JP4132911B2 - 貼付製剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚表面または粘膜における注射や水痘を除去する等の処置の際に、静脈留置針穿刺及びそれに続く点滴静脈注射の際に、硬膜または腰椎または関節穿刺の際に、または皮膚小手術前の局所麻酔、歯科における浸潤麻酔、伝達麻酔時の注射針刺入部位粘膜の麻酔、表在性小範囲の歯肉膿瘍切開部位の麻酔、歯石除去や歯周ポケット掻爬時のポケット内壁の麻酔等の局所麻酔の際に利用可能な貼付製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、リドカインに代表されるようなアミド型局所麻酔剤を含有する皮膚または粘膜に適用するための貼付製剤が種々検討されている。皮膚局所麻酔用の貼付製剤としては、特開平7−215850号公報、特開平7−233054号公報、特開平8−225448号公報、特開平9−268123号公報、特開平10−147521号公報、特開平11−49670号公報、特開2000−319168号公報等に記載があり、また粘膜適応用途としては、特開昭61−30516号公報、特間昭62−63513号公報、特開平1−272521号公報、特開平5−310561号公報等に記載があるように、多くの検討が行われている。
【0003】
上記公報に記載の貼付製剤は何れも一定時間適用部位に貼付した後、製剤を剥離してから、適用部位について注射針の刺入や小手術等の処置を行なう為の製剤である。このような製剤を用いる場合、製剤を剥離してしまうと貼付部位を見失うおそれがあり、製剤のサイズが小さい程その懸念は高まる。また、製剤を剥離すれば当然の事ながら局所麻酔作用は減弱する為、例えば静脈留置針での点滴を行なう場合には、穿刺時の疼痛は緩和されるが、時間の経過につれて留置に伴う疼痛が増大してくることが懸念される。また、小手術の際に用いる場合には、不測の事態により小手術が長引くと、局所麻酔作用の減弱の為、疼痛の増大を引き起こしかねない。
【0004】
さらに、現在本邦で医療用医薬品として使用されているリドカインを含有する貼付用局所麻酔剤は、適用上の注意として『本剤を皮膚からはがした後、穿刺部位を消毒すること』とあり、操作が煩雑になるばかりでなく、皮膚中の局所麻酔薬が消毒液へ流出して局所麻酔作用が減弱することが懸念される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、注射や小手術といった処置の際に局所麻酔を施した部位を見失うことなく操作ができるような貼付製剤を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題に関し鋭意研究した結果、皮膚または粘膜に貼付したまま注射や小手術等を施すことができる形状の貼付製剤を提供することで、貼付部位を見誤らずに注射や小手術等を施すことができることを見出して本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の特徴は以下のとおりである。
(1)皮膚または粘膜に粘着し得る基剤に局所麻酔薬を含有させてなる膏体層を有し、かつ、皮膚または粘膜への貼付面から反対側の面に貫通する空隙部を有する貼付製剤。
(2)上記空隙部の皮膚または粘膜への貼付面における開口面積が各々0.005cm2〜2cm2であり、かつ、該開口面積の合計が、貼付面における膏体層全体の面積の20%以下である上記(1)に記載の貼付製剤。
(3)上記膏体層中の局所麻酔薬の含有量が、貼付面における膏体層の単位面積あたり0.1mg/cm2〜50mg/cm2である上記(1)または(2)のいずれかに記載の貼付製剤。
(4)上記局所麻酔薬がコカイン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ブピバ力イン、ジブカイン、プロピトカイン、エチドカイン、トリカイン、アーティカインおよびこれらの薬理学的に許容される塩からなる群から選択される上記(1)〜(3)のいずれかに記載の貼付製剤。
(5)注射針刺入時または留置時の疼痛緩和を目的とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付製剤。
(6)上記空隙部を複数有する貼付製剤であって、該複数の空隙部の間の貼付製剤の部位を切断除去して小手術を施すことによる、該小手術時の疼痛緩和を目的とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付製剤。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付製剤、および当該製剤を注射針刺入時または留置時の疼痛の緩和に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
(8)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の貼付製剤、および当該製剤を小手術時の疼痛の緩和に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の貼付製剤の一例を示すもので、(A)は、皮膚または粘膜への貼付面(以下、貼付面という)からの斜視図であり、(B)は、(A)のI−I断面図である。本発明の貼付製剤は、皮膚または粘膜に粘着し得る基剤(以下、粘着基剤という)に局所麻酔薬(図示せず)を含有させてなる膏体層1を有しており、さらに、空隙部2を有することを特徴とする。図中の符号3は後述する支持体層である。
【0009】
本発明の貼付製剤が有する空隙部2は、貼付面から反対側の面に(すなわち、貼付製剤の厚み方向に)貫通している。空隙部2の貼付面における形状としては図1に示すような円形のほか、楕円形、三角形、四角形、星型、放射型、短冊型等の任意の形状をとることができる。
【0010】
貼付面における空隙部2の開口面積は各々0.005cm2〜2cm2が好ましく、0.0075cm2〜1.5cm2がより好ましく、0.01cm2〜lcm2が特に好ましい。これは、各空隙部2の開口面積が0.005cm2以上であれば、貼付製剤に触れることなく注射針を刺入することが容易となり、各空隙部2の開口面積が2cm2以下であれば、局所麻酔薬が効率的に浸潤、拡散し得て、十分な疼痛緩和効果を期待できるからである。
【0011】
本発明の貼付製剤の貼付面における全ての空隙部2の開口面積の合計は、貼付面における膏体層1の面積(すなわち図1におけるL×W)に対して、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、l0%以下が特に好ましい。これは、当該開口面積の合計が膏体層1の面積に対して20%以下であれば、空隙部2に対応して露出した皮膚あるいは粘膜へ局所麻酔薬が十分に供給され、より効果的に疼痛緩和作用が得られることが期待できるからである。
【0012】
なお、膏体層1の面積は、貼付剤として使用可能であれば特に制限はないが、外皮に適用する場合ならlcm2〜200cm2が好ましく、口腔内等の粘膜に適用する場合なら0.1cm2〜20cm2が好ましい。また、膏体層1の厚みは、特に限定はないが、通常l0μm〜200μmであり、好ましくは15μm〜150μmである。ただし、パップ剤等の剤型とする場合は、200μm〜2000μmの厚みとすることができる。
【0013】
本発明の貼付製剤は、少なくとも1つ以上の空隙部2を有していればよく、使用目的、局所麻酔効果、製造方法等の兼ね合いから空隙部2の数が選定される。例えば、注射針刺入時の疼痛緩和が目的であれば、図1において、LとWとが約3.2cm(すなわち、膏体層1の面積が約10cm2)であって、空隙部2の開口面積が約0.02cm2である貼付製剤が好適な一例である。また、図2は、小手術時の疼痛緩和を目的とする本発明の貼付製剤の一例を示す貼付面における平面図であり、当該目的のためには、貼付面において、中央部付近に縦約2cm、横約0.1cm(開口面積;約0.2cm2)の長方形の空隙部2を横方向に約0.5cm間隔で短冊型に4本配置した、製剤全体の面積が約25cm2である正方形状の貼付製剤が好適な一例である。図2における符号4で示される空隙部2の間の部位については後述する。
【0014】
本発明の貼付製剤で用いられる粘着基剤は、常態で皮膚または粘膜に粘着し得るものや、湿潤条件下で粘着性を発揮するもの、加温下で粘着性を発揮するものなど、皮膚または粘膜に一定時間貼着されるものを使用することができる。具体的には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、寒天、キサンタンゴム、カラヤゴムなどを主体とした水溶性粘着基剤、架橋された水溶性高分子、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸エステルなどを主体とした水膨潤性粘着基剤、アクリル系重合体、ゴム系重合体、シリコーン系重合体、ビニルエーテル系重合体、ビニルエステル系重合体などを主体とした非水溶性粘着基剤等が例示されるがこれらに限られない。
【0015】
また、これらの粘着基剤には、必要に応じて、皮膚等への粘着性や局所麻酔薬の皮膚透過性の向上、皮膚刺激性の低減などの効果をさらに向上させるために、粘着性付与剤(例えば、ロジン、変性ロジン、石油系樹脂、ポリテルペン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン樹脂、液状ポリイソブチレン、グリセリンなど)、可塑剤(例えば、流動パラフィンなど)、吸収促進剤、界面活性剤、充填剤、水などの公知の添加剤が配合されてもよい。添加剤を配合する場合の配合量は、皮膚等への粘着性や粘着基剤の自己保持性の点から、粘着基剤100重量部に対し1〜2000重量部が好ましく、2〜1000重量部がより好ましい。特に吸収促進剤を添加することにより、局所麻酔薬の皮膚あるいは粘膜への吸収、拡散が向上することが期待される。
【0016】
吸収促進剤としては、例えば脂肪酸あるいはそのエステル類(例えばラウリン酸、オレイン酸、グリセリンオレイン酸モノエステルなど)、アルコールあるいはそのエステル類又はエーテル類(例えばオレイルアルコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなど)、ソルビタンエステル類又はエーテル類(例えばモノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなど)、フェノールエーテル類(例えばポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなど)、ヒマシ油あるいは硬化ヒマシ油、イオン性界面活性剤(例えばオレオイルサルコシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性界面活性剤(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジメチルラウリルアミンオキサイドなど)、アルキルメチルスルホキサイド(例えばジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなど)、ピロリドン類(例えば2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドンなど)、アザシクロアルカン類(例えば1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなど)等が挙げられる。
【0017】
本発明の貼付製剤の局所麻酔薬としては従来公知の局所麻酔薬を用いることができるが、コカイン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ブピバカイン、ジブカイン、プロピトカイン、エチドカイン、トリカイン、アーティカインおよびこれらの薬理学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも一つの薬物を用いることが好ましく、毒性、効力の点からリドカイン、ブピバカイン、プリロカイン、エチドカインおよびこれらの薬理学的に許容される塩がさらに好ましい。また麻酔効果を増強することを目的としてエピネフリン、ノルエピネフリン、フェリプレシン等の血管収縮薬を適量(例えば、局所麻酔薬100重量部に対し0.001〜1重量部)添加してもよい。
【0018】
本発明の貼付製剤に含有される局所麻酔薬は、粘着基剤に溶解状態、過飽和結晶析出状態もしくは分散状態といった様々な形態で含有される。局所麻酔薬の含有に起因して粘着基剤の粘着性が妨げられない範囲内であれば、含有量は特に制限されない。ただし、膏体層1の全重量に対し、通常、1重量%〜80重量%含有され、好ましくは2重量%〜70重量%含有される。含有量が1重量%以上であれば、有効な量の薬物放出が期待され、また80重量%以下であれば、粘着基剤の粘着性の低下が起こり難くなるとともに経済的にも有利である。また、貼付面における膏体層1の単位面積当りの局所麻酔薬の含有量、すなわち、膏体層1中の局所麻酔薬の含有量(mg)を図1(A)におけるL×W(cm2)で除した値は、0.1mg/cm2〜50mg/cm2が好ましく、0.2mg/cm2〜30mg/cm2がより好ましく、0.3mg/cm2〜20mg/cm2が特に好ましい。当該含有量が0.1mg/cm2以上であれば、空隙部2に対応する皮膚または粘膜の露出部分へ局所麻酔薬が十分に供給されて有効な疼痛緩和効果が期待され、該含有量が50mg/cm2以下であれば過剰投与による副作用の発現が起こり難い。また1製剤中の局所麻酔薬量は、毒性の点から500mgを上限とするのが好ましい。
【0019】
本発明の貼付製剤は上述した膏体層1のみからなるものでもよいが、必要に応じて、図1に示すような支持体層3が設けられていてもよい。支持体層3を設けることで、密封効果、膏体層1の形状保持性の向上、操作性の向上、薬物汚染の軽減等という作用が奏される。
【0020】
支持体層3の材質としては、貼付時に著しい違和感がなければ特に限定されず、具体的にはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂などの合成樹脂からなるフィルム(以下、単独フィルムという)およびこれらを組み合わせたラミネートフィルム、シート、不織布、織布、編布及びこれらを組み合わせてラミネートとしたものなどが挙げられる。また、このような水不溶性の材料に限らず、無毒性であればポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルアセトアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、寒天、キサンタンガムなどの水溶性材料を用いてもよい。
【0021】
支持体層3を設ける場合、その厚みは、通常1μm〜1000μm、上記単独フィルムまたはラミネートフィルムの場合1μm〜100μmが好ましく、上記シート、不織布、織布、編布及びこれらを組み合わせてラミネートとしたものについては100μm〜1000μmが好ましい。
【0022】
本発明の貼付製剤の製造方法は特に限定されず、例えば局所麻酔薬および粘着基剤の原料などを溶媒に溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を支持体層3の片面に塗布し、乾燥して膏体層1としての感圧性接着剤層を支持体の表面に形成させた後、任意の形状に打抜く方法などが挙げられる。また、上記の溶液または分散液を保護用の離型ライナー(図示せず)上に塗布し、乾燥して離型ライナー上に膏体層1としての感圧性接着剤層を形成させ、その後に必要であれば支持体層3を感圧性接着剤層に接着させることによって製造することもできる。
【0023】
本発明の貼付製剤は、製造、運搬または保存中に膏体層1が、いたずらに器具、容器などに接着することを防止するために、また貼付製剤の劣化を防止するために、使用の直前までは膏体層1の貼付面を、離型ライナーにて被覆、保護することが望ましい。
【0024】
離型ライナーとしては、使用時に膏体層1から容易に剥離されるものであれば、特に限定されず、例えば膏体層1と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂などを塗布することによって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、上質紙、グラシン紙などの紙、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルムなどが用いられる。
【0025】
該離型ライナーの厚みは通常l0μm〜200μmであり、好ましくは50μm〜l00μmである。また離型ライナーあるいは本発明の貼付製剤が方形状の場合には、角部にアールを形成しておくことが安全性や操作性、外見上の美観などの点で好ましい。
【0026】
次に、本発明の貼付製剤の使用について説明する。注射針刺入時の疼痛緩和を目的として本発明の貼付製剤を使用する場合は、予め適用部位を消毒してから本発明の製剤を貼付するのが好ましい。それにより、貼付製剤の空隙部2に対応する皮膚または粘膜の露出部分は、注射針刺入時まで非接触状態で保たれることとなり、麻酔効果発現後、貼付製剤を貼付したまま、直ちに刺入を行なうことが可能となる。また製剤を貼付したままであれば、予め標的とした部位を見失うこともなく、注射針の留置による疼痛の緩和も期待される。
【0027】
一方、小手術時の疼痛緩和を目的とする場合は、図2に示すように、空隙部2を複数有する貼付製剤を用いるのが好ましい。貼付の後、麻酔効果が発現したら、該複数の空隙部2の間の部位4(図2における点線で囲まれた部位)をハサミ等で切断除去して患部を露出させる。こうすることにより、予め標的とした部位を見失うこともなく、貼付製剤を貼付したまま以後の小手術等の処置を行うことができ、その際の疼痛を緩和することができる。
【0028】
このように、本発明の貼付製剤を使用する際には製剤を貼付したまま注射や小手術等の処置を施すことになるので、麻酔効果の減弱もある程度抑制することが可能である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例および比較例をもって本発明を詳細に述べるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において、部は重量部を意味する。図3〜図9は、各実施例、比較例の貼付製剤の貼付面における平面図である。
【0030】
〔実施例1〕
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部とアクリル酸5部とを酢酸エチル150部中で共重合させて、粘着基剤の溶液としての粘着剤A溶液を調製した。粘着剤A溶液40部(固形分に相当)に局所麻酔薬としてのリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた溶液を離型ライナーとしてのポリエステル製セパレーター(75μm厚)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、乾燥して膏体層1を作製した。次いで、支持体層3としての12μm厚みのPETフィルムに該膏体層1を貼り合わせ、中央部に開口面積が0.0314cm2の一つの円形の空隙部2を有し、製剤全体として、短辺(L)が約3.0cm、長辺(W)が約5.0cmで面積が約15.0cm2の長方形状になるように打ち抜いて、貼付製剤(図3)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積は、膏体層1の面積の約0.2%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0031】
〔実施例2〕
実施例1と同様に、ポリエステル製セパレーター上に膏体層1を形成し、ポリプロピレン/ポリエステル複合繊維不織布(坪量90g/m2、厚み約0.5mm)に貼り合わせ、中央部に開口面積が0.00785cm2の一つの円形の空隙部2を有し、製剤全体として、1辺(図中、L=W)が約1.0cmで面積が約1.0cm2の正方形状になるように打ち抜いて、貼付製剤(図3)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積は、膏体層1の面積の約0.8%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0032】
〔実施例3〕
乾燥後の厚みが約40μmであること以外は実施例1と同様の、ポリエステル製セパレーター上に形成された膏体層1を、ポリエステル繊維製編布(坪量100g/m2、厚み約0.4mm)に貼り合わせた。次いで、中央部付近に短辺(w)が約0.1cm、長辺(l)が約3.0cmで開口面積が約0.3cm2の長方形状の空隙部2を、短径の延長線方向に約0.5cm間隔で短冊型に4本配置し、製剤全体として、1辺(図中、L=W)が約5.0cmで面積が約25.0cm2の正方形状になるように打ち抜いて貼付製剤(図4)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積の合計は、膏体層1の面積の約1.2%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約2.4mg/cm2であった。
【0033】
〔実施例4〕
実施例1で用いた粘着剤A溶液40部(固形分に相当)にミリスチン酸イソプロピル30部、リドカイン30部、イソシアネート系架橋剤0.06部を加えて混合溶解し、得られた溶液をポリエステル製セパレーター(75μm厚)上に乾燥後の厚みが約80μmとなるように塗布、乾燥して膏体層1を作製した。次いで、ポリプロピレン/ポリエステル複合繊維不織布(坪量90g/m2、厚み約0.5mm)に該膏体層1を貼り合わせた。さらに、短辺(w)が約0.1cm、長辺(l)が約2.0cmで開口面積が約0.2cm2の長方形状の8本の空隙部2を、図5に示すように長方形の一端が製剤の中心で重なるように放射状に配置し、製剤全体として、1辺(図中、L=W)が約10.0cmの正方形状になるように打ち抜いて貼付製剤を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積の合計は、膏体層1の面積の約1.6%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約3.2mg/cm2であった。
【0034】
〔実施例5〕
リドカイン5部、D−ソルビトール15部、グリセリン20部、プロピレングリコール10部、ポリアクリル酸ナトリウム4部、カルボキシメチルセルロースナトリウム5部、ポリアクリル酸2部、パラオキシ安息香酸メチル0.1部、パラオキシ安息香酸プロピル0.05部、水酸化アルミニウム0.3部、精製水残量とし、全量100部とし、以下のように調製した。精製水にD−ソルビトール、ポリアクリル酸を加え混合した。更にプロピレングリコール、リドカインを混合溶解した液を加えて混合した。次いでグリセリンにポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、水酸化アルミニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピルを分散させた液を加えて均一になるまで十分に混合して、膏体層1の懸濁液を調製した。この懸濁液をポリプロピレン製不織布上に1000g/m2で展延し、ポリエステル製セパレーター(75μm厚)をさらに貼着した。次いで、中央部付近に短辺(w)が約0.2cm、長辺(l)が約5.0cmで開口面積が約1.0cm2の長方形状の空隙部2を、短径の延長線方向に約1.0cm間隔で短冊型に6本配置し、製剤全体が短辺(W)が約10.0cm、長辺(L)が約14.0cmで面積が約140.0cm2の長方形状になるように打ち抜いて、貼付製剤(図6)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積の合計は、膏体層1の面積の約4.3%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約5.0mg/cm2であった。
【0035】
〔実施例6〕
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体29.9部、脂環族飽和炭化水素樹脂40.0部、流動パラフィン20.0部及び酸化防止剤0.1部を加熱融解、攪拌した後、リドカイン10.0部を融解し均一に攪拌混合した。この液を厚みが約120μmとなるように均一に塗布したポリエステル製セパレーター(75μm厚)を、ポリプロピレン製不織布と貼り合わせた。次いで、中央部に開口面積が0.0314cm2の一つの円形の空隙部2を有し、短辺(L)が約3.0cm、長辺(W)が約5.0cmの長方形状になるように打ち抜いて、貼付製剤(図3)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積は、膏体層1の面積の約0.2%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0036】
〔実施例7〕
リドカイン25部、レシチン9部、プロピレングリコール6部、ジプロピレングリコール15部、グリセリン15部、カーボポール934 2部を70℃で30分間混合して溶解し、室温まで冷却した。次いで、カラヤゴム28部を添加し、素早く攪拌して溶解させ、直ちに支持体層3としてのソンタラ8100に厚みが約0.5mmになうように塗布し、ポリエステル製セパレーター(75μm厚)を貼り合わせた。これを100℃で3時間熟成したものを、中央部に開口面積が0.00785cm2の一つの円形の空隙部2を有し、短辺(L)が約1.0cm、長辺(W)が約2.0cmの長方形状になるように打ち抜いて、貼付製剤(図3)を作製した。本製剤の空隙部2の開口面積は、膏体層1の面積の約1.6%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約23mg/cm2であった。
【0037】
〔実施例8〕
空隙部2として、開口面積3.14cm2の円形の空隙部2を設けたこと以外は、実施例1と同様の貼付製剤を作製した(図7において、L=約3.0cm、W=約5.0cm)。本製剤の空隙部2の開口面積は、膏体層1の面積の約20.9%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0038】
〔実施例9〕
空隙部2として、1辺が0.75cmで開口面積が0.5625cm2の正方形の空隙部2を6箇所設けたこと以外は、実施例1と同様の貼付製剤を作製した(図8において、w=l=約0.75cm、L=約3.0cm、W=約5.0cm)。本製剤の空隙部2の開口面積の合計は、膏体層1の面積の約22.5%であり、膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0039】
〔比較例1〕
実施例1と同様の貼付製剤を作製した。但し、空隙部2は設けなかった(図9において、L=約3.0cm、W=約5.0cm)。膏体層1中の単位面積あたりの局所麻酔薬の含有量は約1.2mg/cm2であった。
【0040】
実施例1〜9、および比較例1の貼付製剤の麻酔効果試験結果(適用部位、効果)を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明の貼付製剤は、貼付したまま注射や小手術等の処置を施すことができるので、予め標的とした部位を見失うことがない。また、本発明の好ましい態様の貼付製剤は、処置を施す皮膚または粘膜の部位に効率的に局所麻酔薬が浸潤、拡散することになるので、注射や小手術時の疼痛を十分に緩和し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の貼付製剤の一例を示すもので、(A)は、皮膚または粘膜への貼付面(以下、貼付面という)からの斜視図であり、(B)は、(A)のI−I断面図である。
【図2】本発明の貼付製剤の一例を示す。
【図3】実施例1、2、6、7の貼付製剤を示す。
【図4】実施例3の貼付製剤を示す。
【図5】実施例4の貼付製剤を示す。
【図6】実施例5の貼付製剤を示す。
【図7】実施例8の貼付製剤を示す。
【図8】実施例9の貼付製剤を示す。
【図9】比較例1の貼付製剤を示す。
【符号の説明】
1 膏体層
2 空隙部
3 支持体層
4 空隙部の間の部位
Claims (7)
- 皮膚または粘膜に粘着し得る基剤に局所麻酔薬を含有させてなる膏体層を有し、かつ、皮膚または粘膜への貼付面から反対側の面に貫通する空隙部を有する貼付製剤であって、注射針刺入時または留置時の疼痛緩和を目的とする貼付製剤。
- 皮膚または粘膜に粘着し得る基剤に局所麻酔薬を含有させてなる膏体層を有し、かつ、皮膚または粘膜への貼付面から反対側の面に貫通する空隙部を有する貼付製剤であって、上記空隙部を複数有し、該複数の空隙部の間の貼付製剤の部位を切断除去して小手術を施すことによる、該小手術時の疼痛緩和を目的とする貼付製剤。
- 上記空隙部の皮膚または粘膜への貼付面における開口面積が各々0.005cm2〜2cm2であり、かつ、該開口面積の合計が、貼付面における膏体層全体の面積の20%以下である請求項1または2に記載の貼付製剤。
- 上記膏体層中の局所麻酔薬の含有量が、貼付面における膏体層の単位面積あたり0.1mg/cm2〜50mg/cm2である請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼付製剤。
- 上記局所麻酔薬がコカイン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、ブピバ力イン、ジブカイン、プロピトカイン、エチドカイン、トリカイン、アーティカインおよびこれらの薬理学的に許容される塩からなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付製剤。
- 請求項1に記載の貼付製剤、および当該製剤を注射針刺入時または留置時の疼痛の緩和に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
- 請求項2に記載の貼付製剤、および当該製剤を小手術時の疼痛の緩和に使用し得るかまたは使用すべきであることを記載した書類を含む商業的パッケージ。
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