JP4097672B2 - 片持ち支持バルコニー構築用パネル及びバルコニー構築方法 - Google Patents
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Description
また、バルコニー等の跳ね出し部は、大きさ及び形状も様々であって、対応する鉄筋ユニットを全て準備するのは不可能であり、しかも、住戸躯体側に配筋された鉄筋が邪魔になって熱橋低減用鉄筋ユニットの連結鉄筋が困難であり、バルコニー用型枠及び住戸躯体用型枠内での配筋組立てが煩雑である。
また、図10(B)に示す如く、バルコニー下端筋に干渉しないように鉄筋取付用治具を上方に配置する必要があるため、上方連結鉄筋と下方連結鉄筋との応力中心距離が小さくなり、バルコニーの抗力(引張力、圧縮力)が小さくなって、強度保持上、バルコニー床スラブ厚の増大を招く。
また、断熱材の上部切欠溝群及び下部切欠溝群は、各連結鉄筋群及び各鉄筋取付用治具を嵌入した跡に空隙が出来て、該断熱材の切欠溝群での空隙は打設コンクリートが充填されて、バルコニーと、コンクリート躯体とを打設コンクリートが連続し、外断熱コンクリート躯体としての断熱機能が局所的に低下する。
本発明は、これら従来例1,2の問題を合理的に解決、又は改善するものであって、鉄筋コンクリート造バルコニーを片持ち支持形態で、且つ、熱橋を抑制した形態で、合理的に構築出来る、新規なZ筋パネル、及びバルコニー構築方法、及び該Z筋パネルを用いて構築した片持ち支持バルコニーを備えた外壁構造を提供するものである。
また、Z筋1は、図2(A)に示す如く、直線のZ上端筋1Uと直線のZ下端筋1Dとを、Z字形に屈曲して、水平上辺部1U´、中間傾斜部1S、水平下辺部1D´を形成したZトラス筋1Mで、水平上辺部1U´をZ上端筋1Uに、水平下辺部1D´をZ下端筋1Dに、Z上端筋1UとZ下端筋1Dとを、上方方向に、応力中心距離L15を保って溶接一体化したものである。
また、Z筋1の断熱層2Bへの貫通形態は、所定位置にZ筋1を保持出来れば良く、断熱層2Bに穿孔してZ筋1を貫入し、現場発泡ウレタンで断熱層2Bの貫通孔を補修しても良い。
この場合、断熱耐火材2Eとしては、耐火性、断熱性に富み、鋏で切断出来る、例えば、カオウール(イソライト工業(株)、商品名)やフイブロック(積水化学工業(株)、商品名)等でZ筋1を被覆し、現場発泡ウレタンを注入充填すれば良い。
そして、繊維系断熱耐火材2EでZ筋1を被覆すれば、断熱耐火材2Eと断熱層2Bとの隙間は現場発泡ウレタンで充填されるが、Z筋1は、若干の上下左右動が許容され、型枠組み時のZ筋1の位置の微調整の下での適正配置が容易である。
従って、Z筋1の断熱層2Bへの貫通は、上下長孔形態の挿通用孔H1への貫入となって容易である。
しかも、挿通用孔H1が上下方向の長孔であって3本の一体化した鉄筋(Z上端筋1U、Zトラス筋1M、Z下端筋1D)を収納した状態での断熱層2Bの断熱機能修復となるため、Z筋パネルの製作段階での、Z筋1の位置調整の下での耐火材充填作業が容易となり、工場内での均質なZ筋パネルの製作が可能となる。
この場合、座板7は、厚さ2〜3mmで挿通用孔H1全体を覆う矩形のプラスチック板を採用すれば良く、各挿通用円孔H2,H2´,H3は、対応挿入用鉄筋の径より若干(標準:3mm)大としておけば良い。
そして、座板7は、予め断熱層2Bの一方の面から長孔H1を閉止する形態に接着すれば良い。
そして、長孔H1内でZ筋1を断熱耐火材2Eで被覆し、長孔H1を現場発泡ウレタンで補修すれば、Z筋1は、断熱層2Bに対して、座板7の挿通用円孔H2,H2´,H3側で位置保持され、座板7の存在しない側では、断熱耐火材2Eの可変性によって若干上下左右動可能となるため、Z筋パネルの型枠内への配置時に、Z筋1の調整が可能で、Z筋1の適正位置への配筋が容易となる。
従って、座板7は、挿通用孔H1の一面を閉止するため、挿通用孔H1の他面から、断熱耐火材2Eの充填、現場発泡ウレタンの注入充填作業でのストッパー作用を奏し、挿入用孔H1の補修の作業性が向上する。
この場合、座板7の各挿通用円孔H2,H2´,H3は、それぞれ挿通鉄筋径より略3mm大とすれば良い。
従って、断熱耐火材2Eの充填後の現場発泡ウレタン充填、或いは、挿通用孔H1の空隙への現場発泡ウレタンのみの直接充填に際しても、座板7と挿通筋との微小な隙間はウレタンで発泡閉止され、バルコニー床スラブSBは、基端部BbでのZ筋1の変位量(撓み量)が最少限(標準:0.3mm以下)に設定施工されるが、地震時のZ筋1の動きに対し、座板7の各挿通用円孔H2,H2´,H3と各挿入鉄筋1U,1M,1Dとの空隙に充填介在したウレタンフォームがクッション材作用を奏し、Z筋1の振動を吸収して、断熱層2Bの損傷を抑制する。
この場合、Z筋パネル20の断熱層幅T3(標準:75mm)全幅に亘ってZトラス筋1Mによるトラス構造が導入出来、それ自体は強度の小さな断熱層2Bが、力学上は、コンクリート体に置換した剛構造となるため、該Z筋パネル20でコンクリート躯体CFと一体化したバルコニー床スラブSBは、力学上、コンクリート壁Wとの間の断熱層2B域も剛構造域となり、Zトラス筋1MによるZ上端筋1UとZ下端筋1Dとの間への、十分な曲げモーメント中心距離L15の付与と相俟って、バルコニー床スラブ基端Bbの曲げモーメントによる撓み量が極端に低減(標準:0.3mm以下)出来、バルコニー床スラブSBの強固な片持ち支持が可能となる。
本発明Z筋パネルで片持ち支持バルコニーBを構築すれば、バルコニー床スラブSBに働く曲げ応力により、Z上端筋1Uには引張り応力が、Z下端筋1Dには圧縮応力が作用し、曲げ応力と圧縮応力の界面の中立軸に生ずる剪断応力は、理論上45°となるため、45°傾斜配置のZトラス筋1Mが剪断応力に有効に対抗出来、Z筋1の合理的な選定実施が可能となる。
この場合、Z筋1の全長全面に亘って防蝕、断熱性のエポキシ樹脂塗料の耐火コート下塗材((株)エスケー化研、商品名)を、断熱性錆止め塗料1Bとして塗布し、断熱層2B対応部位には、更にSK耐火コート上塗材((株)エスケー化研、商品名)を耐火塗料1Aとして上塗りすれば良い。
従って、断熱層2BのZ筋挿通用孔H1を、断熱耐火材2E、及び/又は、現場発泡ウレタンの充填で断熱機能修復すれば、火災時の断熱層2Bの燃焼の際にも、Z筋1の火災劣下が好適に阻止出来、Z筋1のコンクリート内での腐蝕も抑制出来、高耐久性の外断熱コンクリート建物にバルコニーBを付設した際には、バルコニーBの耐火性も耐久性も向上する。
この場合、図2(D)に示す如き、水平ブレード8Mと垂直ブレード8Fの直交した十字ジョイント8の、肉厚(標準:3mm)の水平ブレード8Mが溝9に嵌り、肉厚(標準:3mm)の垂直ブレード8Fがスリット溝9´に嵌入するように設定し、図4の如く、Z筋パネル20を載置するための、図3(A)に示す、複合パネル2の上端面SU及び下端面SDにも、スリット溝9´を付設しておけば、Z筋パネル20と複合パネル2との上下接続が、所望位置での十字ジョイント8の、スリット溝9´に沿った自在な位置調整と、垂直ブレード8Fによる複合パネルの断熱層とZ筋パネルの断熱層との前後方向の整合作用とによって、Z筋パネル20の型枠組み作業が簡便になる。
従って、断熱層2Bの上端面SUと下端面SDとに溝9,9´の上下接続手段を備えたZ筋パネル20は、図6(A)に示す如く、下端面SDと上端面SUとに複合パネル2を接続する部位、即ち、バルコニーBの上下に複合パネル2の存在する部位での使用に有利である。
尚、バルコニー床スラブSBを突設した外壁Wは、出入口戸等の開放部も備えるため、図6(A)の如く、バルコニー床スラブSB上に外壁Wの存在する場合は、図1に示すZ筋パネル20(パネル高さ20h:200mm)を用いて、Z筋パネル20を上下の複合パネル2で挟着接続形態とし、バルコニー床スラブSB上に、図6(B)の如く、出入口戸13の存在する場合は、図3(B)に示すZ筋パネル21(パネル高さ21h:253mm)を用いれば良い。
また、Z筋パネル20,21の、下方の複合パネル2上への整合接続は、下方の複合パネル2が慣用の捨型枠手段で位置保持されたものであるため、また、Z筋パネル20,21はコンクリート打設時にのみ適正な姿勢を保持すれば良いため、Z筋パネル20,21の断熱層2Bを複合パネル2の断熱層2B上に衝合接着しても良い。
また、広幅の浅い溝9は、十字ジョイント8の水平ブレード8Mが面一に嵌入出来れば良く、スリット溝9´は、十字ジョイント8の垂直ブレード8Fが嵌入出来る、幅、深さとすれば良い。
また、断熱層2Bの十字ジョイント8を嵌入した浅い溝9の存在は、バルコニーBの構築後は、密封空気域となり、空気断熱層として機能する。
この場合は、バルコニー床スラブSBと居住部床スラブSAとに段差があっても、Z筋1のコンクリート躯体CF内に配置する突出部APは、コンクリート外壁W内に一体化固定可能であるため、バルコニー床スラブSBはZ筋1で好適に配置出来る。
そして、Z上端筋1U及びZ下端筋1Dは、屈曲形態によって、真直ぐ形態よりも、コンクリート付着力(抗引抜力)が増加するため、コンクリート躯体CF内の上下端筋は、若干の短尺化も可能となる。
この場合、定着板1Cはコンクリート付着力の増大を生じ、コンクリート躯体CF側へのZ筋1の突出長APの一層の短尺化が可能になり、Z筋1の、短尺化された屈曲部の、外壁型枠FW内への配置が容易となり、バルコニー床スラブSBの、居住部床スラブSAとの段差の有無に関わらず、Z筋パネル20,21の型枠組み、及びバルコニー床スラブSBの構築が合理的に実施出来る。
この場合、外壁の各構成材の透湿抵抗は、コンクリート壁W(厚さ180mm)は、126m2hmmHg/g、断熱層2B(押出法ポリスチレンフォーム75mm厚)は、52.5m2hmmHg/g、マグネシウムセメント板2A(12mm厚)は、14m2hmmHg/gであり、外装仕上材としては、マグネシウムセメント板2Aより透湿抵抗の小な、透湿防水複層塗剤としてのエスケー化研(株)の商品名、ユニットプレスクリーン(JISA6909)、ダンツーキャスト(JISA6021)、透湿弾性タイル(JISA6909)等が使用可能である。
従って、鉄筋コンクリートバルコニーBを突出した鉄筋コンクリート建物は、全コンクリート壁Wが透湿性と断熱性とを備えた複合パネル2で被覆しただけで、内部結露の生じない、且つ省エネルギーの外断熱となり、バルコニーBの突出付設によっても、透湿性、断熱性の何ら損なわれない透湿性外断熱建物となり、外断熱工法での従来の通気層形成手段が不要となる。
従って、本発明の工法によれば、従来の後貼り工法で、片持ち支持バルコニーの構築は、本発明のZ筋パネルを採用して、熱橋を抑制した形態に構築出来、且つ、透湿性の外断熱のコンクリート外壁を備えた外壁構造が合理的に実施出来る。
しかも、鉄筋コンクリート製のバルコニー床スラブSBも断熱層2Bでコンクリート外壁Wと熱的遮断されるため、バルコニー床スラブSB部でのコンクリート躯体CFへの熱橋作用は、バルコニーコンクリート→Z筋→居住部コンクリートのルートのみとなり、バルコニーBからコンクリート躯体CFへの熱橋が大幅に抑制出来る。
この場合、透湿性断熱パネル2は、慣用のパネル同様に、外壁Wの外側捨型枠として採用出来、Z筋1を貫通保持した断熱パネルであるZ筋パネル20,21と複合パネル2との断熱層2Bを同厚に選定採用することにより、バルコニー床スラブの型枠組みは、外壁Wの外側型板としての複合パネル2に、Z筋パネル20,21を、断熱層2Bを整合載置すれば、施工容易となる。
従って、Z筋パネル20,21の型枠組み配置時には、Z筋1が、バルコニー床スラブSB内及び居住部床スラブSA内の慣用の配筋と、干渉無しに配置設定出来るため、型枠組み及び配筋作業が容易となる。
しかも、Z筋パネル20,21は、工場での製作となるため、均質で信頼性ある製品として準備出来、パネル内のZ筋1も少ないため、Z筋パネル20,21は、小型で単純な外形構造となって、保管、運搬も容易であり、該Z筋パネル20,21を採用することにより、均一安全基準を保持した片持ち支持バルコニーBの、広い地域での構築及び展開が容易となる。
そして、バルコニー床スラブSBからコンクリート躯体CFへの熱橋作用も、バルコニーコンクリート→Z筋1→居住部側コンクリートのルートのみとなり、熱橋作用の大幅な低減が可能となる。
しかも、バルコニー構築用のZ筋パネル20,21は、安全、且つ均質パネルとして工場生産され、必要施工現場に配送されるものであるため、遠隔地での異なった施工地域にあっても、強度上信頼性ある片持ち支持バルコニーBが均質に構築出来、安全な統一基準の下での、バルコニーBの提供、及び普及が可能となる。
図5は、実施するバルコニーBの一部切欠斜視図であり、バルコニーBは、図5に示す如く、コンクリート躯体CFの耐力壁としての壁厚TWが180mmのコンクリート外壁Wの外面を、厚さT1が87mmの複合パネル2で被覆し、コンクリート外壁Wの外面から片持ち支持形式で突設するものである。
そして、バルコニー床スラブSBを支持用のZ筋1のみでコンクリート躯体CFに対して保持するものであり、断熱層2Bに支持鉄棒としてのZ筋1を貫通保持したZ筋パネル20,21を採用し、Z筋1の一半の突出部BPをバルコニー床スラブSB内に、他半の突出部APを居住部床スラブSB(コンクリート躯体CF)内に、コンクリート打設によって一体化固定するものである。
そして、構築するバルコニーBは、奥行きLBが1500mm、厚さTBが180mmで、長辺先端縁には、高さT7が50mm、幅T6が150mmのパラペットPを立設するものである。
使用するパネルとして、コンクリート外壁Wを被覆する複合パネル2と、バルコニーBを上下の複合パネル2間に突設するためのZ筋パネル20と、上方に複合パネル2の存在しない出入口部にバルコニーBを突設するためのZ筋パネル21との3種類を用意する。
そして、複合パネル2は、一般壁用の無加工の複合パネル2と、上下高さを短くしたバルコニー用複合パネル2とを用意する。
また、図2(A)は、Z筋パネル20及び21に貫入するZ筋1の正面図であって、図2(B)は図2(A)の部分拡大図であり、図2(C)はZ筋パネル20用の板状の断熱層であり、図2(D)は十字ジョイント8の全体斜視図である。
また、図3(A)は複合パネル2の全体斜視図であって、図3(B)はZ筋パネル21の全体斜視図である。
この場合、各挿通用円孔H2,H2´,H3の孔径を、それぞれ挿通するZ上端筋1U、Z下端筋1D、Zトラス筋1Mの径より若干大径(標準:3mm大)としておく。
そして、バルコニー支持用のZ筋1は、Z筋パネル20と同一物を貫入保持する。
そして、パネル面適所に、型枠組み用の皿ボルト挿入用孔hbを穿設する。
また、一般壁用の複合パネル(図示せず)は、バルコニー用複合パネル2と同一パネルではあるが、高さは、バルコニー用複合パネル2(図3(A))+Z筋パネル20の階高寸法(標準:2700mm)であり、且つ、パネル相互の上下接続も、左右接続と同様に相欠け接合可能に、即ち、図6(C)の如く、横目地dxの形成可能に断熱層2Bが、上方ではd5(標準:40mm)突出し、下方ではd6´(標準:20mm)入り込んだものである。
Z筋1は、図2(A)に示す如く、バルコニーBの、引張応力負担用のZ上端筋1Uと、圧縮応力負担用のZ下端筋1Dとを、水平上辺部1U´、中間傾斜部1S及び水平下辺部1D´とを備えたZトラス筋1Mで、応力中心距離L15を保って上下に溶接一体化固定したものである。
即ち、Z筋1は、片持ち支持形式の鉄筋コンクリートバルコニーBの床スラブSBを支持する部材であり、バルコニーBが負担する固定荷重+積載荷重によって生ずる曲げ応力(圧縮応力、引張応力)に対する抵抗は、バルコニーBからコンクリート躯体CF側に定着する棒鋼の径と間隔によって決まり、曲げモーメントMは、M=at×ft×jで表示される。
そして、同一の鉄筋棒鋼を採用しても、鉄筋棒鋼の応力中心距離を保持するのが重要であるため、本発明にあっては、図2(A),(B)の如く、Z上端筋1UとZ下端筋1Dとを、水平上辺部1U´と中間傾斜部1Sと水平下辺部1D´とから成るZトラス筋1Mで溶接固定し、曲げ材(Z上端筋1U+Z下端筋1D)の応力中心距離L15(Z上端筋1UとZ下端筋1Dとの軸心間距離)を確保する。
以下、使用鉄筋棒鋼の径19mm、径22mm、径25mmで図5のバルコニーBに適用する場合を試算比較すれば次のとおりである。
Z上端筋1Uの全長(mm) 1276 1200 1144
Z下端筋1Dの全長(mm) 793 760 727
重量(kg/個所) 4.7 6.0 7.5
出願時価格(円/個所) 298 381 475
強度の余裕 43% 58% 68%
バルコニー先端の変位量(mm) 2.6 2.0 1.7
居住部床スラブSAと断熱層2B
との当接部の変位量(mm) 0.3 0.3 0.3
変位 1/482 1/596 1/711
尚、Zトラス筋1Mは、全て径16mmの異形棒鋼を、且つ、同一形態で採用する。
また、Z上端筋1Uの全長は、計算上で径19mmは810mm、径22mmは525mm、径25mmは470mmである。Z下端筋1Dは、径19mmで520mm、径22mmが345mm、径25mmが320mmであるが、配置位置の誤差等から、安全率を乗じた。
そして、図2(A)の如く、Z筋1の全長に亘って防食性、付着性、断熱性に優れたエポキシ樹脂塗料((株)エスケー化研、商品名:耐火コート下塗材)を錆止め塗料1Bとして2回塗布し、断熱層2B内に位置する部分には、更に、耐火塗料1A((株)エスケー化研、商品名:SK耐火コート)を塗布する。
図2(D)は、十字ジョイント8の全体斜視図であって、十字ジョイント8は、図6(A),(B)に示す如く、バルコニー用複合パネル2と、Z筋パネル20又はZ筋パネル21とを上下に接続する際に用いる部材である。
即ち、十字ジョイント8は、図2(D)に示す如く、Z筋パネル20,21及びバルコニー用複合パネル2のスリット溝9´に嵌入するための垂直ブレード8Fと、Z筋パネル20,21の浅い溝9に着座配置するための水平ブレード8Mとを、断面十字形態に備えた、断熱性の肉厚3mmのプラスチック成形品である。
図4は、Z筋パネル20によってバルコニー床スラブSBを構築する状態の縦断側面図である。
型枠組みは、図4に示す如く、バルコニー用複合パネル2を、マグネシウムセメント板2Aを外面にして、外壁外側型枠F0とし、外壁内側型枠F1と共に、慣用の型枠組み手段によって外壁型枠FWを構成し、外壁型枠FW上の、複合パネル2の内側には居住部床スラブ型枠FAを、複合パネル2の外側にはバルコニー床スラブ型枠FBを、慣用の型枠組み手段で構成する。
この場合、十字ジョイント8を適所に配置して、水平ブレード8MをZ筋パネル20の浅い溝9に着座し、両面接着テープ8Aで下方の複合パネル2と、上方のZ筋パネル20とに接着すると共に、垂直ブレード8Fを、下方の複合パネル2及び上方のZ筋パネル20のスリット溝9´に嵌入して、Z筋パネル20を下方の複合パネル2上に、断熱層2Bを整合当接形態に上下接続する。
そして、Z筋パネル20から、居住部床スラブ型枠FA内へ突出したZ筋1の突出部AP、及びバルコニー床スラブ型枠FB内へ突出したZ筋1の突出部BPを、それぞれ型枠FA,FB内で、スペーサー12A,12Bで位置保持し、必要に応じて、各床スラブ内の配筋と針金で堅結して型枠内に固定する。
また、上階のコンクリート床スラブSBの構築は、既設コンクリート床スラブSB同様に、図6(A)に示す如く、硬化形成されたコンクリート床スラブSBのZ筋パネル20の上面に、十字ジョイント8を介してバルコニー用複合パネル2を載置接続し、該複合パネル2の上面にZ筋パネル20を載置接続すれば良い。
また、バルコニー床スラブSBの存在しない一般壁部にあっては、階高の高さ(標準:2700mm)を有する一般壁用複合パネル2を、慣用の外壁外側型枠として用いてコンクリート打設し、コンクリート壁Wの外面を、一般壁用複合パネル2で透湿性の外断熱に被覆する。
構築したバルコニーBの床スラブコンクリート表面Sfには、図5に示す如く、慣用のルーフィングを載置して歩行用シート防水層3を張設し、バルコニー立上り部にも、立上り防水層3´を張着し、笠木と同様の役目の慣用の腰水切4を配置する。
この場合、バルコニー用複合パネル2とZ筋パネル20又は21との接続面は、断熱層2Bの前後側の周縁2Cと十字ジョイント8の水平ブレード8Mで、上下のパネルの断熱層2B界面が当接し、且つ、十字ジョイント8を嵌入挟着した浅い溝9(深さ3mm、幅45mm)が存在するが、該溝9は、仕上げによって両端縁が閉止されるため、溝9の空隙は密閉されて空気断熱層の機能を奏し、コンクリート壁Wに対する外断熱機能は低下しない。
図7(A)は、Z筋パネル21の変形例であって、図3(B)の実施例パネルよりも断熱層2Bの上方への突出寸法を大とし、貼着するマグネシウムセメント板2Aの高さも大とし、Z筋1のコンクリート躯体側への突出部APを、コンクリート壁W内に配置可能に下方に屈曲し、Z筋1の屈曲部先端に定着板1Cを溶接固定し、短い屈曲突出部APでバルコニー床スラブSBの強固な支持を可能としたものである。
この場合、バルコニー床スラブSBとコンクリート床スラブSAとの段差に応じて、Z筋パネル21の断熱層2Bの上方への突出長、即ち、外面にマグネシウムセメント板2Aを貼着した断熱層2B部、の突出長を調整すれば良い。
図7(B)は、外壁Wの外側壁型枠F0として、バルコニー用複合パネル2を使用しない方法であって、外壁型枠FWは、捨型枠を用いない、慣用のコンクリート型板で構築し、バルコニー床スラブ型枠FBと居住部床スラブ型枠FAとに、Z筋パネル20を差渡し状に、即ち、Z筋1の、コンクリート躯体側突出部APを居住部床スラブ型枠FA内に、バルコニー側突出部BPをバルコニー床スラブ型枠FB内に延展配置し、且つ、Z筋パネル20の断熱層2Bをコンクリート壁W外面に位置するようにコンクリート型枠を構築し、コンクリート打設によって、居住部床スラブSA、コンクリート外壁W及びバルコニー床スラブSBをZ筋1で一体化構築し、後施工として、外断熱用の断熱材を、Z筋パネル20の断熱層2Bと等厚に、コンクリート外壁Wに被覆し、コンクリート外壁Wの被覆断熱材の外面に外装下地材(図示せず)を張設するものである。
図8は、下方のバルコニー用複合パネル2と、上方のZ筋パネル20との上下接合に用いる手法であって、実施例図2(D)の十字ジョイント8の上下接合手法に代えて採用するものである。
図8(A)は、断面コ字型の定着具(以下C型ジョイントと称する)の斜視図であり、図8(B)はC型ジョイントの使用状態断面図であり、図8(C)はC型ジョイントの使用説明図である。
図8(A)に示す如く、C型ジョイント15は、一般肉厚3mmのプラスチック成形品であって、正方形状の底板15Dと、底板15Dの両側端から起立し、Z筋パネル20,21の断熱層2B、及びバルコニー用複合パネル2の断熱層2Bを挟着する垂直片15Fとを備え、垂直片15Fは延長形態の小寸で起立する補助垂直片15F´を備え、両側の垂直片15Fと補助垂直片15F´とは一側の垂直片15Fが他側の補助垂直片15F´に対向する形態である。
そして、底板15Dの上下面に両面接着テープ(図示せず)を張着しておけば、C型ジョイント15の着座作業に有利である。
従って、C型ジョイント15で、バルコニー用複合パネル2とZ筋パネル20又は21とを上下接続する際には、底板15Dを下方の断熱層2B上に固定した後、上方のZ筋パネルの断熱層2Bの欠込みG15を底板15D上に着座させるため、欠込みG15は、底板15D上での位置調整を可能に、底板15Dより長い欠込みG15を、Z筋パネル20の断熱層2Bの上端面SU及び下端面SDに形成する必要があるが、欠込みG15の形成は、小型のZ筋パネル20,21への加工のみであり、実施例の、十字ジョイント8用の、溝9及びスリット溝9´の形成より容易であり、バルコニー用の複合パネル2には、何ら加工を施すことなく、C型ジョイント15での接続が可能となる。
1A 耐火塗料
1B 錆止め塗料(断熱性錆止め塗料)
1C 定着板
1D Z下端筋
1D´ 水平下辺部
1M Zトラス筋
1S 中間傾斜部(傾斜部)
1U Z上端筋
1U´ 水平上辺部
2 複合パネル(透湿性断熱パネル)
2A マグネシウムセメント板
2B 断熱層
2C 周縁
2E 断熱耐火材(耐火被覆材)
3,3´ 防水層
4 腰水切
5 アングル笠木
6 手摺
6A 底板
6B 支柱
7 座板
8 十字ジョイント
8A 両面接着テープ(両面テープ)
8F 垂直ブレード
8M 水平ブレード
9 溝
9´ スリット溝
10A,10A´ 型板
10B 根太
10C 大引き
10D パイプサポート
10E 縦端太
10F 横端太
11 床スラブ筋
11A 長辺方向上端筋
11B 長辺方向下端筋
11C 短辺方向上端筋
11D 短辺方向下端筋
11E 壁縦筋
12A,12B スペーサー
13 出入口戸
13A 水切り
13f 敷居表面
14 外装仕上材
15 C型ジョイント
15A 両面テープ
15D 底板
15F 垂直片
15F´ 補助垂直片
15N 釘(プラスチック釘)
20,21 Z筋パネル(断熱パネル)
AP,BP 突出部(Z筋突出部)
B バルコニー
Bb バルコニー基端(基端)
CF コンクリート躯体
F0 外壁外側型枠(外側壁型枠)
F1 外壁内側型枠(内側壁型枠)
FA 居住部床スラブ型枠
FB バルコニー床スラブ型枠
FW 外壁型枠
G15 欠込み
hb 皿ボルト挿入用孔
H1 挿通用孔(長孔)
H2,H2´,H3 挿通用円孔
H15 釘挿入用孔(釘孔)
L15 応力中心距離
P パラペット
SA 居住部床スラブ(コンクリート躯体床スラブ)
SB バルコニー床スラブ
Sf,Sf´ 床スラブ表面
W 外壁(コンクリート外壁、コンクリート壁)
SD 下端面
SU 上端面
ZD,ZU 固着部
Claims (17)
- 発泡プラスチック系断熱層(2B)にZ筋(1)を貫通保持した、片持ち支持バルコニー構築用のZ筋パネル(20,21)であって、断熱層(2B)は、厚さ(T3)が、コンクリート壁(W)を外断熱被覆する断熱層(2B)と同厚であり、高さ(Bh)が、少なくとも、形成するバルコニー(B)の床スラブ厚(TB)であり、Z筋(1)は、Z上端筋(1U)とZ下端筋(1D)とを、水平上辺部(1U´)、中間傾斜部(1S)及び水平下辺部(1D´)から成るZトラス筋(1M)で、上下に応力中心距離(L15)を保って一体化固着したものであり、Z筋(1)の、一半の突出部(BP)はバルコニー床スラブ(SB)内への固定部であり、他半の突出部(AP)はコンクリート躯体(CF)内への固定部であって、鉄筋コンクリートバルコニー(B)をコンクリート躯体(CF)に、熱橋抑制の下に一体化構築するためのZ筋パネル。
- Z筋(1)は、断熱層(2B)の上下方向に長孔形態の挿通用孔(H1)を貫通し、挿通用孔(H1)内では、断熱耐火材(2E)でZ筋(1)を充填被覆保持した、請求項1のZ筋パネル。
- 挿通用孔(H1)の一面は、上下にZ筋挿通用円孔(H2,H2´,H3)を備えた座板(7)で張着閉止した、請求項2のZ筋パネル。
- 座板(7)の各Z筋挿通用円孔(H2,H2´,H3)が、各挿入用鉄筋(1U,1M,1D)と隙間を保持し、該隙間を現場発泡ウレタンで充填閉止した請求項3のZ筋パネル。
- Z筋(1)は、Zトラス筋(1M)の中間傾斜部(1S)を断熱層(2B)の全幅(T3)に亘って傾斜配置し、断熱層(2B)に剛構造機能を付与した、請求項1乃至4のいずれか1項のZ筋パネル。
- Z筋(1)は、Zトラス筋(1M)の中間傾斜部(1S)が45°傾斜であり、且つ、Z上端筋(1U)との固着部(ZU)が、バルコニー側への突出部(BP)の基端で、Z下端筋(1D)との固着部(ZD)がコンクリート躯体側への突出部(AP)の基端である、請求項1乃至5のいずれか1項のZ筋パネル。
- Z筋(1)は、断熱層(2B)内では耐火塗料(1A)を塗布し、両側の突出部(AP,BP)では断熱性錆止め塗料(1B)を塗布した、請求項1乃至6のいずれか1項のZ筋パネル。
- 断熱層(2B)の上端面(SU)と下端面(SD)には、広幅の浅い溝(9)を全長に亘って配置し、該溝(9)の幅中央には細幅で深いスリット溝(9´)を全長に亘って配置した、請求項1乃至7のZ筋パネル(20)。
- 断熱層(2B)の下端面(SD)には、広幅の浅い溝(9)を全長に亘って配置し、溝(9)の幅中央には細幅で深いスリット溝(9´)を全長に亘って配置し、バルコニー床スラブ配置側は、上端が断熱層上端面(SU)と面一で、下端がバルコニー床スラブ(SB)の上端に当接する形態のマグネシウムセメント板(2A)を配置した、請求項1乃至7のZ筋パネル(21)。
- マグネシウムセメント板(2A)と発泡プラスチック系断熱層(2B)とを層着した透湿性外断熱用の複合パネル(2)を、マグネシウムセメント板(2A)を外面にして外壁外側型枠(F0)として立設して外壁内側型枠(F1)と共に外壁型枠(FW)を構築し、複合パネル(2)上の内側には、外壁型枠(FW)に連続する居住部床スラブ型枠(FA)を形成してコンクリート躯体型枠(FW,FA)を構築し、複合パネル(2)の外側にはバルコニー床スラブ型枠(FB)を構築し、複合パネル(2)上には、請求項1記載のZ筋パネル(20,21)を、Z筋パネル(20,21)の断熱層(2B)を複合パネル(2)の断熱層(2B)上に整合接続して、Z筋(1)の突出部(BP)をバルコニー床スラブ型枠(FB)内に、Z筋(1)の突出部(AP)をコンクリート躯体型枠(FW,FA)内に配置し、各型枠(FW,FB,FA)内にコンクリート打設して、バルコニー床スラブ(SB)を、複合パネル(2)で外断熱被覆されたコンクリート躯体(CF)に対して、Z筋(1)のみで片持ち支持形態に一体化構築する、外断熱外壁への片持ち支持バルコニー(B)の構築方法。
- 複合パネル(2)の上端面(SU)及び下端面(SD)の断熱層(2B)の厚さの中央にスリット溝(9´)を形成すると共に、Z筋パネル(20)にあっては、上端面(SU)及び下端面(SD)で、Z筋パネル(21)にあっては、下端面(SD)で、断熱層(2B)に広幅の浅い溝(9)と、溝(9)の幅中央のスリット溝(9´)を形成し、複合パネル(2)とZ筋パネル(20,21)との上下整合接続を、水平ブレード(8M)と垂直ブレード(8F)を備えた十字ジョイント(8)を用い、垂直ブレード(8F)を下方の複合パネル(2)及び上方のZ筋パネル(20)の各スリット溝(9´)への嵌入で実施する、請求項10の構築方法。
- Z筋パネル(20,21)のZ筋突出部(AP)を、中間部から下方に屈曲して、外壁型枠(FW)内に配置する、請求項10又は11の構築方法。
- Z筋突出部(AP)を下方に屈曲配置する際には、Z上端筋(1U)及びZ下端筋(1D)の屈曲部先端に定着板(1C)を付着する、請求項12の構築方法。
- コンクリート外壁(W)は、一般壁部を含む全面を、透湿性外断熱用複合パネル(2)で被覆して、屋内側から屋外方向に、コンクリート壁(W)、断熱層(2B)、マグネシウムセメント板(2A)と、透湿抵抗が順次、大から小へと配置し、マグネシウムセメント板(2A)より透湿抵抗の小さな、透湿性タイル等の外装仕上材(14)で外壁を仕上げる請求項10乃至13のいずれか1項の構築方法。
- 慣用の型枠組みによって外壁型枠(FW)、居住部床スラブ型枠(FA)及びバルコニー床スラブ型枠(FB)を構築し、請求項1記載のZ筋パネル(20,21)を、断熱層(2B)がコンクリート壁(W)と当接位置となるように配置して、Z筋(1)の、突出部(AP)をコンクリート躯体型枠(FA,FW)内に、突出部(BP)をバルコニー床スラブ型枠(FB)内にそれぞれ配置保持し、コンクリート躯体型枠(FA,FW)内及びバルコニー床スラブ型枠(FB)内にコンクリート打設して、バルコニー床スラブ(SB)をコンクリート躯体(CF)に、Z筋(1)のみで片持ち支持形態に一体化構築し、次いで、形成されたバルコニー床スラブ(SB)の基端の断熱層(2B)に整合して、コンクリート外壁(W)の外面に繊維系断熱材を張着し、外装下地材を取付材を介して繊維系断熱材の外側に張着する、外断熱外壁への片持ち支持バルコニーの構築方法。
- コンクリート壁(W)を透湿性外断熱に被覆した外壁から、鉄筋コンクリートのバルコニー床スラブ(SB)を片持ち支持形態に突設した外壁構造であって、バルコニー床スラブ(SB)は、支持用のZ筋(1)を備えたZ筋パネル(20,21)の断熱層(2B)によってコンクリート躯体(CF)と熱的に遮断され、且つ、断熱層(2B)を貫通する支持鉄筋としてのZ筋(1)の、一半(BP)をコンクリート床スラブ(SB)内に、他半(AP)をコンクリート躯体(CF)内に、コンクリート打設によって一体化固定して、Z筋(1)のみによってコンクリート躯体(CF)に対して片持ち支持されており、Z筋(1)は、Z上端筋(1U)とZ下端筋(1D)とを、水平上辺部(1U´)、中間傾斜部(1S)及び水平下辺部(1D´)から成るZトラス筋(1M)によって、上下に、応力中心距離(L15)を保って一体化固着したものである、片持ち支持バルコニー(B)を備えた外壁構造。
- コンクリート外壁(W)を、コンクリート外壁(W)より透湿抵抗の小さな発泡プラスチック系断熱層(2B)と、該断熱層(2B)より透湿抵抗の小さなマグネシウムセメント板(2A)とを層着一体化した透湿性断熱パネル(2)で被覆した請求項16の外壁構造。
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