JP4135220B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、書換可能な不揮発性メモリに常に最新のデータを記憶する車両用電子制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電源ON(オン)時の初期設定で書換え可能な不揮発性メモリに記憶されたデータを読書き可能な揮発性メモリに転送し書写し、この揮発性メモリのデータに基づき所定の制御対象を制御し、電源OFF(オフ)時に揮発性メモリの最新のデータを不揮発性メモリに書戻すという処理手順を有する電子制御装置が知られている。これは、不揮発性メモリには書換回数に制限があり揮発性メモリのように何度もその都度、データを書換えられないことに対処するための処理である。
【0003】
ここで、従来のアプリケーション処理における前述の不揮発性メモリとしてのEEPROMと揮発性メモリとしてのRAMとの間のデータの流れについて、図7のフローチャートに基づき、図8のブロック図を参照して説明する。
【0004】
図7において、ステップS401で、初期設定としてEEPROM16内に格納されたデータがRAM13内の記憶領域A131に転送され書写される(図8に示す処理(1)参照)。次にステップS402に移行して、EEPROM16に対して発生した書込みはRAM13内の記憶領域A131に対して実行される(図8に示す処理(3)参照)。次にステップS403に移行して、EEPROM16からのデータを読出すときにはそのデータが格納されているRAM13内の記憶領域A131から読出される(図8に示す処理(4)参照)。次にステップS404に移行して、イグニッションスイッチによる電源OFF時の終了処理でRAM13内に格納されている最新のデータがEEPROM16内に書戻され(図8に示す処理(2)参照)、本ルーチンを終了する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、書換え可能な不揮発性メモリに記憶される前やその途中に、例えば、車両の盗難防止機能における暗証番号やダイアグノーシス(Diagnosis:故障診断)の診断結果のようなデータが電源上のトラブル等により壊れたり消えてしまうと車を始動させることができなくなったり、故障解析ができなくなるという不具合があった。ここで、不揮発性メモリへの書込処理をできるだけ短い周期で揮発性メモリ内のデータと比較しつつ、一致しないときには書換えすることが考えられるが、不揮発性メモリ(EEPROM)の書換時間は所定の制御対象を制御するためのプログラム実行時間に比べて長いため、図9のタイムチャートに示すように、書換中には他の処理が一時中断状態となってしまうことで、リアルタイム性が重要視される制御に対しては不具合が発生することとなる。
【0006】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、不揮発性メモリから揮発性メモリに転送されたデータに基づき所定の制御対象を制御する際、不揮発性メモリへの最新のデータの書戻要求があったときにはその制御に影響を与えることなく不揮発性メモリに確実に書戻し可能な車両用電子制御装置の提供を課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の車両用電子制御装置によれば、書換可能な不揮発性メモリからのデータが書写された読書き可能な揮発性メモリのデータにより演算処理が実行されている際、不揮発性メモリにも直ちに書戻す必要のある新たなデータが発生したときには書込要求を発生するだけで元の処理が続行され、実際の書戻しは別の書込処理で実行される。このように、元の演算処理における中断は極めて短い時間でよいこととなる。これにより、重要なデータが電源の瞬断等のトラブルにより壊れたり消えてしまうことが防止され、リアルタイム性が重要視される制御が不都合なく実行できる。また、この制御手段では、書込要求として揮発性メモリの記憶領域に書戻すべきデータに対応した書込時に必要な付随データを書込むだけでよく、このための中断は極めて短い時間でよく、この処理とは別の書込処理によって直ちに書戻すべきデータをその書込時に必要な付随データに基づき不揮発性メモリに確実に書戻すことができる。
【0008】
請求項2の車両用電子制御装置の前記制御手段は、イグニッションスイッチによる電源OFF時の終了処理で揮発性メモリに格納されている最新のデータが不揮発性メモリに書戻されるものである。
請求項3の車両用電子制御装置の前記直ちに書戻すべきデータとは、車両の盗難防止機能における暗証番号である。
請求項4の車両用電子制御装置の前記直ちに書戻すべきデータとは、車両の故障診断の結果である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置が適用され車両に搭載された内燃機関用電子制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、10は内燃機関用電子制御装置(Electronic Control Unit;以下、単に、『ECU』と記す)であり、ECU10には、周知の中央処理装置としてCPU11、内燃機関用制御プログラム及びデータを格納する読出し専用の不揮発性メモリとしてのROM12、各種データを格納する読書き可能な揮発性メモリとしてのRAM13、それらを接続するアドレスバス14及びデータバス15等からなる論理演算回路としてのマイクロコンピュータ100が備えられている。そして、このマイクロコンピュータ100にはシリアル通信ラインを介して各種データを格納する書換可能な読出し専用の不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM: 電気的に書換可能な読出し専用メモリ)16が接続されている。
【0012】
また、ECU10には図示しない内燃機関の運転状態を検出する各種センサ1からのセンサ信号が入力される。これら各種センサ1からのセンサ信号はECU10内の入力回路17により波形整形処理、A/D変換処理等が実行されたのちマイクロコンピュータ100に入力される。マイクロコンピュータ100のCPU11では入力回路17からのセンサ信号に基づき内燃機関に対する最適な制御量が演算され、その演算結果としての制御信号が出力回路18に出力される。そして、出力回路18からの制御信号により内燃機関のイグナイタ21、インジェクタ(燃料噴射弁)22等のアクチュエータが駆動され、必要に応じて各種警告灯23が点灯される。また、車載の他のECU(例えば、盗難判定用ECU)30が、シリアルデータを入出力する入出力回路19Aを介してマイクロコンピュータ100に接続され、他のECU30とマイクロコンピュータ100との間でデータのやりとりが行われる。更に、ダイアグツール(故障診断装置)40が着脱可能にシリアル用入出力回路19Bを介してマイクロコンピュータ100に接続され、ダイアグツール40の接続時に故障診断に関するデータのやりとりが、ダイアグツール40とマイクロコンピュータ100との間で行われる。また、ECU10には車載バッテリ(図示略)からのバッテリ電圧+BをECU動作電圧5〔V〕に調整する電源回路50が備えられており、この動作電圧5〔V〕はマイクロコンピュータ100、入力回路17、出力回路18等に供給される。
【0013】
次に、本実施例のアプリケーション処理におけるEEPROM16とRAM13との間のデータの流れについて、図2に示すブロック図を参照して説明する。なお、RAM13内にはEEPROM16に格納された全データが転送され記憶される記憶領域A131とそのデータに対応した付随データとして書込時に必要なアドレス及びサイズが記憶される記憶領域B132とが形成されている。
【0014】
本実施例の図2のブロック図における処理(1)〜処理(4)は、前述の図8のブロック図における従来の処理(1)〜処理(4)と同様であるため、その詳細な説明を省略する。ここで、本実施例の図2では、アプリケーション処理による処理(3)と同時に実行される処理(5)及びEEPROM書込処理による処理(6)、処理(7)が追加されている。
【0015】
本実施例では、EEPROM16内へのEEPROM書込要求が発生されると図2に示す処理(3)が実行され、そのデータがRAM13の記憶領域A131に書込まれると同時に、図2に示す処理(5)が実行されEEPROM書込処理が必要とするデータに対応した付随データとして、EEPROM16への書込起動時に必要なアドレス及びサイズがRAM13の記憶領域B132にセットされる。
【0016】
次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているCPU11のアプリケーション処理によるEEPROM書込要求時の処理手順を示す図3のフローチャートに基づいて説明する。
【0017】
図3において、ステップS101で、データがRAM13の記憶領域A131に書込まれる。次にステップS102に移行して、RAM13内の記憶領域A131に書込まれたデータに対応した付随データとして、後述のEEPROM16への書込起動時に必要なアドレスが同じRAM13内の記憶領域B132にセットされる。次にステップS103に移行して、RAM13内の記憶領域A131に書込まれたデータに対応した付随データとして、後述のEEPROM16への書込起動時に必要なサイズが同じRAM13内の記憶領域B132にセットされ、本ルーチンを終了する。こののち、アプリケーション処理に戻り、残りのアプリケーション処理が実行される。
【0018】
ここで、CPU11のアプリケーション処理と並行して実行される実際のEEPROM16に対するEEPROM書込処理である図2に示す処理(7)は、図4及び図5に示す別の処理にて実行される。
【0019】
まず、EEPROM書込処理におけるEEPROM16に対する書込起動時の処理手順を示す図4のフローチャートに基づき、図6のタイムチャートを参照して説明する。なお、このルーチンはEEPROM16への書込要求が発生された際、書込要求のアプリケーション処理とは別のEEPROM書込処理でRAM13内の記憶領域B132に付随データが書込まれていると起動される。
【0020】
図4において、ステップS201で書込許可コマンドがEEPROM16に送信され、EEPROM16への書込みが許可状態とされる。次にステップS202に移行して、RAM13内の記憶領域B132にセットされている付随データとしてのアドレス及びサイズ(図2に示す処理(6)参照)に基づき書込コマンドがEEPROM16に送信され、本ルーチンを終了する。こののち、図6に示すように、EEPROM書込中としてRAM13の記憶領域A131に格納されている最新のデータの実際の書込みが実行される。
【0021】
ここで、上記処理は書込要求のアプリケーション処理よりも優先レベルの高い処理に定義されており、アプリケーション処理が一時中断され実行されるか、または所定の周期毎に書込要求が確認されると実行される。なお、所定の周期毎に起動される場合には、EEPROM16の書込時間より長い周期で起動されなければならない。例えば、EEPROM16の書込みに10msかかる場合には、この処理は10msよりも長い周期、例えば、16ms毎に起動されるようにする。これは、EEPROM16の書込時間より短い周期に設定されることで、前回の書込みが終了していないうちに新たな書込みが起動されるような不具合を防止するためである。
【0022】
次に、EEPROM書込処理におけるEEPROM16に対する書込終了時の処理手順を示す図5のフローチャートに基づき、図6のタイムチャートを参照して説明する。なお、このルーチンは、図6に示すように、上述の図4による書込起動処理ののちEEPROM書込中として実際の書込みが実行され(図2に示す処理(7)参照)、EEPROM16への書込みが終了すると起動される。
【0023】
図5において、ステップS301で書込禁止コマンドがEEPROM16に送信され、EEPROM16に対する書込みが禁止状態とされる。次にステップS302に移行して、読出コマンドがEEPROM16に送信され、EEPROM16に書込まれたデータが正しく書込まれているかがチェックされ、本ルーチンを終了する。ここで、上記処理は書込みの終了割込により実行してもよく、または書込起動から書込終了までの時間経過後に起動してもよい。
【0024】
このように、本実施例のECU10は、書換可能な不揮発性メモリとしてのEEPROM16及び読書き可能な揮発性メモリとしてのRAM13と、EEPROM16に記憶されたデータをRAM13に書写し、RAM13のデータを読出し演算処理して書込んだRAM13のデータを所定のタイミングでEEPROM16に書戻すCPU11にて達成される制御手段とを具備し、前記制御手段は、演算処理されたデータをRAM13に書込む際、そのデータがEEPROM16にも直ちに書戻すべきデータであるときには、同時に書込要求を発生させ、この書込要求に応じた別の書込処理にて書戻すべきデータをEEPROM16に書戻すものである。
【0025】
したがって、EEPROM16からのデータが書写されたRAM13のデータにより所定の制御対象を制御するためのアプリケーション処理が実行されている際、EEPROM16にも直ちに書戻す必要のある新たなデータが発生したときにはアプリケーション処理側では書込要求を発生させるだけでよく、実際の書戻しは別の書込処理で実行されるためアプリケーション処理の中断は極めて短い時間でよいこととなる。これにより、重要なデータが電源の瞬断等のトラブルにより壊れたり消えてしまうことが防止され、リアルタイム性が重要視される制御が不都合なく実行されることとなる。
【0026】
また、本実施例のECU10は、CPU11にて達成される制御手段が、書込要求にてRAM13の記憶領域B132に書戻すべきデータに対応して書込時に必要な付随データとしてのアドレス及びサイズを書込むと共に、別のEEPROM書込処理によって付随データとしてのアドレス及びサイズに基づき書戻すべきデータをEEPROM16に書戻すものである。
【0027】
即ち、所定の制御対象を制御するためのアプリケーション処理による書込要求としては、RAM13の記憶領域B132に書戻すべきデータに対応した付随データであるアドレス及びサイズを書込むだけでよい。これにより、アプリケーション処理の中断は極めて短い時間となり、その処理とは別のEEPROM書込処理によって書戻すべきデータがその書込時に必要なアドレス及びサイズに基づきEEPROM16に確実に書戻されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置が適用され車両に搭載されたECUの全体構成を示すブロック図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているECU内のCPUにおけるアプリケーション処理及びEEPROM書込処理によるEEPROMとRAMとの間のデータの流れを示すブロック図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているECU内のCPUにおけるEEPROM書込要求時の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 図4は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているECU内のCPUにおけるEEPROMに対する書込起動時の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 図5は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているECU内のCPUにおけるEEPROMに対する書込終了時の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】 図6は本発明の実施の形態の一実施例にかかる車両用電子制御装置で使用されているECU内のCPUにおけるアプリケーション処理及びEEPROM書込処理を示すタイムチャートである。
【図7】 図7は従来のアプリケーション処理におけるEEPROMとRAMとの間のデータの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】 図8は従来のアプリケーション処理におけるEEPROMとRAMとの間のデータの流れを示すブロック図である。
【図9】 図9は従来のアプリケーション処理を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 各種センサ
10 ECU(内燃機関用電子制御装置)
11 CPU(制御手段)
13 RAM(読書き可能な揮発性メモリ)
131 記憶領域A
132 記憶領域B
16 EEPROM(書換可能な不揮発性メモリ)
Claims (4)
- 書換可能な不揮発性メモリ及び読書き可能な揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに記憶されたデータを前記揮発性メモリに書写し、前記揮発性メモリのデータを読出し演算処理して書込んだ前記揮発性メモリのデータを所定のタイミングで前記不揮発性メモリに書戻す制御手段とを具備し、
前記制御手段は、アプリケーション処理により演算処理されたデータを前記揮発性メモリに書込む際、前記データが前記不揮発性メモリにも直ちに書戻すべきデータであるときには、同時に書込要求を発生させ、この書込要求にて前記揮発性メモリの所定の記憶領域に前記書戻すべきデータに対応して、書込時に必要な付随データを書込むと共に、前記アプリケーション処理に戻るものであって、
前記制御手段は、前記書戻すべきデータの前記不揮発性メモリへ書戻す書込処理を、前記付随データに基づき、前記アプリケーション処理と平行して行われる別の処理として実行するものであることを特徴とする車両用電子制御装置。 - 前記制御手段は、イグニッションスイッチによる電源オフ時の終了処理で揮発性メモリに格納されている最新のデータが不揮発性メモリに書戻されることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子制御装置。
- 前記直ちに書戻すべきデータとは、車両の盗難防止機能における暗証番号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用電子制御装置。
- 前記直ちに書戻すべきデータとは、車両の故障診断の結果であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の車両用電子制御装置。
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