JP4124708B2 - 配線ボックス - Google Patents

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Description

本発明は、配線器具等を収容し、その配線器具に接続されたケーブルを保護するために電線管又は同電線管を接続するためのアダプタが接続される配線ボックスに関するものである。
従来より、建物内の壁面に配線器具等を設置するため、その壁内には配線ボックスが設置されている。前記配線ボックスにはケーブルが引込まれ、そのケーブルは、配線ボックスに接続された合成樹脂製の可撓管である電線管により保護されている(例えば、特許文献1参照。)。配線ボックス(特許文献1では配線用ボックス)は前面に開口を有する四角箱状に形成されている。この配線ボックスは、底壁と、その底壁の上下に相対向する一対の短側壁及び左右に相対向する一対の長側壁とより形成されている。前記一対の短側壁は、管接続壁として配線ボックスに設けられているとともに、2つの挿通孔が穿設され、その挿通孔は電線管及びその電線管より小径となる小電線管の2種類を接続可能に形成されている。
特開2003−134637号公報
ところが、上記配線ボックスにおいて、電線管をその内部がボックス本体内に臨むように管接続壁に接続しなければならなかった。そのため、管接続壁において、一対の挿通孔は、管接続壁の周縁部よりも内側の限られた領域に形成されている。従って、管接続壁の限られた領域に一対の挿通孔を形成したり、それら挿通孔間の間隔を確保したりしなければならず、管接続壁が有効に利用されていないという問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、管接続壁の側縁部を利用して、外郭全体を大型化することなく管接続壁を有効に利用することができる配線ボックスを提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、前面に開口を有する有底四角箱状に形成されたボックス本体を備えた配線ボックスであって、前記ボックス本体の上下に相対向する上壁及び下壁が、電線管又はアダプタが接続可能とされる管接続壁として形成されているとともに、ボックス本体の左右には相対向する側壁が形成され、前記相対向する側壁の一方には、ボックス本体を建物の構造物に固定するとき、同構造物に当接する当接座部が外側方に突設され、当該当接座部が突設された側壁側の前記ボックス本体の上下両コーナ部には、前記管接続壁が当該ボックス本体の外側方に延設されているとともに、前記上下両コーナ部を形成する前記当接座部が突設された側壁の上部及び下部が外側方へ膨出することにより形成された膨出部が設けられ、前記膨出部の外側方への突出長さは、前記構造物に対してボックス本体が傾くことがなく、前記当接座部が構造物に当接した状態が維持されるように前記当接座部の外側方への突出長さと同一又は若干短く形成され、前記管接続壁に接続された電線管又はアダプタが、その径方向の一部が前記膨出部に配置されるとともに、その内部の全部又は一部がボックス本体の内部に臨むように管接続壁に接続可能に形成されていることを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の配線ボックスにおいて、前記膨出部の内側には、ボックス本体の内部空間と連通し、前記管接続壁に接続された電線管又はアダプタの軸方向の一部が入り込むことを許容する空間部が形成されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の配線ボックスにおいて、前記空間部はその前面に形成された閉鎖部により閉鎖され、前記側壁における前記当接座部が形成される部分の内側面の前記ボックス本体の上壁側及び下壁側への延長線上に閉鎖部の端縁が位置するように閉鎖部が設けられていることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、当接座部が突設された側壁側のボックス本体のコーナ部に膨出部が形成され、その膨出部を形成する管接続壁が、ボックス本体の外側面より外側方へ突出して延びるように形成されている。そのため、管接続壁の側縁部であり、膨出部を形成する部位を、例えば、電線管を接続するために使用することが可能となる。また、膨出部が形成された側壁に当接座部が突設されている。そのため、膨出部は、当接座部の外面と、当該当接座部が形成された側壁の外側面との間に形成された空間に位置する。従って、膨出部の突出長さが、当接座部の突出長さより短く設定されていれば、膨出部を側壁に形成しても、ボックス本体の左右方向に沿った最大長さが長くなることがない。さらに、膨出部が形成された側壁に当接座部が突設され、膨出部と、当接座部の側壁からの突出長さが同一又は若干短くなっている。そのため、当接座部を建物の構造物の側面に当接させて、ボックス本体を構造物に固定するとき、膨出部も構造物の側面に当接可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、膨出部の内側には、ボックス本体内の内部空間と連通する空間部が形成されている。そのため、内部空間及び空間部を、電線管又はアダプタの軸方向に沿った一部が入り込むのを許容するための空間として利用することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、ボックス本体の前面側に立設された壁材を、切断工具によって切除するとき、側壁の内側面及び閉鎖部の縁部に沿って切断工具を移動させることが可能となる。従って、閉鎖部によって、空間部内に切断工具が侵入することが防止される。
以上詳述したように、本発明によれば、管接続壁の側縁部を利用して、外郭全体を大型化することなく管接続壁を有効に利用することができる配線ボックスを提供することができる。
以下、本発明を配線ボックスに具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1に示すように、合成樹脂製の配線ボックス11に接続可能な電線管としての大径電線管10について説明する。この大径電線管10は、JISC8411に規格された合成樹脂製可とう電線管であり、呼び22mmのCD管である。そして、大径電線管10はその周方向に突出する同一径のリング状をなす凸条部10aと、同一径のリング状をなす凹条部10bとが繰り返し連続形成されて凹凸状に形成されている。なお、大径電線管10の凸条部10aにおける外径は27.5mmに設定されている。また、図7に示すように、前記大径電線管10よりワンサイズ小さい小径電線管33は、前記JISC8411に規格化された合成樹脂製可とう電線管であるとともに、呼び16mmのCD管であり、前記大径電線管10よりワンサイズ小さい電線管である。小径電線管33は、大径電線管10と同様に凸条部(図示せず)及び凹条部(図示せず)を備えた凹凸状に形成され、凸条部における外径が21mmに設定されている。なお、小径電線管33は、背景技術の電線管と同サイズである。
次に、前記配線ボックス11について説明する。配線ボックス11は前面に開口を有する有底四角箱状に形成されたボックス本体13を備えている。なお、ボックス本体13の開口側を前面(正面)、底壁12側を後面(背面)とする。ボックス本体13は、長方形状をなす底壁12を備え、その底壁12の上下に相対向する端縁から立設された上壁及び下壁はそれぞれ上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bとしてボックス本体13に設けられている。上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bはそれぞれ左端部が、ボックス本体13の左側の上下両端部の外面より外側方へ延設されている。一方、底壁12の左右に相対向する端縁には左側壁12c及び右側壁12dが立設され、左側壁12c及び右側壁12dの厚みは2.5mmに設定されている。そして、前記底壁12、上側管接続壁12a、下側管接続壁12b、左側壁12c及び右側壁12dに囲まれたボックス本体13の内側には、ボックス本体13の内部空間S1が形成されている。
図1及び図4に示すように、前記左側壁12cの中央部には、一定の厚みを有する当接座部14が突出形成され、右側壁12dは当接座部14が形成されず平面状に形成されている。そして、当接座部14を含めた配線ボックス11の左右方向への最大長さL1は67mmに設定されている。また、左側壁12c及び右側壁12dには、それぞれ各側壁12c,12dを貫通する固定孔15が3箇所に形成され、各固定孔15は、それぞれ固定ビス17を挿通可能に形成されている。そして、固定孔15に固定ビス17を挿通し、その固定ビス17を、建物内の構造物としての柱16に固定して同柱16に配線ボックス11を固定するとき、当接座部14が柱16の側面に当接し、柱16から一定距離だけ離れた位置にボックス本体13が配設される。なお、当接座部14の外面には、突片が突設されているが、この突片は、配線ボックス11を柱16に固定したとき、柱16内に食い込むため、前記最大長さL1に含めないものとする。
前記左側壁12cの一部である上下両端部は、それぞれ外側方(左側方)へ膨出するように形成されている。即ち、左側壁12cにおいて、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12b側となる上下両端部が、それぞれ左方へ膨出し、その左側壁12cの上下両端縁に上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bの左端縁が連接することにより、左側の上下両コーナ部には膨出部19が形成されている。従って、ボックス本体13の四箇所のコーナ部のうちの二箇所のコーナ部に膨出部19が形成されている。各膨出部19の内側にはそれぞれ空間部S2が形成され、各空間部S2と、前記内部空間S1とは連通し、ボックス本体13の上下両部の内側には、ボックス本体13の中央よりも左方向へ拡大された空間が形成されている。また、空間部S2の上下方向への開口幅は短く形成され、その開口幅は、例えば、鋸等の切断工具の刃部の幅より短く形成されている。
なお、図4に示すように、ボックス本体13内において、膨出部19の左内側面と右側壁12dの内側面との間におけるボックス本体13の開口幅W1は62mmに設定されている。一方、膨出部19が形成されていない左側壁12cの内側面と右側壁12dの内側面との間におけるボックス本体13の開口幅W2は55mmに設定されている。また、膨出部19の外側面と右側壁12dの外側面との間におけるボックス本体13の左右方向への最大長さL1は67mmに設定されている。即ち、膨出部19の左側壁12cの外側面からの突出長さは、当接座部14の左側壁12cの外側面からの突出長さと同一に設定されている。
図1及び図2(a)に示すように、前記上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bには、それらの長さ方向に沿って接続長孔20が大径電線管10の接続部として形成されている。前記各接続長孔20は、それぞれ上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bの右端縁から左端縁に向かって延びるように形成されている。図2(b)に示すように、各接続長孔20の左端縁は、前記膨出部19を形成する左側壁12cの内側面に達するまで延びている。
図1及び図3に示すように、右側壁12dの上下両端部には挿入開口21が、当該右側壁12dを貫通して形成され、各挿入開口21は、それぞれボックス本体13の側方となる右方へ開口するように形成されている。そして、前記各接続長孔20はそれぞれ挿入開口21と連通するように形成され、各挿入開口21から各接続長孔20内に大径電線管10を挿入可能に形成されている。各接続長孔20の幅方向への開口幅及び挿入開口21の開口幅は前記大径電線管10の凸条部10aにおける外径と同じ又はわずかに大きく形成されている。
図2(a)、(b)及び図3に示すように、各接続長孔20の内周に沿って係合突条22が形成されている。各係合突条22はそれぞれ接続長孔20の挿入開口21側から同接続長孔20の奥方に向かって延びるように形成されている。各係合突条22において、相対向する内縁間の長さは、前記大径電線管10の凹条部10bにおける外径と同一又は長く形成されている。そして、大径電線管10が挿入開口21から接続長孔20内に挿入されると、大径電線管10の凹条部10bに係合突条22を係合させることが可能となっている。各係合突条22において、挿入開口21側の端縁には、係合突条22より厚み寸法が大きい抜け止め部23が形成されている。この抜け止め部23の厚み寸法は、隣接する一対の凸条部10a間の間隔及び凹条部10bの開口幅より長くなっている。
図2(a)に示すように、前記接続長孔20内には、細長板状をなす接続部としての係合板24がボックス本体13の左右方向へ延びるように架設されている。この係合板24はその長さ方向に延びる一側縁の複数箇所に設けられた連結片25が、係合突条22の内周縁に連結されることにより接続長孔20内に設けられている。この係合板24の長さ方向に延びる他側縁には電線管係合部24aが形成され、この電線管係合部24aは前記一側縁よりも厚みが薄く形成されている。そして、前記小径電線管33の凹条部に電線管係合部24aが係合されることにより、図7に示すように、小径電線管33が接続長孔20に接続されて配線ボックス11に接続される。また、電線管係合部24aにおいて、挿入開口21側に位置する先端部及び長さ方向のほぼ中央には前記抜け止め部23と同様の抜け止め部26が形成されている。この抜け止め部26の厚み寸法は、小径電線管33の隣接する一対の凸条部間の間隔及び凹条部の開口幅より長くなっている。
図6に示すように、配線ボックス11の前面側には、金属板製の保持枠31が取付けられ、この保持枠31は一対の配線器具29を保持可能に形成されている。また、図6に2点鎖線に示すように、壁面には化粧プレート32が取付けられ、この化粧プレート32により、壁材28に穿設された器具設置孔30、前記保持枠31等が被覆される。この化粧プレート32の幅方向への長さは70mmに設定され、前記ボックス本体13の開口幅W1及びW2(62mm及び55mm)より長くなっている。
次に、上記構成の配線ボックス11の使用方法及び作用について説明する。
図1に示すように、建物内には前記柱16が立設されている。まず、上側管接続壁12aの接続長孔20において、連結片25をそれぞれ係合突条22から分断して、係合板24を係合突条22から取り除く。次いで、柱16の側面に当接座部14の外面を当接させ、左側壁12cに形成された3箇所の固定孔15のうち、中央に位置する固定孔15から固定ビス17を挿通し、その固定ビス17を柱16に固定して配線ボックス11を柱16に固定する。このとき、当接座部14の上部及び下部にはそれぞれ膨出部19が形成され、左側壁12cからの膨出部19の突出長さは、当接座部14の突出長さと同一になっている。そのため、当接座部14を柱16の側面に当接させるべく配線ボックス11を柱16側に押し付けたとき、当接座部14及び一対の膨出部19の3面が柱16の側面に当接する。従って、そのボックス本体13が傾くことがなく、当接座部14が柱16に当接した状態が維持され、固定ビス17を固定孔15に挿通し、その固定ビス17を柱16に固定する作業が容易に行われる。
続いて、柱16に固定された配線ボックス11の右側方から、大径電線管10を配線ボックス11に向かってその径方向へ移動させる。そして、その大径電線管10の端部を、挿入開口21から接続長孔20内に挿入し、同接続長孔20の奥方へ押し込むとともに、凹条部10b内に係合突条22を挿入する。すると、係合突条22に沿って大径電線管10が接続長孔20の奥方へ押し込まれるとともに、図4及び図5に示すように、大径電線管10の下端部が、内部空間S1から空間部S2に侵入し、さらに、大径電線管10の下端部外面が、膨出部19を形成する左側壁12cの内側面に当接する。即ち、上側管接続壁12aにおいて、膨出部19を形成する部位が左側壁12cの外側面より左側方へ突出している。そのため、その突出した部位を、大径電線管10を上側管接続壁12aに接続するために使用することが可能となる。
その結果、大径電線管10は下端部の一部である左側部が空間部S2内に入り込み、下端部の右側部がボックス本体13内の内部空間S1に入り込んだ状態で配線ボックス11に接続される。このとき、大径電線管10の軸方向に沿った一部(下端部)がボックス本体13内に入り込んでいる。そして、大径電線管10の内部は、一部が空間部S2内に入り込み、残りの一部が内部空間S1内に臨んでいる。ここで、内部空間S1及び空間部S2を含めたボックス本体13の開口幅W1は62mmに設定されているため、外径27.5mmの大径電線管10の端部がボックス本体13内に入り込んだ状態では、34.5mmの開口幅を有する空間がボックス本体13内に存在している。また、ボックス本体13の左右方向への最大長さL1は67mmに設定されているため、上側管接続壁12aに大径電線管10が接続された状態では、大径電線管10を除いたボックス本体13の左右方向への長さが39.5mmになる。
次いで、二本目の大径電線管10を挿入開口21から接続長孔20内に挿入し、接続する。すると、ボックス本体13の上部には、二本目の大径電線管10を収容可能な空間及び幅を有するため、二本目の大径電線管10も下端部がボックス本体13内に入り込んだ状態で配線ボックス11に接続される。その結果、二本の大径電線管10を配線ボックス11に接続しても、左右方向への長さ67mm内に、合計長さが55mmの二本の大径電線管10が収容されるため、ボックス本体13の右側壁12d外面から、二本目の大径電線管10が外方へ突出することがない。即ち、上側管接続壁12aにおいて、膨出部19を形成する部位が延設されたことにより、上側管接続壁12aには、一対の大径電線管10を同上側管接続壁12aの面積内に接続することが可能となる。
図5に示すように、凹条部10bに係合突条22が係合しているため、大径電線管10に対し、その軸線方向へ移動させる力が作用しても、上下一対の凸条部10aと係合突条22との当接によりその移動が防止される。また、抜け止め部23の厚みは、凹条部10bの開口幅より長いため、大径電線管10に対して挿入開口21方向へ移動させる力が作用しても、一対の抜け止め部23が大径電線管10(凸条部10a)の外面に当接して大径電線管10が挿入開口21側へ容易に移動することが防止される。大径電線管10の端面が、膨出部19を形成する左側壁12cの内面に当接するため、大径電線管10がボックス本体13内へ必要以上に入り込むのを防止することができる。
さて、一対の大径電線管10が配線ボックス11に接続された状態で、各大径電線管10内にケーブル(図示せず)が挿通された後、図6に示すように、配線ボックス11の前面に壁材28が立設される。そして、配線ボックス11に配線器具29を取付けるには、まず、ボックス本体13の内周面に沿って鋸等の切断工具(図示せず)を移動させ、ボックス本体13の開口と同形状をなす器具設置孔30を壁材28に穿設する。前記切断工具を左側壁12cの内側面に沿ってコーナ部側へ移動させるとき、空間部S2の上下方向への開口幅は、前記切断工具の刃部の幅より短いため、切断工具の刃部の先端が、上側管接続壁12a又は下側管接続壁12bの内面に速やかに当接する。そのため、膨出部19が形成された位置では、空間部S2内に切断工具の刃部が入り込まず、左側壁12cの中央部の内側面の延長線に沿って移動される。その結果、前記器具設置孔30は、膨出部19が形成されていない配線ボックス11の開口と同形状に穿設され、その開口幅が55mmとなる。
そして、器具設置孔30から前記ケーブルを壁材28の表側へ引出し、そのケーブルを配線器具29に接続する。さらに、保持枠31に配線器具29を保持させ、その保持枠31を配線ボックス11の前面側に取付ける。最後に、図6に2点鎖線に示すように、器具設置孔30を被覆するように化粧プレート32を壁材28の表面に取付けると、配線器具29の外周が化粧プレート32に覆われた状態で壁材28に設置される。このとき、器具設置孔30はボックス本体13の開口幅55mmとなるように穿設されている。また、柱16の側面が斜状になっていたり、柱16に対して配線ボックス11が斜め取付けられたりして、ボックス本体13が斜めに設置されることにより、器具設置孔30が斜めに穿設されていても、器具設置孔30全体が幅70mmを有する化粧プレート32により覆われる。
次に、図7に示すように、係合板24を用いて、小径電線管33を配線ボックス11に接続する場合について説明する。大径電線管10を配線ボックス11に接続する場合と異なり、係合板24を使用する。即ち、係合板24の電線管係合部24aと、その電線管係合部24aに相対向する係合突条22を、小径電線管33の凹条部に係合し、三本の小径電線管33を並べた状態で配線ボックス11に接続する。その結果、三本の小径電線管33が配線ボックス11の幅の内側に収まった状態で接続される。このときも、上側管接続壁12aにおいて、膨出部19を形成する部位、さらには、空間部S2を使用することにより、三本の小径電線管33の下端部をボックス本体13内に収容した状態で配線ボックス11に接続することが可能となる。
上記実施形態の配線ボックス11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ボックス本体13の左側の上下両コーナ部に膨出部19を形成し、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bの左端部をそれぞれ左方へ延設した。そして、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bにおいて、その延設された部位を使用することにより、上側管接続壁12aを有効に利用して一対の大径電線管10又は三本の小径電線管33を配線ボックス11に接続することができる。そして、ボックス本体13の左側の上下両部のみが突出しているのみで、配線ボックス11の大きさは、背景技術における二本の電線管を接続可能な配線ボックスとほぼ同サイズである。従って、膨出部19及び上側管接続壁12aにより、配線ボックス11の外郭全体を大型化することなく、上側管接続壁12aを有効に利用して一対の大径電線管10又は三本の小径電線管33を配線ボックス11に接続することができる。
(2)背景技術における二本の電線管を接続可能な配線ボックスと、ほぼ同サイズのボックス本体13の開口と同形状の器具設置孔30が壁材28に穿設される。そのため、大型配線ボックスを用いた場合に穿設される器具設置孔を覆うために大型の化粧プレートを用いる必要が無くなる。その結果、大型化粧プレートを用いることによる配線器具設置作業のコスト高を招くことを防ぐことができるとともに、大型化粧プレートによる壁面の美観の低下も防止することができる。
(3)ボックス本体13の上下左側部に膨出部19を形成し、その膨出部19内の空間部S2と、ボックス本体13内の内部空間S1とを連通させた。そして、空間部S2内に大径電線管10又は小径電線管33の端部の一部を収容させることにより、一対の大径電線管10又は三本の小径電線管33の下端部をボックス本体13内に入り込ませて配線ボックス11に接続することができる。そして、大径電線管10又は小径電線管33の下端部が、それらの軸方向に沿った一定長さ分だけボックス本体13内に入り込むため、大径電線管10又は小径電線管33を配線ボックス11から容易に抜け出ることを防止することができる。また、空間部S2内に配設された大径電線管10又は小径電線管33の下端が、膨出部19を形成する左側壁12cの内底面に当接するため、大径電線管10又は小径電線管33がボックス本体13内へ必要以上に入り込むのを防止することができる。
(4)ボックス本体13の左上下両コーナ部のみに膨出部19を形成した。従って、ボックス本体13の外郭全体を拡大した大型配線ボックスを利用して配線器具29を設置する場合と異なり、配線ボックス11の設置スペースが狭くても、その配線ボックス11を用いて配線器具29を壁材28に設置することができる。
(5)ボックス本体13の内側面のうち、左側の上下両部のみが空間部S2となるように凹設されている。そして、器具設置孔30を壁材28に穿設するためボックス本体13の内面に沿って切断工具を移動させたとき、空間部S2と対応する部位のみ切断工具の移動を留意すればよく、さらに、その空間部S2の幅は狭いため、その空間部S2内に切断工具を侵入させることなく壁材28を切断することができる。従って、器具設置孔30が拡大される不具合を防止することができる。
(6)上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bには、それらの長さ方向へ延びるように接続長孔20が形成されている。従って、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに、大径電線管10又は小径電線管33を接続するための円孔を穿設した場合と異なり、大径電線管10又は小径電線管33を接続長孔20に沿って位置調節を可能とすることができる。そのため、大径電線管10又は小径電線管33を接続長孔20に沿って移動させ、大径電線管10又は小径電線管33の端部を空間部S2内に確実に入り込ませることができる。
(7)膨出部19を、当接座部14が形成されたボックス本体13の左側のみに形成した。そのため、当接座部14を柱16の側面に当接させてボックス本体13を柱16に固定するとき、膨出部19が柱16の側面に当接する。従って、配線ボックス11を柱16に固定するとき、ボックス本体13の上下端部が柱16側へ傾倒することが防止され、配線ボックス11を柱16に固定する作業を容易かつ速やかに行うことができる。
(8)当接座部14の上下両側に膨出部19を延設した。従って、膨出部19を形成することにより、配線ボックス11の左右方向への最大長さを延長することなく一対の大径電線管10又は小径電線管33を接続可能とすることができる。また、当接座部14が形成された左側壁12cの外面と柱16の側面との間に形成される空間に、膨出部19が配設される。従って、ボックス本体13を柱16に固定する際に形成される空間を有効に利用し、ボックス本体13の左右方向への最大長さを延長することなく上側管接続壁12aを有効利用可能とすることができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 実施形態では、配線ボックス11の上側管接続壁12aに二本の大径電線管10を接続したが、大径電線管10と外径が同径に形成されたアダプタを上側管接続壁12aに二本接続し、それら各アダプタに大径電線管10を接続してもよい。
・ 実施形態では、接続長孔20に二本の大径電線管10を接続したが、接続長孔20に一本の大径電線管10を接続してもよい。
・ 実施形態において、ボックス本体13の上下に管接続壁12a,12bを設けたが、ボックス本体13の上下のいずれか一方のみを管接続壁とし、その管接続壁と左側壁12c及び右側壁12dの少なくともいずれか一方とが連接したコーナ部に膨出部19を形成してもよい。
・ 実施形態において、ボックス本体13の上下に管接続壁12a,12bを設けたが、ボックス本体13の上下のいずれか一方のみを管接続壁とし、その管接続壁と左側壁12c及び右側壁12dとが連接したコーナ部に膨出部19を形成してもよい。このとき、ボックス本体13の右側に形成された膨出部19は実施形態の膨出部19と同様の構成を有している。
・ 実施形態では、空間部S2の上下方向への開口幅を切断工具の刃部の幅より短く形成したが、空間部S2の上下方向への開口幅を、切断工具の刃部の幅と同一に形成してもよい。
・ 実施形態では、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに、接続部としての接続長孔20を形成したが、接続長孔20の代わりに、大径電線管10又はアダプタを接続可能とする孔を一つ又は二つ以上接続部として形成してもよい。このとき、前記孔は、空間部S2の上側に位置するように上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに形成される。このように構成した場合、二本の電線管を接続可能な配線ボックスの管接続壁に前記孔を形成する場合と比較して、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bにおいて、孔が形成されていない部位の面積が広くなる。その結果、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bにおいて、孔間の間隔を十分に確保することができ、膨出部19を形成した部位を有効に利用して強度を高めることができる。特に、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに、小径電線管33を接続可能とする孔を一つ又は二つ以上接続部として形成してもよい。
・ 実施形態では、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに、接続部としての接続長孔20を各管接続壁12a,12bの長さ方向へ延びるように形成したが以下のように変更してもよい。例えば、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bにおいて、ボックス本体13の開口側端縁又は底壁12側端縁から各管接続壁12a,12bの幅方向へ延びる接続孔を接続部として形成してもよい。そして、ボックス本体13の開口側又は底壁12側に挿入開口を形成し、その挿入開口から接続孔内に大径電線管10又は小径電線管33を挿入して、配線ボックス11に大径電線管10又は小径電線管33を接続してもよい。
・ 実施形態では、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに、電線管接続部としての係合板24を形成したが、係合板24を省略してもよい。
・ 実施形態では、本発明を配線ボックス11に具体化したが、本発明を配線器具取付枠に具体化してもよい。この配線器具取付枠は、四角枠状に形成された枠本体を備え、その枠本体の上下に相対向する上壁及び下壁の少なくとも一方が、電線管又はアダプタが接続可能とされる管接続壁として形成されている。また、枠本体の左右には相対向する左側壁及び右側壁が形成されている。さらに、前記枠本体の少なくとも一つのコーナ部には、前記管接続壁が当該枠本体の外側方に延設されているとともに、前記コーナ部を形成する側壁の一部が外側方へ膨出することにより形成された膨出部が設けられている。そして、前記管接続壁に接続される電線管又はアダプタが、その径方向の一部が前記膨出部に配置されるとともに、その内部の全部又は一部が枠本体の内部に臨むように接続可能に形成されている。このように構成した場合、管接続壁の側縁部を利用して、外郭全体を大型化することなく管接続壁を有効に利用することができる。
・ 図8に示すように、膨出部19内の空間の前面を閉鎖部34によって覆ってもよい。このとき、左側壁12cの中央部における内側面の延長線上に閉鎖部34の端縁が位置するように閉鎖部34が設けられる。このように構成した場合、各壁の内面及び閉鎖部34により切断工具をボックス本体13の開口に沿って移動させることができ、ボックス本体13の開口と同形状の器具設置孔30を壁材28に容易に穿設することができる。即ち、切断工具が膨出部19内の空間に侵入するのを閉鎖部34により確実に防止することができる。
・ 実施形態では、膨出部19の突出長さを、当接座部14の突出長さと同一にしたが、当接座部14の外方への突出長さより、膨出部19の突出長さを短くしてもよい。
・ 実施形態では、当接座部14が設けられた左側壁12cに膨出部19を形成したが、当接座部14が設けられていない右側壁12dに膨出部19を形成してもよい。
・ 実施形態では、左側壁12cに当接座部14を設けたが、当接座部14を省略してもよい。又は当接座部14を左側壁12cと右側壁12dの両側壁に形成してもよい。
・ 上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bに連接する左側壁12c及び右側壁12dの上下両端部をそれぞれ外方へ膨出して、ボックス本体13の全てのコーナ部に膨出部19を設けてもよい。
・ 実施形態では、大径電線管10を凹凸状に形成したが、円筒状をなし、外面が平滑に形成された大径電線管10を用いてもよい。
・ 実施形態では、構造物としての柱16に配線ボックス11を固定したが、構造物としてのH型鋼、鉄骨、壁材等に配線ボックス11を固定してもよい。
・ 実施形態において、上側管接続壁12a及び下側管接続壁12bの左端部に、ボックス本体13の上下方向へ突出する当接座部を形成し、その当接座部に固定孔15を形成してもよい。
・ 実施形態では、大径電線管10の内部の一部が空間部S2内に入り込むように、膨出部19の奥行きが設定されていたが、膨出部19の奥行きを実施形態より短くしてもよい。例えば、大径電線管10の管壁の厚みと、左側壁12cの内面が左側方へ延びる長さとを同じにし、大径電線管10の端部が膨出部19の空間部S2内に収容された状態で、大径電線管10の内部全体が空間部S2内に臨むようにしてもよい。
・ 実施形態では、各膨出部19の内側に空間部S2を形成したが以下のように変更してもよい。図9に示すように、上側管接続壁12aを延設した状態で、その上側管接続壁12aの左端縁から下面に沿って左側壁12cが延びるように形成して、膨出部19の内側に空間部S2が形成されていなくてもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記管接続壁には、大径電線管又は前記大径電線管より小径な小径電線管を接続するための接続部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線ボックス。このように構成した場合、管接続壁には、大径電線管と小径電線管といった寸法の異なる二種類の電線管を接続することができる。
(2)前記大径電線管を管接続壁に接続するための接続部は接続長孔により形成され、当該接続長孔はその長さ方向が管接続壁の長さ方向に沿って延び、膨出部にまで達するように形成されていることを特徴とする前記技術的思想(1)に記載の配線ボックス。このように構成した場合、管接続壁に、大径電線管を接続するための円孔を穿設する場合と異なり、大径電線管の管接続壁における位置を調節可能とすることができる。そのため、大径電線管を移動させ、大径電線管の端部を膨出部に確実に配置させることができる。
(3)前記空間部と内部空間とが連通する位置において、前記空間部の上下方向への開口幅は、ボックス本体の前面に立設された壁材をボックス本体の開口と同形状に切断する切断工具の刃部の幅より短く形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線ボックス。このように構成した場合、切断工具をボックス本体の内側面に沿ってコーナ部側へ移動させるとき、切断工具の刃部の先端が、管接続壁の内面に速やかに当接する。そのため、膨出部が形成された位置では、膨出部内に切断工具の刃部が入り込まず、側壁の内側面の延長線に沿って移動される。従って、ボックス本体の開口と同形状の開口を壁材に穿設することができ、同開口が大きくなったり、斜状に穿設されるといった不具合の発生を防止することができる。
(4)前記管接続壁には、JISC8411に規格された呼び16mmの電線管を三本接続することが可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線ボックス。このように構成した場合、ボックス本体全体を大型化することなく、管接続壁に接続可能な電線管又はアダプタを増加することができる。
(5)前記管接続壁には、JISC8411に規格された呼び22mmの電線管を二本接続することが可能であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の配線ボックス。このように構成した場合、ボックス本体全体を大型化することなく、管接続壁に接続可能な電線管を大径化することができる。
(6)前面に開口を有する有底箱状に形成されたボックス本体を備えた配線ボックスであって、前記ボックス本体の上下に相対向する上壁及び下壁の少なくとも一方が、電線管又はアダプタが接続可能とされる管接続壁として形成されているとともに、ボックス本体の左右には相対向する側壁が形成され、前記ボックス本体の少なくとも一つのコーナ部には、前記管接続壁が当該ボックス本体の外側方に延設されているとともに、前記コーナ部を形成する側壁の一部が外側方へ膨出することにより形成された膨出部が設けられ、前記管接続壁に接続された電線管又はアダプタが、その径方向の一部が前記膨出部に配置されるとともに、その内部の全部又は一部がボックス本体の内部に臨むように接続可能に形成され、前記膨出部が形成された側壁には、ボックス本体を建物の構造物に固定するとき、同構造物に当接する当接座部が外側方に突設されていることを特徴とする配線ボックス。このように構成した場合、構造物に当接座部を当接させてボックス本体を固定したとき、当接座部が形成された側壁の外面と構造物の側面との間に形成される空間に、膨出部が設けられる。従って、ボックス本体を構造物に固定する際に形成される空間を有効に利用し、ボックス本体の左右方向への最大長さを延長することなく管接続壁を有効に利用することが可能となる。
実施形態の配線ボックスを示す斜視図。 (a)は実施形態の配線ボックスを示す平面図、(b)は配線ボックスの接続長孔を示す図2(a)のb−b線断面図。 配線ボックスを示す側面図。 配線ボックスに大径電線管が接続された状態を示す正面図。 配線ボックスに一対の大径電線管が接続された状態を示す平面図。 壁材裏の配線ボックスを示す正面図。 配線ボックスに三本の小径電線管を接続した状態を示す平面図。 別例の配線ボックスを示す正面図。 別例の配線ボックスを示す部分正面図。
符号の説明
S1…内部空間、S2…空間部、10…大径電線管、11…配線ボックス、12a…管接続壁としての上側管接続壁、12b…管接続壁としての下側管接続壁、12c…側壁としての左側壁、12d…側壁としての右側壁、13…ボックス本体、14…当接座部、16…構造物としての柱、19…膨出部、33…小径電線管、34…閉鎖部。

Claims (3)

  1. 前面に開口を有する有底四角箱状に形成されたボックス本体を備えた配線ボックスであって、
    前記ボックス本体の上下に相対向する上壁及び下壁が、電線管又はアダプタが接続可能とされる管接続壁として形成されているとともに、ボックス本体の左右には相対向する側壁が形成され、
    前記相対向する側壁の一方には、ボックス本体を建物の構造物に固定するとき、同構造物に当接する当接座部が外側方に突設され、当該当接座部が突設された側壁側の前記ボックス本体の上下両コーナ部には、前記管接続壁が当該ボックス本体の外側方に延設されているとともに、前記上下両コーナ部を形成する前記当接座部が突設された側壁の上部及び下部が外側方へ膨出することにより形成された膨出部が設けられ、
    前記膨出部の外側方への突出長さは、前記構造物に対してボックス本体が傾くことがなく、前記当接座部が構造物に当接した状態が維持されるように前記当接座部の外側方への突出長さと同一又は若干短く形成され、
    前記管接続壁に接続された電線管又はアダプタが、その径方向の一部が前記膨出部に配置されるとともに、その内部の全部又は一部がボックス本体の内部に臨むように管接続壁に接続可能に形成されていることを特徴とする配線ボックス。
  2. 前記膨出部の内側には、ボックス本体の内部空間と連通し、前記管接続壁に接続された電線管又はアダプタの軸方向の一部が入り込むことを許容する空間部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の配線ボックス。
  3. 前記空間部はその前面に形成された閉鎖部により閉鎖され、前記側壁における前記当接座部が形成される部分の内側面の前記ボックス本体の上壁側及び下壁側への延長線上に閉鎖部の端縁が位置するように閉鎖部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の配線ボックス。
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