JP4094302B2 - オイルミスト除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オイルミストを含む空気の熱交換をするとともに、オイルミストの除去を行なうオイルミスト除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械加工工場や精密機械工場などにおける材料の切削や精密加工の際には、切削油等が空気中に微細な煙状として分散することによって、いわゆるオイルミストが発生する。このオイルミストは、作業者の健康を害するとともに、その濃度が高くなると室内に青白く若しくは乳白色に煙るため、見通し距離が減少したり、また床面に沈着して滑り易くなり、作業の安全性が著しく阻害される。さらに、オイルミストを含む空気が外部に排出されると、大気汚染の一因となる。従って、かかるオイルミストを確実に除去できるオイルミスト除去装置が求められている。
【0003】
このようなオイルミスト除去装置として、従来から広く採用されているものとしては、静電気方式の除去装置がある。この装置は、針や線状の放電電極と平板や円筒状のなめらかな集塵電極とによって構成されている。そして、両電極間に直流高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させ、この両電極間にオイルミストを含む空気を通過させると、オイルミストがクーロン力を受けて集塵電極へ移動して捕集される。
【0004】
その他にも、濾過方式や洗浄方式の集塵機を除去装置として用いることもある。濾過方式は、エアフィルターを用いてオイルミストを捕集する方式である。洗浄方式は、オイルミストを含む空気流を液滴や液膜などの液体と衝突させることによってオイルミストを捕集する方式であり、例えば、ベンチュリスクラバ、充填塔などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような従来のオイルミスト除去装置には、以下のような問題点があった。すなわち、静電気方式は、捕集されたオイルミストが装置内部に付着するので、頻繁なメンテナンスが必要となるとともに、故障が発生しやすい。これは、粘着性の高いオイルミストの場合に、より一層問題となる。また、この方式は高電圧を使用するため、安全性等の観点から種々の絶縁構造を採用する必要があり、コスト高となる。
【0006】
これに対処するため、上述以外の方式を採用しても次のような問題がある。まず、濾過方式の場合には、フィルターが目詰まりを生じやすく、頻繁な清掃作業や交換作業が必要となる。また、洗浄方式の場合には装置の小型化が困難であり、特に切削工場等におけるオイルミストの対象粒径であるサブミクロン(1μm以下)のミストを捕捉しようとすると、大量の洗浄液や複雑な気体流路が必要となり、問題の解決は難しい。さらに、一旦捕捉したオイルミストが再度飛散しないように、ミストを捕らえた部材を確実に洗浄することが求められている。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであって、その目的は、オイルミストを効率よく除去できるとともに、メンテナンスの手間がかからないオイルミスト除去装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明であるオイルミスト除去装置は、空気取入口と空気供給口との間の空気流路に流入したオイルミストを含む空気を冷却する冷却コイルと、前記空気取入口から流入したオイルミストを含む空気を、前記冷却コイルの手前で加湿する加湿手段と、前記加湿手段に加湿用の水分を供給する供給手段と、を備え、前記冷却コイルは、熱媒が循環する管と、前記管に取り付けられたプレートフィンとを有し、前記管には、熱媒を冷却して供給する冷却装置が接続されていることを特徴とする。以上のような請求項1記載の発明では、空気取入口からオイルミストを含んだ空気が流入し、この空気が冷却コイルのプレートフィンと接触しつつ通過することによって冷却される。すると、空気中の水分及びオイルミストが凝縮し、プレートフィンの表面に薄い水膜が形成され、以降流入するオイルミストがこの水膜と直接接触することにより、吸収、溶解されて除去される。さらに、空気取入口から流入したオイルミストを含む空気は、高湿度でない場合であっても、加湿手段によって加湿されるので、プレートフィンを通過する際に冷却されてその水分及びオイルミストが凝縮し、プレートフィンの表面に薄い水膜が形成される。そうする事で、オイルミストが水膜に効率よく吸収、溶解されて除去される。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のオイルミスト除去装置において、前記冷却コイルのプレートフィンに対して、電解強アルカリ水を噴射して洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段に電解強アルカリ水を供給する電解強アルカリ水供給手段とを備えたことを特徴とする。
以上のような請求項2記載の発明では、冷却コイルのプレートフィンに対して、洗浄手段によって定期的に電解強アルカリ水を噴射して洗浄することにより、プレートフィンの表面に、粘性の高いオイルミストや固形物などの汚れが付着することが防止されるので、常にきれいな状態が保たれ、メンテナンスの手間が省ける。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のオイルミスト除去装置において、前記洗浄手段は前記プレートフィンの全面に洗浄液がかかるように移動自在に設けられたことを特徴とする。
以上のような請求項3記載の発明では、洗浄手段が移動するため、洗浄手段のコンパクト化を実現させつつ、プレートフィンの全面を効率良く洗浄することが可能である。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載のオイルミスト除去装置において、前記プレートフィンに高圧空気を吹き出す高圧空気供給手段が設けられたことを特徴とする。
以上のような請求項4記載の発明では、高圧空気供給手段がプレートフィンに高圧空気を吹き出すので、洗浄手段によって洗い落とされたオイルミストをプレートフィンから容易に吹き飛ばすことができる。したがって、プレートフィンにオイルミストが残留することをない。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置において、前記プレートフィンの上部から水分を滴下する滴下手段と、前記滴下手段に滴下用の水分を供給する供給手段とを備えたことを特徴とする。以上のような請求項6記載の発明では、滴下手段によってプレートフィンの上部から水を滴下すると、プレートフィン表面の水膜がより一層形成されやすくなるので、オイルミストの捕集効率が高まる。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項5記載のオイルミスト除去装置において、前記滴下手段と前記プレートフィンとの間には、保水性若しくは吸水性のマットが配設されていることを特徴とする。以上のような請求項7記載の発明では、滴下手段とプレートフィンとの間に保水性又は吸水性のマットが配設されているので、多数のプレートフィンが配設されていても、マットによって、全てのプレートフィンに対して水分が均一に分散して滴下される。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置において、前記供給手段は、供給する水分として電解強アルカリ水を生成する電解強アルカリ水生成装置を有することを特徴とする。以上のような請求項8記載の発明では、加湿スプレー若しくはプレートフィンに滴下される電解強アルカリ水の界面活性効果によって、プレートフィン表面にさらに水膜が形成され易くなるとともに、洗浄効果によって、粘性の高いオイルミストや固形物などの汚れがプレートフィン表面に付着することが防止される。
【0016】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置において、前記プレートフィン表面全体が、水膜で覆われた濡れ面となるように、前記プレートフィンに複数の孔が形成されていることを特徴とする。以上のような請求項9記載の発明では、プレートフィンに形成された複数の孔によって、電解強アルカリ水がプレートフィンの表面全体に行き渡るので、均一かつ安定したオイルミストの吸収・溶解効果を得ることができる。
【0017】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置において、前記冷却コイルにおける空気流路の下流側に送風機を設置し、前記冷却コイルと前記送風機との間にエミリネータを設けたことを特徴としている。以上の請求項10の発明では、冷却コイルと送風機との間にエミリネータを設けたので、空気だけが良く通り、冷却コイルを洗浄した後のオイルミストを含む洗浄液が送風機にかかることがなく、オイルミストの再飛散を確実に防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の空気調和機の実施の形態を、図面に基づいて具体的に説明する。
1.第1の実施の形態
1−1.構成
まず、請求項1及び2、請求項9記載の発明に対応する実施の形態を、図1〜4を参照して説明する。すなわち、図1に示すように、左側を空気取入口、右側を空気供給口とするハウジング1の内部に、冷水によって空気を冷却する冷却コイル2、冷却コイル2に電解強アルカリ水を噴射する洗浄ノズル3、ハウジング1外へ空気を吐出すための排風機4が配設されている。また、本実施の形態は、冷却コイル2に冷水を供給するための冷水生成装置5、洗浄ノズル3に電解強アルカリ水を供給するための電解水生成装置6、洗浄ノズル3及び冷却コイル2から落下した水を回収する排水タンク7等を備えている。なお、洗浄ノズル3、冷水生成装置5、電解水生成装置6は、それぞれ請求項に記載の洗浄手段、冷却装置、電解強アルカリ水供給手段に対応している。
【0019】
冷却コイル2は、図2に示すように、アルミニウム製の長方形状のプレートフィン21が複数枚配設され、これらのプレートフィン21内に、金属製の管20を蛇行配置したものである。管20の両端は、冷水入口20a及び冷水出口20bとなっている。この冷水入口20a及び冷水出口20bは、管20内を冷水が循環可能となるように、ポンプ50及び流量調整弁51を備えた配管等を介して、冷水生成装置5に接続されている。この冷水生成装置5は、例えば、ブライン等の冷媒との熱交換によって、循環水を冷却する装置である。
【0020】
冷却コイル2のプレートフィン21には、図3に示すように、その全面に小孔21aが多数形成されている。そして、冷却コイル2の上流側には、プレートフィン21に対して電解強アルカリ水を噴射する洗浄ノズル3が設けられている。洗浄ノズル3には、電解強アルカリ水が供給可能となるように、ポンプ60及び流量調整弁61を備えた配管を介して、電解水生成装置6が接続されている。この電解水生成装置6は、例えば、0.1〜1%程度の希薄食塩水などの電解質水溶液を電気分解することによって、強アルカリ水及び強酸性水を生成する装置である。ここで、強アルカリ水とは、通常、pH11.0〜12.2程度のものをいうが、本発明に用いる強アルカリ水はこの数値に限定されるものではない。
【0021】
さらに、冷却コイル2におけるプレートフィン21の下部には、落下した水を受ける容器が配設され、この容器に排水口22が形成されている。また、図示はしないが、冷却コイル2の下部には、排水口22からの水を受ける水槽が設けられている。この水槽は配管を介して排水タンク7に接続されている。さらに、排水タンク7には、電解水生成装置6において、副次的に生成された電解強酸性水が流入するように、ポンプ60及び流量調整弁61を備えた配管を介して、電解水生成装置6に接続されている。なお、流量調整弁51,61による流量制御、洗浄ノズル3による洗浄時間の管理等は、手動によって行なうこともできるが、制御装置によって自動化することもできる。
【0022】
1−2.作用
以上のような構成を有する本実施の形態の作用を以下に説明する。まず、排風機4、冷水生成装置5及びポンプ50を作動させる。空気取入口から流入したオイルミストを含んだ空気は、管20内を冷水が循環している冷却コイル2を通過する際に、例えば、5℃程度の露点温度以下までに冷却されるので、空気中の水分及びオイルミストがプレートフィン21表面に凝縮する。すると、小孔21aが形成されたプレートフィン21の表面全体に薄い水膜(以下、濡れ壁と呼ぶ)が形成され、以降流入するオイルミストは濡れ壁と直接接触することにより、濡れ壁を形成する液体に吸収、溶解される。このようにしてオイルミストが除去された清浄空気は、空気供給口から室内等に供給される。
【0023】
また、冷却コイル2のプレートフィン21に対しては、例えば、4時間に1回の割合で、電解水生成装置6及びポンプ60を定期的に作動させることによって、洗浄ノズル3から電解強アルカリ水が噴射される。すると、電解強アルカリ水の洗浄効果によって、オイルミストその他の物質がプレートフィン21表面に付着することが防止され、常にきれいな状態が保たれる。
【0024】
以上のように、オイルミストを吸収・溶解した水及び洗浄に用いられた電解強アルカリ水は、冷却コイル2から落下して排水口22から排水され、下部に配置された水槽を経由して排水タンク7に流入する。また、電解水生成装置6において、電解強アルカリ水の生成と同時に生成された電解強酸性水は、ポンプ60によって排水タンク7に送出される。排水タンク7内においては、電解強アルカリ水が電解強酸性水によって中和され、適宜排水される。
【0025】
1−3.効果
以上のような本実施の形態によれば、空気を冷却する過程でオイルミストを効率良く除去することができる。また、大半のオイルミストその他の物質は、濡れ壁に吸収・溶解されて下方に落下、排出されるので、メンテナンスの手間がかからない。特に、洗浄効果の高い電解強アルカリ水によって、プレートフィン21を定期的に洗浄するので、オイルミストその他の物質の付着が完全に防止され、メンテナンスの必要がなくなる。
【0026】
また、プレートフィン21に形成された複数の小孔21aによって、プレートフィン21の全体に確実に濡れ壁が形成できるので、均一かつ安定したオイルミストの除去効率を得ることができる。
【0027】
そして、流入空気からオイルミストを除去すると同時に冷却するので、例えば、工場内の生産装置から発生する熱負荷の一部を、発生源近くで処理することができ、工場内冷房のための空調機にかかる熱負荷が軽減される。従って、生産装置からの熱負荷が室内に拡散されず、良好な室内温熱環境が得られる。また、オイルミストが除去された清浄空気を室内に循環することにより、省エネルギーを実現できる。さらに、構成が簡素であるため、小型化や大型化への対応が容易であるとともに、故障が生じ難く、低コストで製造できる。
【0028】
2.第2の実施の形態
2−1.構成
請求項5〜9記載の発明に対応する実施の形態を、図5〜8を参照して説明する。なお、上記の第1の実施の形態と同様の部材は同一の符号を付して、説明を省略する。すなわち、本実施の形態は、図5に示すように、基本的には上記の第1の実施の形態と同様の構成である。但し、第1の実施の形態に加えて、ハウジング1に流入した空気に電解強アルカリ水を噴霧する加湿ノズル8、冷却コイル2に電解強アルカリ水を滴下する滴下装置9等を備えている。なお、加湿ノズル8、滴下装置9及び電解水生成装置6は、それぞれ請求項に記載の加湿手段、滴下手段、電解強アルカリ水生成装置に対応している。
【0029】
加湿ノズル8及び滴下装置9には、電解強アルカリ水が供給可能となるように、ポンプ60及び流量調整弁61を備えた配管を介して、電解水生成装置6が接続されている。そして、冷却コイル2の上部には、図6及び図7に示すように、吸水性又は保水性の材質によって形成されたマット23が配設されており、このマット23上に、電解強アルカリ水を滴下する滴下装置9が設けられている。さらに、加湿ノズル8から噴霧されて落下した電解強アルカリ水も、上記の第1の実施の形態と同様に、排水タンク7に排出されるように構成されている。
【0030】
2−2.作用
以上のような構成を有する本実施の形態の作用を以下に説明する。なお、図8に示した〜は、図5で示した〜の位置における空気の状態に対応している。但し、図8における具体的な数値は例示であり、本発明の特性がこれらの数値に限定されるものではない。まず、排風機4、冷水生成装置5、電解水生成装置6及びポンプ50,60等を作動させる。空気取入口(点)から流入したオイルミストを含んだ空気は、電解水生成装置6から供給され加湿ノズル8から噴霧される電解強アルカリ水によって、相対湿度100%近くまで加湿される(点)。
【0031】
次に、加湿空気は、管20内を冷水が循環している冷却コイル2において、例えば、5℃程度に冷却される(点)。このとき、空気中の水分及びオイルミストが凝縮し、小孔21aが形成されたプレートフィン21の表面全体に濡れ壁が形成される。例えば、生産装置からのオイルミストを含んだ排気は必ずしも高湿度とは限らないが、上述のように強制的に加湿することによって高湿度の空気となっているので、濡れ壁が形成し易くなっている。このように濡れ壁が形成すると、上記の第1の実施の形態と同様に、オイルミストが濡れ壁に吸収・溶解される。
【0032】
なお、これと同時に、電解強アルカリ水が、滴下装置9からマット23に対して供給され、さらにマット23から各プレートフィン21に滴下されている。このため、電解強アルカリ水の界面活性効果によって、プレートフィン21の表面の濡れ壁がより一層形成されやすくなる。また、滴下された電解強アルカリ水の洗浄効果によって、オイルミストがプレートフィン21表面に付着することが防止される。
【0033】
加湿ノズル8または冷却コイル2から落下した電解強アルカリ水は、下部に配置された水槽にて回収され、排水タンク7に流入する。また、電解水生成装置6において生成された電解強酸性水は、ポンプ60によって排水タンク7に送出される。排水タンク7内においては、電解強アルカリ水が電解強酸性水によって中和され、適宜排水される。
【0034】
2−3.効果
以上のような本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、生産装置からの排気が高湿度でない場合であっても、電解強アルカリ水によって強制的に加湿して高湿度の空気としているので、プレートフィン21における濡れ壁が形成し易くなり、オイルミストを確実に除去することができる。また、電解強アルカリ水をプレートフィン21へ滴下するので、濡れ壁がより一層形成しやすくなる。これと同時に、滴下される電解強アルカリ水によって、プレートフィン21の洗浄効果が得られるので、オイルミストの付着が防止される。さらに、複数のプレートフィン21に対する水の滴下は、吸水性又は保水性のマット23を介して行なうので、全てのプレートフィン21に水分が均一に行き渡り、オイルミストの除去効率が向上する。
【0035】
3.他の実施の形態
本発明は上記のような実施の形態に限定されるものではない。加湿ノズル8から噴射する水や滴下装置9から滴下する水は、電解強アルカリ水にする必要は必ずしもなく、例えば、図9に示すように、別途供給される通常の水を用いても多少の洗浄効果は低下するがほぼ同等の性能を得る事ができる。かかる構成とすれば、電解水生成装置の稼動量や容量を節約して、製造コスト及びランニングコストを削減することができる。
【0036】
冷却コイルは、プレートフィン及び管を備えたものであれば、その種類を問わず、プレートフィンや管の数や形状も、上記の実施の形態で示したものには限定されない。プレートフィンや管の材質も、上記の実施の形態で示したものに限定するものではない。例えば、銅製としたり、銀イオンを添着することによって抗菌性を高めることもできる。
【0037】
プレートフィンに親水性を持たせて十分な濡れ面積を確保する方法としては、耐久性やコスト面を考慮すると、上記の実施の形態のように多数の孔を形成する方法が適しているが、以下のような方法も適用可能である。例えば、プレートフィンを親水性塗料で塗布したり、プレートフィンに凹凸形状を施すことが考えられる。
【0038】
プレートフィンに形成する小孔の大きさや形状、数も、親水性、保水性を持たせることができるものであればよく、上記の実施の形態で示したものには限定されない。例えば、各小孔を水平方向に長くして、上段における各小孔間と、下段における各小孔の中心とが交互に来るように形成すると、水が水平方向に行き渡るとともに、上の小孔の間を落ちる水が、下の小孔の中心に入り保持される。従って、水をプレートフィン全体に均一に行き渡らせることが確実に実現できる。
【0039】
冷却コイル、洗浄ノズル、加湿ノズル等は、上記の実施の形態ではそれぞれ一台づつ設置したが、複数台設置してもよい。加湿ノズルと滴下装置のいずれか一方のみを備えた構成とすることも可能である。より具体的には、本発明は図10や図11に示す実施の形態を包含している。すなわち、図10に示した実施の形態は請求項3の発明に対応するもので、その特徴は、洗浄手段を移動自在に配置した自動洗浄装置14が設けられた点にある。自動洗浄装置14には洗浄水送水管15に連結したパイプ14aが設けられており、パイプ14aに洗浄水の噴射ノズル14bが取り付けられている。噴射ノズル14bは縦方向に一直線状に等間隔に配置されている。また、自動洗浄装置14には上部及び下部にはパイプ14aを支持する駆動部14cが設置されている。駆動部14cはパイプ14aごと噴射ノズル14bを横方向に一体的に往復移動させるようになっている。
【0040】
このような実施の形態によれば、コイル洗浄装置14が噴射ノズル14aから洗浄水を間欠的に噴射して冷却コイル2を定期的に洗浄する。しかも、コイル洗浄装置14では駆動部14bの働きにより噴射ノズル14aが横方向に往復移動するため、冷却コイル2全体をまんべんなく洗うことができ、冷却コイル2へのオイルミストの残留を防止できる。このため、冷却コイル2は常に清浄な状態を保つことができ、冷却コイル2によるオイルミストの捕集効率を高いレベルで維持することが可能となる。
【0041】
また、図11に示した実施の形態は請求項4の発明に対応するもので、前記図10に示した実施の形態に改良を加えたものである。この実施の形態は冷却コイル2に対し洗浄液と同じ方向から高圧空気を吹き付けるターボブロア24が配置されている。ターボブロア24は請求項4に記載の高圧空気供給手段に対応している。
【0042】
このような実施の形態によれば、ターボブロア24から冷却コイル2に高圧空気を吹き付けることで冷却コイル2に付着したオイルミストを吹き飛ばし、これを取り除くことができる。したがって、冷却コイル2にオイルミストが残留することがなく、冷却コイル2の浄度性能を高めてオイルミストの捕集効率を向上させることができる。また、自動洗浄装置として高圧空気供給装置を同時に作動させると更に洗浄効果を高めることができる。
【0043】
さらに、図12に示すように、図1のハウジング1内において冷却コイル2と排風機4との間にエミリネータ25を設けても良い(請求項10に対応)。ここで排風機4は請求項10記載の送風機に対応している。この実施の形態では、冷却コイル2と排風機4との間にエミリネータ25を設けたので、冷却コイル2後方に空気が良く通り、冷却コイル2を洗浄した後のオイルミストを含む洗浄液が排風機4にかかることがない。したがって、オイルミストの再飛散を確実に防止することができる。
【0044】
また、プレートフィン21を冷却するための熱媒や、その冷却装置は上記の実施の形態で示したものには限定されず、冷却方式、使用する冷媒等も自由である。電解強アルカリ水を生成する装置についても、使用する電解質水溶液、電気分解の手法、生成される電解強アルカリ水のpH値等は、上述のものには限定されない。
【0045】
上記の実施の形態で示した冷却コイルの設定温度や、加湿ノズルによる加湿の程度、洗浄ノズルによる定期的な洗浄の間隔や洗浄時間の設定等も自由である。使用者が所望の時間に手動で洗浄させることも可能である。また、本発明の除去対象となるオイルミストは、必ずしも水溶性のものには限定されず、その粒径も特定のものには限定されない。さらに、本発明のオイルミスト除去装置は、工場等のエリアごとに小型の装置を設置することもできるが、エリアごとに排気をまとめて、ある程度大型の装置によって処理することもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、オイルミストを効率よく除去できるとともに、メンテナンスの手間がかからないオイルミスト除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオイルミスト除去装置の第1の実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1の実施の形態における冷却コイルを示す斜視図である。
【図3】図1の実施の形態における冷却コイルのプレートフィンを示す図2のA部拡大図である。
【図4】図2の側面図である。
【図5】本発明のオイルミスト除去装置の第2の実施の形態を示す構成図である。
【図6】図5の実施の形態における冷却コイルを示す斜視図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】図1の実施の形態における温度及び湿度変化の一例を示す湿り空気線図である。
【図9】本発明のオイルミスト除去装置の他の実施の形態を示す構成図である。
【図10】本発明のオイルミスト除去装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】本発明のオイルミスト除去装置の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図12】本発明のオイルミスト除去装置の他の実施の形態を示す要部構成図である。
【符号の説明】
1…ハウジング
2…冷却コイル
3…洗浄ノズル
4…排風機
5…冷水生成装置
6…電解水生成装置
7…排水タンク
8…加湿ノズル
9…滴下装置
14…コイル洗浄装置
14a…パイプ
14b…噴射ノズル
14c…駆動部
20…管
20a…冷水出口
20b…冷水入口
21…プレートフィン
22…排水口
23…マット
24…ターボブロア
25…エミリネータ
50,60…ポンプ
51,61…流量調整弁
Claims (9)
- 空気取入口と空気供給口との間の空気流路に流入したオイルミストを含む空気を冷却する冷却コイルと、
前記空気取入口から流入したオイルミストを含む空気を、前記冷却コイルの手前で加湿する加湿手段と、
前記加湿手段に加湿用の水分を供給する供給手段と、を備え、
前記冷却コイルは、熱媒が循環する管と、前記管に取り付けられたプレートフィンとを有し、前記管には、熱媒を冷却して供給する冷却装置が接続されていることを特徴とするオイルミスト除去装置。 - 前記冷却コイルのプレートフィンに対して、電解強アルカリ水を噴射して洗浄する洗浄手段と、前記洗浄手段に電解強アルカリ水を供給する電解強アルカリ水供給手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のオイルミスト除去装置。
- 前記洗浄手段は前記プレートフィンの全面に洗浄液がかかるように移動自在に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記プレートフィンに高圧空気を吹き出す高圧空気供給手段が設けられたことを特徴とする請求項2又は3に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記プレートフィンの上部から水分を滴下する滴下手段と、前記滴下手段に滴下用の水分を供給する供給手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記滴下手段と前記プレートフィンとの間には、保水性若しくは吸水性のマットが配設されていることを特徴とする請求項5記載のオイルミスト除去装置。
- 前記供給手段は、供給する水分として電解強アルカリ水を生成する電解強アルカリ水生成装置を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記プレートフィン表面全体が、水膜で覆われた濡れ壁となるように、前記プレートフィンに複数の孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置。
- 前記冷却コイルにおける空気流路の下流側に送風機を設置し、前記冷却コイルと前記送風機との間にエミリネータを設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のオイルミスト除去装置。
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