JP4136679B2 - 熱現像感光材料 - Google Patents

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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱現像感光材料に関するものである。さらに詳しくは、高感度、低かぶりで、生保存性およびプリントアウトなどの画像保存性に優れた熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野や印刷製版分野において環境保全、省スペースの観点から写真現像処理のドライ化が強く望まれている。これらの分野では、デジタル化が進展し、画像情報をコンピューターに取り込み、保存、そして必要な場合には加工し、通信によって必要な場所で、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより感光材料に出力し、現像して画像をその場で作成するシステムが急速に広がってきている。感光材料としては、高い照度のレーザー露光で記録することができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することがが必要とされている。このようなデジタル・イメージング記録材料としては、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像のように診断能力を決定する画質(鮮鋭度、粒状性、階調、色調)の点、記録スピード(感度)の点で、不満足であり、従来の湿式現像の医療用銀塩フィルムを代替できるレベルに到達していない。
【0003】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、知られている(例えば、特許文献1,2、および非特許文献1参照。)。 熱現像感光材料は、一般に、触媒活性量の光触媒(例、ハロゲン化銀)、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している。
【0004】
熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。そのため、黒色の銀画像は、露光領域に形成される(例えば、特許文献3,4参照。)。そして熱現像感光材料による医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DP Lが発売された。
【0005】
有機銀塩を利用した熱現像感光材料に対して、画像記録スピードを高めるためにより高い感度が求められ、また、医療診断能を高めるためにより低いかぶりが求められている。さらに、このような熱現像感光材料の生保存性および画像保存性を一段と向上させることが、従来の湿式現像の医療用銀塩画像記録材料を代替するために極めて重要である。
【0006】
この様な有機銀塩を利用した画像形成システムは、定着工程がないため現像処理後の画像保存性、特に光が当たったときのプリントアウトの悪化が大きな問題であった。このプリントアウトを改良する手段として有機銀塩をコンバージョンすることによって形成したヨウ化銀を利用する方法が開示されている(例えば、特許文献5.6参照。)。しかしながらここで開示されたような有機銀塩をヨードでコンバージョンする方法では十分な感度を得ることが出来ず現実のシステムを組むことは困難であった。その他ヨウ化銀を利用した感材としてはいくつかの特許文献に記載があるが(例えば、特許文献7〜11参照。)、いずれも十分な感度・かぶりレベルを達成できておらず、レーザー露光感材としての実用に耐えるものではなかった。
【0007】
ヨウ化銀写真乳剤の感度を増加させる手段としては、技術文献上、亜硝酸ナトリウム、ピロガロール、ハイドロキノンなどのハロゲン受容体や硝酸銀水溶液への浸漬や、pAg7.5で硫黄増感することなどにより、増感することが知られていた(例えば、非特許文献2〜4参照。)。しかし、実施例に示した様にこれらのハロゲン受容体の増感効果は、本発明が対象とする熱現像感光材料においてはその効果は非常に小さく極めて不十分であった。そのために、高ヨウ化銀を用いた熱現像感光材料において大幅に感度が増加できる技術の開発が熱望されてきた。
【0008】
液体現像処理のハロゲン化銀感光材料では、1光子で2電子を発生させる化合物を用いて増感する方法が知られている(例えば、特許文献12〜15参照。)。
【0009】
しかしながら、液体現像処理のハロゲン化銀感光材料は、ハロゲン化銀を一般には液体処理液中に含まれている現像薬(還元剤)で還元して銀像を形成するか、あるいは副生する現像薬の酸化体を利用してカラー画像を形成するものであり、基本反応はハロゲン化銀の現像薬による還元である。一方、熱現像感光材料においては、ハロゲン化銀は露光によって潜像を形成するだけであって、ハロゲン化銀自体は還元剤によっては還元されず、還元されるのは非感光性有機銀塩より供給される銀イオンである。還元剤も液体現像処理の場合は、ヒドロキノンやp−フェニレンジアミン類などのイオン性還元剤であるのに対して、熱現像感光材料の場合は、一般にはラジカル反応剤として知られているヒンダードフェノール誘導体である。
【0010】
このように、液体現像処理感光材料と熱現像感光材料では、現像反応(還元反応)の機構は全く異なり、用いられる化合物も全く系統を異にする。従って、液体現像処理で有効であった化合物が、そのまま熱現像感光材料に有効であるとはとても言えない。前述の米国特許群に記載の化合物についても、熱現像感光材料に適用することで、同じ効果が得られるのか、あるいは全く別の効果が期待できるのか、全く予想できない。ましてや高ヨウ化銀乳剤を用いた熱現像感光材料に適用することも全く想起できず、その効果を推測することも不可能であった。
【0011】
【特許文献1】
米国特許3152904号公報
【特許文献2】
米国特許3457075号公報
【特許文献3】
米国特許2910377号公報
【特許文献4】
特公昭43−4924号公報
【特許文献5】
U米国特許第6143488号公報
【特許文献6】
欧州特許第0922995号公報
【特許文献7】
WO97−48014号公報
【特許文献8】
WO97−48015号公報
【特許文献9】
米国特許第6165705号公報
【特許文献10】
特開平8−197345号公報
【特許文献11】
特許第2785129号公報
【特許文献12】
米国特許第5747235号公報
【特許文献13】
米国特許第5747236号公報
【特許文献14】
米国特許第6054260号公報
【特許文献15】
米国特許第5994051号公報
【非特許文献1】
D.H.クロスターベール(Klosterboer) 著、「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第9章、第279頁、1989年)
【非特許文献2】
P.B.ギルマン、フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリング、18巻(5)、475頁(1974年発行)
【非特許文献3】
W.L.ガードナー、フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリング、18巻(5)、475頁(1974年発行)
【非特許文献4】
T.H.ジェームス、フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリング、5巻、216頁(1961年発行)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高感度、低かぶりで生保存性および画像のプリントアウト耐性に優れた熱現像感光材料を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の熱現像感光材料によって達成された。
<1> 支持体の同一面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、およびバインダーを含む画像形成層を有する熱現像感光材料であって、下記一般式(I)で表される感光性ハロゲン化銀への吸着基と還元基とを有する化合物またはその前駆体、および下記一般式(1)(2)及び(3)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の現像促進剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料:
【化1】
(一般式(1)において、Q1は、炭素原子でNHNH−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカルバモイル基を表す。一般式(2)及び(3)において、X2及びX3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R21及びR31〜R32は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。但し、一般式(2)の化合物は、OH基に対して2−位にカルバモイル基を有する。m及びpはそれぞれ独立して0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
一般式(I)
A−(W)n−B
(式中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基を含む原子群を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Bはフェニドン類より誘導される還元基を表す。)
【0015】
> 前記ハロゲン化銀への吸着基がジメルカプト置換ヘテロ環基であることを特徴とする<>に記載の熱現像感光材料。
> 前記一般式(1)において、R1は−CO−NH−R1'で表される置換カルバモイル基であり、R1'が炭素数1ないし10のアルキル基またはアリール基であることを特徴とする<>に記載の熱現像感光材料。
【0017】
> 前記還元剤が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
【0018】
【化4】
【0019】
(一般式(7)において、R71及びR71'は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R72及びR72'は、それぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。X71及びX72'は、それぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。Lは−S−基または−CHR73−基を表し、R73は水素原子またはアルキル基を表す。)
> 前記感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が、5モル%以上100モル%以下であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
> 前記感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が、40モル%以上100モル%以下であることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
> レーザー光源により露光されることを特徴とする<1>〜<>のいずれかに記載の熱現像感光材料。
> 前記レーザー光源が350nm〜450nmの波長のレーザー光源であることを特徴とする<>に記載の熱現像感光材料。
> 前記レーザー光源が青色半導体レーザーであることを特徴とする<7>または<>に記載の熱現像感光材料。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0021】
(熱現像感光材料)
本発明の熱現像感光材料は、支持体の少なくとも一方面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、及びバインダーを含有する画像形成層を有している。画像形成層は単層であっても複数の層より構成されても良い。また、画像形成層の上に中間層や表面保護層、あるいはその反対面にバック層やバック保護層などを有してもよい。
【0022】
これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
【0023】
(吸着基と還元基を有する化合物)
本発明の熱現像感光材料は、分子内にハロゲン化銀への吸着基と還元基を有する化合物(本願では、吸着性レドックス化合物とも称する)を含有する
本発明に用いられる吸着性レドックス化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である。
【0024】
式(I)
A−(W)n−B
式中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基(以後、吸着基と呼ぶ)を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Bはフェニドン類より誘導される還元基を表す。
【0025】
次に式(I)について詳細に説明する。
式(I)中、Aで表される吸着基とはハロゲン化銀に直接吸着する基、またはハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(またはその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、ジスルフィド基、カチオン性基、またはエチニル基等が挙げられる。
【0026】
吸着基としてメルカプト基(またはその塩)とは、メルカプト基(またはその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(またはその塩)の置換したヘテロ環基またはアリール基またはアルキル基を表す。ここにヘテロ環基とは、少なくとも5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていてもよく、この様なヘテロ環基の例としてはイミダゾリウム環基、ピラゾリウム環基、チアゾリウム環基、トリアゾリウム環基、テトラゾリウム環基、チアジアゾリウム環基、ピリジニウム環基、ピリミジニウム環基、トリアジニウム環基などが挙げられ、中でもトリアゾリウム環基(例えば1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート環基)が好ましい。アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜30の直鎖または分岐または環状のアルキル基が挙げられる。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0027】
吸着基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていてもよく、具体的にはチオアミド基(ここでは−C(=S)−NH−基)、および該チオアミド基の部分構造を含む基、すなわち、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基などが挙げられる。ここで環状の例としてはチアゾリジン−2−チオン基、オキサゾリジン−2−チオン基、2−チオヒダントイン基、ローダニン基、イソローダニン基、チオバルビツール酸基、2−チオキソ−オキサゾリジン−4−オン基などが挙げられる。
【0028】
吸着基としてチオン基とは、上述のメルカプト基が互変異性化してチオン基となった場合を含め、メルカプト基に互変異性化できない(チオン基のα位に水素原子を持たない) 、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
【0029】
吸着基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、または配位結合で銀イオンに配位し得る、“−S−”基または“−Se−”基または“−Te−”基または“=N−”基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンゾイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンゾセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンゾテルルアゾール基などが挙げられる。好ましくは前者である。
【0030】
吸着基としてスルフィド基またはジスルフィド基とは、“−S−”または“−S−S−”の部分構造を有する基すべてが挙げられるが、好ましくはアルキル(またはアルキレン)−X−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−X−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−X−アリール(またはアリーレン)の部分構造を有する基で、ここにXは−S−基または−S−S−基を表す。さらにこれらのスルフィド基またはジスルフィド基は、環状構造を形成していてもよく、環状構造を形成する場合の具体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環、1,2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、チオモルホリン環などを含む基が挙げられる。スルフィド基として特に好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アルキル(またはアルキレン)の部分構造を有する基が、またジスルフィド基として特に好ましくは1,2−ジチオラン環基が挙げられる。
【0031】
吸着基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。ここにアンモニオ基とは、トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリールアンモニオ基、アルキルジアリールアンモニオ基などで、例えばベンジルジメチルアンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基、フェニルジエチルアンモニオ基などが挙げられる。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。好ましくはピリジニオ基およびイミダゾリオ基であり、特に好ましくはピリジニオ基である。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよいが、ピリジニオ基およびイミダゾリオ基の場合、置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、クロル原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などが挙げられ、ピリジニオ基の場合、置換基として特に好ましくはフェニル基である。
吸着基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、該水素原子は置換されていてもよい。
【0032】
上記の吸着基は任意の置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基で、ビシクロアルキル基や活性メチン基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
【0033】
さらに吸着基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書p4〜p7に記載されているものが挙げられる。
【0034】
式(I)中、Aで表される吸着基としてより好ましいものは、メルカプト置換ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、2−メルカプトベンズイミダゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、ジメルカプト置換ヘテロ環基(例えば2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えばベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)であり、特に好ましいものはジメルカプト置換ヘテロ環基である。
【0035】
式(I)中、Wは2価の連結基を表す。該連結基は写真性に悪影響を与えないものであればどのようなものでも構わない。例えば炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子から構成される2価の連結基が利用できる。具体的には炭素数1〜20のアルキレン基(例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基等)、炭素数2〜20のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニレン基、炭素数6〜20のアリーレン基(例えばフェニレン基、ナフチレン基等)、−CO−、−SO2−、−O−、−S−、−NR1−、これらの連結基の組み合わせ等があげられる。ここでR1は水素原子、脂肪族基、アリール基を表わす。R1で表される脂肪族基は好ましくは、炭素数1〜30のものであって特に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチルル基、n−デシル基、n−へキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基、プロパルギル基、3−ペンチニル基、ベンジル基等)が挙げられ、R1で表されるアリール基は好ましくは、炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20の単環または縮環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。 Wで表される連結基は任意の置換基を有していてもよく、この任意の置換基は前述の吸着基の置換基として説明したものと同義である。
【0036】
式(I)中、Bで表される還元基とは銀イオンを還元可能な基を表し、例えばホルミル基、アミノ基、アセチレン基やプロパルギル基などの3重結合基、メルカプト基、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキサム酸類、ヒドロキシウレア類、ヒドロキシウレタン類、ヒドロキシセミカルバジド類、レダクトン類(レダクトン誘導体を含む)、アニリン類、フェノール類(クロマン-6-オール類、2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-オール類、アミノフェノール類、スルホンアミドフェノール類、およびハイドロキノン類、カテコール類、レゾルシノール類、ベンゼントリオール類、ビスフェノール類のようなポリフェノール類を含む)、ヒドラジン類、ヒドラジド類、フェニドン類から選ばれる化合物から誘導される残基等が挙げられる。
【0037】
式(I)中、Bで表される好ましい還元基は、下記式B1ないしB13で表される化合物から誘導される残基である。
【0038】
【化5】
【0039】
式(B1)〜(B13)において、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5、Rb70、Rb71、Rb110、Rb111、Rb112、Rb113、Rb12、Rb13、RN1、RN2、RN3、RN4、RN5は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、RH3、RH5、R'H5、RH12、R'H12、RH13は水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アルキルスルホニル基もしくはアリールスルホニル基を表し、このうちRH3はさらにヒドロキシ基であってもよい。Rb100、Rb101、Rb102、Rb130〜Rb133は水素原子または置換基を表す。Y7、Y8はヒドロキシ基を除く置換基を表し、Y9は置換基を表し、m5は0または1、m7は0〜5の整数、m8は1〜5の整数、m9は0〜4の整数を表す。Y7、Y8、Y9はさらにベンゼン環に縮合するアリール基(例えばベンゼン縮合環)であってもよく、さらにこれが置換基を有していてもよい。Z10は環を形成し得る非金属原子団を表し、X12は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、または環状のアミノ基を含む)、カルバモイル基を表す。
【0040】
式(B6)においてX6、X'6はそれぞれヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、または環状のアミノ基を含む)、アシルアミノ基、スルホンアミド基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アルキルアミノカルボニルオキシ基、またはアリールアミノカルボニルオキシ基を表す。Rb60、Rb61はアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基を表し、Rb60とRb61は互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0041】
上記の式(B1)〜(B13)の各基の説明の中で、アルキル基とは炭素数1〜30の、直鎖、分岐もしくは環状の、置換もしくは無置換のアルキル基を意味し、アリール基とはフェニル基やナフチル基のような、単環もしくは縮合環の、置換もしくは無置換の芳香族炭化水素環を表し、ヘテロ環基とはヘテロ原子を少なくとも1つ含有する、芳香族もしくは非芳香族の、単環もしくは縮合環の、置換もしくは無置換のヘテロ環基を意味する。
また式(B1)〜(B13)の各基の説明の中で述べられている置換基とは前述の吸着基の置換基と同義である。これら置換基はこれら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0042】
式(B1)〜(B5)においてRN1、RN2、RN3、RN4、RN5は、好ましくは水素原子またはアルキル基で、ここにアルキル基として好ましくは炭素数1〜12の、直鎖、分岐もしくは環状の、置換もしくは無置換のアルキル基で、より好ましくは炭素数1〜6の、直鎖もしくは分岐の、置換もしくは無置換のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ベンジル基などである。
【0043】
式(B1)においてRb1は好ましくはアルキル基またはヘテロ環基で、ここにアルキル基とは直鎖、分岐もしくは環状の、置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30の、より好ましくは炭素数1〜18のアルキル基である。ヘテロ環基とは5員もしくは6員の単環または縮合環の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基で、置換基を有していてもよい。ヘテロ環基として好ましくは芳香族ヘテロ環基で、例えばピリジン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基、チアゾール環基、ベンゾチアゾール環基、オキサゾール環基、ベンゾオキサゾール環基、イミダゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ピラゾール環基、インダゾール環基、インドール環基、プリン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、キナゾリン環基などが挙げられ、特にトリアジン環基、ベンゾチアゾール環基が好ましい。Rb1で表されるアルキル基またはヘテロ環基が、その置換基として−N(R N1)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合もまた式(B1)で表される化合物の好ましい例の一つである。
【0044】
式(B2)においてRb2は好ましくはアルキル基、アリール基、またはヘテロ環基で、より好ましくはアルキル基またはアリール基である。アルキル基の好ましい範囲はRb1における説明と同じである。アリール基として好ましくはフェニル基またはナフチル基で、フェニル基が特に好ましく、置換基を有していてもよい。Rb2で表される基がその置換基として−CON(R N2)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合もまた式(B2)で表される化合物の好ましい例の一つである。
【0045】
式(B3)においてRb3は好ましくはアルキル基またはアリール基で、これらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じである。RH3は好ましくは水素原子、アルキル基、またはヒドロキシ基であり、より好ましくは水素原子である。Rb3で表される基がその置換基として−N(RH3)CON(R N3)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合もまた式(B3)で表される化合物の好ましい例の一つである。またRb3とRN3とが結合して環構造(好ましくは5員または6員の飽和のヘテロ環)を形成していてもよい。
【0046】
式(B4)においてR b4は好ましくはアルキル基で、その好ましい範囲はRb1における説明と同じである。Rb4で表される基がその置換基として−OCON(R N4)OH基をさらに1つもしくは2つ以上有する場合もまた式(B4)で表される化合物の好ましい例の一つである。
式(B5)においてRb5は好ましくはアルキル基またはアリール基、より好ましくはアリール基で、これらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じである。RH5、R'H5は好ましくは水素原子またはアルキル基で、より好ましくは水素原子である。
【0047】
式(B6)においてRb60、Rb61は、互いに結合して環構造を形成する場合が好ましい。ここで形成される環状構造は、5員〜7員の非芳香族の炭素環もしくはヘテロ環で、単環でも縮合環であってもよい。環構造の好ましい例を具体的に挙げれば、例えば2−シクロペンテン−1−オン環、2,5−ジヒドロフラン−2−オン環、3−ピロリン−2−オン環、4−ピラゾリン−3−オン環、2−シクロヘキセン−1−オン環、5,6−ジヒドロ−2H−ピラン−2−オン環、5,6−ジヒドロ−2−ピリドン環、1,2−ジヒドロナフタレン−2−オン環、クマリン環(ベンゾ−α−ピラン−2−オン環)、2−キノロン環、1,4−ジヒドロナフタレン−1−オン環、クロモン環(ベンゾ−γ−ピラン−4−オン環)、4−キノロン環、インデン−1−オン環、3−ピロリン−2,4−ジオン環、ウラシル環、チオウラシル環、ジチオウラシル環などが挙げられ、より好ましくは2−シクロペンテン−1−オン環、2,5−ジヒドロフラン−2−オン環、3−ピロリン−2−オン環、4−ピラゾリン−3−オン環、1,2−ジヒドロナフタレン−2−オン環、クマリン環(ベンゾ−α−ピラン−2−オン環)、2−キノロン環、1,4−ジヒドロナフタレン−1−オン環、クロモン環(ベンゾ−γ−ピラン−4−オン環)、4−キノロン環、インデン−1−オン環、ジチオウラシル環などであり、さらに好ましくは2−シクロペンテン−1−オン環、2,5−ジヒドロフラン−2−オン環、3−ピロリン−2−オン環、インデン−1−オン環、4−ピラゾリン−3−オン環である。
【0048】
X6、X'6が環状のアミノ基を表す時、環状のアミノ基とは窒素原子で結合する非芳香族の含窒素ヘテロ環基で、例えばピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、1,4−チアジン−4−イル基、2,3,5,6−テトラヒドロ−1,4−チアジン−4−イル基、インドリル基などである。
X6、X'6として好ましくは、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、または環状のアミノ基を含む)、アシルアミノ基、スルホンアミド基、またはアシルオキシ基、アシルチオ基であり、より好ましくはヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基、アルキルアミノ基、環状のアミノ基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、またはアシルオキシ基であり、特に好ましくはヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、環状のアミノ基である。さらにX6およびX'6のうち少なくとも1つはヒドロキシ基であることが好ましい。
【0049】
式(B7)においてRb70、Rb71は好ましくは水素原子、アルキル基またはアリール基で、より好ましくはアルキル基である。アルキル基の好ましい範囲はRb1における説明と同じである。Rb70、Rb71は互いに結合して環状構造(例えばピロリジン環、ピペリジン環、モルホリノ環、チオモルホリノ環など)を形成していてもよい。Y7で表される置換基として好ましくはアルキル基(その好ましい範囲はRb1における説明と同じ)、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、クロル原子、スルホ基またはその塩、カルボキシ基またはその塩などで、m7は好ましくは0〜2を表す。
【0050】
式(B8)においてmは1〜4が好ましく、複数のY8は同じでも異なっていてもよい。m8が1の時のY8、もしくはm8が2以上の時の複数のY8のうち少なくとも1つは、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基を含む)、スルホンアミド基、もしくはアシルアミノ基であることが好ましい。m8が2以上の時、残るY8はスルホンアミド基、アシルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、アルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基またはその塩、カルボキシ基またはその塩、クロル原子などが好ましい。ここにY8で表される置換基として、ヒドロキシ基のオルト位またはパラ位に、o’−(またはp’−)ヒドロキシフェニルメチル基(さらに置換基を有していてもよい)が置換されている場合には、一般にビスフェノール類と呼ばれる化合物群を表すが、この場合もまた、式(B8)で表される化合物の好ましい例の一つである。さらに、Y8がベンゼン縮合環を表し、その結果式(B8)がナフトール類を表す場合も非常に好ましい。
【0051】
式(B9)において2つのヒドロキシ基の置換位置は、互いにオルト位(カテコール類)、メタ位(レゾルシノール類)またはパラ位(ハイドロキノン類)であってよい。m9は1〜2が好ましく、複数のY9は同じでも異なっていてもよい。Y9で表される置換基として好ましくは、クロル原子、アシルアミノ基、ウレイド基、スルホンアミド基、アルキル基、アルキルチオ基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基またはその塩、カルボキシ基またはその塩、ヒドロキシ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基などが挙げられる。Y9がベンゼン縮合環を表し、その結果式(B9)が1,4−ナフトハイドロキノン類を表す場合もまた好ましい。式(B9)がカテコール類を表す時、Y9は特にスルホ基またはその塩、ヒドロキシ基が好ましい。
【0052】
式(B10)においてRb100、Rb101、Rb102が置換基を表す時、置換基の好ましい例は、Y9の好ましい例と同じである。中でもアルキル基(特にメチル基)が好ましい。Z10が形成する環構造として好ましくは、クロマン環、2,3-ジヒドロベンゾフラン環であり、これらの環構造は置換基を有していてもよく、またスピロ環を形成していてもよい。
式(B11)においてRb110、Rb111、Rb112、Rb113として好ましくは、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基で、これらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じである。中でもアルキル基が好ましく、Rb110〜Rb113のうち2つのアルキル基が結合して環状構造を形成していてもよい。ここに環状構造とは5員または6員の非芳香族のヘテロ環で、例えばピロリジン環、ピペリジン環、モルホリノ環、チオモルホリノ環、ヘキサヒドロピリダジン環などが挙げられる。
【0053】
式(B12)においてRb12として好ましくは、アルキル基、アリール基、またはヘテロ環基で、これらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じである。X12は好ましくはアルキル基、アリール基(特にフェニル基)、ヘテロ環基、アルコキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、または環状のアミノ基を含む)、カルバモイル基であり、アルキル基(特に炭素数1〜8のアルキル基が好ましい)、アリール基(特にフェニル基が好ましい)、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、または環状のアミノ基を含む)がより好ましい。RH12、R'H12は好ましくは水素原子またはアルキル基、より好ましくは水素原子である。
【0054】
式(B13)においてRb13は好ましくはアルキル基またはアリール基であり、これらの好ましい範囲はRb1およびRb2における説明と同じである。Rb130、Rb131、Rb132、Rb133は好ましくは水素原子、アルキル基(特に炭素数1〜8が好ましい)、アリール基(特にフェニル基が好ましい)である。RH13は水素原子またはアシル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0055】
式(I)中、Bで表される還元基は、フェニドン類より誘導される基である。
【0056】
式(I)中、Bで表される還元基はその酸化電位を、藤嶋昭著「電気化学測定法」(150-208頁、技報堂出版)や日本化学会編著「実験化学講座」第4版(9巻282-344頁、丸善)に記載の測定法を用いて測定することができる。例えば回転ディスクボルタンメトリーの技法で、具体的には試料をメタノール:pH6.5 ブリトン−ロビンソン緩衝液(Britton-Robinson buffer)=10%:90%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、グラッシーカーボン製の回転ディスク電極(RDE)を作用電極に用い、白金線を対極に用い、飽和カロメル電極を参照電極に用いて、25℃、1000回転/分、20mV/秒のスイープ速度で測定できる。得られたボルタモグラムから半波電位(E1/2)を求めることができる。
本発明のBで表される還元基は上記測定法で測定した場合、その酸化電位が約−0.3V〜約1.0Vの範囲にあることが好ましい。より好ましくは約−0.1V〜約0.8Vの範囲であり、特に好ましくは約0〜約0.7Vの範囲である。
【0057】
本発明のBで表される還元基は写真業界においてその多くが公知の化合物であり、その例は以下の特許にも記載されている。例えば特開2001−42466号、特開平8−114884号、特開平8−314051号、特開平8−333325号、特開平9−133983号、特開平11−282117号、特開平10−246931号、特開平10−90819号、特開平9−54384号、特開平10−171060、特開平7−77783。またフェノール類の一例として米国特許6054260号に記載の化合物も挙げられる。
【0058】
本発明の式(I)の化合物は、その中にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されているバラスト基またはポリマー鎖が組み込まれているものでもよい。またポリマーとしては、例えば特開平1−100530号に記載のものが挙げられる。
【0059】
本発明の式(I)の化合物はビス体、トリス体であっても良い。本発明の式(I)の化合物の分子量は好ましくは100〜10000の間であり、より好ましくは120〜1000の間であり、特に好ましくは150〜500の間である。
【0060】
以下に本発明の式(I)の化合物を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、特開2000−330247号公報、特開2001−42446号公報に例示されている化合物も好ましい例である。
【0061】
【化6】
【0062】
【化7】
【0063】
【化8】
【0064】
【化9】
【0065】
【化10】
【0066】
【化11】
【0067】
【化12】
【0068】
【化13】
【0069】
【化14】
【0070】
本発明の化合物は公知の方法にならって容易に合成することが出来る。
本発明の式(I)の化合物は、一種類の化合物を単独で用いてもよいが、同時に2種以上の化合物を用いることも好ましい。2種類以上の化合物を用いる場合、それらは同一層に添加しても、別層に添加してもよく、またそれぞれ添加方法が異なっていてもよい。
【0071】
本発明の式(I)の化合物は、ハロゲン化銀乳剤と同一層に添加されることが好ましく、ハロゲン化銀乳剤調製時、あるいは塗布液調製時に添加することができる。ハロゲン化銀乳剤調製時に添加することがより好ましい。ハロゲン化銀乳剤調製時に添加する場合、その工程中のいかなる場合に添加することも可能であり、その例を挙げると、ハロゲン化銀の粒子形成工程、脱塩工程の開始前、脱塩工程、化学熟成の開始前、化学熟成の工程、完成乳剤調製前の工程などを挙げることができる。またこれらの工程中の複数回にわけて添加することもできる。またハロゲン化銀乳剤層に使用するのが好ましいが、ハロゲン化銀乳剤層とともに隣接する保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。
好ましい添加量は、上述した添加法や添加する化合物種に大きく依存するが、一般には感光性ハロゲン化銀1モル当たり、1×10-6〜1モル、好ましくは1×10-5〜5×10-1モルさらに好ましくは1×10-4〜1×10-1モルである。
【0072】
本発明の式(I)の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することができる。この際、酸または塩基によってpHを適当に調整してもよく、また界面活性剤を共存させてもよい。さらに乳化分散物として高沸点有機溶媒に溶解させて添加することもできる。また、固体分散物として添加することもできる。
【0073】
(現像促進剤)
本発明に用いられる現像促進剤について詳細に説明する。
本発明に用いられる現像促進剤とは、支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する感光性層を有する熱現像感光材料において、該還元剤(主還元剤という)に対してモル比で10%置換したときに、置換しないときに対して濃度=1.0における感度が0.05以上上昇する化合物である。
【0074】
現像促進剤としては、5モル%置換したときの感度上昇が0.05以上の化合物が好ましく、2モル%置換したときの感度上昇が0.05以上の化合物がさらに好ましい。
【0075】
前記現像促進剤としては、熱現像において前記の様に主還元剤に置換したときに感度を上昇させる化合物であればどのような化合物でも用いることができる。いわゆる還元剤を用いることが好ましい。具体的には、アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類、スルホンアミドフェノール類、カルボンアミドフェノール類、1−フェニル−5−ピラゾリドン類、アスコルビン酸、ヒドラジン類、フェノール類、ナフトール類などの化合物を用いることができる。中でも、スルホンアミドフェノール類(たとえば特開平10−221806号記載の一般式(1)で表される化合物、特開2000−267222号に記載の式(A)で表される化合物)、ヒドラジン類が好ましい。
本発明においては、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の現像促進剤を含有する
【0076】
【化15】
【0077】
(一般式(1)において、Q1は、炭素原子でNHNH−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカルバモイル基を表す。一般式(2)及び(3)において、X2及びX3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R21及びR31〜R32は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。但し、一般式(2)の化合物は、OH基に対して2−位にカルバモイル基を有する。m及びpはそれぞれ独立して0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)。
【0078】
本発明における現像促進剤として最も好ましい化合物は、前記一般式(1)で表される化合物(ヒドラジン誘導体)である。本発明の熱現像感光材料は、支持体上に、感光性ハロゲン化銀及び非感光性銀塩と同一の面に、前記一般式(1)で表される還元性化合物を有することが好ましい。
【0079】
前記一般式(1)で表される還元性化合物は、ヒドラジン系現像主薬と総称される現像主薬である。式中、Q1は、炭素原子でNHNH−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカルバモイル基を表す。
【0080】
一般式(1)においてQ1で表される5〜7員の不飽和環の好ましい例としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、1,2,4−トリアジン環、1,3,5−トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,2,5−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、1,2,5−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、チオフェン環等が挙げられ、これらの環が互いに縮合した縮合環も好ましい。
【0081】
これらの環は置換基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それらの置換基は同一であっても異なっていてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、カルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びアシル基を挙げることができる。
【0082】
これらの置換基が置換可能な基である場合、さらに置換基を有してもよく、好ましい置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、カルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、およびアシルオキシ基を挙ることができる。
【0083】
一般式(1)においてR1で表されるカルバモイル基は、炭素数1〜50が好ましく、炭素数6〜40がより好ましい。具体的には、無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−sec−ブチルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−tert−ブチルカルバモイル基、N−ドデシルカルバモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)カルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−{3−(2,4−tert−ペンチルフェノキシ)プロピル}カルバモイル基、N−(2−ヘキシルデシル)カルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−(4−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル基、N−(2−クロロ−5−ドデシルオキシカルボニルフェニル)カルバモイル基、N−ナフチルカルバモイル基、N−3−ピリジルカルバモイル基、N−ベンジルカルバモイル基が挙げられる。
【0088】
般式(1)においてR1で表される基は、さらに、置換可能な位置に前記のQ1で表される5〜7員の不飽和環の置換基の例として挙げた基を有していてもよく、2個以上の置換基を有する場合には、それ等の置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0089】
一般式(1)で表される化合物の中でも、Q1が5または6員の不飽和環であることが好ましく、Q1がベンゼン環、ピリミジン環、1,2,3−トリアゾール環、1,2,4−トリアゾール環、テトラゾール環、1,3,4−チアジアゾール環、1,2,4−チアジアゾール環、1,3,4−オキサジアゾール環、1,2,4−オキサジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、またはこれらの環がベンゼン環もしくは不飽和ヘテロ環と縮合した環であることがより好ましく、Q1がキナゾリン環であることが特に好ましい。また、Q1は電子求引的な置換基を少なくとも一つ有していることが好ましい。好ましい置換基としては、フルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、ジフルオロメチル基、フルオロメチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ペンタフルオロフェニル基)、シアノ基、ハロゲン原子(フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基を挙げることができ、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
【0090】
一般式(1)においてR1は、カルバモイル基であり、特に好ましくはR1が−CO−NH−R1'で表される置換カルバモイル基であり、かつ、R1'が炭素数1ないし10のアルキル基またはアリール基を表すことが特に好ましい。
以下に、一般式(1)で表される還元性化合物の具体例および参考例を示すが、本発明に用いられる化合物はこれらの具体例によって限定されるものではない。
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】
【化19】
【0095】
【化20】
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】
【化23】
【0099】
【化24】
【0100】
【化25】
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【化26】
【0106】
【化27】
【0107】
一般式(1)で表される還元性化合物の合成は、特開平9−152702号公報、同8−286340号公報、同9−152700号公報、同9−152701号公報、同9−152703号公報、および同9−152704号公報等に記載の方法に従って実施することができる。
一般式(1)で表される還元性化合物の添加量は範囲が広いが、銀イオンに対して0.01〜100モル倍が好ましく、0.1〜10モル倍がより好ましい。
【0108】
一般式(1)で表される還元性化合物は、溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物等いかなる方法で塗布液に添加してもよい。特に本発明のラテックスと共に用いる場合は、固体微粒子で添加することが好ましい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル等)で行われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0109】
下記一般式(2)または(3)で表される化合物について説明する。
一般式(2)及び(3)において、X2及びX3はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。X2及びX3で表わされる置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜8であり、例えば、メトキシ、エトキン、ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは6〜16、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、ょり好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜10であり、例えば、N−メチルアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ等)、アゾ基、ヘテロ環基、ヘテロ環メルカプト基、シアノ基等が挙げられる。ここでいうヘテロ環基とは、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基を表し、例えばピリジル基、キノリル基、キノキサリニル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、テトラゾリル基、ヒグントイン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基等が挙げられる。
【0110】
一般式(2)及び(3)においてX2及びX3で表される置換基は、更に好ましくはアルコキシ基、アリールオキシ基である。X2及びX3で表される置換基はさらに別の置換基で置換されていてもよく、写真性能を悪化させないものであれば一般に知られているどのような置換基でもよい。
【0111】
―般式(2)及び(3)においてR2l、R31、R32は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。m及びpはそれぞれ独立して0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。R2l、R31、R32で表される置換基としては、写真性へ悪影響のないものであれはどのような置換基を用いてもよい。例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、環状またはそれら組み合わせのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜13であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチル、tert−オクチル、n−アミル、tert−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロへキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メトキシ、エトキン、プロポキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、トリデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルフファモイル、ジメチルスルフファモイル、フェニルスルフファモイル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾイル、ピロリジル等)等が挙げられる。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていてもよい。
【0112】
―般式(2)及び(3)においてR2l、R31、R32で表される置換基として好ましいものは、上記の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、スルホ基、スルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、ヘテロ環基である。
【0113】
ここで、一般式(2)で表される化合物は、2−位にカルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(2−クロロフェニル)カルバモイル、N−(4−クロロフェニル)カルバモイルN−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイル、N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル等)を有する化合物であり、2−位にアリールカルバモイル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは7〜16、さらに好ましくは7〜12であり、例えば、N−フェニルカルバモイル、N−(2−クロロフェニル)カルバモイル、N−(4−クロロフェニル)カルバモイル、N−(2,4−ジクロロフェニル)カルバモイル、N−(3,4−ジクロロフェニル)カルバモイル等)を有することが特に好ましい。
以下に、一般式(3)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明に用いられる化合物は、これらによって限定されることはない。
【0114】
【化28】
【0115】
【化29】
【0116】
前記一般式(2)及び(3)で表される化合物は写真業界で公知の方法によって容易に合成することができる。
前記一般式(2)及び(3)で表される化合物は、水または適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコール)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブなどに溶解して用いることが出来る。
【0117】
あるいは、既によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテート、ジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることができる。あるいはよく知られている固体分散法に従って、ボールミル、コロイドミル、サンドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフルイダイザーまたは超音波によって、化合物の粉末を水の中に分散し、用いることができる。
【0118】
前記一般式(2)及び(3)で表される化合物は、支持体上、感光性ハロゲン化銀および還元可能な銀塩と同一の面であればいずれの層に添加してもよいが、ハロゲン化銀を含む層またはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
前記一般式(2)及び(3)で表される化合物の添加量は、銀1モル当たり0.2〜200ミリモルが好ましく、より好ましくは0.3〜100ミリモルであり、さらに好ましくは0.5〜30ミリモルである。前記一般式(2)及び(3)で表される化合物は1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
特に前記一般式(1)の化合物と、前記一般式(3)の化合物を併用することが好ましい。
【0119】
前記一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(4)又は(5)で表される化合物であることが好ましい。
【0120】
【化30】
【0121】
一般式(4)において、R41、R42、R43、X41およびX42はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子もしくはリン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。ただしX41およびX42の少なくとも一方は、−NR4445で表される基である。R44、R45はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、あるいは−C(=O)−R、−C(=O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO−R、−P(=O)(R)2または−C(=NR′)−Rで表される基である。R、R′はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれる基である。これらの置換基はそれぞれ隣接する基同士が結合して環を形成してもよい。
【0122】
一般式(5)において、X51は置換基を表し、X52〜X54はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただしX51〜X54はヒドロキシ基であることはなく、X53はスルホンアミド基であることはない。又X51〜X54で表される置換基は、互いに結合して環を形成してもよい。R51は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基を表す。
【0123】
一般式(4)で表される現像促進剤を説明する。
一般式(4)においてR41〜R43はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。炭素原子でベンゼン環に結合する置換基の具体例としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(カルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基(例えば、3−ピラゾリル基等が挙げられる)等がある。
【0124】
酸素原子でベンゼン環に結合する置換基の具体例としては、水酸基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基等が挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)などがある。窒素原子でベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例としては、アミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えば、1−イミダゾリル、モリホリルなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、ウレイド基(例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、ホスホリルアミノ基(例えば、ジエチルホスホリルアミノ、などが挙げられる。)、イミド基(例えば、スクシンイミド、フタルイミド、トリフルオロメタンスルホンイミドなどが挙げられる)等がある。硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例としては、メルカプト基、ジスルフィド基、スルホ基、スルフィノ基、スルホニルチオ基、チオスルホニル基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(例えば、メシル、トシル、フェニルスルホニルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−イミダゾリルチオ基等が挙げられる)等がある。リン原子でベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例としては、燐酸エステル基(例えば、ジエチル燐酸、ジフェニル燐酸などが挙げられる。)等がある。
【0125】
一般式(4)におけるR41〜R43で好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、メルカプト基、ジスルフィド基、スルホ基、スルフィノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ヘテロ環チオ基等がある。
【0126】
一般式(4)におけるR41〜R43でより好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド基、カルバモイル基、メルカプト基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基である。
【0127】
一般式(4)におけるR41〜R43で特に好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基である。
【0128】
一般式(4)におけるX41、X42は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子でベンゼン環に結合する置換基を表す。炭素原子でベンゼン環に結合する置換基の具体例としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、アシル基(例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニルなどが挙げられる。)、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基(例えば、3−ピラゾリル基等が挙げられる)、カルバモイル基(カルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)等がある。
【0129】
一般式(4)における酸素原子でベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例としては、水酸基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(例えば、4−ピリジルオキシ基等が挙げられる)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)などがある。
【0130】
一般式(4)における窒素原子でベンゼン環に結合する置換基の具体例としては、アミノ基(例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノなどが挙げられる。)、ニトロ基、ヒドロキサム基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基(例えば、1−イミダゾリル、モリホリルなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、ホスホリルアミノ基(例えば、ジエチルホスホリルアミノ、などが挙げられる。)等がある。
【0131】
一般式(4)における硫黄原子でベンゼン環に結合する置換基の具体例としては、メルカプト基、ジスルフィド基、スルホ基、スルフィノ基、スルホニルチオ基、チオスルホニル基、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(例えば、メシル、トシル、フェニルスルホニルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−イミダゾリルチオ基等が挙げられる)等がある。
リン原子でベンゼン環に結合する置換基の非限定的具体例としては、燐酸エステル基(例えば、ジエチル燐酸、ジフェニル燐酸などが挙げられる。)等がある。
【0132】
一般式(4)におけるX41、X42で好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、ヘテロ環基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、メルカプト基、ジスルフィド基、スルホ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ヘテロ環チオ基等がある。
【0133】
一般式(4)におけるX41、X42でより好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、イミド基、カルバモイル基、スルホ基、アリールスルホニル基である。
【0134】
一般式(4)におけるX41、X42で特に好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、メルカプト基、アルキルチオ基である。
【0135】
41、X42の少なくとも一方は、−NR4445で表される基である。R44、R45はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、または−C(=O)−R、−C(=O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO−R、−P(=O)(R)2、−C(=NR′)−Rで表される基である。R、R′はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基から選ばれる基である。
【0136】
44、R45が、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す場合には、それらは例えば、直鎖、分岐または環状のアルキル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アリール基(例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる。)、ヘテロ環基(例えば、2−イミダゾリル、1−ピラゾリル基等が挙げられる)等を表す。
【0137】
44、R45が−C(=O)−R、−C(=O)−C(=O)−R、−SO2−R、−SO−R、−P(=O)(R)2、−C(=NR′)−Rで表される基である場合には、RおよびR’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基(例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、tert−アミル、1,3−テトラメチルブチル、シクロヘキシルなどが挙げられる)、アリール基(例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチルなどが挙げられる)、ヘテロ環基(例えば、4−ピリジル、2−チエニル、1−メチル−2−ピロリルなどが挙げられる)、アミノ基(例えば、アミノ、ジメチルアミノ、ジフェニルアミノ、フェニルアミノ、2−ピリジルアミノなどが挙げられる)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、2−ナフトキシなどが挙げられる)などを表す。
【0138】
一般式(4)におけるR44、R45で好ましいものは、水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基である。R44、R45でより好ましいものは、水素原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基、アシル基、スルホニル基である。また特に好ましい組み合わせはR44、R45のどちらか一方が水素原子で他方がアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基である。これらの置換基はさらに上記に記したような置換基で置換されていても良い。またこれらの置換基が酸性度の高い水素原子を持つものであれば、そのプロトンが解離して塩を形成していてもよい。その対カチオンとしては、金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンが用いられる。このように活性水素を解離させた状態は、化合物の現像時における揮散性が問題となるケースには有効な対処法となりうる。R41、R42、R43、X41およびX42はそれぞれ隣接する基同士が結合して環を形成してもよい。
一般式(4)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いることが出来る一般式(4)で表される化合物は、これらに限定されない。
【0139】
【化31】
【0140】
【化32】
【0141】
【化33】
【0142】
【化34】
【0143】
【化35】
【0144】
【化36】
【0145】
【化37】
【0146】
【化38】
【0147】
【化39】
【0148】
【化40】
【0149】
一般式(5)で表される現像促進剤を説明する。
一般式(5)において、X51は置換基を表す(ベンゼン環上に置換可能な置換基であり、水素原子であることはない)。ただし、X51はヒドロキシル基であることはない。置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基が例として挙げられる。
【0150】
さらに詳しくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基、2‐エチルへキシル基)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロへキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]へプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基)、さらに環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロへキセン−1−イル基)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]へプト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル基)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基)、
【0151】
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、さらに好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルナトラゾール−5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基)、
【0152】
カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチルカルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素教2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキンカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ基、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ基)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オクチルオキシフエノキシカルボニルアミノ基)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ基)、
【0153】
アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−へキサデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ペンゾイルスルファモイル基、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル基、2−ピリジルカルボニル基、2−フリルカルボニル基)、
【0154】
アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキシカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素教6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキシホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基)が挙げられる。
【0155】
一般式(5)において、X51で表される置換基として好ましいものは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭素原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、アルコキシ基(好ましくは炭兼数1〜20、より好ましくは炭素教1〜14、特に好ましくは炭素教1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素教1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基など)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキンカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素教6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜12、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキル基であり、特に好ましくは塩素原子、臭素原子である。
【0156】
一般式(5)において、X53はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。ただし、X53はヒドロキシル基、スルホンアミド基であることはない。置換基の具体例としては、上記一般式(5)におけるX51の例として挙げた置換基が同様に挙げられる(スルホンアミド基を除く)。X53として好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは塩素原子、臭素原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基など)、アルコキシ基(好ましくは炭素数l〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、たとえばフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基など)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素教1〜8、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数l〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル拳など)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素教6〜12、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基であり、より好ましくは、ハロゲン原子、アシルアミノ基、アルキル基であり、特に好ましくは塩素原子または臭素原子である。
【0157】
一般式(5)において、X51、X53で表される置換基は少なくとも一方が電子求引性基であることが好ましい。電子求引性基とは、ハメットの置換基定数σρ値が正である置換基であり、具体例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、イミノ基、N原子で置換されたイミノ基、チオカルボニル基、パーフルオロアルキル基、スルホンアミド基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシル基、、カルバモイル基、アシル基、スルホ基(またはその塩)、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、ヘテロ環基、またはこれらの電子求引性基で置換されたアリール基などが挙げられる。X51、X53はより好ましくはともに電子求引性基であり、さらに好ましくはともにハロゲン原子であり、特に好ましくはともに塩素原子または臭素原子である。
【0158】
一般式(5)において、X52、X54は水素原子または置換基を表す。ただし、X52、X54はヒドロキシル基であることはない。置換基の具体例としては、一般式(5)におけるX51の例として挙げた置換基が挙げられる。X52、X54として好ましいものは、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは、塩素原子、臭素原子)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素故1〜8、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭秦数6〜8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェノキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基など)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基など)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、さらに好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、さらに好ましくは炭素数6〜12、例えば、フェノキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基である。より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アシルアミノ基であり、特に好ましくは水素原子、メチル基、エチル基である。
【0159】
一般式(5)において、X51〜X54はさらに置換されていてもよく、置換基の具体例としては上記一般式(5)におけるX51の例として挙げた置換基が同様に挙げられる。また、X51〜X54は互いに結合して環を形成していてもよい。
【0160】
一般式(5)において、R51は水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1−20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素教1〜7、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロへキシル基等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14、特に好ましくは炭素数6〜8、例えばフェニル基、ナフチル基、p−メチルフェニル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、イミダゾリル基、ピロリジル基)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜14、特に好ましくは炭素数0〜8、例えばアミノ基、メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−フェニルアミノ基等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜14、特に好ましくは炭素数1〜8、例えばメトキシ基、エトキシ基等)を表わす。好ましくは、水素原子、アリール基、ヘテロ環基、アミノ基、アルコキシ基、炭素数1〜7のアルキル基であり、さらに好ましくはアリール基または炭素数1〜7のアルキル基であり、特に好ましくはアリール基である。R51はさらに置換されていてもよく、置換基の具体例としては、一般式(5)におけるX51の例として挙げた置換基が挙げられる。
【0161】
一般式(5)において、X51〜X54、R51の組み合わせとして好ましくは、X51、X53の少なくとも1つがハロゲン原子であり、X52、X54は水素原子またはアルキル基であり、R51はアリール基または炭素数1〜7のアルキル基である。さらに好ましい組み合わせは、X51、X53はともに塩素原子または臭素原子であり、X52は水素原子またはアルキル基であり、X54は水素原子であり、R51はアリール基である。
【0162】
一般式(5)で表される化合物の総分子量の好ましい範囲は170〜800であり、より好ましくは220〜650であり、特に好ましくは220〜500である。
【0163】
以下に一般式(5)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
【0164】
【化41】
【0165】
【化42】
【0166】
【化43】
【0167】
【化44】
【0168】
【化45】
【0169】
【化46】
【0170】
【化47】
【0171】
【化48】
【0172】
【化49】
【0173】
【化50】
【0174】
前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(6)で表される化合物であることがより好ましい。
【0175】
【化51】
【0176】
以下、一般式(6)で表される化合物について説明する。
一般式(6)においてR61は、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基を表し、X61は、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基を表す。Y61〜Y65は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
【0177】
一般式(6)においてR61で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜13の、直鎖、分岐、環状またはそれら組み合わせのアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−へキシル、シクロへキシル、n−オクチル、t−オクチル、n−アミル、t−アミル、n−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、ベンジル、フェネチル等を挙げることができる。
【0178】
一般式(6)においてR61で表されるアリール基は、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル、4−メチルフェニル、2−クロロフェ二ル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−ヘキシルオキシフェニル、2‐ドデシルオキシフェニル、ナフチル等を挙げることができる。
【0179】
一般式(6)においてR61で表されるアルケニル基は、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基などを挙げることができる。
61で表されるアルキニル基は、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは2〜20、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、エチニル基、プロピニル基などを挙げることができる。
【0180】
一般式(6)においてR61は更に置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、後述の一般式(6)で表される化合物におけるY61〜Y65で表される置換基を挙げることができる。
【0181】
一般式(6)においてR61は、更に好ましくはアルキル基またはアリール基を表し、特に好ましくはアルキル基を表す。
【0182】
一般式(6)においてX61は、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。
一般式(6)においてX61で表されるアシル基は、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、バレリル、ヘキサノイル、ミリスチリル、パルミトイル、ステアリル、オレイル、アクリロイル、シクロヘキサンカルボニル、ベンゾイル、ホルミル、ビバロイル等が挙げられる。
【0183】
一般式(6)においてX61で表されるアルコキシカルボニル基は、好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、フェノキシカルボニル等が挙げられる。
【0184】
一般式(6)においてX61で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−デシルカルバモイル、N−ヘキサデシリルカリルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−(2−クロロフェニル)カルバモイル、N−(4−クロロフェニル)カルバモイル、N−(2、4−ジクロロフェニル)カルバモイル、N−(3、4−ジクロロフェニル)カルバモイル、N−ペンタクロロフェニルカルバモイル、N−(2−メトキシフェニル)カルバモイル、N−(4−メトキシフフェニル)カルバモイル,N−(2,4‐ジメトキシフェニル)カルバモイル、N−(2−ドデシルオキシフェニル)カルバモイル、N−(4−ドデシルオキシフフェニル)カルバモイル等が挙げられる。
【0185】
一般式(6)においてX61で表されるスルホニル基は、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、エタンスルホニル、シクロヘキサンスルホニル、ベンゼンスルホニル、トシル、4−クロロベンゼンスルホニル等が挙げられる。
一般式(6)においてX61で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル等が挙げられる。
【0186】
一般式(6)においてX61は更に置換基を有していてもよく、好ましい置換基の例としては、後述の一般式(1)の化合物のY61〜Y65で表される置換基を挙げることができる。
【0187】
一般式(6)においてX61は好ましくはカルバモイル基を表し、更に好ましくは、アルキルカルバモイル基またはアリールカルバモイル基を表し、特に好ましくはアリールカルバモイル基を表す。
【0188】
一般式(6)においてY61〜Y65はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
61〜Y65で表される置換基としては、写真性へ悪影響のないものであればどのような置換基を用いてもよい。例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐、環状またはそれら組み合わせのアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜13であり、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、sec−ブチル、t−ブチル、t−オクチル、n−アミル、t−アミル、n−ドデシル、n−トリデシル、シクロへキシル等)、アルケニル基(好ましくは炭素故2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは6〜20、さらに好ましくは6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等)、アシルオキシ基で好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシ等)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜13であり、例えば、アセチルアミノ、トリデカノイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、
【0189】
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ブタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等)、カルバメート基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェニルオキシカルボニルアミノ等)、カルボキシル基、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、カルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N−ドデシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキンカルボニル、ブトキシカルボニル等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等)、スルホ基、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メシル、トシル等)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは0〜16、さらに好ましくは0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜16、さらに好ましくは1〜12であり、例えば、メチルチオ、ブチルチオ等)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは2〜16、さらに好ましくは2〜12であり、例えば、ピリジル、イミダゾイル、ピロリジル等)等が挙げられる。これらの置換基はさらに他の置換基で置換されていてもよい。
【0190】
一般式(6)においてY61〜Y65で表される置換基として好ましいものは、上記の中でも、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アニリノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アシル基、スルホ基、スルホニル基、スルファモイル基、シアノ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルキルチオ基、ヘテロ環基である。
【0191】
一般式(6)においては、R61がアルキル基、X61がカルバモイル基、Y61〜Y65が水素原子である組み合わせが好ましい。
【0192】
以下、一般式(6)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明は、これらの具体例によって限定されるものではない。
【0193】
【表5】
【0194】
【表6】
【0195】
【表7】
【0196】
【表8】
【0197】
【表9】
【0198】
【表10】
【0199】
【化52】
【0200】
【表11】
【0201】
【表12】
【0202】
【表13】
【0203】
前記一般式(1)〜(6)で表される現像促進剤は、溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化物、オイルプロテクト分散物などいかなる方法で塗布液に添加してもよい。特に本発明のラテックスとともに用いる場合は固体微粒子で添加することが好ましい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行うことができ、中でもサンドミルで微細化することが好ましい。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0204】
<還元剤>
本発明に用いられる還元剤について説明する。
本発明の熱現像感光材料には還元剤を含む。該還元剤は銀イオンを金属銀に還元する任意の物質(好ましくは有機物質)であってよい。このような還元剤は、特開平11−65021号公報の段落番号0043〜0045や、欧州特許公開第0803764A1号の第7ページ第34行〜第18ページ第12行に記載されている。
本発明において、還元剤としてはフェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダートフェノール系還元剤、或いはビスフェノール系還元剤が好ましく、下記一般式(7)で表される化合物がより好ましい。
【0205】
【化53】
【0206】
一般式(7)において、R71およびR71'は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R72およびR72'は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR73−基を表す。R73は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X71およびX71'は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0207】
一般式(7)について詳細に説明する。
一般式(7)においてR71およびR71'は、置換基を有していてもよい。該置換基は特に限定されることはないが、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ウレイド基、ウレタン基、ハロゲン原子等が好ましい。
【0208】
一般式(7)においてR71およびR71'としては、炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基が好ましく、炭素数4〜12の3級のアルキル基がより好ましい。具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基等が挙げられ、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が好ましく、t−ブチル基がより好ましい。
【0209】
一般式(7)においてR72およびR72'は、各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基であり、X71およびX71'も各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。上記、ベンゼン環に置換可能な基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基が好ましい。
【0210】
一般式(7)においてR72およびR72'としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基がより好ましい。
一般式(7)においてX71およびX71'は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0211】
一般式(7)においてLは、−S−基または−CHR73−基を表し、−CHR73−であることが好ましい。
前記R73は、水素原子または炭素数1〜15のアルキル基が好ましい。具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましく、水素原子、メチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましい。
【0212】
また、R73が、水素原子である場合、R72およびR72'は、炭素数2〜5のアルキル基が好ましく、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
一方、R73が炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基である場合、R72およびR72'はメチル基が好ましい。この場合、R13の炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基がより好ましい。
【0213】
71、R71'、R72、R72'がいずれもメチル基である場合には、R73は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合R73の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
前記還元剤は、R71、R71'、R72、R72'及びR73の組み合わせにより、熱現像性、現像銀色調などが異なる。二種以上の還元剤を組み合わせることでこれらを調整することができるため、目的によっては二種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
【0214】
以下に本発明の還元剤である一般式(7)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0215】
【化54】
【0216】
【化55】
【0217】
【化56】
【0218】
【化57】
【0219】
本発明において還元剤の添加量は0.1〜3.0g/m2であることが好ましく、0.2〜1.5g/m2であることがより好ましく、0.3〜1.0g/m2であることが更に好ましい。又画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれることが好ましく、8〜30%モル含まれることがより好ましく、10〜20モル%含まれることがさらに好ましい。
また、還元剤は画像形成層に含有させることが好ましい。
【0220】
還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態等、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレート等のオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノン等の補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0221】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤の粉末を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)等のアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。
前記ミル類では、分散媒体として、ジルコニア等のビーズが使われるのが普通であり、これらのビーズから溶出するZr等が分散媒中に混入することがある。Zrの分散媒中への混入量は、分散条件にもよるが1ppm〜1000ppmの範囲である。感熱記録材料中へのZrの混入量は、銀1g当り0.5mg以下であれば実用上差し支えない。
水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることが好ましい。
【0222】
(有機銀塩の説明)
1)組成
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された感光性ハロゲン化銀及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀イオン供給体として機能し、銀画像を形成せしめる銀塩である。有機銀塩は還元剤により還元されうる銀イオンを供給できる任意の有機物質であってよい。このような非感光性の有機銀塩については、特開平10-62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許公開第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11-349591号、特開2000-7683号、同2000-72711号等に記載されている。有機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。脂肪酸銀塩の好ましい例としては、リグノセリン酸銀、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、エルカ酸銀およびこれらの混合物などを含む。本発明においては、これら脂肪酸銀の中でも、ベヘン酸銀含有率が好ましくは50モル%以上100モル%以下、より好ましくは85モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは95モル%以上100モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。更に、エルカ酸銀含有率が2モル%以下、より好ましくは1モル%以下、更に好ましくは0.1モル%以下の脂肪酸銀を用いることが好ましい。
【0223】
また、ステアリン酸銀含有率が1モル%以下であることが好ましい。前記ステアリン酸含有率を1モル%以下とすることにより、Dminが低く、高感度で画像保存性に優れた有機酸の銀塩が得られる。前記ステアリン酸含有率としては、0.5モル%以下が好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。
【0224】
さらに、有機酸の銀塩としてアラキジン酸銀を含む場合は、アラキジン酸銀含有率が6モル%以下であることが、低いDminを得ること及び画像保存性の優れた有機酸の銀塩を得る点で好ましく、3モル%以下であることが更に好ましい。
【0225】
2)形状、サイズ
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状いずれでもよい。
本発明においてはりん片状の有機銀塩が好ましい。また、長軸と単軸の長さの比が5以下の短針状、直方体、立方体またはジャガイモ状の不定形粒子も好ましく用いられる。これらの有機銀粒子は長軸と単軸の長さの比が5以上の長針状粒子に比べて熱現像時のカブリが少ないという特徴を有している。特に、長軸と単軸の比が3以下の粒子は塗布膜の機械的安定性が向上し好ましい。本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
x=b/a
【0226】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
【0227】
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μ 以上0.3μm 以下が好ましく0.1μm 以上0.23μm 以下がより好ましい。c/bの平均は1以上9以下であることが好ましく、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、最も好ましくは1以上3以下である。
【0228】
前記球相当直径を0.05μm以上1μm以下とすることにより、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる。前記球相当直径としては、0.1μm以上1μm以下が好ましい。本発明において、球相当直径の測定方法は、電子顕微鏡を用いて直接サンプルを撮影し、その後、ネガを画像処理することによって求められる。
前記リン片状粒子において、粒子の球相当直径/aをアスペクト比と定義する。リン片状粒子のアスペクト比としては、感光材料中で凝集を起こしにくく、画像保存性が良好となる観点から、1.1以上30以下であることが好ましく、1.1以上15以下がより好ましい。
【0229】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。測定には、市販のレーザー光散乱型粒子サイズ測定装置を用いることができる。
【0230】
3)調製方法
本発明に用いられる有機酸銀の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10-62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11-349591号、特開2000-7683号、同2000-72711号、同2001-163889号、同2001-163890号、同2001-163827号、同2001-33907号、同2001-188313号、同2001-83652号、同2002-6442、同2002-49117号、同2002-31870号、同2002-107868号等を参考にすることができる。
【0231】
平均球相当直径が0.05μm以上1.0μm以下であり、かつ、球相当直径の体積加重平均の変動係数が30%以下となるように該非感光性有機銀塩を調製するには、以下に示す反応温度、および混合方法で反応させ調製することが好ましい。また、有機酸のアルカリ金属塩溶液が有機溶媒に溶解された実質的に透明な溶液を用いる調製方法が好ましい。
(反応温度)
本発明における有機銀塩粒子は、60℃以下の反応温度で調製されることが、Dminが低い粒子を調製するという点で好ましい。添加される薬品例えば、有機酸アルカリ金属水溶液は60℃より温度が高くても構わないが、反応液が添加される反応浴の温度は50℃以下であることが好ましい。更に40℃以下であることがより好ましい。
【0232】
(混合方法)
本発明における有機銀塩粒子は、硝酸銀などの銀イオンを含む溶液と、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液とを反応させることによって調製されるが、総添加銀量の50%以上の添加が、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液との添加と同時に行われることが好ましい。添加法は、反応浴の液面に添加する方法、液中に添加する方法、更には後述する密閉混合手段中に添加する方法等があるが何れの方法でも構わない。
【0233】
(反応装置例)
密閉混合手段中へ添加して調製する方法の一例を以下に示すが、本発明はこれに限られたものではない。図1は、本発明で用いる非感光性有機銀塩の製造装置の一実施形態である。図中11、12には、それぞれ銀イオン含有溶液(例えば硝酸銀水溶液)と有機アルカリ金属塩溶液を所定の温度に設定して貯蔵する。13および14は、これらの溶液をポンプ15と16を介して密閉かつ液体で充満された混合装置18に添加する際の流量を計測するための流量計である。この実施形態においては、第3の成分として、調製された有機銀塩分散物を混合装置18に再び供給するポンプ17を具備している。混合装置18内で反応終了した液は、熱交換器19へと導入して速やかに冷却される。
(水溶性銀塩溶液)
本発明に用いる銀イオン含有溶液(例えば硝酸銀水溶液)のpHは、好ましくはpH1以上6以下、更に好ましくはpH1.5以上4以下である。更に、pH調節のため、酸およびアルカリを加えることができる。酸およびアルカリの種類は特に制限されない。
本発明に用いる銀イオン含有溶液(例えば硝酸銀水溶液)の銀イオン濃度は、任意に決定されるが、モル濃度として、0.03mol/L以上6.5mol/L以下が好ましく、より好ましくは、0.1mol/L以上5mol/L以下である。
【0234】
(熟成)
本発明における有機銀塩は、銀イオン含有溶液(例えば硝酸銀水溶液)/及び又は有機酸アルカリ金属塩溶液の添加が終了した後、反応温度を上げて熟成をしても構わない。本発明における熟成は、前述した反応温度とは別のものと考える。熟成の際は、硝酸銀、及び有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液の添加は一切行わない。熟成は、反応温度+1℃以上+20℃以下が好ましく、+1℃以上+10℃以下がより好ましい。なお、熟成時間はトライ・アンド・エラーで決定することが好ましい。
【0235】
(分割添加)
本発明における有機塩塩の調製において、有機酸アルカリ金属塩溶液の添加は2回以上6回以下の回数で分割して行っても構わない。ここで分割添加をすることで、例えば写真性能を良化させる添加と、表面の親水性を変化させる添加等、粒子に様々な機能を付与することができる。分割添加の回数は、好ましくは2回以上4回以下である。ここで、有機酸塩は高温でないと固化してしまうため、分割添加をする際は、分割するための添加ラインを複数もつことあるいは循環方法等工夫をする等、考慮する必要がある。
【0236】
本発明における有機銀塩の調製において、有機酸アルカリ金属塩溶液の総添加モル数の0.5モル%以上30モル%以下が銀イオン含有溶液の添加が終了した後、単独添加されることが好ましい。好ましくは3モル%以上20モル%以上が単独添加されることが好ましい。この添加は、分割された添加の1回として充てられることが好ましい。この添加は密閉混合手段中もしくは、反応漕の何れに添加しても構わないが、反応漕に添加することが好ましい。この添加を実施することで粒子の表面の親水性を上げることができ、その結果感材の造膜性が良化し、膜剥れが改良される。
【0237】
(有機酸のアルカリ金属溶液)
本発明の実施に際して、有機酸粒子を形成させるためには、銀イオン含有溶液、有機酸アルカリ金属塩溶液もしくは懸濁液、及びあらかじめ反応場に準備しておく溶液の少なくとも一つに、有機酸のアルカリ金属塩がひも状会合体やミセルではなく、実質的に透明溶液となり得る量の有機溶剤を含有することが好ましい。溶液は有機溶剤単独でも構わないが、水との混合溶液であることが好ましい。本発明で用いる有機溶剤としては、水溶性で上記性質を有していればその種類は特に制限されないが、写真性能に支障をきたすものは好ましくなく、好ましくは水と混合できるアルコール、アセトン、更に好ましくは炭素数4〜6の第3アルコールが好ましい。
【0238】
本発明に用いる有機酸のアルカリ金属塩のアルカリ金属は、具体的にはNa、Kが好ましい。有機酸のアルカリ金属塩は、有機酸にNaOHもしくはKOHを添加することにより調製される。このとき、アルカリの量を有機酸の当量以下にして、未反応の有機酸を残存させることが好ましい。この場合の、残存有機酸量は全有機酸に対し3mol%以上50mol%以下であり、好ましくは3mol%以上30mol%以下である。また、アルカリを所望の量以上に添加した後に、硝酸、硫酸等の酸を添加し、余剰のアルカリ分を中和させることで調製してもよい。
更に、本発明に用いる銀イオン含有溶液および有機酸アルカリ金属塩溶液、あるいは両液が添加される密閉混合容器の液には、例えば特開昭62−65035号公報の一般式(1)で示されるような化合物、また、特開昭62−150240号公報に記載のような水溶性基含有Nヘテロ環化合物、特開昭50−101019号公報に記載のような無機過酸化物。特開昭51−78319号公報に記載のようなイオウ化合物、特開昭57−643号公報に記載のようなジスルフィド化合物および過酸化水素等を添加することができる。
【0239】
本発明で用いる有機酸アルカリ金属塩溶液は、有機溶媒の量が水分の体積に対し、溶剤体積として3%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以上50%以下である。この際、反応温度で最適な溶媒体積が変化するため、トライアンドエラーで最適量を決定することができる。
本発明に用いる有機酸のアルカリ金属塩の濃度は、5質量%以上50質量%以下であり、好ましくは7質量%以上45質量%以下であり、更に好ましくは10質量%以上40質量%以下である。
【0240】
密閉混合手段中もしくは反応容器に添加する有機酸アルカリ金属塩の第3アルコール水溶液の温度としては、有機酸アルカリ金属塩の結晶化、固化の現象を避けるに必要な温度に保っておく目的で50℃以上90℃以下が好ましく、60℃以上85℃以下がより好ましく、65℃以上85℃以下が最も好ましい。また、反応の温度を一定にコントロールするために上記範囲から選ばれるある温度で一定にコントロールされることが好ましい。
【0241】
これにより、高温の有機酸アルカリ金属塩の第3アルコール水溶液が密閉混合手段中で急冷されて微結晶状に析出する速度と、銀イオン含有溶液との反応で有機銀塩化する速度が好ましく制御され、有機銀塩の結晶形態、結晶サイズ、結晶サイズ分布を好ましく制御することができる。また同時に熱現像材料、特に熱現像感光材料として性能をより向上させることができる。
【0242】
(反応容器の液)
反応容器中には、あらかじめ溶媒を含有させておいてもよく、あらかじめ入れられる溶媒には水が好ましく用いられるが、前記第3アルコールとの混合溶媒も好ましく用いられる。
【0243】
(分散助剤)
有機酸アルカリ金属塩の第3アルコール水溶液、銀イオン含有溶液、あるいは反応液には水性媒体可溶な分散助剤を添加することができる。分散助剤としては、形成した有機銀塩を分散可能なものであればいずれのものでもよい。具体的な例は、後述の有機銀塩の分散助剤の記載に準じる。
【0244】
(脱塩、脱水)
有機銀塩調製法においては、銀塩形成後に脱塩・脱水工程を行うことが好ましい。その方法は特に制限はなく、周知・慣用の手段を用いることができる。例えば、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロック形成水洗等の公知の濾過方法、また、遠心分離沈降による上澄み除去等も好ましく用いられる。脱塩・脱水は1回でもよいし、複数繰り返してもよい。水の添加および除去を連続的に行ってもよいし、個別に行ってもよい。脱塩・脱水は最終的に脱水された水の伝導度が好ましくは300μS/cm以下、より好ましくは100μS/cm以下、最も好ましくは60μS/cm以下になる程度に行う。この場合の伝導度の下限に特に制限はないが、通常5μS/cm程度である。
【0245】
限外濾過法は、例えばハロゲン化銀乳剤の脱塩/濃縮に用いられる方法を適用することが出来る。リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.10 208(1972)、No.13 122(1975)およびNo.16 351(1977)などを参照することができる。操作条件として重要な圧力差や流量は、大矢春彦著「膜利用技術ハンドブック」幸書房出版(1978)、p275に記載の特性曲線を参考に選定することができるが、目的の有機銀塩分散物を処理する上では、粒子の凝集やカブリを抑えるために最適条件を見いだす必要がある。また、膜透過より損失する溶媒を補充する方法においては、連続して溶媒を添加する定容式と断続的に分けて添加する回分式とがあるが、脱塩処理時間が相対的に短い定容式が好ましい。
【0246】
こうして補充する溶媒には、イオン交換または蒸留して得られた純水を用いるが、pHを目的の値に保つために、純水の中にpH調整剤等を混合してもよいし、有機銀塩分散物に直接添加してもよい。
【0247】
限外濾過膜は、すでにモジュールとして組み込まれた平板型、スパイラル型、円筒型、中空糸型、ホローファイバー型などが旭化成(株)、ダイセル化学(株)、(株)東レ、(株)日東電工などから市販されているが、総膜面積や洗浄性の観点より、スパイラル型もしくは中空糸型が好ましい。
また、膜を透過することができる成分のしきい値の指標となる分画分子量は、使用する高分子分散剤の分子量の1/5以下であることが好ましい。
【0248】
本発明における限外濾過による脱塩は、処理に先立って、粒子サイズを最終粒子サイズの堆積加重平均で2倍程度まで、あらかじめ液を分散することが好ましい。分散手段は、後述する、高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイザ−等どのような方法でも構わない。
【0249】
粒子形成後から脱塩操作が進むまでの液温は低く保つことが好ましい。これは、有機酸のアルカリ金属塩を溶解する際に用いる有機溶剤が、生成した有機銀塩粒子内に浸透している状態では、送液操作や限外濾過膜を通過する際の剪断場や圧力場によって銀核が生成しやすいからである。このため、本発明では有機銀塩粒子分散物の温度を1〜30℃、好ましくは5〜25℃に保ちながら限外濾過操作を行う。
【0250】
(再分散)
更に、熱現像材料、特に熱現像感光材料の塗布面状を良好にするためには、脱塩、脱水された有機銀塩を分散剤を添加、分散して微細分散物とすることが好ましい。
【0251】
本発明に用いられる有機銀塩の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平8−234358号、特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、同2000−53682号、同2000−75437号、同2000−86669号、同2000−143578号、同2000−178278号、同2000−256254号、特願平11−348228〜30号、同11−203413号、同11−115457号、同11−180369号、同11−297964号、同11−157838号、同11−202081号、特願2000−90093号、同2000−195621号、同2000−191226号、同2000−213813号、同2000−214155号、同2000−191226号等を参考にすることができる。
【0252】
有機銀塩を微粒子分散化する方法は、分散助剤の存在下で公知の微細化手段(例えば、高速ミキサー、ホモジナイザー、高速衝撃ミル、バンバリーミキサー、ホモミキサー、ニーダー、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル、コロイドミル、ジェットミル、ローラーミル、トロンミル、高速ストーンミル)を用い、機械的に分散することができる。
【0253】
高S/Nで、粒子サイズが小さく、凝集のない均一な脂肪銀塩固体分散物を得るには、画像形成媒体である有機銀塩粒子の破損や高温化を生じさせない範囲で、大きな力を均一に与えることが好ましい。そのためには有機銀塩及び分散剤溶液からなる分散物を高速流に変換した後、圧力降下させる分散法が好ましい。この場合の分散媒は、分散助剤が機能する溶媒であればどのような物でも構わないが、水のみであることが好ましく、20質量%以下であれば有機溶媒を含んでいてもよい。また分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機銀塩1molに対し0.1mol%以下であり、感光性銀塩の添加は行わないほうが好ましい。
【0254】
上記のような再分散法を実施するのに用いられる分散装置およびその技術については、例えば「分散系レオロジーと分散化技術」(梶内俊夫、薄井洋基著、1991、信山社出版(株)、p357〜403)、「化学工学の進歩 第24集」(社団法人 化学工学会東海支部編、1990、槙書店、p184〜185)、特開昭59−49832号、米国特許4533254号、特開平8−137044号、特開平8−238848号、特開平2−261525号、特開平1−94933号等に詳しいが、本発明での再分散法は、少なくとも有機銀塩を含む分散液を高圧ポンプ等で加圧して配管内に送入した後、配管内に設けられた細いスリットを通過させ、この後に分散液に急激な圧力低下を生じさせることにより微細な分散を行う方法である。
【0255】
高圧ホモジナイザーについては、一般には(a)分散質が狭間隙(75μm〜350μm程度)を高圧、高速で通過する際に生じる「せん断力」、(b)高圧化の狭い空間で液−液衝突、あるいは壁面衝突させるときに生じる衝撃力は変化させずに、その後の圧力降下によるキャビテーション力を更に強くし、均一で効率のよい分散が行われると考えられている。この種の分散装置としては、古くはゴーリンホモジナイザーが挙げられるが、この装置では、高圧で送られた被分散液が円柱面上の狭い間隙で高速流に変換され、その勢いで周囲の壁面に衝突し、その衝撃力で乳化・分散が行われる。上記液−液衝突としては、マイクロフルイダイザーのY型チャンバー、後述の特開平8−103642号に記載のような球形型の逆止弁を利用した球形チャンバーなどが挙げられ、液−壁面衝突としては、マイクロフルイダイザーのZ型チャンバー等が挙げられる。使用圧力は一般には100〜600kg/cm2(1〜6MPa)、流速は数m〜30m/秒の範囲であり、分散効率を上げるために高速流部を鋸刃状にして衝突回数を増やすなどの工夫を施したものも考案されている。このような装置の代表例としてゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション社製のマイクロフルイダイザー、みづほ工業(株)製のマイクロフルイダイザー、特殊機化工業(株)製のナノマイザー等が挙げられる。特開平8−238848号、同8−103642号、USP4533254号にも記載されている。
【0256】
有機銀塩は、流速、圧力降下時の差圧と処理回数の調節によって、所望の粒子サイズに分散することができるが、写真特性と粒子サイズの点から、流速が200〜600m/秒、圧力降下時の差圧が900〜3000kg/cm2(9〜30MPa)の範囲が好ましく、更に流速が300〜600m/秒、圧力降下時の差圧が1500〜3000kg/cm2(15〜30MPa)の範囲であることがより好ましい。分散処理回数は必要に応じて選択できる。通常は1〜10回の範囲が選ばれるが、生産性の観点で1〜3回程度が選ばれる。高圧下でこのような分散液を高温にすることは、分散性・写真性の観点で好ましくなく、90℃を超えるような高温では粒子サイズが大きくなりやすくなるとともに、カブリが高くなる傾向がある。従って、前記の高圧、高速流に変換する前の工程もしくは、圧力降下させた後の工程、あるいはこれら両工程に冷却装置を含み、このような分散の温度が冷却工程により5〜90℃の範囲に保たれていることが好ましく、更に好ましくは5〜80℃の範囲、特に5〜65℃の範囲に保たれていることが好ましい。特に、1500〜3000kg/cm2(15〜30MPa)の範囲の高圧の分散時には、前記の冷却装置を設置することが有効である。冷却装置は、その所要熱交換量に応じて、2重管や3重管にスタチックミキサーを使用したもの、多管式熱交換器、蛇管式熱交換器等を適宜選択することができる。また、熱交換の効率を上げるために、使用圧力を考慮して、管の太さ、肉厚や材質などの好適なものを選べばよい。冷却器に使用する冷媒は、熱交換量から、20℃の井水や冷凍機で処理した5〜10℃の冷水、また、必要に応じて−30℃のエチレングリコール/水等の冷媒を使用することができる。
【0257】
有機銀塩を分散剤を使用して固体微粒子化する際には、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸の共重合体、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸共重合体、などの合成アニオンポリマー、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロースなどの半合成アニオンポリマー、アルギン酸、ペクチン酸などのアニオン性ポリマー、特開昭52−92716号、WO88/04794号などに記載のアニオン性界面活性剤、特願平7−350753号に記載の化合物、あるいは公知のアニオン性、ノニオン性、カチオン性界面活性剤や、その他ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の公知のポリマー、或いはゼラチン等の自然界に存在する高分子化合物を適宜選択して用いることができる。また分散媒として溶剤を用いた場合、ポリビニルブチラール、ブチルエチルセルロース、メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコポリマー、ポリスチレンおよびブタジエン−スチレンコポリマー等が好ましく用いられる。
【0258】
分散助剤は、分散前に有機銀塩の粉末またはウェットケーキ状態の有機銀塩と混合し、スラリーとして分散機に送り込むのは一般的な方法であるが、予め有機銀塩と混ぜ合わせた状態で熱処理や溶媒による処理を施して有機銀塩粉末またはウェットケーキとしてもよい。分散前後または分散中に適当なpH調製剤によりpHコントロールしてもよい。
【0259】
機械的に分散する以外にも、pHコントロールすることで溶媒中に粗分散し、その後、分散助剤の存在下でpHを変化させて微粒子化させてもよい。このとき、粗分散に用いる溶媒として脂肪酸溶媒を使用してもよい。
【0260】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機銀塩1molに対し0.1mol%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わないものである。
【0261】
5)添加量
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、ハロゲン化銀を含めた全塗布銀量として0.1〜5g/m2が好ましく、より好ましくは03〜3.0g/m2、さらに好ましくは0.5〜2.0g/m2である。特に、画像保存性を向上させるためには、全塗布銀量として0.5〜1.8g/m2が好ましく、好ましく0.5〜1.6g/m2である。
【0262】
(感光性ハロゲン化銀)
1)ハロゲン組成
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、ハロゲン組成に制限はないが、ヨウ化銀含有率が5モル%以上100モル%以下と高い組成のものであることが好ましい。より好ましくは、40モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは、90モル%以上100モル%以下である。残りは特に制限はなく、塩化銀、臭化銀またはチオシアン酸銀や燐酸銀などの有機銀塩から選ぶことができるが、特に臭化銀、塩化銀であることが好ましい。この様なヨウ化銀含有率が高い組成のハロゲン化銀を用いることによって、現像処理後の画像保存性、特に光照射によるカブリの増加が著しく小さい好ましい熱現像感光材料が設計できる。
【0263】
粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。また塩化銀、臭化銀または塩臭化銀粒子の表面に臭化銀やヨウ化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0264】
2)粒子サイズ
本発明に用いる高ヨウ化銀の平均粒子サイズは、5nm以上、90nm以下であることが好ましい。ハロゲン化銀のサイズが大きいと、一般には必要な最高濃度を達成するために必要なハロゲン化銀の塗布量が増加し膜の透明度が低下するので好ましくない。
特に、本発明のヨウ化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀は、その塗布量が多いと現像が抑制され低感化するとともに現像の時間に対する濃度安定性が悪化する特異的な作用を有することを見出した。そのため一定以上の粒子サイズでは所定の現像時間で最高濃度が得られない。一方、その添加量を一定量以下に制限すればヨウ化銀ながら十分な現像性を有することを発見した。
【0265】
この様に高ヨウ化銀を用いた場合、十分な最高光学濃度を達成するためには、ハロゲン化銀粒子のサイズは従来の臭化銀や低ヨウド含量のヨウ臭化銀に比べて十分に小さいこと、そしてヨウ化銀の添加量を低く押さえることが必要である。好ましいハロゲン化銀の粒子サイズは5nm以上70nm以下であり、さらに5nm以上55nm以下であることが好ましい。特に好ましくは10nm以上40nm以下である。ここでいう粒子サイズとは、電子顕微鏡により観察した投影面積と同面積の円に換算したときの直径の平均をいう。
【0266】
3)粒子形状
本発明におけるハロゲン化銀粒子の形状としては、立方体、八面体、12面体、14面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特に12面体、もしくは14面体の形状が好ましい。ここで言う12面体とは、{001}、{1(−1)0}、{101}面を有する粒子である。14面体とは、{110}、{101}、{100}面を有する粒子である。12面体および14面体粒子は、共に任意のβ相およびγ相含有率を取り得るが、少なくともγ相を有することが好ましい。より好ましくは、平均γ相比率が5モル%以上90モル%以下、より好ましくは10モル%以上70モル%以下、更に好ましくは25モル%以上50モル%以下である。
上記のγ相とは、六方晶系のウルツアイト構造を有する高ヨウ化銀構造を指し、β相とは立方晶系のジンクブレンド構造を有する高ヨウ化銀構造を指す。
ここで言う平均γ相比率とは、C.R.Berry(ベリー)により提案された手法を用いて決定されるものである。この手法は、粉末X線回折法のでヨウ化銀β相(100)、(101)、(002)とγ相(111)によるピーク比を元にして決定される。詳細については、例えば、Physical Review, Volume 161, No.3, p.848〜851(1967)に記載されている。
【0267】
4)粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許第3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11-119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11-352627号、特願2000-42336号記載の方法も好ましい。
【0268】
例えば、有機銀塩の一部の銀を有機または無機のハロゲン化物でハロゲン化する、いわゆるハライデーション法も好ましく用いられる。ここで用いる有機ハロゲン化物としては有機銀塩と反応し、ハロゲン化銀を生成する化合物であればいかなるものでもよいが、N−ハロゲノイミド(N−ブロモスクシンイミドなど)、ハロゲン化4級窒素化合物(臭化テトラブチルアンモニウムなど)、ハロゲン化4級窒素塩とハロゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジニウム)などが挙げられる。無機ハロゲン化合物としては有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有ればいかなるものでもよいが、ハロゲン化アルカリ金属またはアンモニウム(塩化ナトリウム、臭化リチウム、ヨウ化カリウム、臭化アンモニウムなど)、ハロゲン化アルカリ土類金属(臭化カルシウム、塩化マグネシウムなど)、ハロゲン化遷移金属(塩化第2鉄、臭化第2銅など)、ハロゲン配位子を有する金属錯体(臭化イリジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウムなど)、ハロゲン分子(臭素、塩素、ヨウ素)などがある。また、所望の有機無機ハロゲン化物を併用しても良い。ハライデーションする際のハロゲン化物の添加量としては有機銀塩1モル当たりハロゲン原子として1ミリモル〜500ミリモルが好ましく、10ミリモル〜250ミリモルがさらに好ましい。
【0269】
感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水洗により脱塩することができるが、本発明においては脱塩してもしなくてもよい。
【0270】
本発明において特に好ましい感光性ハロゲン化銀粒子の形成方法は、有機銀塩の存在しない状態で粒子形成する方法である。本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、粒子形成後適切な形状の制御や化学増感処理などの高感化や安定化のための処理を施した後に、非感光性有機銀塩と混合するのが好ましい。
【0271】
5)重金属
感光性ハロゲン化銀粒子は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、イリジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1ナノモル(nmol)から10ミリモル(mmol)の範囲が好ましく、10ナノモル(nmol)から100マイクロモル(μmol)の範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225449号公報等に記載された構造の金属錯体を用いることができる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、へキサシアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよく、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に制限はない。
【0272】
6)ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0273】
7)化学増感
感光性ハロゲン化銀粒子は化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感法としては当業界でよく知られているように硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができる。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができる。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好ましく用いられる化合物としては公知の化合物を用いることができるが、特開平7−128768号公報等に記載の化合物を使用することができる。
【0274】
8)増感色素
本発明に適用できる増感色素としてはハロゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。本発明の熱現像感光材料は特に300nm以上500nm以下に分光感度ピークを持つように分光増感されていることが好ましい。増感色素及び添加法については、特開平11-65021号の段落番号0103〜0109、特開平10-186572号一般式(II)で表される化合物、特開平11-119374号の一般式(I) で表される色素及び段落番号0106、米国特許第5,510,236号、同第3,871,887号実施例5に記載の色素、特開平2-96131号、特開昭59-48753号に開示されている色素、欧州特許公開第0803764A1号の第19ページ第38行〜第20ページ第35行、特願2000-86865号、特願2000-102560号、特願2000-205399号等に記載されており、また、特願2002-102319号に記載されている一般式Da〜Ddで示され具体例としてNo.1〜 No.53に挙げられている色素も本発明に用いるのが好ましい。これらの増感色素は単独で用いてもよく、2種以上組合せて用いてもよい。本発明において増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加する時期は、脱塩工程後、塗布までの時期が好ましく、より好ましくは脱塩後から化学熟成の終了前までの時期である。
【0275】
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、画像形成層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4〜10-1モルである。
【0276】
本発明は分光増感効率を向上させるため、強色増感剤を用いることができる。本発明に用いる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5-341432号、同11-109547号、同10-111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0277】
9)ハロゲン化銀の併用
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57-119341号、同53-106125号、同47-3929号、同48-55730号、同46-5187号、同50-73627号、同57-150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0278】
10)ハロゲン化銀の塗布液への混合
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳"液体混合技術"(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0279】
11)塗布量
本発明おけるハロゲン化銀粒子の塗布量は、前述の非感光性有機銀塩の銀1モルに対して0.5モル%以上15モル%以下、好ましくは0.5モル%以上12モル%以下である。0.5モル%以上7モル%以下、さらには0.5モル%以上5モル%以下であることが特に好ましい。
【0280】
12)1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物
本発明における熱現像感光材料は、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物を含有することが好ましい。該化合物は、単独、あるいは前記の種々の化学増感剤と併用して用いることにより、ハロゲン化銀の感度増加をもたらすことができる。
【0281】
本発明の熱現像感光材料に含有される1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物とは以下のタイプ1〜5から選ばれる化合物である。
【0282】
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらにもう1電子を放出し得る化合物で、かつ同じ分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上有する化合物。
(タイプ3)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成過程を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ4)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く分子内の環開裂反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ5)
X−Yで表される化合物においてXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物。
【0283】
上記タイプ1およびタイプ3〜5の化合物のうち好ましいものは、「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」であるか、または「分子内に、分光増感色素の部分構造を有する化合物」である。より好ましくは「分子内にハロゲン化銀への吸着性基を有する化合物」である。タイプ1〜4の化合物はより好ましくは「2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物」である。
【0284】
タイプ1〜5の化合物について詳細に説明する。
タイプ1の化合物において「結合開裂反応」とは具体的に炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がさらにこれらに付随してもよい。タイプ1の化合物は1電子酸化されて1電子酸化体となった後に、初めて結合開裂反応を伴って、さらに2電子以上(好ましくは3電子以上)の電子を放出し得る化合物である。
【0285】
タイプ1の化合物のうち好ましい化合物は一般式(A)、一般式(B)、一般式(1)、一般式(2)または一般式(3)で表される。
【0286】
一般式(A)
【化58】
【0287】
一般式(B)
【化59】
【0288】
一般式(A)においてRED11は1電子酸化され得る還元性基を表し、L11は脱離基を表す。R112は水素原子または置換基を表す。R111は炭素原子(C)およびRED11と共に、5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体、もしくはオクタヒドロ体に相当する環状構造を形成し得る非金属原子団を表す。
【0289】
一般式(B)においてRED12は1電子酸化され得る還元性基を表し、L12は脱離基を表す。R121およびR122は、それぞれ水素原子または置換基を表す。ED12は電子供与性基を表す。一般式(B)においてR121とRED12、R121とR122、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0290】
これら一般式(A)または一般式(B)で表される化合物は、RED11またはRED12で表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にL11またはL12を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0291】
一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)
【化60】
【0292】
一般式(1)においてZ1は窒素原子およびベンゼン環の2つの炭素原子と共に6員環を形成し得る原子団を表し、R1、R2、RN1はそれぞれ水素原子または置換基を表し、X1はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m1は0〜3の整数を表し、L1は脱離基を表す。一般式(2)においてED21は電子供与性基を表し、R11、R12、RN21、R13、R14はそれぞれ水素原子または置換基を表し、X21はベンゼン環に置換可能な置換基を表し、m21は0〜3の整数を表し、L21は脱離基を表す。RN21、R13、R14、X21およびED21は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。一般式(3)においてR32、R33、R31、RN31、Ra、Rbはそれぞれ水素原子または置換基を表し、L31は脱離基を表す。但しRN31がアリール基以外の基を表す時、RaおよびRbは互いに結合して芳香族環を形成する。
【0293】
これら化合物は1電子酸化された後、自発的にL1、L21、またはL31を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を2つ以上、好ましくは3つ以上放出し得る化合物である。
【0294】
以下、先ず一般式(A)で表される化合物について詳しく説明する。
一般式(A)においてRED11で表される1電子酸化され得る還元性基は、後述するR111と結合して特定の環形成をし得る基であり、具体的には次の1価基から環形成をするのに適切な箇所の水素原子1個を除いた2価基が挙げられる。例えば、アルキルアミノ基、アリールアミノ基(アニリノ基、ナフチルアミノ基等)、ヘテロ環アミノ基(ベンズチアゾリルアミノ基、ピロリルアミノ基等)、アルキルチオ基、アリールチオ基(フェニルチオ基等)、ヘテロ環チオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、ヘテロ環オキシ基、アリール基(フェニル基、ナフチル基、アントラニル基等)、芳香族または非芳香族のヘテロ環基(5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、セレン原子のうち少なくとも1つのヘテロ原子を含むヘテロ環で、その具体例としては、例えばテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環、インドリン環、インドール環、インダゾール環、カルバゾール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、ベンゾチアゾリン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、モルホリン環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、メチレンジオキシフェニル環等が挙げられる)である(以後、便宜上RED11は1価基名として記述する)。RED11は置換基を有していてもよい。
【0295】
本発明において置換基とは、特に説明がない限り、以下の基から選ばれる置換基を意味する。ハロゲン原子、アルキル基(アラルキル基、シクロアルキル基、活性メチン基等を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、カルボキシ基またはその塩、スルホニルカルバモイル基、アシルカルバモイル基、スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、チオカルバモイル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、アシルウレイド基、アシルスルファモイルアミノ基、ニトロ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、アシルスルファモイル基、スルホニルスルファモイル基またはその塩、リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基、等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0296】
RED11として好ましくは、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基であり、さらに好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)である。これらが置換基を有する時、置換基として好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基である。
但しRED11がアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。ここに「電子供与性基」とは、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(例えばインドリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、チアゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基など)、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基(ピロリジニル基、インドリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリノ基などで環状のアミノ基とも呼べる基)である。ここで活性メチン基とは2つの「電子求引性基」で置換されたメチン基を意味し、ここに「電子求引性基」とはアシル基、アルコシキカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基を意味する。ここで2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。
【0297】
一般式(A)においてL11は、具体的にはカルボキシ基もしくはその塩、シリル基、水素原子、トリアリールホウ素アニオン、トリアルキルスタニル基、トリアルキルゲルミル基、または−CRC1C2C3基を表す。ここにシリル基とは具体的にトリアルキルシリル基、アリールジアルキルシリル基、トリアリールシリル基などを表し、任意の置換基を有していてもよい。
【0298】
11がカルボキシ基の塩を表すとき、塩を形成するカウンターイオンとしてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられ、好ましくはアルカリ金属イオンまたはアンモニウムイオンであり、アルカリ金属イオン(特にLi+、Na+、K+イオン)が最も好ましい。
【0299】
11が−CRC1C2C3基を表す時、ここにRC1、RC2、RC3はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基を表し、これらが互いに結合して環状構造を形成していてもよく、さらに任意の置換基を有していてもよい。但し、RC1、RC2、RC3のうち1つが水素原子もしくはアルキル基を表す時、残る2つが水素原子もしくはアルキル基を表すことはない。RC1、RC2、RC3として好ましくは、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基(特にフェニル基)、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環基、アルコキシ基、ヒドロキシ基で、具体的にその例を挙げると、フェニル基、p−ジメチルアミノフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、メチルチオ基、フェニルチオ基、フェノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、ジメチルアミノ基、N−メチルアニリノ基、ジフェニルアミノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基、ヒドロキシ基などが挙げられる。またこれらが互いに結合して環状構造を形成する場合の例としては1,3−ジチオラン−2−イル基、1,3−ジチアン−2−イル基、N−メチル−1,3−チアゾリジン−2−イル基、N−ベンジル−ベンゾチアゾリジン−2−イル基などが挙げられる。
−CRC1C2C3基が、RC1、RC2、RC3についてそれぞれ上述した範囲内で選択された結果として、一般式(A)からL11を除いた残基と同じ基を表す場合もまた好ましい。
【0300】
一般式(A)においてL11は、好ましくはカルボキシ基またはその塩、および水素原子である。より好ましくはカルボキシ基またはその塩である。
【0301】
11が水素原子を表す時、一般式(A)で表される化合物は、分子内に内在する塩基部位を有していることが好ましい。この塩基部位の作用により、一般式(A)で表される化合物が酸化された後、L11で表される水素原子が脱プロトン化されて、ここからさらに電子が放出されるのである。
【0302】
ここに塩基とは、具体的に約1〜約10のpKaを示す酸の共役塩基である。例えば含窒素ヘテロ環類(ピリジン類、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール類、チアゾール類など)、アニリン類、トリアルキルアミン類、アミノ基、炭素酸類(活性メチレンアニオンなど)、チオ酢酸アニオン、カルボキシレート(−COO-)、サルフェート(−SO3 -)、またはアミンオキシド(>N+(O-)−)などが挙げられる。好ましくは約1〜約8のpKaを示す酸の共役塩基であり、カルボキシレート、サルフェート、またはアミンオキシドがより好ましく、カルボキシレートが特に好ましい。これらの塩基がアニオンを有する時、対カチオンを有していてもよく、その例としてはアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、重金属イオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。これら塩基は、任意の位置で一般式(A)で表される化合物に連結される。これら塩基部位が結合する位置としては、一般式(A)のRED11、R111、R112の何れでもよく、またこれらの基の置換基に連結していてもよい。
【0303】
一般式(A)においてR112は水素原子または炭素原子に置換可能な置換基を表す。但しR112がL11と同じ基を表すことはない。
112は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基(フェニル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基など)、ヒドロキシ基、アルキルチオ基(メチルチオ基、ブチルチオ基など)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、フェニル基、アルキルアミノ基である。
【0304】
一般式(A)においてR111が形成する環状構造とは、5員もしくは6員の芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体もしくはオクタヒドロ体に相当する環構造で、ここにヒドロ体とは、芳香族環(芳香族ヘテロ環を含む)に内在する炭素−炭素2重結合(または炭素−窒素2重結合)が部分的に水素化された環構造を意味し、テトラヒドロ体とは2つの、ヘキサヒドロ体とは3つの、オクタヒドロ体とは4つの、炭素−炭素2重結合(または炭素−窒素2重結合)が水素化された構造を意味する。水素化されることで芳香族環は、部分的に水素化された非芳香族の環構造となる。
具体的には、ピロリジン環、イミダゾリジン環、チアゾリジン環、ピラゾリジン環およびオキサゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラリン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、およびテトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環、オクタヒドロフェナントリジン環等が挙げられる。これらの環構造は任意の置換基を有していてもよい。
【0305】
111が形成する環状構造としてさらに好ましくは、ピロリジン環、イミダゾリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロピリミジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロカルバゾール環であり、特に好ましくは、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環、テトラヒドロキナゾリン環、テトラヒドロキノキサリン環であり、最も好ましくはピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロイソキノリン環である。
【0306】
一般式(B)においてRED12、L12は、それぞれ一般式(A)のRED11、L11に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。但し、RED12は下記の環状構造を形成する場合以外は1価基であり、具体的にはRED11で記載した1価基名の基が挙げられる。R121およびR122は一般式(A)のR112に同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。ED12は電子供与性基を表す。R121とRED12、R121とR122、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0307】
一般式(B)においてED12で表される電子供与性基とは、RED11がアリール基を表すときの置換基として説明した電子供与性基と同じものである。ED12として好ましくはヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、およびこれら電子供与性基で置換されたフェニル基であり、さらにヒドロキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、およびこれら電子供与性基で置換されたフェニル基(例えばp-ヒドロキシフェニル基、p-ジアルキルアミノフェニル基、o,p-ジアルコキシフェニル基等)がより好ましい。
【0308】
一般式(B)においてR121とRED12、R122とR121、またはED12とRED12とは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここで形成される環状構造とは、非芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であって、5員〜7員環の単環または縮合環で、置換もしくは無置換の環状構造である。R121とRED12とが環構造を形成するとき、その具体例としては、一般式(A)においてR111が形成する環状構造の例として挙げたものに加えて、ピロリン環、イミダゾリン環、チアゾリン環、ピラゾリン環、オキサゾリン環、インダン環、モルホリン環、インドリン環、テトラヒドロ-1,4-オキサジン環、2,3-ジヒドロベンゾ-1,4-オキサジン環、テトラヒドロ-1,4-チアジン環、2,3-ジヒドロベンゾ-1,4-チアジン環、2,3-ジヒドロベンゾフラン環、2,3-ジヒドロベンゾチオフェン環等が挙げられる。ED12とRED12とが環構造を形成するとき、ED12は好ましくはアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基を表し、形成される環構造の具体例としては、テトラヒドロピラジン環、ピペラジン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロイソキノリン環などが挙げられる。R122とR121とが環構造を形成するとき、その具体例としてはシクロヘキサン環、シクロペンタン環などが挙げられる。
【0309】
次に一般式(1)〜(3)について説明する。
一般式(1)〜(3)においてR1、R2、R11、R12、R31は、一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。L1、L21、L31は、一般式(A)のL11について説明した中で具体例として挙げた基と同じ脱離基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。X1、X21で表される置換基としては、一般式(A)のRED11が置換基を有する時の置換基の例と同じであり、好ましい範囲も同じである。m1、m21は好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは0または1である。
【0310】
N1、RN21、RN31が置換基を表す時、置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロ環基が好ましく、これらはさらに任意の置換基を有していてもよい。RN1、RN21、RN31は水素原子、アルキル基またはアリール基が好ましく、水素原子またはアルキル基がより好ましい。
【0311】
13、R14、R33、Ra、Rbが置換基を表す時、置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基などである。
【0312】
一般式(1)においてZ1が形成する6員環は、一般式(1)のベンゼン環と縮合した非芳香族のヘテロ環であり、具体的には縮合するベンゼン環も含めた環構造としてテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、テトラヒドロキナゾリン環であり、好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環である。これらは置換基を有していてもよい。
【0313】
一般式(2)においてED21は、一般式(B)のED12と同義の基であり、その好ましい範囲もまた同じである。
【0314】
一般式(2)においてRN21、R13、R14、X21およびED21のいずれか2つは、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。ここでRN21とX21が結合して形成される環状構造とは、好ましくはベンゼン環と縮合した5員〜7員の非芳香族の炭素環もしくはヘテロ環であって、その具体例としては、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環、2,3−ジヒドロ−5,6−ベンゾ−1,4−チアジン環などが挙げられる。好ましくはテトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノキサリン環、インドリン環である。
【0315】
一般式(3)においてRN31がアリール基以外の基を表す時、RaおよびRbは互いに結合して芳香族環を形成する。ここに芳香族環とはアリール基(例えばフェニル基、ナフチル基)および芳香族ヘテロ環基(例えばピリジン環基、ピロール環基、キノリン環基、インドール環基など)であり、アリール基が好ましい。該芳香族環基は任意の置換基を有していてもよい。
一般式(3)においてRaおよびRbは、互いに結合して芳香族環(特にフェニル基)を形成する場合が好ましい。
【0316】
一般式(3)においてR32は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アミノ基などであり、ここにR32がヒドロキシ基を表す時、同時にR33が「電子求引性基」を表す場合も好ましい例の1つである。ここに「電子求引性基」とは、先に説明したものと同じであり、アシル基、アルコシキカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基が好ましい。
【0317】
次にタイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物において「結合開裂反応」とは炭素−炭素、炭素−ケイ素、炭素−水素、炭素−ホウ素、炭素−スズ、炭素−ゲルマニウムの各元素間の結合の開裂を意味し、炭素−水素結合の開裂がこれに付随してもよい。
【0318】
タイプ2の化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基を2つ以上(好ましくは2〜6つ、より好ましくは2〜4つ)有する化合物である。より好ましくは2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。吸着性基の数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2〜4が良い。吸着性基については後述する。
【0319】
タイプ2の化合物のうち好ましい化合物は一般式(C)で表される。
【0320】
一般式(C)
【化61】
【0321】
ここに一般式(C)で表される化合物は、RED2で表される還元性基が1電子酸化された後、自発的にL2を結合開裂反応により離脱することで、これに伴いさらに電子を1つ放出し得る化合物である。
【0322】
一般式(C)においてRED2は一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。L2は一般式(A)のL11について説明したのと同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。なおL2がシリル基を表す時、該化合物は分子内に、2つ以上のメルカプト基で置換された含窒素ヘテロ環基を吸着性基として有する化合物である。R21、R22は水素原子または置換基を表し、これらは一般式(A)のR112と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。RED2とR21とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0323】
ここで形成される環構造とは、5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、非芳香族の炭素環またはヘテロ環であり、置換基を有していてもよい。但し該環構造が、芳香族環または芳香族ヘテロ環のテトラヒドロ体、ヘキサヒドロ体もしくはオクタヒドロ体に相当する環構造であることはない。環構造として好ましくは、芳香族環または芳香族ヘテロ環のジヒドロ体に相当する環構造で、その具体例としては、例えば2−ピロリン環、2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,4−ジヒドロピリジン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、2,3−ジヒドロベンゾチオフェン環、2,3−ジヒドロベンゾフラン環、ベンゾ−α−ピラン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などが挙げられ、好ましくは2−イミダゾリン環、2−チアゾリン環、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、ベンゾオキサゾリン環、1,2−ジヒドロピリジン環、1,2−ジヒドロキノリン環、1,2−ジヒドロキナゾリン環、1,2−ジヒドロキノキサリン環などであり、インドリン環、ベンゾイミダゾリン環、ベンゾチアゾリン環、1,2−ジヒドロキノリン環がより好ましく、インドリン環が特に好ましい。
【0324】
次にタイプ3の化合物について説明する。
タイプ3の化合物において「結合形成過程」とは炭素−炭素、炭素−窒素、炭素−硫黄、炭素−酸素などの原子間結合の形成を意味する。
【0325】
タイプ3の化合物は好ましくは、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続いて分子内に共存する反応性基部位(炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位)と反応して結合を形成した後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得ることを特徴とする化合物である。
【0326】
さらに詳細に述べるとタイプ3の化合物は、1電子酸化されて生成するその1電子酸化体(カチオンラジカル種、またはそこからプロトンの脱離により生成する中性のラジカル種)が、同じ分子内に共存する上記反応性基と反応し、結合を形成して、分子内に新たに環構造を有するラジカル種を生成する。そしてこのラジカル種から、直接もしくはプロトンの脱離を伴って、2電子目の電子が放出される特徴を有している。
そしてさらにタイプ3の化合物の中には、そうして生成した2電子酸化体がその後、ある場合には加水分解反応を受けた後に、またある場合には直接プロトンの移動を伴なう互変異性化反応を起して、そこからさらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する場合がある。あるいはまたこうした互変異性化反応を経由せずに直接2電子酸化体から、さらに1電子以上、通常2電子以上の電子を放出する能力を有しているものも含まれる。
【0327】
タイプ3の化合物は好ましくは、一般式(D)で表される。
【0328】
一般式(D)
【化62】
【0329】
一般式(D)においてRED3は1電子酸化され得る還元性基を表し、Y3はRED3が1電子酸化された後に反応する反応性基部位を表し、具体的には炭素−炭素2重結合部位、炭素−炭素3重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す。L3はRED3とY3とを連結する連結基を表す。
【0330】
RED3は一般式(B)のRED12と同義の基を表し、好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基(特に含窒素ヘテロ環基が好ましい)であり、さらに好ましくはアリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アリール基、芳香族または非芳香族のヘテロ環基であり、このうちヘテロ環基に関しては、テトラヒドロキノリン環基、テトラヒドロキノキサリン環基、テトラヒドロキナゾリン環基、インドリン環基、インドール環基、カルバゾール環基、フェノキサジン環基、フェノチアジン環基、ベンゾチアゾリン環基、ピロール環基、イミダゾール環基、チアゾール環基、ベンゾイミダゾール環基、ベンゾイミダゾリン環基、ベンゾチアゾリン環基、3,4-メチレンジオキシフェニル-1-イル基などが好ましい。
RED3として特に好ましくはアリールアミノ基(特にアニリノ基)、アリール基(特にフェニル基)、芳香族または非芳香族のヘテロ環基である。
【0331】
ここでRED3がアリール基を表す時、アリール基は少なくとも1つの「電子供与性基」を有していることが好ましい。「電子供与性基」は先に説明したものと同じである。
【0332】
RED3がアリール基を表す時、そのアリール基の置換基としてより好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、スルホンアミド基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、活性メチン基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基であり、最も好ましくはアルキルアミノ基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基である。
【0333】
3で表される炭素−炭素2重結合部位を含む有機基(例えばビニル基)が置換基を有するとき、その置換基として好ましくは、アルキル基、フェニル基、アシル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などであり、ここに電子供与性基として好ましくは、アルコキシ基、ヒドロキシ基(シリル基で保護されていてもよく、例えばトリメチルシリルオキシ基、t-ブチルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、フェニルジメチルシリルオキシ基などが挙げられる)、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、スルホンアミド基、活性メチン基、メルカプト基、アルキルチオ基、およびこれら電子供与性基を置換基に有するフェニル基である。
【0334】
なおここで炭素−炭素2重結合部位を含む有機基が置換基としてヒドロキシ基を有する時、Y3は右記部分構造:>C1=C2(−OH)−を含むことになるが、これは互変異性化して右記部分構造:>C1H−C2(=O)−となっていても良い。さらにこの場合に、該C1炭素に置換する置換基が電子求引性基である場合もまた好ましく、この場合Y3は「活性メチレン基」または「活性メチン基」の部分構造を有することになる。このような活性メチレン基または活性メチン基の部分構造を与え得る電子求引性基とは、上述の「活性メチン基」の説明の中で説明したものと同じである。
【0335】
3で表される炭素−炭素3重結合部位を含む有機基(例えばエチニル基)が置換基を有するとき、その置換基としてはアルキル基、フェニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、電子供与基などが好ましい。
【0336】
3が芳香族基部位を含む有機基を表す時、芳香族基として好ましくは電子供与性基を置換基として有するアリール基(特にフェニル基が好ましい)またはインドール環基で、ここに電子供与性基として好ましくは、ヒドロキシ基(シリル基で保護ざれていてもよい)、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、活性メチン基、スルホンアミド基、メルカプト基である。
【0337】
3がベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基部位を含む有機基を表す時、ベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基として好ましくはアニリン構造を部分構造として内在するもので、例えば、インドリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環基、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン環基、4−キノロン環基などが挙げられる。
【0338】
3で表される反応性基としてより好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、芳香族基部位、またはベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基を含む有機基である。さらに好ましくは、炭素−炭素2重結合部位、電子供与性基を置換基として有するフェニル基、インドール環基、アニリン構造を部分構造として内在するベンゾ縮環の非芳香族ヘテロ環基である。ここに炭素−炭素2重結合部位は少なくとも1つの電子供与性基を置換基として有することがより好ましい。
【0339】
3で表される反応性基が、これまでに説明した範囲から選択された結果として、RED3で表される還元性基と同じ部分構造を有する場合もまた、一般式(D)で表される化合物の好ましい例である。
【0340】
3は、RED3とY3とを連結する連結基を表し、具体的には単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−NRN−、−C(=O)−、−SO2−、−SO−、−P(=O)−の各基の単独、またはこれらの基の組み合わせからなる基を表す。ここにRNは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。L3で表される連結基は任意の置換基を有していてもよい。L3で表される連結基は、RED3およびY3で表される基の任意の位置で、それぞれの任意の1個の水素原子と置換する形で、連結され得る。
3の好ましい例としては、単結合、アルキレン基(特にメチレン基、エチレン基、プロピレン基)、アリーレン基(特にフェニレン基)、−C(=O)−基、−O−基、−NH−基、−N(アルキル基)−基、およびこれらの基の組み合わせからなる2価の連結基が挙げられる。
【0341】
3で表される基は、RED3が酸化されて生成するカチオンラジカル種(X+・)、またはそこからプロトンの脱離を伴って生成するラジカル種(X・)と、Y3で表される反応性基とが反応して結合形成する際、これに関わる原子団が、L3を含めて3〜7員の環状構造を形成しうることが好ましい。この為にはラジカル種(X+・またはX・)、Yで表される反応性基、およびLが、3〜7個の原子団で連結されていることが好ましい。
【0342】
次にタイプ4の化合物について説明する。
タイプ4の化合物は還元性基の置換した環構造を有する化合物であり、該還元性基が1電子酸化された後、環構造の開裂反応を伴ってさらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出しうる化合物である。ここで言う環構造の開裂反応とは、下記で表される形式のものを意味する。
【0343】
【化63】
【0344】
式中、化合物aはタイプ4の化合物を表す。化合物a中、Dは還元性基を表し、X、Yは環構造中の1電子酸化後に開裂する結合を形成している原子を表す。まず化合物aが1電子酸化されて 1電子酸化体bを生成する。ここからD−Xの単結合が2重結合になると同時にX−Yの結合が切断され開環体cが生成する。あるいはまた1電子酸化体bからプロトンの脱離を伴ってラジカル中間体dが生成し、ここから同様に開環体eを生成する経路をとる場合もある。このように生成した開環体cまたはeから、引き続きさらに1つ以上の電子が放出される点に本発明の化合物の特徴がある。
【0345】
タイプ4の化合物が有する環構造とは、3〜7員環の炭素環またはヘテロ環であり、単環もしくは縮環の、飽和もしくは不飽和の非芳香族の環を表す。好ましくは飽和の環構造であり、より好ましくは3員環あるいは4員環である。好ましい環構造としてはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アジリジン環、アゼチジン環、エピスルフィド環、チエタン環が挙げられる。より好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、オキシラン環、オキセタン環、アゼチジン環であり、特に好ましくはシクロプロパン環、シクロブタン環、アゼチジン環である。環構造は任意の置換基を有していても良い。
【0346】
タイプ4の化合物は好ましくは一般式(E)または(F)で表される。
【0347】
一般式(E)
【化64】
【0348】
一般式(F)
【化65】
【0349】
一般式(E)および一般式(F)においてRED41およびRED42は、それぞれ一般式(B)のRED12と同義の基を表し、その好ましい範囲もまた同じである。R40〜R44およびR45〜R49は、それぞれ水素原子または置換基を表す。一般式(F)においてZ42は、−CR420421−、−NR423−、または−O−を表す。ここにR420、R421は、それぞれ水素原子または置換基を表し、R423は水素原子、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表す。
【0350】
一般式(E)および一般式(F)においてR40およびR45は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、水素原子、アルキル基、アリール基がより好ましい。R41〜R44およびR46〜R49として好ましくは水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アリールチオ基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。
【0351】
41〜R44は、これらのうち少なくとも1つがドナー性基である場合と、R41とR42、あるいはR43とR44がともに電子求引性基である場合が好ましい。より好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基である場合である。さらに好ましくはR41〜R44の少なくとも1つがドナー性基であり且つ、R41〜R44の中でドナー性基でない基が水素原子またはアルキル基である場合である。
【0352】
ここで言うドナー性基とは、「電子供与性基」、または少なくとも1つの「電子供与性基」で置換されたアリール基である。ドナー性基として好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基、窒素原子で置換する非芳香族含窒素ヘテロ環基、少なくとも1つの電子供与性基で置換されたフェニル基が用いられる。より好ましくはアルキルアミノ基、アリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(インドール環、ピロール環、カルバゾール環など)、電子供与性基で置換されたフェニル基(3つ以上のアルコキシ基で置換されたフェニル基、ヒドロキシ基またはアルキルアミノ基またはアリールアミノ基で置換されたフェニル基など)が用いられる。 特に好ましくはアリールアミノ基、窒素原子を環内に少なくとも1つ含む5員の、単環もしくは縮合環の、電子過剰な芳香族ヘテロ環基(特に3−インドリル基)、電子供与性基で置換されたフェニル基(特にトリアルコキシフェニル基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基で置換されたフェニル基)が用いられる。
【0353】
42として好ましくは−CR420421−または−NR423−であり、より好ましくは−NR423−である。R420、R421は好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシルアミノ基、スルホンアミノ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基である。R423は好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基を表し、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。
【0354】
40〜R49およびR420、R421、R423の各基が置換基である場合にはそれぞれ総炭素数が40以下のものが好ましく、より好ましくは総炭素数30以下で、特に好ましくは総炭素数15以下である。またこれらの置換基は互いに結合して、あるいは分子中の他の部位(RED41、RED42あるいはZ42)と結合して環を形成していても良い。
【0355】
本発明のタイプ1〜4の化合物においてハロゲン化銀への吸着性基とは、ハロゲン化銀に直接吸着する基、またはハロゲン化銀への吸着を促進する基であり、具体的には、メルカプト基(またはその塩)、チオン基(−C(=S)−)、窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基、スルフィド基、カチオン性基、またはエチニル基である。但し、本発明のタイプ2の化合物においては、吸着性基としてスルフィド基は含まれない。
【0356】
吸着性基としてメルカプト基(またはその塩)とは、メルカプト基(またはその塩)そのものを意味すると同時に、より好ましくは、少なくとも1つのメルカプト基(またはその塩)の置換したヘテロ環基またはアリール基またはアルキル基を表す。ここにヘテロ環基は、5員〜7員の、単環もしくは縮合環の、芳香族または非芳香族のヘテロ環基で、例えばイミダゾール環基、チアゾール環基、オキサゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズチアゾール環基、ベンズオキサゾール環基、トリアゾール環基、チアジアゾール環基、オキサジアゾール環基、テトラゾール環基、プリン環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリミジン環基、トリアジン環基等が挙げられる。また4級化された窒素原子を含むヘテロ環基でもよく、この場合、置換したメルカプト基が解離してメソイオンとなっていてもよく、この様なヘテロ環基の例としてはイミダゾリウム環基、ピラゾリウム環基、チアゾリウム環基、トリアゾリウム環基、テトラゾリウム環基、チアジアゾリウム環基、ピリジニウム環基、ピリミジニウム環基、トリアジニウム環基などが挙げられ、中でもトリアゾリウム環基(例えば1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート環基)が好ましい。アリール基としてはフェニル基またはナフチル基が挙げられる。アルキル基としては炭素数1〜30の直鎖または分岐または環状のアルキル基が挙げられる。メルカプト基が塩を形成するとき、対イオンとしてはアルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などのカチオン(Li+、Na+、K+、Mg2+、Ag+、Zn2+等)、アンモニウムイオン、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基、ホスホニウムイオンなどが挙げられる。
【0357】
吸着性基としてのメルカプト基はさらにまた、互変異性化してチオン基となっていてもよく、具体的にはチオアミド基(ここでは−C(=S)−NH−基)、および該チオアミド基の部分構造を含む基、すなわち、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基などが挙げられる。ここで環状の例としてはチアゾリジン−2−チオン基、オキサゾリジン−2−チオン基、2−チオヒダントイン基、ローダニン基、イソローダニン基、チオバルビツール酸基、2−チオキソ−オキサゾリジン−4−オン基などが挙げられる。
【0358】
吸着性基としてチオン基とは、上述のメルカプト基が互変異性化してチオン基となった場合を含め、メルカプト基に互変異性化できない(チオン基のα位に水素原子を持たない)、鎖状もしくは環状のチオアミド基、チオウレイド基、チオウレタン基、またはジチオカルバミン酸エステル基も含まれる。
【0359】
吸着性基として窒素原子、硫黄原子、セレン原子およびテルル原子から選ばれる少なくとも1つの原子を含むヘテロ環基とは、イミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基、または配位結合で銀イオンに配位し得る、"−S−"基または"−Se−"基または"−Te−"基または"=N−"基をヘテロ環の部分構造として有するヘテロ環基で、前者の例としてはベンゾトリアゾール基、トリアゾール基、インダゾール基、ピラゾール基、テトラゾール基、ベンズイミダゾール基、イミダゾール基、プリン基などが、後者の例としてはチオフェン基、チアゾール基、オキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、チアジアゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、セレノアゾール基、ベンズセレノアゾール基、テルルアゾール基、ベンズテルルアゾール基などが挙げられる。好ましくは前者である。
【0360】
吸着性基としてスルフィド基とは、"−S−"の部分構造を有する基すべてが挙げられるが、好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−S−アルキル(またはアルキレン)、アリール(またはアリーレン)−S−アリール(またはアリーレン)の部分構造を有する基である。さらにこれらのスルフィド基は、環状構造を形成していてもよく、また−S−S−基となっていてもよい。環状構造を形成する場合の具体例としてはチオラン環、1,3−ジチオラン環または1,2−ジチオラン環、チアン環、ジチアン環、テトラヒドロ−1,4−チアジン環(チオモルホリン環)などを含む基が挙げられる。スルフィド基として特に好ましくはアルキル(またはアルキレン)−S−アルキル(またはアルキレン)の部分構造を有する基である。
【0361】
吸着性基としてカチオン性基とは、4級化された窒素原子を含む基を意味し、具体的にはアンモニオ基または4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基を含む基である。但し、該カチオン性基が色素構造を形成する原子団(例えばシアニン発色団)の一部となることはない。ここにアンモニオ基とは、トリアルキルアンモニオ基、ジアルキルアリールアンモニオ基、アルキルジアリールアンモニオ基などで、例えばベンジルジメチルアンモニオ基、トリヘキシルアンモニオ基、フェニルジエチルアンモニオ基などが挙げられる。4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基とは、例えばピリジニオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基、イミダゾリオ基などが挙げられる。好ましくはピリジニオ基およびイミダゾリオ基であり、特に好ましくはピリジニオ基である。これら4級化された窒素原子を含む含窒素ヘテロ環基は任意の置換基を有していてもよいが、ピリジニオ基およびイミダゾリオ基の場合、置換基として好ましくはアルキル基、アリール基、アシルアミノ基、クロル原子、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基などが挙げられ、ピリジニオ基の場合、置換基として特に好ましくはフェニル基である。
【0362】
吸着性基としてエチニル基とは、−C≡CH基を意味し、水素原子は置換されていてもよい。
上記の吸着性基は任意の置換基を有していてもよい。
【0363】
なお吸着性基の具体例としては、さらに特開平11−95355号の明細書4〜7頁に記載されているものが挙げられる。
【0364】
本発明において吸着性基として好ましいものは、メルカプト置換含窒素ヘテロ環基(例えば2−メルカプトチアジアゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、5−メルカプトテトラゾール基、2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール基、2−メルカプトベンズオキサゾール基、2−メルカプトベンズチアゾール基、1,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾリウム−3−チオレート基など)、またはイミノ銀(>NAg)を形成しうる−NH−基をヘテロ環の部分構造として有する含窒素ヘテロ環基(例えば、ベンゾトリアゾール基、ベンズイミダゾール基、インダゾール基など)である。特に好ましくは、5−メルカプトテトラゾール基、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、およびベンゾトリアゾール基であり、最も好ましいのは、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール基、および5−メルカプトテトラゾール基である。
【0365】
本発明の化合物のうち、分子内に2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する化合物もまた特に好ましい化合物である。ここにメルカプト基(−SH)は、互変異性化できる場合にはチオン基となっていてもよい。この様な化合物の例としては、以上述べてきたメルカプト基もしくはチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えば環形成チオアミド基、アルキルメルカプト基、アリールメルカプト基、ヘテロ環メルカプト基など)を分子内に2つ以上有する化合物であってもよいし、また吸着性基の中で、2つ以上のメルカプト基またはチオン基を部分構造として有する吸着性基(例えばジメルカプト置換含窒素テロ環基)を、1つ以上有していてもよい。
【0366】
2つ以上のメルカプト基を部分構造として有する吸着性基(ジメルカプト置換含窒素テロ環基など)の例としては、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−チアゾール基、2,5−ジメルカプト−1,3−オキサゾール基、2,7−ジメルカプト−5−メチル−s−トリアゾロ(1,5−A)−ピリミジン、2,6,8−トリメルカプトプリン、6,8−ジメルカプトプリン、3,5,7−トリメルカプト−s−トリアゾロトリアジン、4,6−ジメルカプトピラゾロピリミジン、2,5−ジメルカプトイミダゾールなどが挙げられ、2,4−ジメルカプトピリミジン基、2,4−ジメルカプトトリアジン基、3,5−ジメルカプト−1,2,4−トリアゾール基が特に好ましい。
【0367】
吸着性基は一般式(A)〜(F)および一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED2、RED3に、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR1、R2、R11、R12、R31、L1、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。
【0368】
分光増感色素の部分構造とは分光増感色素の発色団を含む基であり、分光増感色素化合物から任意の水素原子または置換基を除いた残基である。分光増感色素の部分構造は一般式(A)〜(F)および一般式(1)〜(3)のどこに置換されていてもよいが、一般式(A)〜(D)においてはRED11、RED12、RED2、RED3に、一般式(E)、(F)においてはRED41、R41、RED42、R46〜R48に、一般式(1)〜(3)においてはR1、R2、R11、R12、R31、L1、L21、L31を除く任意の位置に置換されていることが好ましく、さらに一般式(A)〜(F)全てでRED11〜RED42に置換されていることがより好ましい。好ましい分光増感色素は、典型的にカラー増感技法で用いられる分光増感色素であり、例えばシアニン色素類、複合シアニン色素類、メロシアニン色素類、複合メロシアニン色素類、同極のシアニン色素類、スチリル色素類、ヘミシアニン色素類を含む。代表的な分光増感色素は、リサーチディスクロージャー、アイテム36544、1994年9月に開示されている。前記リサーチディスクロージャー、もしくはF.M.HamerのThe Cyanine dyes and Related Compounds (Interscience Publishers, New yprk, 1964)に記載される手順によって当業者は、これらの色素を合成することができる。さらに特開平11−95355号(米国特許6,054,260号)の明細書7〜14頁に記載された色素類が全てそのまま当てはまる。
【0369】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、その総炭素数が10〜60の範囲のものが好ましい。より好ましくは15〜50、さらに好ましくは18〜40であり、特に好ましくは18〜30である。
【0370】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、これを用いたハロゲン化銀写真感光材料が露光されることを引き金に1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子、あるいはタイプによっては2電子以上の電子が放出され、酸化されるが、その1電子目の酸化電位は、約1.4V以下が好ましく、さらには1.0V以下が好ましい。この酸化電位は好ましくは0Vより高く、より好ましくは0.3Vより高い。従って酸化電位は好ましくは約0〜約1.4V、より好ましくは約0.3〜約1.0Vの範囲である。
【0371】
ここに酸化電位はサイクリックボルタンメトリーの技法で測定でき、具体的には試料をアセトニトリル:水(0.1Mの過塩素酸リチウムを含む)=80%:20%(容量%)の溶液に溶解し、10分間窒素ガスを通気した後、ガラス状のカーボンディスクを動作電極に用い、プラチナ線を対電極に用い、そしてカロメル電極(SCE)を参照電極に用いて、25℃で、0.1V/秒の電位走査速度で測定したものである。サイクリックボルタンメトリー波のピーク電位の時に酸化電位対SCEをとる。
【0372】
本発明のタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに1電子を放出する化合物である場合には、この後段の酸化電位は好ましくは−0.5V〜−2Vであり、より好ましくは−0.7V〜−2Vであり、さらに好ましくは−0.9V〜−1.6Vである。
【0373】
本発明のタイプ1〜4の化合物が1電子酸化され、引き続く反応の後、さらに2電子以上の電子を放出し、酸化される化合物である場合には、この後段の酸化電位については特に制限はない。2電子目の酸化電位と3電子目以降の酸化電位が明確に区別できない点で、これらを実際に正確に測定し区別することは困難な場合が多いためである。
【0374】
次にタイプ5の化合物について説明する。
タイプ5の化合物はX−Yで表され、ここにXは還元性基を、Yは脱離基を表し、Xで表される還元性基が1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続くX−Y結合の開裂反応を伴ってYを脱離してXラジカルを生成し、そこからさらにもう1電子を放出し得る化合物である。この様なタイプ5の化合物が酸化された時の反応は、以下の式で表すことができる。
【0375】
【化66】
【0376】
タイプ5の化合物は好ましくはその酸化電位が0〜1.4Vであり、より好ましくは0.3V〜1.0Vである。また上記反応式において生成するラジカルX・の酸化電位は−0.7V〜−2.0Vであることが好ましく、−0.9V〜−1.6Vがより好ましい。
【0377】
タイプ5の化合物は、好ましくは一般式(G)で表される。
【0378】
一般式(G)
【化67】
【0379】
一般式(G)においてRED0は還元性基を表し、L0は脱離基を表し、R0およびR00は水素原子または置換基を表す。RED0 とR0、およびR0とR00とは互いに結合して環構造を形成していてもよい。RED0は一般式(C)のRED2と同義の基を表し、その好ましい範囲も同じである。R0およびR00は一般式(C)のR21およびR22と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。但しR0およびR00が、水素原子を除いて、L0と同義の基を表すことはない。RED0とR0とは互いに結合して環構造を形成していてもよく、ここに環構造の例としては、一般式(C)のRED2とR21が連結して環構造を形成する場合と同じ例が挙げられ、その好ましい範囲も同じである。R0とR00とが互いに結合して形成される環構造の例としては、シクロペンタン環やテトラヒドロフラン環などが挙げられる。一般式(G)においてL0は、一般式(C)のL2と同義の基であり、その好ましい範囲も同じである。
【0380】
一般式(G)で表される化合物は分子内にハロゲン化銀への吸着性基、もしくは分光増感色素の部分構造を有していることが好ましいが、L0がシリル基以外の基を表す時、分子内に吸着性基を同時に2つ以上有することはない。但しここで吸着性基としてのスルフィド基は、L0に依らず、これを2つ以上有していてもよい。
【0381】
一般式(G)で表される化合物が有するハロゲン化銀への吸着性基としては、本発明のタイプ1〜4の化合物が有していてもよい吸着性基と同じものがその例として挙げられるが、さらに加えて、特開平11−95355号の明細書4〜7頁に「ハロゲン化銀吸着基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
一般式(G)で表される化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造とは、本発明のタイプ1〜4の化合物が有していてもよい分光増感色素の部分構造と同じであるが、同時に特開平11−95355号の明細書7〜14頁に「光吸収性基」として記載されているもの全てが挙げられ、好ましい範囲も同じである。
【0382】
以下に本発明のタイプ1〜5の化合物の具体例を列挙するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0383】
【化68】
【0384】
【化69】
【0385】
【化70】
【0386】
【化71】
【0387】
本発明のタイプ1〜4の化合物は、それぞれ特願2002−192373号、特願2002−188537号、特願2002−188536号、特願2001−272137号、特願2002−192374号において、詳細に説明した化合物と同じものである。これら特許出願明細書に記載した具体的化合物例もまた、本発明のタイプ1〜4の化合物の具体例として挙げることができる。また本発明のタイプ1〜4の化合物の合成例も、これら特許に記載したものと同じである。
【0388】
本発明のタイプ5の化合物の具体例としては、さらに特開平9−211769号(28〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などの特許に記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物の例が、そのまま挙げられる。
【0389】
本発明のタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀乳剤調製時、熱現像感光材料製造工程中のいかなる場合にも使用しても良い。例えば感光性ハロゲン化銀粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前などである。またこれらの工程中の複数回に分けて添加することも出来る。添加位置として好ましくは、感光性ハロゲン化銀粒子形成終了時から脱塩工程の前、化学増感時(化学増感開始直前から終了直後)、塗布前であり、より好ましくは化学増感時から非感光性有機銀塩と混合される前までである。
【0390】
本発明のタイプ1〜5の化合物は水、メタノール、エタノールなどの水可溶性溶媒またはこれらの混合溶媒に溶解して添加することが好ましい。水に溶解する場合、pHを高くまたは低くした方が溶解度が上がる化合物については、pHを高くまたは低くして溶解し、これを添加しても良い。
【0391】
本発明のタイプ1〜5の化合物は感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する乳剤層中に使用するのが好ましいが、感光性ハロゲン化銀と非感光性有機銀塩を含有する乳剤層と共に保護層や中間層に添加しておき、塗布時に拡散させてもよい。本発明の化合物の添加時期は増感色素の前後を問わず、それぞれ好ましくはハロゲン化銀1モル当り、1×10-9〜5×10-1モル、更に好ましくは1×10-8〜5×10-2モルの割合でハロゲン化銀乳剤層に含有する。
【0392】
(バインダーの説明)
本発明の有機銀塩含有層のバインダーはいかなるポリマーを使用してもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0393】
本発明では、有機銀塩を含有する層に併用できるバインダーのガラス転移温度は0℃以上80℃以下である(以下、高Tgバインダーということあり)ことが好ましく、10℃〜70℃であることがより好ましく、15℃以上60℃以下であることが更に好ましい。
【0394】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算した。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、 Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley-Interscience、1989))の値を採用した。
【0395】
バインダーは必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲にはいることが好ましい。
【0396】
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布、乾燥して被膜を形成させることが好ましい。
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0397】
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0398】
なお、ポリマーが熱力学的に溶解しておらず、いわゆる分散状態で存在している系の場合にも、ここでは水系溶媒という言葉を使用する。
【0399】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率=[(W1-W0)/W0]×100(質量%)
【0400】
含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0401】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0402】
本発明においては水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどいずれでもよいが、ラテックス分散した粒子がより好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、好ましくは5〜1000nmの範囲で、より好ましくは10〜500nmの範囲、さらに好ましくは50〜200nmの範囲である。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。単分散の粒径分布を持つものを2種以上混合して使用することも塗布液の物性を制御する上で好ましい使用法である。
【0403】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラッテクスは特に好ましく使用される。
【0404】
(ラテックスの具体例)
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0405】
P-1;-MMA(70)-EA(27)-MAA(3)-のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
P-2;-MMA(70)-2EHA(20)-St(5)-AA(5)-のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
P-3;-St(50)-Bu(47)-MAA(3)-のラテックス(架橋性、Tg-17℃)
P-4;-St(68)-Bu(29)-AA(3)-のラテックス(架橋性、Tg17℃)
P-5;-St(71)-Bu(26)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg24℃)
P-6;-St(70)-Bu(27)-IA(3)-のラテックス(架橋性)
P-7;-St(75)-Bu(24)-AA(1)-のラテックス(架橋性、Tg29℃)
P-8;-St(60)-Bu(35)-DVB(3)-MAA(2)-のラテックス(架橋性)
P-9;-St(70)-Bu(25)-DVB(2)-AA(3)-のラテックス(架橋性)
P-10;-VC(50)-MMA(20)-EA(20)-AN(5)-AA(5)-のラテックス(分子量80000)
P-11;-VDC(85)-MMA(5)-EA(5)-MAA(5)-のラテックス(分子量67000)
P-12;-Et(90)-MAA(10)-のラテックス(分子量12000)
P-13;-St(70)-2EHA(27)-AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
P-14;-MMA(63)-EA(35)- AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
P-15;-St(70.5)-Bu(26.5)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg23℃)
P-16;-St(69.5)-Bu(27.5)-AA(3)-のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0406】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート,EA ;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸,2EHA;2-エチルヘキシルアクリレート,St;スチレン,Bu;ブタジエン,AA;アクリル酸,DVB;ジビニルベンゼン,VC;塩化ビニル,AN;アクリロニトリル,VDC;塩化ビニリデン,Et;エチレン,IA;イタコン酸。
【0407】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA-4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD-size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以 上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
【0408】
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0409】
(好ましいラテックス)
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン-ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン-ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。また、本発明のポリマーラッテクスはアクリル酸またはメタクリル酸をスチレンとブタジエンの和に対して1〜6質量%含有することが好ましく、より好ましくは2〜5質量%含有する。本発明のポリマーラテックスはアクリル酸を含有することが好ましい。
【0410】
本発明に用いることが好ましいスチレン-ブタジエン酸共重合体のラテックスとしては、前記のP-3〜P-8,15、市販品であるLACSTAR-3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0411】
本発明の感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0412】
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスを用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、より好ましくは1/3〜5/1の範囲、さらに好ましくは1/1〜3/1の範囲である。
【0413】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲である。
【0414】
本発明の画像形成層の全バインダー量は好ましくは0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2、さらに好ましくは2〜10g/m2の範囲である。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
(好ましい塗布液の溶媒)
【0415】
本発明において感光材料の有機銀塩含有層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。塗布液の溶媒の水含有率は50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が好ましい。好ましい溶媒組成の例を挙げると、水の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0416】
(水素結合性化合物の説明)
本発明における還元剤が芳香族性の水酸基(−OH)やアミノ基を有する場合、特に前述のビスフェノール類の場合には、これらの基と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。水酸基またはアミノ基と水素結合を形成する基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
本発明で、特に好ましい水素結合性の化合物は下記一般式(D)で表される化合物である。
一般式(D)
【0417】
【化72】
【0418】
一般式(D)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
【0419】
21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0420】
21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
以下に本発明における一般式(D)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0421】
【化73】
【0422】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に欧州特許1096310号明細書、特開2002-156727号、特願2001-124796号に記載のものがあげられる。
本発明の一般式(D)の化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができるが、固体分散物として使用することが好ましい。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基、アミノ基を有する化合物と水素結合性の錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の一般式(D)の化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
本発明の一般式(D)の化合物は還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは20〜100モル%の範囲である。
【0423】
(かぶり防止剤の説明)
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体は特開平10-62899号の段落番号0070、欧州特許公開第0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9-281637号、同9-329864号記載の化合物、米国特許6,083,681号、同6,083,681号、欧州特許1048975号に記載の化合物が挙げられる。また、本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤は有機ハロゲン化物であり、これらについては、特開平11-65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特開2000-284399号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10-339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特開2001-31644号および特開2001-33911号に記載の有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0424】
1)ポリハロゲン化合物
以下、本発明で好ましい有機ポリハロゲン化合物について具体的に説明する。本発明の好ましいポリハロゲン化合物は下記一般式(H)で表される化合物である。
一般式(H)
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
一般式(H)においてQは好ましくはアリール基またはヘテロ環基である。
一般式(H)において、Qがヘテロ環基である場合、窒素原子を1ないし2含有する含窒素ヘテロ環基が好ましく、2−ピリジル基、2−キノリル基が特に好ましい。
【0425】
一般式(H)において、Qがアリール基である場合、Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207-1216 等を参考にすることができる。このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等があげられる。σp値としては好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。電子求引性基として特に好ましいのは、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基で、なかでもカルバモイル基が最も好ましい。
【0426】
Xは、好ましくは電子求引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−または−SO2 −を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2 −であり、特に好ましくは−SO2 −である。
nは、0または1を表し、好ましくは1である。
【0427】
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示す。
【0428】
【化74】
【0429】
上記以外の本発明の好ましいポリハロゲン化合物としては特開2001-31644号、同2001-56526号、同2001-209145号に記載の化合物が挙げられる。
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モルあたり、10-4〜1モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10-3〜0.5モルの範囲で、さらに好ましくは1×10-2〜0.2モルの範囲で使用することが好ましい。
本発明において、カブリ防止剤を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられ、有機ポリハロゲン化合物についても固体微粒子分散物で添加することが好ましい。
【0430】
2)その他のかぶり防止剤
その他のカブリ防止剤としては特開平11-65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000-206642号のサリチル酸誘導体、特開2000-221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11-352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6-11791号の一般式(III)で表される化合物、4-ヒドロキシ-6-メチル-1,3,3a,7-テトラザインデン等が挙げられる。
【0431】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59-193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55-12581号記載の化合物、特開昭60-153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル以上2モル以下が好ましく、1×10-3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0432】
(その他の添加剤)
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10-62899号の段落番号0067〜0069、特開平10-186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行に記載されている。その中でも特開平9-297367号、特開平9-304875号、特開2001-100358号、特願2001-104213号、特願2001-104214等に記載されているメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0433】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10-62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許公開第0803764A1号の第21ページ第23〜48行、特開2000-356317号や特開2000-187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4-(1-ナフチル)フタラジノン、6-クロロフタラジノン、5,7-ジメトキシフタラジノンおよび2,3-ジヒドロ-1,4-フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4-メチルフタル酸、4-ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)との組合せ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4-(1-ナフチル)フタラジン、6-イソプロピルフタラジン、6-t-ブチルフラタジン、6-クロロフタラジン、5,7-ジメトキシフタラジンおよび2,3-ジヒドロフタラジン);フタラジン類とフタル酸類との組合せが好ましく、特にフタラジン類とフタル酸類の組合せが好ましい。そのなかでも特に好ましい組み合わせは6-イソプロピルフタラジンとフタル酸または4メチルフタル酸との組み合わせである。
【0434】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11-65021号段落番号0117、超硬調画像形成のための超硬調化剤やその添加方法や量については、同号段落番号0118、特開平11-223898号段落番号0136〜0193、特開平2000-284399号の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11-91652号記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11-65021号段落番号0102、特開平11-223898号段落番号0194〜0195に記載されている。
【0435】
4)超硬調化剤
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、特開平11-65021号公報段落番号0118、特開平11-223898号公報段落番号0136〜0193、特願平11-87297号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11-91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11-65021号公報段落番号0102、特開平11-223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0436】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有することが好ましい。
【0437】
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどがある。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好ましい。
本発明の還元剤、水素結合性化合物、現像促進剤およびポリハロゲン化合物は固体分散物として使用することが好ましく、これらの固体分散物の好ましい製造方法は特開2002-55405号に記載されている。
【0438】
(塗布液の調製および塗布)
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0439】
(層構成および構成成分)
本発明の画像形成層は、支持体上に一またはそれ以上の層で構成される。一層で構成する場合は有機銀塩、感光性ハロゲン化銀、還元剤およびバインダーよりなり、必要により色調剤、被覆助剤および他の補助剤などの所望による追加の材料を含む。二層以上で構成する場合は、第1画像形成層(通常は支持体に隣接した層)中に有機銀塩および感光性ハロゲン化銀を含み、第2画像形成層または両層中にいくつかの他の成分を含まなければならない。多色感光性熱現像写真材料の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。多染料多色感光性熱現像写真材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
【0440】
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として感光材料に設けられる。
【0441】
1)表面保護層
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。
表面保護層については、特開平11-65021号段落番号0119〜0120、特開2000-171936号に記載されている。
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。PVAとしては、特開2000-171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜4.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0442】
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0443】
2)ハレーション防止染料
本発明の熱現像感光材料は、露光時のハレーション防止を目的として、感光層および非感光層のうちの少なくとも1層に、露光波長に光吸収のある染料を含有することが好ましい。該非感光層としては、感光層より支持体側にある非感光層(ハレーション防止層、下塗り層でもよい)、支持体に対して感光層と反対側にあるバック面の非感光層である。
ハレーション防止染料は、露光波長が赤外域にある場合には、赤外吸収染料を用いればよく、また露光波長が紫外域にある場合には紫外吸収染料を用いればよく、両者とも可視域の吸収を有しないか、もしくは可視域の吸収が少ない染料が好ましい。
【0444】
露光波長が可視域にある場合には、ハレーション防止染料は、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加して熱消色性のハレーション防止層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11-231457号等に記載されている。
【0445】
ハレーション防止染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用することが好ましく、特に0.2〜2であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m2程度である。
【0446】
露光光源がレーザー光である場合、ハレーション防止層は、その発光ピーク波長に合わせ、狭い波長領域で吸収があればよいので、染料塗布量を少なくすることができ、低コストで感光材料を作製することができる。
また、レーザー光の発光ピーク波長は、短波長ほど高精細の画像記録が可能となる。このため、レーザー光の発光ピーク波長は350〜430nmであることが好ましく、実用的な観点からは、380〜420nmであることがより好ましい。
【0447】
発光ピーク波長が350〜430nmのレーザー光を露光光源とした場合、ハレーション防止染料は、350nm〜430nmの間に吸収極大を有することが好ましい。さらにレーザー光の発光ピーク波長が380〜420nmの場合、前記染料は、380nm〜420nmに吸収極大を有することが好ましい。
350nm〜430nmの間に吸収極大を有する染料を含有する層は、好ましくは、感光層、感光層より支持体側にある非感光層(ハレーション防止層でもよい)、支持体に対して感光層と反対側にあるバック面の非感光層である。
【0448】
前記染料は、350nm〜430nmの間に吸収極大を有するものであればその種類は特に制限されない。350nm〜430nmの間に観測される吸収極大は、主吸収であっても副吸収であってもよい。350nm〜430nmの間に吸収極大を有する染料の具体例としては、アゾ染料、アゾメチン染料、キノン系染料(例えばアントラキノン染料、ナフトキノン染料など)、キノリン染料(例えばキノフタロン染料など)、メチン染料(例えば、シアニン、メロシアニン、オキソノール、スチリル、アリーリデン、アミノブタジエン染料などで、ポリメチン染料も含む。)、カルボニウム染料(例えばジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料などのカチオン染料)、アジン染料(例えば、チアジン染料、オキサジン染料、フェナジン染料などのカチオン染料)、アザ[18]π電子系染料(例えばポルフィン染料、テトラアザポルフィン染料、フタロシアニン染料等)、インジゴイド染料(インジゴ、チオインジゴ染料など)、スクアリリウム染料、クロコニウム染料、ピロメテン染料、ニトロ・ニトロソ染料、ベンゾトリアゾール系染料、トリアジン系染料などを挙げることができ、好ましくは、アゾ染料、アゾメチン染料、キノン系染料、キノリン染料、メチン染料、アザ[18]π電子系染料、インジゴイド染料、ピロメテン染料であり、より好ましくはアゾ染料、アゾメチン染料、メチン染料であり、メチン染料が特に好ましい。これらの染料は固体微粒子分散状態、会合状態(液晶状態も含む)であってもよく、2種類以上の染料を併用してもよい。
【0449】
ハレーション防止染料として、露光波長における吸収が大きいものを使用すれば、染料の塗布量を低減することができるために好ましい。したがって、ハレーション防止染料は、半値幅が狭いシャープな吸収スペクトルピークを示す染料であること、あるいはそのような吸収を示す状態で使用することが好ましい。前記染料は、固体微粒子分散状態や会合状態で使用すれば、吸収を大きくし、吸収スペクトルピークをシャープにすることができるので好ましい。前記染料の会合体を形成するためには、イオン性親水性基を有する染料を使用することが好ましい。染料の吸収の半値幅は100nm以下が好ましく、75nm以下がより好ましく、50nm以下がさらに好ましい。
【0450】
ハレーション防止染料は、画像形成後に消色させても、消色させなくてもよい。染料を消色させない場合(以下、これを非消色という)は、視感度的に目立たないことが好ましく、露光波長における吸収を425nmの吸収で徐した比がより大きいことが好ましい。例えば、405nmの波長の半導体レーザーで感光材料を露光記録する場合、405nmの吸収/425nmの吸収比は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、特に好ましくは15以上である。
このような染料の例としては、アミノブタジエン系染料、酸性核と塩基性核が直結したメロシアニン染料、またはポリメチン染料が挙げられる。また、非消色である染料においては、水溶性であれば水溶液として添加することができる。
【0451】
一方、ハレーション防止染料を熱現像処理の過程で消色させることも好ましい。染料の消色方法としては、以下のものが知られており、任意のものを使用することができる。
▲1▼ 特開平9−34077号公報、特開2001−51371号公報に記載されたような、電子供与性呈色性有機化合物と酸性顕色剤からなる着色剤(染料)と、特定の消色剤とを熱現像時に反応させて消色させる方法;
▲2▼ 特開平9−133984号公報、特開2000−29168号公報、同2000−284403号公報、同2000−347341号公報に記載されたような、光照射や加熱によりラジカル発生させる化合物と消色性染料との組合せにより該消色性染料を消色する方法。
▲3▼ 米国特許5135842号明細書、同5258724号明細書、同5314795号明細書、同5324627号明細書、同5384237号明細書、特開平3−26765号公報、同6−222504号公報、同6−222505号公報、同7−36145号公報に記載された、加熱時に塩基もしくは求核剤を発生する化合物と消色性染料との組合せにより該消色性染料を消色する方法。
▲4▼ 米国特許4894358号明細書、特開平2−289856号公報、特開昭59−182436号公報に記載された、染料自身の熱分解により分子内閉環反応を起こして染料を消色する方法。
▲5▼ 特開平6−82948号公報、特開平11−231457号公報、特開2000−112058号公報、同2000−281923号公報、特開2000−169248号公報に記載された、消色性のきわめて良好な分子内閉環消色型染料と、塩基もしくは塩基プレカーサーとの組合せにより染料を消色する方法。
【0452】
上記の中でも、消色剤(ラジカル発生剤、塩基プレカーサー、求核剤発生剤も含む)と消色性染料との組合せは、熱現像時の消色性および未現像時の保存安定性を両立させやすく、好ましい。特に分子内閉環消色型染料と塩基プレカーサーとの組合せが、高い次元で消色性と安定性とを両立できるので、さらに好ましい。
【0453】
分子内閉環消色型染料の中で好ましいものは、ポリメチン発色団を有する染料であり、より好ましくは、ポリメチン部位と反応して5〜7員環を形成できる位置に、塩基の作用により求核部位を生じ得る基を有するポリメチン染料である。特に好ましいものは、下記一般式(1)および(2)で表される染料のような、解離により求核性基となり得る基を、5〜7員環を形成し得る位置に有するポリメチン染料である。
特に、下記一般式(1)または(2)で表される染料を使用することが好ましい。
【0454】
【化75】
【0455】
一般式(1)および(2)において、R1は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、−NR2126、−OR21または−SR21を表し、R21およびR26はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基もしくは芳香族基を表すか、またはR21とR26とが結合して含窒素複素環を形成する。R2は水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R1とR2とは互いに結合して5または6員環を形成してもよい。L1およびL2はそれぞれ独立に、置換または無置換のメチンを表し、メチンの置換基同士が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。Z1は、5または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。Aは酸性核を表し、Bは芳香族基、不飽和複素環基または下記一般式(3)で表される基を表す。nおよびmは、それぞれ1〜3のいずれかの整数を表す。nおよびmがそれぞれ2以上のとき、2以上のL1およびL2は同一であっても異なっていてもよい。
【0456】
【化76】
【0457】
一般式(3)において、L3は置換または無置換のメチンを表し、L2と結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。R3は脂肪族基または芳香族基を表す。Z2は5または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。
【0458】
式中、R1は、水素原子、脂肪族基、芳香族基、−NR2126、−OR21または−SR21を表し、R21およびR26はそれぞれ独立に水素原子、脂肪族基もしくは芳香族基を表すか、またはR21とR26とが結合して含窒素複素環を形成する。R1は、−NR2126、−OR21または−SR21であることが好ましい。R21は、脂肪族基または芳香族基であることが好ましく、無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アラルキル基、置換アラルキル基、無置換アリール基または置換アリール基であることがさらに好ましい。R26は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子、無置換アルキル基または置換アルキル基であることがさらに好ましい。R21とR26とが結合して形成する含窒素複素環は、5員環または6員環であることが好ましい。含窒素複素環は、窒素以外のヘテロ原子(例、酸素原子、硫黄原子)を有していてもよい。
【0459】
本明細書において、「脂肪族基」とは、無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アルケニル基、置換アルケニル基、無置換アルキニル基、置換アルキニル基、無置換アラルキル基または置換アラルキル基を意味する。本発明では、無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アルケニル基、置換アルケニル基、無置換アラルキル基または置換アラルキル基が好ましく、無置換アルキル基、置換アルキル基、無置換アラルキル基または置換アラルキル基がさらに好ましい。また、環状脂肪族基よりも鎖状脂肪族基が好ましい。鎖状脂肪族基は分岐を有していてもよい。無置換アルキル基の炭素原子数は、1〜30であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることがさらに好ましく、1〜8であることが最も好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、無置換アルキル基の好ましい範囲と同様である。
【0460】
無置換アルケニル基および無置換アルキニル基の炭素原子数は、2〜30であることが好ましく、2〜15であることがより好ましく、2〜12であることがさらに好ましく、2〜8であることが最も好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分および置換アルキニル基のアルキニル部分は、それぞれ無置換アルケニル基および無置換アルキニル基の好ましい範囲と同様である。無置換アラルキル基の炭素原子数は、7〜35であることが好ましく、7〜20であることがより好ましく、7〜15であることがさらに好ましく、7〜10であることが最も好ましい。置換アラルキル基のアラルキル部分は、無置換アラルキル基の好ましい範囲と同様である。
【0461】
脂肪族基(置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換アラルキル基)の置換基の例には、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルチオカルボニル基、ヘテロ環基、シアノ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基およびシリル基が含まれる。カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基は、塩の状態であってもよい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基と塩を形成するカチオンは、アンモニウムやアルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0462】
本明細書において、「芳香族基」とは、無置換アリール基または置換アリール基を意味する。無置換アリール基の炭素原子数は、6〜30であることが好ましく、6〜20であることがより好ましく、6〜15であることがさらに好ましく、6〜12であることが最も好ましい。置換アリール基のアリール部分は、無置換アリール基の好ましい範囲と同様である。芳香族基(置換アリール基)の置換基の例には、脂肪族基および脂肪族基の置換基の例で挙げたものを挙げることができる。
【0463】
前記一般式(1)および(2)中、R2は水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R1とR2が結合して5または6員環を形成してもよい。脂肪族基と芳香族基の定義は、前述した通りである。R2は、水素原子または脂肪族基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましく、水素原子または炭素原子数が1〜15のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
【0464】
前記一般式(1)、(2)および(3)において、L1、L2およびL3はそれぞれ独立に、置換されていてもよいメチンを表す。メチンの置換基同士が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。メチンの置換基の例には、ハロゲン原子、脂肪族基および芳香族基が含まれる。脂肪族基と芳香族基の定義は前述した通りである。メチンの置換基が結合して不飽和脂肪族環または不飽和複素環を形成してもよい。不飽和複素環よりも、不飽和脂肪族環のほうが好ましい。形成する環は、5員環または6員環であることが好ましく、シクロペンテン環またはシクロヘキセン環であることがさらに好ましい。メチンは、無置換であるか、またはメソ位がアルキル基もしくはアリール基で置換されていることが特に好ましい。
【0465】
前記一般式(1)において、nは1〜3のいずれかの整数を表すが、好ましくは1または2である。nが2以上の時、繰り返されるメチンは同一であっても異なっていてもよい。前記一般式(2)において、mは1〜3のいずれかの整数を表すが、好ましくは1または2である。mが2以上の時、繰り返されるメチンは同一であっても異なっていてもよい。
【0466】
前記一般式(1)および(2)中、Z1は、5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。前記含窒素複素環の例には、オキサゾール環、チアゾール環、セレナゾール環、ピロール環、ピロリン環、イミダゾール環およびピリジン環が含まれる。6員環よりも5員環の方が好ましい。含窒素複素環には、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環)が縮合していてもよい。含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、先述の芳香族基の置換基を挙げる事ができるが、好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル、ニトロ、カルボキシル、スルホ、アルコキシ、アリール基およびアルキル基である。カルボキシルとスルホは、塩の状態であってもよい。カルボキシルおよびスルホと塩を形成するカチオンは、アンモニウム、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0467】
一般式(1)において、Bは芳香族基、不飽和ヘテロ環基または下記一般式(3)を表す。芳香族基の定義は、前述した通りである。Bで表される芳香族基としては、置換あるいは無置換のフェニル基が好ましく、置換基としてはハロゲン原子、アミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル基、アルキルチオ基、アリール基を有するものが好ましく、4位にアミノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、アルキル基を有するものが特に好ましい。Bで表される不飽和ヘテロ環基としては、炭素、酸素、窒素、イオウ原子から構成された5または6員のヘテロ環基が好ましい。中でも5員環が特に好ましい。好ましい例としては、置換もしくは無置換の、ピロール、インドール、チオフェンおよびフランが挙げられる。
【0468】
前記一般式(3)中、Z2は、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子団であり、Z1と同じであっても異なっていてもよい。前記含窒素複素環の例は、上記Z1で例示したものと同様のものが例示される。前記一般式(3)中、R3は、脂肪族基または芳香族基を表すが、脂肪族基が好ましく、特に前記一般式(1)の窒素原子上の置換基である−CHR2(COR1)である場合が最も好ましい。
【0469】
前記一般式(2)中、Aは酸性核を表す。酸性核としては、環状のケトメチレン化合物または電子求引性基によってはさまれたメチレン基を有する化合物のそれぞれから1以上(通常2つ)の水素原子を除いた基が好ましい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、インダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、メルドラム酸、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン−2−オン、ピロリン−2−オンを挙げることができる。これらは置換基を有していてもよい。
【0470】
前記電子求引性基によって挟まれたメチレン基を有する化合物はZaCH2bと表すことができる。ZaおよびZbは各々独立に、−CN、−SO2a1、−CORa1、−COORa2、−CONHRa2、−SO2NHRa2、−C〔=C(CN)2〕Ra1、−C〔=C(CN)2〕NHRa1を表し、Ra1はアルキル基、アリール基または複素環基を表し、Ra2は水素原子、アルキル基、アリール基または複素環基を表し、そしてRa1およびRa2はそれぞれ置換基を有していてもよい。これらの酸性核の中でも2−ピラゾリン−5−オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオンおよびジオキソピラゾロピリジンがより好ましい。
【0471】
前記一般式(1)で表される染料は、アニオンと塩を形成していることが好ましい。前記一般式(1)で表される染料が置換基として、カルボキシル基やスルホ基のようなアニオン性基を有する場合は、染料は分子内塩を形成することができる。それ以外の場合は、染料は分子外のアニオンと塩を形成するのが好ましい。アニオンは1価または2価であることが好ましく、1価であることがさらに好ましい。アニオンの例には、ハロゲンイオン(Cl-、Br-、I-)、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン、1、5−ジスルホナフタレンジアニオン、PF6 -、BF4 -およびClO4 -が含まれる。
【0472】
前記一般式(1)および(2)で表される染料は、分子分散状態で用いてもよいが、固体微粒子分散状態や会合状態で使用することが好ましい。前記染料が会合体を形成するためには、前記染料はイオン性親水性基を有するのが好ましい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。
【0473】
次に、ハレーション防止用の非消色染料として好ましく用いられるアミノブタジエン系染料、メロシアニン染料の一般式を以下に示す。
【0474】
一般式(4)
【化77】
【0475】
式中、R41、R42はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、または互いに連結して5または6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。また、また、 R41、R42のいずれかが窒素原子の隣のメチン基と結合して、5または6員環を形成しても良い。A41は酸性核を表す。
【0476】
一般式(5)
【化78】
【0477】
式中、R51〜R55はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基または芳香族基を表し、R51とR54は一緒になって二重結合を形成しても良く、R51とR54が一緒になって二重結合を形成するときは、R52とR53は連結してベンゼン環またはナフタレン環を形成しても良い。R55は脂肪族基または芳香族基を表し、Eは酸素原子、イオウ原子、エチレン基、>N−R56または>C(R57)(R58)を表し、R56は脂肪族基または芳香族基を表し、R57、R58はそれぞれ独立に、水素原子または脂肪族基を表す。A51は酸性核を表す。
【0478】
一般式(6)
【化79】
【0479】
式中、R61は水素原子、脂肪族基、または芳香族基を表す。R62は水素原子、脂肪族基、または芳香族基を表す。Z61は含窒素複素環を形成するために必要な原子群を表す。Z62とZ62'は(N−R62)mと一緒になって複素環、または非環式の酸性末端基を形成するために必要な原子群を表す。但し、Z61、およびZ62とZ62'にはそれぞれ環が縮環していても良い。mは0または1を表す。
【0480】
以下、一般式(4)、(5)および(6)で表される染料について詳細に述べる。
一般式(4)、(5)および(6)における、R41、R42、R51〜R58、R61、およびR62における脂肪族基、芳香族基は、R1で述べた脂肪族基、芳香族基と同様のものが適用でき、置換基の例も同様である。
【0481】
41、A51で表される酸性核は、一般式(2)中のAで挙げたものと同様のものが適用でき、環状のケトメチレン化合物または電子求引性基によってはさまれたメチレン基を有する化合物のそれぞれから1以上(通常2つ)の水素原子を除いた基が好ましい。より好ましいメチレン化合物の例としては、ZaCH2b(一般式(2)中のAの説明で挙げたものと同義)、2−ピラゾリン−5−オン、イソオキサゾロン、バルビツール酸、インダンジオン、メルドラム酸、ヒドロキシピリジン、ピラゾリジンジオンおよびジオキソピラゾロピリジン等を挙げることができる。これらは置換基を有していてもよい
41とR42が連結して形成される5または6員環としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環などを好ましい例として挙げることができる。
【0482】
前記一般式(6)中、Z61は、5員または6員の含窒素複素環を完成するのに必要な原子団であって、含窒素複素環には芳香族環が縮合していてもよく、含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。前記含窒素複素環の例としては、チアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、セレナゾリン核、セレナゾール核、ベンゾセレナゾール核、テルラゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核、イミダゾ〔4,5−b〕キノキザリン核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核などを挙げることができるが、好ましくはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核、2−ピリジン核、4−ピリジン核、2−キノリン核、4−キノリン核、1−イソキノリン核、3−イソキノリン核であり、さらに好ましくはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核、3,3−ジアルキルインドレニン核(例えば3,3−ジメチルインドレニン)、イミダゾリン核、イミダゾール核、ベンゾイミダゾール核であり、特に好ましくはチアゾリン核、チアゾール核、ベンゾチアゾール核、オキサゾリン核、オキサゾール核、ベンゾオキサゾール核であり、最も好ましくはチアゾリン核、オキサゾリン核、ベンゾオキサゾール核である。含窒素複素環には、芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環)が縮合していてもよい。含窒素複素環およびその縮合環は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、先述の芳香族基の置換基を挙げることができるが、好ましくは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、アリール基およびアルキル基である。カルボキシル基とスルホ基は、塩の状態であってもよい。カルボキシル基およびスルホ基と塩を形成するカチオンは、アンモニウム、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン)が好ましい。
【0483】
62とZ62'と(N−R62)mはそれぞれ一緒になって、複素環、または非環式の酸性末端基を形成するために必要な原子群を表わす。複素環(好ましくは5または6員の複素環)としてはいかなるものでも良いが、酸性核が好ましい。
次に、酸性核および非環式の酸性末端基について説明する。酸性核および非環式の酸性末端基は、いかなる一般のメロシアニン色素の酸性核および非環式の酸性末端基の形をとることもできる。好ましい形においてZ62はチオカルボニル基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホニル基であり、さらに好ましくはチオカルボニル基、カルボニル基である。 Z62'は酸性核および非環式の酸性末端基を形成するために必要な残りの原子群を表す。非環式の酸性末端基を形成する場合は、好ましくはチオカルボニル基、カルボニル基、エステル基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、スルホニル基などである。
mは0または1であるが、好ましくは1である。
【0484】
ここでいう酸性核および非環式の酸性末端基は、例えばジェイムス(James)編「ザ・セオリー・オブ・ザ・フォトグラフィック・プロセス」(The Theory of the Photographic Process)第4版、マクミラン出版社、1977年、197〜200貢に記載されている。ここでは、非環式の酸性末端基とは、酸性すなわち電子受容性の末端基のうち、環を形成しないものを意味することとする。
酸性核および非環式の酸性末端基は、具体的には、米国特許第3、567、719号明細書、第3、575、869号明細書、第3、804、634号明細書、第3、837、862号明細書、第4、002、480号明細書、第4、925、777号明細書、特開平3ー167546号公報、米国特許第5,994,051号明細書、米国特許5,747,236号明細書などに記載されているものが挙げられる。
【0485】
酸性核は、炭素原子、窒素原子、および/またはカルコゲン原子(典型的には酸素原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子)からなる複素環(好ましくは5員または6員の含窒素複素環)が好ましく、さらに好ましくは炭素原子、窒素原子、および/またはカルコゲン原子(典型的には酸素原子、硫黄原子、セレン原子、およびテルル原子)からなる5員または6員の含窒素複素環である。具体的には、2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリジン−2,5−ジオン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソオキサゾリン−5−オン、2−チアゾリン−4−オン、チアゾリジン−4−オン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、イソローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリニウム、3−オキソインダゾリニウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ[3,2−a]ピリミジン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クロマン−2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2−a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ[1,5−b]キナゾロン、ピラゾロ[1,5−a]ベンゾイミダゾール、ピラゾロピリドン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−2,4−ジオン、3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイド、3−ジシアノメチン−2,3−ジヒドロベンゾ[d]チオフェン−1,1−ジオキサイドの核、これらの核を形成しているカルボニル基もしくはチオカルボニル基を酸性核の活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、および、非環式の酸性末端基の原料となるケトメチレンやシアノメチレンなどの構造を有する活性メチレン化合物の活性メチレン位で置換したエキソメチレン構造を有する核、およびこれを繰り返した核を挙げることができる。
これらの酸性核、および非環式の酸性末端基には、前述の芳香族基の置換基の例で示した置換基または環が、置換していても、縮環していても良い。
【0486】
62とZ62'と(N−R62)mとして好ましくは、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、チアゾリジン−2,4−ジオン、ローダニン、チアゾリジン−2,4−ジチオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸であり、さらに好ましくは、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸である。 特に好ましくは2または4−チオヒダントイン、2−オキサゾリン−5−オン、ローダニンである。
【0487】
上記一般式一般式(4)〜(6)で表される染料が水溶性である場合には、イオン性親水性基を有することが好ましい。イオン性親水性基の例および好ましい例は、一般式(1)、(2)で記述したものと同様である。
【0488】
以下に、好ましく用いられるハレーション防止染料の具体例を示すが、ハレーション防止染料は以下の具体例に限定されるわけではない。
【0489】
【化80】
【0490】
【化81】
【0491】
【化82】
【0492】
【化83】
【0493】
【化84】
【0494】
【化85】
【0495】
【化86】
【0496】
【化87】
【0497】
【化88】
【0498】
【化89】
【0499】
【化90】
【0500】
【化91】
【0501】
【化92】
【0502】
【化93】
【0503】
【化94】
【0504】
【化95】
【0505】
【化96】
【0506】
【化97】
【0507】
ハレーション防止染料化合物の合成については、一般的な方法が“The Cyanine Dyes and Related Compounds",Frances Hamer,IntersciencePublishers,1964に記されており、具体的には前述の特開平11−231457号公報、特開2000−112058号公報、同2000−86927号公報、同2000−86928号公報に順じた方法で合成できる。
【0508】
ハレーション防止染料を、熱現像の過程で消色させる場合には、加熱条件下で消色剤を作用させることにより消色させることができる。特に、前記一般式(1)および(2)の染料は、塩基の作用により染料中の活性メチレン基が脱プロトン化され、それにより発生する求核種が分子内のメチレン鎖を求核攻撃し、分子内閉環体を形成することにより消色する。従ってこの反応に使用可能な塩基としては、染料中の活性メチレン基を脱プロトン化させることができる塩基であればいかなるものでもよい。分子内閉環反応により新たに形成される環の環員数は特に限定されないが、5〜7員環であることが好ましく、5員環または7員環であることがより好ましい。このようにして形成される実質的に無色の化合物は、安定な化合物であって、元の染料に戻ることがなく、一旦消色された染料が元に戻ることによる着色等の問題はない。
【0509】
前記染料の消色反応における加熱温度は、40〜200℃であることが好ましく、80〜150℃であることがより好ましく、100〜130℃であることがさらに好ましく、115〜125℃であることが最も好ましい。加熱時間は、5〜120秒であることが好ましく、10〜60秒であることがより好ましく、12〜30秒であることがさらに好ましく、14〜25秒であることが最も好ましい。なお、熱現像感光材料では、熱現像のための加熱を利用することもできる。また、後述するように、熱の供与によって塩基を発生する熱応答型塩基プレカーサー(詳細は後述)を使用することが好ましい。そのような場合、実際の加熱温度と加熱時間は、熱現像に要する温度と時間、あるいは熱分解に要する温度と時間も考慮して決定する。
【0510】
消色反応に必要な消色剤は、ラジカル、求核剤、塩基またはそれらのプレカーサーが好ましい。前記一般式(1)または(2)で表される染料を用いる場合には、塩基もしくは塩基プレカーサーを用いて消色させるのが好ましい。消色反応に必要な塩基は、広義の塩基であって、狭義の塩基に加えて、求核剤(ルイス塩基)も含まれる。塩基が染料と共存すると、室温であっても消色反応が若干進行する場合がある。従って、塩基を染料から物理的または化学的に隔離しておき、消色すべき時に、例えば加熱することによって隔離状態を解除し、塩基と染料とを接触(反応)させるのが好ましい。双方を物理的に隔離する手段としては、前記染料および前記塩基の少なくとも一方をマイクロカプセルに内包させる;前記染料および前記塩基の少なくとも一方を熱溶融性物質の微粒子に内包させる;または前記染料および前記塩基を互いに異なる層に含有させる;手段がある。前記マイクロカプセルには、圧力により破裂するものと、加熱により破裂するものとがある。前記消色反応は加熱条件下で容易に進行するので、加熱により破裂する(熱応答性)マイクロカプセルを用いるのが都合がよい。隔離のためには、塩基および染料の少なくとも一方をマイクロカプセルに封入する。双方を別々のマイクロカプセルに内包させることもできる。また、マイクロカプセルの外殻が不透明である場合は、染料をマイクロカプセル外の状態で含有させ、塩基をマイクロカプセルに内包させるのが好ましい。熱応答性マイクロカプセルについては、森賀弘之、入門・特殊紙の化学(昭和50年)や特開平1−150575号公報に記載がある。
【0511】
前記染料と塩基との隔離のために用いられる前記熱溶融性物質として、ワックス等を用いることができる。前記熱溶融性物質の微粒子内に塩基および染料の一方(好ましくは塩基)を添加して隔離することができる。前記熱溶融性物質の融点は、室温と前述した消色反応が進行する際の加熱温度との間であるのが好ましい。染料を含む層と塩基を含む層とを別にして、双方を隔離する場合は、それらの層の間に熱溶融性物質を含むバリアー層を設けることが好ましい。
【0512】
前記染料と前記塩基とを化学的に隔離するのが、実施が容易であるので好ましい。双方を化学的に隔離する手段としては、塩基として、加熱により塩基を生成(放出も含まれる)可能なプレカーサーを用いるのが好ましい。前記塩基プレカーサ−としては、熱分解型の塩基プレカーサーが代表的であり、特に、カルボン酸と塩基との塩からなる熱分解型(脱炭酸型)塩基プレカーサーが代表的である。脱炭酸型塩基プレカーサーを加熱すると、カルボン酸のカルボキシル基が脱炭酸反応し、有機塩基が放出される。前記熱分解方塩基プレカーサ−を構成しているカルボン酸としては、脱炭酸しやすいスルホニル酢酸やプロピオール酸を用いることができる。スルホニル酢酸およびプロピオール酸は、脱炭酸を促進する芳香族性を有する基(アリール基や不飽和複素環基)を置換基として有することが好ましい。スルホニル酢酸塩の塩基プレカーサーについては特開昭59−168441号公報に、プロピオール酸塩の塩基プレカーサーについては特開昭59−180537号公報にそれぞれ記載がある。脱炭酸型塩基プレカーサーの塩基側成分としては、有機塩基が好ましく、アミジン、グアニジンまたはそれらの誘導体であることがさらに好ましい。有機塩基は、二酸塩基、三酸塩基または四酸塩基であることが好ましく、二酸塩基であることがさらに好ましく、アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基であることが最も好ましい。
【0513】
アミジン誘導体の二酸塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平7−59545号公報に記載がある。グアニジン誘導体の二酸塩基、三酸塩基または四酸塩基のプレカーサーについては、特公平8−10321号公報に記載がある。アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基は、(A)2つのアミジン部分またはグアニジン部分、(B)アミジン部分またはグアニジン部分の置換基および(C)2つのアミジン部分またはグアニジン部分を結合する2価の連結基からなる。(B)の置換基の例には、アルキル基(シクロアルキル基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基および複素環残基が含まれる。2個以上の置換基が結合して含窒素複素環を形成してもよい。(C)の連結基は、アルキレン基またはフェニレン基であることが好ましい。アミジン誘導体またはグアニジン誘導体の二酸塩基プレカーサーの例として、特開平11−231457号公報の化55〜化95に記載の塩基プレカーサーを本発明において好ましく用いることができる。
【0514】
前記染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。2種類以上の消色染料を、熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、2種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号公報に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)、2−ナフチルベンゾエート等を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0515】
ハレーション防止染料を含有する層は、前記染料とともにバインダーを含有することが好ましい。バインダーとしては、親水性ポリマー(例、ポリビニルアルコール、ゼラチン)が好ましく用いられる。ハレーション防止染料の添加量は、一般的には、熱現像感光材料では、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を超える量で使用するのが好ましく、さらに、0.2〜2.0であることがより好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、会合体を使用することによって少量とすることができ、一般的には0.001〜0.2g/m2程度である。好ましくは、0.001〜0.1g/m2、より好ましくは、0.001〜0.05g/m2である。なお、ハレーション防止染料を消色する態様では、染料を消色することによって、光学濃度を0.1以下に低下させることができる。2種類以上の染料を併用してもよい。同様に、2種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。塩基プレカーサーの使用量(モル)は、染料の使用量(モル)の1〜100倍であることが好ましく、3〜30倍であることがさらに好ましい。塩基プレカーサーは、固体微粒子状態で熱現像感光材料のいずれかの層に分散含有させるのが好ましい。
【0516】
ハレーション防止染料を非感光層に添加する方法としては、固体微粒子分散物あるいは会合体分散物を非感光層の塗布液に添加する方法が採用できる。この添加方法は、通常の熱現像感光材料に染料を添加する方法と同様である。
【0517】
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11-65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0518】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62-210458号、同63-104046号、同63-103235号、同63-208846号、同63-306436号、同63-314535号、特開平01-61745号、特開平2001-100363などに記載されている。このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
また、ベース色調を調整するために580〜680nmに吸収ピークを有する染料を使用することが好ましい。この目的の染料としては短波長側の吸収強度が小さい特開平4-359967、同4-359968記載のアゾメチン系の油溶性染料、特願2002-96797号記載のフタロシアニン系の水溶性染料が好ましい。この目的の染料はいずれの層に添加してもよいが、乳剤面側の非感光層またはバック面側に添加することがより好ましい。
【0519】
本発明における熱現像感光材料は、支持体の一方の側に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤を含む感光性層を有し、他方の側にバック層を有する、いわゆる片面感光材料であることが好ましい。
【0520】
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を添加することが好ましく、マット剤については、特開平11-65021号段落番号0126〜0127に記載されている。マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/m2である。
本発明においてマット剤の形状は定型、不定形のいずれでもよいが好ましくは定型で、球形が好ましく用いられる。平均粒径は0.5〜10μmであることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0μm、さらに好ましくは2.0〜6.0μmの範囲である。また、サイズ分布の変動係数としては50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは、30%以下である。ここで変動係数とは(粒径の標準偏差)/(粒径の平均値)×100で表される値である。また、変動係数が小さいマット剤で平均粒径の比が3より大きいものを2種併用することも好ましい。
また、乳剤面のマット度は星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0521】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0522】
本発明において、マット剤は感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0523】
5)ポリマーラテックス
特に寸法変化が問題となる印刷用途に本発明の熱現像感光材料を用いる場合には、表面保護層やバック層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%) /ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。さらに、表面保護層用のバインダーとして、特願平11-6872号明細書のポリマーラテックスの組み合わせ、特開2000-267226号明細書の段落番号0021〜0025に記載の技術、特願平11-6872号明細書の段落番号0027〜0028に記載の技術、特開2000-19678号明細書の段落番号0023〜0041に記載の技術を適用してもよい。表面保護層のポリマーラテックスの比率は全バインダーの10質量%以上90質量%以下が好ましく、特に20質量%以上80質量%以下が好ましい。
【0524】
6)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特開2000-284399号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0525】
7)硬膜剤
本発明の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。硬膜剤の例としてはT.H.James著“THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION"(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4-ジクロロ-6-ヒドロキシ-s-トリアジンナトリウム塩、N,N-エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)、N,N-プロピレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6-208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62-89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0526】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳“液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0527】
8)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11-65021号段落番号0132、溶剤については同号段落番号0133、支持体については同号段落番号0134、帯電防止又は導電層については同号段落番号0135、カラー画像を得る方法については同号段落番号0136に、滑り剤については特開平11-84573号段落番号0061〜0064や特願平11-106881号段落番号0049〜0062記載されている。
本発明においてはフッ素系の界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の具体例は特開平10-197985号、特開2000-19680号、特開2000-214554号等に記載された化合物があげられる。また、特開平9-281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明の熱現像感光材料においては特開2002-82411号、特願2001-242357号および特願2001-264110号記載のフッ素系界面活性剤の使用が好ましい。特に特願2001-242357号および特願2001-264110号記載のフッ素系界面活性剤は水系の塗布液で塗布製造を行う場合、帯電調整能力、塗布面状の安定性、スベリ性の点で好ましく、特願2001-264110号記載のフッ素系界面活性剤は帯電調整能力が高く使用量が少なくてすむという点で最も好ましい。
本発明においてフッ素系界面活性剤は乳剤面、バック面のいずれにも使用することができ、両方の面に使用することが好ましい。また、前述の金属酸化物を含む導電層と組み合わせて使用することが特に好ましい。この場合には導電層を有する面のフッ素系界面活性剤の使用量を低減もしくは除去しても十分な性能が得られる。
フッ素系界面活性剤の好ましい使用量は乳剤面、バック面それぞれに0.1mg/m2〜100mg/m2の範囲で、より好ましくは0.3mg/m2〜30mg/m2の範囲、さらに好ましくは1mg/m2〜10mg/m2の範囲である。特に特願2001-264110号記載のフッ素系界面活性剤は効果が大きく、0.01〜10mg/m2の範囲が好ましく、0.1〜5mg/m2の範囲がより好ましい。
【0528】
9)帯電防止剤
本発明においては金属酸化物あるいは導電性ポリマーを含む導電層を有することが好ましい。帯電防止層は下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねてもよく、また別途設けてもよい。帯電防止層の導電性材料は金属酸化物中に酸素欠陥、異種金属原子を導入して導電性を高めた金属酸化物が好ましく用いられる。金属酸化物の例としてはZnO、TiO2、SnO2が好ましく、ZnOに対してはAl、Inの添加、SnO2に対してはSb、Nb、P、ハロゲン元素等の添加、TiO2に対してはNb、Ta等の添加が好ましい。特にSbを添加したSnO2が好ましい。異種原子の添加量は0.01〜30mol%の範囲が好ましく、0.1から10mol%の範囲がより好ましい。金属酸化物の形状は球状、針状、板状いずれでもよいが、導電性付与の効果の点で長軸/単軸比が2.0以上、好ましくは3.0〜50の針状粒子がよい。金属酸化物の使用量は好ましくは1mg/m2〜1000mg/m2の範囲で、より好ましくは10mg/m2〜500mg/m2の範囲、さらに好ましくは20mg/m2〜200mg/m2の範囲である。本発明の帯電防止層は乳剤面側、バック面側のいずれに設置してもよいが、支持体とバック層との間に設置することが好ましい。本発明の帯電防止層の具体例は特開平11-65021号段落番号0135、特開昭56-143430号、同56-143431号、同58-62646号、同56-120519号、特開平11-84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11-223898号の段落番号0078〜0084に記載されている。
【0529】
10)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8-240877号実施例記載の染料-1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。支持体には、特開平11-84574号の水溶性ポリエステル、同10-186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000-39684号や特願平11-106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。支持体に乳剤層もしくはバック層を塗布するときの、支持体の含水率は0.5wt%以下であることが好ましい。
【0530】
11)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10-186567号、同10-18568号等を参考にすることができる。
【0531】
12)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著“LIQUID FILM COATING"(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1に ある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791 号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。本発明において特に好ましい塗布方法は特開2001-194748号、同2002-153808号、同2002-153803号、同2002-182333号に記載された方法である。
【0532】
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11-52509号を参考にすることができる。本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S-1における粘度は400mPa・s以上100,000 mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000 mPa・s以下である。また、剪断速度1000S-1においては1mPa・s以上200 mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは5mPa・s以上80 mPa・s以下である。
【0533】
本発明の塗布液を調合する場合において2種の液を混合する際は公知のインライン混合機、インプラント混合機が好ましく用いられる。本発明の好ましいインライン混合機は特開2002-85948号に、インプラント混合機は特開2002-90940号に記載されている。
本発明における塗布液は塗布面状を良好に保つため脱泡処理をすることが好ましい。本発明の好ましい脱泡処理方法については特開2002-66431号に記載された方法である。
本発明の塗布液を塗布する際には支持体の耐電による塵、ほこり等の付着を防止するために除電を行うことが好ましい。本発明において好ましい除電方法の例は特開2002-143747に記載されている。
本発明においては非セット性の画像形成層塗布液を乾燥するため乾燥風、乾燥温度を精密にコントロールすることが重要である。本発明の好ましい乾燥方法は特開2001-194749号、同2002-139814号に詳しく記載されている。
本発明の熱現像感光材料は成膜性を向上させるために塗布、乾燥直後に加熱処理をすることが好ましい。加熱処理の温度は膜面温度で60℃〜100℃の範囲が好ましく、加熱時間は1秒〜60秒の範囲が好ましい。より好ましい範囲は膜面温度が70〜90℃、加熱時間が2〜10秒の範囲である。本発明の好ましい加熱処理の方法は特開2002-107872号に記載されている。
また、本発明の熱現像感光材料を安定して連続製造するためには特開2002-156728号、同2002-182333号に記載の製造方法が好ましく用いられる。
【0534】
熱現像感光材料は、モノシート型(受像材料のような他のシートを使用せずに、熱現像感光材料上に画像を形成できる型)であることが好ましい。
【0535】
13)包装材料
本発明の感光材料は生保存時の写真性能の変動を押えるため、もしくはカール、巻癖などを改良するために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で包装することが好ましい。酸素透過率は25℃で50ml/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1.0ml/atm・m2・day以下である。水分透過率は10g/atm・m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm・m2・day以下、さらに好ましくは1g/atm・m2・day以下である。
該酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、たとえば特開平8−254793号。特開2000−206653号明細書に記載されている包装材料である。
【0536】
14)その他の利用できる技術
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56-62648号、同58-62644号、特開平9-43766、同9-281637、同9-297367号、同9-304869号、同9-311405号、同9-329865号、同10-10669号、同10-62899号、同10-69023号、同10-186568号、同10-90823号、同10-171063号、同10-186565号、同10-186567号、同10-186569号〜同10-186572号、同10-197974号、同10-197982号、同10-197983号、同10-197985号〜同10-197987号、同10-207001号、同10-207004号、同10-221807号、同10-282601号、同10-288823号、同10-288824号、同10-307365号、同10-312038号、同10-339934号、同11-7100号、同11-15105号、同11-24200号、同11-24201号、同11-30832号、同11-84574号、同11-65021号、同11-109547号、同11-125880号、同11-129629号、同11-133536号〜同11-133539号、同11-133542号、同11-133543号、同11-223898号、同11-352627号、同11-305377号、同11-305378号、同11-305384号、同11-305380号、同11-316435号、同11-327076号、同11-338096号、同11-338098号、同11-338099号、同11-343420号、特開2000-187298号、同2000-10229号、同2000-47345号、同2000-206642号、同2000-98530号、同2000-98531号、同2000-112059号、同2000-112060号、同2000-112104号、同2000-112064号、同2000-171936号も挙げられる。
【0537】
多色カラー熱現像感光材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
【0538】
(画像形成方法)
1)露光
本発明の感光材料はいかなる方法で露光されても良いが、レーザー光で走査露光するのが好ましい。レーザー光としては、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーを用いることができる。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。 一方、近年、特に、SHG(Second Harmonic Generator)素子と半導体レーザーを一体化したモジュールや青色半導体レーザーが開発されてきて、短波長領域のレーザー出力装置がクローズアップされてきた。青色半導体レーザーは、高精細の画像記録が可能であること、記録密度の増大、かつ長寿命で安定した出力が得られることから、今後需要が拡大していくことが期待されている。
レーザー光の発光ピーク波長は、300nm〜500nm、好ましくは350nm〜450nm、より好ましくは390nm〜430nm、赤〜近赤外の600nm〜900nm、好ましくは620nm〜870nm、より好ましくは640nm〜830nmである。
【0539】
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0540】
2)熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250 ℃であり、好ましくは100〜140℃、さらに好ましくは110〜130℃である。現像時間としては1〜60秒が好ましく、より好ましくは3〜30秒、さらに好ましくは5〜25秒、最も好ましくは7〜15秒である。
【0541】
熱現像の方式としてはドラム型ヒーター、プレート型ヒーターのいずれを使用してもよいが、プレート型ヒーター方式がより好ましい。プレート型ヒーター方式による熱現像方式とは特開平11-133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒーターからなり、かつ前記プレートヒーターの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒーターとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒーターを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。例えば、独立に温度制御できる4組のプレートヒーターを使用し、それぞれ112℃、119℃、121℃、120℃になるように制御する例が挙げられる。
【0542】
このような方法は特開昭54-30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を抑えることもできる。
【0543】
また、別の加熱方法として、米国特許第4,460,681号明細書及び同第4,374,921号明細書に示されるような裏面抵抗性加熱層(backside resistive heating layer)を設け、通電することによって発熱させ、加熱することもできる。
【0544】
3)システム
露光部および熱現像部を備えた医療用レーザーイメージャーとして富士フィルムメディカル(株)の「ドライイメージャー−FM−DPL」を挙げることができる。該システムは、Fuji Medical Review No.8,page39〜55に記載されており、それらの技術を利用することができる。さらに、近年、富士フィルムメディカル(株)の「ドライ・ピックス(DRYPIX)7000システム」も挙げることができる。また、DICOM規格に適合したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中のレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0545】
(本発明の用途)
【0546】
本発明の高ヨウ化銀写真乳剤を用いた熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0547】
【0548】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
【0549】
1.PET支持体の作成、および下塗り
1−1.製膜
【0550】
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66 (フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥した。その後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
【0551】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0552】
1−2.表面コロナ放電処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ放電処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0553】
1−3.下塗り
1)下塗層塗布液の作成
処方▲1▼(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA-520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル 5.4g
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10質量%溶液
綜研化学(株)製 MP-1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 935ml
【0554】
処方▲2▼(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン重量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウム塩
(8質量%水溶液) 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
【0555】
処方▲3▼(バック面側第2層用)
SnO2/SbO (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC-5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP-1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0556】
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り塗布液処方▲1▼をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲2▼をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲3▼をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0557】
2.バック層
1)バック層塗布液の調製
(ハレーション防止層塗布液の調製)
ゼラチン60g、ポリアクリルアミド24.5g、1mol/Lの水酸化ナトリウム2.2g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)2.4g、ベンゾイソチアゾリノン0.08g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム0.3g、青色染料化合物−1を0.21g、紫外線吸収剤−1を6.8g、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)8.3gを混合し、水で全体を818mlにして、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0558】
(バック面保護層塗布液の調製)
容器を40℃に保温し、ゼラチン40g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.5g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、1mol/Lの水酸化ナトリウム6.8g、t−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム0.5g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.27g、フッ素系界面活性剤(F−1)2質量%水溶液を5.4ml、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)6.0g、N、N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)2.0gを混合し、水で1000mlにしてバック面保護層塗布液とした。
【0559】
2)バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液をゼラチンの塗布量が1.70g/m2となるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が0.79g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作成した。
【0560】
3.画像形成層、および表面保護層
3−1.塗布用材料の準備
【0561】
(感光性ハロゲン化銀乳剤)
1)感光性ハロゲン化銀乳剤1の調製
蒸留水1420mlに、1質量%ヨウ化カリウム溶液4.3mlを加え、さらに0.5モル/L硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン88.3gを加えた液をステンレス製反応容器中で攪拌しながら、42℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を加えて195.6mlに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム21.8gを蒸留水にて218mlに希釈した溶液Bを一定流量で9分間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンツイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。
【0562】
さらに硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cとヨウ化カリウム60gを蒸留水にて容量600mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で120分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。銀1モル当たり1×10-4モルになるように六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加し始めてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10-4モル全量添加した。0.5モル/L硫酸を用いてpHを3.8に調整し、撹拌を止め、沈降、脱塩、水洗工程を行った。1モル/L水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。
【0563】
上記ハロゲン化銀分散物を撹拌しながら38℃に維持して、0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液5mlを加え、47℃に昇温した。昇温の20分後にベンゼンチオスルホン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10-5モル加え、さらに5分後に下記テルル増感剤Cをメタノール溶液で銀1モルに対して2.9×10-4モル加えて91分間熟成した。N,N'-ジヒドロキシ-N"-ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5-メチル-2-メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10-3モル及び1-フェニル-2-ヘプチル-5-メルカプト-1,3,4-トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10-3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤1を作成した。
【0564】
調製されたハロゲン化銀乳剤1中の粒子は、平均球相当径0.040μm、球相当の径の変動係数18%の純ヨウ化銀粒子であった。粒子サイズ等は電子顕微鏡を用いて1000個の粒子の平均から求めた。また(001)、{100}、{101}面を有する14面体粒子であり、X線粉末回折分析を用いて測定するとそのγ相の比率は30%であった。
【0565】
(ハロゲン化銀乳剤2の調製)
反応溶液の温度を65℃に変更し、2,2‘−(エチレンジチオ)ジエタノールの5%メタノール溶液5mlを溶液AとBの添加後に添加したこと、pAgを10.5に維持しながら溶液Dをコントロールドダブルジェット法で添加したこと、および化学増感時にテルル増感剤の添加3分後に臭化金酸を銀1モル当たり5×10-4モルとチオシアン酸カリウムを銀1モルあたり2×10-3モルを添加したこと以外は乳剤1と同様にしてハロゲン化銀乳剤2を作成した。
【0566】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、投影面積の平均円相当径0.164μm、粒子厚み0.032μm、平均アスペクト比が5、平均球相当径0.11μm、球相当径の変動係数23%の純ヨウ化銀平板状粒子であった。X線粉末回折分析を用いて測定するとそのγ相の比率は80%であった。
【0567】
(ハロゲン化銀乳剤3の調製)
反応溶液の温度を27℃に変更したこと、pAgを10.2に維持しながら溶液Dをコントロールドダブルジェット法で添加したこと以外はハロゲン化銀乳剤1と全く同様にしてハロゲン化銀乳剤3を作成した。
【0568】
調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.022μm、球相当径の変動係数17%の純ヨウ化銀粒子であった。また(001)、{1(−1)0}、{101}面を有する12面体粒子であり、X線粉末回折分析を用いて測定するとほぼβ相からなる沃化銀であった。
【0569】
(塗布液用混合乳剤A1〜A3の調製)
ハロゲン化銀乳剤1とハロゲン化銀乳剤2とハロゲン化銀乳剤3を銀モル比として5:2:3になる量を溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10-3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水し、塗布液用混合乳剤1kgあたり0.34gとなるように1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾールを添加した。
【0570】
さらに「1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物」として、化合物2と20と26をそれぞれハロゲン化銀の銀1モル当たり2×10-3モルになる量を添加した。
さらに、表14に示すように本発明の吸着基と還元基を有する化合物を添加した。
混合乳剤A1:吸着基と還元基を有する化合物を添加しない乳剤である。
混合乳剤A2:吸着基と還元基を有する化合物として化合物No.19、49、および71をそれぞれ塗布銀量1モル当たり8×10-3モル添加した乳剤である。
混合乳剤A3:吸着基と還元基を有する化合物として化合物No.19および71をそれぞれ塗布銀量1モル当たり8×10-3モル添加した乳剤である。
【0571】
(ハロゲン化銀乳剤4の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀70モル%、臭化銀30モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤4を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤1と同等であった。
【0572】
(ハロゲン化銀乳剤5の調製)
ハロゲン化銀乳剤2の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀70モル%、臭化銀30モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤5を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤2と同等であった。
【0573】
(ハロゲン化銀乳剤6の調製)
ハロゲン化銀乳剤3の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀70モル%、臭化銀30モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤4を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤3と同等であった。
【0574】
(塗布液用混合乳剤B1〜B3の調製)
塗布液用混合乳剤A1〜A3において、ハロゲン化銀乳剤1、ハロゲン化銀乳剤2、およびハロゲン化銀乳剤3の代わりに、ハロゲン化銀乳剤4、ハロゲン化銀乳剤5、およびハロゲン化銀乳剤6を銀モル比として5:2:3になる量を用いて塗布液用混合乳剤Bを調製した。
【0575】
(ハロゲン化銀乳剤7の調製)
ハロゲン化銀乳剤1の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀3.5モル%、臭化銀96.5モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤7を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤1と同等であった。
【0576】
(ハロゲン化銀乳剤8の調製)
ハロゲン化銀乳剤2の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀3.5モル%、臭化銀96.5モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤8を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤2と同等であった。
【0577】
(ハロゲン化銀乳剤9の調製)
ハロゲン化銀乳剤3の調製と同様にして、但し、ヨウ化カリウムの代わりにヨウ化カリウムと臭化カリウムの混合溶液を用いて、ヨウ化銀3.5モル%、臭化銀96.5モル%の均一なハロゲン組成を有するハロゲン化銀乳剤9を調製した。
得られた粒子の粒子サイズは、粒子形成時の温度を調整することにより、ハロゲン化銀乳剤3と同等であった。
【0578】
(塗布液用混合乳剤C1〜C3の調製)
塗布液用混合乳剤A1〜A3において、ハロゲン化銀乳剤1、ハロゲン化銀乳剤2、およびハロゲン化銀乳剤3の代わりに、ハロゲン化銀乳剤7、ハロゲン化銀乳剤8、およびハロゲン化銀乳剤9を銀モル比として5:2:3になる量を用いて塗布液用混合乳剤Cを調製した。
【0579】
(有機銀塩分散物の調製)
1)有機銀塩分散物の調製
<再結晶ベヘン酸の調製>
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22-85R)100Kgを、1200Kgのイソプロピルアルコールにまぜ、50℃で溶解し、10μmのフィルターで濾過した後、30℃まで、冷却し、再結晶を行った。再結晶をする際の、冷却スピードは、2℃/時間にコントロールした。得られた結晶を遠心濾過し、200Kgのイソプルピルアルコールでかけ洗いを実施した後、乾燥を行った。得られた結晶をエステル化してGC-FID測定をしたところ、ベヘン酸含有率は98モル%、それ以外にリグノセリン酸が1.9モル%、アラキジン酸が0.1モル%、エルカ酸0.001モル%含まれていた。
【0580】
<有機銀塩分散物の調製>
再結晶ベヘン酸88Kg、蒸留水422L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液Bを得た。別に、硝酸銀39.1kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と87分6秒かけて添加した。このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後17分9秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
【0581】
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が80μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0582】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均球相当直径は0.40μm、球相当直径の体積加重平均変動係数11%の結晶であった。
【0583】
乾燥固形分269Kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA-217)19.7Kgおよび水を添加し、全体量を1000Kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
【0584】
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を900kg/cm2に調節して、三回処理し、ベヘン酸銀分散物を得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで10℃の分散温度に設定した。
【0585】
(還元剤分散物の調製)
1)還元剤−1分散物の調製
還元剤―1(2,2'-メチレンビス-(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール))10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を60℃で5時間加熱処理し、還元剤―1分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.40μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0586】
2)還元剤−2分散物の調製
還元剤―2(6,6'-ジ-t-ブチル-4,4'-ジメチル-2,2'-ブチリデンジフェノール)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加熱処理し、還元剤―2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.50μm、最大粒子径1.6μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0587】
(水素結合性化合物−1分散物の調製)
水素結合性化合物−1(トリ(4−t−ブチルフェニル)ホスフィンオキシド)10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて水素結合性化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で1時間加熱した後、引き続いてさらに80℃で1時間加温し、水素結合性化合物―1分散物を得た。こうして得た水素結合性化合物分散物に含まれる水素結合性化合物粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径1.3μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0588】
(現像促進剤の分散物の調製)
1)現像促進剤―1−68)の分散物
現像促進剤No.1−68を10Kgと変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液20Kgに、水10Kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて現像促進剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。こうして得た現像促進剤分散物に含まれる現像促進剤粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた現像促進剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0589】
2)現像促進剤−6−41
現像促進剤−6−41の固体分散物についても現像促進剤−1−68と同様の方法により分散し、それぞれ20質量%の分散液を得た。
【0590】
(色調調整剤−1の固体分散物の調製)
色調調整剤−1の固体分散物についても現像促進剤−1−68と同様の方法により分散し、15質量%の分散液を得た。
【0591】
(有機ポリハロゲン化合物分散物調製)
1)有機ポリハロゲン化合物分散物−1の調製
有機ポリハロゲン化合物−1を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミルUVM−2にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合物分散物(a)を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0592】
2)有機ポリハロゲン化合物分散物−2の調製
有機ポリハロゲン化合物−2を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水8kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミルUVM−2にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散液を40℃で5時間加温し、有機ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。こうして得たポリハロゲン化合物分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0593】
(フタラジン化合物溶液の調製)
8kgの変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgと6-イソプロピルフタラジンの70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0594】
(メルカプト化合物の調製)
1)メルカプト化合物−1水溶液
メルカプト化合物―1(1−(3−スルホフェニル)−5−メルカプトテトラゾールナトリウム塩)7gを水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0595】
2)メルカプト化合物−2水溶液
メルカプト化合物―2(1−(3−メチルウレイドフェニル)−5−メルカプトテトラゾール)20gを水980gに溶解し、2.0質量%の水溶液とした。
【0596】
(顔料−1分散物の調製)
C.I.Pigment Blue 60を64gと花王(株)製デモールNを6.4gに水250gを添加し良く混合してスラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gを用意してスラリーと一緒にベッセルに入れ、分散機(1/4Gサンドグラインダーミル:アイメックス(株)製)にて25時間分散し、水を加えて顔料の濃度が5質量%になるように調製して顔料−1分散物を得た。こうして得た顔料分散物に含まれる顔料粒子は平均粒径0.21μmであった。
【0597】
(SBRラテックス液の調製)
ガスモノマー反応装置(耐圧硝子工業(株)製TAS−2J型)の重合釜に、蒸留水287g、界面活性剤(パイオニンA−43−S(竹本油脂(株)製):固形分48.5%)7.73g、1mol/リットルNaOH14.06ml、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩0.15g、スチレン255g、アクリル酸11.25g、tert−ドデシルメルカプタン3.0gを入れ、反応容器を密閉し撹拌速度200rpmで撹拌した。真空ポンプで脱気し窒素ガス置換を数回繰返した後に、1,3−ブタジエン108.75gを圧入して内温60℃まで昇温した。ここに過硫酸アンモニウム1.875gを水50mlに溶解した液を添加し、そのまま5時間撹拌した。さらに90℃に昇温して3時間撹拌し、反応終了後内温が室温になるまで下げた後、1mol/リットルのNaOHとNH4OHを用いてNa+イオン:NH4 +イオン=1:5.3(モル比)になるように添加処理し、pH8.4に調整した。その後、孔径1.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納し、SBRラテックスを774.7g得た。イオンクロマトグラフィーによりハロゲンイオンを測定したところ、塩化物イオン濃度3ppmであった。高速液体クロマトグラフィーによりキレート剤の濃度を測定した結果、145ppmであった。
【0598】
上記ラテックスは平均粒径90nm、Tg=17℃、固形分濃度44質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.80mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM-30S使用し、ラテックス原液(44質量%)を25℃にて測定)、pH8.4
【0599】
3−2.塗布液の調製
1)画像形成層の調製
(画像形成層塗布液1〜9の調製)
上記で得た有機銀塩分散物1000g、水276mlに、有機ポリハロゲン化合物分散物−1、有機ポリハロゲン化合物分散物−2、フタラジン溶液、SBRラテックス(Tg:17℃)液、還元剤−1分散物、還元剤−2分散物、水素結合性化合物―1分散物wp加え、表14に示すように、現像促進剤―1−68の分散物と現像促進剤―6−41分散物を加え、さらに色調調整剤―1分散物、メルカプト化合物―1水溶液、メルカプト化合物―2水溶液を順次添加した後、塗布直前に塗布液調製用ハロゲン化銀乳剤Aを添加し、よく混合して、そのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
【0600】
(画像形成層塗布液10〜18の調製)
画像形成層塗布液1〜9の調製と同様にして、但し、ハロゲン化銀乳剤A1〜A3の代わりにハロゲン化銀乳剤B1〜B3を用いて、画像形成層塗布液10〜18を調製した。
【0601】
(画像形成層塗布液19〜27の調製)
画像形成層塗布液1〜9の調製と同様にして、但し、ハロゲン化銀乳剤A1〜A3の代わりにハロゲン化銀乳剤C1〜C3を用いて、画像形成層塗布液19〜27を調製した。
【0602】
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA-205(クラレ(株)製)1000g、顔料の5質量%分散物272g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス19質量%液4200mlにエアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を27ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を135ml、総量10000gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、9.1ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で58[mPa・s]であった。
【0603】
3)表面保護層第1層塗布液の調製
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス19.0質量%液112g、フタル酸の15質量%メタノール溶液を30ml、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)の5質量%水溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・s]であった。
【0604】
4)表面保護層第2層塗布液の調製
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合質量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤(F−1)の5質量%溶液を3.2ml、フッ素系界面活性剤(F−2)の2質量%水溶液を32ml、エアロゾールOTの5質量%溶液を23ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21g、4-メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層第2層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0605】
3−3.塗布
バック面と反対の面に下塗り面から画像形成層、中間層、保護層第1層、保護層第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料1〜36を作成した。このとき、画像形成層と中間層は31℃に、保護層第一層は36℃に、保護層第二層は37℃に温度調整した。
各試料Noとそれに用いた有機銀塩の種類とハロゲン化銀は、表1に示した。
画像形成層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0606】
有機銀塩(ベヘン酸銀の塗布量として) 5.27
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.036
ポリハロゲン化合物−1 0.09
ポリハロゲン化合物−2 0.14
フタラジン化合物−1 0.18
SBRラテックス 9.43
還元剤−1 0.55
還元剤−2 0.22
水素結合性化合物−1 0.28
現像促進剤−1−68 (表14に示す)
現像促進剤−6−41 (表14に示す)
色調調整剤−1 0.008
メルカプト化合物−1 0.002
メルカプト化合物−2 0.006
ハロゲン化銀(Agとして) 0.046
【0607】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
【0608】
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0609】
以下に本発明の実施例に用いた化合物の構造を示す。
【0610】
【化98】
【0611】
【化99】
【0612】
【化100】
【0613】
【化101】
【0614】
【化102】
【0615】
【表14】
【0616】
4.性能評価
1)準備
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%RHの環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
【0617】
(包装材料)
PET10μm/PE12μm/アルミ箔9μm/Ny15μm/カーボン3質量%を含むポリエチレン50μm、酸素透過率:0.02ml/atm・m2・25℃・day、水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
【0618】
2)露光及び現像処理
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPLの光源として日亜化学工業(株9の半導体レーザーNLHV3000Eを実装し、レーザー光量を0および1mW/mm2〜1000mW/mm2の間で変化させて、上記の試料を露光した。レーザーの発振ピーク波長は405nmであった。熱現像は上記装置の4枚のパネルヒーターを112℃、118℃、120℃、120℃に設定し、現像時間は合計で14秒になるように線速度を調整した。
【0619】
3)評価
(感度)
試料1のかぶり+1.0の黒化濃度を与えるのに必要な露光量の逆数を100として相対値で示した。数値が大きいほど感度が高いことを表す。
(かぶり)
未露光部分の濃度で示した。
(生保存性)
前述の包装材料で密封した各試料を45℃7日間の強制保存条件下に保存した後に露光と熱現像処理を行い、冷凍保存した試料と比較で感度変化を調べた。
生保存性(感度変化)=冷凍保存した試料の感度 ― 45℃7日間の強制保存条件下に保存後の感度
【0620】
(プリントアウト耐性)
熱現像した各試料を25℃70%RHの室内で蛍光灯下200ルクスの下に20日間放置した。放置前に対するかぶりの増大値を測定した。
【0621】
得られた結果を表15に示した。本発明による熱現像感光材料は、感度が高く、低かぶりであり、かつ生保存性、プリントアウト耐性も強く、優れた性能を示した。特に、吸着基と還元基を有する化合物と現像促進剤を併用するとそれぞれの単独効果より極めて大きく優れて低かぶりで高感度化効果を発揮する予想外の結果であった。また、この効果は、沃化銀含有率が高いほど顕著であった。
【0622】
【表15】
【0623】
【発明の効果】
本発明によれば、高感度で生保存性、および画像保存性に優れた熱現像感光材料が提供される。

Claims (9)

  1. 支持体の同一面上に感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤、およびバインダーを含む画像形成層を有する熱現像感光材料であって、下記一般式(I)で表される感光性ハロゲン化銀への吸着基と還元基とを有する化合物またはその前駆体、および下記一般式(1)(2)及び(3)で表される化合物より選ばれる少なくとも1種の現像促進剤を含有することを特徴とする熱現像感光材料:
    (一般式(1)において、Q1は、炭素原子でNHNH−R1と結合する5〜7員の不飽和環を表し、R1はカルバモイル基を表す。一般式(2)及び(3)において、X2及びX3は、それぞれ独立して水素原子または置換基を表し、R21及びR31〜R32は、それぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。但し、一般式(2)の化合物は、OH基に対して2−位にカルバモイル基を有する。m及びpはそれぞれ独立して0〜4の整数、nは0〜2の整数を表す。)
    一般式(I)
    A−(W)n−B
    (式中、Aはハロゲン化銀に吸着可能な基を含む原子群を表し、Wは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Bはフェニドン類より誘導される還元基を表す。)
  2. 前記ハロゲン化銀への吸着基がジメルカプト置換ヘテロ環基であることを特徴とする請求項に記載の熱現像感光材料。
  3. 前記一般式(1)において、R1は−CO−NH−R1'で表される置換カルバモイル基であり、R1'が炭素数1ないし10のアルキル基またはアリール基であることを特徴とする請求項に記載の熱現像感光材料。
  4. 前記還元剤が、下記一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
    (一般式(7)において、R71及びR71'は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R72及びR72'は、それぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。X71及びX72'は、それぞれ独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。Lは−S−基または−CHR73−基を表し、R73は水素原子またはアルキル基を表す。)
  5. 前記感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が、5モル%以上100モル%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  6. 前記感光性ハロゲン化銀のヨウ化銀含量が、40モル%以上100モル%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  7. レーザー光源により露光されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の熱現像感光材料。
  8. 前記レーザー光源が350nm〜450nmの波長のレーザー光源であることを特徴とする請求項に記載の熱現像感光材料。
  9. 前記レーザー光源が青色半導体レーザーであることを特徴とする請求項または請求項に記載の熱現像感光材料。
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