物について、下記光DSC測定方法による硬化発熱状態の測定を行った。
これらの結果を表1〜4にまとめた。なお、表1〜4中において略称で記載したものは、それぞれ以下に示す化合物である。
光重合開始剤
D−1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:ダロキュア1173)
I−907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:イルガキュア907)
MAPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド(チバスペシャリティーケミカルズ製、商品名:ダロキュアTPO)
熱重合開始剤
PX−16:ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(化薬アクゾ株式会社製、商品名:パーカドックス16)
PBO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂株式会社製、商品名:パーブチルO)
その他の単量体
MMA:メタクリル酸メチル
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
HPMA:メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル
添加剤
NPG:ネオペンチルグリコール
PEG400:和光純薬工業社製ポリエチレングリコール(平均分子量400)
<硬化方法>
熱硬化:厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを2枚のガラス板で挟んだケースの中に熱重合開始剤を含むメタクリル系樹脂組成物を注入し、60℃の温水中で1時間かけてゆっくり硬化させた。更に110℃の乾燥機中で2時間かけてポストキュアーした後、ガラス板を取り外して厚さ1mmのメタクリル系樹脂硬化物(成形体)を得た。
紫外線(UV)硬化:ガラス板上に厚さ1mmのシリコンゴム製スペーサーを配置し、スペーサーで囲まれた部分に光重合開始剤を含むメタクリル系樹脂組成物を流し込んだ。その上から厚さ250μmのPETフィルムを被せて250mW超高圧水銀ランプを用いて主波長365nm、照射強度43mJ/cm・秒の紫外線を93.2秒照射してメタクリル系樹脂硬化物(成形体)を得た。
<促進耐候性試験>
超エネルギー照射試験機(スガ試験機株式会社製)を用いて、光照射を6時間(照射強度100mW/cm、波長295〜450nm、湿度70%Rh、温度60℃)、結露を6時間(湿度90%Rh以上、温度30℃)を1セットとして10サイクル(すなわち、120時間)の試験を行った。
試験前後の試験片の変色を色差計(日本電色株式会社製、シグマ90システム)を用いて透過モードで測定し、イエローインデックス変化率(ΔYI)で表した。
なお、本促進耐候性試験10サイクルにおける変色は、実際の屋外暴露試験2.5年における変色とほぼ同等であった。
<体積収縮率測定方法>
JIS K 6901に準じて、比重計(東洋精機社製、自動比重計D−H−01型)を用い、樹脂組成物の硬化前の密度(a)と硬化後の密度(b)とを測定し、下記式により体積収縮率を求めた。
体積収縮率(%)=[(硬化後の密度(b)−硬化前の密度(a))/硬化後の密度(b)]×100
<光DSC測定方法>
樹脂組成物を直径約5mmのアルミ皿に3.5mg精秤し、30℃、窒素ガス雰囲気下で紫外線照射装置(セイコー電子工業社製、UV−1(光源:200W水銀−キセノンランプ、フィルター:365nm干渉フィルターと20%NDフィルター))を用いて照射強度5mJ/cm・秒または10mJ/cm・秒の紫外線を5分間照射しながら、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業社製、DSC6200)で樹脂組成物の硬化発熱状態(総発熱量、最高発熱時間、50%硬化時間)を測定した。
総発熱量(mJ/mg):樹脂組成物1mgあたりの硬化発熱量の総量
最高発熱時間(分):紫外線照射開始から発熱量が最高値に達するまでの時間
50%硬化時間(分):紫外線照射開始からの発熱量の合計が総発熱量の50%に達するまでの時間
Figure 0004087782
Figure 0004087782
Figure 0004087782
Figure 0004087782
本発明にかかるメタクリル系樹脂組成物は、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックであるメタクリル系樹脂硬化物の材料となるため、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性が要求される用途、例えば、光学部材、照明部材、自動車部材などの各種用途に好適に使用することができる。
本発明にかかるメタクリル系樹脂硬化物は、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性を有するとともに、耐熱性、寸法安定性、表面硬度、成形性にも優れた透明性プラスチックであり、透明性無機材料レベルの極めて優れた無色透明性、耐光性が要求される用途、例えば、光学部材、照明部材、自動車部材、透明封止材、光導波路、フラットパネルディスプレイ用部材、などの各種用途に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物であって、
    前記多官能メタクリレートがポリオールポリメタクリレートであり、且つ、組成物中のイオウ原子含有率が10ppm以下である、
    ことを特徴とする、メタクリル系樹脂組成物。
  2. 前記多官能メタクリレートが炭素数4〜20のアルカンジオールジメタクリレートである、請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  3. 前記多官能メタクリレートのイオウ原子含有率が10ppm以下である、請求項1または2に記載のメタクリル系樹脂組成物。
  4. メタクリル系重合体を5〜50重量%、多官能メタクリレートを1〜90重量%の割合で含む、請求項1から3までのいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  5. さらに単官能(メタ)アクリレートを含む、請求項1から4までのいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  6. さらに熱重合開始剤および光重合開始剤を含む、請求項1から5までのいずれかに記載のメタクリル系樹脂組成物。
  7. メタクリル系重合体と多官能メタクリレートとを含むメタクリル系樹脂組成物を硬化して得られるメタクリル系樹脂硬化物であって、
    厚さ1mmの試験片に対して行う120時間促進耐候性試験前後のイエローインデックスの差が1.5以下である、
    ことを特徴とする、メタクリル系樹脂硬化物。
  8. 前記組成物がさらに単官能(メタ)アクリレート、熱重合開始剤および光重合開始剤を含み、前記硬化は前記組成物に活性エネルギー線を照射することによりなされる、請求項7に記載のメタクリル系樹脂硬化物。
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