JP4103263B2 - 電気集塵エレメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
この出願の発明は、空気清浄器等において使用される電気集塵エレメントの構造に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
先ず図10および図11は、第1の従来例に係る電気集塵エレメント10の構造を示す分解斜視図である。図10および図11中、符号11は例えばアルミ等の金属薄板からなり、相互に所定の間隔を保って上下方向に配設された第1の複数の電極板11,11・・・、また12,12・・・はこれら第1の複数の電極板11,11・・・の間に位置して相互に所定の間隔を保って配設された同じくアルミ等の金属薄板からなる第2の複数の電極板であり、それらの内の何れか一方側、例えば第1の複数の電極板11,11・・・に対して第1の通電軸15,15を介して正の高電圧を印加する一方、他方第2の複数の電極板12,12・・・を第2の通電軸16,16を介して接地することによって、例えば図8に示すような陽極板(+)と集塵極板(−)が交互に所定の間隔を保って積層された集塵エレメント部が形成されている。なお、上記第1,第2の複数の電極板11,11・・・、12,12・・・の各々は、それぞれ第1,第2の通電軸15,15、16,16の所定の位置に設けられた係合位置決め手段としてのスペーサ部材15a,15a、16a,16aによって位置決め固定されているとともに、それぞれの遊嵌穴11a,11a、12a,12aの部分では第1,第2の通電軸15,15、16,16と接触することなく、フリーな状態で挿通され、かつ各々の緊密穴11b,11b、12b,12b部分で電気的な接続が図られている。
【0004】
そして、このように交互に所定の間隔を保って積層して形成された上記第1,第2の複数の電極板11,11・・・、12,12・・・の前側には必要に応じてイオン化極板(−)13,13・・・が上下方向に所定の間隔を保って並設され、さらに、それらの間にはイオン化線(+)14,14・・・が配設され、該イオン化極板(−)13,13・・・とイオン化線(+)14,14・・・の間で予じめコロナ放電を生ぜしめて流される空気中の塵埃粒子を帯電させた後に、上記陽極板(+)と集塵極板(−)の間に同塵埃を含む空気を供給する。
【0005】
このような構成によれば、上述のように、上記第1の複数の電極板11,11・・・に第1の通電軸15,15を介して正の高電圧が印加される一方、第2の複数の電極板12,12・・・が第2の通電軸16,16を介して接地されると、上記図8に詳細に示すように、これら第1,第2の複数の電極板11,11・・・、12,12・・・の間を塵埃等の予じめ帯電されている微細な粒子が通過する際に、静電気力の作用により当該集塵極板(−)である第2の複数の電極板12,12・・・に有効に吸着捕集されて、効果的な集塵が行われる。
【0006】
ところで、該第1の従来例の電気集塵エレメントは、上記のように、陽極板(+)となる第1の複数の電極板11,11・・・及び集塵極板(−)となる第2の複数の電極板12,12・・・が、それぞれ同電位の電極板が並列となるように接続されて高電圧を加えられるように構成されていることから、それら各電極板11,11・・・、12,12・・・間には、空気を誘電体とするコンデンサの場合と同様に電荷量Q=C・V(Cは容量、Vは電位)で定まる電荷が蓄えられることになる。そのため、この状態で、何れかの一対の電極板間に大きめのゴミ等が入ると、そのゴミの部分で絶縁破壊が生じ、その電極板間に蓄えられていた電荷が放電すると共に、他の電極板間に蓄えられていた電荷も、上記絶縁破壊が起きた部分を通じて放電し、この放電のために大きな音が発生する。
【0007】
そのため、該第1の従来例の場合には、スパーク抑制のための特別な回路構成やそのための制御要素が設けられる。
【0008】
そこで、このような絶縁破壊が起きるのを防止するために、例えば第2の従来例として図12および図13に示すように、何れか一方側の電極板を絶縁樹脂膜で被覆することにより、耐電圧を上げるようにした電気集塵エレメント30も存在する。
【0009】
すなわち、該電気集塵エレメント30は、例えば図13に示すように、先ず陽極板(+)となる第1の複数の電極板31,31・・・を絶縁性の第1の樹脂薄板31aと、該第1の樹脂薄板31a上に導電性塗料を塗布して形成された導電部31bと、上記第1の樹脂薄板31a上に上記導電部31bを介して接合された上記同様の絶縁性の第2の樹脂薄板31cとから形成し、その一端側では第2の樹脂薄板31cの一端を切欠いて上記導電部31bを露出させるとともに該露出部分に正の高電圧を印加するための導電性通電棒35を挿通させるための挿通穴46を形成し、該通電棒挿通穴46に対して接触圧を維持するための所定の長さの鼓形のコイルスプリング47を介して通電棒35を挿通する。また、同第1の複数の電極板31,31・・・の左右方向中央部には、上部側が小径で下部側が大径の段部構造の支軸挿通穴45が設けられる。
【0010】
他方、集塵極板(−)となる第2の複数の電極板32,32・・・は、ステンレス等の金属薄板よりなり、上記第1の複数の電極板31,31・・・と反対側の一端には接地するための導電性通電軸体34が、また左右方向中央部には上記第1の複数の電極板31,31・・・の支軸挿通穴45に嵌合する上部が小径で下部が大径の支軸体33が、さらに上下両面側には第1,第2の複数の電極板31,31・・・、32,32・・・相互の間に所定の間隔を保持するための鶴首状の絶縁材よりなるスペーサ部材36,36・・・が2列状態で長手方向に並設されている。
【0011】
そして、これら第1,第2の複数の電極板31,31・・・、32,32・・・の各々が上記通電棒35、通電軸体34、支軸体33、スペーサ部材36,36・・・を介して図12に示されるように交互に所定の間隔を保って1枚毎に積層され、該積層体が側枠41L,41Rと上枠42および下枠43間に固定される。
【0012】
このような構成によれば、少なくとも前述のような絶縁破壊は生じにくくなり、有効な耐電圧を確保することができる。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところが、以上のような従来の電気集塵エレメントは、その何れにあっても個々独立した多数の電極板単体を所定の間隔を保って1枚毎に正確に位置決めしながら積層しなければならず、そのために多数のスペーサ手段を必要とする。しかもそれらの各々に正負個別の通電軸を介して電気的な接続状態を確保するとともに連結用の支軸体で連結することが必要となり、構造が複雑で多数の構成部品を必要とする。また複雑な組付け作業が要請されるために、装置コストが高く、故障も生じやすい等の問題がある。
【0014】
また、上記構造の場合、電極板に径の大きな通電軸挿通用の遊嵌穴を形成するので、集塵作用のない空気流のバイパス領域が生じやすく、性能上の問題もある。
【0015】
この出願の発明は、このような課題を解決するためになされたもので、通電軸等の軸体部分と電極板部分とを一体成形することによって、独立した構成部品の数を少なくするとともに組付けを容易にして、装置コストを低減した電気集塵エレメントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この出願の発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0017】
(1) 請求項1の発明
この発明の電気集塵エレメントは、所定の間隔を保って並設される第1の複数の電極板21,21・・・と、該第1の複数の電極板21,21・・・相互の間にそれぞれ所定の空間を介して配設される第2の複数の電極板22,22・・・と、該第1,第2の複数の電極板21,21・・・、22,22・・・に正又は負の高電圧を印加することにより集塵機能を付与する第1,第2の通電軸とを備える電気集塵エレメントにおいて、上記第1,第2の各複数の電極板21,21・・・、22,22・・・の所定の位置にスペーサおよび連結部材並びに通電軸としての機能を果たす嵌合筒23,23・・・と該嵌合筒23,23・・・が遊嵌される遊嵌穴24,24・・・とを、それらの位置が相互に逆の関係となるように設けて、それらを上下または左右方向に交互に同軸状態で配置嵌合して行くことにより、相互の間に必要な空気流通スペースを確保しながら集塵の可能な電極構造を構成している。
【0018】
したがって、該構成では、第1,第2の複数の電極板21,21・・・、22,22・・・それぞれが、それらの各々に対応する正又は負の通電軸形成手段としての嵌合筒23,23・・・を有してユニット化されることになり、それら嵌合筒23,23・・・を有する第1,第2の複数の電極板21,21・・・、22,22・・・各々を主体として構成された各ユニットを組合わせるだけで、最終的な電気集塵エレメントを容易に構築することができるようになる。
【0019】
つまり、該構成の場合、1つの嵌合筒23,23・・・そのものが、嵌合用の凹部の役割と凸部の役割との2つの役割を果たす。
【0020】
しかも、上下または左右方向に交互に設けられる各嵌合筒23,23・・・は、相互に同軸方向に嵌合され、連続一体化されて通電軸を兼ねた支持軸構造を形成する。
【発明の効果】
【0021】
以上の結果、この出願の発明の電気集塵エレメントによると、簡単かつ低コストな構造で、性能および安全上、より信頼性の高い電気集塵器を提供することができる。
【発明の実施の形態】
【0022】
(参考例)
先ず図1〜図6は、本願発明の参考例に係る電気集塵エレメントの構成を示している。
【0023】
図1は、同電気集塵エレメント1の全体構造を示すものである。該電気集塵エレメント1は、例えば図2および図3に示すような左右両端側に配置される側枠ユニット2L,2Rと、該側枠ユニット2L,2Rの間に位置して配置される複数の内枠ユニット3,3・・・と、これら側枠ユニット2L,2Rおよび内枠ユニット3,3・・・を図1のように相互に組合せて左右方向に並設した状態において上下両方向から連結一体化する上枠4および下枠5とから構成されている。
【0024】
上記左右一対の側枠ユニット2L,2Rは、それぞれ前後方向に所定の幅を有して上下方向に延びる通電軸を兼ねた側枠2a,2aと該側枠2a,2aの対向面側に上下方向に所定の間隔を保って多数枚並設された電極板2b,2b・・・、2b,2b・・・とを合成樹脂を基材として一体に成形して構成されている。また、上記内枠ユニット3,3・・・は、同じく前後方向に所定の幅を有して上下方向に延びる通電軸を兼ねた内枠3a,3a・・・と、該内枠3a,3a・・・の左右両側面から水平方向に延び、上下方向に所定の間隔をおいて多数枚並設された電極板3b,3b・・・とを合成樹脂を基材として一体に成形して構成されている。
【0025】
そして、それら各電極板2b,2b・・・、3b,3b・・・の各々が、相互の上下方向空間内に所定の間隔を保って左右方向に嵌め合わされて図1のように一体的に組立てられた状態では、上記電極板2b,2b・・・、2b,2b・・・と3b,3b・・・、3b,3b・・・、3b,3b・・・、3b,3b・・・、3b,3b・・・が相互に所定面積対向し合う関係で配設されるようになっている。
【0026】
そして、上記構造の電気集塵エレメント1では、図1に示すように、例えば左側の側枠ユニット2Lの枠体2a側から右側方向に各枠体3a,3a,3a,3a,3a,2aが並設されて、各々通電軸を形成し、これら各通電軸としての枠体2a,3a,3a,3a,3a,3a,2aは、同左側から順次(−),(+),(−),(+),(−),(+),(−)と極性が異なる状態となるように、(−)軸となる枠体を負電位に接地する一方、(+)軸となる枠体に正の高電圧を印加することにより、各枠体間の空気流通空間部において各々上下に対向する電極2b,3b、3b,3b、3b,3b、3b,3b、3b,3b、2b,3bを、それぞれ前述の第1の複数の電極板11,11・・・、31,31・・・に対応する(+)側陽極板と同第2の複数の電極板12,12・・・、32,32・・・に対応する(−)側集塵極板に形成し、図11の場合と同様に予じめイオン化極板とイオン化線を介して(+)に帯電させた塵埃粒子を当該(−)側集塵極板に吸着させて捕集する。
【0027】
ところで、上記各電極板2b,2b・・・、3b,3b・・・がアルミ薄板等の金属板により形成されていると、発生する電荷の量が多く、大きなスパークが生じる問題がある。また、樹脂膜を形成した場合にも、ピンホールの発生や傷などにより信頼性に欠ける。
【0028】
そこで、本例の構成では、その対策として、上記各電極板2b,2b・・・、3b,3b・・・の各々を、例えばポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂材を基材として、アルミ等所定の導電性材料を混合し、105〜106Ωcmの範囲の体積抵抗率の半導体電極板に形成している。
【0029】
このような体積抵抗率の高抵抗の電極板2b,2b・・・、3b,3b・・・によると、殆ど絶縁破壊が生じなくなり、発生する電荷量が適切な量に抑制され、電荷の移動が極く局所的なものに制約されるようになるので、従来のような大きなスパークは発生しなくなる。そのため、スパーク抑制のための特別な回路構成や制御要素を削減することができ、装置構成を簡略化できるとともに装置コストを下げることができる。
【0030】
以上のような構成の電気集塵エレメントによると、それぞれ合成樹脂を基材として一体成形された左右一対の側枠ユニット2L,2Rと、各々同一構造の複数の内枠ユニット3,3・・・、それに上枠4、下枠5を相互に組合わせるだけの極めて簡単な構造で、従来のようなバイパス部のない高性能の電気集塵器を実現することができるようになる。したがって、組立ても容易で、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0031】
ところで、上述のように内枠ユニット3,3・・・を左右方向に複数個組合せて電気集塵エレメントを構成する場合、その組合せ数は任意であり、例えば図5に示すように図1のものに比べて組合せる内枠ユニット3の数を減らせば左右方向の幅を小さく、コンパクトなものにすることができる。
【0032】
また、その場合、さらに左右方向の幅を小さくしようと思えば、例えば図6に示すように、組合せ数をさらに減少させて、しかも枠体3a,3aの長さを長くし、電極板3b,3b・・・の上下方向の並設枚数を多くすれば、全体としての集塵能力を低下させることなく左右方向の幅を縮小したコンパクト化も可能となる。
【0033】
(実施の形態)
次に、図7〜図9は、本願発明の実施の形態に係る電気集塵エレメントの構成を示している。
【0034】
この実施の形態の電気集塵エレメント20の構成では、上述の場合と同様の所定の間隔を保って並設される第1の複数の電極板21,21・・・と、該第1の複数の電極板21,21・・・相互の間にそれぞれ所定の空間を介して配設される第2の複数の電極板22,22・・・と、該第1,第2の複数の電極板21,21・・・、22,22・・・に正又は負の高電圧を印加することにより集塵機能を付与する第1,第2の通電軸とを備える電気集塵エレメントを形成するに際し、例えば図11のような(+)側の陽極板となる第1の電極板21,21・・・と同(−)側の集塵極板となる第2の電極板22,22・・・とを、それらの例えば左右両端部21a,21b、22a,22bに並べて設けられたスペーサおよび連結部材並びに通電軸としての機能を果たす嵌合筒23,23と該嵌合筒23,23が遊嵌される遊嵌穴24,24との左右位置を図7および図8のように相互に逆の関係となるように設定し、それらを図9のように上下方向に交互に配置嵌合して行くことにより、相互の間に必要な空気流通スペースを確保しながら集塵の可能な電極構造を実現したことを特徴とするものである。
【0035】
このような構成によれば、両端側の嵌合筒23,23と遊嵌穴24,24の左右の位置関係が異なる(逆になる)第1,第2の2種類の電極板21,22を製作するだけの極めて簡単な構成で、容易に電気集塵エレメント20を組立てることができ、大きく製品コストを削減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の参考例に係る電気集塵エレメントの全体構造を示す正面図である。
【図2】 同電気集塵エレメントの左側の側枠ユニットの構造を示す斜視図である。
【図3】 同電気集塵エレメントの内枠ユニットの構造を示す斜視図である。
【図4】 同電気集塵エレメントの右側の側枠ユニットの構造を示す斜視図である。
【図5】 同参考例における内枠ユニットの数を減らして左右方向の幅を小さくした電気集塵エレメントの構成を示す斜視図である。
【図6】 同参考例において、さらに内枠ユニットの組合せ数を減少させて、しかも枠体の長さを長くし、電極板の上下方向の並設枚数を多くした電気集塵エレメントの構成を示す斜視図である。
【図7】 本願発明の実施の形態に係る電気集塵エレメントの電極板部分の構成を示す平面および正面対応図である。
【図8】 同電気集塵エレメントの電極板部の分解斜視図である。
【図9】 同電気集塵エレメントの断面図である。
【図10】 第1の従来例に係る電気集塵エレメントの構造を示す分解斜視図である。
【図11】 同電気集塵エレメントの集塵原理を示す説明図である。
【図12】 第2の従来例に係る電気集塵エレメントの構成を示す正面図である。
【図13】 同電気集塵エレメントの要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
1は電気集塵エレメント、2Lは左側の側枠ユニット、2Rは右側の側枠ユニット、2aは側枠ユニット2L,2Rの枠体、2bは側枠ユニット2L,2Rの電極板、3は内枠ユニット、3aは内枠ユニット3の枠体、3bは内枠ユニット3の電極板、4は上枠、5は下枠、21は第1の電極板、22は第2の電極板、23は嵌合筒、24は遊嵌穴である。
Claims (1)
- 所定の間隔を保って並設される第1の複数の電極板(21),(21)・・・と、該第1の複数の電極板(21),(21)・・・相互の間にそれぞれ所定の空間を介して配設される第2の複数の電極板(22),(22)・・・と、該第1,第2の複数の電極板(21),(21)・・・、(22),(22)・・・に正又は負の高電圧を印加することにより集塵機能を付与する第1,第2の通電軸とを備える電気集塵エレメントにおいて、上記第1,第2の各複数の電極板(21),(21)・・・、(22),(22)・・・の所定の位置にスペーサおよび連結部材並びに通電軸としての機能を果たす嵌合筒(23),(23)・・・と該嵌合筒(23),(23)・・・が遊嵌される遊嵌穴(24),(24)・・・とを、それらの位置が相互に逆の関係となるように設けて、それらを上下または左右方向に交互に同軸状態で配置嵌合して行くことにより、相互の間に必要な空気流通スペースを確保しながら集塵の可能な電極構造を構成したことを特徴とする電気集塵エレメント。
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