JP4096574B2 - 塗料組成物及び塗装金属板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防食性、耐湿性、密着性に優れた塗料組成物及び該塗料組成物をプライマーとして施した塗装金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】
塗装金属板(プレコート金属板)は、燐酸塩処理、クロメート処理等の化成処理が施された金属板の上に、熱硬化性皮膜用樹脂組成物である下塗り塗料及び上塗り塗料を形成しており、需要側で塗装工程を必要とすることなく、プレス加工等の成形加工を行い家電機器、事務機器、建材、家具等の構造材として使用されている。加工部の傷や、塗膜表面についた傷から腐食が進行するため、プレコート金属板には下塗り塗料にクロメート系の防錆顔料を用いている。しかしながらクロメート系の防錆顔料からは6価クロームが発生し、環境問題上、好ましくない。
【0003】
6価クロームを含まない顔料を使用した組成物としては、例えば、特開平11−222575号公報には、カルシウムイオン交換された非晶質シリカを有する塗料組成物が紹介されているが、プライマーとしての使用に於いて耐湿性が不十分であった。又、特開平4−149278号公報には、粒子表面を金属化合物で被覆したトリポリ燐酸2水素アルミニウムと亜鉛化合物とを併用してなる防錆顔料組成物が提案されているが、防食性が未だ不十分であり、必ずしも満足のいく性能が得られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような、クロメート系防錆顔料を用いずに、防錆性、耐湿性に優れ、特に過酷な加工にも耐え得る優れた密着性を有する塗料組成物及び該塗料組成物をプライマーとして施した塗装金属板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は第一に、(A)水酸基含有のポリエステル及び又はエポキシ樹脂、(B)アミノ樹脂及び又はブロック化ポリイソシアネート化合物を含有する皮膜形成樹脂組成物、(C)金属有機化合物系硬化触媒、(D1)カルシウムイオン交換性非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を含有することを特徴とする塗料組成物を提供する。
【0006】
本発明は第二に、金属板表面に、(A)水酸基含有のポリエステル樹脂及び又はエポキシ樹脂、(B)アミノ樹脂及び又はブロック化ポリイソシアネート化合物を含有する皮膜形成樹脂組成物、(C)金属有機化合物系硬化触媒、(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を含有する塗料組成物をプライマーとして施したことを特徴とする塗装金属板を提供する。
【0007】
本発明は上記の手段により、クロメート系防錆顔料を用いずに、防錆性、耐湿性に優れ、特に過酷な加工にも耐え得る優れた密着性を有する塗料組成物及び該塗料組成物をプライマーとして施した塗装金属板を提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の塗料組成物は、(A)水酸基含有のポリエステル樹脂及び又はエポキシ樹脂、(B)アミノ樹脂及び又はブロック化ポリイソシアネート化合物を含有する皮膜形成樹脂組成物、(C)金属有機化合物系硬化触媒、(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を含有する。以下、各構成成分について詳述する。
【0009】
(A)水酸基含有樹脂はポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂から選ばれる。ポリエステル樹脂は、数平均分子量が2000〜25000、好ましくは3000〜20000である水酸基含有ポリエステルである。エポキシ樹脂は、数平均分子量が2000〜25000、好ましくは3000〜20000である水酸基含有エポキシ樹脂である。
【0010】
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸から公知のエステル化法により得られる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、水添ビスフェノール、ビスフェノールAのEO,PO付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。多塩基酸としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水マレイン酸、フマ−ル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。必要に応じて安息香酸、p−ターシャリーブチル安息香酸等の一塩基酸も併用出来る。
【0011】
又、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0012】
(B)アミノ樹脂及び又はブロックイソイアネート化合物は、前記水酸基含有樹脂の硬化剤として用いる。上記アミノ樹脂としては、特に限定されないがメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。上記アミノ樹脂のうち、メラミン樹脂が好ましく、更にはアルキルエーテル化メラミン樹脂、混合アルキルエーテル化メラミン樹脂が好ましい。上記アルキルエーテル化メラミン樹脂としてはメチルアルコールによりエーテル化されたメチルエーテル化樹脂、n−ブタノール、iso−ブタノールでエーテル化されたブチルエーテル化メラミン樹脂、及びメチルエーテルとブチルエーテルの混合エーテル化メラミン樹脂がある。上記メチルエーテル化メラミン樹脂としては、サイメル300、301、303、325、350(以上いずれも三井サイテック製)、スーパーベッカミンLーl05−60(大日本インキ化学工業製)、スミマールM−100、M−55(いずれも住友化学製)等が挙げられる。上記ブチルエーテル化メラミン樹脂としては、スーパーベッカミンL−110−60、L−109−60、L−117−60、L−127−60(いずれも大日本インキ化学工業製)、ユーバン20SB、20SE60(三井化学製)等が挙げられる。上記混合エーテル化メラミン樹脂としてはサイメル235、231、236、266、267(いずれも三井サイテック)、ニカラックMX500(三和ケミカル製)、スミマールM−66B(住友化学製)等が挙げられる。
【0013】
これらメラミン樹脂は1種または2種以上の混合物として用いることが出来る。硬化剤としてメラミン樹脂を使用する場合、通常、水酸基含有樹脂100質量部(固形分)に対してメラミン樹脂10〜50質量部(固形分)が好ましい。より好ましくは15〜35質量部(固形分)である。
【0014】
上記ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート化合物のイソシアネート基を適当なブロック剤によりブロックした化合物である。ブロックされるイソシアネート化合物としては、トルエンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、水添キシレンジイソシアネート、水添4、4ージフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート類、または、トリメチロールプロパン等とのアダクト体、イソシアヌレート等の多量体が挙げられる。ブロック剤としては、フェノール、クレゾール等のフェノール系ブロック剤、メチルエチルケトキシム、アセトオキシム、ベンゾフェノンオキシム等のオキシム系ブロック剤、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等のラクタム系ブロック剤、メタノール、エタノール、ブタノール、シクロヘキサノール等のアルコール系ブロック剤、マロン酸ジエチル、アセト酢酸エチル等の活性メチレン化合物系ブロック剤、チオ尿素等の尿素系ブロック剤等が挙げられる。特にオキシム系ブロック剤、ラクタム系ブロック剤、活性メチレン化合物系ブロック剤が好ましい。市販のブロックイソシアネート化合物としては、デスモジュールBL3370、BL4265、BL3175、BL3272、スミジュールBL3175(住友バイエルウレタン製)、タケネートB−830、B−820NSU、B−842N、B−846N(武田薬品製)バーノックD−500、D−550、DB−980K、B3−867(大日本インキ化学製)等が挙げられる。硬化剤としてブロックイソシアネート化合物を使用する場合、通常、水酸基含有樹脂100質量部(固形分)に対してブロックイソシアネート化合物10〜50質量部(固型分)であることが好ましい。より好ましくは15〜35質量部(固形分)である。
【0015】
(C)金属有機化合物系硬化触媒は下地との金属密着性を向上させるために用いる。金属有機化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチタン系金属有機化合物、あるいはジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート等のジルコニウム系金属有機化合物が好適に用いられる。上記触媒の使用量は水酸基含有樹脂とアミノ樹脂等の皮膜形成樹脂固形分の合計100質量部に対して、0.05〜3質量部であることが好ましい。より好ましくは0.1〜0.5質量部程度である。(C)金属有機化合物系硬化触媒は、(B)成分がメラミン樹脂を有する場合に、下地金属との密着性向上に特に効果を示す。
【0016】
硬化剤として上記ブロックイソシアネート化合物を用いる場合、併用し得る硬化触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫オキサイド等の有機錫化合物が好適である。上記併用しても良い触媒の使用量は水酸基含有樹脂とブロックイソシアネート化合物の固形分の合計100質量部に対して、0.05〜0.5質量部程度である。
【0017】
硬化触媒として、従来のドデシルベンゼンスルホン酸やジノニルナフタレンスルホン酸のような酸触媒と比較して、(C)金属有機化合物を含有した場合、素材との優れた密着性が得られる。
【0018】
カルシウムイオン交換性の非晶質シリカは、多孔質シリカゲル粉末にカルシウムイオンをイオン交換させた無毒性の防錆顔料である。塗膜を通過してきた水素イオンが塗膜中のカルシウムイオンとイオン交換し、放出されたカルシウムイオンが金属表面を保護し防錆作用が現れると考えられている。カルシウムイオン交換性の非晶質シリカとしては、シールデックス303、AC−3、AC−5(W.R Grace&Co社製)、シールデックス(富士シリシア製)等が挙げられる。
【0019】
リン酸塩は無毒性の防錆顔料であり、リン酸塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムからなる群から、選ばれた1種以上の金属のリン酸塩が好ましい。外部より侵入してくる水分に、徐々に溶出するリン酸イオンと金属表面の金属イオンが反応し、密着性の良い不動態被膜を形成し、金属表面を保護し防錆作用が現れると考えられている。
【0020】
リン酸塩を含有する防錆顔料としては、リン酸亜鉛系のLFボウセイ D−1、ZP−50S(キクチカラー製)、リン酸カルシウム系のLFボウセイ CP−Z(キクチカラー製)、リン酸マグネシウム系のLFボウセイ MZP−500(キクチカラー製)、リン酸アルミニウム系のLFボウセイ CRFC−1(キクチカラー製)等が挙げられる。
【0021】
リン酸塩の中でも、表面を金属化合物で処理したトリポリ燐酸2水素アルミニウムが好ましく用いられる。表面を金属化合物で処理したトリポリ燐酸2水素アルミニウムは、無毒性の顔料であり、トリポリリン酸イオンのキレート化により金属表面の金属イオンとポリ燐酸塩不動態被膜を形成し、金属表面を保護し防錆作用が現れると考えられている。トリポリ燐酸2水素アルミニウムは、pHが1〜3と低く、これを配合した塗料組成物は、酸性となり、塗料粘度が上昇して、塗料の安定性を損なう恐れがあり、本発明では、このトリポリ燐酸2水素アルミニウムの表面を金属化合物で処理することにより、塗料の安定化を図っている。又、金属化合物は、トリポリ燐酸イオンの溶出を調整し、防錆効果の持続が図られる。金属化合物としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、コバルト、スズ、ジルコニウム、チタニウム、ストロンチウム、銅、鉄、リチウム、アルミニウム、ニッケル、ナトリウム、及びカリウムの塩化物、水酸化物、炭酸化物、硫酸物等が挙げられる。
【0022】
金属化合物で処理されたトリポリ燐酸2水素アルミニウムとしては、市販品として、K−ホワイト Ca650、K−450H、G105、K−105、K−82(テイカ製)等が挙げられる。
【0023】
亜リン酸塩は無毒性の防錆顔料であり、亜リン酸塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムからなる群から、選ばれた1種以上の金属の亜リン酸塩が好ましい。溶出した亜リン酸イオンが、塗膜中に侵入してくる酸素を補足し、亜リン酸はリン酸に酸化され、そのリン酸イオンが金属表面の金属イオンと反応し、錯化合物を形成して金属表面を保護し、防錆効果をもたらすと考えられている。
【0024】
亜リン酸塩を含有する防錆顔料としては、亜リン酸亜鉛系のEXPERT NP−1500、NP−1600(東邦顔料製)、亜リン酸カルシウム系のEXPERT NP−1000、NP−1020C(東邦顔料製)、亜リン酸アルミニウム系としてはEXPERT NP−1100、NP−1102(東邦顔料製)等が挙げられる。
【0025】
モリブテン酸塩は無毒性の顔料であり、モリブテン酸塩としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれた1種以上の金属のモリブテン酸塩が好ましい。外部より侵入してくる水分に、徐々に溶出するモリブテン酸イオンと金属表面の金属イオン反応し、密着性の良い不動態被膜を形成し、金属表面を保護し防錆作用が現れると考えられている。
【0026】
モリブテン酸塩を含有する防錆顔料としては、モリブテン酸亜鉛系のLFボウセイ M−PSN(キクチカラー製)、モリブテン酸カルシウム系のLFボウセイ MC−400WR(キクチカラー製)、モリブテン酸アルミニウム系のLFボウセイ PM−300、PM−308(キクチカラー製)等が挙げられる。
【0027】
本発明の塗料組成物は、(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を併用することにより防錆性と耐湿性の両立が図られる。前記したリン酸塩の中でも、粒子表面を金属化合物で処理したトリポリ燐酸2水素アルミニウムを含有する防錆顔料が特に好ましい。(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料との比率(D1):(D2)(但し質量比)は、5:95〜30:70であることが好ましく、より好ましくは、10:90〜25:75である。また上記(D1)及び(D2)の合計が水酸基含有樹脂100質量部(固型形分)に対して15〜100質量部であることが好ましく、より好ましくは25〜75質量部である。
【0028】
本発明の塗料組成物には、(E)その他の添加物として、必要により、有機溶剤、染料、有機顔料、無機顔料、金属顔料等の着色剤、分散剤、沈降防止剤、レベリング剤、等を加えることが出来る。
【0029】
本発明の塗料用組成物は、化成処理が施された亜鉛メッキ鋼板、亜鉛アルミ合金メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板等の金属板の表面にプライマーとして塗布される。塗装方法としては、ロールコーター塗装、スプレー塗装、刷毛塗り等の公知の方法が用いられる。乾燥塗膜厚は、特に限定されないが、1〜10μmが好ましい。上記塗装を施した金属板を、到達板温180〜230℃になる様に焼き付けを行う。この様にプライマー塗膜を施した上に、上塗り塗装を行う。上塗り塗料としては、ポリエステル樹脂系、シリコン変性ポリエステル樹脂系、シリコン変性アクリル樹脂系、フッ素樹脂系等の公知の塗料を用いることができる。塗装方法としては、ロールコーター塗装、スプレー塗装、刷毛塗り等の公知の方法が用いられる。乾燥塗膜厚は、特に限定されないが、10〜20μmが好ましい。上記塗装を施した金属板を到達板温180〜250℃になる様に焼き付けを行う。
【0030】
【実施例】
以下実施例を用いて本発明を具体的に詳述する。実施例中の部、%はすべて質量基準である。
【0031】
(実施例1)
スーパーベッコライトM6801−30(大日本インキ化学工業(株)製 固形分30%のポリエステル樹脂溶液、数平均分子量は約15,000)を267部(固形分量80部)、シールデックスC−303(W.R.Grace & Co.社製、カルシウムイオン交換性の非晶質シリカ)4部、K−ホワイトG105(テイカ製、ポリリン酸アルミニウム系防錆顔料)36部、チタン白20部およびソルベッソ100(エッソ石油製、芳香族系混合溶剤)とシクロヘキサノンとの1/1(質量比)混合溶剤の適当量を混合し、ガラスビーズミルで1時間分散させた。粒ゲージにて、10μm以下の粒度であることを確認した。次いでスーパーベッカミンL105−60(大日本インキ化学製、固形分60%のメチル化メラミン樹脂)を33.3部(固形分20部)及びオルガチックスTA−70((株)松本通商製、テトラメチルチタネート有効成分100%)0.3部を十分撹拌しながら滴下し均一に混合する。滴下により混合するのは、金属有機触媒の作用が非常に強いため、一気に混合すると塗料が部分的にゲル化してしまうためである。最後に、上記混合溶剤にて、粘度約100秒(フォードカップ#4/25℃)に調製して、塗料組成物を得た。得られた塗料を表面処理された厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼板(亜鉛付着量45g/m2)にバーコーターにて、乾燥膜厚5μmになる様に塗布し、到達板温200℃で、焼き付けを行った。次に、ポリエステル系上塗り塗料(大日本インキ化学製、「SRF05」)をバーコーターにて、乾燥膜厚15μmになる様に塗布し、到達温度225℃で、焼き付けを行った。
【0032】
(実施例2〜37、比較例1〜4)
表1〜6に示す塗料配合割合以外は、実施例1と同様にして、塗料組成物を得た。表1〜6に示す配合量は、固形分量または有効成分量(質量部)で表示する。次いで、実施例1と同様にして、塗装鋼板を作成した。
【0033】
以下、表1〜6に用いた成分について説明する。
・エピクロン9055−40AX:大日本インキ化学製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂溶液、固形分40%、樹脂の数平均分子量約5,200。
・デスモジュールBL4265:住友バイエルウレタン製、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートのオキシムブロック体、固形分65%。
・フォーメートTK−1:武田薬品製、有機スズ系解離触媒、固形分10%。
・オルガチックス TA−70:(株)松本通商製、テトラメチルチタネート、固形分100%
・オルガチックス TA−30:(株)松本通商製、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、固形分100%
・オルガチックス TA−25:(株)松本通商製、テトラノルマルブチルチタネート、固形分100%
・オルガチックス TA−10:(株)松本通商製、テトライソプロピルチタネート、固形分100%
・オルガチックス ZA−60:(株)松本通商製、ジルコニウムノルマルプロピレート、固形分100%
・オルガチックス ZA−40:(株)松本通商製、ジルコニウムノルマルブチレート、固形分100%
・ネーキュア5225:KING社製、ドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩、有効成分25%
・EXPERT NP−1500:東邦顔料製、亜リン酸亜鉛系防錆顔料。
・LFボウセイ M−PSN:キクチカラー製、モリブテン酸亜鉛系防錆顔料。
【0034】
以上の様にして得られた塗装板について、耐食性及び耐湿性を以下の評価基準で評価した。
【0035】
(耐食性)
塗装板を50×150mmの大きさに切断し、ほぼ中央に素地に達するクロスカットを入れる。この試験板について、JIS Z2371に準じて、750時間の塩水噴霧試験を行った。クロスカット部の最大膨れ幅を測定した。以下の基準で評価した。
◎:クロスカット部に膨れが見られない。
○:カット部の片側の最大膨れ幅が1mm未満である。
△:カット部の片側の最大膨れ幅が1mm以上5mm未満である。
×:カット部の片側の最大膨れ幅が5mm以上である。
【0036】
(耐湿性)
塗装板を50×150mmの大きさに切断し、これを試験片とする。JIS K5400の耐湿性試験の回転式に準じ、耐湿試験を行った。試験片の平面部の膨れをASTM D714の評価基準に従って評価した。
◎:膨れなし
○:8F
△:8M、6F
×:8MD以上、6M以上
【0037】
(密着性1)
塗膜の密着性評価方法として、高温湿潤条件下でのブリスターの発生を実施した。塗装板を50×150mmの大きさに切断し、これを試験片とする。JIS K5400の耐湿性試験の回転式に準じ、試験槽温度を80℃に保って試験を行った。試験片の平面部の膨れをASTM D714の評価基準に従って評価した。
◎:膨れなし
○:8F
△:8M、6F
×:8MD以上、6M以上
【0038】
(密着性2)
塗膜の密着性評価方法として、円筒絞りピースの耐沸騰水試験を実施した。試験ピースは直径66φの円盤状に打ち抜いた試験片を塗装面が表側になるように絞り比2、試験片押さえ圧500kg、0.5mm/秒の絞り速度で円筒状に加工した。加工した試験片の絞りスカート部に一部クロスカットを施した後、沸騰水中に1時間浸漬し、取り出して1時間放置した後、塗膜の密着状態を目視観察した。
◎:剥離なし
○:スカート先端部のみ僅かに剥離
△:剥離小
×:全面剥離
【0039】
(塗料状態)
塗料の状態を目視観察した。試験塗料は作成後、200mlガラス瓶に充填し、24時間静置した後、その状態を目視にて観察した。
◎ :異常なし
増粘:流動性が悪いもの
ゲル:流動性が著しく悪く、ガラス瓶を傾けても流動性が無いもの
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】
【発明の効果】
本発明の塗料組成物は防食性、耐湿性、密着性に優れているため、プライマー塗料として有用に使用される。又、6価クロムを含まないため、環境上の問題を生じない。本発明の塗装金属板は、上述の特性を有するため、プレコートメタルとして使用できる。
Claims (7)
- (A)水酸基含有のポリエステル樹脂及び又はエポキシ樹脂、(B)アミノ樹脂及び又はブロック化ポリイソシアネート化合物を含有する皮膜形成樹脂組成物、(C)チタネート系金属有機化合物系硬化触媒、(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を含有することを特徴とするプライマー用塗料組成物。
- 前記したチタネート系金属有機化合物の含有率が0.05〜3質量%である請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記したリン酸塩が、粒子表面を金属化合物で処理したトリポリ燐酸2水素アルミニウムである請求項1〜2の何れかに記載の塗料組成物。
- 前記したトリポリリン酸2水素アルミニウムの粒子表面を処理する金属化合物が、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガン、ビスマス、コバルト、スズ、ジルコニウム、チタニウム、ストロンチウム、銅、鉄、リチウム、アルミニウム、ニッケル、ナトリウム及びカリウムから選ばれた少なくとも1種である請求項3に記載の塗料組成物。
- 前記した亜リン酸塩及びモリブテン酸塩が、亜鉛、カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種以上の金属の亜リン酸塩及びモリブテン酸塩である請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記した(D1)と(D2)の比率が、5:95〜30:70である請求項1〜5の何れかに記載の塗料組成物。
- 金属板表面に、(A)水酸基含有のポリエステル樹脂及び又はエポキシ樹脂、(B)アミノ樹脂及び又はブロック化ポリイソシアネート化合物を含有する皮膜形成樹脂組成物、(C)金属有機化合物系硬化触媒、(D1)カルシウムイオン交換性の非晶質シリカと、(D2)リン酸塩を含有する防錆顔料、亜リン酸塩を含有する防錆顔料及びモリブテン酸塩を含有する防錆顔料からなる群から選ばれた少なくとも1種以上の防錆顔料を含有する塗料組成物をプライマーとして施したことを特徴とする塗装金属板。
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