JP4101699B2 - バイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイオマスを原料に有効利用し、燃料用、もしくはアルコール等の液体燃料製造用として使用可能なクリーンなガス原料を得ることのできるバイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法に関するものである。
【0002】
【背景の技術】
一般にバイオマスとは、エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物体(例えば、農業生産物または副産物、木材、植物等)をいい、太陽エネルギー、空気、水、土壌等の作用により生成されるので、無限に再生可能である。
【0003】
上記バイオマスを利用することで燃料用のガスおよびメタノール等のクリーンなエネルギー源の製造が可能となる。また、廃棄物としてのバイオマスを処理できるので、環境の浄化にも役立つとともに、新規に生産されるバイオマスも光合成によりCO2 の固定により生育されるので、大気のCO2 を増加させないので、CO2の抑制につながるので好ましい技術である。
【0004】
このようなバイオマスを用いて原料ガスを得るバイオマスガス化システムの従来構成を、得たガスを液体燃料の代表例であるアルコールに転換する場合について、その一例を図8に示す。
図8に示すように、バイオマス101を炉本体102内に供給するバイオマス供給手段103と、酸素または酸素と水蒸気の混合物からなる燃焼用の酸化剤104を炉本体102内に供給する酸化剤供給手段105とを備えてなるバイオマスガス化炉106と、該バイオマスガス化炉106でガス化した生成ガス107中の粉塵を除去するサイクロンなどの分離手段108と、除塵されたガスを冷却する冷却器109と、該冷却したガスを精製するガス精製装置110と、該精製後のガスを用いてメタノールを合成し、排ガス111とメタノール112とに分離する蒸留装置113を備えたメタノール合成装置114とからメタノール合成システム112を構成している。
【0005】
供給するバイオマス101としては、生産または廃棄されたバイオマスを粉砕・乾燥したものを供給するのが好ましい。本発明でバイオマスとは、エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物資源(例えば、農業生産物または副産物、木材、植物等)をいい、例えば、スイートソルガム,ネピアグラス,スピルリナ等が用いられている(特許文献1、2、非特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−240877号公報
【特許文献2】
特開2001−240878号公報
【非特許文献1】
坂井正康著、「バイオマスが拓く21世紀エネルギー」、森北出版株式会社、1998年10月28日発行
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記バイオマスを原料として生成したガスには、微粒子、タール成分、硫化水素、塩素などが含まれるため、そのままでは、合成触媒を利用した液体燃料や、燃料電池へのエネルギー源を合成するためのガスには適さない。そのため、前述のように、分離装置108を始め、ガス精製装置110によって、前記微粒子、タール成分、硫化水素、塩素などの微量成分を除去すべく工夫している。前述の液体燃料や燃料電池へのエネルギー源を得るための原料ガスとしては、実際の運用に当たっては、前記微量成分は、その許容含有量を検出限界量程度までに低減する必要がある。しかしながら、現状のバイオマスガス化システムでは、前記微量成分の充分なる低減には至っていない。
【0008】
また、前記バイオマスガス化システムによる処理規模は、数100トン/日であり、従来の化石燃料を用いたガス化システムに比べると、小規模ないし中規模プラントに相当する。このような小中規模のガス処理システムでは、いわゆる分散化プラントでの必須条件である、シンプルかつ安価なガス精製ラインを具備することが望ましい。この点に関しても、現状のバイオマスガス化システムでは、シンプルかつ安価な精製ラインを実現するに至っていない。
【0009】
バイオマスをガス化原料とする場合、バイオマス供給手段103から炉本体102へのバイオマスの供給はこの部分のラインをシールすることが困難であるため、常圧にて行われるのが通常であり、そのためには、ガス化炉から放出されたガスを精製処理する精製ラインでは、極力、圧力損失を生じさせないことが重要となる。この点に関しても、現状のバイオマスガス化システムでは、圧力損失の低減化が充分な実効を得るに至っていない。
【0010】
生成ガスから粉塵を濾過する手段としてバグフィルタなどのいわゆる逆洗を必要とする濾過装置を用いると、フィルタ再生時に精製ラインにラインの流れと逆方向に圧力をかけなければならず、生成ガスの組成が不安定になる。そのため、このような逆洗を必要とする濾過分離装置の使用は可能な限り避ける必要がある。この点に関しても、現状のバイオマスガス化システムでは、対応が不十分であり、この点を徹底しようとした場合、代替可能な濾過分離手段を開発しなければならない。
【0011】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、生成ガスの高精度精製が、シンプルな精製ライン構成により、安価に実現可能であり、精製ラインの圧力損失を低減し、精製要素の逆洗も必要としないバイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する[請求項1]の発明は、供給されたバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、該バイオマスガス化炉で生成されたガスを精製するガス精製ラインとを具備するバイオマスガス化システムであって、前記ガス精製ラインにバイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製装置が設けられ、前記バイオマス吸着精製装置が、内部にバイオマスが充填されるとともに前記生成ガスの導入口と前記内部のバイオマスを通過したガスの排出口とが設けられているバイオマス吸着塔と、該バイオマス吸着塔にバイオマスを投入する投入手段と、前記バイオマス吸着塔の下部に設けられ、前記吸着塔内の下部のバイオマスを排出する下部バイオマス排出手段とを有することを特徴とする。この吸着剤として使用するバイオマスは、ガス化原料そのものであることに特徴がある。
【0014】
[請求項2]の発明は、請求項1において、前記バイオマス吸着塔の上部に該吸着塔内の上部のバイオマスを排出する上部バイオマス排出手段がさらに設けられていることを特徴とする。
【0015】
[請求項3]の発明は、請求項1または2において、前記吸着塔内のバイオマスを撹拌するバイオマス撹拌手段がさらに設けられていることを特徴とする。
【0016】
[請求項4]の発明は、請求項1から3のいずれか一つにおいて、前記バイオマス吸着塔から排出された吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉へガス化バイオマス材として転送する吸着バイオマス転送手段がさらに設けられていることを特徴とする。
【0017】
[請求項5]の発明は、請求項1から4のいずれか一つにおいて、前記ガス精製ラインにおいて前記バイオマス吸着塔の上流側に水ジェット噴流を利用した除塵装置がさらに設けられていることを特徴とする。
【0018】
[請求項6]の発明は、請求項5において、前記水ジェット噴流を利用した除塵装置が、前記生成ガスを吸引して水ジェット噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、前記水ジェット噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、前記循環水タンク内に配設され、上記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、周囲に堰を有する開口部を備えた吸引内筒と、前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、前記排出管に介装されたストレーナとを具備していることを特徴とする。
【0019】
[請求項7]の発明は、請求項6において、前記吸引内筒の液面が循環水タンクより、常に低い状態に維持されることを特徴とする。
【0020】
[請求項8]の発明は、バイオマスを燃料としたバイオマスガス化方法であって、バイオマスガス化炉にバイオマスと燃焼酸化剤とを供給するとともに炉内を所定温度に加熱することにより、ガスを生成し、前記生成ガスを、少なくとも、バイオマスを吸着剤として用いて精製し、前記吸着材として使用後の吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉に転送してガス化バイオマス材として用いると共に、前記バイオマス吸着剤を用いた吸着工程の前工程として水ジェット噴流を利用して前記生成ガスの除塵を行うことを特徴とする。
【0023】
なお、本発明において、ガス化原料として用いるバイオマスは、前述の一般的に言われている狭義な「エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物体」を含み、さらには、その代替原料として使用可能な有機系廃棄物をも含んだ広義な原料を意味するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
前述のように本発明に係るバイオマスガス化システムは、供給されたバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、該バイオマスガス化炉で生成されたガスを精製するガス精製ラインとを具備するバイオマスガス化システムであって、前記ガス精製ラインにバイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製装置が設けられていることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るバイオマスガス化方法は、バイオマスを燃料としたバイオマスガス化方法であって、バイオマスガス化炉にバイオマスと燃焼酸化剤とを供給するとともに炉内を所定温度に加熱することにより、ガスを生成し、前記生成ガスを、少なくとも、バイオマスを吸着剤として用いて精製することを特徴とする。
【0026】
本発明では、主に生成ガス精製ラインの後段において、活性炭の吸着性能には及ばないものの、実用上有効な吸着特性を有するとともに、安価であるため大量使用が可能な前記狭義なバイオマスを吸着剤として用いることを主要な特徴としている。前段の慣用の除塵およびタール成分分離装置によって精製されたガスをさらに大量のバイオマス粉砕物を通過させることによって、従来、検出限界にまで低減することのできなかった微小粉塵、微粒子状タール、硫化水素、塩素、ホルムアルデヒドなどの微量成分を検出限界量という所望の含有量にまで低減することができる。しかも、このバイオマス吸着剤は常圧下で順次交換可能であり、吸着限界に近づき、排出されたバイオマス吸着剤は、ガス化炉に転送してガス化バイオマス材として有効利用が可能であるため、後段の高精度吸着除去工程は、非常に安価に運転することができる。また、バイオマス吸着剤は、多孔性かつ軽量であるため、吸着のためにガスを通過させる場合に生じる圧力損失は微小に済む。なお、吸着剤として使用するバイオマスは、粉砕品としたものを使用するが、その粒径は、吸着性能の向上からのみ考慮した場合は、小さい程良いが、吸着塔内のバイオマス層を移動床または流動床として扱う場合を考慮しなければならず、また、吸着限界に達した後の吸着バイオマスをガス化材料として再利用する場合の好適な粒径を維持しなければならず、そのような様々な条件を勘案した結果、ガス化材料とする場合と同等の粉砕粒径が好適である。すなわち、平均粒径を0.05mmから5mmの範囲内に調整したバイオマス粉砕物を好適に用いることができる。
【0027】
本発明に係るバイオマスガス化システムにおいて、前記バイオマス吸着精製装置は、内部にバイオマスが充填されるとともに前記生成ガスの導入口と前記内部のバイオマスを通過したガスの排出口とが設けられているバイオマス吸着塔と、該バイオマス吸着塔にバイオマスを投入する投入手段と、前記バイオマス吸着塔の下部に設けられ、前記吸着塔内の下部のバイオマスを排出する下部バイオマス排出手段とを有することが、望ましい。
【0028】
また、前記バイオマス吸着塔の上部には、該吸着塔内の上部のバイオマスを排出する上部バイオマス排出手段がさらに設けられていてもよい。
【0029】
前記バイオマス投入手段と前記下部バイオマス排出手段とは、それぞれ間欠的に駆動して周期的に前記バイオマス吸着塔内のバイオマスを定量排出する機能を有していても良いし、それぞれ連続駆動して前記バイオマス吸着塔内のバイオマスを連続定量排出する機能を有していてもよい。
【0030】
前記下部バイオマス排出手段としては、より具体的には、切り出しスクリュフィーダーを用いてもよいし、回転駆動可能なレーキを用いてもよい。
【0031】
一方、前記上部バイオマス排出手段としては、経時的に高濃度の微量成分が吸着するバイオマス吸着剤の上層を均一に排出することが必要となるので、回転駆動可能なレーキを用いることが適当である。
【0032】
また、前記吸着塔内のバイオマス吸着剤は前述のような手段を用いて移動床としても良いし、吸着塔内のバイオマス層の均一混合手段として撹拌翼を組み合わせても良い。撹拌翼としては、より具体的には、ヘリカル撹拌翼を用いることができる。
【0033】
また、前記バイオマス吸着塔から排出された吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉へガス化バイオマス材として転送する吸着バイオマス転送手段がさらに設けられておくことが、望ましい。この構成によって、吸着剤としてバイオマス粉砕品を大量に使用して、微量成分の除去精度を向上させた場合でも、吸着限界を過ぎたバイオマスの処理に困ることはないし、吸着成分はさらに循環ラインに再度供給することで、濃縮除去することができるので、環境を汚染することもなく、除去成分の内、有用成分を再回収することも可能となる。
【0034】
さらに、前記ガス精製ラインにおいて、前記バイオマス吸着塔の上流側に水ジェット噴流を利用した除塵装置をさらに設けることが、望ましい。この水ジェット噴流を利用した除塵装置としては、前記生成ガスを吸引して水ジェット噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、前記水ジェット噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、前記循環水タンク内に配設され、上記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、周囲に堰を有する開口部を備えた吸引内筒と、前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、前記排出管に介装されたストレーナとを具備する構成が、適当である。
【0035】
この水ジェット噴流を利用した除塵装置のより具体的構成としては、前記吸引内筒の液面が循環水タンクより、常に低い状態に維持される構成が、望ましい。そのために、前記吸引内筒内に水位計を備えるようにしても良い。
【0036】
前記水ジェット噴流を利用した除塵装置は、生成ガスと多量の液滴とを充分に気液混合することができるので、0.3μm以下の微粒子成分を容易に捕捉し、ガス相から水相へ分離することができる。同様の理由により、NH3,HCN、Na、K、Clなどの水溶性不純物を水相に分離することが可能になる。
【0037】
ジェット噴流水によって生成ガスを冷却するために、ガス中の気体状タールなどの揮発成分を凝縮し分離することが可能になる。ジェット噴流水は、循環使用することで、水相に捕捉した不純物を濃縮することができ、分離を容易になる。このタール成分は、循環水を得るための前記ストレーナによって回収することができ、このタール成分は、燃料や殺虫剤等の化学原料として再利用することができる。なお、水循環ラインには、循環経路中、特に噴流部分にて飛散した水量を系外から適宜補給する手段を設けておく必要がある。
【0038】
前記水ジェット噴流を利用した除塵装置では、筒状空間内に噴射する水ジェット噴流に生成ガスを巻き込むように作用するので、圧力損失が生じないばかりでなく、逆に、以降のガス流に圧力を幾分ながら付与することになり、ガス精製ライン全体の効率化に寄与することができる。
【0039】
なお、本発明のバイオマスガス化システムにおいては、前記水ジェット噴流を利用した除塵装置の前段に1μm以上の微粒子を捕捉するための慣用の遠心分離装置を設けることが、望ましい。
【0040】
また、前記バイオマス吸着塔の下流に必要に応じて、活性炭やZnOを吸着剤とした慣用の高精度吸着塔をさらに設けても良い。
【0041】
一方、本発明に係るバイオマスガス化方法は、前述のように、バイオマスを燃料としたバイオマスガス化方法であって、バイオマスガス化炉にバイオマスと燃焼酸化剤とを供給するとともに炉内を所定温度に加熱することにより、ガスを生成し、前記生成ガスを、少なくとも、バイオマスを吸着剤として用いて精製することを特徴とするものである。
【0042】
かかる構成において、前記バイオマス吸着剤を間欠的に定量交換しつつガス吸着を行っても良いし、前記バイオマス吸着剤を連続的に定量交換しつつガス吸着を行っても良い。また、前記バイオマス吸着剤を撹拌しつつ吸着に供しても良い。
【0043】
また、前記吸着剤として使用後の吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉に転送してガス化バイオマス材として用いることが、望ましい。
【0044】
さらに、前記バイオマスを吸着剤とした吸着工程の前工程として水ジェット噴流を利用して前記生成ガスの除塵を行うことが、望ましい。この水ジェット噴流を利用した生成ガス除塵は、筒状空間内に流入させる水ジェット噴流に前記生成ガスを巻き込むことにより、前記筒状空間内で生成ガスと水との気液混合を行い、ガス中の粉塵成分および水溶性成分を水中に分離する構成が、好ましい。また、前記水ジェット噴流に用いた水は濾過後、循環利用することが、好ましい。
【0045】
このバイオマスガス化方法は、好ましくは、前述のバイオマスガス化システムを用いて実施するが、同様の作用および効果が得られるのであれば、他の具体的手段を用いて実施してもよいことは明らかである。
【0046】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明する例示にすぎず、本発明をなんら限定するものではない。
【0047】
(実施例1)
図1は、本発明に係るバイオマスガス化システムの一例を示す全体構成図であり、図8と共通する要素には同一符号を付している。
図1に示すように、本実施例1に係るバイオマスガス化システムは、バイオマス101を炉本体102内に供給するバイオマス供給手段103と、酸素または酸素と水蒸気の混合物からなる燃焼用の酸化剤104を炉本体102内に供給する酸化剤供給手段105とを備えてなるバイオマスガス化炉106と、該バイオマスガス化炉106でガス化した生成ガス107中の粉塵を除去するサイクロンなどの分離手段108と、除塵されたガスを冷却する冷却器109と、該冷却したガスをバイオマス3を吸着剤として用いることにより精製するバイオマス吸着精製装置1とから構成されている。
【0048】
前記吸着剤として用いるバイオマス3は、前記路本体102に供給するバイオマス101と同様のものでよく、生産または廃棄されたバイオマスを粉砕・乾燥したものを用いる。本発明でバイオマスとは、エネルギー源または工業原料として利用することのできる生物資源(例えば、農業生産物または副産物、木材、植物等)をいい、例えば、スイートソルガム,ネピアグラス,スピルリナ等が用いられている。
【0049】
前記分離手段108にて分離された1μm以上の分離固形分(灰)には、未燃焼、未ガス化成分が避けがたく含まれるので、本発明に係るバイオマスガス化システムでは、任意に、得られた分離固形分を前記炉本体102に再投入する手段108aを設けても良い。
【0050】
また、前記冷却器109としては、水をガス107に気液混合させるタイプのものと、水を間接的に接触させて熱交換させるタイプのものとがある。前者のタイプの冷却器を用いた場合、冷却器内部にて分離された二酸化炭素および酸素は、クリーンな燃料ガスとしては、不要であるので、回収し、必要に応じて、ガス回収手段109aにより前記酸化剤供給手段に転送して、再利用するようにしてもよい。後者の場合は、熱交換により水蒸気が発生するので、この水蒸気を同様にガス回収手段109aにより前記酸化剤供給手段に転送して、再利用するようにしてもよい。
【0051】
本実施例に示したバイオマスガス化システムの特徴は、前記冷却器109の下流側に、バイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製装置1を設けたことにある。なお、本実施例において、ガス精製ライン2は、少なくとも、前記分離手段108,冷却器109、および前記バイオマス吸着精製装置1とから構成されている。
【0052】
前記バイオマス吸着精製装置1は、内部にバイオマス3が充填されるとともに前記生成ガスの導入口4と前記内部のバイオマス3を通過した精製ガスGの排出口5とが設けられているバイオマス吸着塔6と、該バイオマス吸着塔6にバイオマスを投入するホッパ(投入手段)7と、前記バイオマス吸着塔の下部に設けられ、前記吸着塔内の下部のバイオマスを排出する下部バイオマス排出手段8とを、基本構成要素として有する
【0053】
また、前記バイオマス吸着塔6から排出手段8によって排出された吸着バイオマス3aは、ガス化バイオマス材として再利用すべく、吸着バイオマス転送手段9によって、前記バイオマスガス化炉106のバイオマス供給手段103へ転送されるようになっている。この構成によって、吸着剤としてバイオマス粉砕品を大量に使用して、微量成分の除去精度を向上させた場合でも、吸着限界を過ぎたバイオマスの処理に困ることはないし、吸着成分はさらに循環ラインに載せることで、濃縮除去することができるので、環境を汚染することもなく、除去成分の内、有用成分を再回収することも可能となる。
【0054】
(実施例2)
図2は、本発明に係るバイオマスガス化システムの第2の実施例の要部を示すものである。本実施例2の特徴は、前記バイオマス吸着精製装置1の細部構成にある。本実施例2におけるバイオマス吸着精製装置1は、基本構成として、バイオマス3を充填するバイオマス吸着塔61にガス導入口41とガス排出口51が設けられ、前記バイオマス吸着塔61にバイオマスを供給するホッパ7を有する点は、前記実施例1に示したバイオマス吸着精製装置1と同様であるが、その下部バイオマス排出手段として、モータ81aによって駆動される切り出しスクリュフィーダー81を有する点が異なっており、この点に特徴がある。
【0055】
このバイオマス吸着塔61は、下部の切り出しスクリュフィーダー81によるバイオマスの排出によって内部のバイオマス層が順次下部に移動する、いわゆる移動床型の吸着塔である。スクリュフィーダー81によってロータリーバルブ81aを介して排出された分だけ、前記ホッパ7からロータリーバルブ7aを介してバイオマス3が上部に充填される。この排出および充填は、通常、塔内のバイオマス3の吸着量が限界に近づいた時点で行うため、所定時間ごとに間欠的、断続的に行われる。もちろん、前記スクリュフィーダー81を低速で連続的に駆動して少量のバイオマスを連続排出するとともに、その排出速度に比例してホッパ7による投入も連続的に設定することも可能である。
【0056】
このスクリュフィーダー81によってロータリーバルブ81aを介して排出された吸着バイオマス3aは、導入ガス中の種々な微量成分とともにタール成分を主に吸着しており、タール成分は排出バイオマス毎、前記酸化剤供給手段103に転送されることによって、炉本体102内で再度、ガス化に供される。
【0057】
(実施例3)
図3は、本発明に係るバイオマスガス化システムの第3の実施例の要部を示すものである。本実施例3の特徴は、前記バイオマス吸着精製装置1の他の細部構成にある。本実施例3におけるバイオマス吸着精製装置1は、基本構成として、バイオマス3を充填するバイオマス吸着塔62にガス107の導入口42と精製ガスGの排出口52が設けられ、前記バイオマス吸着塔62にバイオマスを供給するホッパ7を有する点は、前記実施例1または2に示したバイオマス吸着精製装置1と同様であるが、その下部バイオマス排出手段として、モータ82aによって回転可能なレーキ82を有する点が異なっており、この点に特徴がある。
【0058】
このバイオマス吸着塔62は、下部のレーキ82によるロータリーバルブ82aを介した吸着バイオマス3aの排出によって内部のバイオマス層が順次下部に移動する、いわゆる移動床型の吸着塔である。回転レーキ82によって排出された分だけ、前記ホッパ7によってロータリーバルブ7aを介してバイオマスが上部に充填される。この排出および充填は、通常、塔内のバイオマスの吸着量が限界に近づいた時点で行うため、所定時間ごとに間欠的、断続的に行われる。もちろん、前記レーキ82を低速で連続的に駆動して少量のバイオマスを連続排出するとともに、その排出速度に比例してホッパ7による投入も連続的に設定することも可能である。
【0059】
このレーキ82によって排出された吸着バイオマス3aは、導入ガス中の種々な微量成分とともにタール成分を主に吸着しており、タール成分は排出バイオマス毎、前記酸化剤供給手段103に転送されることによって、炉本体102内で再度、ガス化に供される。
【0060】
(実施例4)
図4は、本発明に係るバイオマスガス化システムの第4の実施例の要部を示すものである。本実施例4の特徴は、前記バイオマス吸着精製装置1のさらに他の細部構成にある。本実施例4におけるバイオマス吸着精製装置1は、基本構成として、バイオマス3を充填するバイオマス吸着塔63にガス107の導入口43と精製ガスGの排出口53が設けられ、前記バイオマス吸着塔63にバイオマスを供給するホッパ7を有する点は、前記実施例1、2、3に示したバイオマス吸着精製装置1と同様であり、また、その下部バイオマス排出手段として、モータ82aによって回転可能なレーキ82を有する点は前記実施例3と同様であるが、さらに塔内の上部に上部バイオマス排出手段としてレーキ83が設けられている点が異なっており、この点に特徴がある。
【0061】
このバイオマス吸着塔63は、下部のレーキ82によるロータリーバルブ82bを介した吸着バイオマス3aの排出によって内部のバイオマス層が順次下部に移動する、いわゆる移動床型の吸着塔である点は、前記実施例3の吸着塔62と同様である。しかし、本実施例4では、上部にもレーキ83が設けられており、このレーキ83によってロータリーバルブ83bを介して、塔内の上部の吸着バイオマス3aが選択的に除去できるようになっている。塔内に導入されたガスは最初に塔内の上部のバイオマス層に接触するので、塔内では上部のバイオマス層が中間層以下のバイオマス層に比べてより早く吸着限界に達する。したがって、塔の下部からバイオマスを排出してバイオマス層を順次下方に移動させると同時に上部の吸着量の多いバイオマス層を選択的に除去すれば、塔内のバイオマスは常に吸着能力の高い新鮮なバイオマスに維持されることになる。なお、図4の構成では、下部のレーキ82と上部のレーキ83とは同一のモータ82aによって回転駆動されるように示されているが、切り替えギアを用いて別々に駆動可能にするか、別々のモータによって別々に駆動できるように構成しても良い。そのようにすれば、上部レーキ83を先に駆動し、吸着限界に近づいた上部バイオマス層を優先的に排出し、次に下部レーキ82により下部バイオマス層を排出して全体のバイオマス層を下部に移動させることができ、それによって、バイオマス層の鮮度を効率的に維持することができる。なお、レーキによる排出は間欠的に実施しても良いし、少量を連続的に排出するように実施しても良い。
【0062】
この実施例4において、吸着塔63内のバイオマスの供給排出を以下のような制御系により行うことが可能である。
すなわち、吸着塔63に内部のバイオマス層の入口部位と排出部位間の差圧ΔPを検出する差圧検出器63aを設ける。また、吸着塔63の例えば上部に、超音波等を用いてバイオマス層の高さを検出するレベルセンサ63bを設ける。そして、層差圧ΔPが一定範囲となるようにロータリーバルブ83b、82bの順に駆動させ、タール成分が吸着したバイオマスを排出する。排出に伴いバイオマス層の高さレベルが低下するが、それをレベルセンサ63bの検出値に基づき、レベルが一定に維持されるように、ロータリーバルブ7aを駆動し、バイオマス3をホッパー7から吸着塔63内に補給する。
【0063】
(実施例5)
図5は、本発明に係るバイオマスガス化システムの第5の実施例の要部を示すものである。本実施例5の特徴は、前記バイオマス吸着精製装置1のさらに別な細部構成にある。本実施例5におけるバイオマス吸着精製装置1は、基本構成として、バイオマス3を充填するバイオマス吸着塔64にガス107の導入口44と精製ガスGの排出口54が設けられ、下部バイオマス排出手段8を有するとともに、前記バイオマス吸着塔64にバイオマスを供給するホッパ7を有する点は、前記実施例1に示したバイオマス吸着精製装置1と同様であるが、塔内に塔内のバイオマスを撹拌するバイオマス撹拌手段として、モータ10aによって駆動されるヘリカル撹拌翼10を有する点が異なっており、この点に特徴がある。
【0064】
このバイオマス吸着塔64は、ヘリカル撹拌翼10による塔内バイオマスの撹拌によって内部のバイオマス層が上下に流動する。下部バイオマス排出手段8のロータリーバルブ8aとホッパ7のロータリーバルブ7aとによって、塔内のバイオマスの吸着鮮度が維持されるとともに、ヘリカル撹拌翼10によって、塔内のバイオマス層の吸着特性が均一に維持されるので、塔内に投入したバイオマスの吸着力の効率的な利用を向上することができる。前述の移動床型の吸着塔では比較的頻繁にバイオマスの排出および供給を行わないと、塔内バイオマス層の上部への吸着タール成分量が多くなり、吸着タール成分同士が粘着状態になり、バイオマス層の流動が困難になる。これに対して、本実施例5では、撹拌手段により塔内のバイオマス層は常に流動状態に置くことができるので、頻繁にバイオマスの排出および供給を行わなくてもよい。すなわち、本実施例5によれば、図3,4に示した実施例3,4において生じやすい「バイオマス層の上部がタール成分により粘着状態になり、バイオマス層の移動、流動が阻害されるという事態」を防止することが可能となる。
【0065】
(実施例6)
図6は、本発明に係るバイオマスガス化システムの第6の実施例を示すシステム全体図である。本実施例6の特徴は、前述のバイオマス吸着精製装置1の上流側に、水ジェット噴流を利用した除塵装置11をさらに有する点にある。
【0066】
この水ジェット噴流を利用した除塵装置11は、図7に示すように、前記生成ガス107を吸引して水ジェット噴流12を鉛直軸方向に形成する駆動ノズル13と、前記駆動ノズル13に連通し、該駆動ノズル13から放出された水ジェット噴流12を覆うように受けることによって前記水ジェット噴流12と生成ガス107とを気液混合し、生成ガス107の除塵を行う筒状のスクラバ部14と、前記水ジェット噴流水を循環水として貯留するとともに、前記スクラバ部14において微粒子成分および水溶性成分を分離された生成ガスを前記バイオマス吸着精製装置1に送り出す排出口15aを有する循環水タンク15と、前記循環水タンク15内に配設され、上記スクラバ部14の出口の開口部14gに対向するとともに、周囲に堰16を有する開口部17を備えた吸引内筒18と、前記吸引内筒18内に配設され、該吸引内筒18内の循環水を循環ポンプ19により強制排出する排出管20と、前記排出管20に介装されたストレーナ21とを具備する装置である。
【0067】
前記スクラバ部14は、一体構造の筒状部材であり、比較的径の大きなチャンバー部14aと、それに順次続く、漏斗状の吸引部14b、縮径直管状のスロート部14c、徐々に拡径するディフューザ部14d、および拡幅直管状の出口管部14eとから構成されている。前記チャンバー部14aの中央には前記駆動ノズル13が配置されており、この駆動ノズル13の噴出口は該スクラバ部14の中心線に位置している。このチャンバー部14aの側部には、前記ガス導入口14fが形成されており、生成ガスを水ジェット噴流12に巻き込むように設定されている。この水ジェット噴流12と生成ガスとが混合した状態で、噴流は、吸引部14bにより縮径直管状のスロート部14cにて圧縮状態に置かれて充分に気液混合がなされる。その後、噴流は徐々に拡径するディフューザ部14dに導かれて、比較的急激に拡散されるため、気液分離現象が生じ、生成ガス107に含まれていた気体状のタール成分が凝縮することにより形成された微粒子成分および水溶性成分を吸収した水流は、拡幅直管状の出口管部14eから前記吸引内筒18に向かって流下し、水によって洗浄されたガスは、循環水タンク15の上部空間を経由してガス排出口15aから前記バイオマス吸着精製装置1に向かって排出される。
【0068】
前記吸引内筒18の開口部17は、該吸引内筒18の下部本体部分に対して拡径されており、この拡径された開口部17の内径寸法は、その上方に位置する前記筒状スクラバ部14の下部開口部14gの内径寸法よりも幾分大きく設定されている。また、前記吸引内筒18の下部側壁には、オリフィス孔18aが形成されている。したがって、前記循環ポンプ19を駆動させて前記排出管20から吸引内筒18内の循環水を強制吸引すると、急激に吸引内筒18内の循環水が排出されるが、前記オリフィス孔18aが存在するため、そこから注水されるので、吸引内筒18内が空になることはない。しかし、前記排出管20からの排出量に比べて前記オリフィス孔18aからの注水量は大幅に下回るので、吸引内筒内18内の液面18bは、吸引内筒18の周囲の液面、すなわち循環水タンク15内の液面15bより常に低い状態に維持されることになる。このように吸引内筒18内の液面18bを周囲の液面15bより低く維持するために、主に、前記水ジェット噴流12の流量と、前記循環ポンプ19による排出量とを適宜コントロールする必要があり、そのために循環水タンク15内と前記吸引内筒18内には不図示の水位計を備えて、それぞれの水位データをリアルタイムで計測可能としている。
【0069】
前記吸引内筒18内の液面位置は、前記排出管20の開口面より空気を吸い込むことないように該開口面より上位にあればよく、前記吸引内筒18の上部開口面より下位にあればよい。好ましくは、吸引内筒18内の液面は、その開口面から可能な範囲で落差を大きく設定する。
【0070】
前記吸引内筒18の上部拡径開口部17の上端には、複数のV字形の切り欠き溝17aが形成されており、この複数の溝17aによって、拡径開口部17の開口面には、前記複数の堰16が形成されている。この複数の堰16はその形状から三角堰16と呼称する場合もある。循環水タンク15内の液面が、前記三角堰16の上端にまで上昇すると、水はV字形の切り欠き溝17aを通って、吸引内筒18内に流下するが、この時、溝17aの狭隘な下部より溝の上面に近づけば近づく程、流量が多くなる。したがって、前記水ジェット噴流12によって生成ガス107から分離され冷却されることにより微粒子状となったタール成分などの水面浮上ダストは、効率的に吸引内筒18内に流入されることになる。
【0071】
なお、前記スクラバ部14からの前記浮上ダストを含む流下水のほとんどは、スクラバ部14の下部開口面の口径より大きな口径の開口部17を有する前記吸引内筒18内に直接流入するが、流下水の流下エネルギーが大きいので、その一部が飛散、散乱して吸引内筒18周囲の循環水タンク15内に流下する。この散乱した流下水中に含まれる浮上ダストを前述のように三角堰16によって、効率的に吸引内筒18内部に回収することになる訳である。このようにして吸引内筒18内に回収された浮上ダストは、前記流下噴流水により吸引内筒18内の水面下に叩き落とされることになる。水面下深くに叩き込まれた浮上ダストが再浮上する前に吸引内筒18内の循環水を前記循環ポンプ19により強制的に吸引しなければ、浮上ダストはいつまでも吸引内筒18内に残留し続けることになるので、前記循環ポンプ19による吸引量は、ダスト浮上速度より循環水の排出速度が上回る値に調節する必要がある。この値は、循環流量と吸引内筒18の本体内径寸法とにより調節することができる。
【0072】
前述のように効率的に回収した浮上ダストを含む吸引内筒18内の循環水は 、前述のように、ダストの浮上速度を上回る速度で、循環ポンプ19によって排出管20を介してストレーナー21に吸引され、ここで循環水中の浮上ダストが除去、回収され、循環水は熱交換器22により冷却され、前記駆動ノズル13に送られる。前記ストレーナー22の下流側には、バイパス管23が連結されており、このバイパス管23の他端は、前記循環水タンク15内に開口するように循環水タンク15に連結されている。このバイパス管23による循環水タンク15内への補給水量と、前記スクラバ部14からの流下水の循環水タンク15内への飛散量と、オリフィス孔18aからの吸引内筒18内への注水量とにより、循環水タンク15内の水面が、常に前記三角堰16から吸引内筒18内に水が流下する位置に調整できるようになっている。前記ストレーナー22から前記駆動ノズル13へ向かう循環ライン24にも、前記バイパス管23にも、それぞれ流量計24a、23aと、流量調整弁24b、23bが取り付けられており、それぞれの管路における流量調整を可能にしている。
【0073】
前記水ジェット噴流を利用した除塵装置は、生成ガスと多量の液滴とを充分に気液混合することができるので、0.3μm以下の微粒子成分を容易に捕捉し、ガス相から水相へ分離することができる。同様の理由により、NH3,HCN、Na、K、Clなどの水溶性不純物を水相に分離することが可能になる。
【0074】
ジェット噴流水によって生成ガスを冷却するために、ガス中の気体状タールなどの揮発成分を凝縮し分離することが可能になる。ジェット噴流水は、循環使用することで、水相に捕捉した不純物を濃縮することができ、分離が容易になる。このタール成分は、循環水を得るための前記ストレーナー22によって回収することができ、このタール成分は、燃料や殺虫剤等の化学原料として再利用することができる。なお、水循環ラインには、循環経路中、特に噴流部分にて飛散した水量を系外から適宜補給する手段を設けておく必要がある。
【0075】
前記水ジェット噴流を利用した除塵装置11では、筒状空間であるスクラバ部14内に噴射する水ジェット噴流に生成ガスを巻き込むように作用するので、圧力損失が生じないばかりでなく、逆に、以降のガス流に圧力を幾分ながら付与することになり、ガス精製ライン全体の効率化に寄与することができる。
【0076】
なお、前記バイオマス吸着精製装置1の下流に必要に応じて、活性炭やZnOを吸着剤とした慣用の高精度吸着塔をさらに設けても良い。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るバイオマスガス化システムは、供給されたバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、該バイオマスガス化炉で生成されたガスを精製するガス精製ラインとを具備するバイオマスガス化システムであって、前記ガス精製ラインにバイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製装置が設けられていることを特徴とするものである。また、本発明に係るバイオマスガス化方法は、バイオマスを燃料としたバイオマスガス化方法であって、バイオマスガス化炉にバイオマスと燃焼酸化剤とを供給するとともに炉内を所定温度に加熱することにより、ガスを生成し、前記生成ガスを、少なくとも、バイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製工程を用いて精製することを特徴とするものである。
【0078】
本発明では、主に生成ガス精製ラインの後段において、活性炭の吸着性能には及ばないものの、実用上有効な吸着特性を有するとともに、安価であるため大量使用が可能なバイオマスを吸着剤として用いることを主要な特徴としている。前段の慣用の除塵およびタール成分分離装置によって精製されたガスをさらに大量のバイオマス粉砕物を通過させることによって、従来、検出限界にまで低減することのできなかった微小粉塵、微粒子状タール、硫化水素、塩素、ホルムアルデヒドなどの微量成分を検出限界量という所望の含有量にまで低減することができる。しかも、このバイオマス吸着剤は常圧下で順次交換可能であり、吸着限界に近づき、排出されたバイオマス吸着剤は、ガス化炉に転送してガス化バイオマス材として有効利用が可能であるため、後段の高精度吸着除去工程は、非常に安価に運転することができる。また、バイオマス吸着剤は、多孔性かつ軽量であるため、吸着のためにガスを通過させる場合に生じる圧力損失は微小に済む。
【0079】
このように本発明によれば、生成ガスの高精度精製が、シンプルな精製ライン構成により、安価に実現可能であり、精製ラインの圧力損失を低減し、精製要素の逆洗も必要としないバイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバイオマスガス化システムの第1の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムの全体構成図である。
【図2】本発明に係るバイオマスガス化システムの第2の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムを構成するバイオマス吸着精製装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係るバイオマスガス化システムの第3の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムを構成するバイオマス吸着精製装置の概略構成図である。
【図4】本発明に係るバイオマスガス化システムの第4の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムを構成するバイオマス吸着精製装置の概略構成図である。
【図5】本発明に係るバイオマスガス化システムの第5の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムを構成するバイオマス吸着精製装置の概略構成図である。
【図6】本発明に係るバイオマスガス化システムの第6の実施例を示すもので、バイオマスガス化システムの全体構成図である。
【図7】前記第6の実施例のバイオマスガス化システムを構成する水ジェット噴流を利用した除塵装置の概略構成図である。
【図8】従来のバイオマスガス化システムの一例である「バイオマスをガス化し、発生したガスを用いてメタノールを製造するまでのシステム」の全体構成図である。
【符号の説明】
1 バイオマス吸着精製装置
2 ガス精製ライン
3 バイオマス
4、41、42、43、44 生成ガスの導入口
5、51、52、53、54 ガスの排出口
6、61、62、63、64 バイオマス吸着塔
7 ホッパ(バイオマス投入手段)
8 下部バイオマス排出手段
9 吸着バイオマス転送手段
10 ヘリカル撹拌翼(バイオマス撹拌手段)
11 水ジェット噴流を利用した除塵装置
12 水ジェット噴流
13 駆動ノズル
14 スクラバ部
15 循環水タンク
16 堰
17 吸引内筒の開口部
19 循環ポンプ
20 吸引内筒内の循環水を強制排出する排出管
21 ストレーナ
81 切り出しスクリュフィーダー(下部バイオマス排出手段)
82 回転可能なレーキ(下部バイオマス排出手段)
83 回転可能なレーキ(上部バイオマス排出手段)
106 バイオマスガス化炉
Claims (8)
- 供給されたバイオマスをガス化するバイオマスガス化炉と、該バイオマスガス化炉で生成されたガスを精製するガス精製ラインとを具備するバイオマスガス化システムであって、
前記ガス精製ラインにバイオマスを吸着剤として用いたバイオマス吸着精製装置が設けられ、
前記バイオマス吸着精製装置が、内部にバイオマスが充填されるとともに前記生成ガスの導入口と前記内部のバイオマスを通過したガスの排出口とが設けられているバイオマス吸着塔と、該バイオマス吸着塔にバイオマスを投入する投入手段と、前記バイオマス吸着塔の下部に設けられ、前記吸着塔内の下部のバイオマスを排出する下部バイオマス排出手段とを有することを特徴とするバイオマスガス化システム。 - 前記バイオマス吸着塔の上部に該吸着塔内の上部のバイオマスを排出する上部バイオマス排出手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバイオマスガス化システム。
- 前記吸着塔内のバイオマスを撹拌するバイオマス撹拌手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のバイオマスガス化システム。
- 前記バイオマス吸着塔から排出された吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉へガス化バイオマス材として転送する吸着バイオマス転送手段がさらに設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のバイオマスガス化システム。
- 前記ガス精製ラインにおいて前記バイオマス吸着塔の上流側に水ジェット噴流を利用した除塵装置がさらに設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のバイオマスガス化システム。
- 前記水ジェット噴流を利用した除塵装置が、
前記生成ガスを吸引して水ジェット噴流を鉛直軸方向に形成する駆動ノズルと、
前記駆動ノズルに連通し、該駆動ノズルから放出されたジェット噴流を覆うように受けることによって前記水ジェット噴流と生成ガスとを気液混合し、生成ガスの除塵を行うスクラバ部と、
前記水ジェット噴流水を循環水として貯留する循環水タンクと、
前記循環水タンク内に配設され、上記スクラバ出口の開口部に対向するとともに、周囲に堰を有する開口部を備えた吸引内筒と、
前記吸引内筒内に配設され、該吸引内筒内の循環水を循環ポンプにより強制排出する排出管と、
前記排出管に介装されたストレーナとを具備していることを特徴とする請求項5に記載のバイオマスガス化システム。 - 前記吸引内筒の液面が循環水タンクより、常に低い状態に維持されることを特徴とする請求項6に記載のバイオマスガス化システム。
- バイオマスを燃料としたバイオマスガス化方法であって、
バイオマスガス化炉にバイオマスと燃焼酸化剤とを供給するとともに炉内を所定温度に加熱することにより、ガスを生成し、
前記生成ガスを、少なくとも、バイオマスを吸着剤として用いて精製し、
前記吸着材として使用後の吸着バイオマスを前記バイオマスガス化炉に転送してガス化バイオマス材として用いると共に、
前記バイオマス吸着剤を用いた吸着工程の前工程として水ジェット噴流を利用して前記生成ガスの除塵を行うことを特徴とするバイオマスガス化方法。
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