JP4105404B2 - 二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などの動力源となる二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法、特に、リチウムイオン二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池は、ノート型パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯機器の電源として使用されるため、小型かつ軽量であることが要求される。こうした要求に対するものの一つとして、二次電池ケースの薄肉化が検討されている。
【0003】
二次電池ケースは、通常、多段プレスによって成形されるために、ケース材料には良好なプレス成形性が求められる。このため、従来では、純アルミニウム系(JIS−1000系)またはAl−Mn系のJIS−3003合金などのような比較的軟質のものが二次電池ケースに用いられることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、二次電池は、上述した材料からなるケースに電極体を入れた後に、溶接またはカシメにより蓋を付けて密封することで製造される。こうして製造された二次電池を携帯電話などに使用するが、放電後に充電する際、ケース内部の温度が上昇して、ケース内部の圧力が増加する。その場合、上述した比較的軟質のケース材料で製造されたケースには大きな膨れが生じるという問題がある。この膨れを抑制するために、高強度の二次電池ケース材料が要求される。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成し遂げられたものであり、その目的は、高強度かつプレス成形性に優れたアルミニウム合金板の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、Mnを0.6〜1.5重量%、Mgを0.5重量%以下、Cuを0.1〜0.6重量%、Siを0.2〜0.8重量%、Feを0.2〜1.0重量%をそれぞれ含有し、残部不可避的不純物とAlからなるアルミニウム合金を溶解、鋳造、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延して板材とするアルミニウム合金板の製造方法において、前記均質化処理は、170〜270℃で1時間以上保持した後、440〜550℃に加熱することにより行い、前記中間焼鈍は、昇温速度を10〜250℃/秒、焼鈍温度を450〜580℃、保持時間を5〜60秒、冷却速度を20〜200℃/秒で行うことを特徴とする、平均結晶粒径が20μm以下である二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法において、前記アルミニウム合金に更にZrを0.05〜0.2重量%含有させたことを特徴とする。
【0008】
本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法によれば、一段目に170〜270℃で1時間以上保持し、二段目で440〜550℃に加熱する均質化処理を施すので、アルミニウム合金板中に金属化合物が析出し、強度が高くなる。その結果、高強度かつプレス成形性に優れたアルミニウム合金板が製造できるので、製造されたアルミニウム合金板は、二次電池ケースに用いるのに適している。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法について説明する。
【0010】
本発明は、Mnを0.6〜1.5重量%、Mgを0.5重量%以下、Cuを0.1〜0.6重量%、Siを0.2〜0.8重量%、Feを0.2〜1.0重量%それぞれ含有し、残部不可避的不純物とAlからなるアルミニウム合金を溶解、鋳造、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延して板材とするアルミニウム合金板の製造方法であり、その特徴とするところは、均質化処理を、一段目に170〜270℃で1時間以上保持し、二段目で440〜550℃に加熱して、アルミニウム合金の平均結晶粒径を20μm以下にしたことにある。
【0011】
さらに、本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法においては、上述のアルミニウム合金に、更にZrを0.05〜0.2重量%含有させたものであってもよい。
【0012】
均質化処理は、偏析をなくしたり、処理温度での平衡組成に保つことで過剰元素を析出させて鋳塊組織を安定化させるなどの目的で行われるものである。本発明においては、まず、一段目の処理として、170〜270℃の範囲で1時間以上保持する。こうした処理により、鋳造後のアルミニウム合金中に金属化合物であるMg2Siを析出させる。なお、アルミニウム合金中にMgが含有されていない場合は、Siが析出する。次いで、二段目の処理として、440〜550℃の範囲に加熱する。こうした処理により、一段目の処理で析出したMg2Si又はSiを核(核生成のサイト)として、Al−Mn−Fe−Si系の金属化合物が微細に分散して析出する。アルミニウム合金中に、これら金属化合物が析出することにより、製造されたアルミニウム合金板の強度を向上させることができる。
【0013】
一段目の均質化処理の温度が170℃未満であると、析出したMg2Si又はSiのサイズが小さくなるので、そのMg2Si又はSiはAl−Mn−Fe−Si系金属化合物の核生成のサイトにならないおそれがある。また、一段目の均質化処理の温度が270℃を超えると、析出したMg2Si又はSiの分布密度が低くなったり、Mg2Si又はSiが析出しないことがある。これらの場合、その後に440〜550℃で加熱しても、Al−Mn−Fe−Si系の金属化合物を高密度に析出させることができない。なお、一段目の均質化処理の温度を190〜260℃の範囲とすると、更に好ましい。
【0014】
一段目の均質化処理の保持時間が1時間未満であると、Mg2Si又はSiが十分に析出しないことがある。ここで、保持時間の上限値は特に規定しないが、Mg2Si又はSiが析出する効果とアルミニウム合金板の製造にかかるコストなどを比較考量すると、上限値を20時間とするのが適当である。
【0015】
二段目の均質化処理の温度が440℃未満であると、一段目で析出したMg2Si又はSiを核生成のサイトとするAl−Mn−Fe−Si系の金属化合物が析出しにくくなり、二段目の均質化処理の温度が550℃を超えると、Al−Mn−Fe−Si系の金属化合物が大きく成長してしまい、Al−Mn−Fe−Si系金属化合物の分布密度が大幅に低くなる。
【0016】
二段目の均質化処理の保持時間は、特に規定しないが、2時間以上が好ましい。2時間以上ではAl−Mn−Fe−Si系の金属化合物を十分に析出させることができる。より好ましくは、5時間以上である。また、上限値については、一段目の均質化処理の時の保持時間と同様に、金属化合物が析出する効果とコストなどを比較考量すると、上限値を20時間とするのが適当である。
【0017】
なお、一段目の均質化処理のみを行う場合は、Mg2Si又はSiが析出するだけである。
【0018】
また、二段目の均質化処理のみを行う場合は、Al−Mn−Fe−Si系の金属化合物が析出するが、一段目の均質化処理を行う時に比べて金属化合物の分布密度が低くなる。
【0019】
本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法においては、アルミニウム合金板の製造時にこのような均質化処理を施すことで、より強度の高いアルミニウム合金板を製造することができる。
【0020】
次に、本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法に適用されるアルミニウム合金の成分組成について説明する。上述の均質化処理の効果を得るには、以下の成分組成が必要である。
【0021】
本発明に適用されるアルミニウム合金の組成は、Mnを0.6〜1.5重量%、Mgを0.5重量%以下、Cuを0.1〜0.6重量%、Siを0.2〜0.8重量%、Feを0.2〜1.0重量%それぞれ含有し、残部不可避的不純物とAlからなる。本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法は、こうした組成からなるアルミニウム合金を適用することにより、所期の目的を達成できる。
【0022】
Mnは、強度を高め、また、結晶粒を微細化してプレス成形性の向上に寄与する。Mn含有量が0.6重量%未満では、その効果が不十分となり、Mn含有量が1.5重量%を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、マトリックス中に分散してプレス成形性が低下する。Mn含有量の好ましい範囲は0.8〜1.3重量%である。
【0023】
Mgは、強度を高める。Mg含有量が0.5重量%を超えると、ケース成形後に胴体に蓋を接合する際の、溶接性を損なうために好ましくない。Mg含有量は0重量%であってもよく、下限値は特に規定されない。しかし、含有されていないものよりも、含有したものの方が、強度が高くなる。Mg含有量の好ましい範囲は0.1〜0.4重量%である。
【0024】
Cuは、強度を高める。Cu含有量が0.1重量%未満では、その効果が不十分となり、Cu含有量が0.6重量%を超えると、強度は更に向上するが、プレス成形性が顕著に低下する。Cu含有量の好ましい範囲は0.2〜0.5重量%である。
【0025】
Siは、強度を高める。Si含有量が0.2重量%未満では、その効果が不十分となり、Si含有量が0.8重量%を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、プレス成形性が低下する。Si含有量の好ましい範囲は0.2〜0.7重量%である。
【0026】
Feは、強度を高める。Fe含有量が0.2重量%未満では、その効果が不十分となり、Fe含有量が1.0重量%を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、プレス成形性が低下する。Fe含有量の好ましい範囲は0.3〜0.9重量%である。
【0027】
以上の組成からなるアルミニウム合金を本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法に適用すれば、製造された二次電池ケース用アルミニウム合金板は、強度及びプレス成形性に優れたものとなる。
【0028】
また、上記の成分組成に、更にZrを0.05〜0.2重量%含有させることができる。Zrは、強度を高め、また、結晶粒を微細化してプレス成形性の向上に寄与する。Zr含有量が0.05重量%未満では、その効果が不十分となり、Zr含有量が0.2重量%を超えると、鋳造時に粗大な晶出物が生成しやすくなり、プレス成形性が低下する。Zr含有量の好ましい範囲は0.08〜0.15重量%である。
【0029】
なお、本発明の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法により製造されたアルミニウム合金板の成分組成も、上記成分組成に含まれる。
【0030】
本発明のアルミニウム合金板の製造方法は、上述した成分組成を有するアルミニウム合金を溶解、鋳造、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延の各工程を有するものである。本発明は、均質化処理に特徴を有するものであり、それ以外の、溶解、鋳造、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延は、従来同様の方法が適用される。
【0031】
なお、中間焼鈍工程の昇温速度を10〜250℃/秒、焼鈍温度を450〜580℃、保持時間を5〜60秒、冷却速度を20〜200℃/秒とするのが好ましい。
【0032】
昇温速度が10℃/秒より遅いと、冷間圧延時に導入された蓄積エネルギーが解放されるために、再結晶核生成率が低下して、焼鈍後の平均結晶粒径が大きくなり、後述のように、平均結晶粒径が20μm以下とはならない。昇温速度が250℃/秒を超えると、高価な設備投入が必要となり、生産コストが増加する。
【0033】
焼鈍温度が450℃より低いと、再結晶が終わるまでの時間が長くなってしまうので、生産コストが増えるほか、細長く、粗大な結晶粒が生じる。焼鈍温度が580℃より高くなると、再結晶化が短時間で終わり、粒成長が生じるために結晶粒が大きくなる。
【0034】
保持時間が5秒より短くなると、再結晶が完全に完了せず、微細な結晶粒が得られない。保持時間が60秒より長くなると、結晶粒が成長してしまい、後述する平均結晶粒径20μm以下の微細粒組織が得られない。
【0035】
冷却速度が20℃/秒より遅いと、冷却中にCuとMgが析出してしまい、強度の低下をもたらすために好ましくない。冷却速度が200℃/秒を超えると、冷却用の設備投資が増し、生産コストが増加する。
【0036】
以上のように、中間焼鈍工程の昇温速度、焼鈍温度、保持時間及び冷却速度を上記範囲とすることで、平均結晶粒径が20μmよりも大きくならずに、プレス成形性に優れ、強度を備えた二次電池ケース用アルミニウム合金板を製造することができる。
【0037】
更に、最終冷間圧延時の圧下率を15〜85%に制御することが好ましい。圧下率が15%未満では、十分な加工硬化が得られず、強度が低下する。圧下率が85%を超えると、更なる加工硬化がそれほど得られない上に、プレス成形性が劣化する。
【0038】
ここで、強度とは、引張試験によって得られる引張強さをいう。強度が十分高くなると、二次電池の充電の際に、二次電池ケースの内部で温度が上昇し、圧力が増加したときのケースの膨れを防止できる。本発明のアルミニウム合金板は、従来のケースの膨れの問題を解決したものである。
【0039】
上記本発明の製造方法により製造されるアルミニウム合金板は、圧延方向断面において、下記の方法で求めた平均結晶粒径が20μm以下である必要がある。
【0040】
本発明の平均結晶粒径は、SEM(Scanning Electron Microscope、走査型電子顕微鏡)につけた結晶方位観察装置(通称EBSP(Electron Back-Scatter diffraction Pattern、反射電子菊池線回折パターン))によってアルミニウム合金板の圧延方向断面の粒界を観察し、解析ソフトにより結晶粒の断面積を測定して求める。結晶方位の測定は、全観察領域を縦横に数万〜数十万のポイントに分割して、1ポイントずつ行う。一般には、方位差15°以上の粒界に囲まれた領域内に、一定の数以上(例えば10個以上)ポイントが含まれるものを結晶粒とする。結晶粒径は、結晶粒中のポイント数及び1ポイントあたりの面積から結晶粒の面積を求め、それを円の面積と考えて算出される。このように、各々の結晶粒の粒径を求めてその平均値を算出して平均結晶粒径とする。
【0041】
平均結晶粒径が20μmを超えると、プレス成形性とレーザ溶接性が低下する。平均結晶粒径の下限値は特に規定しないが、現在のアルミニウム板製造技術では、低コストかつ安定に製造できる最小平均結晶粒径は3μm程度とされている。従って、3μm以下の平均結晶粒径からなるアルミニウム合金板を製造しようとすると、膨大な設備投資と複雑な製造工程が必要となり、製造コストが大幅に増加する。よって、本発明においては、製造上の観点から、平均結晶粒径の下限値を3μmとする。
【0042】
また、上記本発明の製造方法により製造されるアルミニウム合金板は、引張試験で求めた引張強さが200MPa以上であることが好ましく、210MPa以上であることがより好ましい。引張強さがこの範囲内であれば、本発明のアルミニウム合金板を成形した二次電池ケースに十分な耐膨れ性を与えることができる。引張強さの上限値は、特に規定しないが、アルミニウム合金板の特性、製造方法に依存するため、現在のアルミニウム板製造技術で低コストかつ安定に製造できるものの引張強さの上限値は400MPa程度、好ましくは、300MPaである。
【0043】
【実施例】
(実施例1〜9)
表1は、本発明のアルミニウム合金板の製造方法により製造された実施例1〜9のアルミニウム合金板の成分組成である。なお、表1中の単位は重量%である。製造されたアルミニウム合金板が表1に示す成分組成となるように配合されたアルミニウム合金を溶解し、半連続鋳造により鋳造し、得られた鋳塊を面削した。その後、190℃、2時間の一段目の均質化処理を行い、次いで、540℃、5時間の二段目の均質化処理を行った。その後、400℃まで冷却して、速やかに熱間圧延を施し、厚さ7mmの板材とした。続いて、冷間圧延により、厚さ0.6mmまで圧延し、表2に示す条件で中間焼鈍を行った。その後、厚さ0.4mmまで最終冷間圧延した。最終冷間圧延の際の圧下率は33%であった。こうして、実施例1〜9のアルミニウム合金板を製造した。
【0044】
(比較例1〜5)
製造されたアルミニウム合金板が表1に示す成分組成となるようにした他は、上記実施例1〜9の場合と同様の方法により、比較例1〜5のアルミニウム合金板を製造した。各比較例の特徴として、比較例1はアルミニウム純度が高く、比較例2はSi含有量が多く、比較例3はMg含有量が多く、比較例4はCu含有量が多く、比較例5はZr含有量が多い。
【0045】
【表1】
Figure 0004105404
【0046】
【表2】
Figure 0004105404
【0047】
(引張強さ及びプレス成形性等の評価)
引張強さは、得られた板材からJIS Z 2201の5号試験片を採取し、JIS Z 2241に定められた方法により引張試験を行って調べた。
【0048】
平均結晶粒径は、PHILIPS社のSEM(XL30Fe)につけたTSL社のEBSPシステムにより、0.2μmのポイント間隔で測定した結晶方位データから、TSL社のOIM2.8解析ソフトによって求めた。方位差が15°以上の粒界に囲まれた領域中に、10個以上のポイントが含まれるものを結晶粒とした。
【0049】
プレス成形性については、径33mm、肩R4.5mmのポンチと、径57.75〜69.3mmのプランクを用いて深絞り試験を行い、限界絞り比によって評価した。限界絞り比が1.9以上のものを○、1.9未満のものを×とした。
【0050】
(評価結果)
表3に実施例1〜9及び比較例1〜5の引張強さ、平均結晶粒径及びプレス成形性の評価結果を示す。
【0051】
表3より、本発明に従って作製した実施例1〜9の板材は全て、引張強さが高く、平均結晶粒径が10μm程度と小さかった。そして、良好なプレス成形性を示した。これより、実施例1〜9においては、プレス成形性及び強度に優れたアルミニウム合金の板材を製造でき、二次電池ケース用アルミニウム合金板として適したものである。
【0052】
一方、本発明の合金組成範囲からはずれた比較例1〜5の板材では、強度が200MPaよりかなり低いか、あるいは平均結晶粒径が大きかった。そして、プレス成形性が悪かった。これより、比較例1〜5のアルミニウム合金板は、二次電池ケース用アルミニウム合金板としては、本発明に比べ、劣ったものとなった。
【0053】
【表3】
Figure 0004105404
【0054】
(実施例10〜12)
製造されたアルミニウム合金板が実施例2の組成となるように配合されたアルミニウム合金を用い、実施例1〜9の方法のうち、中間焼鈍工程の昇温速度を100℃/秒、焼鈍温度を500℃、保持時間を25秒、冷却速度を150℃/秒とし、均質化処理の条件を表4の実施例10〜12のようにして、実施例10〜12のアルミニウム合金板を製造した。
【0055】
(比較例6〜8)
均質化処理を表4に示す条件で行った他は、上記実施例10〜12の場合と同様の成分組成、方法により、比較例6〜8のアルミニウム合金板を製造した。
【0056】
【表4】
Figure 0004105404
【0057】
(評価結果)
実施例1〜9及び比較例1〜5の場合と同様に引張強さ及びプレス成形性等の評価を行った。表5に実施例10〜12及び比較例6〜8の引張強さ、平均結晶粒径、プレス成形性の評価結果を示す。実施例10〜12においては、プレス成形性及び強度に優れたアルミニウム合金板を製造できた。
【0058】
【表5】
Figure 0004105404
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアルミニウム合金板の製造方法によれば、プレス成形性及び強度に優れたアルミニウム合金板が製造できるので、二次電池ケース、特にリチウムイオン二次電池ケースに用いるのに適している。

Claims (2)

  1. Mnを0.6〜1.5重量%、Mgを0.5重量%以下、Cuを0.1〜0.6重量%、Siを0.2〜0.8重量%、Feを0.2〜1.0重量%をそれぞれ含有し、残部不可避的不純物とAlからなるアルミニウム合金を溶解、鋳造、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延して板材とするアルミニウム合金板の製造方法において、
    前記均質化処理は、170〜270℃で1時間以上保持した後、440〜550℃に加熱することにより行い、前記中間焼鈍は、昇温速度を10〜250℃/秒、焼鈍温度を450〜580℃、保持時間を5〜60秒、冷却速度を20〜200℃/秒で行うことを特徴とする、平均結晶粒径が20μm以下である二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 前記アルミニウム合金に更にZrを0.05〜0.2重量%含有させたことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池ケース用アルミニウム合金板の製造方法。
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