JP4090318B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗布装置および塗布方法に関し、特に、厚みの異なる帯状体を接続した場合においても、前記帯状体に塗布液を安定に塗布できる塗布装置および塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
平版印刷版は、通常、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の帯状薄板であるアルミニウムウェブの少なくとも一方の面を目立てし、前記面に必要に応じて陽極酸化皮膜を形成して支持体ウェブを形成し、次いで、前記支持体ウェブにおける目立てされた側の面に感光層形成液や感熱層形成液などの製版層形成液を塗布して乾燥し、感光性または感熱性の製版面を形成することにより、製造される。
【0003】
前記製版層形成液は、一般的にはバーコータにより前記支持体ウェブに塗布される。
【0004】
前記バーコータは、塗布バーを備えている。
【0005】
前記バーコータとしては、前記塗布バーを前記帯状体の搬送速度に等しい周速で回転させて前記製版層形成液を掻き上げることにより、前記塗布バーの上方を通過する前記支持体ウェブの砂目立て面に前記製版層形成液を塗布する第1の形態のバーコータがある。
【0006】
バーコータとしては、この他に、塗布バーと、前記帯状体の搬送方向に対して上流側(以下、単に「上流側」という。)に前記塗布バーに相対して配設された堰板とを備え、前記塗布バーを、前記支持体ウェブの搬送速度とは異なる周速で回転させつつ、前記塗布バーと前記堰板との隙間から製版層形成液を供給し、前記支持体ウェブの砂目立て面との間に塗布液溜りを形成して前記製版層形成液を塗布する第2の形態のバーコータもある。
【0007】
【特許文献1】
実願昭63−126213号明細書
【特許文献2】
特公昭58−004589号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、支持体ウェブの搬送速度が上がるにつれ、前記第1の形態のバーコータにおいては、塗布バーの下流側において製版層形成液に乱れが生じ、前記支持体ウェブの幅方向に沿った等ピッチの筋状欠陥である等ピッチスジが発生し易くなる傾向があった。一方、前記第2の形態のバーコータにおいては、支持体ウェブの砂目立て面に同伴して持ち込まれる同伴エアの量が増加して、前記塗布液溜りにおいて製版層形成液が均一に付着しなくなるという問題があった。
【0009】
前記問題を解決する手段として、前記支持体ウェブに前記製版層形成液を塗布する一次側バーと、前記一次側バーよりも下流側に位置し、前記一次側バーで塗布された製版層形成液を所定の厚みに調整する二次側バーとを備える塗布装置が検討された。
【0010】
しかしながら、厚みの異なる支持体ウェブを接続したものに前記製版層形成液を塗布する場合には、接続部の前後で前記支持体ウェブの厚みが変化するから、前記支持体ウェブの剛性も変化する。したがって、前記塗布装置において、前記接続部が前記一次側バーおよび二次側バーを通過すると、前記支持体ウェブが前記一次側バーおよび二次側バーに巻きかけられるラップ角も変動するから、製版層形成液が支持体ウェブに塗布されて形成された塗布面に乱れが発生し、前記乱れに起因して種々の面質故障が生じることがあった。
【0011】
本発明は、前記の問題を解決し、支持体ウェブなどの帯状体であって厚みの異なるものを接続して前記製版層形成液などの塗布液を塗布する場合にも、安定して塗布を行うことの可能な塗布装置および塗布方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、一定方向に搬送される帯状体の一方の面に塗布液を塗布する一次側バーと、一次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って下流側に配設され、前記一次側バーで前記帯状体に塗布された塗布液を所定の厚みに調整する二次側バーと、前記一次側バーおよび前記二次側バーを下方から支持する支持台と、前記一次側バーの支持台と前記二次側バーの支持台とが載置された昇降可能な基台と、前記一次側バーと前記二次側バーとの間に配設され、前記帯状体における前記塗布液が塗布される側とは反対の面を押圧して前記一次側バーおよび前記二次側バーに対する前記帯状体のラップ角を所定の角度に保持するラップ角保持ローラとを備え、前記基台と前記ラップ角保持ローラとの高さによって前記一次側バーおよび二次側バーにおける帯状体のラップ角を所定の角度に設定することを特徴とする塗布装置に関する。
【0013】
前記塗布装置においては、厚みの異なる帯状体を接続して前記塗布液を塗布する場合においても前記ラップ角保持ローラによって前記ラップ角を一定に保持できるから、前記接続部が前記一次側バーおよび二次側バーを通過したときにもラップ角は一定に保持され、塗布面に乱れが生じることがない。したがって、エッジ厚塗り、全面スジ、平面性異常などの前記塗布面の乱れに起因する面質故障の発生が効果的に防止される。
【0014】
前記一次側バーおよび二次側バーは、表面が平滑な平滑バーであってもよく、円周方向の溝が形成された溝付バーや、表面に直径0.1mm程度の金属線を所定のピッチで巻回し、または密に巻回したワイヤバーであってもよい。
【0015】
前記一次側バーは、前記帯状体の搬送速度と等しい周速〜前記搬送速度の1/15の周速で、前記帯状体の搬送方向と同一の方向に回転(順回転)させることが好ましいが、回転速度および回転方向は前記範囲には限定されない。
【0016】
前記二次側バーは、順回転させてもよく、反対の方向に回転(逆回転)させてもよい。周速は、前記帯状体の搬送速度〜前記搬送速度の1/20の範囲が好ましいが、前記範囲には限定されない。
【0017】
前記帯状体としては、連続した帯状であり、可撓性を有する基材が挙げられ、具体的には、前記支持体ウェブのほか、感光材料や磁気記録材料に使用される基材が挙げられる。前記基材としては、たとえば写真フィルム用基材、印画紙用バライタ紙、録音テープ用基材、ビデオテープ用基材、フロッピー(R)ディスク用基材などが挙げられる。他には、カラー鉄板などの塗装金属板に使用される金属薄板などが挙げられる。
【0018】
前記塗布液としては、[従来の技術]の欄で述べた製版層形成液のほか、銀塩写真の感光層を形成するのに使用される感光剤コロイド液、前記磁気記録材料における磁性層の形成に使用される磁性層形成液、および前記塗装金属薄板の下塗り、中塗り、上塗りに使用される各種塗料などが挙げられる。
【0019】
請求項2に記載の発明は、前記一次側バーおよび二次側バーの何れにおいても前記帯状体のラップ角は15°以下に保持されてなる塗布装置に関する。
【0020】
支持体ウェブに使用されるアルミニウムウェブとしては、厚みが0.2〜0.4mmのものが一般的であり、特に厚みが0.3mmのものが一般的である。
【0021】
前記塗布装置において設定された15°以下のラップ角は、前記アルミニウムウェブへの製版層形成液の塗布において特に好適なラップ角である。
【0022】
したがって、前記塗布装置は、平板印刷版における製版層の形成に特に好ましく使用できる。
【0023】
請求項3に記載の発明は、前記一次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って上流側に配設された一次側押圧ローラと、前記二次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って下流側に配設された二次側押圧ローラとを備えてなり、前記一次側押圧ローラおよび前記二次側押圧ローラの何れも、前記帯状体における前記ラップ角保持ローラの当接する側の面を押圧する塗布装置に関する。
また、請求項4に記載の発明は、前記一次側バーの支持台の搬送方向上流側に隣接して前記一次側バーに塗布液を供給する一次側給液流路が設けられ、且つ、前記二次側バーの支持台の搬送方向下流側に隣接して前記二次側バーに塗布液を供給する二次側給液流路が設けられている塗布装置であり、請求項5に記載の発明は、前記一次側バーの支持台と前記二次側バーの支持台との間に、前記一次側バーおよび前記二次側バーに供給された塗布液を給液側に戻す中間塗布液戻り槽が設けられている塗布装置であり、請求項6に記載の発明は、前記一次側バーの支持台の搬送方向上流側および前記二次側バーの支持台の搬送方向下流側に夫々給液側に塗布液を戻す上流側塗布液戻り槽及び下流側塗布液戻り槽が設けられている塗布装置であり、請求項7に記載の発明は、前記一次側バーと二次側バーとの中心軸距離は60〜150mmに設定されている塗布装置に関する。
【0024】
前記塗布装置においては、一次側バーは、前記一次側押圧ローラと前記ラップ角保持ローラとの間に位置し、二次側バーは、前記ラップ角保持ローラと前記二次側押圧ローラとの間に位置する。
【0025】
したがって、帯状体のラップ角は、前記一次側バーにおいては、前記一次側押圧ローラと前記ラップ角保持ローラとにより保持され、前記二次側バーにおいては、前記ラップ角保持ローラと前記二次側押圧ローラとにより保持される。
【0026】
したがって、前記塗布装置においては、厚みの異なる帯状体を接続したものに塗布液を塗布する際、帯状体の剛性の変化によるラップ角の変動を特に効果的に抑えることができる。
【0027】
請求項4に記載の発明は、一定方向に搬送される帯状体の一方の面に塗布液を塗布する一次側バーと、前記一次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って下流側に配設され、前記一次側バーで前記帯状体に塗布された塗布液を所定の厚みに調整する二次側バーとを用い、前記帯状体に塗布液を塗布する塗布方法であって、前記一次側バーと前記二次側バーとの間にラップ角保持ローラを配設し、前記帯状体への前記塗布液の塗布時において、前記帯状体における前記塗布液が塗布される側とは反対の面を前記ラップ角保持ローラで押圧することにより、前記一次側バーおよび前記二次側バーにおける前記帯状体のラップ角を所定の角度に保持することを特徴とする塗布方法に関する。
【0028】
請求項1のところで説明したのと同様の理由により、前記塗布方法においても、ラップ角は常に一定に保持されるから、ラップ角の変動に起因する塗布面の乱れが生じることがなく、前記塗布面の乱れに起因する面質故障の発生も防止される。
【0029】
【発明の実施の形態】
1.実施形態1
本発明に係る塗布装置の一例につき、構成の概略を図1に示し、一次側バー2、二次側バー4、およびラップ角保持ローラ6の相対的な位置関係を図2に示す。
【0030】
実施形態1に係る塗布装置100は、図1において矢印で示す方向に沿って連続的に走行する支持体ウェブWの砂目立て面Sgに製版層形成液を塗布する塗布装置である。支持体ウェブWは、本発明における帯状体の一例であり、製版層形成液は、本発明における塗布液の一例である。前記塗布装置の備える一次側バー、二次側バー、およびラップ角保持ローラと支持体ウェブWとの相対的な位置関係を図2に示す。
【0031】
図1および図2に示すように、塗布装置100は、支持体ウェブWの搬送経路である搬送面Tの下方において、搬送面Tの幅方向に沿って水平に配設されている一次側バー2と、一次側バー2の下流側に、一次側バー2に対して平行に、しかも搬送面Tの下方に配設された二次側バー4と、一次側バー2と二次側バー4との間において、搬送面Tの幅方向に沿って搬送面Tの上方に水平に配設されているラップ角保持ローラ6とを備える。
【0032】
一次側バーの上流側および二次側バー4の下流側には、それぞれ一次側押圧ローラ8および二次側押圧ローラ10が配設されている。
【0033】
一次側バー2および二次側バー4は、板状の部材である支持台12および支持台14によって、それぞれ下方から支持されている。
【0034】
支持台12および支持台14の上面には、V字型のバー保持溝12Aおよび14Aがそれぞれ設けられている。一次側バー2は、バー保持溝12Aに保持され、二次側バー4は、バー保持溝14Aに保持されている。
【0035】
一次側バー2の中心軸と一次側押圧ローラ8の中心軸との距離、および二次側バー4の中心軸と二次側押圧ローラ10の中心軸との距離は、300mm以下が好ましく、特に200〜250mmの範囲が好ましい。
【0036】
また、一次側バー2とラップ角保持ローラ6との中心軸の距離、およびラップ角保持ローラ6と二次側バー4との中心軸の距離は、それぞれ30〜80mm程度が好ましい。そして、一次側バー2と二次側バー4との中心軸の距離は、60〜150mm程度が好ましい。
【0037】
支持台12の上流側には、支持台8および一次側バー2に相対して一次側堰板16が立設され、支持台14の下流側には、二次側堰板16が、支持台14および二次側バー4に相対するように設けられている。
【0038】
支持台12と一次側堰状部材16との間には、図1および図2に示すように一次側給液流路22が形成され、支持台14と二次側堰状部材18との間には、二次側給液流路24が形成されている。一次側給液流路22および二次側給液流路24は、何れもスリット状の流路である。一次側給液流路22は、支持体ウェブWと一次側バー2と一次側堰板16とによって形成される液溜りに製版層形成液を供給する機能を有し、二次側給液流路24は、二次側バー4における下流側の面に製版層形成液を付着させ、二次側バー4の表面の乾きを防止する機能を有している。
【0039】
支持台12、支持台14、一次側堰板16、および二次側堰板18は、何れも、上面が開放された浅い箱状の昇降可能な基台20に載置されている。したがって、基台20は、上流側から下流側に向かって一次側堰板16によって仕切られた上流側塗布液戻り槽20A、支持台12と支持台14とによって仕切られた中間塗布液戻り槽20B、および二次側堰板18によって仕切られた下流側塗布液戻り槽20Cの3つに区画されている。
【0040】
基台20の底面には、一次側給液流路22に製版層形成液を供給する一次側給液管路26と、二次側給液流路24に製版層形成液を供給する二次側給液管路28とが設けられている。一次側給液管路26と二次側給液管路28とは、いずれも製版層形成液が貯留されている塗布液貯留槽30に接続され、途中には、給液ポンプ26Aおよび給液ポンプ28Aがそれぞれ介装されている。
【0041】
さらに、上流側塗布液戻り槽20A、中間塗布液戻り槽20B、および下流側塗布液戻り槽20Cには、内部に溜まった製版層形成液を塗布液貯留槽30に戻す戻し流路32A、戻し流路32B、および戻し流路32Cがそれぞれ設けられている。
【0042】
一次側バー2および二次側バー4としては、前述の平滑バー、溝付きバー、およびワイヤバーの何れも使用できる。
【0043】
支持体ウェブWによって押圧されて曲がらないように、一次側バー2および二次側バー4の外径は、3mm以上が好ましく、特に6〜20mmの範囲が好ましい。
【0044】
一次側バー2および二次側バー4は、図1に示すように支持体ウェブWの走行方向と同一方向に駆動されてもよく、停止していてもよく、また、反対方向に駆動されてもよい。また、同一方向に回転する場合には、前記支持体ウェブWに対して従動回転させてもよい。
【0045】
図1および図2に示すように、一次側堰板16および二次側堰板18は、上流側および下流側の何れの面も垂直面状に形成された板状の部材である。一次側堰状部材16の上端面は、上流側に向かって下降する傾斜面であり、二次側堰状部材18の上端面は、下流側に向かって下降する傾斜面である。
【0046】
以下、塗布装置100の作用について説明する。
【0047】
支持体ウェブWに製版層形成液を塗布するときは、図1に示すように基台20を所定の高さまで上昇させ、一次側バー2と二次側バー4とを支持体ウェブWに接触させる。
【0048】
一次側バー2と二次側バー4とが支持体ウェブWに接触した状態においては、図1に示すように、支持体ウェブWは、一次側バー2よりも上流側の部分においては一次側押圧ローラ8によって、一次側バー2と二次側バー4との間の位置においてはラップ角保持ローラ6によって、二次側バー4よりも下流側においては二次側押圧ローラ10によって下方に向かって押圧され、浅いV字状に変形する。
【0049】
ここで、支持体ウェブWの一次側バー2および二次側バー4の近傍における水平面に対する角度を、図2に示すように、上流側から順に角度a、角度b、角度c、および角度dとすると、一次側バー2におけるラップ角αは、角度a+角度bであり、二次側バー4におけるラップ角βは、角度c+角度dである。
【0050】
したがって、前記角度a、b、c、dを適宜の手段で測定してラップ角αおよびラップ角βを求め、ラップ角αおよびラップ角βが所定の範囲になるように基台20の高さを調節することにより、ラップ角αおよびラップ角βを設定することができる。
【0051】
ラップ角αおよびラップ角βが設定されたら、塗布液貯留槽30に貯留された製版層形成液を、一次側給液管路26および一次側給液流路22を通して一次側バー2の上流側に供給して液溜まりを形成し、二次側給液管路28および二次側給液流路24を通して二次側バー4の下流側に供給しつつ、支持体ウェブWを所定の搬送速度で搬送し、砂目立て面Sgへの製版層形成液の塗布を開始する。
【0052】
一次側給液流路22から供給された製版層形成液は、一部が一次側バー2によって上方に掻き上げられ、残りは、支持体ウェブWと一次側堰板16との隙間から上流側に溢流し、基台20の上流側塗布液戻り槽20Aに流下する。前記上方に掻き上げられた製版層形成液は、一部が支持体ウェブWに付着し、残りは、一次側バー2の表面に付着して下流側に運ばれ、中間塗布液戻り槽20Bに流下する。
【0053】
一次側バー2において支持体ウェブに製版層形成液が塗布されて形成された塗布面は、二次側バー4によって、塗布厚みが過剰な部分は掻き取られ、塗布厚みが過小な部分は製版層形成液が補充され、所定の塗布厚みに調整される。一方、二次側給液流路24から供給された塗布液は、二次側バー4の表面を濡らした後、二次側堰板18を下流側に向かって溢流し、下流側塗布液戻り槽20Cに流下する。
【0054】
上流側塗布液戻り槽20A、中間塗布液戻り槽20B、および下流側塗布液戻り槽20Cに流下した製版層形成液は、それぞれ戻し流路32A、戻し流路32B、および戻し流路32Cを通って塗布液貯留槽30に戻る。
【0055】
塗布装置100においては、支持体ウェブWは、一次側押圧ローラ8とラップ角保持ローラ6と二次側押圧ローラ10とによって上方から押圧される。したがって、支持体ウェブWは緊張状態に保持されるから、ラップ角αおよびラップ角βは、支持体ウェブWの厚みによらず一定に保持される。
【0056】
したがって、支持体ウェブWの塗布面に、エッジ厚塗り、全面スジ、平面性異常などの面質故障が発生することがない。また、厚みの異なる支持体ウェブを接続した物に製版層形成液を塗布する場合においても接続部が一次側バー2および二次側バー4を通過したことが切っ掛けになって前記面質故障が生じることがなく、安定な塗布を行うことができる。
【0057】
【実施例】
(実施例1)
幅1000mmのアルミニウムウェブにおける一方の面を、ブラシグレイン処理、アルカリエッチング処理、および電解粗面化を順次施して砂目立てし、ついで陽極酸化処理を施して支持体ウェブWを作製した。
【0058】
図1に示す塗布装置を用い、この支持体ウェブWの砂目立て面Sgに、製版層形成液として感光層形成液を塗布し、乾燥して感光層を形成した。感光層塗布液の塗布条件は以下の通りに設定した。
【0059】
結果を表1に示す。表1において、「○」は、塗布面に面質故障が全く認められなかったことを、「△」は、品質上は許容できる範囲であるが、塗布面に面質故障が認められたことを、「×」は、面質故障が明瞭に認められたことを示す。
【0060】
【表1】
(比較例1)
ラップ角保持ローラ6を有しない点を除いては実施例1と同様の塗布装置を用い、同様の塗布条件で感光層形成液を塗布した。
【0061】
結果を表1に示す。
【0062】
表1に示すように、支持体ウェブの厚みが0.3mmのとき、実施例1においては、ラップ角αおよびラップ角βが2°以上であれば良好な塗布面が得られたが、比較例1においては、ラップ角αおよびラップ角βが12°よりも小さくなるとエッジ厚塗りが生じた。
【0063】
また、支持体ウェブの厚みが0.4mmのときは、実施例1においては、ラップ角αおよびラップ角βが2°〜15°の範囲であれば良好な塗布面が得られたが、比較例1においては、良好な塗布面が得られるラップ角αおよびラップ角βは12°〜15°の範囲に過ぎなかった。
【0064】
このように、バーコータ型の塗布装置においてラップ角保持ローラを設けることにより、支持体ウェブなどの帯状体として厚みの大きなものを使用した場合においても、広い範囲のラップ角において良好な塗布面が得られることが判る。
【0065】
また、表1に示すように、比較例1においては、0.3mm以上の厚みの支持体ウェブで良好な塗布面が得られるラップ角領域では、厚みが0.2mmの支持体ウェブでは、許容できる範囲ではあるが、バーの押し痕が発生する。これを避けるには、厚さ0.2mmの支持体ウェブと厚さ0.3mmの支持体ウェブとでラップ角の変更が必要になる。したがって、厚さ0.2mmの支持体ウェブと厚さ0.3mmの支持体ウェブとを接続したものに連続的に塗布を行う場合には、接続部でラップ角を変更しなければならず、その変更部分で面質故障が発生していた。
【0066】
これに対して、実施例1では、前記接続部においてラップ角を修正しなくても、連続した良好な塗布面が得られる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、厚みの異なる帯状体を接続して塗布液を塗布する場合、および厚みの大きな帯状体に塗布液を塗布する場合にも、安定して塗布を行うことの可能な塗布装置および塗布方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る塗布装置の一例につき、構成を示す概略図である。
【図2】図2は、図1に示す塗布装置における一次側バー、二次側バー、ラップ角保持ローラ、および支持体ウェブの相対的な位置関係を示す拡大図である。
【符号の説明】
2 一次側バー
4 二次側バー
6 ラップ角保持ローラ
8 一次側押圧ローラ
10 二次側押圧ローラ
Claims (6)
- 一定方向に搬送される帯状体の一方の面に塗布液を塗布する一次側バーと、
一次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って下流側に配設され、前記一次側バーで前記帯状体に塗布された塗布液を所定の厚みに調整する二次側バーと、
前記一次側バーおよび前記二次側バーを下方から支持する支持台と、
前記一次側バーの支持台と前記二次側バーの支持台とが載置された昇降可能な基台と、
前記一次側バーと前記二次側バーとの間に配設され、前記帯状体における前記塗布液が塗布される側とは反対の面を押圧して前記一次側バーおよび前記二次側バーに対する前記帯状体のラップ角を所定の角度に保持するラップ角保持ローラと、
前記一次側バーの支持台の搬送方向上流側に隣接して前記一次側バーに塗布液を供給する一次側給液流路と、
前記二次側バーの支持台の搬送方向下流側に隣接して前記二次側バーに塗布液を供給する二次側給液流路と
を備え、
前記基台と前記ラップ角保持ローラとの高さによって前記一次側バーおよび二次側バーにおける帯状体のラップ角を所定の角度に設定することを特徴とする塗布装置。 - 前記一次側バーおよび二次側バーの何れにおいても前記帯状体のラップ角は15°以下に保持されてなる請求項1に記載の塗布装置。
- 前記一次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って上流側に配設された一次側押圧ローラと、前記二次側バーよりも前記帯状体の搬送方向に沿って下流側に配設された二次側押圧ローラとを備えてなり、前記一次側押圧ローラおよび前記二次側押圧ローラの何れも、前記帯状体における前記ラップ角保持ローラの当接する側の面を押圧する請求項1または2に記載の塗布装置。
- 前記一次側バーの支持台と前記二次側バーの支持台との間に、前記一次側バーおよび前記二次側バーに供給された塗布液を給液側に戻す中間塗布液戻り槽が設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布装置。
- 前記一次側バーの支持台の搬送方向上流側および前記二次側バーの支持台の搬送方向下流側に夫々給液側に塗布液を戻す上流側塗布液戻り槽及び下流側塗布液戻り槽が設けられている請求項4に記載の塗布装置。
- 前記一次側バーと二次側バーとの中心軸距離は60〜150mmに設定されている請求項1〜5の何れか1項に記載の塗布装置。
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