JP4132779B2 - 選択反射膜及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCD等の表示デバイスに好適に使用される、カラーフィルタ、位相差フィルム等の選択反射膜及びその製造方法に関し、詳しくは、選択反射を示す液晶性組成物への光照射により得られ、色再現性、表示画像品質の高い選択反射膜及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、カラー液晶ディスプレー等に用いられるカラーフィルタは、一般に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各画素と、その間隙に表示コントラスト向上を目的とするブラックマトリクスとにより構成される。
このようなカラーフィルタの製造方法としては、近年、材料ロスが少なく高効率に、かつ簡便に高品質なカラーフィルタを製造しうる製造方法が要望され、また、カラーフィルタの性能としては、透過率、色純度が高いことが求められる点から、近年では液晶性材料(特に、コレステリック液晶)を主成分とするカラーフィルタが広く検討されている。
【0003】
コレステリック液晶を主成分とする液晶性組成物を用いたカラーフィルタは、一定波長の光を反射しそれ以外を透過して画像表示を行う偏光利用型のカラーフィルタであるため、光の利用効率が高く、透過率、色純度の点で優れる。
製造上、均一厚が容易に形成できることから、スピンコート法等を利用して成膜する方法が一般的であったが、材料ロスが大きくコストの点で不利であり、かかる観点からは、特に光反応型のキラル化合物を用いた製造方法が有用である。
即ち、光反応型のキラル化合物を含む液晶性組成物を用いた場合、キラル化合物の感応波長の光をパターン状に照射すると、その照射エネルギーの強度(照射量)に応じてキラル化合物の異性化が進行し、液晶性化合物の螺旋ピッチ(螺旋の捻れ角)が変化する結果、光量差のあるパターン露光のみにより画素ごとに所望の選択反射色を簡易に形成することができ、材料ロスを低減でき、工程数低減や低コスト化を達成することができる。
【0004】
しかし、近年のカラー画像に求められる画像特性は高く、特にカラーフィルタでは、選択反射する色相純度が高いことのほか、高解像度であることが不可欠である。
ところが、上述のように選択反射波長は照射光量の増加に応じて短波長から長波長側に順次変化(青色(B)→緑色(G)→赤色(R))させ得るが、図1に示すように、赤色の選択反射が得られる照射光量域a1に比して、照射光量に対する、特に短波長域から570nm付近に至る間の波長の長波側への変化は極めて急峻であるので、緑色の選択反射が得られる照射光量域a3が非常に狭く、照射時に露光ムラ等を生じると黄味や青味を帯びた緑色となって、原色としての高純度な緑色が得られず、かつ色相が不均一となるといった問題があった。また、赤色の選択反射を示す場合、その吸収端が少しでもずれると橙色味を帯びたり視感度が落ちて表示が暗くなったりしやすい。しかも、RGBを配列した場合など、色相の隣接する境界部(画素境界部)では色分画がぼやけて解像度が低下し、結果的にパターニング精度が低くなる要因となっていた。
【0005】
一方、位相差フィルムや円偏光反射板などの他の光学フィルムなどでは、良好な光学特性を得る観点から膜の固有複屈折(Δn)が大きいことが要求され、一般には、膜の厚膜化によりその膜のΔnを大きくすることができるが、コストの点で不利であり、低コスト化の点では薄膜であることが要求される。
【0006】
他方、液晶性組成物を含む膜(層)(例えばカラーフィルタ膜、位相差膜など)を塗布形成する場合、特に低分子液晶では、基板側で液晶分子が(基板と)水平になるように配向処理を施しても、カラーフィルタ形成層の片側が空気界面にあるので空気界面側で液晶分子が垂直に立ち、層の厚み方向に向かって液晶分子の傾斜角度(プレチルト角度)が連続的に変化する状態が生じる。このため通常は、層の両側を配向膜で挟みこむ必要があるが、液晶性組成物を重合して光学膜として利用する場合には、軽量化や薄型化のために重合後少なくとも片側の配向膜を剥がす必要があり、配向膜の設置、除去といった工程の増大や廃材の増大を伴うという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、光反応型キラル化合物を含む液晶性材料を用いた製造方法において、簡便に良好な配向処理が施され、色ズレによる色純度(特に緑色若しくは赤色)の低下や色相の不均一が生じず、常に安定に高解像度で色分画の良好な画像特性や光学特性を備える選択反射膜(カラーフィルタ、位相差フィルム、円偏光反射板、等)を作製し得る技術は、未だ確立されていないのが現状である。
【0008】
以上より、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、下記目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、簡便で良好な配向処理が可能で、パターニング時の照射ムラ等に起因する色相ズレに伴う色純度や解像度の低下を回避して、均一で色純度の高い色相(特に緑色若しくは赤色)が得られ、高精度に色分画(パターニング)を行い得る選択反射膜の製造方法を提供すること、並びに選択反射する色相及び色相均一性、特に緑色若しくは赤色の色相及びその均一性に優れ、高解像度で色分画(パターニング精度)に優れる画像特性、並びに良好な光学特性を備える選択反射膜を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、選択反射膜の画像・光学特性(特に、選択反射する色純度、色相均一性の向上、高解像度化)に関し以下の知見を得た。
光反応型キラル化合物を含む選択反射膜、例えば光反応型のコレステリック液晶組成物を用いたカラーフィルタの作製に際して、液晶性組成物(液晶層)にパターン露光を施す場合、透過光量の異なる領域を有するマスクを用いた一回の露光でのパターニングが可能であるが、特に緑色(G)の選択反射を形成し得る光量域は狭いために常に一定の色度の緑色相が得られ難い。また、選択反射する赤色(R)は、その吸収端が少しでもずれると橙色味を帯びたり視感度が落ちて表示が暗くなったりしやすい。更に、例えば印刷物や偽造防止用表示等の他の用途において短波長から570nm付近で中間色を制御しようとすることは困難である。
【0010】
以上の知見から、前記課題は、コレステリック液晶組成物に対するパターニングに液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光若しくは楕円偏光を用いること、該円偏光若しくは楕円偏光の波長を光反応型キラル化合物の吸収波長と同一若しくは近傍の波長とすること、に基づいて達成され、その具体的手段は以下の通りである。
<1> 重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物(好ましくはネマチック液晶化合物)と、可視光領域に異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物と、重合開始剤とを含む液晶性組成物を画像様に光(波長λ1)照射し該照射に応じた選択反射を示すパターンを形成する選択反射膜の製造方法であって、前記光照射に、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかを用いることを特徴とする選択反射膜の製造方法である。
【0011】
<2> 液晶性組成物に、波長λ1の光を照射して該液晶性組成物に露光量分布を形成し、該露光量分布に応じた選択反射を示す状態とした後、該状態の液晶性組成物に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ多色パターンを形成する工程を含み、前記波長λ1の光が、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかである前記<1>に記載の選択反射膜の製造方法である。
【0012】
<3> 液晶性組成物に、波長λ1の光を画像様に照射し該照射に応じた選択反射を示す状態とした後、該状態の領域に更に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成する工程を少なくとも一工程含み、前記波長λ1の光が、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかである前記<1>に記載の選択反射膜の製造方法である。
<4> 波長λ1の光の照射量をn段階に変化させて、単色パターンを形成する工程をn回繰り返すことにより、n色よりなる多色パターンを形成する前記<3>に記載の選択反射膜の製造方法である。
【0013】
<5> 予め第一色目の選択反射を示す状態にある液晶性組成物に、波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成した後、更に前記第一色目と異なる波長の選択反射を示すように波長λ1の光の照射量を(n−1)段階に変化させて、単色パターンを形成する工程を(n−1)回繰り返すことにより、n色よりなる多色パターンを形成する前記<3>に記載の選択反射膜の製造方法である。
【0014】
<6> 光反応型キラル化合物が、490〜570nm若しくは630〜690nmの波長領域に異性化可能な吸収を有し、かつ波長λ1の光が波長490〜570nm若しくは630〜690nmの光である前記<1>〜<5>のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法である。
<7> 光反応型キラル化合物の異性化可能な吸収波長λ(nm)に対して、波長λ1(nm)が(λ−50)≦λ1≦(λ+50)を満たす前記<1>〜<6>のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法である。
<8> 液晶性組成物が空気界面配向剤を含む前記<1>〜<7>のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法である。
<9> 前記<1>〜<8>のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法により得られることを特徴とする選択反射膜である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明においては、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれか(波長λ1)を用いてパターニングし、好ましくは波長λ1を(λ−50)≦λ1≦(λ+50)〔λ:光反応型キラル化合物の異性化可能な吸収波長(nm)〕とする。
以下、本発明の選択反射膜及びその製造方法について詳述する。
【0016】
<選択反射膜の製造方法>
本発明の選択反射膜の製造方法は、選択反射を示し得る液晶性組成物(以下、「コレステリック液晶組成物」若しくは「コレステリック液晶層」ともいう。)に対して、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光若しくは楕円偏光を画像様に照射し、該照射(量)に応じた選択反射を示すパターンを形成する(以下、この操作を総じて「露光工程」ということがある。)。ここで、「液晶の螺旋の捻れ方向」とは、液晶分子が螺旋状に並んだ構造が捻れている向き(右円/左円方向)をさす。
【0017】
即ち、露光工程においては、着色を得ようとする所望の領域を含む全体若しくは一部に光(波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光)を照射(パターニング)すると該光に光反応性キラル化合物が反応し、トランス−シス異性化や化学反応による構造変化によって液晶の螺旋ピッチが変化することにより、所望の選択反射を示す状態、即ち所望の色相を呈する。そして、好ましくは更に光(波長λ2(≠λ1))照射され、所望の領域のみを重合硬化させて前記液晶の螺旋ピッチを固定化することができる。
本発明においては、均一で色純度の高い色相(特に緑色若しくは赤色)が特に効果的に得られ、特に高精度な色分画(パターニング)が可能な点で、円偏光に近い光(略円偏光)とするのが好ましく、円偏光で画像様に照射する態様が特に好ましい。
【0018】
また、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光若しくは楕円偏光を用いるので、例えば490nm≦λ1≦570nmの緑色光でパターニングした場合、照射に伴って選択反射する色相が青色から緑色を示すようになり、照射光の大部分は反射されて捻れ変化が進みにくくなるが、このとき緑色の選択反射が得られる光量域を拡げつつ、しかも生産性をも確保し得る程度の捻れ変化を起こさせることができる。
【0019】
本発明の第一の態様の選択反射膜の製造方法は、選択反射を示し得る液晶性組成物に対して、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)を照射して露光量分布を形成し、該露光量分布に応じた選択反射を示す状態とした後、該状態の液晶性組成物に更に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ多色パターンを形成する工程(露光工程)を含むことにより好適に実施することができる。
【0020】
したがって、液晶性組成物(好ましくは、非液晶状態を示す)には、例えば透過光量の異なる領域を有するマスク等を介する、等して前記露光工程を1回経ることにより、液晶性組成物(コレステリック液晶層)の所望の領域全体に一度に露光量分布を形成でき、複数色の選択反射を示すカラーフィルタを容易に得ることができる。尚、波長λ1の光の照射は、液晶層の任意の領域に行えばよく、その全面に行ってもよいし、着色する所望の対象領域を含む部分のみに行ってもよい。
本態様による場合でも、均一で色純度の高い色相(特に緑色若しくは赤色)が得られ、高精度に色分画(パターニング)を行うことができる。また、λ2の光の照射時における互いに隣接する領域(着色画素)間での、各画素ごとに異なる光量の光で異性化されたキラル化合物の拡散を防止できる結果、画素境界部での色相の滲み等に起因する色純度や解像度の低下をも効果的に防止することができる。
【0021】
本態様の具体的構成態様として、液晶性組成物に、λ1の光を照射して該液晶性組成物に露光量分布を形成する工程と、露光量分布が形成された液晶性組成物を昇温して(好ましくは、非液晶状態から液晶状態に転移させ)、前記露光量分布に応じて選択反射する状態(領域)を形成する工程と、前記状態が形成された前記液晶性組成物にλ2(≠λ1)の光を照射し、重合若しくは架橋させて硬化する工程と、を含む態様であってもよい。
【0022】
本発明の第二の態様の選択反射膜の製造方法は、選択反射を示し得る液晶性組成物(好ましくは、非液晶状態を示す)に対して、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)を照射し(好ましくは、昇温して非液晶状態から液晶状態に転移させ)該照射に応じた単色の選択反射を示す状態とした後、該状態の領域に更に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成する工程(露光工程)を少なくとも一工程含んで構成されることにより好適に実施することができる。ここで、「単色の選択反射を示す状態」とは、未だ重合硬化されていない領域が波長λ1の光の照射により所望の単一色を呈している状態をいう。
【0023】
したがって、本態様では、前記露光工程を1回経ることにより単色の選択反射を示すパターンを形成することができ、該工程を複数回繰り返すことにより、複数色の選択反射を示すカラーフィルタを得ることができる。
波長λ1の光の照射は、コレステリック液晶層の任意の領域に行えばよく、コレステリック液晶層の全面に行ってもよいし、着色する所望の対象領域を含む部分のみに行ってもよいし、画像様に行ってもよく、製造上の制約がなく工程の簡易化が図れる観点からは、照射領域に制限のない態様で行うことが好ましい。
【0024】
また、本発明の第一及び第二の態様おいては、いずれも波長λ1の光の照射後の波長λ2の光を照射して液晶分子の配向を固定化することにより、選択反射波長を不変に保持し、かつ画像化(パターニング)するので、波長λ2の光の照射は、照射により画像様に重合硬化可能な態様で行う。したがって、必ずしもλ2の光の照射を画像様に行う必要はなく、例えば、最後の色相形成(RGB3色からなる場合の3色目の形成)を固定化されていない全領域に形成すればよい場合には全面照射すればよく、全面照射により画像様に重合硬化され最終パターンが形成される。
【0025】
前記第二の態様においては、前記露光工程を少なくとも一工程含んでいればよく、具体的には、下記態様A及び態様Bのいずれの態様であってもよく、前記第二の態様の中でも該2態様によって、特に好適に選択反射膜を作製することができる。ここでは、前記選択反射膜として、コレステリック液晶カラーフィルタを一例に説明する。
【0026】
前記第二の態様に係る態様Aでは、前記露光工程を少なくとも一工程含んで構成され、波長λ1(可視光領域)の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)の照射量をn段階に変化させて、単色パターンを形成する工程(即ち、露光工程)をn回繰り返すことにより、n色よりなる多色パターンを形成することができる。上記において、光の照射量をn段階に変化させるとは、必ずしも照射量が順に変化することを表すのではなく、n回行う露光工程の各工程において、光の照射量を所望の選択反射を示すように全て異なる照射量とすることをいう。
【0027】
本態様では、例えばR(赤色)、G(緑色)、及びB(青色)の3色よりなるカラーフィルタ(n=3)を作製する場合、液晶性組成物(コレステリック液晶層)に対して、第一色目の色相(例えばR)を示す選択反射波長が得られるように、波長λ1(好ましくは490〜570nm若しくは630〜690nmの波長光)の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)を照射量hα(段階1)で照射し、続いて波長λ2(400nm未満)の光を所望の画像様に照射して第一色目のパターン(例えばR画素)を形成した後、第二色目の色相(例えばG)を示す選択反射波長が得られるように、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光を照射量hβ(段階2)で照射し、続いて波長λ2の光を所望の画像様に照射して第二色目のパターン(例えばG画素)を形成し、更に第三色目の色相(例えばB)を示す選択反射波長が得られるように、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光を照射量hγ(段階3)で照射し、続いて波長λ2の光を照射(必要に応じて所望の画像様に)して第三色目のパターン(例えばB画素)を形成する。本態様では、照射ムラ等による液晶の螺旋構造(ピッチ)の不均一を解消することができ、色純度及び色相均一性が高く鮮鋭で高解像度のコレステリック液晶カラーフィルタを作製することができる。
【0028】
また、前記第二の態様に係る態様Bでは、予め第一色目の選択反射を示す状態にあるコレステリック液晶層(液晶性組成物)に、波長λ2(400nm未満)の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成した後、更に前記第一色目と異なる波長の選択反射を示すように、波長λ1(可視光領域)の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)の照射量を(n−1)段階に変化させて、単色パターンを形成する工程(即ち、露光工程)を(n−1)回繰り返すことにより、n色よりなる多色パターンを形成することができる。前記態様Aと同様に、光の照射量を(n−1)段階に変化させるとは、必ずしも照射量が順に変化することを表すのではなく、(n−1)回行う露光工程の各工程において、光の照射量を所望の選択反射を示すように全て異なる照射量とすることをいう。
【0029】
本態様では、前記露光工程に移行する前に、液晶性組成物を予め所定の選択反射色(第一色目の選択反射)を示す状態で形成する。これにより工程数をより軽減し、照射光量に対して急峻に変化する波長領域で前記態様Aよりも一層色純度及び色相均一性の良好な第一色目を容易に形成でき、しかも低コスト化をも図ることができる。
予め所定の選択反射色(第一色目の選択反射)を示す状態とする方法としては、例えば、▲1▼配向膜の表面にコレステリック液晶層を設けておき、波長λ2の光の照射前に加熱する、▲2▼転写材料を用いてコレステリック液晶層を転写する(下記態様(1))、あるいはコレステリック液晶層を塗布形成する(下記態様(2))と共に、着色を得ようとする領域を含む全面若しくは一部に該液晶層が第一色目の選択波長を示し得る光量hαの円偏光若しくは楕円偏光(波長λ1)を照射する、等が挙げられる。
【0030】
例えば、RGB3色よりなるコレステリック液晶カラーフィルタ(n=3)の場合、既に第一色目(例えばR)の選択反射を示す状態にあるので、波長λ2(400nm未満)の光を所望の画像様に照射して第一色目のパターン(例えばR画素)を形成した後、第二色目の色相(例えばG)を示す選択反射波長が得られるように、波長λ1(好ましくは490〜570nm若しくは630〜690nmの波長光)の円偏光若しくは楕円偏光(液晶の螺旋の捻れ方向と同方向)を照射量hβ(段階1)で照射し、続いて波長λ2の光を所望の画像様に照射して第二色目のパターン(例えばG画素)を形成し、更に第三色目の色相(例えばB)を示す選択反射波長が得られるように、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光を照射量hγ(段階2)で照射し、続いて波長λ2の光を照射(必要に応じて所望の画像様に)して第三色目のパターン(例えばB画素)を形成する。本態様でも、照射ムラ等による液晶の螺旋構造(ピッチ)の不均一を解消して、色純度及び色相均一性が高く鮮鋭で高解像度のコレステリック液晶カラーフィルタを作製することができる。
【0031】
〈露光工程〉
本発明に係る露光工程においては、液晶性組成物(コレステリック液晶層)を所望の選択反射を示す状態とする色相調整(選択反射による発色)と、コレステリック液晶層の重合硬化によるパターン化及び選択反射波長の固定化、のいずれをも光の照射によって行う。即ち、光反応型キラル化合物が高感度に感応しうる可視光領域(好ましくは400nm以上の波長領域)の光により所望の選択反射を示す液晶配向状態とした後、重合開始剤が高感度に感応しうる波長λ2(400nm未満)の光により光重合させて硬化し、所望の選択反射色に液晶性化合物の螺旋構造を固定化する。
【0032】
以下、更に具体的に説明する。まず、波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光がコレステリック液晶層に照射されると、その照度に応じて、共存する光反応型キラル化合物が感光してネマチック液晶化合物の螺旋構造が変化し、この構造変化により異なる選択反射色を示す。従って、所望の領域ごとに照射量を変えることにより所望の色相を呈し、この状態で画像様にλ2の光を照射して硬化(固定化)することでパターン化され単色像が得られる(露光工程)。前記第一の態様では一回の露光工程により多色の液晶カラーフィルタを作製することができ、前記第二の態様では、露光工程を繰り返す。
【0033】
本発明においては、前記波長λ1(可視光領域)の光として、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光若しくは楕円偏光を用いる。例えば490nm≦λ1≦570nmの緑色光でパターニングする場合、既述のように照射量に応じて選択反射する色相が青色から緑色を示し、照射光の大部分は反射されるようになるが、その選択反射を示す液晶性組成物の螺旋構造の捻れ方向と同一方向に円運動して進む偏光は、液晶性組成物中に侵入し易く、照射による捻れ変化を維持して赤色の選択反射を示すピッチ(捻れ角)まで変化を継続することができる。
【0034】
また、前記波長λ1の光の波長としては、光反応型キラル化合物の感光波長域、特に可視光領域(好ましくは400nm以上の波長領域)に属する感光ピーク波長に近接する波長に設定することが、十分なパターニング感度が得られる点で好ましいが、本発明においては、特に緑色若しくは赤色の色純度及び色相均一性等を確保する観点から、490〜570nm若しくは630〜690nmの光を用いることが特に好ましい。
具体的には、▲1▼波長490〜570nmに異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物に波長λ1が490〜570nmの光を組合せる、▲2▼波長630〜690nmに異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物に波長λ1が630〜690nmの光を組合せる、等の態様が好適である。
【0035】
更には、光反応型キラル化合物の異性化可能な吸収波長λ(nm)に対して、パターニング光の波長λ1(nm)が(λ−50)≦λ1≦(λ+50)を満たすことが特に好ましい。中でも更に、(λ−30)≦λ1≦(λ+30)が最も好ましい。
【0036】
前記可視光領域には、青色(B)〜緑色(G)〜赤色(R)を呈する波長が含まれるため、上記範囲内の所望の波長域に光吸収を有するキラル化合物を用いることにより、図1に示すように、特に照射光量に対する選択反射波長変化の急峻な領域に対応する光量域a2、例えば前記▲1▼のように組合せた時は緑色の選択反射を示す光量域a3を拡げることができるので、光量の微変化(照射ムラ等)に影響されることなく安定に所望の色相を均一に得ることができる。その結果、照射ムラ等による光量変化に伴う液晶の螺旋変化の不均一を解消でき、色相の純度や均一性の低下を防止することができる。尚、図1は、光反応型の液晶性組成物への照射光量と選択反射波長との関係を示す。
また、併用する重合開始剤の光感応ピーク波長は一般に400nm付近にあるため、後述のように、パターニング後に螺旋構造を固定化する過程での色相ズレをも効果的に防止することもできる。
【0037】
前記波長λ2の光の波長としては、重合開始剤の感光波長域、特に感光ピーク波長に近接する波長に設定することが、十分な光重合感度が得られる点で好ましい。
また、波長λ1及びλ2の光の照射量、照度(照射強度)には特に制限はなく、光感度が十分得られるように使用する材料に応じて適宜選択できる。
【0038】
前記波長λ1の円偏光若しくは楕円偏光を得る方法としては、例えば、偏光板、1/4波長板(λ/4板)等を用いた方法、直線偏光子とλ/4波長板とを組合せる方法、等が挙げられ、その照射に用いる光源としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変化及び重合反応が迅速に行える点で、可視光(好ましくは400nm以上)を発する光源が好ましく、例えば、キセノンランプ等が挙げられるが、前記偏光板やλ/4板を介在させて下記紫外線を発する光源を用いてもよい。また、光量可変機能を備えることが好ましい。
前記波長λ2の光の照射に用いる光源としては、エネルギーが高く、液晶化合物の構造変化及び重合反応が迅速に行える点で、紫外線を発する光源が好ましく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、Hg−Xeランプ等が挙げられる。また、光量可変機能を備えることが好ましい。
【0039】
光照射に用いられるマスクとしては、パターン状に開口が設けられているもの、パターン状に光透過率が決まっているものなど、公知のものの中から適宜選択できる。前記第一の態様においては、該マスクとして、パターン状に開口が設けられているもの、パターン状に光透過率が決まっているものなど、公知のものの中から適宜選択できる。
【0040】
また、本発明の選択反射膜の製造方法においては、前記露光工程のほか、目的物や選択する製造態様に応じて、適宜、コレステリック液晶層との接触面に配向処理を施す工程(配向処理工程)、液晶層を有する転写材料との密着(ラミネート)・剥離により液晶層を転写する工程(転写工程)、コレステリック液晶相を塗布等して液晶層を形成する工程(塗布工程)などを経て形成されてもよい。
【0041】
カラーフィルタを作製する場合を一例にとると、例えば、下記態様(1)又は(2)の製造方法であってもよく、これら2態様によってより好適に作製することができる。
〈態様(1)〉
(工程1):転写材料を作製する工程。
仮支持体上に塗布液状の液晶性組成物(コレステリック液晶組成物)を設け、該組成物よりなるコレステリック液晶層を少なくとも有してなる転写材料を形成する。
前記塗布液状の液晶性組成物は、各成分を適当な溶媒に溶解、分散して調製でき、該溶媒としては、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
前記液晶層と仮支持体との間には、被転写体上に異物等がある場合など、転写時における密着性を確保する観点から、熱可塑性樹脂等を含んでなるクッション層を設けることもでき、該クッション層等の表面には、ラビング処理等の配向処理を施すこと〔配向処理工程〕も好ましい。
【0042】
(工程2):コレステリック液晶層を転写形成する層形成工程。
前記転写材料を光透過性の基材(基板)上にラミネートし、基板から転写材料を剥離してコレステリック液晶層を形成する(転写工程)。
前記光透過性の基材のほか、基材上に受像層を有する受像材料を用いてもよい。後述の態様(2)のように液晶層を塗布形成してもよいが、材料ロス及びコストの点で転写による方法が好ましい。該液晶層は、下記(工程3)を経た後、更に積層して複数層より構成することもできる。
(工程3):上述の本発明に係る露光工程。
基材上のコレステリック液晶層に対して、波長λ1の光を照射することにより単色の選択反射を示す領域を形成し、該領域に更に波長λ2の光を照射して所望の選択反射波長及びパターンに硬化、固定化する。
尚、これら各工程及び使用する転写材料、基材等の材料については、本発明者らが先に提出した特願平11−342896号及び特願平11−343665号の各明細書に詳細に記載されている。
【0043】
〈態様(2)〉
(工程1):コレステリック液晶層を塗布形成する層形成工程。
カラーフィルタを構成する基板(支持体)上に直接液晶性組成物を塗布してコレステリック液晶層を形成する。前記液晶層は、上記同様に塗布液状に調製した液晶性組成物をバーコーターやスピンコーター等を用いた公知の塗布方法により塗布形成することができる。また、前記コレステリック液晶層と基材との間には、上記同様の配向膜が形成されていてもよい。該配向膜等の表面には、ラビング処理等の配向処理を施すこと〔配向処理工程〕も好ましい。
(工程2):前記態様(1)の(工程3)と同様の露光工程。
【0044】
以下、本発明の選択反射膜の製造方法の一例として、前記態様Bに係るコレステリック液晶カラーフィルタの製造方法について、図2〜5を参照して説明する。図2及び3は、基板上にコレステリック液晶層を形成するまでの工程を説明するための概略工程図である。図4は、第一の態様によりRGB3色よりなる多色パターンを形成しているところを説明するための概略工程図である。図5は、第二の態様により単色パターンを形成する工程を繰り返して画像様にRGB3色を形成しているところを説明するための概略工程図である。
【0045】
まず、後述の各成分を適当な溶媒に溶解し、塗布液状のコレステリック液晶組成物を調製する。
図2−(A)のように、仮支持体10を準備し、該仮支持体10上に、例えばアクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン等を塗布形成してクッション層(熱可塑性樹脂層)12を設ける。更に、ポリビニルアルコール等よりなる配向膜を積層してもよく、該配向膜には必要に応じてラビング処理が施される(配向処理工程)。ラビング処理により配向性を向上させることができる。
次に、図2−(B)に示すように、前記クッション層12上に、塗布液状のコレステリック液晶組成物を塗布、乾燥しコレステリック液晶層16を形成した後、このコレステリック液晶層16上にカバーフィルム18を設けて、転写材料を作製する。以下、該転写材料を転写シート20と称する。
【0046】
一方、図2−(C)に示すように、別の基材22を準備し、該基材22上に上記と同様にして配向膜24を形成し、その表面にラビング処理を施す(配向処理工程)。以下、これをカラーフィルタ用基板26と称する。
続いて、転写シート20のカバーフィルム18を剥がした後、図3−(D)に示すように、該転写シート20のコレステリック液晶層16の表面と、カラーフィルタ用基板26の配向膜24の表面とが接触するように重ね合わせ、図中の矢印方向に回転するロールを通してラミネートする。その後、図3−(E)に示すように、転写シート20のクッション層12とコレステリック液晶層16との間で剥離され、カラーフィルタ用基板上にコレステリック液晶層が転写される(転写工程)。この場合、クッション層12は、必ずしも仮支持体10と共に剥離されなくてもよい。
【0047】
ここで、コレステリック液晶層は、予めコレステリック液晶層を第一色目の選択反射を示す状態としておいてもよく(前記態様B)、そうすることにより第一色目についてλ1の光を照射する工程を省くことができ、転写工程後の最初の工程として、図5−(F−a)に示す、第一色目のパターン化及び色相の固定化に移行することができる。尚、転写工程とは別個に、波長λ1の光を照射して単色の選択反射を示す状態とするプロセスを経由してもよい(前記態様A)。
【0048】
上記転写の後、以下のようにして画像様にRGB3色を形成できる。即ち、
図4−(F−i)に示すように、コレステリック液晶層16上には、光の透過率の異なる領域を複数有する露光マスク28が密着して配置され、マスク28を通して波長λ1の光をコレステリック液晶層16にパターン状に照射してもよい(第一の態様)。照射後には、光照射量に応じて異性化した光反応型キラル化合物に対応して選択反射波長を示す液晶状態を形成し得る温度に加熱する。そして、図4−(F−ii)のように、コレステリック液晶層16に対して波長λ2の光(紫外線等)を照射して固定化され、図4−(F−iii)に示すように、BGRの反射領域が形成される。
【0049】
また、図5に示すように、照射してもよい。即ち、既に第一色目(例えばR)の選択反射を示す状態とされたコレステリック液晶層16に対して、フォトマスク4を介して波長λ2の光が画像様に照射されると、照射された領域のみが硬化し、第一色目の色相が固定化され(例えばR画素)、パターン化される(図5−(F−b)参照)。続いて、図5−(F−b)に示すように、光量hβの光(波長λ1)が全面に照射されると、コレステリック液晶層の固定化されていない全領域に第二色目の選択反射を示す状態が形成される。この状態で、図5−(F−c)に示すようにフォトマスク4’を配置し、該フォトマスク4’を介して波長λ2の光が画像様に照射されると、照射された領域のみが硬化されて第二色目の色相が固定化され(例えばG画素)、パターン化される(図5−(F−d)参照)。更に、図5−(F−d)に示すように、光量hγの光(波長λ1)が全面に照射されると、コレステリック液晶層の固定化されていない全領域に第三色目の選択反射を示す状態が形成される。ここで、RGB3色よりなるカラーフィルタの作製の場合には、第三色目の色相の固定化と該色相に選択反射する領域(例えばB画素)形成を選択的にパターン化して行う必要はなく、図5−(F−e)に示すように、波長λ2の光を全面に照射すればよい。尚、各露光工程で照射される光の波長λ1は、必ずしも同一波長である必要はない。
【0050】
更に、必要に応じて、2−ブタノン、クロロホルム等を用いて、コレステリック液晶層16上の不要部分(例えば、クッション層、中間層等の残存部、未露光部)がアルカリ現像処理して除去される。
以上のようにして、RGB3色よりなる、本発明のコレステリック液晶カラーフィルタを作製することができる。
【0051】
図2〜5に示す方法は、ラミネート方式による製造方法の一形態であるが、カラーフィルタ用基板上に直接液晶層を塗布形成する塗布方式による製造方法であってもよい。この場合、上記態様に当てはめると、まず、図2−(C)に示すカラーフィルタ用基板26の配向膜24上にコレステリック液晶層を塗布、乾燥した後、上記同様に図4−(F−i)〜(F−iii)又は図5−(F−a)〜(F−e)に示すプロセスが順次実施される。
【0052】
コレステリック液晶カラーフィルタとして機能する液晶層(シート状の液晶組成物)の厚みとしては、0.5〜4μmが好ましい。
尚、本発明の製造方法により製造された選択反射膜(例えばカラーフィルタ等)は、液晶性組成物(コレステリック液晶層)として基材上に設けられたもの、液晶性組成物のみで構成されるもののいずれであってもよい。
【0053】
以上のように、可視光領域、好ましくは490〜570nm若しくは630〜690nmに異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物を含む液晶性組成物を用い、かつ該キラル化合物の吸収波長近傍の光を画像様に照射するので、光量の微変化による影響を受けることなく、照射ムラ等による光量変化に伴う液晶の螺旋変化(捻れ変化率)の不均一を解消でき、色相純度や色相均一性の低下を防止することができる。その結果、安定に所望の色相(特に緑色、若しくは赤色)を均一に得ることができる。
【0054】
〈液晶性組成物〉
本発明に係る液晶性組成物(コレステリック液晶組成物)は、重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物と、可視光領域に異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物と、重合開始剤とを少なくとも含んでなり、好ましくは空気界面配向剤や重合性モノマーを含んでなり、必要に応じてバインダー樹脂、重合禁止剤等の他の成分を含んでいてもよい。
【0055】
−光反応型キラル化合物−
前記光反応型キラル化合物(以下、単に「キラル化合物」ということがある。)としては、パターニング感度を向上させ得る点でその光感応ピーク波長が後述の重合開始剤の光感応ピーク波長よりも長波長側にあるものが好ましく、中でも本発明においては、可視光領域(好ましくは400nm以上)に光異性化可能な光吸収を有する光反応型のキラル化合物を含有する。
【0056】
上記領域には青色(B)〜緑色(G)〜赤色(R)を呈する波長が含まれるため、用いる光源波長に対応して所望の波長域に光吸収を有するキラル化合物を選択することにより、図1に示すように、特に照射光量に対する選択反射波長変化の急峻な領域に対応する光量域a2、例えば緑色の選択反射を示す光量域a3を拡げることができるので、光量の微変化(照射ムラ等)に影響されることなく安定に所望の色相(例えば緑色)を得ることができる。その結果、照射ムラ等による光量変化に伴う液晶の螺旋変化の不均一を解消でき、色相純度や色相均一性の低下を防止することができる。
【0057】
前記光反応型キラル化合物は、液晶性組成物に誘起する螺旋ピッチを光照射(可視光)によって変化させうる化合物であり、このため必要な部位(分子構造単位)として、キラル部位と光の照射によって構造変化を生じる部位とを有する。これらの部位は、1分子中に含有されているものが好ましい。
本発明においては、前記光反応性キラル化合物の他、捻れ性の温度依存性が大きいキラル化合物など、光反応しないキラル化合物を併用することもできる。
【0058】
本発明においては、可視光領域に光異性化可能な光吸収を有する化合物の中でも、異性化可能な光吸収が490〜570nm若しくは630〜690nmにある化合物を用いることがより好ましい。
異性化可能な光吸収が490〜570nmにある場合、該波長域は緑色を示す選択反射波長と一致するが、該波長域の光を照射するにしたがってキラル化合物の異性化に伴う液晶性組成物の螺旋ピッチ(捻れ角)は青色から緑色の選択反射を示すようになり、このとき照射光の大部分は反射して液晶性組成物に吸収される光量を少なくすることができる。その結果、異性化がゆっくりと起こるため、緑色の選択反射を得るための光量域を拡げることができ、照射ムラ等による光量変化に伴う液晶の螺旋変化の不均一を解消できる。即ち、緑色の色純度及び色相均一性が向上し、パターンの位置精度(色分画)をも向上させることができる。
【0059】
一方、選択反射する赤色は、その吸収端が少しでもずれると橙色味を帯びたり視感度が落ちて表示が暗くなったりしやすい。前記630〜690nmの波長領域は赤色を示す選択反射波長と一致するが、異性化可能な光吸収が630〜690nmにあるキラル化合物を用いると、該波長域の光で照射することにより、赤色の色純度が向上し、パターンの位置精度(色分画)をも向上させることができる。
【0060】
また、前記光反応型キラル化合物は、液晶性組成物の螺旋構造を誘起する力が大きいものが好ましく、このためにはキラル部位を分子の中心に位置させ、その周囲をリジットな構造とすることが好ましく、分子量は300以上が好ましい。光照射による螺旋構造の誘起力を大きくするためには、光照射による構造変化の度合いの大きいものを使用し、キラル部位と光照射による構造変化を生じる部位を近接させることが好ましい。
更に、液晶性化合物への溶解性の高い光反応型キラル化合物が好ましく、その溶解度パラメータSP値が、液晶性の重合性モノマーに近似するものがより好ましい。また、キラル化合物の構造を重合性の結合基が1以上導入された構造にすると、形成された液晶組成物膜(カラーフィルタ)の耐熱性を向上させることができる。
光照射により、構造変化する光反応部分の構造例としては、フォトクロミック化合物(内田欣吾、入江正浩著、化学工業、vol.64,p.640,1999、内田欣吾、入江正浩著、ファインケミカル、vol.28(9),p.15,1999)等に記載のものが挙げられる。
【0061】
前記光反応型キラル化合物は、可視光領域、好ましくは400nmより長波長側に光によって異性化し得る吸収波長を少なくとも1つ有するものであり、該吸収波長を2以上有する化合物も好適である。
以下、具体例を示すが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
【0062】
【化1】
【0063】
上記構造式において、mは1〜8の整数を表し、1〜3の整数が好ましい。また、nは1〜10の整数を表し、1〜5の整数が好ましい。
【0064】
本発明においては、可視光領域に異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物は、二種以上を併用してもよいし、一種単独で用いてもよい。また、該光反応型キラル化合物と共に、公知の光反応型キラル化合物や非光反応型キラル化合物を併用することもできる。
【0065】
可視光領域に異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物の含有量としては、「重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物」に該光反応型キラル化合物を均一に溶解後、加熱して液晶状態を示す温度で観察、測定される選択反射波長に基づいて算出される、該選択反射波長の中心波長が400nmとなる量以下が好ましい。この量を超えると、配向劣化や感度低下を生ずることがある。
また、光反応型キラル化合物の、光照射により変化する捻れ力の光照射前後でのHTP差(ΔHTP)にその重量百分率を乗算したものが1.07以上となる量以上が好ましい。この量未満であると、色相幅の広い(即ち、選択反射する波長領域の広い)多色パターニングが困難となることがある。ここで、HTPとは、光の照射により変化する液晶の螺旋ピッチ、即ち螺旋構造の捻れ力(ヘリカルツイスティングパワー)をいい、その差(ΔHTP)とは、光照射により光照射前後で変化する螺旋ピッチの差をいう。
【0066】
−重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物−
重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物(本明細書中、単に「液晶性化合物」ということがある。)としては、重合性基を有する公知の液晶性化合物から適宜選択することができ、中でも、棒状のネマチック液晶化合物(以下、単に「ネマチック液晶化合物」という。)が好ましい。
【0067】
ネマチック液晶化合物としては、その屈折率異方性Δnが、0.10〜0.40の液晶化合物、高分子液晶化合物、重合性液晶化合物の中から適宜選択することができる。ネマチック液晶化合物に光反応型キラル化合物を併用することによって、コレステリック液晶組成物とすることができる。また、前記ネマチック液晶化合物は、溶融時の液晶状態にある間に、例えばラビング処理等の配向処理を施した配向基板を用いる等により配向させることができる。また、液晶状態を固相にして固定化する場合には、冷却、重合等の手段を用いることができる。即ち、液晶性化合物は重合性基を有し、かつその反応性が極めて高いため、配向状態で効率よく重合させると強靭な膜を形成することができる。
【0068】
前記ネマチック液晶化合物の中でも、例えば、紫外線に感応して重合硬化するUV硬化型の官能基(例えば、アクリレート基等)が同一分子内に導入された液晶化合物などが好適に挙げられる。これに紫外線照射して固めれば、120℃以下の低温で膜強度の高いカラーフィルタの作製が可能である。
【0069】
前記ネマチック液晶化合物の具体例としては、下記化合物を挙げることができる。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
【0070】
【化2】
【0071】
【化3】
【0072】
【化4】
【0073】
前記式中、nは、1〜1000の整数を表す。
前記各例示化合物においては、芳香環の側鎖連結基が以下の構造に変わったものも同様に好適なものとして挙げることができる。
【0074】
【化5】
【0075】
上記のうち、ネマチック液晶化合物としては、硬化性に優れ、層の耐熱性を確保しうる観点からは、分子内に重合性基あるいは架橋性基を有する化合物が好ましい。
【0076】
前記液晶性化合物は、一種単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。また、「重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物」と共に、重合性基を有しない液晶性化合物を併用してもよい。
前記「重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物」の含有量としては、液晶性組成物(コレステリック液晶組成物)の全固形分(質量)に対して、30〜98質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、配向が不十分となり所望の選択反射色が得られないことがある。
【0077】
−重合開始剤−
前記重合開始剤は、不飽和結合に基づく重合反応を促進し、液晶性組成物を重合硬化して固定化すると共に、固定化後の液晶性組成物の強度をより向上させる。重合開始剤としては、光反応性、熱反応性等の公知の化合物から適宜選択でき、中でも、光照射によって反応を促進し得る光重合開始剤が好適である。例えばコレステリック液晶組成物などの重合硬化反応を迅速に行うことができ、大きい固有複屈折(Δn)や、高解像度、色純度の高い選択反射色を安定的に得ることができる。
【0078】
前記光重合開始剤としては、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ジメチルベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、チオキサントン/アミン等が挙げられる。
【0079】
前記重合開始剤の添加量としては、液晶性組成物の固形分(質量)の0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。前記添加量が、0.1質量%未満であると、硬化効率が低いため長時間を要することがあり、20質量%を越えると、例えば光重合開始剤の場合に紫外線領域から可視光領域での光透過率が劣ることがある。
【0080】
−空気界面配向剤−
空気界面配向剤とは、排除体積効果を有する界面活性剤である。ここで、排除体積効果を有するとは、液晶(分子)の空気界面側の配向制御、即ち、例えば塗布により液晶性組成物を含む層を形成した際の、該層表面の空気界面での液晶の空間的な配向状態を立体的に制御することをいう。具体的には、空気界面側の液晶分子のプレチルト角を制御することをいう。
【0081】
好ましい空気界面配向剤の分子構造的な要件としては、フレキシブルな疎水性部位と環状ユニットを1つ以上備えた分子的にみて剛性を有するユニット(以下、剛直部位という。)とを有することである。なお、用いる液晶性化合物の種類によって、フレキシブルな疎水性部位をパーフルオロ鎖とすることもでき、長いアルキル鎖とすることもできる。疎水性部位がフレキシブルであることにより、効果的に疎水性部位を空気側に配置することができる。
また、空気界面配向剤は、分子数が数百程度の短分子であってもよく、それらが連結したポリマーやオリゴマーであってもよい。また、目的によって重合性の官能基を付与することも可能である。
【0082】
このような空気界面配向剤を含有する場合には、空気界面配向剤のフレキシブルな疎水的部位が空気界面方向に存在し、かつ剛直部位が液晶分子方向に存在し、更に、剛直部位が平面的でそれが空気界面と平行に配列していることにより、液晶分子を空気界面に平行に配列させることが可能となる。
一方、剛直部位が空気界面と垂直に配列していれば、液晶分子を空気界面に垂直に配列させることが可能となる。
具体的には、ノニオン系の界面活性剤が好ましく、例えば下記化合物が好適に挙げられる。
【0083】
【化6】
【0084】
【化7】
【0085】
前記空気界面配向剤の添加量としては、液晶性組成物を含む層の空気界面側の表面を一分子ほど覆う程度が好ましく、液晶性組成物の全固形分(質量)に対して、0.05〜5質量%が好ましく、0.1〜1.0質量%がより好ましい。前記添加量が、0.05質量%未満であると、その効果を発揮しないことがあり、5質量%を越えると、空気界面配向剤自体が会合を起こして液晶と相分離を起こすことがある。
なお、空気界面配向剤を含有することにより表面張力の低下が図られるが、さらに表面張力を低下させ、塗布性の向上を図る目的で、前記空気界面配向剤以外の界面活性剤を併用することもできる。
【0086】
また、前記界面活性剤は、例えば、塗布液状の液晶性組成物を塗布し層形成する場合など、層表面の空気界面における液晶分子の配向状態を立体的に制御でき、特にコレステリック液晶の場合には、より色純度の高い選択反射波長を得ることができる。
【0087】
−重合性モノマー−
液晶性組成物には、重合性モノマーを併用してもよい。該重合性モノマーを併用すると、パターニング(コレステリック液晶の場合は、光照射による液晶の捻れ力を変化させて選択反射波長の分布を形成)した後、その螺旋構造(選択反射性)を固定化し、固定化後の液晶層(液晶組成物)の強度をより向上させることができる。但し、前記ネマチック液晶化合物が同一分子内に不飽和結合を有する場合には、必ずしも添加する必要はない。
【0088】
前記重合性モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和結合を持つモノマー等が挙げられ、具体的には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
前記エチレン性不飽和結合を持つモノマーの具体例としては、以下に示す化合物を挙げることができる、但し、本発明においては、これらに限定されるものではない。
【0089】
【化8】
【0090】
前記重合性モノマーの添加量としては、液晶性組成物の全固形分(質量)の0.5〜50質量%が好ましい。該添加量が、0.5質量%未満であると、十分な硬化性を得ることができないことがあり、50質量%を越えると、液晶分子の配向を阻害し、十分な発色が得られないことがある。
【0091】
−他の成分−
更に、他の成分として、バインダー樹脂、重合禁止剤、溶剤、増粘剤、色素、顔料、紫外線吸収剤、ゲル化剤等を添加することもできる。
該他の成分としては、紫外線硬化により硬化したカラーフィルタ膜の強度に影響するので、液晶性化合物との相溶性に優れるものが好ましい。
【0092】
また、これらの成分が硬化されたカラーフィルタ膜中で移動可能であると、遊離した成分が膜強度を低下させ、カラーフィルタの諸特性にも変化を生じさせる。したがって、添加する他の成分としては、液晶性化合物に導入された重合性の官能基と同系統の官能基を持つ成分を使用することが好ましい。即ち、他の成分が膜中で遊離せずに重合硬化により液晶性化合物中に固定化されるので、膜強度、諸特性が阻害されることもないのである。また、バインダー樹脂及び界面活性剤を除く前記他の成分の含有量は、液晶性組成物の全固形分(質量)の10質量%以下が好ましい。該含有量が10質量%を超えると、光学膜(選択反射膜)の強度を低下させることがある。
【0093】
前記バインダー樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン化合物、メチルセルロース、エチルセルロース、アセチルセルロース等のセルロース樹脂、側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号に記載のメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられる。
また、アクリル酸アルキルエステルのホモポリマー及びメタアクリル酸アルキルエステルのホモポリマーも挙げられ、これらについては、特にアルキル基がメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等のものが好適である。
その他、水酸基を有するポリマーに酸無水物を添加させたもの、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタアクリル酸のホモポリマータ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーの多元共重合体等が挙げられる。
【0094】
上記の中でも、パターニング後のアルカリ現像性、及び量産性の観点からは、カルボキシル基を含むバインダー樹脂が好ましい。プラスチック基板上に液晶層を形成(塗布、転写等)する場合、塗布液状に調製するコレステリック液晶組成物にバインダー成分として、カルボキシル基を含むバインダー樹脂を用いると、アルカリ現像が可能であり、光照射後にアルカリ現像することによって簡易にパターニングを行うことができる。
【0095】
液晶性組成物中におけるバインダー樹脂の含有量としては、0〜50質量%が好ましく、0〜30質量%がより好ましい。前記含有量が50質量%を超えると、液晶性化合物の配向が不十分となることがある。
【0096】
前記重合禁止剤は、保存性の向上の目的で添加され得る。例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、ベンゾキノン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。該重合禁止剤の添加量としては、前記重合性モノマーに対して0〜10質量%が好ましく、0〜5質量%がより好ましい。
【0097】
液晶性組成物は、前記各成分を溶剤に溶解、分散して(塗布液状に)調製でき、これを任意の形状に成形し、あるいは支持体等の上に形成(好ましくは、例えば塗布により液晶性組成物層を形成)して用いることができる。塗布により液晶性組成物層を形成すると、層厚、表面性の均一な層が得られ、光学特性に優れた選択反射膜を形成することができる。
前記溶剤としては、例えば、2−ブタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム等が挙げられる。
【0098】
<選択反射膜>
本発明の選択反射膜は、既述の本発明の選択反射膜の製造方法により好適に作製することができる。より好ましくは、490〜570nm若しくは630〜690nmの波長領域に異性化可能な吸収を有する液晶性組成物に、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向であって、波長490〜570nm若しくは630〜690nmの円偏光若しくは楕円偏光を画像様に照射してパターニングして作製できる。
【0099】
したがって、本発明の選択反射膜は、塗布厚にムラがあるような場合であっても、該ムラ等に起因するパターニング時における色ムラの発生が効果的に抑制されてなるので、色相均一性(特に、緑色若しくは赤色の色相及びその均一性)に優れる。
【0100】
最終的な選択反射膜の形態としては、特に制限はなく、前記液晶性組成物のみから構成されたシート形態、所望の支持体や仮支持体上に液晶性組成物を含む層(液晶層)を設けた形態、等のいずれであってもよく、更に配向膜や保護膜等の他の層(膜)が設けられていてもよい。
【0101】
所望の支持体や仮支持体上に液晶性組成物を含む層(液晶層)を設けた形態の場合、前記液晶層は、液晶性化合物(ネマチック液晶化合物)と光反応型キラル化合物と重合開始剤とをそれぞれ少なくとも一種含有するコレステリック液晶組成物よりなり、必要に応じて重合性モノマー、界面活性剤やバインダ樹脂等の他の成分を含んでいてもよい。
本発明においては、特に空気界面配向剤、重合性モノマーを併用することが好ましい。前記空気界面配向剤の含有により、既述のように、特に色純度の高い選択反射波長を得ることができる。
【0102】
以上のように、コレステリック液晶組成物を用いるので、非光吸収型の選択反射膜であって、液晶の選択反射する波長領域が拡く多彩な色相を示し、色純度(特に緑色、赤色)及びその均一性、並びに解像度に特に優れた選択反射膜であり、例えば、色純度の高い原色(B,G,R)よりなり、パターニング精度が高く色分画の良好な高解像度のカラーフィルタとすることができる。
【0103】
本発明の選択反射膜は、(積層)カラーフィルタのほか、LCD等の表示デバイスに用いられる、位相差フィルム、円偏光反射板、透過型LCD用の輝度向上フィルム等、カラーホイール等のプロジェクター等に用いられる光学部品、塗装等された装飾品、高光沢(メタリック)な印刷物、偽造防止用表示などに好適に用いることができる。
【0104】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1) フィルタ基板の準備
ガラス基板上にポリイミド配向膜(LX−1400,日立化成デュポン(株)製)塗布液をスピンコーターにより塗布し、100℃のオーブンで5分間乾燥した後、250℃のオーブンで1時間焼成して配向膜を形成した。更に、該膜の表面をラビング処理により配向処理して配向膜付ガラス基板を作製した。
【0105】
(2) フィルタ層の形成
上記より得た配向膜付ガラス基板の該配向膜上に、下記処方にて調製した感光性液晶層用塗布液(1)をスピンコーターにより塗布し、これを100℃のオーブンで2分間乾燥して感光性液晶層(液晶性組成物層)を形成した(層形成工程)。層厚を共焦点顕微鏡により測定したところ、2.3μmであった。
【0106】
【化9】
【0107】
次いで、感光性液晶層が形成されたガラス基板を、該ガラス基板の表面で接触するように100℃のホットプレート上に3分間保持し、感光性液晶層を配向(発色)させた。このとき、感光性液晶層は液晶相となり、中心波長450nmの選択反射を示した(青色形成)。
続いて、80℃で保持した状態で、前記感光性液晶層に対して、開口部が線幅80μm、開口ピッチ270μmのストライプ状のフォトマスクと、530nmに透過中心波長を持つ干渉フィルタと、偏光板と、λ/4板(左円偏光)とを介してキセノン光(λ1)を10秒間照射(照射強度5mW/cm2)し、パターニングした。この時(80℃)、感光性液晶層の光照射部は緑色の選択反射を示した。引き続き80℃で保持した状態で、前記フォトマスクを線幅方向に90μm移動させ、該フォトマスクと前記干渉フィルタとを介して上記同様に5秒間照射(λ1;照射強度40mW/cm2)し、パターニングした。すると、感光性液晶層の光照射部は赤色の選択反射を示した(80℃)。尚、感光性液晶層の未照射部は青色の選択反射を示していた(配向工程)。以上より、感光性液晶層に青色(B)、緑色(G)、赤色(R)に選択反射を示すパターンを形成した。
【0108】
次いで、このガラス基板を60℃のホットプレート上で保持し、窒素雰囲気のもと、313nmに透過中心波長を持つ干渉フィルターを介して超高圧水銀灯により5秒間照射(λ2;照射強度100mW/cm2)を行い、感光性液晶層の重合硬化を行った。更に、膜の硬化を促進する目的で250℃下で15分間加熱処理し、本発明にかかるカラーフィルタを得た。
【0109】
得られたカラーフィルタのB、G及びRの選択反射を示す中心波長は、それぞれ440nm、530nm及び650nmであり、各色において色純度の高い色相が得られた。しかも、各色において、カラーフィルタ内での各画素間の選択反射の中心波長のバラツキは±2nm以内であり、色相の均一性の点でも優れていた。
【0110】
(実施例2)
実施例1と同様にして、フィルタ基板としての配向膜付ガラス基板を用意し、実施例1で用いた感光性液晶層用塗布液(1)に代えて、下記処方よりなる感光性液晶層用塗布液(2)を用いたこと以外、実施例1と同様にして、前記配向膜上に感光性液晶層を形成した(層形成工程)。層厚を共焦点顕微鏡により測定したところ、2.3μmであった。
【0111】
【化10】
【0112】
次いで、実施例1と同様に感光性液晶層が形成されたガラス基板を100℃のホットプレート上に3分間保持し、感光性液晶層を配向(発色)させた。このとき、感光性液晶層は液晶相となり、中心波長455nmの選択反射を示した(青色形成)。
続いて、80℃で保持した状態で、前記感光性液晶層に対して、実施例1と同様(フォトマスク、530nmに透過中心波長を持つ干渉フィルタ、偏光板、及びλ/4板(左円偏光)を介す)にしてキセノン光(λ1)を20秒間照射(照射強度5mW/cm2)した。この時(80℃)、感光性液晶層の光照射部は緑色の選択反射を示した。引き続き80℃で保持した状態で、実施例1と同様(フォトマスク及び干渉フィルタを介す)にして10秒間照射(λ1;照射強度40mW/cm2)した。この時(80℃)、感光性液晶層の光照射部は赤色の選択反射を示した。尚、感光性液晶層の未照射部は青色の選択反射を示していた(配向工程)。以上より、感光性液晶層に青色(B)、緑色(G)、赤色(R)に選択反射を示すパターンを形成した。
【0113】
次いで、実施例1と同様にして、超高圧水銀灯により5秒間照射(λ2)して感光性液晶層の重合硬化を行い、更に250℃下で15分間加熱処理して、本発明にかかるカラーフィルタを得た。
得られたカラーフィルタのB、G及びRの選択反射を示す中心波長は、それぞれ445nm、532nm及び655nmであり、各色において色純度の高い色相が得られた。しかも、各色において、カラーフィルタ内での各画素間の選択反射の中心波長のバラツキは±2nm以内であり、色相の均一性の点でも優れていた。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、簡便で良好な配向処理が可能で、照射ムラ等に起因する色相ズレに伴う色純度や解像度の低下を回避して、均一で色純度の高い色相(特に緑色若しくは赤色)が得られ、高精度に色分画(パターニング)を行い得る選択反射膜の製造方法を提供することができる。また、選択反射する色相及び色相均一性、特に緑色若しくは赤色の色相及びその均一性に優れ、高解像度で色分画(パターニング精度)に優れる画像特性、並びに良好な光学特性を備える選択反射膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光反応型の液晶性組成物への照射光量と選択反射波長との関係を示す図である。
【図2】 基板上にコレステリック液晶層を形成するまでの工程を説明するための概略工程図である。
【図3】 基板上にコレステリック液晶層を形成するまでの工程を説明するための概略工程図である。
【図4】 本発明の選択反射膜の製造方法において、第一の態様によりRGB3色よりなる多色パターンを形成しているところを示す概略図である。
【図5】 本発明の選択反射膜の製造方法において、第二の態様により単色パターンを形成する工程を繰り返して画像様にRGB3色を形成しているところを説明するための概略工程図である。
【符号の説明】
4,4’ …フォトマスク
10 …仮支持体
12 …クッション層(熱可塑性樹脂層)
24 …配向膜
16 …コレステリック液晶層(相)
20 …転写シート
22 …基材(支持体)
26 …カラーフィルタ用基板
28 …マスク
Claims (8)
- 重合性基を少なくとも1つ有する液晶性化合物と、可視光領域に異性化可能な吸収を有する光反応型キラル化合物と、重合開始剤とを含む液晶性組成物を画像様に光(波長λ1)照射し該照射に応じた選択反射を示すパターンを形成する選択反射膜の製造方法であって、
前記光照射に、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかを用いることを特徴とする選択反射膜の製造方法。 - 液晶性組成物に、波長λ1の光を照射して該液晶性組成物に露光量分布を形成し、該露光量分布に応じた選択反射を示す状態とした後、該状態の液晶性組成物に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ多色パターンを形成する工程を含み、
前記波長λ1の光が、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかである請求項1に記載の選択反射膜の製造方法。 - 液晶性組成物に、波長λ1の光を画像様に照射し該照射に応じた選択反射を示す状態とした後、該状態の領域に更に波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成する工程を少なくとも一工程含み、
前記波長λ1の光が、液晶の螺旋の捻れ方向と同方向の円偏光及び楕円偏光のいずれかである請求項1に記載の選択反射膜の製造方法。 - 予め第一色目の選択反射を示す状態にある液晶性組成物に、波長λ2の光を照射して画像様に重合硬化させ単色パターンを形成した後、更に前記第一色目と異なる波長の選択反射を示すように波長λ1の光の照射量を(n−1)段階に変化させて、単色パターンを形成する工程を(n−1)回繰り返すことにより、n色よりなる多色パターンを形成する請求項3に記載の選択反射膜の製造方法。
- 光反応型キラル化合物が、490〜570nm若しくは630〜690nmの波長領域に異性化可能な吸収を有し、かつ波長λ1の光が波長490〜570nm若しくは630〜690nmの光である請求項1から4のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法。
- 光反応型キラル化合物の異性化可能な吸収波長λ(nm)に対して、波長λ1(nm)が(λ−50)≦λ1≦(λ+50)を満たす請求項1から5のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法。
- 液晶性組成物が空気界面配向剤を含む請求項1から6のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載の選択反射膜の製造方法により得られることを特徴とする選択反射膜。
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