JP4134884B2 - 冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筐体内部に配設されたマイクロプロセッサ(以下、CPU)等の発熱電子部品を、冷媒を循環させて冷却する電子機器の冷却装置に関するものである。
最近のコンピュータにおける高速化の動きはきわめて急速であり、CPUのクロック周波数は以前と比較して格段に大きなものになってきている。この結果、CPUの発熱量が増し、とくにノート型パソコン等の小型の電子機器においては、従来のようにヒートシンクで空冷するだけでは能力が不足し、高効率で高出力の冷却装置が不可欠になっている。
以下、このような冷媒を循環させて冷却する従来の電子機器の冷却装置について説明する。なお、本明細書において電子機器というのは、CPU等にプログラムをロードして処理する装置、デスクトップ型のコンピュータや、上述のノート型パソコンのような携行可能な小型の装置を中核とするが、このほかに通電により発熱する発熱電子部品を搭載した装置をすべて含むものである。この従来の冷却装置は、例えば図6に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。図6は従来の電子機器の冷却装置の構成図である。図6において、100は金属筐体であり、101は発熱電子部品、102は発熱電子部品101を実装した基板、103は冷媒を循環させるとともに発熱電子部品101と冷媒との間で熱交換を行って発熱電子部品101を冷却する往復動ポンプ等の受熱ポンプ部、104は冷媒を循環させる通水路、105は冷媒から熱を取り除く放熱器、106は放熱器105を空冷する放熱ファンである。受熱ポンプ部103を受熱ヘッダとして、受熱部分とポンプ部分を一体化したものである。
この従来の冷却装置の動作を説明すると、受熱ポンプ部103から吐出された冷媒は、通水路104を通って放熱器105に送られる。ここで放熱ファン106によって強制空冷されてその温度が降下し、再び受熱ポンプ部103へ戻ってこれを繰り返す。このように、冷媒を循環させて発熱電子部品101を冷却するものであった。
特開平7−142886号公報
しかしながら、従来の冷却装置は、受熱ポンプ部103の受熱部となる筐体の熱伝導率が低いと、冷媒との熱交換の量が低下し、冷却効率の更なる向上が望めなかった。また、往復動ポンプ等では構造が複雑で小型化、薄型化には限界があるものであった。
そこで、本出願人は受熱ポンプ部103として冷媒を大量に循環できる接触熱交換型のターボ型のポンプを提案し、ポンプケーシングを発熱電子部品101に密着させて熱交換を行った。上述の従来の冷却装置と比較すると、本出願人が提案した冷却装置は小型化、薄型化でき、高効率の冷却が可能であったが、更に冷却効率を向上させるため高熱伝導率の金属ケーシングを採用すると、モータ効率が低下し、冷却効率が向上しないという問題が生じた。とくに、伝熱上ケーシング材料としては銅が最適であるが、これを採用したときのモータ効率の低下が著しい。しかも、小型化、薄型化したポンプケーシングは、周辺の流路構成の一部(継ぎ手部分を含む)を含めて一体として加工せざるをえないが、小型なため形状が複雑で、金属では加工が難しくなるものであった。
本発明者らはこのモータ効率の低下の原因を鋭意検討し、次の知見を得るに至った。すなわち、このポンプケーシングが金属の場合にモータ効率が低下してしまうのは、受熱ポ
ンプ部103は、羽根車に設けたマグネットとステータとからモータ部が構成されているため、ケーシング内でマグネットが回転したとき、金属のポンプケーシングに渦電流を発生してしまうためである。さらに、これが熱に変換され、冷却効率の向上を妨げるものであった。
そこで、本発明は、冷却効率とモータ効率を改善しながら小型化、薄型化でき、構造が簡単な冷却装置を提供することを目的とする。
本発明は、接触熱交換型の遠心ポンプが設けられ、遠心ポンプが発熱電子部品に接触されて内部の冷媒の熱交換作用でこの発熱電子部品から熱を奪い、放熱器から放熱を行う冷却装置であって、遠心ポンプのポンプ室が第1ケーシングと第2ケーシングを嵌合することによって構成され、第1ケーシングが金属材料で形成されるとともに発熱電子部品と接触するための接触面を備え、且つ第2ケーシングが樹脂で成形されたことを主要な特徴とする。
本発明の冷却装置によれば、冷却効率とモータ効率を改善しながら小型化、薄型化でき、構造が簡単な冷却装置を実現することができる。
本発明の冷却装置は、遠心ポンプのポンプ室が第1ケーシングと第2ケーシングを嵌合して構成され、第1ケーシングが金属材料で構成されるとともに発熱電子部品と接触するための接触面を備え、且つ第2ケーシングが樹脂で成形されるため、構造が簡単で、冷却効率とモータ効率を改善しながら小型化、薄型化することができる。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と接触熱交換型の遠心ポンプが設けられ、遠心ポンプが発熱電子部品に接触されて内部の冷媒の熱交換作用でこの発熱電子部品から熱を奪い、放熱器から放熱を行う冷却装置であって、遠心ポンプのポンプ室が第1ケーシングと第2ケーシングを嵌合することによって構成され、第1ケーシングが金属材料で形成されるとともに発熱電子部品と接触するための接触面を備え、且つ第2ケーシングが樹脂で成形された冷却装置であり、電流損が発生することがなく、モータ効率の低下を防ぐことができ、放熱効率が低下することがない。第2ケーシングを樹脂とすることで製造が容易になる。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、第1ケーシングが金属材料で吸込路の一部を含めて一体に形成され、且つ第2ケーシングが樹脂により吐出口部と吸込路の他の部分とを含めて一体に成形された冷却装置であり、金属の第1ケーシングで加工が難しい吸込路の一部を樹脂で一体成形することにより、ポンプケーシングの製造が容易になる。
本発明の第3の発明は、第2の発明において、吸込路の一部として吸込路の一側面を構成する溝が金属材料で一体に形成され、吸込路の他の部分が溝を塞ぎポンプ室と吸込路間を水封するための組み合わせ封止部である冷却装置であり、加工が難しいポンプ室と吸込路の間の部分を組み合わせ封止部として、第1ケーシングには溝、第2ケーシングには加工の容易な組み合わせ封止部を形成するだけですみ、ポンプケーシングの加工が容易になる。
本発明の第4の発明は、第3の発明において、組み合わせ封止部が、第2ケーシングに設けられ溝を塞ぎポンプ室と該吸込路を仕切る封止片である冷却装置であり、加工が難し
いポンプ室と吸込路の間の部分を封止片で第1ケーシングとともに一体に成形するため、第1ケーシングには溝、第1ケーシングには封止片を形成するだけですみ、ポンプケーシングの加工が容易になる。
本発明の第5の発明は、第3の発明において、組み合わせ封止部が、溝を塞ぐための別体の封止部材を装着できる第2ケーシングに設けられた保持部である冷却装置であり、加工が難しい吸込路を第1ケーシングの溝で基本構成を作り、別体の封止部材で水封するため、第1ケーシングには溝、第2ケーシングには封止部材を装着する保持構成を形成するだけですみ、ポンプケーシングの加工が容易になる。
本発明の第6の発明は、第1〜5のいずれかの発明において、第1ケーシングにはポンプ室の一側面を形成するための円筒状肉厚部とケーシング結合用の鍔部とが設けられ、第2ケーシングには円筒状肉厚部が嵌合される嵌合部が設けられ、嵌合部内に円筒状肉厚部を挿入し、締結手段で鍔部を嵌合部に固定する冷却装置であり、金属製の第1ケーシングと樹脂製の第2ケーシングとには熱膨張の差があり、締結手段で固定するだけではこの締結手段に膨張力が集中してシール性能が低下したり、締結部分の緩みのため接触する面間に空気の層が形成されて熱伝達が妨げられるが、円筒状肉厚部と嵌合部の当接によってこれを防止できる。
本発明の第7の発明は、第1〜6のいずれかの発明において、嵌合部に円筒状肉厚部と当接して位置決めする段部が設けられた冷却装置であり、確実に嵌合でき、シール性能が向上し、熱空気の層で熱伝達が妨げられる可能性が減少する。
本発明の第8の発明は、第1〜7のいずれかの発明において、第1ケーシングまたは第2ケーシングが分割されて複数のピースから構成された冷却装置であり、第1ケーシングまたは第2ケーシングがさらに複数のピースから構成でき、設計の自由度が増す。
本発明の第9の発明は、冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と接触熱交換型の遠心ポンプが設けられ、遠心ポンプが発熱電子部品に接触されて内部の冷媒の熱交換作用でこの発熱電子部品から熱を奪い、放熱器から放熱を行う冷却装置であって、遠心ポンプは、ポンプ羽根車を収容するためのポンプ室が第1ケーシング、第2ケーシング及び第3ケーシングを嵌合することによって構成され、第1ケーシングが金属材料で形成されるとともに発熱電子部品と接触するための接触面を備え、第2ケーシングが吸込路と吐出路の継ぎ手部分を含んで樹脂材料によって形成され、第3ケーシングはポンプ羽根車の背面側を覆って第2ケーシングと嵌合して樹脂材料で形成される冷却装置であり、加工と組み立ての難しい吸込路と吐出路の継ぎ手部分だけで形成するため、全体として加工と組み立てが格段に容易になる。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の冷却装置を設けた電子機器の斜視図、図2は本発明の実施例1の冷却装置の遠心ポンプの断面図、図3(a)は本発明の実施例1の遠心ポンプの下部ケーシングの正面図、図3(b)は(a)の下部ケーシングの断面図、図3(c)は(a)の下部ケーシングの側面図である。
図1において、1は冷却装置を搭載した電子機器としてのノート型パソコンの筐体、2はノート型パソコンのキーボード、3は冷却装置を構成するための接触熱交換型の遠心ポンプ、4はCPU等の発熱電子部品であり、通常は表面がフラットなチップ部品である。5は発熱電子部品4を実装した基板、6はノート型パソコンのディスプレイの背面に設けられ発熱電子部品2から受熱した冷媒の熱を外部に放熱する放熱器、7は遠心ポンプ3と
放熱器6を接続して冷媒を循環するための閉じた循環路である。なお、この冷媒としては、プロピレングリコール水溶液が適当であり、さらに後述するようにケーシング材料として銅を使用するため、防食添加剤を添加するのが望ましい。
放熱器6は、熱伝導率が高く放熱性のよい材料、例えば銅、アルミニウム等の薄板材で構成され、内部に冷媒通路とリザーブタンクが形成されている。また、放熱器6に強制的に空気を当てて冷やし冷却効果を増やすためファンを設けてもよい。循環路7は、配管レイアウトの自由度を確保するため、フレキシブルでガス透過性の少ないゴム、例えばブチルゴムなどのゴムチューブで構成されている。
次に、図2に基づいて接触熱交換型の遠心ポンプ3の内部構成について説明する。図2において、11は遠心ポンプ3の開放型の羽根車、12は羽根車11のオープン羽根、13は羽根車11の外周側方に設けられたマグネットロータである。羽根車11はマグネットロータ13と別体構成でもよいが、マグネットロータ13となる部分に着磁させた一体型の羽根車11とするのがよい。なお、実施例1のポンプの諸元は、厚さ3mm〜20mm、半径方向代表寸法10mm〜70mm、回転数は600rpm〜4000rpm、流量が0.01L/分〜1.5L/分、ヘッド0.1m〜2m、比速度でいうと、12〜200(単位:m、m3/分、rpm)程度のものである。
14はマグネットロータ13の内周側に設けられたステータ、15は羽根車11を収容すると同時に羽根車11が流体に与えた運動エネルギーを圧力回復して吐出口へと導くための上部ポンプケーシング(本発明の第2ケーシング)、15aはオープン羽根12で与えられた運動エネルギーを圧力回復して吐出路へと導くためのポンプ室、15bは後述の円筒状肉厚部16aを受け入れてその上面及び側面と当接して位置決めする段部、15cは円筒状肉厚部16a側面と嵌合し下端では後述の鍔部22の上面と当接するリング状の嵌合部、15dは後述の吸込路19を形成するための溝19bの上部を覆う封止片である。
実施例1においては、封止片15dが溝19bとの組み合わせによってポンプ室15aと吸込路19間を水封する組み合わせ封止部を採用している。しかし、組み合わせ封止部はこれに限られず、図4に示すような構成にするのでもよい。図4(a)は本発明の実施例1の封止部材を装着した遠心ポンプの断面図、図4(b)は(a)の封止部材の正面図である。図4(a)、(b)において、15eは上部ポンプケーシング15に設けられた保持部、25はシール用円筒管(本発明の別体の封止部材)、25aはシール用円筒管25に設けられた溝19bを塞ぐための封止片である。なお、図4(b)のシール用円筒管25の上部に形成された切り欠き部分がポンプ室15aから吐出路への連通口である。シール用円筒管25は保持部15e,嵌合部15cと円筒状肉厚部16aの側面と嵌合して使用される。この構成の場合、加工が難しい吸込路19を溝19bと補助で別体のシール用円筒管25で水封して構成するから、上部ポンプケーシング15にはシール用円筒管の保持部15eを設けるだけでよく、吸込路19の加工が容易になる。
図2に示す16は羽根車11を収納した後ポンプ室15aを密閉して下部表面で発熱電子部品4と接触させる下部ケーシング(本発明の第1ケーシング)、16bは発熱電子部品4と接触させるための接触面、17は上部ポンプケーシング15に設けられ、羽根車11を回転自在に軸支するための固定軸、18は羽根車11の中心に設けられ固定軸17に装着される軸受である。19は吸込路、19aは吸水口である。吐出路は、図2には図示されていないが、ポンプ室15aから吸込路19と平行して半径方向に延びて設けられる。なお、実施例1においては、冷却装置の全体の配置をコンパクトするとともにポンプ特性を低下させないために、吸込路19と平行して半径方向に延ばしているが、これに限定されるものではない。下部ケーシング16の下部表面(接触面)は、発熱電子部品4を接触させて熱交換するため、発熱電子部品4の表面形状と接触できるように相補形状となって
いる。通常2つの形状はフラットである。
20はマグネットロータ13とステータ14から構成されるモータ部がDCブラシレスモータとしてアウターロータのマグネットロータ13を回転させるための制御基板、21は吸水口19a内に下部ケーシング16から突出する軸支持部であり、この軸支持部21には固定軸17を挿入する穴が形成されている。22は下部ケーシング16の周囲にリング状に同一幅に形成された鍔部、23は上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16とを嵌合させた状態で結合するビス等の締結手段、24は上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16の間をシールするシール部材である。
さらに図3(a)、(b)、(c)について説明する。図3(a)、(b)、(c)は下部ケーシング16の細部を示しており、16aは羽根車11の径より少し大きな直径を有し、上部ポンプケーシング15の嵌合部15cと嵌合して、下部ケーシング16の側面を周囲の鍔部22とともに覆ってポンプ室15aを形成する円筒状肉厚部、19bは下部ケーシング16の内面に形成され上部ポンプケーシング15の封止片15dで覆われて吸込路19を形成する溝、22aは鍔部22に形成され締結手段23が挿入される締結孔である。封止片15dは溝19bの一側面を覆い、ポンプ室15aと吸込路19の間を仕切る分離板となる。上述したシール用円筒管25を使う場合は、このシール用円筒管25が分離板であり、上部ポンプケーシング15に設けた保持部にシール用円筒管25を挿入して吸込路19を構成する。
なお、実施例1では、上部ポンプケーシング15の段部15bに円筒状肉厚部16aの上面が当接するよう構成しているが、段部15bは設けず、鍔部22を嵌合部15c下面と当接させてその高さで挿入深さを規定する構成とするのでもよい。また、下部ケーシング16の金属製とする部分は、実施例1のように上部ポンプケーシング15と嵌合する下部ケーシング16の底面全体でなく、発熱電子部品4からの熱の伝達に必要十分な大きさの部分構成とするのでもよい。
また、上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16は、組み立てや熱伝達を考えると実施例1のように2ピースであるのが望ましいが、場合によっては加工や組み立てをさらに容易にするために、上部ポンプケーシング15及び/または下部ケーシング16をそれぞれ複数のピースで構成するのも好適である。この場合、設計の自由度が増す。とくに、上部ポンプケーシング15は継ぎ手部分の加工が難しく、2ピースにするのが好適である。以下これを説明する。図5は本発明の実施例1の3ピースのポンプケーシングで構成した遠心ポンプの断面図である。
図5において、26は下部ケーシング16(本発明の実施例1の別態様の第1ケーシング)と嵌合して外部吸込管,外部吐出管(図示しない)と接続するための継ぎ手ケーシング部(本発明の実施例1の別態様の第2ケーシング)、27は継ぎ手ケーシング部26と嵌合して羽根車11の背面側(吸水口19aの反対側)を覆い、継ぎ手ケーシング部26と嵌合した下部ケーシング16とともに遠心ポンプ3のポンプケーシングを構成する第2上部ポンプケーシング(本発明の実施例1の別態様の第3ケーシング)である。この構成の場合、継ぎ手ケーシング部26が吸込路19と吐出路の継ぎ手部分を含んで樹脂材料によって形成され、且つ第2上部ポンプケーシング27が羽根車11の背面を覆って継ぎ手ケーシング部26と嵌合して樹脂材料で形成されるため、上部ポンプケーシング15を一体で形成するより、加工と組み立てが格段に容易になる。
実施例1の遠心ポンプ3の組み立てに当たっては、上部ポンプケーシング15にステータ14と固定軸17を配設し、この固定軸17に軸受18を挿入して、マグネットロータ13が設けられた羽根車11を挿入後、封止片15dと溝19bの位置が合致して吸込路
19を形成できるような位置で円筒状肉厚部16aを上部ポンプケーシング15内に挿入し、締結手段23によって上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16を結合する。
さらにこの遠心ポンプ3は、冷却装置を組み立てるため、下部ケーシング16の外表面に発熱電子部品4(冷却対象物)が接触して実装され、発熱電子部品4の熱が下部ケーシング16に伝達され、ポンプ室15a内の冷媒液と熱交換される。熱交換で温度が上昇した冷媒は羽根車11の回転によって遠心ポンプ3から吐出され、放熱器6で放熱され、温度の下がった冷媒液が再びポンプに吸入される。
ところで、本発明においては下部ケーシング16を高熱伝導率で放熱性のよい金属材料で構成し、上部ポンプケーシング15をポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE)等の樹脂で一体に成形することを特徴とする。金属材料としては銅が最適であり、また、樹脂材料としては強度、耐熱性の点からポリフェニレンサルファイドが好適である。単に伝熱による放熱を考えるだけならケーシング全体を金属で作った方が伝熱上有利だが、本発明が樹脂と金属の組み合わせを採用したのは、金属だけだとマグネットロータ13の回転により渦電流を生じ、モータ効率が悪化するためである。
すなわち、マグネットロータ13はステータ14による回転磁界で回転し、マグネットロータ13の磁束はポンプケーシングで時間的に変化し、この磁束変化を妨げる方向に渦電流が流れ、渦電流損が発生する。とくに実施例1は銅を使用し小型化、薄型化するためモータ効率の低下は著しいものとなるが、本発明においては上部ポンプケーシング15が樹脂を採用したことにより、モータ効率の低下を防ぐことができ、モータ効率の低下に起因する放熱量や放熱効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明は、上部ポンプケーシング15が樹脂、下部ケーシング16が金属製であるため、熱の授受に当たって熱膨張の差が生じる。一般に金属の方が樹脂より熱膨張率が大きいため、嵌合部15cが設けられていない場合は、締結手段23に熱膨張による力が集中して結合状態が緩み、シール性能が低下してしまう。しかし、実施例1においては上部ポンプケーシング15には円筒状肉厚部16aの側方に嵌合部15cが設けられているため、温度上昇時、嵌合部15cが円筒状肉厚部16aの力を受けて密着し、締結手段23に直接無理な力がかからず、冷媒が漏れることがない。そしてこの温度が上昇するときが、遠心ポンプ3の運転中でシールが最も必要になるときである。また、嵌合部15cが円筒状の内表面で熱膨張の力を高さ方向にほぼ均等に受けるため、締結手段23が緩み、接触面16bと発熱電子部品4との間に空気の層が形成され、伝熱面積が減少することがなく、熱伝達が妨げられることがない。
さらに、上部ポンプケーシング15を樹脂製とすることは製造上きわめて有効である。上部ポンプケーシング15はポンプ室15aやステータ14が存在して形状が複雑なため、金属でポンプケーシングを加工するのは難しいが、中でも加工の難しい上部ポンプケーシング15を樹脂とすることで製造が容易になる。さらに、遠心ポンプ3は冷媒をポンプ室15aの下方側から吸い込むため、吸込路19が下部ケーシング16の方へ張り出して形成せざるをえないし、併せて継ぎ手部の加工も必要なため、きわめて加工が難しくなる。しかし、実施例1では吸込路19を溝19bと封止部15dとから構成することで、上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16をそれぞれ一体成形することが可能になる。また、上部ポンプケーシング15に保持部に設け、シール用円筒管25を挿入して吸込路19を構成することでも加工をきわめて容易にすることができる。小型、薄型にするためには吸込路19やポンプ室15aの形状を精密に加工しなければならないが、樹脂のため簡単且つ精密に一体に成形できる。上部ポンプケーシング15と下部ケーシング16の2つの部材の組み合わせだけでポンプケーシングを構成できるので、ポンプ構成が簡単になり、組み立ても容易である。上述したように場合によっては、さらに数ピースに分割す
るのも適当である。
以上説明したように実施例1の遠心ポンプは、下部ケーシングを高熱伝導率で放熱性のよい金属材料で構成し、上部ポンプケーシングを樹脂で一体に成形するため、渦電流損が発生することがなく、モータ効率の低下を防ぐことができる。これにより、放熱量が減少したり、放熱効率が低下することがない。熱膨張による締結手段の緩みや下部ケーシングの変形でシール性が低下したり、接触する面間に空気の層が形成されて伝熱面積が減少し、熱伝達が妨げられることがない。ポンプケーシングを樹脂とすることで一体に成形することが可能で製造が容易になる。樹脂で一体に成形することにより、周辺の流路構成を含めた複雑な形状を容易に成形することが可能で、冷却効率とモータ効率を改善しながらポンプの小型化、薄型化を行うことができる。上部ポンプケーシングと下部ケーシングの2つの部材を嵌合させるだけでポンプケーシングを構成できるので、ポンプ構成が簡単になり、組み立ても容易である。
本発明は、筐体内部に配設されたCPU等の発熱電子部品を冷媒を循環させて冷却する電子機器の冷却装置に適応できる。
本発明の実施例1の冷却装置を設けた電子機器の斜視図 本発明の実施例1の冷却装置の遠心ポンプの断面図 (a)本発明の実施例1の遠心ポンプの下部ケーシングの正面図、(b)(a)の下部ケーシングの断面図、(c)(a)の下部ケーシングの側面図 (a)本発明の実施例1の封止部材を装着した遠心ポンプの断面図、(b)(a)の封止部材の正面図 本発明の実施例1の3ピースのポンプケーシングで構成した遠心ポンプの断面図 従来の電子機器の冷却装置の構成図
符号の説明
1 筐体
2 キーボード
3 遠心ポンプ
4 発熱電子部品
5 基板
6 放熱器
7 循環路
11 羽根車
12 オープン羽根
13 マグネットロータ
14 ステータ
15 上部ポンプケーシング
15a ポンプ室
15b 段部
15c 嵌合部
15d,25a 封止片
15e 保持部
16 下部ケーシング
16a 円筒状肉厚部
16b 接触面
17 固定軸
18 軸受
19 吸込路
19a 吸水口
19b 溝
20 制御基板
21 軸支持部
22 鍔部
22a 締結孔
23 締結手段
24 シール部材
25 シール用円筒管
26 継ぎ手ケーシング部
27 第2上部ポンプケーシング

Claims (9)

  1. 冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と接触熱交換型の遠心ポンプが設けられ、前記遠心ポンプが発熱電子部品に接触されて内部の冷媒の熱交換作用でこの発熱電子部品から熱を奪い、前記放熱器から放熱を行う冷却装置であって、
    前記遠心ポンプのポンプ室が第1ケーシングと第2ケーシングを嵌合することによって構成され、前記第1ケーシングが金属材料で形成されるとともに前記発熱電子部品と接触するための接触面を備え、且つ前記第2ケーシングが樹脂で成形されたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記第1ケーシングが金属材料で吸込路の一部を含めて一体に形成され、且つ前記第2ケーシングが樹脂により吐出口部と前記吸込路の他の部分とを含めて一体に成形されたことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記吸込路の一部として前記吸込路の一側面を構成する溝が金属材料で一体に形成され、前記吸込路の他の部分が前記溝を塞ぎ前記ポンプ室と前記吸込路間を水封するための組み合わせ封止部であることを特徴とする請求項2記載の冷却装置。
  4. 前記組み合わせ封止部が、前記第2ケーシングに設けられ前記溝を塞ぎ前記ポンプ室と前記吸込路を仕切る封止片であることを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
  5. 前記組み合わせ封止部が、前記溝を塞ぐための別体の封止部材を装着できる前記第2ケーシングに設けられた保持部であることを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
  6. 前記第1ケーシングには前記ポンプ室の一側面を形成するための円筒状肉厚部とケーシング結合用の鍔部とが設けられ、前記第2ケーシングには前記円筒状肉厚部が嵌合される嵌合部が設けられ、前記嵌合部内に前記円筒状肉厚部を挿入し、締結手段で前記鍔部を前記嵌合部に固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の冷却装置。
  7. 前記嵌合部に前記円筒状肉厚部と当接して位置決めする段部が設けられたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の冷却装置。
  8. 前記第1ケーシングまたは前記第2ケーシングが分割されて複数のピースから構成されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の冷却装置。
  9. 冷媒を循環するための閉循環路に放熱器と接触熱交換型の遠心ポンプが設けられ、前記遠心ポンプが発熱電子部品に接触されて内部の冷媒の熱交換作用でこの発熱電子部品から熱を奪い、前記放熱器から放熱を行う冷却装置であって、
    前記遠心ポンプは、ポンプ羽根車を収容するためのポンプ室が第1ケーシング、第2ケーシング及び第3ケーシングを嵌合することによって構成され、前記第1ケーシングが金属材料で形成されるとともに前記発熱電子部品と接触するための接触面を備え、前記第2ケーシングが吸込路と吐出路の継ぎ手部分を含んで樹脂材料によって形成され、第3ケーシングは前記ポンプ羽根車の背面側を覆って前記第2ケーシングと嵌合して樹脂材料で形成されることを特徴とする冷却装置。
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