JP4127444B2 - 放射線固体検出器 - Google Patents

放射線固体検出器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部を有し、該蓄電部に放射線画像情報を静電潜像として記録することができる放射線固体検出器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療用放射線撮影等において、被験者の受ける被爆線量の減少、診断性能の向上等のために、X線等の放射線に感応するセレン板等の光導電体を有する放射線固体検出器(静電記録体)を感光体として用い、該検出器にX線を照射し、照射された放射線の線量に応じた量の電荷を検出器内の蓄電部に潜像電荷として蓄積せしめることにより、放射線画像情報を静電潜像(電荷パターン)として記録し、レーザビーム或いはライン光でこの検出器を走査することにより、該検出器から前記放射線画像情報を読み取る方法が知られている。
【0003】
また、潜像電荷を蓄電部に効率よく蓄積させるために、マイクロプレート(微小導電部材)や異方性導電層を設けた検出器も提案されている(例えば、米国特許第5166524号、同第4535468号、同第3069551号、欧州特許第0748115A1号(対応する特開平9−5906号)、特開平6−217322号等)。
【0004】
上記米国特許第5166524号に提案されている検出器は、最小の分解可能な画素サイズと略同サイズの導電マイクロプレートを、検出器の表面に設け、このマイクロプレートにより、検出器上の固定位置に画素を形成するようにしたものである。この検出器を使用して静電潜像を記録し読み取る場合には、全マイクロプレートに接触する一枚板の電極を検出器の表面に配置し、この電極に電圧を印加し電界をかけた状態でX線を照射して潜像電荷を蓄電部に蓄積せしめ記録を行った後、一枚板の電極を取り除いて、各マイクロプレートから信号を取り出す。
【0005】
また、上記米国特許第4535468号に提案されている検出器は、X線光導電層、トラップ層、および読取用光導電層をこの順に有する3層構成からなる検出器であって、X線光導電層で発生した電荷を蓄積する蓄電部をトラップ層により形成するようにしたものである。この検出器を使用して静電潜像を記録し読み取る場合には、3層の両側に設けられた電極間に高圧を印加しX線を照射して潜像電荷を蓄電部に蓄積せしめ記録を行った後、電極をショートして潜像電荷を読み出す。
【0006】
また、上記米国特許第3069551号に提案されている検出器は、検出器内部に異方導電層を設け、該異方導電層により蓄電部を形成するようにしたものであり、上記米国特許第4535468号に提案されている検出器と略同様のものである。
【0007】
また、欧州特許第0748115A1号に提案されている検出器は、検出器内部に画素サイズより極めて小さいマイクロスポットを多数配置した導電マイクロスポット層を設け、マイクロスポットに潜像電荷を蓄積させるようにしたものである。
【0008】
さらに、上記特開平6−217322号に提案されている検出器は、導電層、X線光導電層、誘電体層、および画素に対応する多数のマイクロプレートを具備する電極層が積層され、各マイクロプレートに電荷読出用のTFT(薄膜トランジスタ)が接続されてなるものである。この検出器から静電潜像を読み取る場合には、TFTを走査駆動して、蓄電部に蓄積された潜像電荷を検出器の外部に読み出す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記米国特許第5166524号や特開平6−217322号に提案されている検出器は、上述のように、マイクロプレートを設けることにより、検出器上の固定位置に画素を形成することができるが、米国特許第5166524号の検出器は、一枚板の電極を検出器の表面に配置して記録を行った後、この一枚板の電極を取り除いて信号を取り出さなければならず、記録および読取りの操作が面倒であり、また、特開平6−217322号の検出器は、マイクロプレートを具備する電極層内に、電荷読出用のTFTを設ける必要があり、検出器の構造が複雑になり、検出器の製造コストが高くなるという問題がある。
【0010】
一方、米国特許第4535468号、第3069551号および欧州特許第0748115A1号に提案されている検出器は、検出器内部に設けたトラップ層等によって蓄電部を形成するようにしたものであるが、トラップ層等は画素毎に各別に電荷を蓄積するというものではなく、固定位置に画素を形成することができず、位置依存性のあるアーチファクト(ストラクチャノイズ)の補正が適正にできないという問題がある。
【0011】
なお、この米国特許第4535468号等においても、電極をストライプ電極とすると共に、読取光としてライン光を用い、該ライン光でストライプ電極のエレメントを長手方向に走査することで、エレメントの並び方向については、固定位置に画素を形成することができるが、エレメントの長手方向には画素サイズで分割されている訳ではないので、長手方向についての固定位置に画素を形成することができず、鮮鋭度の異方性が生じる。
【0012】
また、上記文献に記載の検出器は、何れも、潜像電荷を画素単位で同電位化させることが困難であり、画素周辺部の潜像電荷を十分に放電させることができず、画素周辺部の情報が取り出しにくい場合がある。
【0013】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、検出器上の固定位置に画素を形成することができ、また、画素周辺部の潜像電荷を十分に放電させることができる放射線固体検出器を提供することを目的とするものである。
【0014】
また、検出される画像の鮮鋭度を向上させることができる検出器を提供することを目的とするものでもある。
【0015】
さらに、TFTを使用せず検出器の構造を簡易なものとし製造コストを高めることがないようにすると共に、簡易な方法で記録や読取りを行うことができる放射線固体検出器を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による放射線固体検出器は、第1の電極層と、照射された放射線または該放射線の励起により発せられる光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と、第2の電極層とをこの順に有し、放射線の線量または前記光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が記録用光導電層の表面近傍に形成されて成り、該蓄電部に放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器であって、
蓄電部に、潜像電荷を同電位化せしめる導電部材が、静電潜像の画素毎に、各別に設けられ、且つ電気的に非接続状態とされていることを特徴とするものである。
【0017】
ここで「画素毎に」設けられているとは、潜像電荷を同電位化させ、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に集中させることができるように、各画素に、好ましくは1つの導電部材が設けられることを意味し、1画素に対して多数の導電部材がランダムに設けられ、読出時に画素周辺部の電荷を画素中央部に集中させることができない態様のものは含まない。
【0018】
「各別に設けられ、且つ電気的に非接続状態とされている」とは、各導電部材が、他の画素との間では、離散した状態、つまり、接続されないフローティング状態で配設され、また記録過程や読取過程においても、オープンに保たれるように配設されていることを意味する。なお、1画素に対して複数の導電部材を設ける場合には、1画素分の部材間を電気的に接続しておくのが好ましい。
【0019】
この導電部材のサイズは、画素ピッチと略同一に設定するのが好ましい。或いは、画素ピッチに対して小さく設定する、例えば1/2以下にすると共に、画素中央部に配置することにより、潜像電荷を画素中央部に集中させるようにしてもよい。導電部材のサイズとは、例えば、円形状の導電部材の場合には直径であり、方形状の導電部材の場合には各辺の長さである。なお、導電部材の形状は、円形、方形等どのような形状であってもよい。
【0020】
「記録用光導電層の表面近傍」とは、記録用光導電層と他の層との略界面、および該他の層も含む意味である。
【0021】
本発明による放射線固体検出器の、第1および/または第2の電極層の電極がストライプ電極である場合には、導電部材が、該ストライプ電極によって規定される画素位置に対応するように配設されているものであることが望ましい。
【0022】
「ストライプ電極」とは、多数の線状電極が配列されて成る電極を意味する。「線状電極」とは、全体として細長い形状の電極を意味し、細長い形状を有している限り、円柱状のものや角柱状のもの等どのようなものであってもよいが、特に、平板電極とするのが好ましい。また、静電潜像形成プロセスや電荷再結合プロセス等に影響を与えないように、この線状電極に対して、さらに丸や角等任意の形状の穴を画素に対応させて設けたり、長手方向に延びた長穴を設ける等してもよい。
【0023】
「ストライプ電極によって規定される画素位置に対応するように配設されている」とは、ストライプ電極の線状電極の並び具合によって規定される画素位置に対応するように配設されていることを意味する。例えば、いずれか一方の電極層の電極がストライプ電極である場合には、線状電極の略真上または真下に配設される。また、両電極層の電極がストライプ電極であって、且つ両者の線状電極が互いに対向するように配列されている場合には、両者の対応する線状電極に挟まれる位置に配設する。さらに両電極層の電極がストライプ電極であって、且つ両者の線状電極が互いに交差するように配列されている場合には、該交差する位置に配設する。さらにまた、両電極層以外の、例えば記録用光導電層内に新たなストライプ電極が設けられる場合には、この新たなストライプ電極との関係において、挟まれる位置或いは交差する位置に配設する。
【0024】
本発明による放射線固体検出器は、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が蓄電部を形成するものであってもよい。この場合、導電部材は、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に設けるのが好ましい。
【0025】
また、本発明による放射線固体検出器は、潜像電荷を捕捉するトラップ層を有し、該トラップ層が蓄電部を形成するものであってもよい。この場合、導電部材は、記録用光導電層とトラップ層との界面に設けるのが好ましい。
【0026】
本発明による導電部材を適用し得る検出器は、電極層に挟まれた記録用光導電層を有するものであればどのようなものであってもよく、記録用光導電層以外の層を有するものであってもよい。また、潜像電荷を検出器の外部に取り出して静電潜像を読み取る方法として、スイッチ切換えに応じて電荷を取り出す電気読出方式と、読取用の電磁波を検出器に照射して電荷を取り出す光読出方式があるが、本発明を適用し得る検出器は、これらの内の何れの方式を採る検出器であってもよい。
【0027】
また、本発明による検出器を使用して放射線画像の記録や読取りを行うに際しては、本発明による導電部材が設けられていない検出器を用いた従来の記録方法および装置を変更することなく、そのまま利用することができる。なお、本発明を光読出方式の検出器に適用する場合には、少なくとも、導電部材が設けられている位置に読取用の電磁波を照射するのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明による放射線固体検出器によれば、検出器内の蓄電部に、画素毎に、各別に、導電部材を設けるようにしたので、該導電部材上に蓄積された、各画素毎の潜像電荷を同電位化させることが可能となり、導電部材がない場合に較べて、読出効率を改善することができる。これは、導電部材の範囲内では潜像電荷の電位が一定に保たれるため、一般に読み出しにくい画素周辺部の潜像電荷を、導電部材内である限り読出しの進行に応じて、導電部材中央部、すなわち画素中央部に移動せしめることができ、潜像電荷をより十分に放電させることができるからである。
【0029】
また、画素を導電部材が配設された固定位置に形成することが可能となり、ストラクチャーノイズの補正を行うことも容易となる。
【0030】
さらに、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると共に、画素中央部に配置すれば、記録時に形成される電界分布を該導電部材に引き寄せられた分布形状にすることができるから、潜像電荷を画素中心部に集中させて蓄積させることも可能となり、画像の鮮鋭度を向上させることもできる。
【0031】
また、この導電部材を設けると、電荷輸送層やトラップ層がなくても潜像電荷を蓄積させることができるので、素子形成が容易である。
【0032】
なお、電荷輸送層やトラップ層が設けられた検出器に導電部材を設けた場合には、これら各層による電荷蓄積効果を利用することもできる。すなわち、導電部材のサイズを画素ピッチより小さく設定すると、これら各層が設けられていない場合には、導電部材に捕捉されない電荷は潜像電荷として蓄積され得ず、鮮鋭度の向上には効果があるが蓄積電荷量が少なくなるという問題を生じ得るのに対して、各層によって電荷を潜像電荷として蓄積せしめることにより、蓄積電荷量を少なくすることなく、鮮鋭度の向上を図ることができる。
【0033】
また、導電部材をフローティング状態としたままで、記録および読取りを行うことができるので、導電部材上の電荷を読み出すためにTFTを設ける必要がなく、各層を積層した簡易な構造の検出器とすることが可能となり、製造コストを低くすることができる。
【0034】
また、導電部材が設けられていない、従来の検出器と同様の装置を利用することができるので、本発明を適用することによって、記録および読取りの方法や装置を複雑化させることがない。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0036】
図1は本発明による第1の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)はQ矢指部のXZ断面図、図1(C)はP矢指部のXY断面図である。また、図2は、第1の実施の形態による放射線固体検出器を使用して、放射線画像情報を記録したり読み取ったりする放射線画像撮影読取装置の主要部の概略構成を示す図である。
【0037】
この放射線固体検出器10は、放射線画像情報を静電潜像として記録し、読取用の電磁波(以下読取光という)L3で走査されることにより、該検出器10の蓄電部19に蓄積されている潜像電荷の量、換言すれば静電潜像に応じた電流を外部に出力するものである。すなわち、図1に示すように、被写体を透過したX線等の記録用の放射線(以下記録光という)L2に対して透過性を有する第1電極層11、記録光L2の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層12、潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、且つ潜像電荷と逆極性の輸送電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層13、読取光L3の照射を受けることにより導電性を呈する読取用光導電層14、読取光L3に対して透過性を有する第2電極層15を、この順に積層してなるものである(より詳しくは、本願出願人による特願平10−232824号記載の静電記録体を参照)。記録用光導電層12と電荷輸送層13の略界面に蓄電部19が形成され、記録時に記録用光導電層12内で発生した正負の電荷対の内の負電荷が潜像電荷として蓄電部19に蓄積される。なお、電荷輸送層13と読取用光導電層14との厚さの合計は、記録用光導電層12の厚さよりも小さく設定する。
【0038】
第2の電極層15の電極は、多数のエレメント(線状電極)16aをストライプ状に配列したストライプ電極16として形成されている。エレメント16aの間15aは、例えば、カーボンブラック等の顔料を若干量分散させたポリエチレン等の高分子材料を充填したものとし、読取光L3に対して遮光性を有するものとされている。
【0039】
記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19には、多数の方形のマイクロプレート18が、隣接したマイクロプレート18間に間隔を置いて、各別に、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に、夫々が画素に対応するように配設されている。各マイクロプレート18の各辺の長さは、画素ピッチと略同じに設定されており、エレメント16aの長手方向は、画素ピッチで配設されている。また、各マイクロプレート18は、離散した状態、つまり、何処にも接続されない、フローティング状態とされる。
【0040】
マイクロプレート18は、例えば、真空蒸着または化学的堆積を用いて誘電層上に堆積され、金、銀、アルミニウム、銅、クロム、チタン、白金等の単一金属や酸化インジウム等の合金で、極めて薄い膜から作ることができる。該マイクロプレート18は、連続層として堆積させることができ、連続層は次にエッチングされて、解像可能な最小の画素と同一の範囲の寸法を持つ複数の個々の離散マイクロプレートとして形成される。この離散マイクロプレートはレーザーアプレーションまたはホトエッチング等光微細加工技術を利用して作ることもできる(”Imaging Procesing &Materials”Chapter 18の”Imaging for Microfabrication”(J.M.Shaw,IBM Watson Research Center)参照)。
【0041】
放射線画像撮影読取装置110は、図2に示すように、検出器10と、放射線画像情報が静電潜像として記録された検出器10から放射線画像情報を担持する画像データを取得する画像データ取得手段としての読取部50と、被写体に向けてX線等の放射線を発する放射線源90と、ライン状の読取光L3を発する読取光源92aを有する読取光照射手段92とから構成されている。
【0042】
読取光照射手段92は、ライン状に略一様な読取光L3を、ストライプ電極16の各エレメント16aと略直交させつつ、エレメント16aの長手方向に、一方の端から他方の端まで走査露光するものである。読取光L3を発する読取光源92aとしては、細長い形状のLED等を用いることができ、読取光照射手段92は、このLEDを検出器10に対して、相対的に移動させることによって、読取光L3を走査するものとすればよい。また、液晶や有機EL等の読取光源としての面状光源を検出器10と一体的に構成し、ライン状の読取光を電気的に走査するものとしてもよい(より詳細には、本願出願による特願平10−271374号参照)。なお、ライン状の読取光に限らず、ビーム光で各エレメント16aを順次主走査方向に走査するようにしてもよい。
【0043】
また、読取光L3としては、連続的に発せられる連続光であってもよいし、パルス状に発せられるパルス光であってもよいが、高出力のパルス光の方がより大きな電流を検出することができ、潜像電荷量が少ない画素であっても十分に大きな電流として検出することができるようになるので、画像のS/Nを飛躍的に改善することができ、有利である。但しパルス光を使用する場合には、マイクロプレート18が配置された位置に対応する読取用光導電層14に、該パルス光が入射するようにする。
【0044】
読取部50は、図2(B)に示すように、オペアンプ51a、積分コンデンサ51b、およびスイッチ51cから構成される電流検出アンプ51を多数有している。ストライプ電極16の各エレメント16aが、それぞれ各別に、オペアンプ51aの反転入力端子(−)に接続されている。読取部50には、A/D変換部60が設けられており、各電流検出アンプ51の出力である画像信号SがA/D変換部60に入力されている。また、読取部50は検出器10の両電極層11,15の間に所定の電圧を印加する電源52とスイッチ53とを有している。
【0045】
電極層11の電極はスイッチ53の一方の入力aおよび電源53の負極に接続されており、電源52の正極はスイッチ53の他方の入力bに接続されている。スイッチ53の出力は各オペアンプ51aの非反転入力端子(+)に共通に接続されている。なお、電流検出アンプ51の構成としては、本例に限らず、周知の構成を種々適用することが可能である。また、電流検出アンプ51の構成によっては、電源52およびスイッチ53並びに各エレメント16aとの接続態様が、この実施の形態とは異なるものとなる。
【0046】
以下、上記構成の放射線画像撮影読取装置110において、放射線画像情報を静電潜像として検出器10に記録し、この記録された検出器10から静電潜像を読み取り、放射線画像情報を担持する画像データを取得する方法について簡単に説明する(より詳細には、本願出願人による特願平10−232824号参照)。
【0047】
最初に静電潜像記録過程について、図3に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録光L2によって光導電層12内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0048】
上記構成の装置110において、検出器10に静電潜像を記録する際には、先ずスイッチ53をb側に切り換え、電極層11の電極とストライプ電極16との間に直流電圧を印加し、両者を帯電させる。これにより、電極層11の電極とストライプ電極16との間には略Uの字状の電界が形成され、光導電層12の大部分の所は概略平行な電場が存在するが、光導電層12と電荷輸送層13との界面、すなわち蓄電部19には電界が存在しない部分が生じる。
【0049】
次に放射線L1を被写体9に爆射し、被写体9の透過部9aを通過した被写体9の放射線画像情報を担持する記録光L2を検出器10に照射する。すると、検出器10の記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し、その内の負電荷が上述の電界分布に沿って蓄電部19に移動する(図3(B))。
【0050】
蓄電部19には、マイクロプレート18が配設されており、光導電層12中を移動してきた負電荷はマイクロプレート18に捕捉されて停止し、この蓄電部19において、マイクロプレート18上に負電荷が潜像電荷として蓄積される(図3(C))。
【0051】
一方、記録用光導電層12内で発生した正電荷は電極層11に向かって高速に移動し、電極層11と光導電層12との界面で電源52から注入された負電荷と電荷再結合し消滅する。また、記録光L2は被写体9の遮光部9bを透過しないから、検出器10の遮光部9bの下部にあたる部分は何ら変化を生じない(図3(B),(C))。
【0052】
蓄電部19のマイクロプレート18上に蓄積される潜像電荷(負電荷)の量は被写体9を透過し検出器10に入射した放射線の線量に略比例するので、この潜像電荷が被写体像を表す静電潜像を担持することとなり、該静電潜像が検出器10に記録される。なお、マイクロプレート18上に潜像電荷が蓄積されるので、主走査および副走査の両方について潜像電荷の蓄積位置、すなわち固定位置に画素を形成することができる。
【0053】
次に静電潜像読取過程について、図4に示す電荷モデルを参照しつつ説明する。なお、記録過程と同様に、読取光L3によって読取用光導電層14内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0054】
検出器10から静電潜像を読み取る際には、先ずスイッチ53をa側に切り換えて電極層11の電極側に接続して、読取光源92aからライン状の読取光L3を発し、この読取光L3でストライプ電極16のエレメント16aの長手方向に光学的に走査する(図4(A))。なお、暗電流等、オフセット電流の影響を低減するために、読取光L3をパルス状に照射する場合には、マイクロプレート18のある位置で、読取光L3が照射されるように走査の同期をとる。
【0055】
この読取光L3による走査により、走査位置に対応する読取光L3が入射した読取用光導電層14内に正負の電荷対が発生し(図4(B))、その内の正電荷が蓄電部19に蓄積された潜像電荷に引きつけられるように電荷輸送層13内を急速に移動し、蓄電部19で潜像電荷と電荷再結合し消滅する一方、読取用光導電層14に生じた負電荷は電極層11の電極およびストライプ電極16の正電荷と電荷再結合し消滅する(図4(C))。この電荷再結合の際には、電荷の移動に伴って検出器10内に電流が流れる。各電流検出アンプ51は、各エレメント16a毎に、オペアンプ51aのイマジナリショートを介して流れる電流を同時(並列的)に検出する。この読取りの際に検出器10内を流れる電流の量は、潜像電荷の量すなわち静電潜像に応じたものであるから、電流検出アンプ51の出力端子の電圧が電流量に応じて変化し、この電圧変化を静電潜像を担持する画像信号Sとして取得することによって静電潜像を読み出すことができるようになる。 各電流検出アンプ51から出力された画像信号Sは、A/D変換部60に入力され、デジタル化された画像データDが不図示のデータ処理部に入力されて所定の画像処理が施され、この処理後のデータが不図示の画像表示手段に入力され、該画像表示手段上に可視画像として表示される。
【0056】
ここで、蓄電部19にはマイクロプレート18が設けられているので、読取過程(電荷再結合過程、放電過程)においては、マイクロプレート18外周部の潜像電荷を、マイクロプレート18の中心部に引き寄せることが可能となり、潜像電荷をより十分に放電させることができ、読残しが少なくなる。図5は、読取過程において、マイクロプレート18を設けた場合の効果を説明する図であって、図5(A),(B)はマイクロプレート18が設けられていない従来の検出器の場合の図、図5(C),(D)はマイクロプレート18が設けられている本発明による検出器の場合の図である。
【0057】
図5に示すように、読取光L3は、エレメント16aを通して読取用光導電層14内に入射し、読取用光導電層14内で、正負の電荷対を発生せしめる。発生した電荷のうちの正電荷と蓄電部19の潜像電荷との電荷再結合に際しては、エレメント16aに対向する近接した位置の電荷から順次結合される。つまり、読取り始めには、画素中央部の負電荷が電荷再結合により消滅し、順次外側の電荷との間で再結合が行われるようになる(図5(A))。マイクロプレート18が設けられていない場合には、蓄電部19の潜像電荷が同電位化されるということがなく、潜像電荷は蓄積された位置に留まったままである。このため、読取りの経過と共に、次第にエレメント16aから遠い位置の電荷を読取りにくくなり、場合によっては、最終過程において読残しが生じ得る((図5(B))。
【0058】
一方、マイクロプレート18が設けられている場合にも、読取り始めには、画素中央部の負電荷が電荷再結合により消滅し、順次外側の電荷との間で再結合が行われるが(図5(C))、マイクロプレート18上に蓄積されている電荷は、常に同電位に保持することが可能となる。したがって、読取りの経過と共に、潜像電荷が漸次マイクロプレート18の中央部、すなわちに画素中央部に移動し得るので、最終過程においても、最も放電効率のよいマイクロプレート18と第2導電層15すなわちストライプ電極16との最近接領域である画素中央部において、潜像電荷との間で電荷再結合させ、容易に放電を続けることができ、読残しが生じない(図5(D))。
【0059】
図6は、本発明による第2の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図6(A)は斜視図、図6(B)はQ矢指部のXZ断面図、図6(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図6においては、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この検出器10cを使用する撮影読取装置としては、上述した装置120を使用することができる。
【0060】
第2の実施の形態による検出器10aは、マイクロプレート18の各辺の長さが、画素ピッチより短く、エレメント16aの配列ピッチの1/2以下に設定されているものである。各マイクロプレート18は、図6(B),(C)に示すように、エレメント16aの真下、すなわち画素中央部であって、エレメント16aの長手方向は、画素ピッチで配設されている。
【0061】
検出器10aを使用する場合における、静電潜像記録過程の電荷モデルを図7に示し、静電潜像読取過程の電荷モデルを図8に示す。
【0062】
記録過程においては、蓄電部19には、ストライプ電極16の各エレメント16aに対応して、画素ピッチより小さなマイクロプレート18が設けられているので、蓄電部19近傍では、Uの字状の電界がさらにマイクロプレート18、すなわち画素中央部に集中する。このため、図7(A)の矢印Zで示すハッチング部のように、蓄電部19には電界が存在しない部分が、大きく生じる。
【0063】
記録用光導電層12内で発生する負電荷は、この電界分布に沿ってマイクロプレート18に集中せしめられるように移動する(図7(B))。そして、光導電層12中を移動してきた負電荷がマイクロプレート18に捕捉されて停止し、マイクロプレート18上に蓄積される。また、電荷転送層13は電極層11に帯電した電荷と同じ極性の電荷(本例では負電荷)、すなわち潜像電荷に対して絶縁体として作用するものであるから、光導電層12中を移動してきた負電荷のうち、マイクロプレート18に捕捉されなかった電荷が、光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19で停止する。これにより、蓄電部19においては、マイクロプレート18上だけでなく、その周辺部にも電荷が蓄積され、結果として、マイクロプレート18を中心として、負電荷が潜像電荷として蓄積される(図7(C))。
【0064】
このように、検出器10aにおいては、マイクロプレート18を中心として潜像電荷が蓄積されるので、主走査および副走査の両方について固定位置に画素を形成することができると共に、両走査方向について、高い鮮鋭度(空間解像度)をもって静電潜像を記録することができる。
【0065】
一方、読取過程においては、上述した検出器10と同様に、マイクロプレート18の中央部の潜像電荷から順次消滅する。検出器10aのマイクロプレート18は、検出器10のマイクロプレート18よりも小さく、マイクロプレート18上以外の周辺部にも潜像電荷が蓄積されており(図8(A))、この周辺部に蓄積された潜像電荷は、マイクロプレート18上の潜像電荷と、必ずしも同電位にあるとは言えず、読取りが経過してもその位置に留まる。しかしながら、記録過程において、潜像電荷をマイクロプレート18に集中せしめて蓄積しているので、潜像電荷は、マイクロプレート18を設けない場合よりも、より画素中央部に蓄積されるので、読取の最終過程においては読残しの問題が生じる可能性が少なくなる(図8(B),(C))。また、マイクロプレート18上だけでなく、その周辺部にも電荷を蓄積させることができるので、蓄積電荷量を低減させることがなく、読取りによって得られる画像信号のレベルを低減させることもない。つまり、この検出器10aによれば、画像信号レベルを低減させることなく、検出器上の固定位置に画素を形成すると共に、読取効率の改善と鮮鋭度の向上の両立を図ることができる。
【0066】
図9は、本発明による第3の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図9(A)は斜視図、図9(B)はQ矢指部のXZ断面図、図9(C)はP矢指部のXY断面図である。また、図10は、第3の実施の形態による放射線固体検出器を使用する放射線画像撮影読取装置120の主要部の概略構成を示す図である。なお、図9においては、図1および図2に示す第1の実施の形態による検出器10および撮影読取装置110の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。
【0067】
この第3の実施の形態による検出器10bは、記録用光導電層12内の電荷輸送層13に近接した位置に、多数のエレメント17aをストライプ状に配列したサブ電極17を有している(より詳細には、本願と同日出願に係る特願平11-87922号参照)。このサブ電極17は、記録用光導電層12と電荷輸送層13との略界面に形成される蓄電部19に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための導電部材である。
【0068】
図11は、エレメント16a、エレメント17aおよびマイクロプレート18の配置関係を示す斜視図である。図示するように、サブ電極17の各エレメント17aは、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に位置し、互いに向き合うように配設されている。また、マイクロプレート18は、エレメント16aとエレメント17aとが対向する位置に挟まれ、且つ、長手方向には、画素ピッチで配列される。
【0069】
サブ電極17は、導電性を有するものであればよく、金、銀、クロム、白金等の単一金属や、酸化インジウム等の合金から作ることができる。
【0070】
各エレメント17aの形状は、全体として細長い形状を有している限り、円柱状のものや角柱状のもの等どのようなものであってもよいが、特に、平板電極とするのがよい。また、図11(A)に示すようにエレメント17aの幅をエレメント16aの幅よりも狭く設定したり、図11(B),(C)に示すように多数の丸穴や角穴が長手方向の画素に対応する位置に配置されるように設けられた穴あき平板電極としたり、図11(D)に示すように長手方向に延びた1つの長穴が設けられ、長手方向の両端部が結合された長穴あき平板電極としてもよい。このように、エレメント17aをエレメント16aの幅よりも狭くしたり、エレメント17aの長手方向に所定形状の穴を設けることにより、潜像電荷の移動の妨げとならず、蓄電部18,19に蓄積される潜像電荷の潜像形成プロセスに影響を与えないようにすることができる。
【0071】
なお、図9に示すマイクロプレート18は、上記検出器10のものと同じように、各マイクロプレート18の各辺の長さが、画素ピッチと略同じに設定されている。勿論、上記検出器10aのものと同じように、画素ピッチよりも小さくしてもよい。
【0072】
この検出器10bを使用する撮影読取装置120の読取部70は、図10に示すように、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に接続された電流検出アンプ71を多数有している。電流検出アンプ71は、オペアンプ71a,積分コンデンサ71bおよびスイッチ71cから成る。検出器10の電極層11はスイッチ74、75の夫々一方の入力74a,75a、および電源72の負極に接続されている。電源72の正極は、電源73の負極およびスイッチ75の他方の入力75bに接続されている。電源73の正極は、スイッチ74の他方の入力74bに接続されている。各オペアンプ71aの非反転入力端子(+)がスイッチ74の出力に共通に接続され、反転入力端子(−)がエレメント16aに夫々個別に接続されている。スイッチ75の出力はサブ電極17の各エレメント17aに共通に接続されている。
【0073】
スイッチ74,75は、記録時には共にb側に接続され、オペアンプのイマジナリーショートを介して、電極層11とストライプ電極16との間に、電源72,73による所定の印加電圧が印加される。電源73は制御電圧印加手段としても機能するもので、記録時には、この電源73からサブ電極17に制御電圧としての直流電圧が印加される。この印加電圧の大きさは、電極層11とストライプ電極16との間で形成される電界分布、特に記録用光導電層12内の電位勾配が、サブ電極17が設けられていない場合において形成されるべき分布と略同じになるような大きさの電圧に設定し、蓄電部19に潜像電荷を安定して蓄積させることができるようにする。なお、サブ電極17に制御電圧を印加することなく、オープン状態としたまま記録を行うようにしてもよい。
【0074】
一方、読取時には、スイッチ74,75が、共にa側に接続され、ライン状の読取光がストライプ電極16側に露光されることにより、各電流検出アンプ71は、各エレメント16aに流れる電流を、接続された各エレメント16aについて同時(並列的)に検出する。なお、読取部70や電流検出アンプ71の構成は、この例に限定されるものではなく、種々のものを使用することができる(例えば、特願平10−232824号や同10−271374号参照)。
【0075】
なお、本例においては、記録時に、電源73からサブ電極17に直流電圧が印加されるように構成しているが、サブ電極17用の専用電源を、電極層11とストライプ電極16との間に直流電圧を印加する電源とは別個に設け、記録時の電界分布をより好ましい状態に調整するため、所望の波形の制御電圧を印加するようにしてもよい。
【0076】
以下、検出器10bに画像情報を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法について、上記検出器10を使用する場合と異なる点について、簡単に説明する。図12は、上記図4と同様に、潜像電荷読取過程を電荷モデルで示した図である。なお、潜像電荷記録過程を示す電荷モデルは、上記図3と同じと考えてよい。
【0077】
検出器10bに静電潜像を記録する際には、先ずスイッチ74,75を共にb側に切り換え、電極層11とストライプ電極16との間に直流電圧を印加し、両者を帯電させる。このとき、サブ電極17には、上述したように、蓄電部19に潜像電荷を安定して蓄積させるため、光導電層12内の電位勾配を乱さないように電源73から制御電圧が印加されている。これにより、記録時には、光導電層12内で発生した電荷に対しては、サブ電極17が、実質的には、設けられていないのと同じ状態とされている。
【0078】
以下、上記検出器10を使用する場合と同様に、放射線L1を被写体9に爆射すると、記録用光導電層12内で発生する負電荷が、マイクロプレート18上に潜像電荷として蓄積される。つまり、この検出器10bを使用する場合にも、主走査および副走査の両方について、固定位置に画素を形成することができる。
【0079】
検出器10bから静電潜像を読み取る際には、先ずスイッチ74,75を共にa側にして、静電潜像が記録された検出器10bの電極層11とサブ電極17を接続し、またオペアンプ71aのイマジナリショートを介してストライプ電極16とも接続して、これらを同電位に帯電させて電荷再配列を行う(図12(A))。なお、ストライプ電極16の各エレメント16a毎に同時に画像信号を読み出す都合から、全エレメント17aについて、同時に電荷の再配列を行う。この場合、読取光L3の副走査における読出画素位置以外の部分でも、エレメント16aとエレメント17aとが対向するので、信号読出しに寄与しない分布容量が大きくなり、固定ノイズ的には不利である。しかしながら、エレメント17aを切り換えないので、スイッチングノイズが生じることはない。
【0080】
次いで、上記検出器10を使用する場合と同様に、エレメント16aの長手方向に読取光源92aを移動させて、検出器10bの全面を走査露光する。この読取光L3の走査露光により副走査位置に対応する読取光L3が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生する(図12(B))。光導電層14に生じた正電荷は蓄積部19の潜像電荷に引きつけられるように電荷輸送層13の中を急速に移動し、蓄電部19で潜像電荷と電荷再結合をし消滅する(図12(C))。一方、光導電層14に生じた負電荷は電極層11の電極、ストライプ電極16およびサブ電極17の正電荷と電荷再結合し消滅する(図12(C))。
【0081】
次いで、上述の検出器10を使用する場合と同様に、オペアンプ51aのイマジナリショートを介して流れる電流を、各電流検出アンプ51で、各エレメント16a毎に、同時(並列的)に検出することにより、静電潜像を読み出す。
【0082】
ここで、検出器10bには、上記検出器10のものと同様のマイクロプレート18が設けられているので、マイクロプレート18周辺部の潜像電荷を十分に放電させることができ、読取効率の改善を図ることができる。なお、上記検出器10aのものと同様のマイクロプレート18とすれば、さらに鮮鋭度の向上を図ることもできる。
【0083】
なお、検出器10,10aを使用する場合と、検出器10bを使用する場合との違いは、取り出し得る電荷量の違いにある。すなわち、検出器10,10aを使用する場合においては、記録用光導電層12を挟んで電極層11と蓄電部19との間にコンデンサC*aが形成され、電荷輸送層13および読取用光導電層14を挟んで蓄電部19とストライプ電極16(エレメント16a)との間にコンデンサC*bが形成される。電荷再配列の際に、各コンデンサC*a,C*bに配分される正電荷の量Q+a,Q+bは、総計Q+ が潜像電荷の量Q- と同じで、各コンデンサの容量Ca ,Cb に比例した量となる。そして、検出器10の外部に取り出し得る電荷量、すなわち放射線画像情報を表す信号電荷量Qは、コンデンサC*aに配分された正電荷の量Q+aと同じになる。つまり、潜像電荷の量全てを取り出すことができない。
【0084】
一方、検出器10bを使用する場合においては、記録用光導電層12の一部を挟んでサブ電極17(エレメント17a)と蓄電部19との間にもコンデンサC*cが形成され、電荷再配列の際に、各コンデンサC*a,C*b,C*cに配分される正電荷の量Q+a,Q+b,Q+cは、総計Q+ が潜像電荷の量Q- と同じで、各コンデンサの容量Ca ,Cb ,Cc に比例した量となる。そして、検出器10bの外部に取り出し得る信号電荷量Qは、コンデンサC*a,C*cに配分された正電荷の量Q+a,Q+cの合計(Q+a+Q+c)と同じになる。
【0085】
ところで、各コンデンサC*a,C*b,C*cの容量について考えてみると、サブ電極17が記録用光導電層12内の、記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19から距離dだけ離れた位置に設けられ、一方電極層11が距離dよりもはるかに遠距離の位置に設けられているので、記録用光導電層12を介してサブ電極17と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*cの容量Cc は、記録用光導電層12を介して電極層11と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*aの容量Ca よりも十分大きくなる。一方で、サブ電極17を設けても、読取用光導電層14および電荷輸送層13を介してストライプ電極16と蓄電部19との間で形成されるコンデンサC*bの容量Cb には、実質的に大きな影響は現れない。これにより、検出器10bを使用する場合には、コンデンサC*bに配分される正電荷の量Q+bをサブ電極17を設けない場合よりも相対的に少なくすることができる。
【0086】
この結果、記録用光導電層12に対して薄い電荷輸送層13と読取用光導電層14を用いているにも拘わらず、サブ電極17を設けることによって、検出器10から外部に出力される信号電荷の量Qや信号電流Iを大きくする、つまり読取効率を大きくすることができ、再生画像のS/N向上を図ることができる。
【0087】
なお、コンデンサC*cの容量Cc はコンデンサC*aの容量Ca よりも十分大きくすることができるので、コンデンサC*cに配分される量Q+cの方がコンデンサC*aに配分される量Q+aよりも十分大きくすることができ、コンデンサC*cから流れ出る電流Ic の方がコンデンサC*aから流れ出る電流Ia よりも大きくすることができる。したがって、サブ電極17を介してコンデンサC*cから流れ出る電流Ic のみを検出しても、十分な大きさの画像信号を取り出すことが期待できる。
【0088】
図13は、本発明による第4の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図13(A)は斜視図、図13(B)はQ矢指部のXZ断面図、図13(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図13においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この検出器10cを使用する撮影読取装置としては、上述した装置120を使用することができる。
【0089】
第4の実施の形態による検出器10cは、サブ電極17の各エレメント17aが、ストライプ電極16の各エレメント16aに対して略直交するように配設されて成るものである。マイクロプレート18は、エレメント16aとエレメント17aとが交差する位置に対応して配設されている。マイクロプレート18は、該マイクロプレート18上に電荷を蓄積せしめ読取効率の改善が図られるように、検出器10と同様に、画素ピッチと略同サイズのものが用いられている。勿論、検出器10aと同様のサイズのものを用い、鮮鋭度の向上をも図るようにしてもよい。なお、読取光L3としてパルス光を照射する場合には、少なくとも、マイクロプレート18が配設されている位置に対応する読取用光導電層14にパルス光が照射されるようにする。
【0090】
図14は、本発明による第5の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図14(A)は斜視図、図14(B)はQ矢指部のXZ断面図、図14(C)はP矢指部のXY断面図である。なお、図14においても、図1に示す第1の実施の形態による検出器10の要素と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第5の実施の形態による検出器10dは、上記検出器10cの電荷輸送層13を取り除いた構成のものである。電荷輸送層13がない分だけ、検出器10d全体の厚さを薄くすることができる。なお、検出器10dを使用する撮影読取装置としては、上述した装置120を使用することができる。
【0091】
マイクロプレート18は、エレメント16aとエレメント17aとが交差する位置に対応して配設されている。マイクロプレート18は、検出器10と同様に、画素ピッチと略同サイズのものが用いられている。上述したように、画素ピッチと略同サイズのマイクロプレート18が設けられている場合には、記録過程においては、記録用光導電層13内で発生した負電荷が、マイクロプレート18上に蓄積せしめられる。したがって、潜像電荷に対して絶縁性を有する電荷輸送層13を設けなくても、マイクロプレート18のみで潜像電荷を蓄積することが可能となり、また、固定位置に画素を形成することもできる。なお、マイクロプレート18に集中させられなかった負電荷は、読取用光導電層14を通過してストライプ電極16に帯電している正電荷と結合して消滅する。また、読取過程においては、マイクロプレート18の周縁部に蓄積される潜像電荷を、マイクロプレート18の中心部に引き寄せて消滅、放電させることができるので、読取効率の改善を図ることができる。
【0092】
図15は、本発明による第6の実施の形態の放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図15(A)は斜視図、図15(B)はQ矢指部のXZ断面図、図15(C)はP矢指部のXY断面図である。また、図16は、第6の実施の形態による放射線固体検出器を使用する放射線画像撮影読取装置110aの主要部の概略構成を示す図である。なお、図15および図16においても、図1および図2に示す第1の実施の形態の検出器10および撮影読取装置110と同等の要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。この第6の実施の形態による検出器10eは、上記検出器10の電極層15の電極を平板電極16cとしたものである。
【0093】
記録用光導電層12と電荷輸送層13との界面である蓄電部19には、多数のマイクロプレート18が、隣接したマイクロプレート18間に間隔を置いて、各別に、配設されている。検出器10においては、ストライプ電極16の各エレメント16aの真上に位置するようにマイクロプレート18を配設していたが、検出器10eは平板電極16cとなっているので、各マイクロプレート18の配設される位置が、画素位置そのものとなる。マイクロプレート18は、検出器10と同様に、画素ピッチと略同サイズのものが用いられている。勿論、検出器10aと同様のサイズのものを用い、鮮鋭度の向上をも図るようにしてもよい。
【0094】
放射線画像撮影読取装置110aは、図16に示すように、検出器10eと、放射線画像情報が静電潜像として記録された検出器10eから放射線画像情報を担持する画像データを取得する画像データ取得手段としての読取部50と、被写体に向けてX線等の放射線を発する放射線源90と、赤外線レーザ光等の細径に収束されたビーム形状の読取光L3’を発する読取光源93aを有する読取光照射手段93とから構成されている。
【0095】
読取光照射手段93は、ビーム状の読取光L3’で、検出器10eの平板電極16cの全面を走査露光するものである。なお、ビーム状の読取光L3’をパルス状に発して走査露光する場合には、少なくとも、マイクロプレート18が配設されている位置に対応する読取用光導電層14に読取光L3’が入射するようにする。
【0096】
上述した、検出器10を使用する撮影読取装置110の読取部50には、電流検出アンプ51が各エレメント16a毎に設けられていたが、この検出器10eを使用する撮影読取装置110aの読取部50aには、電流検出アンプ51が1つのみ設けられている。この電流検出アンプ51と他の構成要素との接続関係は、上述した読取部50におけるものと同じである。
【0097】
次に、検出器10eに画像情報を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法について、上記検出器10を使用する場合と異なる点について、簡単に説明する。図17は、上記図3と同様に、潜像電荷記録過程を電荷モデルで示した図、図18は、上記図5と同様に、潜像電荷読取過程を電荷モデルで示した図である。
【0098】
記録過程において、電極層11の電極と平板電極16cとの間に直流電圧を印加して両者を帯電させると、両電極の間には略平行な電界が形成される。また、蓄電部19には、マイクロプレート18が設けられているので、蓄電部19近傍では、平行な電界がさらにマイクロプレート18、すなわち画素中央部に集中する(図17(A))。
【0099】
以下、上記検出器10を使用する場合と同様に、放射線L1を被写体9に爆射すると、記録用光導電層12内で正負の電荷対が発生し(図17(B))、このうちの負電荷が、マイクロプレート18上に潜像電荷として蓄積される(図18(C))。つまり、この検出器10eを使用する場合にも、主走査および副走査の両方について、固定位置に画素を形成することができる。
【0100】
検出器10eから静電潜像を読み取る際には、先ずスイッチ53をa側にして、静電潜像が記録された検出器10eの電極層11と平板電極16cとを、オペアンプ51aのイマジナリショートを介して接続して電荷再配列を行う(図18(A))。
【0101】
次いで、読取光源93から、ビーム状の読取光L3’を発し、該読取光L3’で検出器10eの全面を走査露光する。この読取光L3’の走査露光により、走査位置に対応する読取光L3’が入射した光導電層14内に正負の電荷対が発生する(図18(B))。光導電層14に生じた正電荷は蓄積部19の潜像電荷に引きつけられるように電荷輸送層13の中を急速に移動し、蓄電部19で潜像電荷と電荷再結合をし消滅する(図18(C))。一方、光導電層14に生じた負電荷は電極層11の電極、および平板電極16cの正電荷と電荷再結合し消滅する(図18(C))。この際、上記検出器10と同様に、マイクロプレート18が設けられているので、マイクロプレート18周縁部の潜像電荷をも十分に放電させることができ、本例においても、電荷の読残しが少なくなる。
【0102】
次いで、上述の検出器10を使用する場合と同様に、オペアンプ51aのイマジナリショートを介して流れる電流を電流検出アンプ51で検出することにより、静電潜像を読み出す。
【0103】
次に、本発明による第7の実施の形態による放射線固体検出器について説明する。図19は本発明の第7の実施の形態による放射線固体検出器の概略構成を示す図であり、図19(A)は斜視図、図19(B)はP矢指部のXY断面図、図19(C)はQ矢指部のXZ断面図である。
【0104】
この検出器30は、多数の平板状のエレメント32aをストライプ状に配列して成る第1ストライプ電極32が形成された第1電極層31、前露光光の照射を受けることにより光導電性を呈する前露光用光導電層33、被写体を透過した記録光L2の照射を受けることにより光導電性を呈する記録用光導電層34、多数の平板状のエレメント36aをストライプ状に配列して成る第2ストライプ電極36が形成された第2電極層35を、この順に積層してなるものである(より詳細には、本願出願人による特願平11-87923号参照)。記録用光導電層34と前露光用光導電層33との間に潜像電荷を蓄積する蓄電部39が形成される。
【0105】
第2ストライプ電極36の各エレメント36aは、第1ストライプ電極32の各エレメント32aに対して略直交するように配設されている。何れも、並び方向の画素数と同じ数のエレメントが設けられる。各エレメント36aの隙間35aおよび各エレメント32aの隙間31aには、記録光若しくは前露光光に対して透過性を有する絶縁物質が充填されている。
【0106】
記録用光導電層34と前露光用光導電層33との界面、すなわち蓄電部39であって、エレメント36aとエレメント32aとが交差する位置に対応する画素位置には、方形のマイクロプレート38が、隣接したマイクロプレート38間に間隔を置いて、各別に、配設されている。各マイクロプレート38は、離散した状態、つまり、何処にも接続されない、フローティング状態とされる。
【0107】
このマイクロプレート38の各々は、解像可能な最小の画素サイズと略同一の範囲を占める寸法、つまり、マイクロプレート38の各辺の長さは、エレメント32a,36aの配列ピッチと略同一である。なお、この寸法は、必ずしもエレメント32a,36aの配列ピッチと略同一ものに限られるものではなく、エレメント32a,36aの配列ピッチよりも小さなサイズでもよい。いずれにしても、解像可能な最小の画素サイズは、このマイクロプレート38の寸法に対応したものとなる。
【0108】
図20および図21は、上記検出器30を用いた撮影読取装置130の概略構成図を示すものであり、図20は検出器30の斜視図と共に示した図、図21は検出器30のP矢指部のXY断面図と共に示した図である。
【0109】
この撮影読取装置130は、検出器30と、画像データを取得する画像データ取得手段としての読取部80とを備えている。また、放射線L1を発して被写体を透過した記録光L2を検出器30に照射する記録光照射手段90、および蓄電部39に略一様の電荷を蓄積せしめるための前露光光L5を照射する前露光光照射手段94が設けられている。
【0110】
読取部80は、検出器30から外部に流れ出す放電電流または検出器30に流れ込む充電電流を検出する多数の電流検出アンプ81、電源82、スイッチ83,84、およびスイッチ部85を有している。また、読取部80には、上述した読取部50と同様に、A/D変換部60が設けられており、各電流検出アンプ81の出力である画像信号SがA/D変換部60に入力されている。
【0111】
各電流検出アンプ81は、上述した電流検出アンプ51等と同様に、オペアンプ81a、積分コンデンサ81bおよびスイッチ81cから成る。各オペアンプ81aの非反転入力端子(+)がスイッチ83の出力に共通に接続され、反転入力端子(−)がエレメント32a毎に夫々1つずつ各別に接続されている。
【0112】
電源82の正極は、スイッチ83の入力83bとスイッチ84の入力84aとに接続されている。電源82の負極は、スイッチ83の入力83aとスイッチ84の入力84bとに接続されている。
【0113】
スイッチ部85は、第2ストライプ電極36のエレメント36aの1つずつと各別に接続されたスイッチング素子85aを多数有している。スイッチング素子85aとしては、オフ抵抗が十分大きいことが好ましく、例えばMOS−FETを使用する。スイッチ部85の各スイッチング素子85aの他方の端子は共通にスイッチ84の出力に接続されている。
【0114】
読取部80には、制御手段86が設けられており、前露光光L5の照射の後に記録光L2を検出器30に照射する際には、該制御手段86は、先ずスイッチ83,84の少なくとも一方を、何れの端子にも接続せず検出器30と電源82とを切り離して、検出器30への電圧の印加を停止させる。
【0115】
また、制御手段86は、前露光光L5を照射する際には、スイッチ83,84を、ともにa端子またはb端子に接続し、オペアンプ81aのイマジナリーショートを介して、検出器30に電源82から電圧が印加されるようにする。なお、スイッチ83,84を、ともにa端子に接続した場合と、b端子に接続した場合とでは、検出器30に印加される電圧の極性が逆になる。また、必要に応じて、前露光光L5を照射した後に、例えばa端子に接続していた状態からb端子に接続変更する等、スイッチ83,84の接続を逆接続して、前露光光L5を照射していたときとは逆極性の電圧が検出器30に印加されるようにする。すなわち、電源82とスイッチ83,84とで、前露光用電圧印加手段が構成される。なお、電源82の電圧の大きさは、光導電層34内の電位勾配が1V/μm〜10V/μmとなるようにする。
【0116】
さらに、制御手段86は、読取時には、第2ストライプ電極36のエレメント36aの1つずつを、エレメント32aの長手方向に順次切り換えながら、切り換えられたエレメント36aがオペアンプ81aのイマジナリショートを介して、第1ストライプ電極32の各エレメント32aと接続されるようにする。このスイッチ部85によるエレメント32aの長手方向への順次切換えは副走査に対応する。
【0117】
この読取時には、スイッチ83をa端子に接続してスイッチ84をb端子に接続し、またはスイッチ83をb端子に接続してスイッチ84をa端子に接続し、オペアンプ81aのイマジナリショートを無視した場合に、エレメント36aの1つずつが、順次エレメント32aと直接接続されるように構成する。そして、電流検出アンプ81は、スイッチ部85による切換接続によって、検出器30から外部に流れ出す放電電流を、第2ストライプ電極36のエレメント36a夫々について、同時(並列的)に検出することにより、蓄電部39に蓄積された電荷の量に応じたレベルの電気信号を取得する。
【0118】
一方、スイッチ83をa端子に接続してスイッチ84をa端子に接続し、記録光L2を照射する直前に検出器30に印加されていた電圧と同じ極性および大きさの電圧が、エレメント36aの1つずつとエレメント32aとの間に、順次印加されるように構成してもよい。そして、電流検出アンプ81dは、スイッチ部85による切換接続によって、検出器30に流れ込む充電電流を、第2ストライプ電極36のエレメント36a夫々について、同時(並列的)に検出することにより、蓄電部39に蓄積された電荷の量に応じたレベルの電気信号を取得する。
【0119】
つまり、スイッチ部85が、第2ストライプ電極36のエレメント36aの1つずつを、第1ストライプ電極32の各エレメント32aと接続する接続手段を構成し、スイッチ部85と電源82とが、第2ストライプ電極36のエレメント36aの1つずつと、第1ストライプ電極32の各エレメント32aとの間に、所定の電圧を印加する読取用電圧印加手段を構成する。
【0120】
以下、上記構成の記録読取装置130において、検出器30に前露光光L5を照射して蓄電部39に一様の電荷を蓄積し、その後、放射線画像情報を静電潜像として記録し、さらに記録された静電潜像を読み出す方法について説明する。
【0121】
最初に、蓄電部39に一様の電荷を蓄積する一様電荷蓄積過程について、図22に示す電荷モデルを参照して説明する。なお、前露光光L5によって前露光用光導電層14内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0122】
検出器30の蓄電部39に一様の電荷を蓄積する際には、先ずスイッチ73,74を共にa側に切り換え、またスイッチ部75のスイッチング素子75aを全てオンにし、第1ストライプ電極32と第2ストライプ電極36との間に電源72からオペアンプ71aを介して直流電圧を印加し、第1ストライプ電極32の全エレメント32aを正に帯電させ、第2ストライプ電極36の全エレメント36aを負に帯電させる(図22(A))。これにより、両電極間には、両エレメント32a,36aの交差する位置を中心とする集中電界が生じる。
【0123】
次に、両電極間に電圧を印加した状態で、第2電極層35側から該電極層35の全面について略一様強度の前露光光L5を照射する。前露光光L5は、検出器30の電極層35を透過し、前露光用光導電層34内で前露光光の光量に応じた量の正負の電荷対を発生せしめる(図22(B))。
【0124】
第1ストライプ電極32と第2ストライプ電極36の間には、両エレメント32a,36aの交差する位置を中心とする集中電界が生じるので、この電界分布に応じて、発生した電荷対のうち、負電荷が蓄電部39側に移動し、マイクロプレート38に捕捉される。一方、正電荷が電極層35側に移動し、ストライプ電極36のエレメント36aに帯電している負電荷と電荷再結合して消滅する。前露光光L5を十分に照射すると、エレメント36aに帯電していた全ての負電荷が、前露光用光導電層34内で発生した正電荷と電荷再結合して消滅する。つまり、このときには、マイクロプレート38とエレメント36aとの間が実質的にショートされたものと等価となり、マイクロプレート38には負電荷が捕捉・帯電され、蓄電部39において負電荷が一様電荷として蓄積され、エレメント32aには正電荷が帯電された状態となる(図22(C))。これにより、マイクロプレート38とエレメント32aとの間には、電源72による印加電圧と同じ大きさの電圧が発生する。
【0125】
次に、放射線画像情報を静電潜像として記録する静電潜像記録過程について、図23に示す電荷モデルを参照して説明する。なお、一様電荷蓄積過程と同様に、記録光L2によって記録用光導電層33内に生成される負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0126】
検出器30に静電潜像を記録する際には、先ずスイッチ73,74の少なくとも一方を何れの端子にも接続せず検出器30と電源72とを切り離して、検出器30への電圧の印加を停止させる。なお、スイッチ73,74によらず、スイッチ部75の全スイッチング素子75aをオフにしてもよい(図23(A))。
【0127】
次に放射線L1を被写体9に爆射し、被写体9の透過部9aを通過した被写体の放射線画像情報を担持する記録光L2を検出器30の第1電極層31側に照射する。記録光L2は、検出器30の第1電極層31を透過し、記録用光導電層33内で記録光L2の線量に応じた量の正負の電荷対を発生せしめる(図23(B))。第1ストライプ電極32と蓄電部39との間には、各エレメント32aに帯電している正電荷と、マイクロプレート38に捕捉され該マイクロプレート38に帯電した一様な負電荷との間で所定の電界分布が生じている。したがって、この電界分布に応じて、発生した電荷対のうち、負電荷が第1電極層31側に移動し、ストライプ電極32のエレメント32aに帯電している正電荷と電荷再結合して消滅する。また、正電荷が蓄電部39側に移動し、マイクロプレート38に帯電している負電荷と電荷再結合して消滅する(図23(C)の右側部)。
【0128】
一方、被写体9の非透過部9bに照射された放射線L1は、被写体9を透過することがないので、その部分に対応する第1ストライプ電極32のエレメント32aには正電荷が帯電し、マイクロプレート38には負電荷が帯電したまま残る(図23(C)の左側部)。
【0129】
ところで、上述した説明では、エレメント32aや蓄電部39のマイクロプレート38に帯電している電荷を全て消滅させる分の電荷対が記録用光電層33内で発生するものとして説明したものであるが、実際に発生する電荷対の量は、検出器30に入射する記録光L2の強度や線量に応じたものとなる。前露光によって検出器内に一様に帯電させた電荷を全て消滅させることができるだけの電荷対を発生させられるとは限らない。
【0130】
つまり、検出器30に蓄積されたまま残る電荷の量は、被写体9を透過し検出器30に入射した記録用の放射線、すなわち記録光L2の強度や線量に略反比例することとなるので、前露光によって蓄電部39に蓄積せしめた一様電荷量から、この残存電荷量を差し引いたものが静電潜像を担持することとなる。換言すれば、静電潜像を担持する負電荷が潜像電荷として蓄電部39に蓄積され、検出器30に静電潜像が記録されたこととなる。
【0131】
なお、前露光過程において、潜像電荷(負電荷)が蓄電部39のマイクロプレート38に集中して蓄積されている。このために、記録時の記録用光導電層33内の電気力線がマイクロプレート38に集中するようになるため、記録時の鮮鋭度を向上させることができる。
【0132】
次に、検出器に記録された静電潜像を読み出す静電潜像読取過程について、図24および図25に示す電荷モデルを参照して説明する。なお、一様電荷蓄積過程および記録過程と同様に、光導電層33内に生成された負電荷(−)および正電荷(+)を、図面上では−または+を○で囲んで表すものとする。
【0133】
最初に検出器30から流れ出す放電電流を検出することによって、蓄電部39に蓄積された電荷の量に応じたレベルの電気信号を得、これにより検出器30から放射線画像情報を担持する静電潜像を読み取る方法について説明する。
【0134】
放電電流を検出して検出器30から静電潜像を読み取る際には、スイッチ83をa端子に接続してスイッチ84をb端子に接続し、またはスイッチ83をb端子に接続してスイッチ84をa端子に接続して、スイッチ部85のスイッチング素子85aがオンしたときに、オペアンプ81aのイマジナリショートを介して、エレメント36aがエレメント32aと直接接続されるようにする。
【0135】
次いで、スイッチ部85のスイッチング素子85aを、エレメント32aの長手方向に、一方の端から他方の端に向けて順次切り換えて1つずつオンさせて、オンしたスイッチング素子85aと接続されたエレメント36aと第1ストライプ電極32の各エレメント32aとを、オペアンプ81aを介して接続する。この切換え接続によって、エレメント36aと各エレメント32aとが順次同電位となり、接続されたエレメント36aに対応する部分のマイクロプレート38に帯電している負電荷との間で電荷再配列が行われる。つまり、接続されたエレメント36aに帯電していた正電荷がオペアンプ81aを経由して第1電極層31側に移動し、対応する部分のマイクロプレート38とエレメント36aとの間の容量Caおよびマイクロプレート38とエレメント32aとの間の容量Cbの各大きさに応じて、正電荷が再分配される。一方、マイクロプレート38に負電荷が帯電していない部分では正電荷の移動はない。
【0136】
電流検出アンプ81は、この正電荷の移動によって検出器30から流れ出す放電電流Idを各エレメント32a毎に同時に検出する。すなわち、放電電流Idによって、電流検出アンプ81の出力部の電圧が変化する。この電圧の変化は、検出器30に蓄積されていた各画素毎の潜像電荷の量に応じたものとなる。したがって、スイッチ部85の順次切換えによって、次々と画素毎の潜像電荷に対応して電圧の変化が観測されることとなり、この電圧の変化を検出することによって静電潜像を担持する画像信号を得る、つまり放射線画像情報を読み取る。
【0137】
次いで、上述したA/D変換部60の作用と同様にして、電流検出アンプ81の出力である画像信号SがA/D変換部60に入力され、エレメント36a毎に各別に検出された画像信号Sが、エレメント36a毎に各別にデジタル化される。
【0138】
ここで、上述したように、マイクロプレート38とエレメント36aとの間の容量Caおよびマイクロプレート38とエレメント32aとの間の容量Cbの各大きさに応じて、正電荷が再分配される。電流検出アンプ81dは、正電荷の移動に伴う放電電流Idを電圧に変換して検出するので、検出アンプ81dが電圧信号として取り出し得る放電電流Idの大きさは、Cb/(Ca+Cb)に比例することとなる。
【0139】
次に検出器30に流れ込む充電電流を検出することによって、蓄電部39に蓄積された電荷の量に応じたレベルの電気信号を得、これにより検出器30から放射線画像情報を担持する静電潜像を読み取る方法について説明する。
【0140】
充電電流を検出して検出器30から静電潜像を読み取る際には、スイッチ83,84を共にa端子に接続して、スイッチ部85のスイッチング素子35aがオンしたときに、オペアンプ81aのイマジナリショートを介して、エレメント36aとエレメント32aとの間に、記録光L2を照射する直前に検出器30に印加されていた電圧と同じ極性および大きさの電圧、つまり電源82から直流電圧が印加されるようにする。
【0141】
次いで、スイッチ部85のスイッチング素子85aを、エレメント32aの長手方向に、一方の端から他方の端に向けて順次切り換えて1つずつオンさせて、オンしたスイッチング素子85aと接続されたエレメント36aと第1ストライプ電極32の各エレメント32aとの間に電源82から電圧を印加する。
【0142】
この順次切り換えによる検出器30への電圧印加によって、マイクロプレート38に負電荷が蓄積されていない部分を挟むエレメント36aおよびエレメント32aにおいては、エレメント36aに正電荷が帯電され、エレメント32aには負電荷が帯電されるようになる。一方、マイクロプレート38に負電荷が帯電している部分では、マイクロプレート38とエレメント36aとの間で、印加電圧と同じ大きさの電圧が生じているので、新たな帯電は生じることがなく、電荷の移動はない。
【0143】
電流検出アンプ81は、上述の放電電流を検出した場合と同様に、電荷の帯電に伴う電荷の移動によって検出器30に流れ込む充電電流を各エレメント32a毎に同時に検出し、スイッチ部85の順次切換えによって、次々と画素毎の潜像電荷に対応して電流検出アンプ81の出力部に観測される電圧変化を検出することによって静電潜像を担持する画像信号を得る、つまり放射線画像情報を読み取る。
【0144】
なお、上述したように、潜像電荷(負電荷)がマイクロプレート38に集中して蓄積され、記録時の記録用光導電層33内の電気力線がマイクロプレート38に集中、記録時の鮮鋭度が向上しているから、読取時においても、鮮鋭度の高い画像信号を得ることができる。
【0145】
また、マイクロプレート38に電荷が蓄積されている部分におけるマイクロプレート38とエレメント36aとの間の容量Caによる電圧と、マイクロプレート38に電荷が蓄積されていない部分における、マイクロプレート38とエレメント36aとの間の容量Caおよびマイクロプレート38とエレメント32aとの間の容量Cbの直列容量による電圧とは共に印加電圧と同じ大きさとなる。電流検出アンプ81dは、帯電に伴う充電電流Icを電圧に変換して検出するので、検出アンプ81dが電圧信号として取り出し得る充電電流Icの大きさは、(Ca直列Cb)/Ca=Cb/(Ca+Cb)に比例することとなる。
【0146】
以上、本発明による放射線固体検出器の好適な実施の形態、および該検出器に放射線画像情報を記録する方法および装置、並びに放射線画像情報が記録された本発明による検出器から放射線画像情報を読み取る方法および装置について説明したが、本発明による検出器は上記実施の形態のものに限定されるものではなく、本発明を適用する基本となる検出器は、記録用光導電層を挟むように電極を積層して成る検出器であればどのようなものであってもよく、発明の要旨を変更しない限りにおいて、種々変更することが可能である。
【0147】
例えば、上述の実施の形態による検出器においては、各画素毎に、方形状のマイクロプレートを夫々1つ設けたものであるが、画素を固定位置に形成したり、潜像電荷を同電位化させて、読取過程において画素周辺部の潜像電荷を十分に放電させたり、或いは記録過程において潜像電荷を画素中央部に集中させたりすることができるものである限り、多少その数が多くても構わない。例えば、各々が三角形状の導電部材を、全体として、画素毎に、方形をなすように4枚配置し、記録過程や読取過程において、方形中央部の三角形状の部材の頂点が対向する部分に潜像電荷が集まるようにしたり、扇形の導電部材を、全体として円形状に配設する等である。
【0148】
また、上述の第2〜第5の実施の形態による検出器10b,10c,10dにおいては、記録用光導電層12内の、電荷輸送層13に近接した位置にサブ電極17が設けられた検出器にマイクロプレート18を設けたものであるが、検出器内の他の層にサブ電極17が設けられた検出器に、マイクロプレートを設けてもよい。
【0149】
さらに、上述の第7の実施の形態による検出器30は、前露光の照射を受けて導電性を呈する前露光用光導電層を有する検出器であって、記録用光導電層34と前露光用光導電層33との界面である蓄電部39に、マイクロプレート38を有するものであるが、検出器30の前露光用光導電層33を、前露光の照射を受けても導電性を呈することのない誘電体層に置き換えた検出器とすると共に、記録用光導電層34と誘電体層との界面である蓄電部39に、マイクロプレート38を設けたものとしてもよい。この場合には、記録光を検出器に照射する前に、蓄電部38,39に一様電荷を蓄積させるプロセスが異なるが、検出器から静電潜像を読み取り、放射線画像情報を担持する画像データを取得する方法は、上記検出器30を使用する場合と同様である(より詳しくは、上記特願平11-87923号参照)。
【0150】
さらにまた、上記実施の形態による検出器は、何れも、記録用光導電層が、記録用の放射線の照射によって導電性を呈するものであるが、本発明による検出器の記録用光導電層は必ずしもこれに限定されるものではなく、記録用光導電層は、記録用の放射線の励起により発せられる光の照射によって導電性を呈するものとしてもよい(より詳しくは、特願平10−232824号参照)。この場合、第1の電極層の表面に記録用の放射線を、例えば青色光等、他の波長領域の光に波長変換するいわゆるX線シンチレータといわれる波長変換層を積層したものとする。この波長変換層としては、例えばヨウ化セシウム(CsI)等を用いるのが好適である。また、第1の電極層は、記録用の放射線の励起により波長変換層で発せられる光に対して透過性を有するものとする。
【0151】
また、検出器10,10a,10b,10c等においては、記録用光導電層と読取用光導電層との間に電荷輸送層を設け、記録用光導電層と電荷輸送層との界面に蓄電部を形成するようにしたものであるが、本発明においては、電荷輸送層をトラップ層に置き換えたものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図2】第1の実施の形態による放射線固体検出器を用いた撮影読取装置の概略構成図
【図3】上記放射線固体検出器に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図4】上記放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図5】マイクロプレートの効果を説明する図であって、マイクロプレートが設けられていない従来の検出器の場合の図(A),(B)、およびマイクロプレートが設けられている本発明による検出器の場合の図(C),(D)
【図6】本発明の第2の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図7】第2の実施の形態による放射線固体検出器に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図8】第2の実施の形態による放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図9】本発明による第3の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図10】第3の実施の形態による放射線固体検出器を用いた撮影読取装置の概略構成図
【図11】マイクロプレートとエレメントとの配置関係を示す斜視図
【図12】第3の実施の形態による放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図13】本発明による第4の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図14】本発明による第5の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図15】本発明の第6の実施の形態による放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図16】第6の実施の形態による放射線固体検出器を用いた撮影読取装置の概略構成図
【図17】第6の実施の形態による放射線固体検出器に静電潜像を記録する方法を説明する図
【図18】第6の実施の形態による放射線固体検出器に記録された静電潜像を読み取る方法を説明する図
【図19】本発明による第7の実施の形態の放射線固体検出器の斜視図(A)、Q矢指部のXZ断面図(B)、P矢指部のXY断面図(C)
【図20】第7の実施の形態の放射線固体検出器を用いた記録読取装置の概略構成図であって、検出器の斜視図と共に示した図
【図21】第7の実施の形態の放射線固体検出器を用いた記録読取装置の概略構成図であって、検出器のP矢指部のXY断面図と共に示した図
【図22】第7の実施の形態による放射線固体検出器を使用した場合の、一様電荷蓄積過程を示す電荷モデル(A)〜(C)
【図23】第7の実施の形態による放射線固体検出器を使用した場合の、静電潜像記録過程を示す電荷モデル(A)〜(C)
【図24】第7の実施の形態による放射線固体検出器を使用した場合の、放電電流を検出する静電潜像読取過程を示す電荷モデル(A)〜(C)
【図25】第7の実施の形態による放射線固体検出器を使用した場合の、充電電流を検出する静電潜像読取過程を示す電荷モデル(A)〜(C)
【符号の説明】
10,30 放射線固体検出器
11,31 第1電極層
12 記録用光導電層
13 電荷輸送層
14 読取用光導電層
15,35 第2電極層
16,32 第1ストライプ電極
16a,32a,36a エレメント(線状電極)
19,39 蓄電部
33 前露光用光導電層
34 記録用光導電層
38 マイクロプレート(微小導電部材)
50,70,80 読取部(画像データ取得手段)
51,71,81 電流検出アンプ
52,72,82 電源
53,73,83,84 スイッチ
74,85 スイッチ部(接続手段)
75 スイッチ部
86 制御手段
90 放射線源
92,93 読取光照射手段
92a,93a 読取光源
110,130 放射線画像撮影読取装置
L2 記録用の放射線(記録光)
L3 読取光
L5 前露光光

Claims (6)

  1. 第1の電極層と、照射された放射線または該放射線の励起により発せられる光の照射を受けることにより導電性を呈する記録用光導電層と、第2の電極層とをこの順に有し、前記放射線の線量または前記光の光量に応じた量の電荷を潜像電荷として蓄積する蓄電部が前記記録用光導電層の表面近傍に形成されて成り、該蓄電部に放射線画像情報を静電潜像として記録する放射線固体検出器において、
    前記蓄電部に、前記潜像電荷を同電位化せしめる第1の導電部材が、前記静電潜像の画素毎に、各別に設けられ、且つ電気的に非接続状態とされ、
    前記蓄電部に蓄積された潜像電荷の量に応じたレベルの電気信号を出力させるための第2の導電部材が前記記録用光導電層内に設けられていることを特徴とする放射線固体検出器。
  2. 前記第1の導電部材のサイズが前記画素のピッチと略同一に設定されていることを特徴とする請求項1記載の放射線固体検出器。
  3. 前記第1の導電部材のサイズが前記画素のピッチの1/2以下に設定されると共に、該第1の導電部材が前記画素の略中央部に配設されていることを特徴とする請求項1記載の放射線固体検出器。
  4. 前記第1および/または第2の電極層の電極がストライプ電極であり、前記第1の導電部材が、該ストライプ電極によって規定される画素位置に対応するように配設されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1記載の放射線固体検出器。
  5. 前記潜像電荷に対しては略絶縁体として作用し、かつ、該潜像電荷と逆極性の電荷に対しては略導電体として作用する電荷輸送層を有し、該電荷輸送層が前記蓄電部を形成するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線固体検出器。
  6. 前記潜像電荷を捕捉するトラップ層を有し、該トラップ層が前記蓄電部を形成するものであることを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の放射線固体検出器。
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