JP4134801B2 - 水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造 - Google Patents

水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コークス炉の上昇管に設けられた水封蓋及びコレクチングバルブの開閉を制御する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、室炉式コークス炉では、石炭から発生するコークス炉ガス(COG)をガス精製工程に送り、燃料ガスとして回収利用している。かかる室炉式コークス炉の一例の断面を図9に示す。図9に示される室炉式コークス炉1において、炭化室10は上昇管12とベント管14を介して集気本管(以下ドライメーン16という)とつながっている。上昇管12の上端には水封蓋18が設けられており、上昇管12の開閉を可能に構成されている。また、ベント管14の先端にはコレクチングバルブ17が設けられており、ベント管14の開閉が可能に構成されている。
【0003】
炭化室10に装入された石炭Cを乾留し、石炭Cから発生するCOGは上昇管12とベント管14を通じてドライメーン16へ送られ、その後ガス精製工程に送られる。この乾留中、水封蓋18は閉じられ、コレクチングバルブ17は開かれている。
炭化室10における石炭Cの乾留末期には、コレクチングバルブ17を閉じ、水封蓋18を開いて、水素濃度が高くなったCOGをドライメーン16へ送らずに水封蓋18から燃焼放散させる。
【0004】
炭化室10から乾留を終えてコークス化した石炭Cを排出し、炭化室10に新たに石炭Cを装入するときは、水封蓋18を開くとともに、コレクチングバルブ17を閉じ、ドライメーン16に外気が混入することを防止している。そして、炉蓋11を取り外してコークス化した石炭Cを炭化室10の外に排出し、新しい石炭Cを炭化室10に装入して、再度炉蓋11を炉体に取り付ける。
【0005】
室炉式コークス炉1が備える炭化室10の数は数十室を越え、各炭化室10が上昇管12を有するので、開閉の対象となる水封蓋18及びコレクチングバルブ17の数も炭化室10と同数存在する。このため、一日あたり水封蓋18及びコレクチングバルブ17を開閉する作業回数は非常に多くなってしまう。
水封蓋18の開閉操作及びコレクチングバルブ17の開閉操作は人力で行われることが多く、作業環境及び作業内容の点で高熱、重筋作業であるといった問題点があった。
【0006】
そこで、この問題点を解決すべく、水封蓋及びコレクチングバルブに駆動機構を設け、その駆動機構を自動操作する方法が考えられている。かかる方法の一例として、室炉式コークス炉上を走行する装入車に横行台車を設け、この横行台車上に、水封蓋を開放する水封蓋開放機構、水封蓋を閉鎖する水封蓋閉鎖機構、コレクチングバルブを開閉するコレクチングバルブ開閉機構、横行台車の横行移動の前進端検知機構及び上昇管から流出するガスに着火する着火機構をそれぞれ設け、水封蓋及びコレクチングバルブの開閉操作を自動的に実施するものがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5―32975号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水封蓋及びコレクチングバルブに駆動機構を設けて自動的に開閉操作を行う場合、各水封蓋及び各コレクチングバルブに駆動機構を設ける必要があり、1基の室炉式コークス炉に必要な駆動機構の数は非常に多くなってしまい、設備コストも高価なものとなってしまう。
【0009】
また、駆動機構は上昇管の周辺に設置されるが、上昇管鉄皮からの輻射熱が大きいため、駆動機構を形成するパッキン等に損傷や油分の劣化を生じやすくなり、駆動機構の早期損傷や作動不良を生じやすい。このため、駆動機構のメンテナンスに要する負荷が大きくなってしまう。
さらに、駆動機構を設置する上昇管周辺はスペースが限られており、上昇管周辺の構造が複雑化、煩雑化し、駆動機構のメンテナンス作業を実施する上での制約が大きくなってしまう。
【0010】
特に、室炉式コークス炉上の装入車に横行台車を設け、この横行台車上に、水封蓋開放機構、水封蓋閉鎖機構、コレクチングバルブ開閉機構、前進端検知機構及び着火機構を設ける方法では、横行台車上にある各機構の構成が複雑であり、上昇管の周辺で横行台車を走行させるので、上昇管の周辺の構成も複雑化し、横行台車の運転管理も煩雑なものとなる。
【0011】
本発明は、上記した従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、上昇管の周辺の構造が複雑化することを解消し、メンテナンスに要する負荷や設備コストを小さく抑制可能な水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造は、室炉式コークス炉の上昇管に設けられた水封蓋及び当該上昇管に連なるベント管に設けられたコレクチングバルブの開閉を制御する構造であって、カム装置、第1のリンク装置、第2のリンク装置及び駆動装置を備え、前記カム装置は前記駆動装置により回動可能に構成された回転軸と、当該回転軸周りに一体となって回動可能に構成された第1のカム及び第2のカムとを備え、前記第1のリンク装置は突起を有する第1のリンク軸を備え、当該第1のリンク軸の一端は前記水封蓋へ直接的又は間接的に連結されており、他端には当該リンク軸の軸方向に連続する孔が形成されており、当該孔内に前記回転軸が当該リンク軸の軸方向に移動可能かつ自由回動可能に挿入されており、前記第2のリンク装置は突起を有する第2のリンク軸を備え、当該第2のリンク軸の一端は前記コレクチングバルブへ直接的又は間接的に連結されており、他端には当該リンク軸の軸方向に連続する孔が形成されており、当該孔内に前記回転軸が当該リンク軸の軸方向に移動可能かつ自由回動可能に挿入されており、前記第1のカムは前記第1のリンク軸の突起が係合する第1の案内路を有し、当該第1の案内路は、前記回転軸と同心の円弧をなす第1の小路と、当該円弧から外れた形状をなす第2の小路とが連続してなり、前記第2のカムは前記第2のリンク軸の突起が係合する第2の案内路を有し、当該第2の案内路は、前記回転軸と同心の円弧をなす第3の小路と、当該円弧から外れた形状をなす第4の小路とが連続してなり、前記第1のリンク軸の突起が前記第2の小路内に位置して前記水封蓋が開閉動作を行っているときは、前記第2のリンク軸の突起が前記第3の小路内に位置して前記コレクチングバルブは閉じたままとなっており、前記第2のリンク軸の突起が前記第4の小路内に位置して前記コレクチングバルブが開閉動作を行っているときは、前記第1のリンク軸の突起が前記第1の小路内に位置して前記水封蓋は閉じたままとなっている。
【0013】
請求項1の発明によると、回転軸の回動と一緒に第1のカム及び第2のカムが回動し、第1のリンク軸の突起が第1の案内路中を案内されて相対移動し、第2のリンク軸の突起がカムの第2の案内路中を案内されて相対移動する。
第1のリンク軸の突起が第1の小路内を相対移動するとき、この突起と回転軸との距離は変化せず、回転軸は第1のリンク軸の孔内で回動するだけであり、第1のリンク軸は動かず、第1のリンク軸と連なる水封蓋は動かず閉まったままである。
【0014】
第1のリンク軸の突起が第2の小路内を相対移動するとき、この突起と回転軸との距離は変化する。この突起と回転軸との距離が変化すると、回転軸は第1のリンク軸の孔内を回動しつつ第1のリンク軸の軸方向に相対移動し、第1のリンク軸が動き、第1のリンク軸と連なる水封蓋の開閉動作が行われる。
第2のリンク軸の突起が第3の小路内を相対移動するとき、この突起と回転軸との距離は変化せず、回転軸は第2のリンク軸の孔内で回動するだけであり、第2のリンク軸は動かず、第2のリンク軸と連なるコレクチングバルブは動かず閉まったままである。
【0015】
第2のリンク軸の突起が第4の小路内を相対移動するとき、この突起と回転軸との距離は変化する。この突起と回転軸との距離が変化すると、回転軸は第2のリンク軸の孔内を回動しつつ第2のリンク軸の軸方向に相対移動し、第2のリンク軸が動き、第2のリンク軸と連なるコレクチングバルブの開閉動作が行われる。
また、水封蓋とコレクチングバルブのいずれか一方が開閉動作を行っているとき、他方は閉まったままとなっており、水封蓋とコレクチングバルブが同時に開閉動作を行うことはない。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1ないし図8を参照して本実施の形態の構成を説明する。
図1及び図2に示すように、室炉式コークス炉の炭化室で石炭を乾留中に生成するCOGが流れる上昇管12の上端には、上昇管12の開閉を可能とする水封蓋18が設けられている。
【0017】
水封蓋18の外側中央には、この水封蓋18を開閉するための開閉アーム20aの先端21aが固定して取り付けられている。開閉アーム20aは、上昇管12のフランジ13上に設置されたブラケット55先端にピン連結された中間部22aを中心として回動し、図1において開閉アーム20aが時計回りに回動すると開閉アーム20aの先端21aが水封蓋18を上方へ吊り上げて開き、開閉アーム20aが反時計回りに回動すると開閉アーム20aの先端21aが水封蓋18を下方へ押し下げて閉じる構成となっている。なお、以下の説明において、時計回り及び反時計回りというときは、図1における時計回り及び反時計回りをいうものとする。
【0018】
図1及び図3に示すように、開閉アーム20aの後端23aはリンクアーム27aの先端28aにピン連結されており、開閉アーム20aにその回動する力をリンクアーム27aの先端28aから伝達可能に構成されている。また、リンクアーム27aの後端29aは後述の第1のリンク軸31aの先端32aにピン連結されており、リンクアーム27aの後端29aを第1のリンク軸31aの先端32aが押引可能に構成されている。そして、第1のリンク軸31a、リンクアーム27a及び開閉アーム20aが第1のリンク装置36aを構成している。
【0019】
図1及び図2に示すように、上昇管12の側面からベント管14が側方に延びており、ベント管14は途中で下方に折れ曲がってドライメーン16へ達している。ベント管14の先端とドライメーン16との接続部分には、ベント管14の開閉を可能とするコレクチングバルブ17が設けられている。
コレクチングバルブ17は、ベント管14の先端のフランジ15に軸40によって軸止されている。軸40の一端には開閉アーム20bの先端21bが固定されており、開閉アーム20b及びコレクチングバルブ17は軸40周りに一体となって回動可能となっており、時計回りに回動するとコレクチングバルブ17が開き、反時計回りに回動するとコレクチングバルブ17が閉じる構成となっている。
【0020】
図1及び図4に示すように、開閉アーム20bの後端23bはリンクアーム27bの先端28bにピン連結されており、開閉アーム20bにその回動する力をリンクアーム27bの先端28bから伝達可能に構成されている。また、リンクアーム27bの後端29bは後述の第2のリンク軸31bの先端32bにピン連結されており、リンクアーム27bの後端29bを第2のリンク軸31bの先端32bが押引可能に構成されている。そして、第2のリンク軸31b、リンクアーム27b及び開閉アーム20bが第2のリンク装置36bを構成している。なお、図4は第2のリンク装置36bを背面側から見た図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、ベント管14の脇に架台41が設置されており、架台41は上昇管12及びベント管14に固定されている。
架台41上にはエア駆動のアクチュエータ42が駆動装置として設置されている。アクチュエータ42には外部から駆動用エアが供給されており、この駆動用エアによってアクチュエータ42のピストン(図示せず)が往復動して、シャフト42aが回動する構成となっている。そして、このシャフト42aの周りにプーリ43が取り付けられており、プーリ43に架けられたチェーン45がアクチュエータ42により回動可能に構成されている。
【0022】
図1、図2及び図6に示すように、架台41上のアクチュエータ42脇に、カム装置46が設置されている。カム装置46は2枚のカムプレート47a、47b、回転軸54及びプーリ44とからなっており、架台41上で回動自在に支承された回転軸54の周りにカムプレート47a、47b及びプーリ44が固着されている。
【0023】
図5に示すように、カムプレート47aは溝48aを有し、溝48aが第1の案内路をなす。溝48aはカムプレート47aの面上でそれぞれ円弧をなす小溝49aと小溝50aとから形成されており、小溝49aの一端は小溝50aの一端と連続点51aを介して連続し、小溝49aが第1の小路をなし、小溝50aが第2の小路をなしている。小溝49aをなす円弧の曲率中心は回転軸54の中心と一致しており、小溝50aをなす円弧の曲率中心は回転軸54の中心から偏心した位置にある。そして、小溝50aは、連続点51aからの距離が大きくなるにつれて、回転軸54の中心からの距離も大きくなっている。
【0024】
カムプレート47bとカムプレート47aは図6に示すような形状をなしており、溝48aと対応する溝48bを有し、溝48bが第2の案内路をなしている。そして、溝48bは連続点51bを介して連続する小溝49bと小溝50bとからなり、小溝49aに対応する小溝49bが第3の小路をなし、小溝50aに対応する小溝50bが第4の小路をなしている。
【0025】
図1及び図2に示すように、プーリ44にはチェーン45が架けられており、チェーン45を介してプーリ43と連結されている。すなわち、アクチュエータ42によってカム装置46は回転軸54周りを回動可能に構成されている。
回転軸54には、第1のリンク軸31aの後端33a及び第2のリンク軸31bの後端33bがつながっている。図3に示すように、第1のリンク軸31aの後端33aには回転軸孔34aが形成されている。この回転軸孔34aの開口部分は第1のリンク軸31aの軸方向に連続して延びており、回転軸54が回転軸孔34a内に挿通されており、回転軸54は回転軸孔34a内を第1のリンク軸31aの軸方向に相対移動可能かつ軸周りに回動可能に構成されている。
【0026】
第1のリンク軸31aの中間に突起35aが形成されており、突起35aはカムプレート47aの溝48a内に収まって係合し、突起35aは溝48a内を相対移動可能に構成されている。
図4に示すように、第2のリンク軸31bは第1のリンク軸31aと同様の構成を有している。すなわち、回転軸孔34aと対応する回転軸孔34bが第2のリンク軸31bの後端33bにあり、回転軸孔34bに回転軸54が挿通されているとともに、回転軸54は回転軸孔34b内を第2のリンク軸31bの軸方向に相対移動可能かつ回動可能となっている。また、第2のリンク軸31bの中間に突起35aと対応して形成された突起35bがカムプレート47bの溝48b内に収まって係合し、突起35bは溝48b内を相対移動可能に構成されている。
【0027】
図1に示すように、架台41にはブラケット56a及びブラケット56bが設置されており、ブラケット56a先端にはリンク軸案内孔57aが形成され(図3を参照)、ブラケット56b先端にはリンク軸案内孔57bが形成されている(図4を参照)。そして、第1のリンク軸31aの先端32aと突起35aとの間の部分がリンク軸案内孔57a内に挿通され、第2のリンク軸31bの先端32bと突起35bとの間の部分がリンク軸案内孔57b内に挿通されている。第1のリンク軸31aはリンク軸案内孔57a及び回転軸孔34a内に挿通された回転軸54によって動きを拘束されており、第1のリンク軸31aはその軸方向にのみ移動可能となっている。同様に、第2のリンク軸31bもリンク軸案内孔57b及び回転軸孔34b内に挿通された回転軸54によって動きを拘束されており、第2のリンク軸31bはその軸方向にのみ移動可能となっている。
【0028】
そして、回転軸54が回動すると、回転軸54とともにカムプレート47a及び47bが回転軸54周りに回動して、第1のリンク軸31aの回転軸孔34a内を回転軸54が相対移動し、第2のリンク軸31bの回転軸孔34b内を回転軸54が相対移動し、第1のリンク軸31aの突起35aは溝48a内を案内されて相対移動し、第2のリンク軸31bの突起35bは溝48b内を案内されて相対移動する構成となっている。
【0029】
なお、溝48a内における突起35aの位置と、溝48b内における突起35bの位置は、以下に述べる相対的関係を有する。すなわち、突起35aが溝48aの小溝49a内に位置しているときは、突起35bは溝48bの小溝50b内に位置している(図7を参照)。突起35aが溝48aの小溝50a内に位置しているときは、突起35bは溝48bの小溝49b内に位置している(図8参照)。なお、図7及び図8において、カム装置46のプーリ44の図示は省略されている。
【0030】
また、突起35aが小溝49aと小溝50aとの連続点51aに位置しているときは、突起35bは小溝49bと小溝50bとの連続点51bに位置している(図1を参照)。
そして、突起35aが小溝49a内又は連続点51aに位置しているとき、第1のリンク装置36aとつながっている水封蓋18は閉じた状態にあり、突起35bが小溝49b内又は連続点51bに位置しているとき、第2のリンク装置36bとつながっているコレクチングバルブ17は閉じた状態にある。
【0031】
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について説明する。
最初、第1のリンク軸31aの突起35aは、溝48a内の連続点51aに位置しており、水封蓋18は閉じている。また、第2のリンク軸31bの突起35bは、溝48b内の連続点51bに位置しており、コレクチングバルブ17は閉じている(図1を参照)。
【0032】
次いで、アクチュエータ42に駆動用エアが供給され、プーリ43が反時計回りに回動すると、チェーン45も反時計回りに回動し、チェーン45がプーリ44と回転軸54を反時計回りに回動させる。回転軸54が反時計回りに回動すると、カムプレート47a及び47bも回転軸54周りを反時計回りに回動する。カムプレート47aが反時計回りに回動すると、第1のリンク軸31aの突起35aは溝48a内を連続点51aから小溝49a内へ相対移動する。小溝49aをなす円弧の曲率中心は回転軸54の中心と一致しているので、突起35aと回転軸54の中心との距離は一定して変化せず、回転軸54は回転軸孔34a内での位置を変化させない。すなわち、突起35aは溝48a内を相対移動するが、第1のリンク軸31a自体は動かない。したがって、第1のリンク軸31aとつながっているリンクアーム27a、開閉アーム20a及び水封蓋18も動かず、水封蓋18は閉じたままとなっている(図7を参照)。
【0033】
また、カムプレート47bが反時計回りに回動すると、第2のリンク軸31bの突起35bは溝48b内を連続点51bから小溝50b内へ相対移動する。小溝50b内で突起35bと連続点51bとの距離が大きくなるにつれて、突起35bと回転軸54の中心との距離も大きくなっていく。突起35bと回転軸54の中心との距離が大きくなると、回転軸54は回転軸孔34b内を第2のリンク軸31bの後端33b側へ相対移動し、第2のリンク軸31bはその先端32bの方向に引っ張られて軸方向に動く。第2のリンク軸31bが先端32bの方向へ引っ張られると、その先端32bはリンクアーム27bの後端29bを押し、リンクアーム27bの先端28bが更に開閉アーム20bの後端23bを押し、開閉アーム20b及びコレクチングバルブ17は一緒に軸40周りを時計回りに回動し、コレクチングバルブ17が開く(図4及び図7を参照)。
【0034】
次いで、アクチュエータ42によりプーリ43を時計回りに回動させて、チェーン45、プーリ44、回転軸54、カムプレート47a及び47bを時計回りに回動させる。
カムプレート47aが時計回りに回動すると、第1のリンク軸31aの突起35aは小溝49a内を連続点51aへ向かって相対移動する。小溝49a内に突起35aが位置している間は、突起35aと回転軸54との距離は変化せず、第1のリンク軸31a自体も動かず、水封蓋18は閉じたままとなっている。
【0035】
また、カムプレート47bが時計回りに回動すると、第2のリンク軸31bの突起35bは小溝50b内を連続点51bへ向かって相対移動する。小溝50b内で突起35bと連続点51bとの距離が小さくなるにつれて、突起35bと回転軸54の中心との距離も小さくなっていく。突起35bと回転軸54の中心との距離が小さくなると、回転軸54は回転軸孔34b内を第2のリンク軸31bの先端32b側へ相対移動し、第2のリンク軸31bは後端33bの方向に引っ張られて軸方向に動く。第2のリンク軸31bが後端33bの方向に引っ張られると、第2のリンク軸31bの先端32bはリンクアーム27bの後端29bを引っ張り、リンクアーム27bの先端28bが更に開閉アーム20bの後端23bを引っ張り、開閉アーム20b及びコレクチングバルブ17は一緒に軸40周りを反時計回りに回動し、コレクチングバルブ17が閉じる(図1及び図4を参照)。
【0036】
そして、第1のリンク軸31aの突起35aは、溝48a内の連続点51aまで戻り、第2のリンク軸31bの突起35bは、溝48b内の連続点51bまで戻り、水封蓋18及びコレクチングバルブ17はともに閉じた状態となる。
次いで、アクチュエータ42によりカムプレート47a及び47bを更に時計回りに回動させる。
【0037】
カムプレート47aが更に時計回りに回動すると、第1のリンク軸31aの突起35aは溝48a内を連続点51aから小溝50a内へ相対移動する。小溝50a内で突起35bと連続点51aとの距離が大きくなるにつれて、突起35aと回転軸54の中心との距離も大きくなり、回転軸54は回転軸孔34a内を第1のリンク軸31aの後端33a側へ相対移動し、第1のリンク軸31aは先端32aの方向に引っ張られて軸方向に動く。そして、第1のリンク軸31aの先端32aがリンクアーム27aの後端29aを押し、リンクアーム27aの先端28aが更に開閉アーム20aの後端23aを押し、開閉アーム20aは中間部22aを中心として時計回りに回動し、開閉アーム20aの先端21aが水封蓋18を上方へ吊り上げ、水封蓋18が開く(図3及び図8を参照)。
【0038】
また、カムプレート47bが更に時計回りに回動すると、第2のリンク軸31bの突起35bは溝48b内を連続点51bから小溝49b内へ相対移動する。小溝49b内に突起35bが位置している間は、突起35bと回転軸54との距離は変化せず、第2のリンク軸31b自体も動かず、コレクチングバルブ17は閉じたままとなっている(図8を参照)。
次いで、アクチュエータ42によりカムプレート47a及び47bを反時計回りに回動させる。
【0039】
カムプレート47aが反時計回りに回動すると、第1のリンク軸31aの突起35aは小溝50a内を連続点51aへ向かって相対移動する。小溝50a内で突起35aと連続点51aとの距離が小さくなるにつれて、突起35aと回転軸54の中心との距離も小さくなり、回転軸54は回転軸孔34a内を第1のリンク軸31aの先端32a側へ相対移動し、第1のリンク軸31aはその後端32aの方向に引っ張られて軸方向に動く。そして、第1のリンク軸31aの先端32aはリンクアーム27aの後端29aを引っ張り、リンクアーム27aの先端28aが更に開閉アーム20aの後端23aを引っ張り、開閉アーム20aは中間部22aを中心として反時計回りに回動し、開閉アーム20aの先端21aが水封蓋18を下方へ押し下げ、水封蓋18が閉じる(図1及び図3を参照)。
【0040】
カムプレート47bが反時計回りに回動すると、第2のリンク軸31bの突起35bは小溝49b内を連続点51bへ向かって相対移動する。この間、突起35bと回転軸54との距離は変化せず、第2のリンク軸31b自体も動かず、コレクチングバルブ17は閉じたままとなっている(図1を参照)。
そして、再び、第1のリンク軸31aの突起35aは、溝48a内の連続点51aまで戻り、第2のリンク軸31bの突起35bは、溝48b内の連続点51bまで戻り、水封蓋18及びコレクチングバルブ17が閉じた状態となる。
【0041】
したがって、水封蓋18及びコレクチングバルブ17が同時に開いた状態となることはなく、水封蓋18及びコレクチングバルブ17のうちいずれか一方が開いているときは、他方は閉まっている。すなわち、炭化室で石炭を乾留し、生成したCOGが上昇管12及びベント管14を通じてドライメーン16へ送られているとき、コレクチングバルブ17を開き、水封蓋18を閉じて、COG中に外気が混入して爆発することを防止でき、COGが外気へ漏洩することも防止できている。
【0042】
また、炭化室における石炭の乾留末期には、コレクチングバルブ17を閉じ、水封蓋18を開いて、水素濃度が高くなったCOGをドライメーン16へ送らずに水封蓋18から燃焼放散させることができる。
さらに、炭化室からコークスを排出し、炭化室に石炭を装入するときは、コレクチングバルブ17を閉じて、他の炭化室からのCOGが流入しているドライメーン16に外気が混入することを防止できる。そして、必要に応じて、コレクチングバルブ17及び水封蓋18をともに閉じ、任意の炭化室をドライメーン16及び外気から縁切ることもできる。
【0043】
また、第1のリンク装置36a及び第2のリンク装置36bを介してコレクチングバルブ17及び水封蓋18の開閉を行うので、開閉アーム20a、20b、リンクアーム27a、27b、リンク軸31a、31bの長さを調整して、駆動装置であるアクチュエータ42の設置位置を上昇管12からの輻射熱の影響を受けにくい位置とすることは容易である。
【0044】
また、水封蓋18及びコレクチングバルブ17の開閉機構は、架台41上のアクチュエータ42、カム装置46、第1のリンク装置36a及び第2のリンク装置36bからなる単純なものとなっており、上昇管12周辺の構成も簡単なものとなっている。このため、上昇管12からの輻射熱に強く、その信頼性も高く、メンテナンス負荷が小さく、メンテナンス作業を行いやすくなっており、アクチュエータ42の寿命が延びるとともに設置費用も廉価に抑制される。
【0045】
なお、本実施の形態において、駆動装置をエア駆動のアクチュエータ42により構成したが、油圧駆動のアクチュエータとすることが可能であることは勿論であり、ピストンが往復動するアクチュエータの替わりに、油圧駆動又はエア駆動のモータとすることも可能である。駆動装置をモータとすれば、回転軸44を任意の位置で容易に停止できる。また、駆動装置の動力源を電力とするとともに、駆動装置を防爆仕様とすることも可能である。
【0046】
また、本実施の形態において、駆動装置をなすアクチュエータ42のシャフト42aと回転軸54とをプーリ43、44及びチェーン45を介してつなぐこととしたが、シャフト42aと回転軸54とを直接連結することが可能であり、減速機等を介して連結することもできる。
【0047】
さらに、本実施の形態において、突起35aが連続点51aに位置しているときは、突起35bも連続点51bに位置しているとしたが、替わりに、以下の位置関係とすることも可能である。すなわち、突起35aが連続点51aに位置しているときは、突起35bは小溝49b内にあり、突起35bが連続点51bに位置しているときは、突起35aは小溝49a内にある位置関係である。かかる位置関係を形成することによって、水封蓋18及びコレクチングバルブ17のうちいずれか一方を開状態から閉状態としたのち、直ちに他方が閉状態から開状態になることはなくなり、水封蓋18及びコレクチングバルブ17がともに閉状態にある時間が存在することとなる。これにより、第1のリンク装置36a、第2のリンク装置36b、カム装置46、チェーン45等の連結部分に存在する遊びを吸収でき、水封蓋18及びコレクチングバルブ17がともに開状態となることはより確実に防止される。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、上記のような水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造であるので、上昇管の周辺の構造が複雑化することを解消し、メンテナンスに要する負荷や設備コストを小さく抑制可能な水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造の部分破断正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造の上面図である。
【図3】本実施の形態に係る第1のリンク装置の正面図である。
【図4】本実施の形態に係る第2のリンク装置の背面図である。
【図5】本実施の形態に係るカムプレートの正面図である。
【図6】本実施の形態に係るカム装置の正面図である。
【図7】水封蓋が閉じ、コレクチングバルブが開いた状態の説明図である。
【図8】水封蓋が開き、コレクチングバルブが閉じた状態の説明図である。
【図9】従来の室炉式コークス炉の断面図である。
【符号の説明】
1 室炉式コークス炉
10 炭化室
11 炉蓋
12 上昇管
13 上昇管フランジ
14 ベント管
15 ベント管フランジ
16 ドライメーン
17 コレクチングバルブ
18 水封蓋
20a、20b 開閉アーム
21a、21b 開閉アームの先端
22a 開閉アームの中間部
23a、20b 開閉アームの後端
27a、27b リンクアーム
28a、28b リンクアームの先端
29a、29b リンクアームの後端
31a、31b リンク軸
32a、32b リンク軸の先端
33a、33b リンク軸の後端
34a、34b リンク軸の回転軸孔
35a、35b リンク軸の突起
36a、36b リンク装置
40 軸
41 架台
42 アクチュエータ
42a シャフト
43、44 プーリ
45 チェーン
46 カム装置
47a、47b カムプレート
48a、48b 溝
49a、49b、50a、50b 小溝
51a、51b 連続点
54 回転軸
55、56a、56b ブラケット
57a、57b リンク軸案内孔
C 石炭C

Claims (1)

  1. 室炉式コークス炉の上昇管に設けられた水封蓋及び当該上昇管に連なるベント管に設けられたコレクチングバルブの開閉を制御する構造であって、
    カム装置、第1のリンク装置、第2のリンク装置及び駆動装置を備え、
    前記カム装置は前記駆動装置により回動可能に構成された回転軸と、当該回転軸周りに一体となって回動可能に構成された第1のカム及び第2のカムとを備え、
    前記第1のリンク装置は突起を有する第1のリンク軸を備え、当該第1のリンク軸の一端は前記水封蓋へ直接的又は間接的に連結されており、他端には当該リンク軸の軸方向に連続する孔が形成されており、当該孔内に前記回転軸が当該リンク軸の軸方向に移動可能かつ自由回動可能に挿入されており、
    前記第2のリンク装置は突起を有する第2のリンク軸を備え、当該第2のリンク軸の一端は前記コレクチングバルブへ直接的又は間接的に連結されており、他端には当該リンク軸の軸方向に連続する孔が形成されており、当該孔内に前記回転軸が当該リンク軸の軸方向に移動可能かつ自由回動可能に挿入されており、
    前記第1のカムは前記第1のリンク軸の突起が係合する第1の案内路を有し、当該第1の案内路は、前記回転軸と同心の円弧をなす第1の小路と、当該円弧から外れた形状をなす第2の小路とが連続してなり、
    前記第2のカムは前記第2のリンク軸の突起が係合する第2の案内路を有し、当該第2の案内路は、前記回転軸と同心の円弧をなす第3の小路と、当該円弧から外れた形状をなす第4の小路とが連続してなり、
    前記第1のリンク軸の突起が前記第2の小路内に位置して前記水封蓋が開閉動作を行っているときは、前記第2のリンク軸の突起が前記第3の小路内に位置して前記コレクチングバルブは閉じたままとなっており、前記第2のリンク軸の突起が前記第4の小路内に位置して前記コレクチングバルブが開閉動作を行っているときは、前記第1のリンク軸の突起が前記第1の小路内に位置して前記水封蓋は閉じたままとなっていることを特徴とする水封蓋及びコレクチングバルブの開閉構造。
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