JP4090953B2 - 異形鉄筋の連結金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面にねじ状突起が形成された異形鉄筋を連結するために用いる異形鉄筋の連結金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート補強用の鉄筋として、図7(a)、(b)、(c)に示すように、コンクリートとの付着力を増すために外周面にねじ状突起11が形成された異形鉄筋10が知られている。この形状の異形鉄筋10を繋ぐために、図8(a)、(b)に示すように、細長い円筒状ナット100が用いられている。図8(c)に示すように、ナット100の両端から、接続対象の異形鉄筋10(1)、10(2)を所定量ねじ込むことにより、これらの連結状態が形成される。異形鉄筋連結用のナット100は、筒状本体101の内周面に機械加工により雌ねじ102を形成することにより製造されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ナット100を用いる場合には、異形鉄筋の連結部分の強度を充分なものとするために、充分な鉄筋ねじ込み量を確保する必要がある。そのために、通常のナットに比べて軸長の長いナットが用いられる。長い軸孔の内周面に機械加工により雌ねじを切ることは大変であり、コスト高の原因にもなる。
【0004】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、廉価に製造可能な異形鉄筋の連結金具を提案することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、ねじ状突起が外周面に形成されている異形鉄筋を軸線方向に連結するために用いる異形鉄筋の連結金具において、
所定の間隔で対峙している左右の側板部分と、
前記側板部分の一端を相互に繋ぐ第1の端板部分と、
前記側板部分の他端を相互に繋ぐ第2の端板部分と、
前記側板部分のそれぞれに形成された円弧状部分と、
各円弧状部分に形成した雌ねじ用スリットとを有し、
前記雌ねじ用スリットは、金具軸線方向に向けて一定のピッチで形成され、前記ねじ状突起に螺合可能であり、
各端板部分は、前記円弧状部分に対して半径方向の外側に後退していることを特徴としている。
【0006】
前記雌ねじ用スリットの代わりに、各円弧状部分の内周面を外側にプレスすることにより形成した雌ねじ用凹溝を備えた構成を採用することもできる。この場合においても、前記雌ねじ用凹溝は、金具軸線方向に向けて一定のピッチで形成して、前記ねじ状突起に螺合可能な構成とすればよい。
【0007】
ここで、前記第2の端板部分を、一方の前記側板部分に連続している端板本体部分と、この端板本体部分の先端に形成したフックとを備えた構成とし、他方の前記側板部分の端に前記フックが嵌め込み固定された嵌め込み溝が形成された構成とすることができる。
【0008】
このように構成した本発明の連結金具は、前記雌ねじ用スリットあるいは雌ねじ用凹溝、前記嵌め込み溝、および前記突起に対応する各部位が形成された金属板をプレス成形することにより得ることができる。よって、従来において用いられている連結用のナットに比べて廉価な連結金具を実現できる。
【0009】
ここで、プレス成形された連結金具の強度を高めるために、当該連結金具に熱処理を施すことが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した異形鉄筋の連結金具の実施の形態を説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1(a)ないし(e)は、実施の形態1に係る連結金具を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。連結金具1は、金属板からなるプレス成形品であり、一定の間隔で対峙している左右の側板部分2、3には異形鉄筋の外周面に形成されているねじ状突起に螺合する雌ねじ用スリット4、5が金具軸線1aの方向に一定のピッチで形成されている。これら側板部分2、3の上端は上側の端板部分6により相互に繋がれており、それらの下端は下側の端板部分7により繋がれている。
【0012】
側板部分2、3は金具軸線1aを通る垂線に対して左右対称の形状をしており、外側に凸の円弧状部分2a、3aと、これら円弧状部分2a、3aの上下の端から垂直に延びている垂直板部分2b、2cおよび3b、3cとを備えている。円弧状部分2a、3aの内周面は金具軸線1aを中心とする円8上に位置しており、連結対象の異形鉄筋の外径に対応した内径寸法とされている。
【0013】
各円弧状部分2a、3aに形成されている雌ねじ用スリット4、5は、連結対象の異形鉄筋の外周面に形成されているねじ状突起と同一のピッチおよびリード角となるように形成された傾斜スリットであり、ねじ状突起の幅よりも広幅とされている。したがって、スリット4、5は異形鉄筋のねじ状突起に螺合する雌ねじとして機能する。
【0014】
この形状の左右の側板部分2、3の上端を相互に繋ぐ上側の端板部分6は、各側板部分2、3の上側の垂直板部分2b、3bの上端に直交する状態で繋がっている水平板部分である。これに対して、下側の端板部分7は、一方の側板部分2の下側の垂直板部分2cの下端から直角に折れ曲がって延びている端板本体部分7aと、その先端縁に形成したフック7bとを備えている。フック7bは、金具軸線1aの方向に沿って形成された一定の間隔で一定幅のものである。側板部分3の下側垂直板部分3cの下端縁部分には、各フック7bを外側から嵌め込み可能な嵌め込み溝3dが形成されている。各フック7bは対応する嵌め込み溝3dに嵌め込まれ、端板部分7の先端が側板部分3の下端に結合されている。
【0015】
図2(a)〜(e)は、この構成の連結金具1を用いて異形鉄筋を軸線方向に連結した状態を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。これらの図に示すように、外周面にねじ状突起11が形成されている異形鉄筋10(1)、10(2)を、連結金具1の両側からねじ込むと、ねじ状突起11が左右の側板部分2、3に形成されている雌ねじ用スリット4、5に螺合する。連結金具1において雌ねじ用スリット4、5が形成されてない上下の端板部分6、7は、半径方向の外側に後退した位置にある。よって、かかるねじ込み作業において、異形鉄筋10(1)、10(2)のねじ状突起11に干渉することがない。両側から異形鉄筋を必要量だけねじ込むことにより、これら2本の異形鉄筋の連結状態を形成できる。
【0016】
次に、連結金具1は金属板をプレス成形することにより製造されたものである。すなわち、金属板を用意し、ここにプレス加工により、雌ねじ用スリット4、5、フック7dおよび差込溝3dを形成する。図3(a)、(b)はこれらの各部分が打ち抜き成形された金属板20を示す平面図および断面図である。
【0017】
この形状の金属板をプレス成形することにより、図1に示す連結金具1が製造される。すなわち、図3(a)において点線で示す山折り線および一点鎖線で示す谷折り線に沿って折り曲げ加工する。また、折り曲げ加工時に各フック7bを対応する嵌め込み溝3dに嵌め込み、ここに固定する。この後は、プレス成形された連結金具1の強度を高めるために、当該連結金具に熱処理を施し、必要に応じて表面処理を施した後に最終製品である連結金具1が得られる。
【0018】
この構成の連結金具1は、金属板をプレス成形することにより得ることができる。よって、細長い鋳造品の内周面に機械加工により雌ねじを切ることにより製造される従来の連結用ナットに比べて、極めて廉価な連結金具を実現できる。
【0019】
(実施の形態2)
上記の実施の形態1では、異形鉄筋のねじ状突起11に螺合する雌ねじ用スリット4、5を金属板に形成し、これをプレス成形して連結金具1を得るようにしている。雌ねじ用スリット4、5の代わりに、雌ねじ用凹溝を金属板に形成し、これをプレス成形して連結金具を得るようにしてもよい。
【0020】
図4(a)ないし(e)は、雌ねじ用凹溝を備えた実施の形態2に係る連結金具を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。図5(a)ないし(e)は、図4の連結金具による異形鉄筋の連結状態を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。また、図6(a)および(b)は、プレス成形前の金属板を示す平面図および側面図である。
【0021】
これらの図に示すように、本実施の形態に係る連結金具30の基本構造は図1に示す連結金具1と同様であるので、対応する部位には同一符号を付し、それらの説明は省略する。連結金具30では、プレス成形前の金属板40に、雌ねじ用スリットの代わりに、雌ねじ用凹溝41、42を形成する。雌ねじ用凹溝41、42は、金属板40を面外方向に押出すことにより形成される。この雌ねじ用凹部41、42が側板部分2、3の円弧状部分2a、3aの内周面側に位置するように金属板40がプレス成形される。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の異形鉄筋の連結金具は、金属板をプレス加工して、異形鉄筋外周面のねじ状突起に螺合可能な雌ねじ用スリットあるいは雌ねじ用凹溝を形成し、これをプレス成形して得られる構造とされている。したがって、従来のような細長い円筒状の鋳造品の内周面に機械加工により雌ねじを切ることにより製造される異形鉄筋の連結金具に比べて、極めて廉価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)ないし(e)は、本発明を適用した実施の形態1に係る連結金具を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。
【図2】(a)ないし(e)は、図1の連結金具により異形鉄筋が連結された状態を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。
【図3】(a)および(b)は、図1の連結金具を製造するために用いる金属板を示す平面図および側面図である。
【図4】(a)ないし(e)は、本発明を適用した実施の形態2に係る連結金具を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。
【図5】(a)ないし(e)は、図4の連結金具により異形鉄筋が連結された状態を示す平面図、正面図、底面図、背面図および側面図である。
【図6】(a)および(b)は、図4の連結金具を製造するために用いる金属板を示す平面図および側面図である。
【図7】(a)、(b)および(c)は、外周面にねじ状突起が形成された形状の異形鉄筋を示す平面図、正面図および側面図である。
【図8】(a)、(b)および(c)は、従来の異形鉄筋の連結用ナットの正面図、側面図および連結状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、30 連結金具
2、3 側板部分
2a、3a 円弧状部分
2b、3b、2c、3c 垂直板部分
3d 嵌め込み溝
4、5 雌ねじ用スリット
6、7 端板部分
7a 端板本体部分
7b フック
41、42 雌ねじ用凹溝
10、10(1)、10(2) 異形鉄筋
11 ねじ状突起
Claims (5)
- ねじ状突起が外周面に形成されている異形鉄筋を軸線方向に連結するために用いる異形鉄筋の連結金具において、
所定の間隔で対峙している左右の側板部分と、
前記側板部分の一端を相互に繋ぐ第1の端板部分と、
前記側板部分の他端を相互に繋ぐ第2の端板部分と、
前記側板部分のそれぞれに形成された円弧状部分と、
各円弧状部分に形成した雌ねじ用スリットとを有し、
前記雌ねじ用スリットは、金具軸線方向に向けて一定のピッチで形成され、前記ねじ状突起に螺合可能であり、
各端板部分は、前記円弧状部分に対して半径方向の外側に後退している異形鉄筋の連結金具。 - 請求項1において、
前記雌ねじ用スリットの代わりに、各円弧状部分の内周面を外側にプレスすることにより形成された雌ねじ用凹溝を有し、
前記雌ねじ用凹溝は、金具軸線方向に向けて一定のピッチで形成され、前記ねじ状突起に螺合可能である異形鉄筋の連結金具。 - 請求項1または2において、
前記第2の端板部分は、一方の前記側板部分に連続している端板本体部分と、この端板本体部分の先端に形成したフックとを備えており、
他方の前記側板部分の端には前記フックが嵌め込み固定された嵌め込み溝が形成されている異形鉄筋の連結金具。 - 請求項3において、
前記雌ねじ用スリットあるいは前記雌ねじ用凹溝、前記嵌め込み溝、および前記フックに対応する各部位が形成された金属板をプレス成形することにより形成されている異形鉄筋の連結金具。 - 請求項4において、
プレス成形後に強度を高めるための熱処理が施されている異形鉄筋の連結金具。
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