JP4132525B2 - 情報記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、情報記録トラック間の領域に所定間隔で形成されたプリピットとを有する記録可能な記録媒体に対して、プリピット位置信号に基づいて高精度に記録位置制御をして情報の記録を行うDVD−Rドライブ装置等の情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、記録可能な記録媒体であるCD−R/RW等の光ディスクにデータの追記や書換えを行う記録可能型光ディスク記録再生装置が実用化されている。
【0003】
このような記録可能型光ディスク記録再生装置において追記や書換えを行う時、記録時に正確な記録位置制御ができないと前回記録したデータに重ねて記録してしまうことになり、旧データあるいは新旧双方のデータを破壊してしまうことになる。
【0004】
そこで、旧データに連続して新データを記録する際は、その間に所定量のリンキング領域を設け、そのリンキング領域に、例えばダミーデータや所定のデータを記録し、その後に新データの記録を行っていた。
【0005】
ところが、上記リンキング領域には情報の記録ができないため、記録可能な容量を減少させてしまうので、記録媒体の記録領域を有効に使用できないという問題があった。
【0006】
そこで、記録時に正確な記録位置制御を実現すれば、不要なデータを記録するリンキング領域が不必要あるいは最小限に留めることができるので、記録媒体の記録領域を有効に使用することができる。
【0007】
従来、ウォブルしたグルーブを有するとともに、そのグルーブ間の領域(「ランド」と称する)に所定間隔でプリピットが形成された光ディスクと、そのウォブルから検出したウォブル信号によって光ディスクの回転を制御するとともにプリピットから検出したプリピット信号によって位置を制御する情報記録装置(例えば、特開平9−326138号公報参照)が提案されている。
【0008】
このような情報記録装置によれば、狭いトラックピッチにおいてもアドレス情報や光ディスクの回転制御情報を正確に得ることができる。
また、セクタの先頭にアドレス情報を配置しないので、つまり記録トラックであるグルーブにはアドレスピットが存在しないので、高密度記録が可能となり、アドレス情報によって記録情報が不連続になることがなく、再生専用ディスクとの互換性を持たせることもできる。
【0009】
ところが、上述のような光ディスクでは、高密度記録するためにトラックピッチを狭めており、そのために光ビームを照射したトラックに隣接するグルーブからの漏れ込み、いわゆるクロストークが無視できなくなる。
【0010】
そのような隣接する内外周のグルーブからのクロストークがあると、ウォブル信号は隣接するトラックのウォブル信号成分の干渉を受けることになり、振幅や位相が変動してしまう。
そして、上記のようなウォブル信号を用いて記録位置制御を行う場合、特に位相変動が生じると、正確な記録位置制御をするには精度的に不十分になる。
【0011】
一方、プリピットは互いに干渉しないよう配置されているので、プリピットから検出したプリピット信号は光ディスク上での位置を精度よく検出でき、正確な記録位置制御を行うのには好適である。
【0012】
しかしながら、記録中にプリピット信号を検出する際には、光源のパワーが記録マークを形成するパワーと形成しないパワー(つまりスペースにするパワー)とで異なるため、プリピット信号を双方において良好に検出するのは困難であり、特にプリピット信号の位置検出に誤差を生じてしまうという問題があった。
【0013】
上記問題点の一部を解決するものとして、記録パワーと再生パワー(記録マークを形成しないパワー)とで各々プリピットを検出する手段を持ち、各々の検出結果の論理和をとってプリピット信号を出力する情報記録装置に適用するプリピット検出装置(例えば、特開平10−283638号公報参照)が提案されている。このようなプリピット検出装置によれば、記録中であってもプリピットの有無を確実に検出することができる。
【0014】
しかしながら、上述のようなプリピット検出装置を用いてもプリピット位置を精度よく検出するには不十分であった。
【0015】
さらに、記録波形を単一の矩形波ではなく、複数個のパルスによって1つの記録マークを形成するという、いわゆるマルチパルス記録方法があり、これは大容量記録に適した記録方法であってよく用いられている。
【0016】
例えば、DVD−Rなどの記録媒体にはこの方法で記録される。
特に、このマルチパルス記録方法での記録中にプリピット信号を検出する際には、個々のパルス幅が短く光源の発光状態が短時間に切り替わるため、記録マーク形成中にプリピット信号を精度良く検出するのは極めて困難であった。
【0017】
また、既記録領域においてプリピット信号を検出する際には、記録マークとスペースの反射率に差があるため、プリピット信号の振幅が変動し、プリピットと記録マークとの位置関係によってはプリピット信号の位置検出に誤差を生じることがあった。
【0018】
このように、従来の技術では、既記録領域、特には記録中にプリピット信号の位置まで精度良く検出するのは困難であり、その結果記録位置制御を精度良く行うことができないという問題があった。
【0019】
さらに、最悪の場合には、プリピット信号自体が検出できなかったり誤検出してしまったりするという問題も生じ、記録位置制御が正確に行えなえなくなったり誤って制御されてしまうという問題まで引き起こしていた。
【0020】
そこで、本出願人はこのような問題を解決する発明(特願平11−155711号)を出願している。
その発明は、情報記録トラック間の領域に所定間隔でプリピットが形成された記録媒体に情報の記録を行う際、このプリピットから検出したプリピット信号によって記録位置を制御する情報記録装置において、既記録領域あるいは記録中であってもプリピット信号位置を精度良く検出する情報記録方法及び装置を提供するものであって、記録情報に所定情報単位毎に同期をとるための同期情報を挿入し、この同期情報が上記プリピットよりも十分長い同期パターンを含み、上記プリピットの少なくとも一部に上記同期パターンが隣接して位置するように記録が行われることに着目し、そのプリピットに隣接して位置する同期パターンがスペースであれば、記録中及び既記録領域でも高精度にプリピットを検出できるようになるので、そのような同期情報を生成することにより、上記のような問題を解決したものである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した本出願人の先の発明でも、記録パルス列の低周波成分が増大するという不具合があるという問題があった。
【0022】
この発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、情報記録トラック間の領域に所定間隔でプリピットが形成された記録媒体に情報の記録を行う際、このプリピットから検出したプリピット信号によって記録位置を制御する情報記録装置において、精度の良い記録位置制御を可能にし、不要なデータを記録するリンキング領域をより少なく及び不必要にして、記録領域を有効に使用できるようにすると共に、さらには記録パルス列の低周波成分増大を防ぐことを目的とする。
【0023】
なお、記録媒体は、予め記録トラックの一部あるいは全てにディスク情報などを記録するプリレコーディングを施すことがある。
そのプリレコーディングする記録情報も、上記のような問題点を鑑みてなされていないと、この記録媒体に追記あるいは上書きする際には上記問題が発生してしまう。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、情報記録トラック間の領域に所定間隔で形成されたプリピットを有する記録媒体に対し、所定情報単位毎に同期をとるための同期情報が挿入されている記録情報を記録する際、上記同期情報が上記プリピットよりも十分長い同期パターンを含み、上記プリピットの少なくとも一部に上記同期パターンが隣接して位置するように記録を行う情報記録装置において、上記同期パターンがスペースになるような第1の同期情報を生成する第1の同期情報生成手段と、記録パルス列の低周波成分を抑圧する第2の同期情報を生成する第2の同期情報生成手段と、上記第1の同期情報と上記第2の同期情報のいずれかを選択して出力する同期情報選択手段と、上記プリピットの位置を示すプリピット位置信号を検出するプリピット位置信号検出手段と、上記プリピット位置信号に基づいて記録位置制御信号を生成する記録位置制御信号生成手段と、上記同期情報選択手段によって選択された第1の同期情報あるいは第2の同期情報を挿入しながら、記録情報を所定の変調規則に従って変調した変調コードを記録パルス列に変換し、上記記録位置制御信号に従って上記記録パルス列の出力を開始するエンコード手段を設けたものである。
【0026】
さらに、上記記録位置制御信号生成手段に上記プリピット位置信号の一部に基づいて記録位置制御信号を生成する手段を設け、上記同期情報選択手段に上記記録位置制御信号の生成の基準となる一部のプリピットに上記同期パターンが隣接して位置する場合は第1の同期情報を選択し、それ以外は第2の同期情報を選択する手段を設けるとよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、この発明の一実施形態である情報記録装置に使用する記録媒体とその記録媒体に記録する情報の形態について説明する。
この記録媒体は、情報記録トラックであるグルーブの間の領域であるランドに所定の間隔でプリピットが形成されている。
【0030】
より具体的に説明するため、この形態を持つ記録媒体であるDVD−Rを例にとって以下の説明を行う。
DVD−Rは更に、情報記録トラックであるグルーブが所定の周波数でウォブルしている。
【0031】
図3は、DVD−Rのウォブルとプリピットの配置を模式的に示した図である。
図3の(a)に示すように、DVD−Rに記録されるデータは予め情報単位であるシンクフレーム2毎に分割されており、26シンクフレームで1セクタを、16セクタで1ECC(Error Correcting Code)ブロックをそれぞれ構成している。
【0032】
各々のシンクフレーム2の先頭エリア3には、シンクフレーム毎の同期をとるための同期情報:SYが存在する。
また、記録される原データは所定の変調規則に従って変調コードに変換される。なお、原データ8ビットを16ビットのコードに変調するので8/16変調と呼ぶが、その変調規則は公知技術なのでその詳細な説明は省く。
【0033】
DVD−Rには、その変調コード列をNRZI(「Non Return to Zero Inverted」の略)変換したパルス列を記録する。
記録するパルス列の1チャネルビット長を“T”とすると、最短パルス幅は“3T”,最長パルス幅は“11T”になる。
また、変調する際、記録パルス列の低周波成分を抑圧する工夫がなされている(その工夫も公知技術なので詳細な説明を省く)。
【0034】
上記低周波成分の抑圧を判断するものとして、いわゆるDSV(「Digital Sum Value」の略)の絶対値がある。
DSVとは、2つの状態をとるビット列の一方の状態を“+1”、他方の状態を“−1”としてビット列の先頭から累積した値である。
そして、DSVの絶対値が小さければ低周波成分が小さいことになり、記録パルス列のDSVが小さくなるように変調コードを選択する。
【0035】
上記記録パルス列の間には、1シンクフレーム毎に同期情報:SYが挿入されており、例えば32ビットとする。
この同期情報:SYを確実に捕らえられるように、つまり確実にシンクフレーム同期が取れるように、同期情報:SYにはデータ変調部分に出現する最長パルス幅である“11T”よりも十分長い“14T”幅のパルスである同期パターン(以下適宜「シンクパルス」とも称する)が埋め込まれている。
【0036】
また、セクタ内のフレーム位置が識別できるように複数種の同期情報:SYを持ち、各々の同期情報:SYは、前シンクフレームとの接続部分で変調規則を満足させ、且つ低周波成分を抑圧させるため、さらに複数個のパターンから選択される。
【0037】
図3の(b)は、同期情報:SYの部分を拡大して示す図であり、低周波成分がなるべく抑圧できるように(前述のDSVの絶対値により判定する)、パターン1又はパターン2の何れかを選択する。
【0038】
つまり、“14T”幅パルスのシンクパルスが記録マークか(パターン2)スペースか(パターン1)に選択される。
図中では正パルスを記録マークとし、負パルスをスペースとする。
これは生成するコードと前シンクフレームの最終パルスの極性から容易に判別できる。
【0039】
例えば、図3の(b)においては、前シンクフレームの最終パルスはマークであるので、パターン1を選択すればシンクパルスがスペースに、一方、最終パルスがスペースであるならば、パターン2を選択すればシンクパルスがスペースになる。
【0040】
逆に言えば、多少の低周波成分の発生を容認すれば(DSV絶対値の多少の増加を容認すれば)、シンクパルスをマークにするかスペースにするかは任意に選択できる。
【0041】
通常、同期情報:SYは記録情報に対して十分短いので、同期情報の強制選択による多少の低周波成分の発生は十分許容できる範囲である。
なお、選択される同期情報コードは本来用意されている(変調規則を満足した)コードから選択されるので、本発明の実施形態によって記録された情報が変調規則の乱れを生じさせるものではない。
つまり、通常のデコーダを有した再生装置で復調できる。
【0042】
一方、DVD−Rには予め所定の一定周波数(ウォブル周波数fw)でウォブルしたグルーブと、グルーブと隣接する一方の(この実施形態では外周側とする)ランドに同期信号を示すものとして1つのプリピットがシンクフレーム毎に形成されていると共に(以下、このプリピットを特に「シンクプリピット」という)、アドレス情報などを示すものとして0〜2のプリピットが形成されている。
【0043】
図3に示すように、プリピットの示すシンクフレーム2は、偶数番目のシンクフレーム(以下「EVENフレーム」という)と奇数番目のシンクフレーム(以下「ODDフレーム」という)とで1つのペアを構成しており、通常プリピットはEVENフレームの位置に配置されるが、両隣のランドにプリピットが配置されることが予想される場合には、互いの干渉などを避けるためにODDフレームにシフトして配置される。
【0044】
つまり、ペアを構成するEVENフレームとODDフレームの何れか一方のフレームにのみプリピットを配置する。
なお、隣接する他方の(内周側の)ランドには別のグルーブに対応づけられたプリピットが形成されている。
【0045】
また、ウォブル周波数:fwはシンクフレーム周波数の8倍であり、プリピットは1シンクフレーム中の最初の3つのウォブルの略頂点に位置するように配置される。
そのうちの最初のプリピットがシンクプリピットである。
【0046】
なお、プリピットのトラック方向の長さは、再生信号検出への影響を低減させるため、検出できる範囲で極力小さい方が適しており、数Tの長さで形成されることが多い。
【0047】
DVD−Rにデータを記録する際には、同期情報:SY中のシンクパルス(“14T”の長さの記録マークまたはスペース)がシンクプリピットに隣り合うように位置するようにプリピットに同期して記録される。
この時、精度よく同期して記録できるように記録位置制御するための基準となるのがプリピット信号である。
【0048】
したがって、プリピット信号の検出精度が重要であり、これは記録中はもちろんのこと、追記や書換えの際には既に記録したトラックの再生時の検出精度も重要になる。
【0049】
図4の(a)は、このようにプリピットに同期して情報を記録したDVD−Rとプリピット信号との関係を示す模式図である。
シンクプリピット6にはシンクパルス(図中斜線を施す記録マーク)7が隣り合うように記録されているが、シンクプリピット6以外のプリピット8には記録データ部が隣り合うため、“3T”から“11T”の記録マーク又はスペースが隣り合うように記録される。
【0050】
プリピット信号中の点線で示す部分は未記録時のプリピット信号であり、プリピット8に対して十分長い(例えばシンクパルス)スペースが記録された場合もこのようになる。
【0051】
このように、一定のスライスレベルVthによって二値化したプリピット信号:Spitは、隣接するトラックに記録マークが形成されると、位相変動が生ずることになり、特にシンクプリピット6以外のプリピット8では、記録情報に依存して位相変動することになる。
【0052】
一方、図4の(b)は、プリピットに同期して情報を記録している最中のプリピット信号と光源の記録パワーとの関係を示す模式図である。
ここでは説明を簡単にするため、光源がP1のパワーの時にスペースを、P2のパワーの時にマークを形成するものとする。
【0053】
照射する光ビームがシンクプリピット6にかかる期間は一定のパワー(P1又はP2)であるのに対し、シンクプリピット6以外のプリピット8にかかる期間はパワーが変化するため、二値化したプリピット信号:Spitは記録情報に依存して位相変動することになる。
【0054】
また、前述したように、マルチパルス記録方法での記録の際には、シンクプリピット6以外のプリピット8はもちろんのこと、シンクプリピット6であっても記録マーク形成中のプリピット信号:Spitを精度よく検出するのは極めて困難である。
【0055】
従って、記録位置制御はシンクプリピット6によって行うのが好適である。
さらには、シンクプリピット6に隣り合うシンクパルスはスペースであることがより望ましい。
【0056】
次に、この発明の一実施形態である情報記録装置の全体構成及び動作について説明する。
この実施形態の情報記録装置は、上記DVD−Rに対してシンクプリピットに隣り合うシンクパルスがスペースになるように同期情報を生成し、その同期情報によって正確な記録位置制御を行う。
【0057】
図1は、この発明の一実施形態である情報記録装置の全体構成を示すブロック図である。
この情報記録装置は、CPU,ROM,及びRAM等からなるマイクロコンピュータを内蔵したDVD−Rドライブ等の装置である。
【0058】
ピックアップ(PU)10と、レーザ駆動手段11と、エンコーダ12と、外部のホストコンピュータ等(図示を省略)とのインタフェース手段を含むコントローラ13と、記録媒体を回転させるスピンドルモータ14と、サーボ手段15と、再生信号処理手段16を備えている。
【0059】
また、デコーダ17と、プリピット信号検出手段18と、プリピット信号デコーダ19と、回転制御手段20と、ウォブル信号検出手段21と、記録クロック信号生成手段22と、プリピット位置信号検出手段23と、記録位置制御信号生成手段24と、同期情報指示手段25を備えている。
【0060】
ピックアップ10は、光源であるレーザや受光手段等を含み、レーザから出射された光ビームをDVD−R1上に集光し、DVD−R1からの反射光を受光信号へ変換するものである。
【0061】
レーザ駆動手段11は、レーザの光量を所望の値に制御及び駆動するものであり、記録時には記録データ:Wdataに基づいてレーザを変調する。この時、記録クロック信号:Swckを基準信号として変調を行う。
【0062】
エンコーダ12は、記録クロック信号:Swckを基準信号とし、コントローラ13から入力される記録すべきデータをECC処理,8−16変調処理,及びインタリーブ処理などを施し、記録データ:Wdataを生成する。
この際、記録位置制御信号に従って記録データ:Wdataを出力して記録を開始する。
このエンコーダ12の詳細な構成を図5に示すが、その動作説明は後述する。
【0063】
コントローラ13は、インタフェースを介してホストコンピュータと接続し、そのホストコンピュータとのデータのやり取りを行うと共に、このDVD−Rの全体の制御を司る。
【0064】
サーボ手段15は、サーボ信号に基づいてピックアップ10からの光ビームをDVD−R1の任意の位置に照射するよう制御するものである。
【0065】
再生信号処理手段16は、ピックアップ10からの受光信号を処理するものであり、再生信号,サーボ信号,及びプッシュプル信号:Sppを生成する。
ここで周知の通り、プッシュプル信号はDVD−R1からの反射光をトラック接線方向に平行に2分割された受光素子で受光し、それら2分割された受光素子出力の差分信号である。
【0066】
図2は、プッシュプル信号:Sppの波形の一例を示す図である。
同図に示すように、プッシュプル信号:Sppはウォブル信号とプリピット信号とが重畳された信号になる。
【0067】
プリピット成分は、走査しているグルーブに隣接する内外周のランドに形成されたプリピットが上下に現れ、図中の上側のプリピット4が当該グルーブに対応づけられたプリピットである。このプリピットはウォブルが略最大となる時に現れる。
【0068】
そのうち、先頭のプリピットはシンクプリピット4sであり、通常、2シンクフレーム毎に現れる。
但し、EVENフレームとODDフレームのシフトの切り換りでは、1または3シンクフレーム間隔になることもある。
【0069】
一方、図中の下側のプリピット5は別のグルーブに対応づけられたプリピットである。このように、ウォブルに対する位相は刻々変化する。
なお、プッシュプル信号:Sppは、後段での信号処理がし易いように、2分割された受光素子出力の差分信号をゲイン調整(例えば受光和信号によって調整)したものなどの処理をしたものであってもよい。
【0070】
さらには、プッシュプル信号:SppはHPF(「High Pass Filter」の略)によってDC成分を抑制した後の信号でもよい。
そうすれば、プッシュプル信号のオフセットを取り除ける。
【0071】
デコーダ17は、再生信号をデコードして復調信号を生成しコントローラに出力する。
【0072】
プリピット信号検出手段18は、プッシュプル信号:Sppからプリピット信号:Spitを生成する。プッシュプル信号:Sppと所定の閾値:Vthpit(図2参照)とを比較するコンパレータなどによって構成される。
【0073】
プリピット信号デコーダ19は、プリピット信号:SpitをデコードすることによってDVD−R1に予めプリフォーマットされているアドレス情報などを取得し、コントローラ13に出力する。
【0074】
回転制御手段20は、ウォブル信号:Swblが所定の周波数となるようにDVD−R1の回転を制御するものであり、スピンドルモータ14は、この制御信号に基づいてDVD−R1を回転させる。
ここでは、ウォブル信号を用いているが、プリピットも所定間隔で形成されたものであるので、これを利用してもよい。
【0075】
ウォブル信号検出手段21は、プッシュプル信号:SppからBPF(「Band Pass Filter」の略)などによってウォブル信号を抽出し、ウォブル信号:Swblを検出するものである。
【0076】
記録クロック信号生成手段22は、ウォブル信号:Swbl,プリピット信号:Spit,あるいはプリピット位置信号:Sspit,あるいはこれらを組み合わせたものに基づいて記録クロック信号:Swckを生成するものであり、記録するデータはこの記録クロック信号:Swckに基づいて信号処理を行う。
通常、いわゆるPLL(「Phase Locked Loop」の略)回路によって構成される。
【0077】
プリピット位置信号検出手段23は、プッシュプル信号:Sppからプリピットの位置を高精度に検出したプリピット位置信号:Sspitを検出するものであり、プリピット信号検出手段18と同様にプッシュプル信号:Sppと所定の閾値とを比較するコンパレータなどによって構成できる。
【0078】
したがって、それの一部もしくは全てはプリピット信号検出手段18と共通化できるが、図1ではこの発明の要旨をより明確にするために別手段として示している。
【0079】
また、例え簡便な一定スライスレベルによるコンパレータであっても、この発明の実施形態によれば少なくともシンクプリピットの位置を高精度に検出することができる。
【0080】
なお、シンクプリピットのみを抽出してプリピット位置信号を生成するものであってもよい。
また、より高精度に位置検出をできるような構成にすれば、さらに好適になる。
【0081】
記録位置制御信号生成手段24は、コントローラ13からの記録開始指示あるいは記録開始アドレス指示などに従い、プリピット位置信号:Sspitに同期した記録位置制御信号を生成するものであり、エンコーダ12に出力する。
【0082】
ここで、PLL回路などによってプリピット位置信号に位相同期したフレーム同期信号:Sfsを生成し、それに基づいて記録位置制御信号を生成すれば、例えノイズなどによってプリピット位置信号を誤検出しても正確に記録位置が指示できる。
【0083】
同期情報指示手段25は、同期情報:SYに含まれるシンクパルス(“14T”幅のパルス)がスペースになるようにエンコーダ12に指示する同期情報指示信号を生成するものである。
【0084】
次に、エンコーダ12の内部構成とその動作について説明する。
図5は、図1に示したエンコーダ12とその関連部の構成を示すブロック図である。
【0085】
エンコーダ12は、データ前処理手段30と、8/16変調手段31と、NRZI変換手段33と、同期情報選択手段34と、第1の同期情報生成手段35と、第2の同期情報生成手段36とから構成される。
【0086】
上述の通り、エンコーダ12における処理は、記録クロック信号:Swckを基準とし、記録データ:Wdataの出力の開始は記録位置制御信号生成手段24から出力される記録位置制御信号によって制御される。
【0087】
データ前処理手段30は、コントローラ13から入力された記録情報のECC処理やインタリーブ処理などを行うものである。
【0088】
8/16変調手段31は、データ前処理を終えた記録情報を所定の変調規則に従って変調するものであり、また、同期情報選択手段34で第1の同期情報生成手段35から出力される第1の同期情報:SYaと第2の同期情報生成手段36から出力される第2の同期情報:SYbから選択された同期情報:SYを1シンクフレーム毎に付加する。この時、低周波成分が抑圧されるように変調が行われるのは前述の通りである。
【0089】
通常、この同期情報:SYは、前シンクフレームとの接続部分で変調規則を満足させるコードを選択し、且つ低周波成分を抑圧させるため、さらに複数個のコードから選択する。
その低周波成分抑圧条件によって何れかのコードから選択する際、シンクパルスが記録マークになるかスペースになるかを決定する。
【0090】
NRZI変換手段33は、8/16変調手段31の出力した変調コードをNRZI変換し、記録パルス列(記録データ:Wdata)に変換するものである。
【0091】
同期情報選択手段34は、第1の同期情報:SYaと第2の同期情報:SYbのいずれかを選択して8/16変調手段31へ出力するものである。
ここで、前述の如く、第1の同期情報:SYaを強制的に選択しても、重大な問題になることはない。その選択は、同期情報指示手段25の生成した同期情報指示信号によって行われる。
【0092】
第1の同期情報生成手段35は、シンクパルスがスペースとなるようなコードを選択した第1の同期情報:SYaを生成するものである。
一方、第2の同期情報生成手段36は、第2の同期情報:SYbを生成するものであり、シンクパルスがスペースになるか記録マークになるかは低周波成分抑圧条件から決定する。
【0093】
次に、上記同期情報選択手段34の処理についてより詳細に説明する。
これまでの説明で明らかなように、第1の同期情報:SYaが選択された場合は、確実に高精度なプリピット位置信号が得られ、高精度な記録位置制御ができる。
【0094】
また、第2の同期情報:SYbが選択された場合は、記録パルスの低周波成分は抑圧されているものの、場合によってはマークのシンクパルスが連続することも有り得るので、確実に高精度なプリピット位置信号を得るには不十分である。
【0095】
ところで、全ての同期情報にシンクプリピットが隣接することはなく、また全てのシンクプリピットで正確なプリピット位置信号が検出できなくとも、高精度な記録位置制御信号を生成することは可能である。
【0096】
つまり、例えばPLL回路などによってプリピット位置信号に位相同期したフレーム同期信号:Sfsを生成し、その信号に基づいて記録位置制御信号を生成する場合、PLL回路の制御帯域に十分な間隔でプリピット位置信号が得られれば、高精度な記録位置制御信号を生成することは可能である。
【0097】
したがって、所定量のフレーム数の間、シンクプリピットとスペースシンクパルスが一致しなかった場合、第1の同期情報:SYaを選択し、確実にプリピット位置信号を検出し、それ以外は第2の同期情報:SYbを選択するようにすればよい。
【0098】
このようにして同期情報を選択することにより、高精度な記録位置制御に十分な間隔でプリピット位置信号が得られ、且つ他のほとんどのフレームの同期情報は低周波成分抑圧条件に従ったものであるので、低周波成分抑圧効果減少の影響をほとんど無視することができる。
【0099】
さらに、第2の同期情報:SYb生成の際、同期情報による各々の低周波成分抑圧効果、つまりDSVの絶対値が同程度あるいは所定範囲以内の差であれば、シンクパルスがスペースとなる方の同期情報を優先的に選択しても低周波成分抑圧効果はほとんど減少せず、その上、シンクプリピットとスペースシンクパルスの一致が増加するために高精度なプリピット位置信号が多く得られ、記録位置制御精度も向上する。
【0100】
次に、プリレコーディングされた記録媒体に追記あるいは上書きする際も、上述したようにプリレコーディングされた領域のプリピット位置が精度よく検出できれば、正確な記録位置制御ができる。
【0101】
したがって、上記説明と同様な方法でプリレコーディングをすればよく、そのようにしてプリレコーディングした記録媒体は、上記情報記録装置において、好適に正確な記録位置制御ができ、不要なデータを記録するリンキング領域をより少なく又は不必要にし、記録媒体の記録領域を有効に使用することができる。
【0102】
なお、上記記録媒体では追記型の光ディスクであるDVD−Rについて説明したが、この発明は相変化材料を記録層に用いた書換え可能型光ディスクなどの記録媒体にも適用することができ、さらにその他の記録層材料によるものにも適用できることは言うまでもない。
【0103】
また、プリフォーマットの形式においても、ウォブルしたトラック(グルーブもしくはランド)とそのトラックに隣接した一方もしくは双方のトラック(ランドもしくはグルーブ)にプリピットが形成された記録媒体に対しても適用すれば上述の効果が同様に得られる。
さらに、プリピットのみ(ウォブル無し)によってプリフォーマットされたものであってもよい。
【0104】
この実施形態の情報記録装置は、この発明の請求項1記載に関わる機能により、記録中あるいは既記録領域であっても確実に正確なプリピット位置信号を検出できるようにプリピットに隣接して位置する同期パターンがスペースとなるような同期情報と、記録パルス列の低周波成分を抑圧する同期情報とを生成し、その何れかを選択しているので、簡便な構成で精度の良い記録位置制御が可能になり、且つ低周波成分抑圧効果減少の影響も少なくすることができる。
したがって、不要なデータを記録するリンキング領域をより少なく及び不必要にし、記録領域を有効に使用することが可能になる。
【0105】
また、この実施形態の情報記録装置は、この発明の請求項2記載に関わる機能により、記録位置制御信号生成手段が上記プリピット位置信号の一部に基づいて記録位置制御信号を生成し、上記記録位置制御信号の生成の基準となる一部のプリピットに隣接して位置する場合は同期パターンがスペースとなるような同期情報を選択し、それ以外は記録パルス列の低周波成分を抑圧する同期情報を選択するので、必要十分な間隔で高精度なプリピット位置信号が得られるため、確実に記録位置制御ができ、且つ低周波成分抑圧効果減少の影響もより少なくすることができる。
【0106】
さらに、上記記録媒体は、情報記録トラック間の領域に所定間隔で形成されたプリピットを有し、上記情報記録トラックの全部あるいは一部に予め情報を記録すると共に、上記プリピットの少なくとも一部に同期パターンが隣接して位置し、上記プリピットに隣接して位置する上記同期パターンのうち少なくとも一部がスペースの同期パターンであるように記録するので、その記録媒体に追記及び書換えを行なう際にも不要なデータを記録するリンキング領域をより少なく及び不必要にし、記録領域を有効に使用することが可能になる。
【0107】
さらに、上記記録媒体は、プリピットを、上記所定情報単位に相当する間隔あるいはその整数倍の間隔で形成されたシンクプリピットとアドレス情報などを示す情報プリピットとから構成し、上記シンクプリピットに隣接して位置する同期パターンが、所定単位のうち少なくとも1つがスペースであるようにしたので、追記及び書換えを行なう際にも不要なデータを記録するリンキング領域をより少なく及び不必要にし、記録領域を有効に使用することが可能になり、予め記録されるデータの低周波成分抑圧効果減少の影響も少なくすることができる。
この記録媒体によれば、情報記録トラック間の領域に所定間隔でプリピットを形成し、情報記録トラックの一部あるいは全部にプリレコーディングされた記録媒体に対して追記あるいは上書きする際、高精度な記録位置制御を行なうことのできるようにすることができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明の情報記録装置によれば、情報記録トラック間の領域に所定間隔でプリピットが形成された記録媒体に情報の記録を行う際、このプリピットから検出したプリピット信号によって記録位置を制御する情報記録装置において、精度の良い記録位置制御を可能にし、不要なデータを記録するリンキング領域をより少なくあるいは不必要にして、記録領域を有効に使用できるようにすると共に、さらには記録パルス列の低周波成分増大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態である情報記録装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した再生信号処理手段16によって生成されるプッシュプル信号:Sppの波形の一例を示す図である。
【図3】DVD−Rのウォブルとプリピットの配置を模式的に示した図である。
【図4】DVD−R上にプリピット信号に同期させて記録した情報とプリピット信号との関係を示す模式図である。
【図5】図1に示したエンコーダの内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:DVD−R 2:シンクフレーム
3:先頭エリア 4,5:プリピット
4s,6:シンクプリピット
7:シンクパルス 8:プリピット
10:ピックアップ(PU)
11:レーザ駆動手段 12:エンコーダ
13:コントローラ 14:スピンドルモータ
15:サーボ手段 16:再生信号処理手段
17:デコーダ
18:プリピット信号検出手段
19:プリピット信号デコーダ
20:回転制御手段
21:ウォブル信号検出手段
22:記録クロック信号生成手段
23:プリピット位置信号検出手段
24:記録位置制御信号生成手段
25:同期情報指示手段 30:データ前処理手段
31:8/16変調手段 33:NRZI変換手段
34:同期情報選択手段
35:第1の同期情報生成手段
36:第2の同期情報生成手段
Claims (2)
- 情報記録トラック間の領域に所定間隔で形成されたプリピットを有する記録媒体に対し、所定情報単位毎に同期をとるための同期情報が挿入されている記録情報を記録する際、前記同期情報が前記プリピットよりも十分長い同期パターンを含み、前記プリピットの少なくとも一部に前記同期パターンが隣接して位置するように記録を行う情報記録装置において、
前記同期パターンがスペースになるような第1の同期情報を生成する第1の同期情報生成手段と、
記録パルス列の低周波成分を抑圧する第2の同期情報を生成する第2の同期情報生成手段と、
前記第1の同期情報と前記第2の同期情報のいずれかを選択して出力する同期情報選択手段と、
前記プリピットの位置を示すプリピット位置信号を検出するプリピット位置信号検出手段と、
前記プリピット位置信号に基づいて記録位置制御信号を生成する記録位置制御信号生成手段と、
前記同期情報選択手段によって選択された第1の同期情報あるいは第2の同期情報を挿入しながら、記録情報を所定の変調規則に従って変調した変調コードを記録パルス列に変換し、前記記録位置制御信号に従って前記記録パルス列の出力を開始するエンコード手段とを設けたことを特徴とする情報記録装置。 - 前記記録位置制御信号生成手段に、前記プリピット位置信号の一部に基づいて記録位置制御信号を生成する手段を設け、
前記同期情報選択手段に、前記記録位置制御信号の生成の基準となる一部のプリピットに前記同期パターンが隣接して位置する場合は第1の同期情報を選択し、それ以外は第2の同期情報を選択する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
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