JP4134833B2 - 光部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光信号伝送用に規格化された光部品(例えば、導波路デバイス等の光機能素子)と光ファイバとを接続するための接続構造が簡単に得られる光部品装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信分野においては、高速・大容量伝送が可能な光ファイバが伝送線路の主流となり、既に中・長距離幹線のほとんどが従来のメタルケーブルから光ファイバケーブルに代わっている。さらに、数年後には各家庭までの線路も光ファイバ化しようとする光加入者系伝送システムの実現に向けた取組みが急ピッチで進められている。
【0003】
光ファイバ同士の突き合わせ接続には、従来から融着接続やコネクタによる接続が行われてきた。
しかし、融着接続は光ファイバの突き合わせ面を溶かし込んで接続するため信頼性が高い反面、接続後の補強などに時間が掛かること、融着用の装置が高価であること、融着装置を作動させるための電源が必要であること等が問題となっていた。
また、コネクタを使用した接続は、各光ファイバ端部へのコネクタ装着に手間がかかること、コネクタ自体にかなりのコストがかかること、コネクタによって接続部の嵩が増大し、接続部の収納に大きな収納スペースの確保が必要になること等が問題となっていた。
【0004】
そこで、光ファイバ相互の突き合わせ接続を安価に、且つ容易に実現する装置として、図5に示すメカニカルスプライス51が提案されている。
このメカニカルスプライス51は、光ファイバ52の心線53の位置合わせを行うためのV溝54が形成された基板55と、その上部から心線53を押えて固定する押え板56と、これら基板55と押え板56とを上下から挟持して固定するクランプばね57とを有している。
上記のV溝54に光ファイバ52を接続する際には、図5(b)に示すように基板55と押え板56との間のくさび挿入溝58にくさび59を挿入して押し広げ、その隙間に両端から光ファイバ52を挿入して心線53を互いに突き合わせた後、図5(c)に示すように、くさび59を抜くことで、クランプばね57の復元力によって、V溝54に挿入した光ファイバ52が押え板56によって押圧固定され、V溝54上で突き合わされた光ファイバ相互が接続された状態になる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−318836号公報
【0006】
なお、図5に示すメカニカルスプライス51は、単心用のものであるが、図6に示すような、4心用のメカニカルスプライス61もある。このメカニカルスプライス61は、V溝62が4列に形成されており、各心線63がV溝62にそれぞれ挿入されるようになっている。
【0007】
ところで、近年では、更に高い伝送品質の維持等を目的として、光信号伝送用の光部品(例えば、導波路デバイスや、伝送信号を規制する薄膜フィルタ等を上げることができ、これらの部品は光機能素子とも呼ばれる)を介して光ファイバ相互を接続する接続形態も増えていて、このような接続形態においても、簡易な接続を実現するメカニカルスプライスの開発が望まれている。
【0008】
しかし、従来のメカニカルスプライスは、光ファイバ相互を突き合わせ接続することを前提としており、光部品を介して光ファイバ相互を接続することはできなかった。
そこで、光ファイバを位置決めするV溝を有した基板の先端上面に、基板上の光ファイバと突き合わせ接続する光部品を位置決めさせた接続構造が提案された(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献2】
特開平9−230167号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献2に開示の接続構造は、光ファイバの一端に光部品を突き合わせ接続させるだけの構造で、光ファイバ相互を光部品を介して接続する場合には、例えば、光部品を位置決めする手段を有した複数個の基板相互を更に高精度に調心して連結しなければならず、基板相互の位置合わせのために治具が必要になったり、あるいは基板相互を結合する部品が新たに必要となり、組み立て工程が煩雑化すると共に、高精度な接続が困難になるという問題があった。
【0011】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、光信号伝送用の光部品を介して光ファイバを接続させる接続構造を、面倒な調心作業等を不要にして、簡単に得ることのできる光部品装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光部品装置は、請求項1に記載したように、上面に部品載置領域が設けられると共に、前記部品載置領域に隣接して光ファイバを位置合わせするファイバ載置部が設けられた基板と、前記ファイバ載置部に重ねられて光ファイバを押える押え板と、光信号伝送回路を内蔵し前記部品載置領域に載置される光部品と、前記基板と押え板とを上下から弾性挟持するクランプばねと、前記部品載置領域に載置された前記光部品を着脱可能に前記基板に固定する部品固定手段とを備え、前記押え板の前記部品載置領域に相応する位置には、前記光部品を嵌入させる開口窓を貫通形成したことを特徴とする。
【0013】
このように構成した光部品装置においては、光信号伝送回路を内蔵した光部品と、この光部品を介して接続する光ファイバ相互のそれぞれが、単一の基板上で位置合わせされるため、従来技術での複数の基板相互を専用の治具を用いて位置合わせするような面倒な作業が不用になり、光信号伝送用の光部品を介して光ファイバ相互を接続するための接続構造を、簡単に得ることができる。
特に、押え板に貫通形成した開口窓と光部品との嵌め合い公差を適宜に選定しておけば、光部品は開口窓への嵌合だけで位置決めや、固定等が図れる。
【0014】
また、請求項2に記載の光部品装置は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の光部品装置において、更に、前記部品固定手段は、前記基板と前記光部品とを上下から挟持する前記クランプばねとしたことを特徴とするものである。
【0015】
このように構成された光部品装置においては、光部品の基板への固定構造が、押え板を基板に固定する構造と同一になり、クランプばねの共用等によって、固定用部品の多様化や部品点数の増加を抑えることができる。
【0018】
なお、好ましくは、前記光部品装置における光部品は、請求項3に記載のように、前記光部品として、導波路デバイス、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等の各種の部品を規定寸法に規格化しておき、規格化したこれらの部品は択一的に選択されて前記部品載置領域に搭載可能にした構成とすると良い。このようにすると、光ファイバ同士の接合部に付与する機能を、光部品の交換等によって簡単に変更することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施の形態に係る光部品装置を詳細に説明する。
図1及び図2は、発明に係る光部品装置の第1の実施の形態を示したもので、図1は組み立て状態の斜視図、図2は要部の横断面図である。
【0020】
この第1の実施の形態の光部品装置21は、上面の所定位置に規定寸法の部品載置領域23aが設けられると共に、部品載置領域23aに隣接する前後2つの領域にV溝23bによって光ファイバ25,26を位置合わせするファイバ載置部23cがそれぞれ設けられた基板23と、各ファイバ載置部23cの上に重ねられてV溝23bに設置された光ファイバ25,26を押える押え板27と、V溝23bに設置された光ファイバ25,26端が突き合わせ接続される光信号伝送回路を内蔵して部品載置領域23aに載置される光部品29と、基板23と押え板27とを上下から弾性挟持して固定するクランプばね31と、部品載置領域23aに載置された光部品29を着脱可能に基板23に固定する部品固定手段33とを備えている。
【0021】
本実施の形態の場合、基板23は、接続する光ファイバ25,26の軸線方向に細長い直方体状で、その上面の中央部に部品載置領域23aが設定されている。
また、基板23の上面上で、部品載置領域23aを挟む長手方向の両端の領域が、それぞれV溝23bを有したファイバ載置部23cとなっている。
各ファイバ載置部23cは、V溝23bを4列に形成したもので、4心の光ファイバケーブルの各芯線を、所定の高さ位置及び間隔に位置決めして、部品載置領域23aに載置された光部品29に整合させる。
【0022】
クランプばね31は、ばね鋼等の板材を基板23及び押え板27を上下から挟む断面コ字状に折曲成形したものである。
本実施の形態の場合、部品固定手段33は、クランプばね31と同様に断面コ字状に折曲成形したクランプばねで、基板23と光部品29とを上下から挟持して固定する。
【0023】
また、本実施の形態の場合、押え板27は前後2カ所のファイバ載置部23cを一括して覆うように基板23の上面に相応する外形寸法の一部品としており、この押え板27の部品載置領域23aに相応する位置には、光部品29を嵌入させる開口窓27aを貫通形成した構成になっている。
【0024】
本実施の形態では、光部品29として、導波路デバイス、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等の各種の部品を規定寸法に規格化しておき、規格化したこれらの部品を択一的に選択して部品載置領域23aに搭載し、各ファイバ載置部23cに光ファイバ25,26を装着することで、2箇所のファイバ載置部23cに設置された光ファイバ25,26同士が光部品29を介して接続された接続構造を得る。
【0025】
基板23と押え板27との突き合わせ面の端部には、図示のように、くさびを挿入するためのくさび挿入溝36が装備されている。このくさび挿入溝36にくさびを挿入することで、基板23と押え板27間をクランプばね31の付勢力に抗して開いて、各ファイバ載置部23cに光ファイバ25,26の挿抜を行う点は、従来のメカニカルスプライスと同様である。
【0026】
以上の光部品装置21においては、光信号伝送回路を内蔵した光部品29と、この光部品29を介して接続する光ファイバ25,26相互のそれぞれとが、単一の基板23上で位置合わせされるため、複数の基板相互を専用の治具を用いて位置合わせするような面倒な作業を省略できる。
従って、光信号伝送用の光部品29を介して光ファイバ25,26相互を接続するための接続構造は、面倒な調心作業等が不要で、簡単に得ることができ、光ファイバ25,26相互の接続部に光部品29によって所望の信号処理機能を付加することで、優れた伝送品質の維持等を図ることができる。
【0027】
また、本実施の形態の光部品装置21では、部品固定手段33として、基板23と光部品29とを上下から挟持して固定するクランプばねを採用したため、光部品29の基板23への固定構造が、押え板27を基板23に固定する構造と同一となり、クランプばねの共用等によって、固定用部品の多様化や部品点数の増加を抑えて、光部品装置21の構成を簡略化することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、2カ所のファイバ載置部23cの上に重ねて配置する押え板27が単一部品に統合されているため、ファイバ載置部23cが増えても押え板27は一つで済み、光部品装置21の構成部品点数の増加を抑えて、コストの低減を図ることができる。
更に、本実施の形態では、基板23上に重ねられる押え板27には、基板23上の部品載置領域23aに対応して、光部品29を嵌入させる開口窓27aを貫通形成した構成のため、開口窓27aと光部品29との嵌め合い公差を適宜に選定しておけば、光部品29は開口窓27aへの嵌合だけでも位置決め、固定等が図れ、クランプばね33の簡略化又は省略を図って、コストの増大を抑えることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、基板23の部品載置領域23aに設置する光部品29は、導波路デバイス、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等の各種の部品から択一的に選択することができ、光ファイバ25、26同士の接合部に付与する機能を、光部品29の交換等によって簡単に変更することができて、多様な接続需要に、簡単、且つ柔軟に対応可能になる。
【0030】
図3及び図4は本発明に係る光部品装置の参考例を示したもので、図3は参考例の光部品装置の全体斜視図、図4は図3に示した光部品装置の基板に光部品を組み付けた状態での斜視図である。
この参考例に示した光部品装置37は、基板23の前後2カ所にファイバ載置部23c,23cを装備し、これらの2つのファイバ載置部23c,23c間に部品載置領域23aが設定され、その部品載置領域23aに光部品29が載置されて、各ファイバ載置部23c,23cに装着された光ファイバ25,26を光部品29を介して接続する点では、上記の第1の実施の形態と共通である。
【0031】
ただし、本参考例の場合は、各ファイバ載置部23cに設置された光ファイバ25,26を押える押え板27が、ファイバ載置部23c毎に独立した形態となっていて、それぞれ個別に断面コ字状のクランプばね31によって基板23に固定されるようになっている。
また、光部品29は、基板23上の部品載置領域23aに載置された状態で、部品固定手段33によって基板23に固定される。部品固定手段33は、クランプばね31と同様の断面コ字状のクランプばねである点は、第1の実施の形態の場合と同様であり、また、各押え板27が、くさび挿入溝36へのくさびの挿入によって開かれる点も、第1の実施の形態の場合と同様である。
【0032】
なお、この参考例で基板23上に搭載した光部品29は、図4に示すように、伝送路29aの分岐又は合流を行う導波路デバイス(PLC)であるが、第1の実施の形態で説明したように、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等のいずれかに交換することが可能である。
【0033】
以上の参考例のように、押え板27をファイバ載置部23c毎に独立させた構成とすると、押え板27の数量は増えるが、押え板27には光部品29を嵌入させる開口窓等の加工が必要なくなり、押え板27の構造を単純化することができる。
【0034】
なお、上記の実施の形態、参考例では、基板23上に設置する光部品29が対向配置される光ファイバ25,26相互を接合するものであるため、基板23上には、部品載置領域23aを挟んで対向する前後2領域に、それぞれファイバ載置部23cを装備する構成とした。
しかし、基板23上に設置する光部品29が、例えば、MEMS等の光スイッチで、3方向又は4方向に光ファイバが接続される構造の場合は、それに応じて、基板23上に装備するファイバ載置部23cの数量が変更されることは言うまでもない。あるいは、光部品29を設置した基板23を多層に重ねた積層構造とすることもできる。
即ち、本発明に係る光部品装置において、基板23上に装備するファイバ載置部23cの数量,位置等は、上記の実施の形態に限定されない。必要に応じて、任意数に増減することが考えられる。
【0035】
また、基板23上に設置する光部品29は、内蔵する機能回路を、導波路デバイス、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等のいずれか一つに限定する必要はない。例えば、導波路デバイスに光フィルタ機能を付加した複合デバイスを内蔵した構成とすることも考えられる。
【0036】
【発明の効果】
本発明の光部品装置によれば、光信号伝送回路を内蔵した光部品と、この光部品を介して接続する光ファイバ相互のそれぞれが、単一の基板上で位置合わせされるため、従来技術として用いられていた複数の基板相互を専用の治具を用いて位置合わせするような面倒な作業が不用となる。
従って、光信号伝送用の光部品を介して光ファイバ相互を接続するための接続構造は、面倒な調心作業等を不要して、簡単に得ることができ、光ファイバ相互の接続部に光部品によって所望の信号処理機能を付加することで、多様な接続需要に対し、簡単、且つ、柔軟に対応可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光部品装置の第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】図1に示した光部品装置の光部品を搭載した横断面図である。
【図3】 本発明に係る光部品装置の参考例の全体斜視図である。
【図4】図3に示した光部品装置の基板に光部品を組み付けた状態での斜視図である。
【図5】従来のメカニカルスプライスの構成の説明図で、(a)は光ファイバを挿入前の斜視図と横断面図、(b)はメカニカルスプライスの基板と押え板との間をくさびの挿入によって開いて光ファイバを挿入する時の斜視図と横断面図、(c)は基板上に挿入した光ファイバの固定状態の斜視図と横断面図である。
【図6】従来の更に別のメカニカルスプライスの構成を示す横断面図である。
【符号の説明】
21 光部品装置
23 基板
23a 部品載置領域
23b V溝
23c ファイバ載置部
25,26 光ファイバ
27 押え板
27a 開口窓
29 光部品
31 クランプばね
33 部品固定手段
36 くさび挿入溝
37 光部品装置
Claims (3)
- 上面に部品載置領域が設けられると共に、前記部品載置領域に隣接して光ファイバを位置合わせするファイバ載置部が設けられた基板と、前記ファイバ載置部に重ねられて光ファイバを押える押え板と、光信号伝送回路を内蔵し前記部品載置領域に載置される光部品と、前記基板と押え板とを上下から弾性挟持するクランプばねと、前記部品載置領域に載置された前記光部品を着脱可能に前記基板に固定する部品固定手段とを備え、
前記押え板の前記部品載置領域に相応する位置には、前記光部品を嵌入させる開口窓を貫通形成したことを特徴とする光部品装置。 - 前記部品固定手段は、前記基板と前記光部品とを上下から挟持する前記クランプばねとしたことを特徴とする請求項1に記載の光部品装置。
- 前記光部品として、導波路デバイス、光フィルタ、ファイバグレーティング、MEMS、アンプ等の各種の部品を規定寸法に規格化しておき、規格化したこれらの部品は択一的に選択されて前記部品載置領域に搭載可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光部品装置。
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