JP4136440B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡に関し、特に標本に対し特異現象を発生させるレーザ走査手段を備えた顕微鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡による生物標本観察の1つとして蛍光観察が知られている。
この蛍光観察は、生物標本にイオン感受性の蛍光指示薬を導入した標本を作成し、その標本に励起光を照射して、標本から発せられる蛍光を測定するものである。この場合において、蛍光の輝度とカルシウムイオンなどのイオン濃度には一定の相関が存在する。このため、蛍光観察により、間接的にカルシウムイオンの濃度を測定することができる。このことを利用して生物中のカルシウムイオン濃度分布の経時的変化を測定することができる。
【0003】
更に、最近は生物標本観察のアプリケーションとして標本内の特定の部位に特定の時間にイオン物質を出現させることが可能なケージド試薬が使われている。ケージド試薬は、殻となるケージド基の中に、カルシウムイオンなどのイオン物質を包含させたものである。ケージド試薬を標本内に抽入した後に、紫外線をケージド試薬に照射すると、ケージド基が開裂する。これにより、所望の特定部位に特定時間にイオン物質を出現させることができ、その前後の生物標本の変化を観察することができる。このように、例えば、ケージド基を開裂させて、所望の特定部位にイオン物質を出現させるような現象を「特異現象」と称するが、特異現象は、これに限らず、ある行為(例えば、ケージド解除や蛍光漂白など)に基づいて所望の特定部位に発生させられた全ての現象を云う。
【0004】
また、生物標本観察のアプリケーションとして、FLIP、FRAPと呼ばれているものがある。これらは生物標本の一部に光によって刺激またはダメージを与えて、その前後の標本の経時的変化を測定するものである。
【0005】
上記のような顕微鏡のアプリケーションは、いずれも光を照射する位置と時間とをコントロールするものであり、複雑な光照射の操作を必要とするものである。
【0006】
上記のようなアプリケーションに適用される顕微鏡として、標本観察用の第1の走査光学系(レーザ光源、スキャナ、対物レンズ)と標本刺激(ケージド開裂)用の第2の走査光学系の2つの光学系を別々に備えたレーザ顕微鏡が提案されている(特開平10−206742号公報参照)。しかし、このレーザ顕微鏡では、第1の走査光学系と第2の走査光学系の時間的な関係を記録する手段は設けられていない。従って、ケージド開裂を使用したアプリケーションとして必要不可欠である観察時間を規定することが困難である。
【0007】
上記の問題を解決するために、第1の走査光学系と第2の走査光学系の光照射のタイミングを同期させて行う走査型レーザ顕微鏡が提案されている(特開2000−275529号公報参照)。このように、第1の走査光学系と第2の走査光学系の光照射のタイミングを同期させることにより、観察時間を精度良く決めることができる。
【0008】
しかし、この走査型レーザ顕微鏡では、第1の走査光学系と第2の走査光学系の同期をとることで時間的な関係を保証できるものの、その反面、第2の走査光学系は第1の走査光学系と同期して動作しなければならない。このため、第2の走査光学系を任意の時間に動作または停止させることができなくなってしまい、標本の状態に基づいた測定などができない。その結果、顕微鏡観察のアプリケーションの幅を狭めてしまうおそれがある。
【0009】
また、画像取得用の光路と標本刺激用の光路をスキャナよりも前投階で一体化させ、刺激用のレーザの射出口には電気制御可能な高速シャッタが配置されているレーザ走査型顕微鏡も提案されている(特開平9−329750号公報)。しかし、このレーザ走査型顕微鏡は、スキャナが一つであることから、標本画像取得中に標本刺激用のレーザを別の走査速度で照射することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のレーザ走査型顕微鏡では、いずれも任意の位置に任意の時間レーザ光を照射することはできない。
【0011】
本発明は、第1の走査光学系と第2の走査光学系を任意の時間に標本の任意の場所をそれぞれ独立して走査できる顕微鏡装置を提供することを目的とする。また、本発明は、走査した時間や場所を保証できる顕微鏡装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じた。
本発明に係る顕微鏡装置は、標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、前記第1の走査光学系と前記第2の走査光学系のそれぞれについて、独立してレーザ走査の動作を制御する手段と、前記レーザ走査の動作を記録する動作記録手段と、を備えることを特徴とする。上記の顕微鏡装置において、前記第1の走査光学系と第2の走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することが好ましい。
【0013】
本発明に係る他の顕微鏡装置は、光源としてランプ、受光素子として電荷蓄積型素子アレイを有し、標本の画像を得るための光学系と、標本の特定の部位に特異現象を発現させるためのレーザ走査光学系と、前記電荷蓄積型素子アレイによって得られる画像を取得した時間と、前記レーザ走査光学系の動作を記録する手段と、を備えることを特徴とする。上記の顕微鏡装置において、前記標本の画像を得るための光学系とレーザ走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系のブロック図である。
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡装置は、第1の走査光学系Aと第2の走査光学系Bとを備えている。第1の走査光学系Aは、第1のレーザ光源1からのレーザ光を標本19の焦点面上を走査する観察用の走査光学系である。第2の走査光学系Bは、第2のレーザ光源11から出力されるレーザ光を標本の任意の位置に照射してケージド試薬を開裂させるため走査光学系である。
【0017】
第1の走査光学系Aは、第1のレーザ光源1と、ダイクロイックミラー2と、第1のレーザシャッタ3(高速動作可能な音響光学素子など)と、第1の走査光学ユニット4と、リレーレンズ5と、ミラー6とを有する。
【0018】
第1の走査光学系Aにおいて、ダイクロイックミラー2の分岐光路上には、検出光学系Cが配置されている。この検出光学系Cは、フィルタ7と、レンズ8と、共焦点ピンホール9と、光電変換素子10とを有している。
【0019】
第2の走査光学系Bは、ケージド試薬を開裂させるための第2のレーザ光源11と、第2のレーザシャッタ12(高速動作可能な音響光学素子など)と、第2の走査光学ユニット13と、リレーレンズ14と、ダイクロイックミラー15とを有している。
【0020】
第1の走査光学系Aの光軸と、第2の走査光学系Bの光軸とは、ダイクロイックミラー15により合成され(一致し)て、結像レンズ16及び対物レンズ17に導かれる。また、リレーレンズ5およびリレーレンズ14の焦点位置は、結像レンズ16の焦点位置と一致するように配置されている。なお、ダイクロイックミラー15は、第1の走査光学系Aからのレーザ光の波長より長波長の光を透過すると共に、第2の走査光学系Bからのレーザ光の波長を反射する特性を有している。
【0021】
また、ケージド試薬を導入した標本19はステージ18上に載置されている。
【0022】
前記第1、第2のレーザシャッタ3、12と、第1、第2の光学走査ユニット4、13と、光電変換素子10は、光学系制御手段21に接続されている。光学系制御手段21には、CRTディスプレイ22と動作記録手段23が接続されている。
【0023】
上記のように構成された顕微鏡装置の動作を説明する。
第2のレーザ光源11からのレーザ光は、その通過或いは遮蔽が光学系制御手段21の開閉により制御される。レーザ光は、第1のレーザシャッタ3が開状態のときに通過して、光学系制御手段21により走査制御される第1の走査光学ユニット4へ導かれて、任意の方向に偏向走査される。このレーザ光はさらに、リレーレンズ5、ミラー6、ダイクロイックミラー15、結像レンズ16、対物レンズ17を介して、標本19の断面20上に集光されて、断面20上を2次元走査する。
【0024】
標本19には第1のレーザ光源1の波長によって励起される蛍光指示薬が導入されており、断面20上をレーザ光が走査することにより、蛍光指示薬が励起されて蛍光を生じる。対物レンズ17に入射した蛍光は、上記のレーザ光と同じ光路を逆向きに進む。すなわち、蛍光は、対物レンズ17、結像レンズ16、ダイクロイックミラー15を透過し、ミラー6、リレーレンズ5、第1の走査光学ユニット4を介してダイクロイックミラー2へ導かれる。ダイクロイックミラー2は、第1のレーザ光源1からのレーザ光の波長より長波長例の光を反射する特性を有しているので、上記の蛍光はダイクロイックミラー2で反射されて、検出光学系Cへ導入される。
【0025】
検出光学系Cにおいて、蛍光はフィルタ7により特定の波長の光が選択透過され、更に、レンズ8、共焦点ピンホール9により断面20からの蛍光のみが光電変換素子10へ入射する。
【0026】
光電変換素子10からの出力信号は、光学系制御手投21へ導かれ、走査制御に同期してディジタル信号に変換され、走査位置に対応した画像がCRTディスプレイ22の画面上に表示される。CRTディスプレイ画面22上に表示された画像は、断面20での蛍光画像(蛍光輝度の2次元分布)を示している。この蛍光輝度の2次元分布は、所望のイオン濃度の断面20内での分布を示している。
【0027】
一方、第2のレーザ光源11からのレーザ光は、光学系制御手段21で開閉制御する第2のレーザシャッタ12が開状態のときに、第2のレーザシャッタ12を通過し、第2の走査光学系B、リレーレンズ14、ダイクロイックミラー15を介して第1の走査光学系Aの光軸と合成される。このレーザ光は、第1の走査光学系Aと同様に、結像レンズ16、対物レンズ17を透過して、標本19の断面20上に照射される。この時に、光学系制御手段21により第2の走査光学系Bを制御することで、第1の走査光学系Aの走査位置に依存しない断面20内における任意の位置を照射位置として選択することができる。
【0028】
また、第1の走査光学系Aのシャッタ3と第1の走査光学系Aのシャッタ12は、例えば、音響光学素子を用いたものであって、これらのシャッタの開閉速度は、画像の1画素あたりの走査速度よりも十分高速に行うことができるので、走査範囲の一部分のみを走査する場合にのみシャッタを開状態にすることで、走査範囲の一部分のみにレーザ光を当てることができる。
【0029】
上記のように第2のレーザ光源11からのレーザ光が、ケージド試薬を導入した標本19に照射されると、照射された部位のケージド試薬のケージド基が開裂して、その内部に包含されている物質が放出される。そして、この放出による標本19内のイオン濃度分布の変化を、第1の走査光学系Aにより得られる画像により測定できる。
【0030】
次に光学系制御手段21を中心とした電気制御系について説明する。図2は第1の実施形態における光学系制御手段21の内部構造を示すブロック図である。CPU30は光学系の制御を含めたシステム全体の制御をする。第1、第2の走査波形発生回路32、33は、それそれ第1、第2の光学走査ユニット4、13の制御信号を発生するものである。第1、第2のシャッタ開閉回路34、35は第1、第2のレーザシャッタ3、12を動作させる信号を発生する。第1、第2の光学走査ユニット4、13および第1、第2のレーザシャッタ3、12は、第1、第2の走査波形発生回路32、33で発生した信号により制御される。第1、第2の走査波形発生回路32、33および第1、第2のシャッタ開閉回路34、35はすべて独立に制御をすることが可能である。また、第1、第2の走査波形発生回路32、33および第1、第2のシャッタ開閉回路34、35への制御信号が、CPU30から同時に動作記録手段23へ送られる。
【0031】
動作記録手段23は記憶装置を備えている。動作記録手段23は、CPU30が各回路に命令した内容に係る情報を記録している。また、画像処理回路31は光電変換素子10から送られてくる輝度情報を第1の走査波形発生回路32で発生したサンプリングクロックに同期してサンプリングし、記憶する。画像処理回路31に記憶された頻度情報は、CRTディスプレイ22に出力される。これにより、標本19を走査した画像をCRTディスプレイ22に出力することができる。また、動作記録手段23に記録された情報と画像とをCRTディスプレイ22に表示することによって、標本19の経時的変化を観察することができる。
【0032】
上記のように、本発明の第1の実施形態によれば、第1の走査光学系Aと第2の走査光学系Bのレーザ照射を独立に行うことができる。従って、例えば、第1の走査光学系Aに左右されずに、第2の走査光学系Bによって標本上の任意の場所におけるケージド試薬を任意の時刻に開裂させることができる。
【0033】
また、動作記録手段23により第1の走査光学系Aと第2の走査光学系Bがどのような動作をしたのかということが時間の経過に沿って記録されるので、第1の走査光学系Aで観察した画像と、第2の走査光学系Bによるケージド開裂の時間的な対応をとることもできる。
【0034】
また、顕微鏡観察のアプリケーションとしては、画像の輝度値に応じて、第2の走査光学系Bのレーザ光を遮断するような構成も可能である。このような場合の動作の流れを図3及び図4を参照して説明する。図3は、画像の輝度値に応じて、第2の走査光学系Bを制御する場合のフローチャートであり、図4は、時間経過に伴う画像の輝度値の変化を示す図である。
【0035】
まず、第1の走査光学系Aによる走査を開始する(ステップA1)。そして、ケージドを解除するための終了輝度値を設定(入力)する(ステップA2)。この終了輝度値は、予め設定しておいても良いし、観察者が適宜入力するようにしても良い。次に、第2の走査光学系Bによる走査を開始すると(ステップA3)、図4に示すように、ケージド試薬の開裂により、画像の輝度値が徐々に増加する。そして、画像輝度値がケージド解除終了輝度値に達するまで(ステップA4)、第2走査光学系による走査を継続する。そして、ステップA4において、画像の輝度値がケージド解除終了輝度値に達したのであれば、第2の走査光学系Bのシャッタを閉じる(ステップA5)と共に、この時間を、ケージド解除終了時刻として記録する(ステップA6)。なお、ステップA6におけるケージド解除終了時刻は、実際の時刻でなく、第1の走査光学系A或いは第2の走査光学系Bによる走査の開始時刻からの経過時間であっても良い。そして、第2の走査光学系Bによる走査を停止する(ステップA7)。
【0036】
上記のように、画像輝度を監視し、ケージドを開裂させた後に、標本の輝度値がアプリケーションソフトによって設定した輝度に達したときに、自動的に第2の走査光学系Bのレーザをシャッタ12で遮断する。この時、シャッタ12が第2の走査光学系Bのレーザを遮断した時刻やそのときに走査していた場所は動作記録手段23に記録している。第1の実施形態は、このような、複雑な光学系の操作を必要とするアプリケーションにも適用でき、これらの動作を自動的に行うことができる。
【0037】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る顕微鏡装置の構成は第1の実施形態と同じであるので、図示及び説明は省略する。第2の実施形態では、標本19に、特にケージド試薬を抽入していないものとする。
【0038】
蛍光標本19にレーザ光を当てると標本19はダメージを受ける。そのため、蛍光標本19のレーザ光を当てた部分はイオン濃度が薄くなるので、輝度が弱くなる。しかし、レーザ光を遮断すると、蛍光色素の拡散により、次第に蛍光輝度が回復する。
【0039】
第2の走査光学系Bを標本19にダメージを与えるために使用することにより、上記のような、標本19の経時的な変化を観察することができる。
【0040】
このような場合の動作の流れを図5及び図6を参照して説明する。図5は、画像の輝度値に応じて、第2の走査光学系Bを制御する場合のフローチャートであり、図6は、時間経過に伴う画像の輝度値の変化を示す図である。なお、図5において、図3と同じ部分には、同じ符号を付している。
【0041】
まず、第1の走査光学系Aによる走査を開始する(ステップA1)。そして、第2の走査光学系の走査を終了させるための、しきい値を設定(入力)する(ステップB1)。このしきい値は、予め設定しておいても良いし、観察者が適宜入力するようにしても良い。次に、第2の走査光学系Bによる走査を開始すると(ステップA3)、図6に示すように、標本19がダメージを受けるために、画像の輝度値が徐々に減少する。そして、画像輝度値がしきい値に達する(褪色する)まで(ステップB2)、第2走査光学系による走査を継続する。そして、ステップB2において、画像の輝度値がしきい値に達したのであれば、第2の走査光学系Bのシャッタを閉じる(ステップA5)と共に、この時間を、第2の走査光学系による照射の終了時刻として記録する(ステップA6)。なお、ステップA6における時刻時間は、実際の時刻でなく、第1の走査光学系A或いは第2の走査光学系Bによる走査の開始時刻からの経過時間であっても良い。そして、第2の走査光学系Bによる走査を停止する(ステップA7)。
【0042】
上記のように、画像輝度を監視し、第2の走査光学系Bを任意の時間に動作、停止させることを利用して、例えば上記のような第2の走査光学系Bのレーザ光を当てて標本19がダメージを受け、輝度が弱くなるが、しきい値まで輝度値が低下したときに自動的に第2の走査光学系Bのレーザ光をシャッタ12により遮断する。この時、第2の走査光学系Bのシャッタ12がレーザ光を遮断した時刻(時間)は動作記録手段23に記録されるので、測定後に画像とデータの相関をとることができる。
【0043】
以上のように、第2の実施形態においても、複雑な光学系の操作を必要とするアプリケーションにも適用でき、これらの動作を自動的に行うことができる。
【0044】
(第3の実施形態)
図7は、第3の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系のブロック図である。図7において、第1の走査光学系Aと検出光学系C以外の構成は第1の実施形態と同じであるので、同一部分には、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。第3の実施形態では、第2の実施形態における第1のレーザ光源1に代えて、ランプ24を備えている。
【0045】
すなわち、第1の走査光学系Aは、励起光源としてのランプ24と、ランプ24の高速シャッタ29と、コリメートレンズ25と、励起光を反射し、生物標本19からの蛍光を透過するダイクロイックミラー6′と、第2の走査光学系Bのレーザ光を反射し、生物標本19からの蛍光を透過するダイクロイックミラー15と、結像レンズ16と、対物レンズ17と、カメラ用レンズ27と、電荷蓄積型光電変換素子アレイ(例えばCCDなど)28とを備えている。
【0046】
上記構成において、第1の走査光学系AのCCD28で取得した輝度情報は、光学系制御手段21′に送られる。それと同時に時間情報が動作記録手段23に送られる。
【0047】
第3の実施形態における光学系制御手段21′の内部構造を図8に示す。図8において、図2と同じ部分には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。第3の実施形態では、ランプ24により標本を励起しているので、図8では、図2における、第1の走査波形発生回路32と、第1の光学走査ユニット4が省略されている。従って、CPU30からの制御信号が画像処理回路31に出力されている。
【0048】
なお、第3の実施形態においても、第2の走査波形発生回路33、第1、第2のシャッタ開閉回路34、35は第1の実施形態と同様に独立に制御可能である。また、第1、第2の走査波形発生回路32、33および第1、第2のシャッタ開閉回路34、35への制御信号が、CPU30から同時に動作記録手段23へ送られて、いつ、どのような動作が行われたかが動作記録手段23に記録される。
【0049】
上記のように、第3の実施形態によれば、CCD28で画像を取り込むため、フレーム数を増やすことができ、ケージド開裂など経時的変化の観察において時間的な分解能を向上させることができる。また、第1の走査光学系では標本の広く深い領域までを観察できるので、ケージド開裂したときの標本全体(標本の深さ方向も含めて)を観察できる。
【0050】
また、既存のレーザ走査型顕微鏡装置にCCD28を追加するだけで、二つの光学系を持たせることができるので、有利なコスト的で、2つの走査光学系を必要とするアプリケーション(例えば、第1の実施形態や第2の実施形態で示したようなアプリケーション)に対応した顕微鏡システムを構築できる。
【0051】
上記の各実施形態から以下の発明が抽出できる。なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論である。
【0052】
本発明に係る顕微鏡装置は、標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、前記第1の走査光学系と前記第2の走査光学系のそれぞれについて、独立してレーザ走査の動作を制御する手段と、前記レーザ走査の動作を記録する動作記録手段と、を備えることを特徴とする。上記の顕微鏡装置において、前記第1の走査光学系と第2の走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することが好ましい。
【0053】
本発明に係る他の顕微鏡装置は、光源としてランプ、受光素子として電荷蓄積型素子アレイを有し、標本の画像を得るための光学系と、標本の特定の部位に特異現象を発現させるためのレーザ走査光学系と、前記電荷蓄積型素子アレイによって得られる画像を取得した時間と、前記レーザ走査光学系の動作を記録する手段と、を備えることを特徴とする。上記の顕微鏡装置において、前記標本の画像を得るための光学系とレーザ走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することが好ましい。
【0054】
【発明の効果】
本発明の一実施形態によれば、第1の光学系と第2の光学系を任意の時間に標本の任意の場所をそれぞれ独立して走査できる。また、走査した時間や場所を保証できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系のブロック図。
【図2】 第1の実施形態における光学系制御手段の内部構造を示すブロック図。
【図3】 画像の輝度値に応じて、第2の走査光学系を制御する場合のフローチャート。
【図4】 時間経過に伴う画像の輝度値の変化を示す図。
【図5】 画像の輝度値に応じて、第2の走査光学系を制御する場合のフローチャート。
【図6】 時間経過に伴う画像の輝度値の変化を示す図。
【図7】 第3の実施形態に係る顕微鏡装置の光学系のブロック図。
【図8】 第3の実施形態における光学系制御手段の内部構造を示すブロック図。
【符号の説明】
A…第1の走査光学系
B…第2の走査光学系
C…検出光学系
1…第1のレーザ光源
2…ダイクロイックミラー
3…第1のレーザシャッタ
4…第1の走査光学ユニット
5…リレーレンズ
6…ミラー
6′…ダイクロイックミラー
7…フィルタ
8…レンズ
9…共焦点ピンホール
10…光電変換素子
11…第2のレーザ光源
12…第2のレーザシャッタ
13…第2の走査光学ユニット
14…リレーレンズ
15…ダイクロイックミラー
16…結像レンズ
17…対物レンズ
18…ステージ
19…標本
20…断面
21、21′…光学系制御手段
22…CRTディスプレイ
23…動作記録手段
24…ランプ
25…コリメートレンズ
27…カメラ用レンズ
28…電荷蓄積型光電変換素子アレイ(CCD)
29…高速シャッタ
30…CPU
31…画像処理回路
32…第1の走査波形発生回路
33…第2の走査波形発生回路
34、35…第1、第2のシャッタ開閉回路
Claims (4)
- 標本の走査画像を得るための第1の走査光学系と、
標本の特定の部位に特異現象を発現させるための第2の走査光学系と、
前記第1の走査光学系と前記第2の走査光学系のそれぞれについて、独立してレーザ走査の動作を制御する手段と、
前記レーザ走査の動作を記録する動作記録手段と、を備えることを特徴とする顕微鏡装置。 - 請求項1に記載の顕微鏡装置において、前記第1の走査光学系と第2の走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することを特徴とする顕微鏡装置。
- 光源としてランプ、受光素子として電荷蓄積型素子アレイを有し、標本の画像を得るための光学系と、
標本の特定の部位に特異現象を発現させるためのレーザ走査光学系と、
前記電荷蓄積型素子アレイによって得られる画像を取得した時間と、前記レーザ走査光学系の動作を記録する手段と、を備えることを特徴とする顕微鏡装置。 - 請求項3に記載の顕微鏡装置において、前記標本の画像を得るための光学系とレーザ走査光学系が、それぞれ、シャッタを有することを特徴とする顕微鏡装置。
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