JP4132890B2 - エンボス調フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷物の表面を保護する際などに利用されるフィルムに関し、エンボス調の凹凸パターンを有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種印刷法などで形成された印刷物には、印刷物表面の汚れや傷を防止する目的で透明な保護フィルムが用いられている。特にインクジェットプリンタにより印刷された印刷物は、水、湿気、紫外線などに弱いため、印刷物に耐水性、耐候性を与え、かつ印刷物の見栄えを損なわないようにするため、透明な保護フィルムの貼着が必要である。
【0003】
このような保護フィルムとしては、従来から透明なプラスチックフィルムに接着層を設けて印刷物等に貼付できるようにしたものが使用されている。さらに、印刷物の表面にエンボス調の質感を持たせたい場合もあり、このような場合、保護フィルムとしては型押しされたエンボスフィルムが使用されている。
【0004】
このようなエンボスフィルムを形成するには、フィルムに形成する凹凸の逆パターンからなる金属製等のエンボスロールを作製し、この型を加熱しながらフィルムを押圧する作業を要する。しかしながら、エンボスロールを作製するのは時間を要し、非常に高価であるためエンボスフィルムも高価になってしまう。また、型押しすると、表裏一体となって凹凸に形成されるため、片面のみに凹凸を付与することは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解消するためになされたものであって、エンボス調の凹凸表面を簡単、安価にかつ片面のみに形成でき、透明性の高いエンボス調フィルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のエンボス調フィルムは、透明支持体上に凹凸パターン層を有するものであって、前記凹凸パターン層がバインダー樹脂と樹脂ビーズからなり、前記バインダー樹脂がエポキシ樹脂を含み、前記樹脂ビーズの添加量が前記バインダー樹脂100重量部に対し1〜50重量部であり、かつ前記凹凸パターン層の厚みが前記樹脂ビーズの平均粒径の10〜60%であることを特徴とするものである。
【0007】
好ましくは、前記エポキシ樹脂が、前記凹凸パターン層を構成する全バインダー樹脂の70重量%以上含まれることを特徴とするものである。
【0008】
このような構成を採用することにより、原因は分からないが、凹凸パターン層中に樹脂ビーズが存在する箇所と存在しない箇所が形成され、エンボス調の凹凸パターンが形成されるようになる。
【0009】
なお、凹凸パターン層の厚みとは、凹凸パターン層中で樹脂ビーズの存在しない箇所の厚みのことをいい、図1でいうと「a」の厚みのことをいう。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のエンボス調フィルムは、透明支持体上に凹凸パターン層を有するものであって、前記凹凸パターン層がバインダー樹脂と樹脂ビーズからなり、前記バインダー樹脂がエポキシ樹脂を含み、前記樹脂ビーズの添加量が前記バインダー樹脂100重量部に対し1〜50重量部であり、かつ前記凹凸パターン層の厚みが前記樹脂ビーズの平均粒径の10〜60%であることを特徴とするものである。以下、各構成要素の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明のエンボス調フィルムの実施の形態を示す図で、このエンボス調フィルムは、透明支持体1、凹凸パターン層4からなる。
【0012】
透明支持体は光透過性を有するものであれば特に制限されることなく使用することができるが、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのプラスチックフィルムが好適に使用される。支持体の厚みは特に限定されるものではないが、通常5〜300μmのものが使用される。なお、後述する凹凸パターン層のぬれ性を向上させるため、透明支持体には易接着処理を施すことが好ましい。
【0013】
凹凸パターン層は少なくともバインダー樹脂と樹脂ビーズから構成される。
【0014】
バインダー樹脂は少なくともエポキシ樹脂を含むものである。バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含むことにより、原因は分からないが凹凸パターン層中に樹脂ビーズが存在する箇所と存在しない箇所が形成され、凹凸パターン層をエンボス調にすることができる(図1)。一方、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含まない場合は、凹凸パターン層中で樹脂ビーズは部分的に集まることなく全体的に均一に存在することとなり、エンボス調ではなく単なるマット調になってしまう(図2)。また、マット調になることによって、全体の透明性も低下してしまう。
【0015】
エポキシ樹脂は、特に制限されることなく公知のエポキシ樹脂を使用することができるが、脂環式エポキシ樹脂が好適に使用される。
【0016】
エポキシ樹脂は、凹凸パターン層を構成する全バインダー樹脂の70重量%以上含まれることが好ましい。70重量%以上とすることにより、凹凸パターン層の形状をエンボス調にしやすくすることができ、また、凹凸パターン層の耐溶剤性、耐擦傷性、硬度を向上させることができる。
【0017】
エポキシ樹脂以外のバインダー樹脂としては、エポキシ樹脂と相溶性の良い樹脂が選択される。このような樹脂としては、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ビニル系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などがあげられる。これらの中でも、エポキシ樹脂の硬化速度を向上させ、かつエポキシ樹脂の特長である耐溶剤性、耐擦傷性、硬度をさほど損なうことのないポリエステルポリオールが好適に使用される。
【0018】
凹凸パターン層の厚みは、後述する樹脂ビーズの平均粒径の10〜60%、好ましくは20〜50%である。10%以上とすることにより、凹凸パターン層を形成する過程において樹脂ビーズが流動できるようになり、樹脂ビーズが部分的に集まり凹凸パターン層をエンボス調とすることができる。60%以下とすることにより、バインダー樹脂が樹脂ビーズを覆ってしまうことを防止して凹凸パターン層をエンボス調とすることができる。なお、凹凸パターン層中に、平均粒径が異なる二種以上の樹脂ビーズが含有されている場合には、平均粒径の大きい樹脂ビーズを基準とする。
【0019】
樹脂ビーズは、凹凸パターン層の中で部分的に集まり、樹脂ビーズの存在する箇所で凸部を形成し、存在しない箇所で凹部を形成することにより、凹凸パターン層をエンボス調とする役割を有するものである。
【0020】
樹脂ビーズとしては、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂などからなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズなどがあげられ、これらを単独であるいは2種以上混合して使用することができる。これらの中でも透明性に優れるアクリル樹脂ビーズが好適に使用される。
【0021】
樹脂ビーズの添加量は、凹凸パターン層のバインダー樹脂100重量部に対し、1〜50重量部、好ましくは5〜20重量部である。1重量部以上とすることにより、外見上目立つ程度の大きい凸部を形成でき、50重量部以下とすることにより、凹部が小さくなり過ぎることを防止して、凹凸パターン層をエンボス調とすることができる。
【0022】
樹脂ビーズの平均粒径は、凹凸パターン層の厚みにより一概にはいえないが、通常は平均粒径5〜30μmの樹脂ビーズが使用される。また、粒度分布の狭いものが好適に使用される。
【0023】
凹凸パターン層中には、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤などの添加剤を添加してもよい。
【0024】
エンボス調フィルムの凹凸パターン層とは反対側の面には、印刷物に貼着するための接着層を設けておくことが好ましい。接着層を構成する接着剤は、従来公知のものを使用することができる。なお、接着層上には取り扱い性を向上させるため、セパレータを設けておくことが好ましい。
【0025】
また、エンボス調フィルムの凹凸パターン層とは反対側の面には、インク受容層、トナー受容層などの記録層を設けてもよい。このようなものは、記録層に鏡像印刷を行うことにより、エンボス調フィルム兼記録材料として使用することができる。
【0026】
上述した凹凸パターン層などを形成する方法としては、各層の構成成分を適当な溶媒に溶解又は分散させて塗布液を調製し、当該塗布液をロールコーティング法、バーコーティング法、スプレーコーティング法、エアナイフコーティング法などの公知の方法により透明支持体上に塗布・乾燥する方法があげられる。
【0027】
以上のように、本発明のエンボス調フィルムは、透明支持体上にバインダー樹脂と樹脂ビーズからなる凹凸パターン層を有するものであって、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含み、樹脂ビーズの添加量や凹凸パターン層の厚みを特定範囲としたことを特徴とするものである。したがって、エンボス調の凹凸表面を簡単、安価にかつ片面のみに形成することができ、透明性も高いエンボス調フィルムとすることができる。
【0028】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に説明する。なお、「部」、「%」は特に示さない限り、重量基準とする。
【0029】
[実施例1]
厚み100μmの透明ポリエステルフィルム(Hostaphan4507:三菱化学ポリエステルフィルム社)上に、下記の組成からなる凹凸パターン層塗布液を乾燥後の厚みが5μmとなるようにバーコーティング法により塗布、乾燥して凹凸パターン層を形成し、エンボス調フィルムを得た。
【0030】
<凹凸パターン層塗布液>
・脂環式エポキシ樹脂(固形分100%) 40部
(Erl-4221:The Dow Chemical社)
・アクリル樹脂ビーズ 4部
(MBX-20:積水化成品工業社、平均粒径20μm)
・イソプロピルアルコール 60部
・レベリング剤 0.5部
(Silwet L-7602:OSi SPECIALTIES社)
・反応開始剤 0.2部
(NACURE A233:KING社)
【0031】
[実施例2]
実施例1のアクリル樹脂ビーズ(MBX-20:積水化成品工業社、平均粒径20μm)を、アクリル樹脂ビーズ(MX1000:綜研化学社、平均粒径10μm)に変更した以外は、実施例1と同様にしてエンボス調フィルムを得た。
【0032】
[実施例3]
下記の組成からなる凹凸パターン層塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にしてエンボス調フィルムを得た。
【0033】
<凹凸パターン層塗布液>
・脂環式エポキシ樹脂(固形分100%) 35部
(Erl-4221:The Dow Chemical社)
・ポリエステルポリオール(固形分100%) 5部
(TONE0301:The Dow Chemical社)
・アクリル樹脂ビーズ 4部
(MBX-20:積水化成品工業社、平均粒径20μm)
・イソプロピルアルコール 60部
・レベリング剤 0.5部
(Silwet L-7602:OSi SPECIALTIES社)
・反応開始剤 0.2部
(NACURE A233:KING社)
【0034】
[比較例1]
下記の組成からなる凹凸パターン層塗布液を使用した以外は、実施例1と同様にして凹凸パターン層を有するフィルムを得た。
【0035】
<凹凸パターン層塗布液>
・アクリル樹脂(固形分40%) 100部
(UCD100:ローム・アンド・ハース社)
・アクリル樹脂ビーズ 4部
(MX1000:綜研化学社、平均粒径10μm)
・メチルエチルケトン 40部
・レベリング剤 0.5部
(Silwet L-7602:OSi SPECIALTIES社)
【0036】
[比較例2]
実施例1のアクリル樹脂ビーズの添加量を0.2部とした以外は、実施例1と同様にして凹凸パターン層を有するフィルムを得た。
【0037】
[比較例3]
実施例1のアクリル樹脂ビーズの添加量を30部とした以外は、実施例1と同様にして凹凸パターン層を有するフィルムを得た。
【0038】
[比較例4]
実施例1の凹凸パターン層の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様にして凹凸パターン層を有するフィルムを得た。
【0039】
[比較例5]
実施例1の凹凸パターン層の厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様にして凹凸パターン層を有するフィルムを得た。
【0040】
実施例1〜3のエンボス調フィルムは、凹凸パターン層のバインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含み、樹脂ビーズの添加量や平均粒径が特定範囲のものである。したがって、いずれのものも凹凸パターン層の形状はエンボス調が形成されているものであった。また、エンボス調フィルムの全光線透過率を測定したところ、いずれのものも93%以上と透明性に優れるものであり、印刷物の表面に貼着させた際に印刷物の見栄えを低下させることはなかった。
【0041】
一方、比較例1の凹凸パターン層を有するフィルムはバインダー樹脂中にエポキシ樹脂を含まないものである。したがって、凹凸パターン層中の樹脂ビーズは均一に分散され、凹凸パターン層の形状はエンボス調ではなくマット調となってしまった。
【0042】
比較例2のものはバインダー樹脂中にエポキシ樹脂を含むものの、樹脂ビーズの添加量が少ないものである。したがって、部分的に集まった樹脂ビーズが目立つことなく、凹凸パターン層の形状はエンボス調ではなかった。
【0043】
比較例3のものはバインダー樹脂中にエポキシ樹脂を含むものの、樹脂ビーズの添加量が多いものである。したがって、樹脂ビーズが存在しない凹部が目立たなくなり、凹凸パターン層の形状はエンボス調ではなかった。
【0044】
比較例4のものはバインダー樹脂中にエポキシ樹脂を含むものの、凹凸パターン層の厚みが薄いものである。したがって、凹凸パターン層の形成過程で樹脂ビーズが流動することができず、凹凸パターン層の形状はエンボス調ではなくマット調となってしまった。
【0045】
比較例5のものはバインダー樹脂中にエポキシ樹脂を含むものの、凹凸パターン層の厚みが厚いものである。したがって、バインダー樹脂が樹脂ビーズを覆ってしまい、凹凸パターン層の形状はエンボス調ではなかった。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明のエンボス調フィルムは、透明支持体上にバインダー樹脂と樹脂ビーズからなる凹凸パターン層を有するものであって、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を含み、樹脂ビーズの添加量や凹凸パターン層の厚みを特定範囲としたことを特徴とするものである。したがって、エンボス調の凹凸表面を簡単、安価にかつ片面のみに形成することができ、透明性も高いエンボス調フィルムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンボス調フィルムの一実施例を示す断面図
【図2】 凹凸パターン層を有するフィルムの一例を示す断面図
【符号の説明】
1・・・透明支持体
2・・・バインダー樹脂
3・・・樹脂ビーズ
4・・・凹凸パターン層
5・・・エンボス調フィルム
a・・・凹凸パターン層の厚み
b・・・凹部
c・・・凸部

Claims (1)

  1. 透明支持体上に凹凸パターン層を有するエンボス調フィルムであって、前記凹凸パターン層がバインダー樹脂と樹脂ビーズからなり、前記樹脂ビーズは、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂からなる樹脂ビーズ、若しくはこれらを原料とする中空樹脂ビーズから選ばれる単独又は2種以上であり、前記バインダー樹脂がエポキシ樹脂を前記凹凸パターン層を構成する全バインダー樹脂の70重量%以上含み、前記樹脂ビーズの添加量が前記バインダー樹脂100重量部に対し1〜50重量部であり、かつ前記凹凸パターン層の厚みが前記樹脂ビーズの平均粒径の10〜60%であり、樹脂ビーズは凹凸パターン層の中で部分的に集まり凸部を形成していることを特徴とするエンボス調フィルム。
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