JP4137512B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関する。より詳しく言えば、本発明は、少なくとも一方が透明である一対の基板の間に、一般に液晶として知られる光スイッチ機能を有する媒体を挟持した液晶表示装置であって、有効表示領域における基板間のギャップが均一且つ一定に保たれることにより、コントラストや応答速度等の均一性が向上し良好な表示品質を示す液晶表示装置と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少なくとも一方が透明である一対の基板間に、光スイッチ機能を有する媒体である液晶を充填した液晶表示装置は、一般に薄くて軽量で低消費電力である等の点から、電卓、家庭電化製品あるいはOA機器等の表示装置、空間光変調装置(Spacial Light Modulator)等として広く用いられている。
【0003】
液晶表示装置では、基板間のギャップが均一且つ一定であることが、良好な表示を行うのに不可欠である。均一且つ一定のギャップの維持のためには、基板間に配置される、一般にスペーサと呼ばれる部材が使用されている。スペーサには、大別して粒子(ビーズ)状のものと柱(ピラー)状のものがあり、それらの配置・固定化方法が種々開発されてきた。
【0004】
一つの方法として、球状の粒子(ビーズ)を基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御する方法が提案されている。ところが、この方法では、ビーズの配置を制御することが困難であり、ビーズは表示に不可欠な画素部分にも散布されることになって、それにより液晶分子の配向欠陥を招来し、表示品位を低下させる問題があった。
【0005】
これを防止するため、ビーズの散布に代えて、フォトリソグラフィー法により画素部分以外に柱状のスペーサを選択的に形成する技術が提案されている。この場合、画素部分にスペーサがないため、配向欠陥、表示品位低下を防止することができる。ところが、スペーサは通常、一方の基板とは接着しているものの他方の基板とは接着性がないため、外圧を受ける(例えば指先で押される等により)と基板間隔が変動し、それに従い基板上の電極間隔が変動して、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等の問題が発生していた。更に極端な場合は、外力によって基板どうしが接触し、配向膜が損傷を受けて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下する等の問題が発生していた。
【0006】
そこで、スペーサに両基板との接着性を持たせる検討が行われているが、精密なギャップ制御と強い接着性の実現はこれまで困難であった。例えば、特開2000−155321号公報では、スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立するようにしている。ところが、この手法では、ビーズをスペーサ形成用の樹脂に分散させているため、下記に示す問題が発生する。
(1)確率的にビーズを含有しないスペーサが存在するため、ギャップ均一性が劣る。
(2)この問題を避けるため、ビーズ含有量を増やすと、ビーズがフィラーとして作用して悪影響を及ぼし、スペーサの製造時にスペーサ材料を均一にスピンコートできず、塗布厚さにムラができ、その結果スペーサ高さが不均一になる。
(3)均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分はパターニングにより除去するため、ほとんどのビーズは捨てることになり、製造コストを上昇させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、液晶表示装置用スペーサのこれまでの配置・固定化技術は、外圧に対し強く(耐衝撃性が高く)、表示特性の良好な液晶表示装置を実現するのに十分ではなかった。
【0008】
更に、これまでのスペーサは、基板上にスペーサを均一且つ高密度に配置させた状態で配向膜材料溶液を塗布することが困難であったり、配向膜のラビング処理の際にスペーサが剥がれ落ちてしまったりといったように、液晶表示装置の表示品質を維持したままスペーサを基板上に固定するのにも十分でなかった。
【0009】
本発明は、上記の問題の解決し、スペーサ形成材料へのビーズ等の混合なしに樹脂だけでスペーサを形成し、スペーサにより基板どうしを強固に接着して、外圧に対する強度と表示特性の向上を実現可能な液晶表示装置とその製造方法の提供を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶表示装置の製造方法は、少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置の製造方法であって、一方の基板上に、硬化前における強度が100〜1000N/mm 2 であり、且つ、感光性樹脂で形成された前記スペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサを加熱により硬化させて基板に接着させ、前記スペーサの強度を前記硬化前の強度の1.2倍以上とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法である。
【0011】
本発明の液晶表示装置は、一方の基板上に前記スペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサを加熱により硬化させて基板に接着させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法により製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方が透明である一対の基板を有し、これらの基板間には液晶が封入されている。双方の基板の対向面には、電極が形成され、各電極の上に液晶分子の配向を規制する配向膜が設けられている。電極は、透明基板上のものが透明であればよいが、両方の基板上の電極を透明電極として形成してもよい。以下の説明では、両方の基板上に透明電極が存在するものとする。
【0013】
本発明の液晶表示装置においては、基板間に、感光性樹脂から形成されたスペーサが配置されている。このスペーサの感光性樹脂は、基板どうしを重ね合わせた後に、加熱により硬化して両基板に対し接着力を示し、双方の基板をこのスペーサを介して強固に結合するとともに、基板間のギャップを均一且つ一定に保持する。
【0014】
本発明で用いる感光性樹脂は、フォトリソグラフィー法によるパターニングが可能であり、スペーサを所定パターンに従って形成するのが容易である。そのため、液晶表示装置の画素部分を除いて基板間の一定ギャップの保持に有効な位置にスペーサを選択的に配置することができる。また、パターニングに先立ち形成する感光性樹脂層の膜厚を調整することにより、対向基板間の間隔を制御するのが容易である。
【0015】
本発明の液晶表示装置のスペーサを形成する感光性樹脂としては、ポジ型又はネガ型の各種の感光性樹脂が使用できる。例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂等、あるいはゼラチンを感光性樹脂化したものから選択される少なくとも1種の樹脂を使用することができ、ここに挙げた樹脂は一般的なレジスト材料として商業的に入手可能である。ポジ型の感光性樹脂が使用された場合、その露光部が分解され、現像処理によって選択的に除去される。一方、ネガ型の感光性樹脂が使用された場合、その露光部は架橋反応または重合反応が誘起されて固化し、未露光部が現像処理によって選択的に除去される。
【0016】
間に液晶を封入した対向基板は、液晶の漏出を防ぐため周辺部を封止される。この封止には、通常樹脂材料が使用され、それは、例えば加熱により、硬化することで封止機能を果たす。スペーサを形成する感光性樹脂を熱硬化性とし、その硬化温度が周辺封止樹脂の硬化温度と等しいか、あるいはそれより低い樹脂を用いることにより、スペーサの感光性樹脂の硬化による基板どうしの結合と、液晶表示装置の周辺部の封止を一つの工程で行うことができる。
【0017】
本発明の液晶表示装置で使用する一対の基板には、液晶表示装置の表示動作に必要な透明電極が設けられ、その上に樹脂で形成された配向膜が存在していて、この配向膜表面には液晶分子を所定の方向に配向させるためのラビング処理が施されている。基板を重ね合わせた後の加熱によりスペーサを硬化させる際には、配向膜のラビング効果を損なわない温度で加熱することが重要である。また、スペーサの加熱による硬化温度は、上述のように液晶表示装置の周辺封止樹脂の硬化温度以下であるのが好ましい。一般に、基板間に液晶を封入後、液晶を再配向させるアニール処理の温度が110℃程度であるので、スペーサの熱硬化性樹脂及び基板の周辺部封止用の熱硬化性樹脂の硬化温度を110℃以上にすることが望ましい。また、150℃を超える温度になると配向膜のラビング効果が失われるため、150℃より高い温度での加熱は避けるべきである。従って、スペーサ及び基板周辺部封止用の熱硬化性樹脂の硬化温度は、110〜150℃の範囲にあるのが好ましい。
【0018】
本発明の液晶表示装置における一対の基板は、スペーサが未硬化(あるいは半硬化)の状態でそれらを対向して所定の位置に配置後に、スペーサを硬化させて最終的に結合される。そのため、基板と重ね合わせる前、つまり硬化前のスペーサは、基板を重ね合わせた後の圧着により潰れない程度の強度(100〜1000N/mm2)を持つべきである。更に、スペーサはその硬化後において、液晶表示装置にかかる外圧に対し十分耐えるように、硬化前の強度の1.2倍以上の強度を示すことが好ましい。
【0019】
本発明におけるスペーサ強度は、微小圧縮試験機(例えば島津製作所製MCTM−500)を使用して、加圧圧子の直径50μm及び負荷速度50mN/sの条件でスペーサを圧縮し、スペーサの初期の高さに対し20%圧縮した時の面圧(S0)に対応するスペーサ硬度として測定される。面圧が低いほど低硬度であり、スペーサ強度が小さい。すなわち、本発明におけるスペーサ強度は、次の式により求まる面圧S0で表される。
S0=P0/A
S0:面圧(N/mm2)
P0:スペーサを20%圧縮した時の荷重(N)
A :スペーサの断面積(mm2)
【0020】
本発明の液晶表示装置において使用する液晶は特に限定されず、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶等の公知の液晶を使用することができる。
【0021】
本発明の液晶表示装置は、一方の基板上に前記スペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサを加熱により硬化させて基板に接着させることで製造することができる。
【0022】
基板間ギャップへの液晶の充填方法としては、予め対向させた基板間に真空を利用して液晶を充填封入する真空法、あるいは一方の基板上に液晶を滴下してから他方の基板を重ねる滴下法が代表的であり、本発明の液晶表示装置はそのどちらにより製造することも可能である。例えば、滴下法による場合、一対の基板の一方に前記スペーサを形成し、一対の基板のいずれか一方の基板上に液晶を滴下した後、2枚の基板を重ね合わせ、基板周辺封止部材とともに加熱することにより、スペーサを両方の基板に接着することができる。
【0023】
本発明の液晶表示装置は、基板間を封止するための周辺封止を全く施さずに、あるいは実質的に施さずに(ごく限られた一部にだけ施して)、該全くあるいは実質的に周辺封止を施していない部分全域または一部に液晶を付着させた後、液晶を該基板の間に充填し、次いで封止していない周辺全域を封止部材で封止することにより製造することが可能である。この方法によれば、基板間に液晶を効率よく注入することができ、それによりスループットを向上させ、製造コストを低減し、製品歩留まりを向上させることができる。
【0024】
この場合、基板に液晶を付着させる前後の圧力差又は温度差、あるいはその両者を利用して、液晶を基板の間に充填してもよく、それにより基板間のギャップに液晶をより短時間で充填することができる。また、液晶を付着させる部分に、ディスペンサを使用して液晶を滴下して付着させることができる。ディスペンサの使用は、液晶の定量的且つ容易な付着を可能にする。
【0025】
本発明では、基板の周辺部を封止する材料として、熱硬化性樹脂あるいは光硬化性樹脂のいずれを使用することもできる。熱硬化性樹脂を使用する場合には、その硬化温度を、加熱によって硬化して両基板に対し接着力を呈するスペーサの硬化温度と等しいか、あるいはそれより高くすることによって、加熱工程において、スペーサを硬化させて、液晶表示装置の表示部の電極間のギャップを設定し、その電極間のギャップを保ったままで基板の周辺部を封止することができる。光硬化性樹脂を使用する場合には、より低温で基板間を封止することができる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
図1に、下記の例で製造した液晶表示装置を模式的に示す。この液晶表示装置10には、対向したガラス基板1、2と、これらの基板間に位置し、基板間のギャップを保持しているスペーサ3と、基板1、2の周辺部を封止している接着シール材4と、基板間のギャップに封入された液晶5が含まれている。基板1、2の対向面にはそれぞれ、透明電極が形成されており(一方は個別電極として、他方は共通電極として形成される)、その上にラビング処理を施した配向膜が位置しているが、簡単にするため図1にそれらは図示していない。
【0028】
まず最初に、液晶表示装置の電極間のギャップを均一かつ一定に保って封止する工程にしぼって説明することにし、使用する材料等については後の例で具体的に説明する。
【0029】
透明電極と配向膜を形成したガラス基板1の上に、フォトレジスト材料を2μmの膜厚になるようにスピンコートした。このレジスト膜をプリベーキングしてから、フォトマスクを用いて紫外線露光装置により露光を行い、続いて現像を行って、基板上に直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサ3を作製した。こうして形成したスペーサを、純水で洗浄後、乾燥させた。
【0030】
スペーサ3を設けたガラス基板1の周辺部に、液晶注入口となる部分を残して接着シール材4を配置し、ガラス基板1の上にもう一方のガラス基板2を載置した組立体を作った。この組立体を熱処理装置(図示せず)内に装填し、スペーサ3及び接着シール材4の熱硬化性樹脂の硬化温度(110℃〜150℃)で加熱加圧した。この処理によって、スペーサ3は圧力を受けたまま硬化して、ガラス基板1とガラス基板2とを強固に結合させた。同時に、接着シール材4によってガラス基板1とガラス基板2の周辺がシールされた。
【0031】
その後、液晶注入口を通してガラス基板1とガラス基板2の間に液晶5を注入し、液晶注入口を最終的に封止した。
【0032】
(実施例1)
上述の液晶表示装置の製造方法に従って、実施例1の液晶表示装置を次のように製造した。
【0033】
片面にITOの透明電極を設けた200×100×1.1mmの一対のガラス基板上に、3wt%のポリイミド溶液をスピンコータを用いて2000rpmの回転数で塗布し、200℃で30分焼成して配向膜を形成した。
【0034】
一方のガラス基板の配向膜上に、ネガ型フォトレジスト材料(TLOR−N、東京応化工業社製)を膜厚が2μmになるようにスピンコートした。形成したレジスト膜のプリベーキングをホットプレート上にて100℃で1分間行い、そして紫外線露光装置により50mJ/cm2でレジスト膜の露光を行った。次に、レジスト膜を現像して、直径10μmの円柱が100μm間隔で縦横に並ぶパターンでスペーサを形成し、純水で洗浄後、乾燥させた。
【0035】
続いて、両方のガラス基板の配向膜をラビング処理した。
【0036】
次に、一方のガラス基板の周辺部に150℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を液晶注入口を除いて印刷法によって付着させた。一対のガラス基板を、透明電極が向かい合うように重ね合わせ、真空袋に入れて、150℃、1時間で周辺部のシール材であるエポキシ樹脂を硬化させるとともに、スペーサも硬化させて、ガラス基板どうしを接合させた。次に、液晶注入口を通して強誘電性液晶を注入し(真空法)、液晶注入口を封止して強誘電性液晶表示装置を得た。
【0037】
この液晶表示装置をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられなかった。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して、耐ストレス性を備えることが認められた。
【0038】
また、液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0039】
上記と同一条件で再実験した時の、硬化前のスペーサの強度は1000N/mm2であり、ガラス基板を重ねない条件で硬化後の強度は2000N/mm2であった。
【0040】
(比較例1)
ここでは、実施例1の液晶表示装置と比較するために、ガラス基板の寸法形状、配向膜、スペーサ及び液晶材料等の条件は実施例1と同一にし、スペーサ形成材料であるネガ型フォトレジストの露光時間を実施例1に比べ5倍にすることで基板を重ね合わせる前のスペーサ強度を高くした例を説明する。
【0041】
実施例1と同様に2枚の基板上に配向膜を形成後、一方の基板上にレジスト膜を形成し、250mJ/cm2で実施例1と同一パターンの露光を行い、続いて現像、リンス、乾燥を行った。次いで、実施例1におけるのと同じ手順に従って、液晶表示装置を作製した。
【0042】
この液晶表示装置をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察された。これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0043】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、基板を重ね合わせる前に既に硬化が進んでいたスペーサが一方の基板と十分接着していないため、荷重によりパネルギャップが変動したためである。
【0044】
上記と同一条件で再実験した時の、基板を重ね合わせる前の、既に硬化が進んでいるスペーサの強度は2100N/mm2であった。
【0045】
これらの結果から、基板を重ね合わせる前のスペーサの硬化が進み、強度が高くなったため、この例の液晶表示装置は、基板を重ね合わせてから加熱してもスペーサの接着性が不十分で、表示特性及び外力に対する強度が劣ったものになったものと考えられる。
【0046】
(実施例2)
スペーサ形成材料としてポジ型レジスト材料(TPAR−PO12MP、東京応化工業社製)を使用し、露光マスクをポジ用のものに替えた以外は、実施例1と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0047】
この液晶表示装置をクロスニコルス下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化はみられず、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする外力に対して耐ストレス性を備えることが認められた。
【0048】
また、液晶表示装置の中央部を支持し、両端に300gの荷重を加えたところ、画面全体にわたって表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面にわたって変化しなかった。
【0049】
上記と同一条件で再実験した時の、基板を重ね合わせる前(硬化前)のスペーサの強度は110N/mm2、ガラス基板を重ね合わせない条件で硬化後の強度は2000N/mm2であった。
【0050】
(比較例2)
スペーサ形成材料であるポジ型レジストのプリベーク温度を140℃に変えた以外は、実施例2と同一条件で液晶表示装置を作製した。
【0051】
この液晶表示装置をクロスニコルス下に置き、先端径0.8mmのペン先によりペン荷重100gで表示部の中央を押したところ、ペン先の周囲に表示色の変化が観察され、これにより、この液晶表示装置は液晶層厚を小さくする方向の外力に対する耐ストレス性が劣ることが示された。
【0052】
液晶表示装置の中央部を支持し、その両端に100gの荷重を付加したところ、画面全体にわたり表示色の変化が観察された。これは、プリベーク時のより高い温度での加熱によりスペーサ形成材料の硬化が進んだことにより、スペーサが一方の基板と接着していないため、荷重によってパネルギャップが変動したためである。
【0053】
上記と同一条件で再実験した時の、基板を重ね合わせる前のスペーサの強度は1100N/mm2であった。
【0054】
これらの結果から、基板を重ね合わせる前のスペーサの硬化が進み、硬度が高くなったため、この例の液晶表示装置は、基板を重ね合わせてから加熱してもスペーサが接着性を示さず、表示特性及び外力に対する強度が劣ったものになったものと考えられる。
【0055】
(比較例3)
スペーサ材として、190℃、1時間で硬化するネガレジストを用い、190℃1時間で硬化させた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。その結果、配向膜に熱によるダメージが見られ、液晶表示装置の表示品位が低下した。
【0056】
(比較例4)
スペーサ材として、150℃、1時間で硬化するネガレジストを用い、また、シール材として、140℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。その結果、パネル周辺部のシール材が硬化した後でスペーサが硬化したため、表示領域の中央部が膨らみ、ギャップが不均一になり、液晶表示装置の表示品位が低下した。
【0057】
(比較例5)
スペーサ材として、100℃、1時間で硬化するネガレジストを用い、また、シール材として、100℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を用い、液晶滴下法で液晶を加温しながらパネル内に充填した後、基板を重ね合わせ、100℃で硬化させた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。その結果、ネガレジスト、シール材の硬化温度が低いため、加温状態(100℃)で液晶充填する際、ネガレジストの硬化が始まる問題が発生し、基板との接着性が得られなかった。
【0058】
(比較例6)
スペーサ材として、160℃、1時間で硬化するネガレジストを用い、また、シール材として、160℃、1時間で硬化するエポキシ樹脂を用い、160℃で硬化させた以外は、実施例1と同様に液晶表示装置を作製した。その結果、配向膜に熱によるダメージが見られ、液晶表示装置の表示品位が低下した。
【0059】
(実施例3)
この例は、ディスペンサを使用して液晶を滴下した(滴下法)以外は、実施例1と同様であった。1対のガラス基板の一方にスペーサを形成し、次いで液晶を滴下してから、透明電極が向かい合うように2枚のガラス基板を貼り合わせ、真空袋に入れ、150℃、1時間で周辺部のシール材であるエポキシ樹脂とスペーサのネガレジストを硬化させ、液晶表示装置を作製した。
【0060】
この液晶表示装置は、実施例1と同様に、良好な表示特性及び外力に対する耐ストレス性を示した。また、同一条件で再実験した時の、基板を重ね合わせる前(硬化前)のスペーサの強度は800N/mm2、ガラス基板を重ね合わせない条件で硬化後の強度は2000N/mm2であった。
【0061】
本発明は、以上説明したとおりであるが、その特徴を種々の態様ととも付記すれば、次のとおりである。
(付記1)少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置であって、前記スペーサが感光性樹脂で形成されており、且つ、前記基板のおのおのが、それらを重ね合せた後に硬化した該スペーサに接着していることを特徴とする液晶表示装置。
(付記2)前記スペーサの硬化前における強度が100〜1000N/mm2であり、且つ、前記基板を重ね合せた後に硬化した前記スペーサの強度が上記硬化前の強度の1.2倍以上であることを特徴とする、付記1記載の液晶表示装置。
(付記3)前記スペーサの感光性樹脂がポジ型フォトレジストであることを特徴とする、付記1又は2記載の液晶表示装置。
(付記4)前記スペーサの感光性樹脂がネガ型フォトレジストであることを特徴とする、付記1又は2記載の液晶表示装置。
(付記5)前記スペーサの硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記1から4までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記6)前記スペーサの硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記1から5までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記7)前記スペーサの感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記1から6までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記8)前記基板の周辺部が熱硬化性樹脂で封止されていることを特徴とする、付記1から7までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記9)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記8記載の液晶表示装置。
(付記10)前記スペーサの硬化温度が前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度に等しいか、あるいはそれより低いことを特徴とする、付記8又は9記載の液晶表示装置。
(付記11)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記8から10までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記12)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記1から11までのいずれか一つに記載の液晶表示装置。
(付記13)付記1記載の液晶表示装置を製造する方法であって、一方の基板上に前記スペーサを形成し、この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサを加熱により硬化させて基板に接着させることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
(付記14)前記スペーサの形成を、フォトリソグラフィー法による前記感光性樹脂のパターニングにより行うことを特徴とする、付記13記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記15)前記感光性樹脂の硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記13又は14記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記16)前記感光性樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記13から15までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記17)前記スペーサの感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、付記13から16までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記18)前記基板の周辺部を熱硬化性樹脂で封止することを特徴とする、付記13から17までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記19)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、付記18記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記20)前記感光性樹脂の硬化温度が前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度に等しいか、あるいはそれより低いことを特徴とする、付記18又は19記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記21)前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、付記18から20までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
(付記22)前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、付記13から21までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶表示装置においては、電極を有する基板上に形成された配向膜の上にフォトリソグラフィー法により、ビーズ等の混合なしで、樹脂だけで形成したスペーサにより、一対の基板を強固に接着することで、電極間のギャップが表示領域内で均一、且つ一定に保たれる。それにより、本発明の液晶表示装置は、有効表示領域内におけるコントラストや応答速度の均一性が改善され、表示品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で製作した液晶表示装置を説明する図である。
【符号の説明】
1、2…ガラス基板
3…スペーサ
4…接着シール材
5…液晶
10…液晶表示装置
Claims (9)
- 少なくとも一方が透明である一対の基板であって、各基板の片面には電極と配向膜とが形成されていて、それらを形成した面が向き合うように対向させた基板と、対向するこれらの基板間に配置されたスペーサと、該基板間に封入された液晶とを含み、且つ、対向する該基板の周辺部を封止してなる液晶表示装置の製造方法であって、
一方の基板上に、硬化前における強度が100〜1000N/mm 2 であり、且つ、感光性樹脂で形成された前記スペーサを形成し、
この基板ともう一方の基板とを重ね合わせた後に、前記スペーサを加熱により硬化させて基板に接着させ、前記スペーサの強度を前記硬化前の強度の1.2倍以上とすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 前記スペーサの感光性樹脂がポジ型フォトレジスト又はネガ型フォトレジストであることを特徴とする、請求項1記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記スペーサの硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、請求項1又は2記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記スペーサの感光性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、環化ゴム、ノボラック樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、アクリレート樹脂、ビスフェノール樹脂、及び感光性樹脂化したゼラチンから選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記基板の周辺部が熱硬化性樹脂で封止されており、この樹脂の硬化温度が110〜150℃の範囲であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度が前記配向膜のラビング効果を損なう温度より低いことを特徴とする、請求項5記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記スペーサの硬化温度が前記基板の周辺部を封止する樹脂の硬化温度に等しいか、あるいはそれより低いことを特徴とする、請求項5又は6記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記液晶が、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、又はスメクティックA相液晶であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記スペーサの形成を、フォトリソグラフィー法による前記感光性樹脂のパターニングにより行うことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一つに記載の液晶表示装置の製造方法。
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