JP4132839B2 - 感染症システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療情報システムに係り、特に感染症分野における感染症システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野全般において、今までの経験的な医療に代わり、EBM(Evidence Based Medicine 、根拠に基づく医療)が求められている。特に、感染症分野においては、医師が感染症発症の原因となる起炎菌が判明しないまま、治療方針を判断しなければならない場合が多いため、治療判断の根拠となる情報が強く求められている。
【0003】
治療判断の根拠となる情報として考えられるものの1つに、患者の病態を客観的な指標として提示するという考え方がある。例えば、文献「A PREDICTION RULE TO IDENTIFY LOW−RISK PATIENTS WITH COMMUNITY−ACQUIRED PNEUMONIA(New England Jounal of Medicine、Vol.346 No.4、P243−250、1997年)」に記載の「リスククラス」という指標では、患者の性別、基礎疾患、身体所見、臨床検査データで構成されるファクターをもとに、感染症に罹患した患者の病態を5段階にクラス分けすることで、その後の治療方針を判断させるというものである。
【0004】
このリスククラスの判定は、2つのステップで構成される。ステップ1では、a)50歳以下かどうか、b)悪性腫瘍、心不全、脳卒中等の基礎疾患の有無、c)脈拍、呼吸数等の身体所見の異常の有無、を判定し、全て該当しなければリスククラス1と判定する。1つでも該当する場合は、次のステップ(ステップ2)へ移る。ステップ2では、患者の年齢、性別、基礎疾患、身体所見、臨床検査データからなるファクターをスコア化し、これらの合計スコアでリスククラス2から5までを判定する。例えば、70歳の男性で、基礎疾患が悪性腫瘍(スコア30)と肝疾患(スコア10)の場合、それぞれのスコアを加算して年齢を合計した+110が合計スコアとなり、合計スコア91から130に該当するリスククラス4と判定されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の技術では、基礎疾患等のファクター毎に定義された一定のスコアをもとにリスククラスを判定しているが、実際には、ファクター毎のリスクは一定ではない場合が多い。例えば、肝疾患には、肝機能障害、慢性肝炎、肝硬変、等の疾患があるが、比較的重症度の低い肝機能障害と、かなり重症度が高い肝硬変ではリスクが大きく異なっている。しかし、従来の技術では同じリスクとして扱われるため、同じリスククラスに判定されてしまい、リスククラスが正しく判定されないというような課題を有していた。
【0006】
また、従来の技術を用いて、これらの疾患を新しくファクターとして定義することも可能であるが、その場合、同義のファクターが複数該当する可能性があるため、合計スコアが正しく算出されなくなってしまい、リスククラスが正しく判定されないというような課題を有していた。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、より確実に、かつより客観的に医療判断を可能にする感染症システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、被検体(患者もしくは健常者)の感染症の原因となる細菌等の感染源に対する抵抗力に影響を与える項目であるリスクファクターと、前記項目の感染源に対する抵抗力の度合いを数値化し、その被検体に与える影響度に応じて変更可能な係数であるスコアを格納する知識DB(データベース)と、前記知識DBをもとに、被検体の医療情報に応じて、感染源への抵抗力を段階化した指標であるリスクレベルとして判定するリスクレベル判定部とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記知識DBが、前記リスクファクターと前記スコアを関連付けて格納するリスクファクターDBと、前記患者情報に該当するリスクファクターのスコアから算出された、感染源への抵抗力を数値的に示す点数であるリスクスコアをもとに前記リスクレベルを判定するための知識ベースを格納するリスクレベル判定DBとを有するよう構成することにより、ユーザがリスクファクター毎のスコアやリスクレベルの判定基準を変更することで論理を変更できるので、より簡易に解決できる。
【0010】
また、本発明は、前記知識DBに、前記項目の抵抗力への影響度を示す複数の選択肢のうち選択された選択肢に応じて可変するスコアを有するよう構成することにより、ユーザが感受性の度合いを直接的に選択できるので、より確実に、解決できる。
【0011】
また、本発明は、前記選択肢が、疾患名であるよう構成することにより、ユーザが感受性の度合いを意識せずに選択できるので、より簡易に、解決できる。
【0012】
また、本発明は、前記知識DBに、バイタルサイン、臨床検査結果、画像検査結果のうち少なくとも一つの医療情報に応じて可変するスコアを有するよう構成することにより、より客観的な指標を用いてスコアを算出できるので、より正確に、解決できる。
【0013】
また、本発明は、前記知識DBに、複数のリスクファクターに応じて可変するスコアを有するよう構成することにより、リスクファクター間の相互関係を反映したスコアを算出できるので、より正確に、解決できる。
【0014】
また、本発明は、前記知識DBに、前記可変するスコアと、前記可変するスコアを算出できない場合の標準スコアを有するよう構成することにより、スコアを算出できない場合でも概算値を算出できるので、より汎用的に、解決できる。
【0015】
また、本発明は、前記知識DBに格納された知識ベースを読み出す知識ベース読出し部と、前記知識ベース読出し部で読み出した知識ベースを編集可能な知識ベース編集部と、編集後の知識ベースを前記知識DBへ格納する知識ベース書込み部と、で構成することにより、知識ベースを確認しながら編集できるので、より効率的に、解決できる。
【0016】
また、本発明は、前記知識ベース編集部で編集した後の知識ベースをもとにリスクレベルを算出するシミュレーション部を有するよう構成することにより、ユーザが論理を変更した後のリスクレベルを確認することができるので、より確実に、解決できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1に、本発明の実施例である感染症システム100の構成図を示す。本システム100は、制御部101と、通信部102と、患者情報取得部103と、リスクレベル判定知識読み出し部104と、リスクレベル判定部105と、症例データ書込み部106と、症例データ読出し部153と、リスクレベル判定知識編集部154と、シミュレーション部155と、リスクレベル判定知識書込み部156と、症例DB112と、リスクレベル判定知識DB111と、で構成される。
【0019】
本システム100は、入出力端末120とネットワーク130を介して通信できる。また、本システム100は、臨床検査システム、医事会計システム、オーダエントリシステム、電子カルテシステム等、他の医療情報システム140と前記ネットワーク130を介して通信できる。
【0020】
前記ネットワーク130は、院内のネットワークを前提にしているが、地域のネットワークやより広域のネットワークでもよい。また、医療情報システム140は、地域医療システムでもよい。
【0021】
前記入出力端末120は、キーボードやマウス等を入力機能、CRTディスプレイを出力機能とするパソコン等の情報機器を想定しているが、他の入出力機能を有していてもよい。また、前記入出力端末120は、Webブラウザ機能を搭載した端末でもよい。また、本システム100と前記入出力端末120は、別のハードウエアとして記載しているが、前記入出力端末120の入出力機能が本システム100に搭載されていても良い。
【0022】
また、本システムはハードウエア構成として記載されているが、本システムの機能はソフトウエアで構成されていてもよい。
【0023】
また、本システムは1つのハードウエア構成として記載されているが、前記リスクレベル知識編集部154、前記シミュレーション部155等、別のハードウエアとして構成しても良い。
【0024】
前記リスクレベル判定知識DB111は、患者もしくは健常者の感染症の原因となる細菌等の感染源に対する抵抗力に影響を与える項目であるリスクファクターを格納するリスクファクターDB310と、リスクレベル判定基準DB320と、で構成される。前記リスクファクターDB310は、前記リスクファクターの識別子であるリスクIDを格納するフィールド311と、前記リスクファクターの名称を格納するフィールド312と、前記リスクファクターの感染源に対する抵抗力への影響度を定量化した係数であるスコアを格納するフィールド313と、で構成される。前記フィールド313には、前記リスクファクターの重みにより可変可能な条件付きスコアと、条件付きスコアを算出できない場合に用いる標準スコアと、を格納することができる。
【0025】
前記リスクファクターには、年齢等の基礎情報、アルコール摂取、喫煙等の生活習慣情報、高血圧、高脂血症、肝疾患、糖尿病、呼吸器疾患、膠原病、脳血管障害、腎疾患、膵炎、貧血、低栄養、ネフローゼ、心疾患、熱傷、低グロブリン血症、低補体血症、血液悪性腫瘍、固形悪性腫瘍、エイズ、好中球機能不全、低出生体重児等の基礎疾患情報、健胃薬、降圧剤、広域抗菌薬、抗潰瘍薬、ステロイド剤、免疫抑制剤、抗がん剤、インスリン等の投薬情報、カテーテル、気管切開、レスピレータ、ドレーン等の処置デバイス情報、放射線療法、開胸・開腹手術、移植、摘脾、輸血等の治療情報、寝たきり、要ICU管理状態、SIRS状態等の状態情報、を含んでもよい。
【0026】
ここでは、リスクIDとして独自コードを用いているが、ICD10等の国際疾病分類コード、厚生労働省院内感染対策サーベイランスの疾病分類コード、等を用いても良い。
【0027】
前記リスクレベル判定基準DB320は、リスクレベルの判定基準の識別子である判定IDを格納するフィールド321と、判定基準となる下限値、上限値を格納するフィールド322、323と、リスクレベルを格納するフィールド324と、で構成される。
【0028】
図2に、本システム100のリスクレベル判定時の動作を表すフローチャートを示す。まず、本システムが起動すると、前記制御部101は、前記患者情報取得部103を起動し、医師が前記入出力端末120を使用して入力した患者情報を取得するステップ201を実行する。
【0029】
図4に、医師による患者情報入力時の前記入出力端末120の画面例500を示す。医師は、まず患者を識別する患者ID501と、年齢、生活習慣、等の基本情報、既往症・現病歴等の疾患情報、患者の状態、投薬情報、医原的処置情報、患者に適用した治療情報等、リスクレベルの判定に必要な情報503と、医師が前記情報503と判断できる時点での日時502を入力し、判定ボタン504を選択する。
【0030】
次に、前記制御部101は、前記リスクレベル判定知識読み出し部104を起動し、前記リスクレベル判定知識DB111から、リスクファクターとスコアを読み出すステップ202、リスクレベル判定基準を読み出すステップ203を実行する。
【0031】
次に、前記制御部101は、前記リスクレベル判定部105を起動し、前記ステップ201で取得した患者情報と、前記ステップ202で読み出したリスクファクターとスコアをもとに、患者の感染源への抵抗力を数値的に示す点数であるリスクスコアを算出するステップ204、及び算出したリスクスコアをもとに、感染源への抵抗力を段階化した指標であるリスクレベルを判定するステップ205を実行する。
【0032】
例えば、図4で示した患者ID「P1234567」の患者の場合、リスクファクターとして、「糖尿病」、「肝疾患」、「好中球機能不全」、「SIRS状態」が該当する。
【0033】
もし、リスクファクターの重みに関する情報がない場合は、図1で示した前記リスクファクターDB312に格納されているスコアをもとに、標準スコアである「10」、「10」、「80」、「50」を加算し、リスクスコア「150」を算出する。このとき、リスクファクター「貧血」がある場合は、さらに「20」が加算される。さらに、図1で示した前記リスクレベル判定基準DB320に格納されている判定基準をもとに、リスクスコア「150」に該当するリスクレベル「3」と判定する。
【0034】
図4では、リスクファクターの重みに関して、リスクファクター「糖尿病」では「コントロール良」、リスクファクター「肝疾患」では「肝機能障害」、リスクファクター「好中球機能不全」では「WBC=200」、が選択されているため、図1で示した前記リスクファクターDB312に格納されているスコアをもとに、それぞれの条件付きスコアである「10」、「5」、「120」、「50」を加算し、リスクスコア「185」を算出する。このとき、リスクファクター「貧血」がある場合は、標準スコアの場合と同様に、さらに「20」が加算される。さらに、図1で示した前記リスクレベル判定基準DB320に格納されている判定基準をもとに、リスクスコア「185」に該当するリスクレベル「4」と判定する。
【0035】
本実施例では、スコアはすべて正のスコアとなっているが、負のスコアでもよい。
【0036】
このように、リスクファクターの重みに関する情報がない場合でもリスクレベルを判定することが出来る。さらに、リスクファクターの重みに関する情報がある場合は、リスクファクターの重みに応じたスコアを利用できるので、
より正確に、リスクレベルを判定できる。
【0037】
上記例では、前記ステップ204で、スコアを加算してリスクスコアを算出する例を示したが、他の算術式を用いてリスクスコアを算出しても良い。また、ニューラルネットワークやファジー理論等を用いてリスクスコアを算出しても良い。また、それらを組み合わせても良い。
【0038】
前記ステップ201において、本システム100が、前記医療情報システム140と通信可能な場合は、前記患者ID501と日時502を入力した時点で、前記医療情報システムからリスクレベルの判定に必要な情報を取得してもよい。また、本システム100が、リスクレベルの判定に必要な情報を管理していてもよい。
【0039】
また、例えば、SIRS状態の条件である、(1)体温が38度以上または36度以下、(2)心拍数90/分、(3)呼吸数20/分またはPaCO2(血中二酸化炭素濃度)<32Trr、(4)白血球数>12000/mm3または<4000mm3あるいは未熟顆粒球>10%、を満たした場合、自動的にリスクファクター「SIRS状態」を選択してもよい。
【0040】
次に、前記制御部101は、前記通信部102を用いて、前記ステップ205で判定されたリスクレベルを前記入出力端末120に出力するステップ206を実行する。
【0041】
図5に、前記ステップ206の実行後、前記入出力端末120に表示される画面の例600を示す。前記リスクレベル出力エリア601に、判定結果として「リスクレベル4(リスクスコア185)」と出力されていることがわかる。
【0042】
このように、リスクレベルを出力することで、ユーザは患者の感染源への抵抗力の度合いが客観的に判るので、その患者に適した治療方針の判断が可能となる。また、リスクスコアを出力することで、ユーザは感受性の度合いが詳細に判る。
【0043】
次に、前記制御部101は、前記ステップ201で取得した患者情報を、ユーザに保存するかどうか判断させるステップ207を実行する。
【0044】
もし、ユーザが前記画面600で保存ボタン603を押し、保存することを選択した場合、前記制御部101は、前記ステップ201で取得した患者情報と、前記ステップ205で判定されたリスクレベルと、ユーザが判断したリスクレベルを前記症例DB112へ格納するステップ208を実行する。
【0045】
図3に、前記症例DB112の例を示す。前期症例DB112は、症例データを識別する症例IDを格納するフィールド401と、患者を識別する患者IDを格納するフィールド402と、リスクファクターを格納するフィールド403と、本システムの出力であるリスクレベルを格納するフィールド404と、日時を格納するフィールド405と、ユーザが判断したリスクレベルを格納するフィールド406で構成される。例えば、前記画面600の場合、患者ID「P1234567」に対するリスクレベルが「4」、ユーザが判断した患者のリスクレベルが「5」のため、前記症例DB112のように症例データが格納される。なお、このとき、症例IDは、前記症例DB112に唯一になるように自動的に付加される。
【0046】
前記ステップ207で、保存することを選択しなかった場合、本システムのリスクレベル判定時の動作が終了する。
【0047】
図6に、本システム100のリスクレベル判定知識DB編集支援時の動作を表すフローチャートを示す。
【0048】
まず、本システム100が編集支援時の動作を開始すると、前記制御部101が動作を開始し、前記リスクレベル判定知識読出し部152を起動し、前記リスクレベル判定知識DB111から知識ベースを読み出すステップ701を実行する。
【0049】
次に、前記制御部101は、前記症例DB112から症例データを読み出すステップ702を実行する。
【0050】
次に、前記制御部101は、知識ベースを編集支援するステップ703を実行する。
【0051】
図7に、前記ステップ703実行時の画面例800を示す。画面左側には前記リスクレベル判定知識DB111の知識ベースを、画面右側には前記症例DB112の症例データを表示する。前記画面例800では、画面左側上段に前記ステップ701で読み込んだ時のリスクファクターとスコアを、画面左側下段にリスクレベル判定基準を表示している。ここで、ユーザが症例ID入力ボックス811に、症例IDを入力し、患者選択ボタン812を押すと、症例IDに対応する症例データを表示する。
【0052】
図8に、前記画面例800でユーザが症例ID「00000004」を選択したときの画面例900を示す。ここでは、前記症例DB112に格納された症例ID「00000004」の症例データ、判定結果であるリスクレベル、ユーザが判定したリスクレベル、が表示されていることがわかる。
【0053】
図9に、ユーザが知識ベースを編集したときの画面例1000を示す。前記画面例1000では、リスクレベル判定基準「レベル5」のスコアを「180」と編集している。
【0054】
ここで、ユーザが判定ボタン1011を押すと、前記制御部図9は、前記シミュレーション部155を起動し、編集後のリスクファクターとスコアをもとに、リスクレベル判定のシミュレーションを行うステップ704を実行する。
【0055】
図10に、前記ステップ704実行後の画面例1100を示す。シミュレーション結果として、リスクレベル「5」と変わっていることがわかる。
【0056】
もし、ユーザがシミュレーション結果に満足していれば、確定ボタン1001を押す。これにより、前記制御部101は、確定確認ステップ705を実行後に、編集した知識ベースをリスクレベル判定知識DBへ書き込むステップ706を実行する。
【0057】
もし、ユーザがシミュレーション結果に満足していなければ、前記ステップ703から繰り返すことができる。
【0058】
また、ユーザがキャンセルボタン1002を押すことにより、書き込まずに終了することもできる。
【0059】
図11に、前記ステップ706終了後の前記リスクレベル判定知識DB111の例1200を示す。リスクレベル判定基準の1201と1202で示す値が「180」と変更されていることがわかる。
【0060】
このように、ユーザがリスクファクター毎のスコアやリスクレベル判定基準を変更することで、簡易に、リスクレベルを判定する論理を変更できる。
【0061】
また、シミュレーションにより、ユーザがリスクレベルを判定する論理を変更した後のリスクレベルを確認することができるので、より確実に、リスクレベルを判定する論理を変更できる。
【0062】
ここでは、リスクレベル判定基準DBの編集を例として示したが、リスクファクターDBも同様に編集及びシミュレーションが可能である。
【0063】
ここでは、判定知識編集支援として、1名分の症例データをもとにシミュレーションを行った結果を提示する例を示したが、複数名の症例データをもとにシミュレーションを行った結果を提示してもよい。そのとき、全ての症例データに対する結果だけではなく、平均、分散等の統計処理結果を提示してもよい。
【0064】
また、症例データは、ユーザが任意に選択するのではなく、前記症例DB112に格納されている前記判定レベル404と前記ユーザ判定レベル406の異なる症例のみを抽出して用いてもよい。
【0065】
また、症例データは、ユーザが任意に選択するのではなく、前記症例DB112に格納されている前記判定レベル404と前記ユーザ判定レベル406の異なる症例と、前記判定レベル404と前記ユーザ判定レベル406が同じ症例を同数ずつ抽出して用いてもよい。
【0066】
本実施例では、リスクレベルを判定する対象者を疾患を発症している患者としているが、疾患を発症していない健常者でもよい。
【0067】
以上説明した感染症システムにより、ユーザは患者もしくは健常者の感染源への抵抗力の度合いが客観的に判るので、その患者もしく健常者に適した治療方針の判断が可能となる。
【0068】
また、ユーザがリスクファクター毎のスコアやリスクレベル判定基準を変更することで、簡易に、リスクレベルを判定する論理を変更できる。
【0069】
また、シミュレーションにより、ユーザがリスクレベルを判定する論理を変更した後のリスクレベルを確認することができるので、より確実に、リスクレベルを判定する論理を変更できる。
【0070】
また、以上説明した実施例における感染症システムに限らず、本発明の基本的な考え方は、臨床検査システム、診療支援システム、看護支援システム、等のような医療情報システムにも適用可能である。
【0071】
以上、本発明を整理すると、次のようになる。
【0072】
(1) 被検体の感染症の原因となる感染源に対する抵抗力に影響を与えるファクターを含む項目と、前記項目の前記感染源に対する抵抗力の度合いを数値化し、前記被検体に与える影響度に応じて変更可能な係数とを知識データベースとして格納する格納部と、前記知識データベースをもとに、被検体の医療情報に応じて、被検体の感染源への抵抗力のレベルを段階化し指標として判定する判定部とを具備してなることを特徴とする感染症システム。
【0073】
(2) 前記事項(1)の構成において、前記知識データベースが、前記項目と前記係数を関連付けて格納する項目データベースと、前記被検体の医療情報に該当する項目の係数から算出された、感染源への抵抗力を数値的に示すスコアをもとに、前記指標を判定するための知識ベースを格納する指標判定データベースとを含んでなることを特徴とする感染症システム。
【0074】
(3) 前記事項(1)の構成において、前記知識データベースに、前記項目の抵抗力への影響度を示す複数の選択肢のうち選択された選択肢に応じて可変する係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0075】
(4) 前記事項(1)の構成において、前記知識データベースに、バイタルサイン、臨床検査結果、画像検査結果のうち少なくとも一つの医療情報に応じて可変する係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0076】
(5) 前記事項(3)の構成において、前記知識データベースに、前記可変する係数と、前記可変する係数を算出できない場合の標準係数とを有することを特徴とする感染症システム。
【0077】
(6) 患者もしくは健常者の感染症の原因となる細菌等の感染源に対する抵抗力に影響を与える項目と、前記項目の前記感染源に対する抵抗力への度合いに応じて可変する影響度を数値化した係数を格納する知識DBと、前記知識DBをもとに、患者もしくは健常者の個人情報に応じて、感染源への抵抗力を段階化した指標として判定する判定部と、で構成されることを特徴とする感染症システム。
【0078】
(7) 前記事項(6)の構成の感染症システムであって、前記知識DBが、前記項目と前記係数を関連付けて格納する項目DBと、前記患者情報に該当する項目の係数から算出された、感染源への抵抗力を数値的に示す点数をもとに前記指標を判定するための知識ベースを格納する指標判定DBと、で構成されることを特徴とする感染症システム。
【0079】
(8) 前記事項(6)または(7)の構成の感染症システムであって、前記知識DBに、前記項目の抵抗力への影響度を示す複数の選択肢のうち選択された選択肢に応じて可変する係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0080】
(9) 前記事項(8)の構成の感染症システムであって、前記選択肢が、疾患名であることを特徴とする感染症システム。
【0081】
(10) 前記事項(6)乃至(9)の構成の感染症システムであって、前記知識DBに、1つまたは複数のバイタルサイン、臨床検査結果、画像検査結果に応じて可変する係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0082】
(11) 前記事項(6)乃至(10)の構成の感染症システムであって、前記知識DBに、複数のリスクファクターに応じて可変する係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0083】
(12) 前記事項(6)乃至(11)の構成の感染症システムであって、前記知識DBに、前記可変する係数と、前記可変する係数を算出できない場合の標準係数を有することを特徴とする感染症システム。
【0084】
(13) 前記事項(6)乃至(12)の構成の感染症システムであって、前記知識DBに格納された知識ベースを読み出す知識ベース読出し部と、前記知識ベース読出し部で読み出した知識ベースを編集可能な知識ベース編集部と、編集後の知識ベースを前記知識DBへ格納する知識ベース書込み部と、で構成されることを特徴とする感染症システム。
【0085】
(14) 前記事項(13)の構成の感染症システムであって、前記知識ベース編集部で編集された後の知識ベースをもと前記指標を算出するシミュレーション部を有することを特徴とする感染症システム。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、感染症分野において、より確実に、かつより客観的に医療判断を可能にする感染症システムを実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である感染症システムの構成を説明する図。
【図2】本システムのリスクレベル判定時の動作を表すフローチャート。
【図3】症例DBの例を説明する図。
【図4】患者情報入力時の入出力端末の画面例を示す図。
【図5】リスクレベル出力時の入出力端末の画面例を示す図。
【図6】本システムの判定知識編集支援時の動作を表すフローチャート。
【図7】編集支援画面の例を示す図。
【図8】症例データ選択後の編集支援画面の例を示す図。
【図9】知識ベース編集時の編集支援画面の例を示す図。
【図10】シミュレーション後の編集支援画面の例を示す図。
【図11】判定知識編集後のリスクレベル判定知識DBの例を示す図。
【符号の説明】
100…感染症システム、101…制御部、102…通信部、103…患者情報取得部、104…リスクレベル判定知識読み出し部、105…リスクレベル判定部、106…症例データ書込み部、153…症例データ読出し部、154…リスクレベル判定知識編集部、155…シミュレーション部、156…リスクレベル判定知識書込み部、112…症例DB、111…リスクレベル判定知識DB、120…入出力端末、130…ネットワーク、140…医療情報システム、310…リスクファクターDB、320…リスクレベル判定基準DB、311…リスクIDを格納するフィールド、312…リスクファクターの名称を格納するフィールド、313…スコアを格納するフィールド、321…判定IDを格納するフィールド、322−323…判定基準となる下限値、上限値を格納するフィールド、324…リスクレベルを格納するフィールド、201…患者情報を取得するステップ、202…リスクファクターとスコアを読み出すステップ、203…リスクレベル判定基準を読み出すステップ、204…リスクスコアを算出するステップ、205…リスクレベルを判定するステップ、206…リスクレベルを入出力端末120に出力するステップ、207 患者情報をユーザに保存するかどうか判断させるステップ、500…医師による患者情報入力時の入出力端末120の画面例、501…患者ID、502…日時、503…リスクレベルの判定に必要な情報、504…判定ボタン、600…ステップ206の実行後、入出力端末120に表示される画面例、601…リスクレベル出力エリア、603…保存ボタン、401…症例IDを格納するフィールド、402…患者IDを格納するフィールド、403…リスクファクターを格納するフィールド、404…本システムの出力であるリスクレベルを格納するフィールド、405…日時を格納するフィールド、406…ユーザが判断したリスクレベルを格納するフィールド、701…リスクレベル判定知識DB111から知識ベースを読み出すステップ、702…症例DB112から症例データを読み出すステップ、703…知識ベースを編集支援するステップ、704…リスクレベル判定のシミュレーションを行うステップ、705…確定確認ステップ、706…知識ベースをリスクレベル判定知識DBへ書き込むステップ、800…ステップ703実行時の画面例、811…症例ID入力ボックス、812…患者選択ボタン、900…前記画面例800でユーザが症例ID「00000004」を選択したときの画面例、1000…ユーザが知識ベースを編集したときの画面例、1011…判定ボタン、1001…確定ボタン、1002…キャンセルボタン、1100…ステップ704実行後の画面例、1200…ステップ706終了後の前記リスクレベル判定知識DB111の例、1201〜1202…ステップ706により変更された判定基準。
Claims (5)
- 被検体の感染症の原因となる感染源に対する抵抗力に影響を与えるファクターを含む項目と、前記項目の前記感染源に対する抵抗力の度合いを数値化し、前記被検体に与える影響度に応じて変更可能な係数とを知識データベースとして格納する格納部と、
前記知識データベースをもとに、被検体の医療情報に応じて、被検体の感染源への抵抗力のレベルを段階化し指標として判定する判定部と、
前記判定部での判定結果を少なくとも表示できる表示手段とを具備する感染症システムにおいて、
前記知識データベースは、
前記項目と前記係数を関連付けて格納する項目データベースと、
前記被検体の医療情報に該当する項目の係数から算出された、感染源への抵抗力を数値的に示すスコアをもとに、前記指標を判定するための知識ベースを格納する指標判定データベースとを有し、
前記判定部は、
前記被検体の医療情報に該当する項目の前記係数または前記感染源への抵抗力を数値的に示す前記スコアを編集できる編集部と、
前記編集部で前記被検体の医療情報に該当する項目の前記係数ないし前記感染源への抵抗力を数値的に示す前記スコアが編集された後のスコアをもとに前記指標を判定するシミュレーション部とを備え、
前記シミュレーション部で判定された結果を、前記表示手段に表示できることを特徴とする感染症システム。 - 前記判定部は、前記編集部で編集された前記被検体の医療情報に該当する項目の係数または前記感染源への抵抗力を数値的に示すスコアを前記知識データベースに格納できる知識ベース書込み部を有することを特徴とする請求項1記載の感染症システム。
- 前記知識データベースに、前記項目の抵抗力への影響度を示す複数の選択肢のうち選択された選択肢に応じて可変する係数を有することを特徴とする請求項1記載の感染症システム。
- 前記知識データベースに、バイタルサイン、臨床検査結果、画像検査結果のうち少なくとも一つの医療情報に応じて可変する係数を有することを特徴とする請求項1記載の感染症システム。
- 前記知識データベースに、前記可変する係数と、前記可変する係数を算出できない場合の標準係数とを有することを特徴とする請求項3記載の感染症システム。
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