JP4116262B2 - 空気調和機及びその空調負荷予測方法、並びにプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は入力に基づいて出力を予測する技術に関し、例えば外気情報に基づいて、空気調和機の負荷を予測する技術に適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
空気調和機、なかでも蓄熱式空気調和機においては、消費電力を夜間へ移行する割合や、システムの効率を高く保持するために、適切な運転制御が必要となる。そしてかかる運転制御には、空気調和機の負荷の予測が必要となる。
【0003】
所望の予測精度を得るためには空気調和機に所定の学習期間を与えることが必要である。従って、新たに稼働した空気調和機は、直ちに所望の精度を得ることができない。
【0004】
かかる問題点に鑑みて、新たに起動させる空気調和機の学習期間を短縮する提案が為されてきた。例えば特開平9−264586号公報に紹介されるように、新たに起動した空気調和機と類似性が高い、他の同規模の空気調和機のデータを蓄積する。そして前者の学習データが揃うまで後者のデータを利用する。あるいはまた例えば特開平6−180650号公報に紹介されるように、新たに起動した空気調和機に学習データが揃うまで、他の空気調和機の学習データを変換して利用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、種々のシステムのデータから、新たに起動した空気調和機と類似性が高いものを選択するには、多量のデータを記憶し、かつ類似性により分類するという煩雑な作業を行わなければならない。また学習データの変換はそのデータ変換ルールの正確性に問題が生じる可能性がある。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みて為されたもので、新たに起動させる空気調和機の学習期間を短縮する他の技術を提案するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1の態様乃至第3の態様を下記に示す。
【0017】
この発明の第1の態様は空気調和機の空調負荷予測方法であって、空気調和機(100)の状態変数(x 1 ,x 2 )の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)と、外気情報(h 1 ,h 2 )とに基づいて、前記空気調和機(100)の日負荷の実績値(y)についての予測値(yハット)を日(t)毎に求める予測方法である。前記外気情報(h 1 ,h 2 )の種類は複数種であって、前記状態変数(x 1 ,x 2 )の前記予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)は前記入力された外気情報(h 1 ,h 2 )のデータと同数種である。前記空気調和機に備えられた予測部が、(a)前記空気調和機(100)に備えられたパラメータ保存部(105)に保存された当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))と、外部から入力され、前記空気調和機(100)に備えられた実績データ記憶部(103)に記憶された当該日のm日前の前記外気情報(h 1 (t−m),h 2 (t−m))とから、相互に対応する前記外気情報(h 1 ,h 2 )と前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)との積を前記種類毎に総和をとって当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))を求めるステップ(S23)と、(b)当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))と前記実績データ記憶部(103)に記憶されたその前記実績値(y(t−m))との差に所定の予測方法により予測されたゲイン値(k 1 (t−m),k 2 (t−m))を乗じた値を当該日の前記(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))に加算して、当該日の前記m日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m),x 2 ハット(t−m))を求め、前記パラメータ保存部(105)に保存するステップ(S25)と
を、mをn−1(n>1)から1ずつ減少させて更新し、その値が0となるまで繰り返して実行する。そして(c)前記mが0の場合に求められた当該日の日負荷の予測値(yハット(t))を出力するとともに、当該日の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t),x 2 ハット(t))を当該日の(n−1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−n+1),x 2 ハット(t−n+1))として設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する(S28)。
【0020】
また第1の態様において望ましくは、当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x1ハット(t−m−1),x2ハット(t−m−1))が求められていない場合には、当該日もしくは当該日のm日前乃至1日前の前記状態変数の予測値のうちで、最も当該日から離れた日について求められた前記状態変数の予測値を設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する。
【0021】
この発明の第2の態様は、第1の態様にかかる空気調和機の空調負荷予測方法を前記空気調和機が備えるコンピュータに実行させるプログラムである。
【0022】
この発明の第3の態様は、自身の状態変数(x1,x2)の予測値(x1ハット,x2ハット)と、外気情報(h1,h2)とに基づいて、前記空気調和機(100)の日負荷の実績値(y)についての予測値(yハット)を日(t)毎に求める空気調和機(100)であり、予測部(104)と、日(t)毎に前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)を保存するパラメータ保存部(105)と、外部から入力された前記外気情報(h 1 ,h 2 )と、前記空気調和機の日負荷の各実績データとを記憶する実績データ記憶部(103)とを備える。前記外気情報(h 1 ,h 2 )の種類は複数種であって、前記状態変数(x 1 ,x 2 )の前記予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)は前記入力された外気情報(h 1 ,h 2 )のデータと同数種である。そして前記予測部(104)は、(a)当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x1ハット(t−m−1),x2ハット(t−m−1))と、前記実績データ記憶部(103)に記憶された当該日のm日前の前記外気情報(h1(t−m),h2(t−m))とから、相互に対応する前記外気情報(h 1 ,h 2 )と前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)との積を前記種類毎に総和をとって当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))を求めるステップ(S23)と、(b)当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))と前記実績データ記憶部(103)に記憶されたその前記実績値(y(t−m))との差に所定の予測方法により予測されたゲイン値(k 1 (t−m),k 2 (t−m))を乗じた値を当該日の前記(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))に加算して、当該日の前記m日前の前記状態変数の予測値(x1ハット(t−m),x2ハット(t−m))を求め、前記パラメータ保存部(105)に保存するステップ(S25)とを、mをn−1(n>1)から1ずつ減少させて更新し、その値が0となるまで繰り返して実行する。そして(c)前記mが0の場合に求められた当該日の日負荷の予測値(yハット(t))を出力するとともに、当該日の前記状態変数の予測値(x1ハット(t),x2ハット(t))を当該日の(n−1)日前の前記状態変数の予測値(x1ハット(t−n+1),x2ハット(t−n+1))として設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する(S28)。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明ではカルマンフィルタを用いた予測を例にとって説明するが、その他の予測方法に適用してもよい。なお、以下ではアルファベットの大文字は行列もしくはベクトルを示し、小文字はスカラー量を示すこととする。
【0024】
また、予測システムとして空気調和機に適用した場合を例にとって説明するが、その他のシステムに適用してもよい。
【0025】
第1の実施の形態.
増大情報系を与えるパラメータt(tは正の整数)において、ある系の出力ベクトルY(t)が、当該系の状態変数ベクトルX(t)と、当該系への入力行列H(t)によって式(1)の関係にあると仮定する。但し、V(t)は出力ベクトルY(t)の観測において生じる観測ノイズを示すベクトルである。
【0026】
【数1】
【0027】
また状態変数ベクトルX(t)については、当該系のシステムノイズを示すベクトルをW(t)によってパラメータtに対して順次に変化し、式(2)の関係にあると仮定する。
【0028】
【数2】
【0029】
当該系が2入力1出力の系であれば、出力ベクトルY(t)の要素を出力y(t)、行列Hの要素を入力h1(t),h2(t)、状態変数ベクトルX(t)の要素を重み係数x1(t),x2(t)、観測ノイズを示すベクトルV(t)の要素としてv(t)、システムノイズを示すベクトルW(t)の要素としてw1(t),w2(t)を用いて、式(3)、(4)で表される。
【0030】
【数3】
【0031】
【数4】
【0032】
当該系として空気調和機を例にとれば、パラメータtが日毎に更新されるとして、入力h1(t),h2(t)はそれぞれ外気不快指数の(例えば日平均の)予測値、所定時(例えば午前5時)の外気温度の実績値であり、いずれも外気の情報である。また出力y(t)は当該空気調和機の一日の負荷(日負荷)である。
【0033】
さて、当該系の状態変数ベクトルX(t)、観測ノイズベクトルV(t)及びシステムノイズベクトルW(t)は測定できない。そこで入力行列H(t)を用い、式(5)で出力ベクトルY(t)についての予測値Yハット(t)を得る。ここで、ハットは数式においては変数に被せて表記され、当該変数の予測値であることを示す。
【0034】
【数5】
【0035】
式(5)から出力に対する予測値Yハット(t)を得るためには、状態変数に対する予測値Xハット(t−1)を知る必要がある。そこで、パラメータtにおいて、予測値Xハット(t)は以下のように求められる。
【0036】
【数6】
【0037】
状態変数の予測値Xハット(t)の更新は、外気不快指数の実績値が入手できる時点で行うことも可能である。従って外気不快指数の実績値が得られる場合には、入力h1(t)として外気不快指数の予測値ではなく、その実績値を用いてもよい。
【0038】
ここで係数行列K(t)はカルマンゲインを表しており、観測ノイズベクトルV(t)についての共分散行列Q(t)、システムノイズベクトルW(t−1)についての共分散行列R(t−1)、入力行列H(t)から逐次的に求められる。
【0039】
式(5)は入力に状態変数の予測値を演算して出力の予測値を求めるステップを示しており、式(6)は出力の予測値と実績値との比較結果から状態変数の予測値を更新するステップを示している。
【0040】
以上のようにしてカルマンフィルタによる予測を行って、出力の実績値Yと予測値Yハットとの差を小さくすることができる。しかし式(5),(6)から理解されるように、カルマンフィルタを用いた予測では、出力に対する予測値Yハット(t)を得るために、状態変数に対する予測値の初期値Xハット(0)が必要となる。そして本発明ではその初期値として、他の予測システムにおける状態変数の予測値を採用する。他の予測システムにおいても当該予測システムと同様にして式(5),(6)を用いて状態変数の予測値が求められていることが望ましい。そしてかかる初期値の採用により、全く新たに初期値を設定する場合と比較して、出力の実績値と予測値との相違を所定の範囲内に収める状態変数の予測値を早期に得ることができる。
【0041】
他の予測システムから流用するのは状態変数の予測値であるので、流用すべきデータ量を小さくすることができる。また他の予測システムと当該予測システムとの類似性が高いことや、他の予測システムからのデータの変換ルールの精度が高いことは要求されない。また、例えば空気調和機を例にとれば、状態変数を正規化された駆動能力に対応して想定することも容易であり、従って駆動能力によらずに上記効果を得ることができる。
【0042】
図1は本発明にかかる空気調和機100の構成を例示するブロック図である。空気調和機100は、入力装置101、制御ユニット100A、蓄熱ユニット100Bを備えている。制御ユニット100Aは基準データ記憶部102、実績データ記憶部103、空調負荷予測部104、パラメータ保存部105、データ収集部106、制御部107を備えている。
【0043】
空調負荷予測部104には外部から外気不快指数の日平均予測値h1が、基準データ記憶部102から予測値Xハットの初期値Xoハットが、実績データ記憶部103からは午前5時の外気温度の実績値h2及び空気調和機の日負荷の実績値yが、それぞれ与えられる。予測値Xハットの初期値Xoハットは入力装置101によって他の空気調和機200から伝達される。また外気不快指数の日平均予測値h1及び午前5時の外気温度の実績値h2はいずれも気象会社などから収集することができる。午前5時の外気温度の実績値h2は一旦は実績データ記憶部103に格納される。また空気調和機の日負荷の実績値yは、蓄熱ユニット100Bからの運転情報Sを受けたデータ収集部106によって求められ、一旦は実績データ記憶部103に格納される。
【0044】
空調負荷予測部104は、式(5)に則り、予測値Xハットを更新しつつ、空気調和機の一日の負荷の予測値yハットを制御部107へと与える。更新された予測値Xハットは、パラメータ保存部105に保存され、次回の予測値yハットを求める際に再度読み出される。
【0045】
制御部107は予測値yハットに基づき、蓄熱ユニット100Bの運転の制御を行う。かかる制御に応じ、蓄熱ユニット100Bが備える熱源機108は蓄熱槽109への蓄熱を行う。
【0046】
図2は空調負荷予測部104の動作を例示するフローチャートである。ここでパラメータtは日毎に更新される。ステップS11において、パラメータ保存部105から状態変数の予測値Xハット(t−1)の要素であるx1ハット(t−1)、x2ハット(t−1)を読み出す。そしてステップS12において、外気不快指数の日平均予測値h1(t)及び午前5時の外気温度の実績値h2(t)を入力する。そしてステップS13において式(5)に則り、具体的にはステップS13のブロックに示される式によって空気調和機の一日の負荷の予測値yハット(t)を求め、これを制御部107へ与える。そして予測値yハット(t)に基づいた制御部107の制御により、蓄熱ユニット100Bが動作する。
【0047】
ステップS14では空気調和機の一日の負荷の実績値y(t)を得て、ステップS15において式(6)に則り、具体的にはステップS15のブロックに示される式によってx1ハット(t)、x2ハット(t)を計算し、これをパラメータ保存部105へと書き込む。但し、カルマンゲインK(t)の要素をk1(t),k2(t)と表記している。
【0048】
その後、ステップS16においてパラメータtが1増加され、ステップS11乃至ステップS15が繰り返し実行される。但し、空気調和機100を新たに稼働させる場合には、ステップS10がまず実行される。つまり、基準データ記憶部102から状態変数の予測値の初期値x1ハット(0)、x2ハット(0)を読み出す。そしてステップS12へと進む。ここでx1ハット(0)、x2ハット(0)はXoハットの要素である。
【0049】
本発明において状態変数Xに関しては式(2)を用いており、状態変数XがノイズベクトルW(t)を除いてパラメータtに対して依存しないと想定している。従って、他の空気調和機200から予測値Xハットの初期値Xoハットを得る場合、空気調和機100の稼働が開始する前日に空気調和機200が求めた予測値Xハットを用いる必要はない。換言すれば、他の空気調和機200から当該空気調和機100の初期値Xoハットとして与える予測値Xハットは、季節毎、あるいは月毎に整合させてもよい。例えば他の空気調和機200が既に年間を通して稼働しているものの、毎日の状態変数の予測値Xハットの値を保存せず、季節、あるいは月毎の値のみ保存しているとする。その場合であっても、当該空気調和機100が初めて稼働する当該日の季節、あるいは当該日の月での値を状態変数の予測値Xハットの初期値Xoハットとして当該空気調和機100に与えればよい。
【0050】
換言すれば、当該空気調和機100が、新たに稼働する他の空気調和機に、状態変数の初期値を提供する場合を考えれば、パラメータ保存部105において保存される状態変数の予測値Xハットは、月毎にあるいは季節毎等の所定期間毎に保存していれば足り、次回の演算に用いられるものの他は日毎に保存する必要がない。即ち、次回の演算に用いられるものの他は、状態変数の予測値Xハットは、パラメータtが所定数更新される毎に保存すればよい。そして提供すべき相手先の空気調和機に対し、所定の時期に適合して初期値を設定すればよい。
【0051】
また、空気調和機100,200の駆動能力が相違する場合、状態変数の予測値は正規化された駆動能力に対応していることが望ましいが、かかる正規化は容易である。
【0052】
第2の実施の形態.
上述のように、本発明では、状態変数Xがパラメータtに対してそれほど敏感であるとは想定していない。従ってあるパラメータtの値において、状態変数の予測値Xハットを更新する回数を状態変数Xがパラメータtに対して大きく変化しないと見られる回数に設定すれば、出力の予測値Yハットと実績値Yとの差は、パラメータtの更新においてより早期に、小さくなると考えられる。
【0053】
図3は本実施の形態において、予測値Xハットを更新する回数をn(>1)回とした場合の、空調負荷予測部104の動作を例示するフローチャートである。ステップS21〜S26はそれぞれ第1の実施の形態のステップS11〜S16に対応しており、ほぼ同様の処理が行われる。但し、ステップS25とステップS26の間には判断を行うステップS27が介挿されている。
【0054】
まずステップS20においてパラメータmにn−1を設定する。そしてステップS11〜S16におけるパラメータtをパラメータ(t−m)に読み替えたのと同様の演算を行う。ステップS21に進み、パラメータ保存部105から状態変数の予測値Xハット(t−m−1)の要素x1ハット(t−m−1)、x2ハット(t−m−1)を読み出す。この処理を行う必要から、本実施の形態ではパラメータ保存部105はパラメータtに関してn回前の演算で得られた状態変数の予測値Xハット(t−n)を格納しておく。x1ハット(t−m−1)、x2ハット(t−m−1)が未だ求められていない場合には、x1ハット(t−m)〜x1ハット(t)、x2ハット(t−m−1)〜x2ハット(t)のうちで、最も当該日(t)から離れた日について求められたものをこれに設定する。
【0055】
ステップS22において外気不快指数の日平均予測値h1(t−m)及び午前5時の外気温度の実績値h2(t−m)を実績データ記憶部103から入力する。この処理を行う必要から、本実施の形態では、図1の破線で示されるように、外気不快指数の日平均予測値h1(t)も実績データ記憶部103に与え、かつパラメータtに関して(n−1)回前の演算から前回までの演算において用いられたh1(t−n+1),h1(t−n+2),…,h1(t−1)を格納しておく。但し、これらの値は、既に外気不快指数の日平均値が予測値ではなく実績値として得られているので、実績値の方を記憶しておいてもよい。但し今回の演算で用いられるh1(t)は予測値であるので、外部から入力する。また、午前5時の外気温度の実績値については(n−1)回前の演算から今回までの演算において得られたh2(t−n+1),h2(t−n+2),…,h2(t)を格納しておく。
【0056】
次にステップS23において、空気調和機の一日の負荷の予測値yハット(t−m)を、h1(t−m),h2(t−m),x1ハット(t−m−1)、x2ハット(t−m−1)を用い、式(5)に則って計算する。具体的にはステップS23のブロックに示される式によって予測値yハット(t−m)を求める。ステップS23ではステップS13とは異なり、制御部107へは予測値yハット(t−m)を出力しない。その後、ステップS24において実績データ記憶部103から空気調和機の一日の負荷の実績値y(t−m)を入力する。
【0057】
次にステップS25において、式(6)に則って状態変数の予測値の更新、即ちx1ハット(t−m)、x2ハット(t−m)を求める。具体的にはステップS25のブロックに示される式によってx1ハット(t−m)、x2ハット(t−m)を計算し、これをパラメータ保存部105へと書き込む。
【0058】
その後、ステップS27においてパラメータmが0であるかが判断されるが、その意義は後述する。ステップS20においてパラメータmが(n−1)へ設定されたので、n>1とすれば、パラメータtについて最初にステップS27の判断が行われる場合にはその判断結果は「NO」となり、ステップS26へ進む。ステップS26ではパラメータmを1減少させ、ステップS21へと戻る。
【0059】
ステップS26により、あるパラメータtについてパラメータmが更新されつつステップS21〜S25が繰り返して実行される。そしてパラメータmが(n−1)回更新されると、ステップS27においてパラメータmが0であると判断され、ステップS28へと進む。このように、ステップS26,S27とが相まって、あるパラメータtについて、パラメータmが(n−1)から0まで更新されつつ、ステップS25が逐次的にn回繰り返して実行されることになる。
【0060】
t=taにおいてステップS20が実行され、その後ステップS21〜S26がn回繰り返して実行される場合について詳細に見ると、ステップS25の1回目の実行により、xiハット(ta−n)に基づいてxiハット(ta−n+1)が求められる(i=1,2)。この新たに求められたxiハット(ta−n+1)に基づき、ステップS25の2回目の実行により、更にxiハット(ta−n+2)が求められる。そしてステップS25のn回目の実行により、xiハット(ta)が求められる。
【0061】
ステップS27の判断結果が「YES」であれば、ステップS28へと進み、yハット(t−m)=yハット(t)を制御部107へと出力する。そしてステップS29においてステップS16と同様にしてパラメータtを1増加させてステップS20へと戻る。
【0062】
既にt=taにおいてステップS28が実行された後には、t=ta+1としてステップS20が実行される。即ちステップS21においてはxiハット(ta−n+1)が読み出され、これに基づいてステップS25において逐次的にxiハット(ta−n+2)〜xiハット(ta+1)が求められることになる。このxiハット(ta−n+1)として、t=taの際にステップS25で求められたxiハット(ta)を採用すれば、空気調和機の一日の負荷の予測値yハット(t)を求めるに際し、パラメータtを(n−1)だけ戻してn回繰り返して計算を行うので、出力の予測値Yハットと実績値Yとの差は小さくなる。
【0063】
上記操作を行うべく、ステップS28ではxiハット(t−m)=xiハット(t)をxiハット(t−n+1)としてパラメータ保存部105へと書き込む。
【0064】
なお、n=1の場合にはステップS26は実行されず、ステップS28においてはxiハット(t)をxiハット(t)としてパラメータ保存部105へと書き込むのであるから、図3のフローチャートは図2のフローチャートのステップS11〜S16と実質的に一致する。
【0065】
図4は本実施の形態の効果を示すグラフである。横軸にはパラメータtをとっており、パラメータtは日毎に更新されている。図4に示されたグラフを取得した空気調和機では、t=1において最初に稼働を開始した。またn=15とし、第1の実施の形態で示されたように状態変数の予測値Xハットの初期値Xoハットを設定した。縦軸には空気調和機の日負荷をギガジュールでとっている。ここでは4000平方メートル程度の居室の実験結果を示している。
【0066】
グラフL0は日負荷の実績値(上記説明のy(t)に相当)を示し、グラフL1,L2,L3はいずれも日負荷の予測値(上記説明のyハット(t)に相当)を示している。グラフL1,L2はそれぞれ状態変数の予測値Xハットの初期値として大きな値、小さな値を用いた場合を示し、グラフL3は本実施の形態を採用した場合である。グラフL1,L2,L3のいずれの予測値もt≧10で実績値に対して良好な一致を見せているが、グラフL3は稼働初日(t=1)から良好な一致を見せている。
【0067】
以上のように、本発明により、新たに初期値を設定する場合と比較して、出力の実績値と予測値との相違を所定の範囲内に収める状態変数の予測値を早期に得ることができる。
【0068】
なお、各実施例の動作制御をコンピュータに行わせるプログラムについても本発明の範疇にある。
【0069】
【発明の効果】
この発明の効果を下記に示す。
【0074】
この発明のうち第1の態様にかかる空気調和機の空調負荷予測方法及び第3の態様にかかる空気調和機によれば、空気調和機の日負荷の予測値(yハット)とその実績値(y)との差を早期に小さくすることができる。
【0075】
この発明のうち第2の態様にかかるプログラムによれば、コンピュータに第1の態様の動作制御を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる空気調和機の構成を例示するブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の動作を例示するフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態の動作を例示するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態の効果を示すグラフである。
【符号の説明】
100,200 空気調和機
104 空調負荷予測部
Claims (4)
- 空気調和機(100)の状態変数(x 1 ,x 2 )の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)と、外気情報(h 1 ,h 2 )とに基づいて、前記空気調和機(100)の日負荷の実績値(y)についての予測値(yハット)を日(t)毎に求める予測方法であって、
前記外気情報(h 1 ,h 2 )の種類は複数種であって、前記状態変数(x 1 ,x 2 )の前記予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)は前記入力された外気情報(h 1 ,h 2 )のデータと同数種であって、
前記空気調和機に備えられた予測部が、
(a)前記空気調和機(100)に備えられたパラメータ保存部(105)に保存された当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))と、外部から入力され、前記空気調和機(100)に備えられた実績データ記憶部(103)に記憶された当該日のm日前の前記外気情報(h 1 (t−m),h 2 (t−m))とから、相互に対応する前記外気情報(h 1 ,h 2 )と前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)との積を前記種類毎に総和をとって当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))を求めるステップ(S23)と、
(b)当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))と前記実績データ記憶部(103)に記憶されたその前記実績値(y(t−m))との差に所定の予測方法により予測されたゲイン値(k 1 (t−m),k 2 (t−m))を乗じた値を当該日の前記(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))に加算して、当該日の前記m日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m),x 2 ハット(t−m))を求め、前記パラメータ保存部(105)に保存するステップ(S25)と
を、mをn−1(n>1)から1ずつ減少させて更新し、その値が0となるまで繰り返して実行し、
(c)前記mが0の場合に求められた当該日の日負荷の予測値(yハット(t))を出力するとともに、当該日の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t),x 2 ハット(t))を当該日の(n−1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−n+1),x 2 ハット(t−n+1))として設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する(S28)、空気調和機の空調負荷予測方法。 - 当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))が求められていない場合には、当該日もしくは当該日のm日前乃至1日前の前記状態変数の予測値のうちで、最も当該日から離れた日について求められた前記状態変数の予測値を設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する、請求項1記載の空気調和機の空調負荷予測方法。
- 前記空気調和機はコンピュータを備え、請求項1及び請求項2に記載の空気調和機の空調負荷予測方法のうちのいずれか一つを前記コンピュータに実行させるプログラム。
- 自身の状態変数(x 1 ,x 2 )の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)と、外気情報(h 1 ,h 2 )とに基づいて、前記空気調和機(100)の日負荷の実績値(y)についての予測値(yハット)を日(t)毎に求める空気調和機(100)であって、
前記外気情報(h 1 ,h 2 )の種類は複数種であって、前記状態変数(x 1 ,x 2 )の前記予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)は前記入力された外気情報(h 1 ,h 2 )のデータと同数種であって、
日(t)毎に前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)を保存するパラメータ保存部(105)と、
外部から入力された前記外気情報(h 1 ,h 2 )と、前記空気調和機の日負荷の各実績データとを記憶する実績データ記憶部(103)と、
(a)当該日の(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))と、前記実績データ記憶部(103)に記憶された当該日の m日前の前記外気情報(h 1 (t−m),h 2 (t−m))とから、相互に対応する前記外気情報(h 1 ,h 2 )と前記状態変数の予測値(x 1 ハット,x 2 ハット)との積を前記種類毎に総和をとって当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))を求めるステップ(S23)と、
(b)当該日の前記m日前の前記日負荷の予測値(yハット(t−m))と前記実績データ記憶部(103)に記憶されたその前記実績値(y(t−m))との差に所定の予測方法により予測されたゲイン値(k 1 (t−m),k 2 (t−m))を乗じた値を当該日の前記(m+1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m−1),x 2 ハット(t−m−1))に加算して、当該日の前記m日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−m),x 2 ハット(t−m))を求め、前記パラメータ保存部(105)に保存するステップ(S25)と
を、mをn−1(n>1)から1ずつ減少させて更新し、その値が0となるまで繰り返して実行し、
(c)前記mが0の場合に求められた当該日の日負荷の予測値(yハット(t))を出力するとともに、当該日の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t),x 2 ハット(t))を当該日の(n−1)日前の前記状態変数の予測値(x 1 ハット(t−n+1),x 2 ハット(t−n+1))として設定して前記パラメータ保存部(105)に保存する(S28)予測部(104)とを備える空気調和機。
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