JP4131660B2 - 記録媒体、記録再生装置および再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体、記録再生装置および再生装置に関し、特に、既存の記録媒体に著作権保護等のための情報を追加する際に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル録音用の記録媒体として、MD(Mini Disc)が広く用いられている。このMDは、小型軽量で形態性に優れ、また、データ圧縮技術により音質劣化を抑制しながら長時間化を実現したことにより、既存のテープ媒体に変わるものとして急速に普及している。また、オーディオ記録用の他、データ記録用のMDデータや、静止画記録用のMDピクチャー等の規格も発表されている。
【0003】
既存のMDおよびその記録再生装置の構成は、たとえば以下の非特許文献1に記載されている。以下、既存のMDおよびその記録再生装置の構成につき、図9〜図11を参照して説明する。
【0004】
図9に既存のMDディスクの構成を示す。
【0005】
MDディスクは、大きく分けて、TOC(Table of Contents)領域とレコーダブル領域にエリア分割されている。このうち、TOC領域には、螺旋トラック状にプリピットが形成されており、このプリピットによって、ディスク記録時間の相違や記録レーザパワー等の情報が記録されている。また、レコーダブル領域には、螺旋トラック状にガイド溝が形成されており、このガイド溝上に情報が光磁気記録される。このガイド溝は、径方向に所定周波数で蛇行(ウォブル)しており、このウォブル周波数によって、トラック上の絶対番地(アドレス)が記録されている。
【0006】
さらに、レコーダブル領域の最内周位置は、UTOC(User Table of Contents)領域が割り当てられており、このUTOC領域には、記録した曲の開始アドレスやディスク名、各曲のタイトル、アーチスト名等の情報が光磁気記録される。そして、レコーダブル領域のUTOCに続く領域に、記録情報であるオーディオ情報が記録される。
【0007】
図10に、上記MDディスクに情報を記録再生するMD装置の構成図を示す。
【0008】
図中、ECCエンコーダ1は、記録データに対し誤り訂正符号を付加する。変調回路2は、誤り訂正符号を付加された記録データに対しNRZIプラス等の変調処理を施す。駆動信号生成回路3は、変調後の記録データを記録信号に変換する。磁気ヘッド駆動回路4は、駆動信号に応じて磁気ヘッド4を駆動し、ディスク200に記録信号に応じた磁界を印加する。レーザ駆動回路6は、記録レーザパワーに応じたパルスビーム、または再生レーザパワーに応じた連続ビームを半導体レーザ71に出射させる。
【0009】
ピックアップ7は、レーザ駆動回路6からの制御に応じたレーザ光を出射する半導体レーザ71、ディスク200からの反射光を受光する光検出器72、レーザ光をディスク上のトラックに収束させるための対物レンズおよび半導体レーザ71からのレーザ光を対物レンズおよび光検出器に導く光学系を備える。
【0010】
再生信号増幅回路8は、光検出器72からのセンサ出力を演算処理し、RF信号、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号等の信号を生成出力する。波形生成回路9は、再生信号増幅回路8からの再生RF信号を波形整形し復号回路10に出力する。復号回路10は波形整形されたRF信号に対しビタビ復号、NRZIプラス復調等の処理を施して読み取りデータを生成する。
【0011】
ECCデコーダ11は、復号回路10からの読み取りデータに対し誤り訂正符号を用いて誤り訂正処理を施し再生データを生成する。再生回路12は、ECCデコーダ11からの再生データにDA変換等の処理を施して再生信号を生成し、これをスピーカに供給する。
【0012】
クロック信号生成回路13は、再生信号増幅回路8からのRF信号またはトラッキングエラー信号に基づき、記録・再生用のクロックを生成する。アドレス生成回路14は、再生信号増幅回路8からのトラッキングエラー信号に基づき、上記ガイド溝のウォブルによって記録されたアドレスを再生する。
【0013】
サーボ回路15は、再生信号増幅回路8からのトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号に基づきトラッキングサーボ信号およびフォーカスサーボ信号を生成し、これをサーボ機構16に供給する。また、クロック信号生成回路13からのクロックに基づき、ディスク回転制御信号を生成し、これをスピンドルモータ17に供給する。サーボ機構は、サーボ回路15からのサーボ信号に応じてピックアップ7内の対物レンズをフォーカス方向およびトラッキング方向に変位させ、これにより、ピックアップ7からのレーザ光をトラック上に収束・追従させる。
【0014】
図11に、MD装置において、記録・再生動作に先立って実行される処理のフローチャートを示す。
【0015】
MDカートリッジがMD装置に装着されると(S401)、ピックアップ7がディスクの最内周位置、すなわちTOC領域に移動され(S402)、フォーカス試行(S403)とトラッキング調整(S404)が実行される。ここで、フォーカス試行とトラッキング調整の何れかがエラーとなると、MDカートリッジがイジェクトされ、処理が終了する。他方、フォーカス試行とトラッキング調整の両方が良好であれば、TOC領域からTOC情報が読み出され、これがMD装置内のメモリ(図2では省略)に記憶される(S405)。そして、ユーザの指示入力に応じて、記録または再生動作が実行される(S406)。
【0016】
【非特許文献】
電波新聞社発行「MDのすべて」(平成11年9月20日 第2刷発行)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記MDにおいては、情報がデジタル化されて記録されているため、高音質を保持したまま容易にコピーを作成できる。そこでMDでは、かかるデジタルコピーを防止して著作者の権利を適正に保護すべく、SCMS(Serial Copy Management System)が採用されており、デジタルコピーは一世代のみに制限されるようになっている。SCMSに関する情報は、上記MDのUTOC領域に記録される。
【0018】
しかしながら、SCMS情報は光磁気記録されているため、SCMS情報をも同時にコピーすると、上記コピー制限は実効性のないものとなってしまう。たとえば、一世代のデジタルコピーが可能な状態にSCMS情報が設定されている場合に、UTOC情報をも含めて記録情報が他のMDにコピーされると、そのコピーMDを使ってさらにコピーを生成することが許容されるようになる。さらに、コピーMDのUTOC情報をも含めて記録情報を他のMDにコピーするようにすれば、無限にコピーMDの作成を繰り返すことができるようになる。
【0019】
かかる問題は、コピーされ得ない情報によってコピー防止管理を実行することにより防止できる。
【0020】
たとえば、MDのTOC領域にプリピットによって個々のMDに固有な情報、すなわちディスク識別情報(メディアID)を記録しておく方法が考えられる。このように記録したメディアIDによって記録情報を暗号化して記録し、再生時にはメディアIDによって読み取りデータの暗号化を解くようにすれば、MD上の記録情報は、そのMDを再生装置に装着した状態、すなわち再生装置にてメディアIDを取得できる状態でなければ再生できないようになる。
【0021】
しかしながら、かかるディスクを既存のMD装置にて再生すると、暗号化された記録情報がそのまま再生されるため、異音の発生等、好ましくない再生が実行されてしまう。これは、記録についても同様で、上記ディスクを既存のMD装置にて記録すると、メディアIDにて暗号化されずに記録情報がそのままディスク上に記録されてしまう。このように記録された情報を上記ディスクに対応した再生装置にて再生すると、暗号化されていないにも拘わらず、読み取り情報の暗号化を解く処理が実行され、その結果、異音の発生等、好ましくない再生が実行されてしまう。
【0022】
そこで、本発明は、第一義的には、著作権保護の徹底を図りながら、既存装置によっても不都合な記録および/もしくは再生動作が起こり得ないような記録媒体およびその記録・再生装置を提供することを課題とする。
【0023】
また、さらに包括的には、著作権保護の徹底のみならず、その他の目的から所定の情報を改変され得ない状態にて予め記録する際に、既存装置によっても不都合な記録および/もしくは再生動作が起こり得ないような記録媒体およびその記録・再生装置を提供することを課題とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み本発明は、それぞれ以下の特徴を有する。
【0025】
請求項1の発明は、既存の記録再生装置によって記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に、既存の記録再生装置では読み取りエラーとなる形態にて、当該記録媒体を識別するための情報が記録されている記録媒体に、情報を記録または再生する記録再生装置であって、前記識別情報の記録形態に応じて前記識別情報を読み取る第1の読み取り手段と、読み取った識別情報によって記録情報を暗号化する暗号化手段と、暗号化した前記記録情報を当該記録媒体の記録領域に記録する記録手段と、前記記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に前記識別情報が記録されているか否かを判別する判別手段と、当該領域を既存の記録再生装置と同様の方式にて読み取る第2の読み取り手段と、前記判別手段によって前記識別情報が記録されていないと判別されると、当該領域を前記第2の読み取り手段によって読み取るように切り替える切り替え手段と、を有することを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1に記載の記録再生装置において、前記判別手段によって前記識別情報が記録されていないと判別されると、前記暗号化手段によって暗号化せずに記録媒体に記録情報を記録する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項2または請求項3の記載の記録再生装置において、前記記録情報が記録される領域から記録情報を読み取る第3の読み取り手段と、前記第1の読み取り手段によって読み取られた識別情報によって、前記第3の読み取り手段から読み取られた記録情報の暗号化を解く復号化手段と、さらに有することを特徴とする。
【0035】
上記請求項に記載の発明によれば、記録媒体の識別情報あるいはその他の情報は、既存の記録再生装置によって記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に、既存の記録再生装置では読み取りエラーとなる形態にて記録されているため、当該記録媒体を既存の記録再生装置で記録・再生しても、記録再生動作に先立って、たとえばディスクエラーとしてディスクがイジェクトされるようになり、よって、不都合な記録・再生動作が実行されることはない。
【0037】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
【0038】
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0040】
まず、図1に実施の形態に係るMDディスクの構造を示す。図示の如く、当該MDディスクでは、上記図9に示す既存MDのTOC領域にメディアID領域が配され、その外周側にTOC領域が配されている。TOC領域、UTOC領域、レコーダブル領域の構成は、上記図9に示す既存MDと同様である。
【0041】
メディアID領域には、ディスク中心から放射状に溝が形成されており、この溝の幅および溝間の幅によって、メディアIDが記録されている。それぞれの溝は、TOC領域の膜構造を高出力レーザで焼き切って形成されている。また、溝間の部分は、TOC領域の膜構造(プリピット以外の部分)と同様の膜構造となっている。それぞれの溝は、周方向に見たときの前エッジと後ろエッジがディスクの径方向となるように形成されている。よって、それぞれの溝は、内周側よりも外周側の方が幅広となっている。
【0042】
かかる構造を有するMDディスクは、既存のMDと同様、MDカートリッジに内蔵されている。このMDカートリッジには、内蔵されたMDディスクが既存のMDディスクとは相違することを示すホールが形成されている。その他の構成ないし外形寸法は、既存のMDカートリッジと同様である。
【0043】
なお、上記溝間の幅を一定とし溝の幅のみを可変としてメディアIDを記録するようにしても良い。逆に、溝の幅を一定とし溝間の幅のみを可変としてメディアIDを記録するようにしても良い。
【0044】
図2に、上記実施の形態に係るMD(以下、「著作権保護MD」と称す)に対し情報を記録・再生するMD装置の構成を示す。
【0045】
当該MD装置は、図10に示した既存のMD装置に比べ、エンコーダ21とデコーダ22の構成が相違している。また、メディアID検出回路23、ホール検出回路24およびコントローラ25が新たに追加されている。
【0046】
エンコーダ21は、装置に装着されたMDが著作権保護MDである場合には、当該MDのメディアIDに基づいて記録情報を暗号化した後ECCエンコード処理を実行する。また、装着されたMDが図9に示す既存のMDである場合には、記録データに暗号化を施さずに、そのままECC処理のみを実行する。
【0047】
図3に、エンコーダ21の構成を示す。エンコーダ21は、ECCエンコード回路211、セレクタ212、214およびエンクリプト回路213により構成されている。
【0048】
エンクリプト回路213は、後述の如くしてMDディスクから読み取られたメディアIDに基づいて記録データを暗号化する。暗号化の手法は、メディアIDを用いた畳み込み処理等、周知の種々の手法を用いることができる。セレクタ212および214は、コントローラ25からのセレクトデータに応じて伝送路を選択的に切り替える。すなわち、装着されたMDが著作権保護MDである場合には、エンクリプト回路213側の伝送路を選択し、装着されたMDが既存のMDである場合には、他方側の伝送路を選択する。
【0049】
図2に戻り、デコーダ22は、装着されたMDが著作権保護MDである場合には、ECCデコード処理を実行した後、データの暗号化を当該MDのメディアIDに基づいて解き、また、装着されたMDが既存のMDである場合には、ECCデコード処理したデータを、そのまま再生回路12に出力する。
【0050】
図4に、デコーダ22の構成を示す。デコーダ22は、ECCデコード回路221、セレクタ222、224およびデエンクリプト回路223により構成されている。
【0051】
デエンクリプト回路223は、後述の如くしてMDディスクから読み取られたメディアIDに基づいて読み取りデータの暗号化を解く。セレクタ222および224は、コントローラ25からのセレクトデータに応じて伝送路を選択的に切り替える。すなわち、装着されたMDが著作権保護MDである場合には、デエンクリプト回路223側の伝送路を選択し、装着されたMDが既存のMDである場合には、他方側の伝送路を選択する。
【0052】
図2に戻り、メディアID検出回路23は、再生信号増幅回路8からのメディアID信号に基づいてメディアIDデータを再生し、これをコントローラ25に出力する。ホール検出回路24は、フォトカプラまたはメカニカルスイッチ等により、MDカートリッジに形成された上記メディア識別用のホールを検出し、検出結果をコントローラ25に出力する。コントローラ25は、ホール検出回路24からの検出結果に応じて、装着されたMDが図1に示された著作権保護MDであるのか図9に示された既存のMDであるのかを判別し、判別結果に応じて、エンコーダ21およびデコーダ22に、上記セレクトデータとメディアIDデータを供給する。
【0053】
図5に、光検出器72と再生信号増幅回路8の構成例を示す。
【0054】
光検出器72は、6つの検出領域A、B、C、D、E、Fを備える。ここで、図中のDR1はディスクのトラック方向、DR2はディスクのトラッキング方向を示している。また、図5の構成例は、ワンビームプッシュプル法および非点収差法にてトラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号を生成する場合の構成例を示すものである。なお、ワンビームプッシュプル法および非点収差法を実現するための光学系の構成は、従来周知であるので、ここでは説明を省略する。
【0055】
オンフォーカスおよびオントラックの状態にあるとき、ディスクからの反射ビームは4分割された状態で、それぞれ光検出器72の領域A、B、C、Dに均等に照射される。また、領域Eと領域Fには、光ピックアップ7内のウォラストンプリズム(図示せず)により偏光面の異なる2つのビームに光路分割された反射ビームがそれぞれ照射される。
【0056】
再生信号増幅回路8は、加算回路81、83、84、85、86と減算回路82、87、88から構成される。
【0057】
上記レコーダブル領域(光磁気記録)を走査したときの再生RF信号は、領域EとFの出力信号を減算回路82により減算することにより生成される。TOC領域(プリピット)を走査したときの再生RF信号は、領域EとFの出力信号を加算回路81により加算することにより生成される。また、メディアID領域(放射状溝)を走査したときの再生RF信号は、TOC領域を走査したときと同様、領域EとFの出力信号を加算回路81により加算することにより生成される。
【0058】
トラッキングエラー信号は、領域Aと領域Bからの出力信号を加算回路83にて加算した信号と、領域Cと領域Dからの出力信号を加算回路84にて加算した信号とを減算回路87にて減算することにより生成される。また、フォーカスエラー信号は、領域Aと領域Dからの出力信号を加算回路85にて加算した信号と、領域Bと領域Cからの出力信号を加算回路86にて加算した信号とを減算回路88にて減算することにより生成される。
【0059】
図6に、当該MD装置において、記録・再生動作に先立って実行される処理のフローチャートを示す。
【0060】
MDカートリッジがMD装置に装着されると(S101)、まず、ホール検出回路24によって上記メディア識別用ホールが検出されたか否かが判別される(S102)。ここで、ホールが検出されたと判別されると、装着されたMDは著作権保護MDであると認識され、ピックアップ7がディスクの最内周位置、すなわちメディアID領域に移動される(S103)。そして、フォーカス試行が実行され、良好に焦点調整がなされると(S104)、ディスク回転速度がメディアID読み取り用の速度(角速度一定)に設定され(S105)、トラッキング調整を掛けることなく、メディアID領域の読み取りが実行される。これにより、メディアID検出回路23にてメディアIDデータが再生され、これがコントローラ25内のメモリに格納される(S106)。
【0061】
しかる後、ピックアップ7がTOC領域に移動され(S107)、トラッキング調整が実行される(S108)。そして、トラッキング調整が良好になされると、TOCデータの読み取り再生が実行される。再生されたTOCデータは、コントローラ25内のメモリに格納される(S109)。しかる後、ユーザから記録または再生の指示入力がなされると、当該指示に応じて、記録または再生動作が実行される(S110)。
【0062】
上記S102にてホールが検出されなかったと判別されると、装着されたMDは既存のMDであると認識され、ピックアップ7がディスクの最内周位置、すなわちTOC領域に移動される(S112)。そして、フォーカス試行が実行され、良好に焦点調整がなされると(S113)、トラッキング調整が実行される(S108)。そして、トラッキング調整が良好になされると、TOCデータの読み取り再生が実行される。再生されたTOCデータは、コントローラ25内のメモリに格納される(S109)。
【0063】
なお、上記において、フォーカス調整(S104、S113)またはトラッキング調整(S108)の何れかがエラーとなった場合には、MDカートリッジがイジェクトされ、処理が終了する(S111)。また、TOC情報がコントローラ25内に記憶された後、引き続き、UTOCデータの再生が実行される。再生されたUTOCデータは、コントローラ25内のメモリに格納される。
【0064】
図7に、再生動作時の処理フローチャートを示す。
【0065】
所定の曲の再生指令が入力されると、当該曲の開始位置にピックアップ7が移動され、読み取り動作が開始される(S201)。かかる読み取り動作により、再生信号増幅回路8から再生RF信号が出力され、これが波形整形回路9を介して復号回路10に供給される。復号回路10は受け取ったRF信号を順次復号し、読み取りデータを生成出力する(S202)。
【0066】
上記図6の処理において、当該MD装置に装着されたMDが著作権保護MDであると判別されている場合(S203のYES)、デコーダ22は、復号回路10からの読み取りデータに対してデエンクリプト処理(暗号化を解く処理)を実行し(S204)、さらにデエンクリプト後のデータにECCデコード処理を実行して再生回路12に供給する(S205)。再生回路12は受け取った再生データにDA変換等の処理を施し、これをスピーカに供給する。これにより、ユーザにより指定された曲がスピーカから出力される。
【0067】
他方、上記図6の処理において、当該MD装置に装着されたMDが既存のMDであると判別されている場合(S203のNO)、デコーダ22は、復号回路10からの読み取りデータに対してECCデコード処理のみを実行し、これを再生回路12に供給する(S205)。これにより、暗号化されていない状態で記録された既存MDの曲が再生出力される。
【0068】
かかる再生動作は、ユーザ指定の曲の再生が全て終了するまで実行される(S206)。指定曲の再生が終了すると、MD装置は、次の再生指令または記録指令、あるいはMDがイジェクトされるまで、待機モードに設定される。
【0069】
図8に、記録動作時の処理フローチャートを示す。
【0070】
MD装置に記録指令が入力されると、コントローラ25に記憶されたUTOCデータが参照され、空き領域の先頭アドレスが取得される。そして、かかる先頭アドレスの位置にピックアップ7が移動され(S301)、順次、記録データの書き込み処理が実行される。
【0071】
上記図6の処理において、当該MD装置に装着されたMDが著作権保護MDであると判別されている場合(S302のYES)、エンコーダ21は、記録データに対してECCエンコード処理を実行し、さらにエンクリプト処理(暗号化処理)を実行して(S303)、これを変調回路2に供給する。変調回路2は受け取った記録データに変調処理を施し(S304)、これを駆動信号生成回路3に供給する。これにより、記録データが暗号化された状態でMDディスクの空き領域に順次記録される(S305)。
【0072】
他方、上記図6の処理において、当該MD装置に装着されたMDが著作権保護MDでないと判別されている場合(S302のNO)、エンコーダ21は、記録データに対してECCエンコード処理のみを実行し(S307)、これを変調回路2に供給する。変調回路2は受け取った記録データに変調処理を施し(S304)、これを駆動信号生成回路3に供給する。これにより、記録データが暗号化されない状態でMDディスクの空き領域に順次記録される(S305)。
【0073】
かかる記録動作は、記録データが終了するまで実行される(S306)。指定曲の再生が終了すると、MD装置は、次の記録指令または再生指令、あるいはMDがイジェクトされるまで、待機モードに設定される。
【0074】
次に、上記著作権保護MDが図10に示す既存のMD装置に装着された場合の動作について、図11を参照して説明する。
【0075】
著作権保護MDが当該MD装置に装着されると(S401)、ピックアップ7が最内周位置、すなわちメディアID領域に移動される(S402)。しかる後、フォーカス試行(S403)とトラッキング調整(S404)が実行される。
【0076】
上記の如く、著作権保護MDのメディアID領域は、既存のMDのTOC領域と同様の膜構造を有しているため、S403におけるフォーカス試行の判定は、通常、良好であると判定される。しかしながら、当該メディアID領域には、トラック状のプリピットは形成されておらず、これに代えて、放射状溝が形成されているため、トラッキングが掛からず、よって、S404におけるトラッキング調整の判定は必ずエラーと判定される。これにより、著作権保護MDは、記録・再生動作に移行する前に、当該MD装置からイジェクトされる。よって、当該MDに対する不都合な記録再生が実行されることはない。
【0077】
以上、本実施の形態に係る著作権保護MDおよびMD装置によれば、MDディスクに固有のメディアIDを溝形状によって予め記録しておき、記録データをこのメディアIDによって暗号化した後、MDディスク上に記録するものであるから、たとえUTOCデータと共に記録データを他のMDにコピーしたとしても、コピー後の記録データの暗号化を解くことができず、よって、従来のSCMSによる制限に比べ、デジタルコピーの禁止をより徹底させることができる。
【0078】
また、メディアIDの記録位置を、既存のMD装置にて記録再生動作に先立って読み取られるTOC領域とすることにより、実施の形態に係る著作権保護MDを既存のMDに装着した場合には、当該MDが、記録再生動作前のTOC読み取り動作にて必ずイジェクトされるようになり、よって、当該著作権保護MDに対し既存のMD装置にて不都合な記録・再生が実行されることを回避できる。
【0079】
このように、上記実施の形態によれば、著作権保護の徹底と、既存MD装置との間の不都合性を同時に解決できる。
【0080】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、他に種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0081】
たとえば、上記実施の形態では、メディアID領域に放射状の溝を形成し、これによりメディアIDを記録するようにしたが、これ以外の形態にてメディアIDを記録するようにしても良い。一例として、メディアID領域の反射率を既存MDのTOC領域の反射率よりも低く設定し、ここにプリピットにてメディアIDを記録するようにしても良い。このように構成すれば、既存のMD装置では反射光強度不足によりメディアID領域の再生が不能となり、その結果、MDがイジェクトされる。かかるMDからメディアIDを読み出すためのMD装置においては、メディアID領域を読み出す際のゲインを調整して、十分な強度の再生RF信号を生成する必要がある。
【0082】
また、メディアID領域に記録するデータは、メディアIDのみならず、その他のデータを併せて記録するようにしても良い。また、上記実施の形態は、著作権保護を念頭においたものであったが、著作権保護以外の目的から実施例を構成する場合には、上記メディアID領域に対応する領域に、メディアID以外の情報を記録するようにすれば良い。かかる場合、当該情報を上記の如き放射状溝にて記録しておけば、既存のMD装置では記録再生動作に移行する前に当該MDがイジェクトされるため、当該MDに既存のMD装置によって、不適切な記録・再生が実行されることを回避できるようになる。
【0083】
その他、上記実施の形態では、MDを例に挙げて説明したが、本発明は、MDに限らず、DVDやCD−R等、その他の記録媒体にも適用できるものである。また、記録されるデータも、オーディオデータに限らず、ビデオ、静止画等、その他のデータとすることも、勿論可能である。
【0084】
本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、既存の記録再生装置によって記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に、既存の記録再生装置では読み取りエラーとなる形態にて所定の情報を記録したものであるから、当該所定の情報を追加することによる著作権保護等のための特別な制御を実現しながら、当該情報の追加に起因した既存装置による不都合な記録再生動作を、記録再生動作に先立った読み取り動作時のイジェクト処理等によって回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係るMDディスクの構成を示す図
【図2】 実施の形態に係るMD装置の構成を示す図
【図3】 実施の形態に係るエンコーダの構成を示す図
【図4】 実施の形態に係るデコーダの構成を示す図
【図5】 実施の形態に係る光検出器と再生信号増幅回路の構成を示す図
【図6】 実施の形態に係る記録再生動作前の処理を示すフローチャート
【図7】 実施の形態に係る再生動作を示すフローチャート
【図8】 実施の形態に係る記録動作を示すフローチャート
【図9】 既存のMDディスクの構成を示す図
【図10】既存のMD装置の構成を示す図
【図11】既存のMD装置における記録再生動作前の処理フローチャート
【符号の説明】
2 変調回路
3 駆動信号生成回路
4 磁気ヘッド駆動回路
5 磁気ヘッド
6 レーザ駆動回路
7 ピックアップ
8 再生信号増幅回路
9 波形整形回路
10 復号回路
12 再生回路
21 エンコーダ
22 デコーダ
23 メディアID検出回路
24 ホール検出回路
25 コントローラ
Claims (3)
- 既存の記録再生装置によって記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に、既存の記録再生装置では読み取りエラーとなる形態にて、当該記録媒体を識別するための情報が記録されている記録媒体に、情報を記録または再生する記録再生装置であって、
前記識別情報の記録形態に応じて前記識別情報を読み取る第1の読み取り手段と、
読み取った識別情報によって記録情報を暗号化する暗号化手段と、
暗号化した前記記録情報を当該記録媒体の記録領域に記録する記録手段と、
前記記録もしくは再生動作の開始に先立って読み取られる領域に前記識別情報が記録されているか否かを判別する判別手段と、
当該領域を既存の記録再生装置と同様の方式にて読み取る第2の読み取り手段と、
前記判別手段によって前記識別情報が記録されていないと判別されると、当該領域を前記第2の読み取り手段によって読み取るように切り替える切り替え手段と、
を有することを特徴とする記録再生装置。 - 請求項1において、
前記判別手段によって前記識別情報が記録されていないと判別されると、前記暗号化手段によって暗号化せずに記録媒体に記録情報を記録する、
ことを特徴とする記録再生装置。 - 請求項1または2において、
前記記録情報が記録される領域から記録情報を読み取る第3の読み取り手段と、
前記第1の読み取り手段によって読み取られた識別情報によって、前記第3の読み取り手段から読み取られた記録情報の暗号化を解く復号化手段と、
をさらに有することを特徴とする記録再生装置。
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