JP4131642B2 - Fel波長変更方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自由電子レーザ発生装置における波長変更装置と方法に関し、特にリニアックを利用したFEL装置において容易に正確な波長設定ができるようにする波長変更装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自由電子レーザ発生装置(FEL)は、原理的に波長が自由に設定でき高出力であるため、医学、科学、バイオ技術、半導体技術など多くの分野で利用が進んでいる。
FELにおいてレーザ波長を決める方法には、アンジュレータを通過する電子ビームのエネルギーを調整する方法と、アンジュレータギャップを調整する方法がある。
電子ビームのエネルギーを変更する方法は簡単でないため、従来、アンジュレータギャップによりFEL波長を変更していた。このとき、アンジュレータのギャップを変更するとアンジュレータ内の磁場分布が変化するため、アンジュレータの前後や内部に補正磁石を設けて磁場の補正をする必要がある。
【0003】
シンクロトロンのSR装置内にアンジュレータを設置した場合は、電子軌道と電子ビームエネルギーの再現性が優れており、また、電子ビームの位置も4個または6個のボタン電極を用いて出力信号の処理をすることにより0.05mm以内の精度で容易に測定することができる。したがって、所定波長のFELを得るために必要となるアンジュレータギャップとそれに対応する個々の補正磁石の強度を事前に測定しておき、この情報に基づいて波長に対応するギャップを選択してコンピュータなどで補正磁石強度を調整すれば、再現性よく任意の波長のFEL光を得ることができる。
【0004】
しかし、リニアックで生成する電子ビームは再現性が悪く、運転日毎にエネルギーに数%程度の偏差があるのが普通であり、また電子発生部の電子銃近傍でもビームの位置が1mm以上ずれることがあり、アンジュレータ内のビーム位置にも1mm程度のばらつきがある。
さらに、共振器ミラーの位置と電子ビームの共振条件を調整してFEL光を発生させることは容易ではない。
したがって、特にリニアックを用いたFELでは、高出力に維持しながら波長を変更したり調整したりすることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、リニアックを用いたFEL装置において波長を容易に選択できるFEL波長変更方法と装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のFEL波長変更方法は、初めに基準のアンジュレータギャップにして入口と出口における電子ビーム位置を所定の位置に合わせ補正磁石の強度を調整してFEL発振をさせる。その後、目標とするFEL波長との偏差に対応するようにアンジュレータギャップを変化させてFEL波長を調整する。このとき、補正磁石の強度を、予め求めておいたギャップごとの基準調整値に対して実際にFEL発振させるために調整した値を加えた値に設定する。
【0007】
アンジュレータの永久磁石列により発生する磁場分布はギャップの大きさにより変化するため、アンジュレータギャップを変更したときにもFEL発振をさせるには、アンジュレータに補正磁石を付属させて、アンジュレータギャップが変化してもアンジュレータ内の磁場分布を所定の状態に維持するようにアンジュレータギャップに対応して補正磁石の強度調整を行う必要がある。
通常のSR装置に設置されるアンジュレータでは電子ビームの状態に再現性があるため、所定のエネルギーを有する電子ビームを使ってアンジュレータギャップを適当に変化させてギャップごとに1式の補正磁石強度調整値を求めておいて所望の波長に対応して調整すればよい。
【0008】
しかし、リニアックを用いたときのように電子ビームエネルギーが変動する場合は、同じギャップでも発生するFELの波長が異なり所望のFEL波長を得るためにはそれに応じたギャップを選択する必要がある上、適正な補正磁石強度調整値は電子エネルギーにも依存するので膨大な実験データに基づく調整テーブルを備える必要があるとされていた。
ところが、本発明者らの研究の結果、電子ビームエネルギーが変化すれば各補正磁石の強度をエネルギーに対応した適正な発振調整値にすることによりアンジュレータ内に適正な磁場分布を形成しない限りFEL発振が生じないが、FEL発振したアンジュレータ内磁場分布を前提とすれば、その後にアンジュレータギャップを変化させても、電子ビームの入射位置と出射位置が変化しなければ、基準エネルギーの電子ビームを使って求めたギャップごとの各補正磁石の強度調整値における相対的関係、すなわち基準調整値を維持することによりFELを発振させることができるとの知見を得た。
【0009】
本発明のFEL波長変更方法は、この知見に基づくもので、電子ビームエネルギーによりFEL発振するアンジュレータ磁場の条件が異なるが、その電子ビームの状態で基準のアンジュレータギャップを用い補正磁石強度を調整して一旦FEL発振を確保したら、その後にギャップを変化させてFEL波長を変更したときにも補正磁石同士の相対的な強度を一定の関係に保持するようにして高出力を維持しながら波長を変更するようにしたものである。
なお、補正磁石の強度調整に用いる基準調整値のテーブルは、基準とするアンジュレータギャップの下で所定のエネルギーを有する電子ビームを用いてFEL発振させた状態を基準とし、ギャップを変化させてはFEL発振するように調整して得られる各補正磁石の強度を基準の強度からの差で表したものを予め準備して利用することができる。
【0010】
従来、電子ビームのエネルギーに変化があるとFEL波長を所定の値に調整することが極めて困難になるため、特に、より小型で簡便であるはずのリニアック利用FEL装置の実用性が問題になっていたところ、本発明の方法を用いることにより、電子ビームエネルギーが日によって変動する場合でも目的の波長を持ったFELを発生させることが容易にできるようになった。
なお、本発明のFEL波長変更方法は、基準のアンジュレータギャップで発振させたときのFEL波長を測定して、FEL波長から電子ビームエネルギーを算出し、算出された電子ビームエネルギーを用いて所望のFEL波長を得るアンジュレータギャップを決めるようにしてもよい。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本発明のFEL波長変更装置は、アンジュレータギャップを調整するギャップ調整装置と、アンジュレータに入射する電子ビームの軌道を調整する補正電磁石と、アンジュレータの磁場分布を補正する補正電磁石と、アンジュレータから出射する電子ビームの軌道を調整する補正電磁石と、アンジュレータの入口と出口に設けられたビーム位置モニターと、アンジュレータギャップごとに基準状態における電子ビームを使って発振させたときのFEL波長を記録した記憶装置と、アンジュレータギャップごとにFEL発振を行わせることができる補正電磁石強度の基準ギャップ状態との偏差を記録した記憶装置と、補正磁石強度調整装置を備え、初めに基準のアンジュレータギャップにして入口と出口における電子ビーム位置を所定の位置に合わせ、補正電磁石の強度を調整してFEL発振をさせ、その後、目標とするFEL波長との偏差に対応するようにアンジュレータギャップを変化させ、補正磁石の強度を予め求めておいたギャップごとの基準調整値に対して実際にFEL発振させるために調整した値を加えた値に設定することにより、FEL波長を調整することを特徴とする。
【0012】
本発明の装置により、変動しがちなリニアックからの電子ビームを用いた場合にも、本発明のFEL波長変更方法に従って自動的にFEL波長を変更することができる。なお、補正電磁石同士が互いに干渉する場合は、FEL発振時に、電子ビームの入射位置、出射位置、アンジュレータ内の電子ビーム軌道をそれぞれ独立に設定するのではなく、相互の協調が必要になることはいうまでもない。
上記記憶装置および補正磁石強度調整装置は少なくともその一部をコンピュータで構成しても良い。
また、アンジュレータギャップや補正電磁石強度の設定値は、各テーブルに記載の値から補間法によって求めることができる。補間法を用いることにより事前の実験回数を減少させて小さなデータテーブルから効率よく必要な設定値を求めることができる。なお、これらの関係は単純であるため、取得したデータの上下限を越えて推算する補間も利用できることはいうまでもない。
【0013】
補正電磁石は、初めにFELを発振させるために調整する部分と、ギャップごとに磁場分布を最適化するために磁場補正をする部分に分けると、それぞれ異なる要因に基づいた異なる調整を独立に行うことができるので便利である。
このためには、補正電磁石をそれぞれ別個に設けてもよく、また1個の電磁石に別々に制御できるコイルを設けて使い分けてもよい。また、1個のコイルを用いて、電源装置で発振調整値と基準調整値の電流成分を加算して印加するようにしてもよい。
なお、特に、アンジュレータの磁場分布を補正する補正電磁石については、独立的な設定ができるようにすることが好ましい。
【0014】
さらに、ビーム位置モニタは、電子ビームの照射位置に対応する電気信号を発生するボタン電極あるいはOTRターゲットなどのセンサを用いて画像処理で位置判定を行う方式のものであれば、直接的にFEL波長自動調整装置に利用することができる。
電子ビームの位置は、たとえば、ボタン電極を4個あるいは6個用いて信号処理すれば容易に0.05mm以内の測定精度を得ることができる。
なお、FEL波長は電子ビームエネルギーとアンジュレータの状態で決まるので、不安定な電子ビームを基準のアンジュレータに入射させて発生したFELの波長から電子ビームのエネルギーを求めることができる。そこで、分光器を備えて、基準ギャップで発振させたFELの波長を観測して電子ビームエネルギーを求め、これに基づいて所望のFEL波長を得るためのアンジュレータギャップを求めるようにしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の1実施例に係るFEL波長変更装置を備えるFEL装置のブロック図、図2は本実施例のFEL波長変更装置の制御系統を示すブロック図、図3は補正電磁石の調整値を示すテーブル、図4は補正電磁石のコイル調整方法を説明する説明図である。
【0016】
図1に示したFEL装置はリニアック型FEL装置であって、RF電子銃1で電子ビームを発生し、発生した電子ビームをα電磁石2に入射して波長選択をし、さらに加速管3で加速して、偏向電磁石4、5でアンジュレータ6に導き、アンジュレータ6内で共振器ミラー9,10の間に存在するレーザ光と相互作用してレーザ光を増強し、90度偏向電磁石7で偏向されてビームダンプ8に吸収させる。アンジュレータ6内で生成されるFELレーザ光は、共振器ミラー10から外部に取り出して利用する。なお、発生したFELレーザ光は、分光器11やジュールメータ12に入射させて特性を測定することができる。
【0017】
FEL装置には随所に補正電磁石(ステアリング電磁石)が設けられていて、電子ビームの性状を調整したり、軌道位置を微調整することができるようにしてある。
本実施例のFEL波長変更装置に係る補正電磁石は、特に、加速管3から出射する電子ビームをアンジュレータ6の所定位置に導くために使用される第1の電磁石群と、アンジュレータ6の磁場分布を補正する第2の補正電磁石群である。
第1補正電磁石群は、加速管3の末端に設けられた偏向電磁石4に付帯する補正電磁石21とアンジュレータ6の入口までの電子ビーム軌道に設けられた補正電磁石22やアンジュレータ6の入口の偏向電磁石5に付帯する補正電磁石23を含む。
【0018】
また、第2補正電磁石群は、たとえば、図1に参照番号24,25,26で示すように、アンジュレータ6内とアンジュレータ6の外側の電子ビームが通る位置に随所に設けられる補正電磁石を含む。
なお、第2補正電磁石群の磁石強度を調整すると、アンジュレータ6内の電子ビーム軌道が変化するので、アンジュレータ6の出口における電子ビームの位置を調整することもできる。
【0019】
図2に示すように、各補正電磁石31,32,33,34は、それぞれに対応して設けられた電源装置35,36,37,38に接続されていて、それぞれ独立に電流を供給して、補正磁場を発生することができる。
また、アンジュレータ39のギャップはギャップ制御装置40により設定することができる。
なお、補正電磁石用電源装置35,36,37,38とギャップ制御装置40は、両者を束ねるコントローラ41により協調的に制御され、さらに、コントローラ41は演算処理能力を有するコンピュータ42によって制御される。
コントローラ41には、論理演算が可能なシーケンスコントローラや複合制御装置を利用することができる。
なお、コンピュータ41には、補正磁石強度に関するデータを格納したデータファイル43を付属させてある。
【0020】
データファイル43の中身は、図3に示すようなアンジュレータのビーム位置補正用のテーブルである。
この表は、アンジュレータギャップが8mmから20mmまで変化できるとし、仮にa,b,c,dの4個の補正電磁石によりアンジュレータ中の磁場分布を微調整するものとし、ギャップの基準を12mmとして作成したものである。これらの数値は装置により変化することはいうまでもない。
この表は、実地の試験を重ねて作成する。実地試験では、まずギャップを基準値の12mmに設定して所定のエネルギーを有する電子ビームをアンジュレータに導入し、補正電磁石の強度を調整してFEL発振をさせる。満足できるようなFEL発振に成功したときの各補正電磁石における調整値を発振調整値として記録する。
【0021】
次に、1mmなどの適当な刻みでギャップを変更して、再び満足できるFEL発振ができるように各補正電磁石a,b,c,dの調整値を求める。ギャップが変化すると磁場が発生する場の形状が変化しアンジュレータ内の磁場分布が変化するので、適正な調整値も変化する。そこで、各ギャップごとに求めた適正な磁石強度調整値、すなわち基準調整値を記録する。なお、基準調整値は、図3に示すように、基準ギャップである12mmにおける調整値との差A,B,C,Dを取って記録すると、後の処理に都合がよい。表中、磁石調整値A,B,C,Dに付した添え字はギャップの量を表す。
【0022】
なお、表中に(+X)で示す値は、日毎にエネルギーが変化するその日の電子ビームを基準ギャップのアンジュレータに入射させてFEL発振をさせたときの各補正電磁石の調整値、発振調整値である。添え字は対応する補正電磁石を表す。すなわち、12mmのギャップでFEL発振をさせたときの補正電磁石a,b,c,dの調整値は、それぞれXa,Xb,Xc,Xdとなる。
その電子ビームを用いてそれぞれのギャップにおいてFEL発振をさせるためには、各補正電磁石の調整値を表にあるような基準調整値と発振調整値を加えた値にすればよい。たとえば、9mmのギャップを選択したときの補正磁石bにおける調整値は、B9+Xbになる。
【0023】
本実施例のFEL発生装置を用いて、ある日のリニアック1から発生させた電子ビームにより所望の波長のFELを得るためには、まず、アンジュレータ6のギャップを基準の12mmに設定して、電子ビームを入射させる。リニアック1は調整の度に条件が変動するが、ビームエネルギーに数%の偏差が生じているとすれば、途中の電子ビーム軌跡は1mm程度の偏差がある可能性がある。
そこで、アンジュレータ6の入口部に挿入されたビーム位置モニタを観察しながら、加速管3末端の偏向電磁石4の位置にある補正電磁石21と、アンジュレータ部の偏向電磁石5までの電子ビーム軌跡上にある補正電磁石22等を調整して、電子ビームの位置偏差を入口位置で0.3mm程度以内に抑えるようにする。
【0024】
さらに、電子ビームがアンジュレータを出るところに設置されたビーム位置モニタを観察しながら、アンジュレータ内あるいはその周辺に設けられた補正電磁石23,24,25,26等の磁場強度調整をすることにより、出口における電子ビームの位置を入口同様0.3mm程度以内の精度に調整すると共に、FEL発振を行わせる。
なお、電子ビームの位置は、4個もしくは6個のボタン電極を利用して、信号処理して求めれば、0.05mm以内の精度で測定することができる。また、ビーム軌道中に鏡面加工したアルミニウム等の金属箔を挿入して、発生するOTR光をカメラで取り込んで画像処理して、ビーム中心位置を算出することにより0.1mm以内の精度で確定することができる。
【0025】
なお、アンジュレータ6の入口と出口における電子ビームの位置が再現されているため、基準ギャップにおいて基準エネルギーの電子ビームを使って発振させた発振調整値を参考にしてトライアンドエラーで調整すれば、比較的容易に最適値に到達することができる。
もちろん、これらの調整は相互に影響を及ぼすので単純ではないが、機械的に調整することができない場合は、熟練者の手で行ってもよい。
このようにしてFEL発振を可能とした補正電磁石の調整値Xa,Xb,Xc,Xd,・・・を発振調整値として記録する。
【0026】
次に、目的とするFEL波長を発生するアンジュレータギャップを選択する。一定のエネルギーを有する電子ビームを使用するときは、ギャップと波長は1対1に対応するため、予め測定されたギャップごとのFEL波長について作成された表に基づいて選択すればよい。目的の波長が表にない場合は、内挿または外挿により補間して適切なギャップを求めることができる。
しかし、リニアック利用のFEL装置では電子ビームエネルギーが一定しないため、分光器11により基準のギャップ12mmにおける実際の発振波長を測定して利用し、適切なギャップを選択する。
ギャップの変化とFEL波長の変化はある程度対応するので、目標波長と基準ギャップでの発振波長の差を使用して、上記対応表に基づき適切なアンジュレータギャップを推定することができる。
【0027】
さらに、新しいアンジュレータギャップにおける適正な補正電磁石調整値を発振調整値と基準調整値を用いて算出し、この値に基づいて補正電磁石のコイル電流を調整してFEL発振を確保する。
調整したアンジュレータギャップが表にない場合は、内挿または外挿により補間して適切な補正電磁石調整値を算出することができる。
なお、設定したアンジュレータギャップで発振したFEL光の波長を分光器11で測定して確認することができる。
【0028】
ところで、基準調整値はギャップに固有の値であるのに対して、発振調整値は電子ビームの状態に基づいて日毎に決まる値であり、両者を加算した値を使用して補正電磁石の調整を行うので、それぞれ別々に設定することができるようにすることが便利である。
そこで、図4(a)に示すように、各補正電磁石51に巻かれた実質的に1個のコイル52に対して、それぞれ独立に供給電流を設定できる電源装置を2個ずつ設置して、一方の電源53にはギャップに応じた基準調整値をセットするようにし、他方の電源54にはその日の発振調整値をセットしておいて、両電源の出力を加算してコイル52に流すことにより補正電磁石51の強度を調整することができる。
また、図4(b)に示すように、各補正電磁石51に実質2個のコイル55,56を備えて、それぞれ電源装置53,54に接続し、一方の電源53からギャップに応じた基準調整値に対応する電流を流し、他方の電源54から発振調整値に応じた電流を流すことにより補正電磁石51の強度を調整することができる。さらにまた、補正電磁石自体を2個に分離して設置し、それぞれ発振調整値と基準調整値に対応した補正磁界を発生させるようにしてもよい。
【0029】
なお、FELの発振波長λFELは、アンジュレータ磁石の周期長λWとアンジュレータパラメータKとローレンツファクターγを用いて、
λFEL=λW(K2+1)/γ2
と表すことができる。
したがって、発振したFEL波長λFELを測定することにより電子ビームエネルギーの表現であるローレンツファクターγを求めることができる。こうして求めたローレンツファクターγを用いて、目標とするFEL波長λFELに対応するアンジュレータパラメータKを求め、ギャップを算出して設定するとともに、適切な補正電磁石調整を行って実際に必要なFEL波長を得ることができる。
【0030】
なお、本実施例のFEL波長変更方法では、基準調整値を求める場合に電子ビームエネルギーが変わるごとにデータセットを差し替える必要がないため、コンピュータなどの記憶容量を節減することができるばかりでなく、調整値を求めるための実地試験におけるケース数も従来と比較して大きく削減できるため、実機を製作する上でも極めて有利である。
また、上記実施例は、リニアックからの電子ビームを用いる場合について適用したものであるが、他の装置から供給される不安定な電子ビームを用いる場合であっても、またシンクロトロンなど安定な電子ビーム発生装置を用いた場合であっても有効に活用できることはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明のFEL波長変更方法および装置を用いることにより、アンジュレータに導く電子ビームのエネルギーが一定しないときにも、より簡単に目的のFEL波長に調整することができるので、FEL装置により任意の波長を持った高出力FEL光を得て種々の分野に活用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るFEL波長変更装置を備えるFEL装置のブロック図である。
【図2】本実施例のFEL波長変更装置の制御系統を示すブロック図である。
【図3】本実施例における補正電磁石の調整値を示すテーブルである。
【図4】本実施例における補正電磁石のコイル調整方法の説明図である。
【符号の説明】
1 RF電子銃
2 α電磁石
3 加速管
4,5 偏向電磁石
6 アンジュレータ
9,10 共振器ミラー
7 90度偏向電磁石
8 ビームダンプ
11 分光器
12 ジュールメータ
21,22,23,24,25,26 補正電磁石
31,32,33,34 補正電磁石
35,36,37,38 電源装置
39 アンジュレータ
40 ギャップ制御装置
41 コントローラ
42 コンピュータ
43 データファイル
51 補正電磁石
52,55,56 コイル
53,54 電源装置
Claims (6)
- アンジュレータギャップを調整するギャップ調整装置と、アンジュレータに入射する電子ビームの軌道を調整する第1の補正電磁石群と、アンジュレータの磁場分布を補正する第2の補正電磁石群と、アンジュレータの入口と出口に設けられたビーム位置モニターを備えた、リニアックを利用したFEL装置用のFEL波長変更装置において、初めに基準のアンジュレータギャップを選択し、第1の補正電磁石群を調整して入口と出口における電子ビーム位置を所定の位置に合わせ、第2の補正磁石群の強度を調整してFEL発振をさせ、基準のアンジュレータギャップで発振させたときのFEL波長を測定して、FEL波長から電子ビームエネルギーを算出し、算出された電子ビームエネルギーを用いて目標とするFEL波長を得るアンジュレータギャップを決め、該目標のFEL波長との偏差に対応するようにアンジュレータギャップを変化させるとともに、第1の補正磁石群と第2の補正磁石群の強度を、予め求めておいたアンジュレータギャップごとの各補正磁石の強度調整値における相対的関係を表す基準調整値に対して基準のアンジュレータギャップにおいて実際にFEL発振させるために調整した発振調整値を加えた値に設定してFEL波長を調整することを特徴とするFEL波長変更方法。
- アンジュレータギャップを調整するギャップ調整装置と、アンジュレータに入射する電子ビームの軌道を調整する第1の補正電磁石群と、アンジュレータの磁場分布を補正する第2の補正電磁石群と、アンジュレータの入口と出口に設けられたビーム位置モニターと、アンジュレータギャップごとに基準状態における電子ビームを使って発振させたときのFEL波長のテーブルを記録した第1の記憶装置と、アンジュレータギャップごとにFEL発振を行わせることができる補正電磁石強度の基準ギャップ状態との偏差のテーブルを記録した第2の記憶装置と、補正磁石強度調整装置を備え、初めに前記ギャップ調整装置が基準のアンジュレータギャップにして、前記補正磁石強度調整装置が前記ビーム位置モニターの出力に基づいて前記第1補正電磁石群および第2補正電磁石群の磁石強度を調整してアンジュレータの入口と出口における電子ビーム位置を所定の位置に合わせ、さらに第2補正電磁石群の磁石強度を調整してFEL発振をさせ、その後、前記第1記憶装置に記録されたFEL波長テーブルに基づいて目標とするFEL波長との偏差に対応するようにアンジュレータギャップを変化させ、かつ第2記憶装置に記録された偏差テーブルに基づいて第2補正電磁石の強度を予め求めておいたギャップごとの基準調整値に対して実際にFEL発振させるために調整した値を加えた値に設定することにより、FEL波長を調整することを特徴とするリニアックを利用したFEL装置用のFEL波長変更装置。
- 前記第2補正電磁石は、FEL発振させるために調整する電磁石とアンジュレータギャップの差に基づく磁場偏差の補正に用いる電磁石から構成されることを特徴とする請求項2記載のFEL波長変更装置。
- 前記第2補正電磁石は、FEL発振させるために調整するコイルとアンジュレータギャップの差に基づく磁場偏差の補正に用いるコイルを備えることを特徴とする請求項2記載のFEL波長変更装置。
- 前記ビーム位置モニターが、ボタン電極あるいはOTRターゲットなどの電子ビームの照射位置に対応する電気信号を発生するセンサを用いて画像処理で位置判定を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれかひとつに記載のFEL波長変更装置。
- さらに、分光器を備えて、基準のアンジュレータギャップにおいて発振したFELの波長を測定し、測定結果を用いて電子ビームのエネルギーを算出し、所望の波長に変更する場合のアンジュレータギャップを算定することを特徴とする請求項2から5のいずれかひとつに記載のFEL波長変更装置。
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