JP4137543B2 - 遅延噴射機構およびこれを用いたエアゾール式製品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遅延噴射機構に関し、特に、噴射操作をしてから内容物が噴射されるまでの遅延動作がスムーズに行われるようにし、また、各構成部品の形状を簡単化してコストダウンを図った遅延噴射機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の遅延噴射機構を備えたエアゾール容器の噴射過程を示す説明図である。
【0003】
図5において、3は遅延噴射機構、30はカバー体、30aはカバー体の段部、31は噴射操作用の押釦、31aは内容物噴射用通路、32は噴射口、33は内容物の圧力を受けて上動するピストン、33aは当該ピストンの壁部、33bは当該ピストンに予め形成されている内容物噴射用の孔部、33cは当該ピストンとシリンダ34との間の内容物噴射用の隙間、33dは当該ピストンの環状の外底面部分、34はピストン33とともに下動してステムを押圧するシリンダ、34aは当該シリンダとピストン33に囲まれて閉状態の下側空間部、34bはカバー体30の段部30aに係止する爪部、34cは当該シリンダの環状の内底面部分、35はシリンダ34との間で密閉空間を形成するシリンダカバー、35aは当該シリンダカバーとピストン33に囲まれて閉状態の上側空間部、36は上側空間部35aの空気を下側空間部34aに吸引する際の圧力調整部材、36aは細孔、37は内容物一時貯留部、38はステム、39はマウンテンキャップ、40は容器、41は外部空間をそれぞれ示している。
【0004】
図5に示すように、遅延噴射機構3は、
・シリンダ34とシリンダカバー35によって密閉された空間を形成し、
・ピストン33とシリンダ34との間に、外部空間に連通しない下側空間部34aを形成し、
・ピストン33とシリンダカバー35との間に、外部空間に連通しない上側空間部35aを形成する、
構成となっているため各部材は複雑な形状であり、また互いに入り組んだ構造となっている。
【0005】
静止モード (図示省略:ピストン33の外底面部分33dとシリンダ34の内底面部分34cとが当接した状態)で押釦31を押すと、ピストン33,圧力調整部材36,シリンダ34,シリンダカバー35が一体となって下動してシリンダ34の爪部34bがカバー体30の段部30aに係止し、ステム38が押圧される。
【0006】
この押圧動作によりステム38の弁 (図示省略)が開き、容器40の内容物はステム38を通過して内容物一時貯留部37に流入してピストン33の壁部33aを押し上げる。このとき、当該ピストンに嵌合した圧力調整部材36および押釦31も上動する。
【0007】
ピストン33の上動により、下側空間部34aは減圧された状態となるので、上側空間部35aの空気が圧力調整部材36の細孔36aから吸引されて下側空間部34aに移動する。
【0008】
下側空間部34aは閉空間域となっているので、吸引された空気はシリンダ34にぶつかって乱流状態となる。
【0009】
ピストン33が図示の位置よりさらに上昇して、当該ピストンとシリンダ34との間に隙間33cが形成されると、内容物は当該隙間−孔部33b−内容物噴射用通路31aを経由して噴射口32から外部空間41に噴射される。
【0010】
内容物の噴射開始時点は、押釦31を押してから隙間33cが形成されるまでの時間だけ遅延される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の遅延噴射機構におけるピストンの上動に際して、当該ピストンの上側空間部の空気は下側空間部へ吸引されている。
【0012】
上述のようにこの吸引された空気には逃げ場がなく下側空間部で乱流状態となる。そして、その一部は上側空間部の方向にも向かうので、上側空間部からの空気の吸引作用の抵抗となり、その結果ピストンの動作ががたつき、最悪の場合には内容物噴射開始位置に至るまでにピストンが止まってしまいかねないという問題点があった。
【0013】
また、上側空間部および下側空間部に分割される閉空間域を形成するためのピストンやシリンダの形状は複雑で互いに入り込むような構造となっており、部品の製作や組立作業に時間がかかり、その結果、遅延噴射機構全体のコストが高くなるという問題点があった。
【0014】
そこで、本発明では、利用者の噴射操作に基づいて噴射開始位置へと移動し始める弁部材の移動量に応じて容積が小さくなる空間域の遅延動作用気体を外部空間に排出することにより、弁部材をスムーズに動作させることを目的とする。
【0015】
また、遅延噴射機構の各部材の形状や内部構造を簡単化し、部品の製作や組立作業の手間を省くことを目的とする。
【0016】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)噴射操作時から遅れて容器(例えば後述の容器22)の内容物が外部空間に噴射される遅延噴射機構(例えば後述の遅延噴射機構2)において、
ステム(例えば後述のステム20)の出力側に取り付けられて噴射操作時に前記内容物の一時貯留部(例えば後述の内容物一時貯留部19)を形成する筒状の中間通路用部材(例えば後述の中間通路用部材14)と、
前記一時貯留部の構成要素であり、ステム下流側に配されて遅延噴射用の内容物通過孔部(例えば後述の孔部12e)およびこれの下流側で外部空間へと続く内容物通路(例えば後述の通路12f)を有する鞘状のもので、噴射操作時に前記中間通路用部材および前記ステムを作動モードの位置に移動させるとともに、自らは噴射操作後の位置に保持される噴射出力部材(例えば後述の操作部材12)と、
前記一時貯留部の構成要素であり、前記噴射出力部材の周囲に配されて前記内容物通過孔部に対する弁機能を持ち、作動モードの前記ステムから当該一時貯留部に流入する前記内容物の圧力により移動して当該内容物通過孔部をその閉状態から開状態に変化させる弁部材(例えば後述の弁部材17、弁作用部18)と、
前記噴射出力部材の外周面部分および前記弁部材に当接して、当該各部材のそれぞれとの間で囲まれた形の遅延作動用の空間部(例えば後述の上側空間部17b)を、その容積が当該弁部材の移動に応じて変化する態様で、設定する容器カバー体(例えば後述のカバー体10)と、を備え、
前記噴射出力部材および前記容器カバー体の前記当接部分の少なくとも一方に、前記空間部を外部空間と連通させるための溝状部(例えば後述の溝部12d)を形成する。
(2)上記(1)において、前記容器カバー体は、
前記弁部材と当接する内周面部分を有しており、
前記内容物通過孔部の開状態の弁部材位置に対応する前記内周面部分(例えば後述の凹部10f)の径が、当該内容物通過孔部の閉状態の弁部材位置に対応する前記内周面部分の径よりも大きく設定され、当接にともなう前記弁部材との間の摩擦力が当該閉状態のときよりも当該開状態のときに小さくなる態様とする。
【0017】
本発明によれば、噴射操作に基づく弁部材の移動にともなって容積が小さくなる空間域の遅延動作用の気体をいわば層流状態にして外部空間に排出し、これにより弁部材を内容物の噴射位置へとスムーズに移動させ、かつ当該気体の収納用閉空間部の省略化を図っている。
【0018】
また、弁部材に形成した排気用孔部およびこれに続く外部空間連通域を遅延動作用気体の排出部とし、これにより遅延動作時の弁部材の移動にともなっていわば余分となった内部気体を外部空間に効率的に排出している。
【0019】
また、排気用孔部に通じる部分に遅延動作用気体の排出に対する抵抗部材を設け、これにより遅延時間の拡大化を図り、さらには各種の抵抗部材に応じて遅延時間を選択的に設定できるようにしている。
【0020】
また、噴射出力部材(鞘状部)と容器カバー体との当接対象部分(=弁部材とは別の部分)に形成した溝状部を遅延動作用気体の排出部として用い、すなわち可動部材である弁部材に排気用孔部を形成してそのバランスがくずれるようなことを確実に回避し、これにより遅延動作時の弁部材の移動を一段と円滑なものにしている。
【0021】
本発明は、以上の特徴を持つ遅延噴射機構を対象とするとともに、この遅延噴射機構を備えたエアゾール式製品も対象にしている。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、弁部材15に空気排出用孔部を形成した遅延噴射機構の静止モード,
図2は、図1の遅延噴射機構の作動モード初期段階 (孔部11d:閉状態),
図3は、図2に続く噴射段階(孔部11d:開状態),
図4は、ステム押圧用の柱状部12cに空気排出用溝部を形成した遅延噴射機構の作動モード初期段階 (孔部12e:閉状態),
をそれぞれ示している。
【0023】
これらの図において、
1は遅延噴射機構(その1),
2は遅延噴射機構(その2),
10はカバー体,10aは静止モードで後述の操作部材11,12の突状部11b,12bを係止する上側凹状部,10bは作動モードで後述の操作部材11,12の突状部11bを係止する下側凹状部,10cは突状部11b,12bを上側凹状部10aから下側凹状部10bへ案内するレール部,10dは操作部材11に当接する小径部,10eは外部空間連通口,10fはカバー体10内周面に形成した凹部,
11は噴射操作用の操作部材,11aは回動操作部,11bは突状部,11cはステム押圧用の柱状部,11dは内容物通過用の孔部,11eは内容物噴射用の通路,
12は空気排出用の溝部12dを形成した操作部材,12aは回動操作部,12bは突状部,12cはステム押圧用の柱状部,12dは空気排出用のローレット加工状の溝部,12eは内容物通過用の孔部,12fは内容物噴射用の通路,12gはカバー体10と操作部材12との隙間,
13は内容物の噴射口,
14は後述の内容物一時貯留部19を形成する筒状の中間通路用部材,14aは内容物通過用の通路,14bは溝部,14cはステム20に対する誤動作防止用の隙間,
15は空気排出口15dを形成した弁部材,15aは縁部,15bは当該弁部材とカバー体10によって囲まれた上側空間部,15cは当該弁部材,中間通路用部材14およびカバー体10に囲まれて外部空間に連通する下側空間部,15dは当該上側空間部の遅延動作用空気を排出する孔部,
16は空気排出調整用のフェルト,
17は空気排出口を形成していない弁部材,17aは縁部,17bは外部空間に連通する上側空間部,17cは下側空間部,
18は弁部材15,17に嵌合し、操作部材11,12の柱状部11c,12cに密接する弁作用部,
19は中間通路用部材14および弁部材15などによって特定される内容物一時貯留部,
20はステム,
21はマウンテンキャップ,21aはマウンテンキャップ21とカバー体10との隙間,
22は容器,
23は外部空間,
をそれぞれ示している。
【0024】
遅延噴射機構1は、
・マウンテンキャップ21aに固定されたカバー体10,
・回動操作により下動する操作部材11,
・操作部材11の下動によってステム20を押圧する中間通路用部材14,
・内容物の圧力によって上動する弁部材15,
・弁部材15に連動して操作部材11の孔部11dを開状態に設定する弁作用部18,
などから構成されている。
【0025】
遅延噴射機構1のカバー体10の内部は、
・弁部材15および中間通路用部材14などによって囲まれた内容物一時貯留部19,
・弁部材15の孔部15d,下側空間部15cおよびカバー体10の外部空間連通口10eなどを介して、外部空間23に連通する上側空間部15b、
・カバー体10の外部空間連通口10eや、カバー体10とマウンテンキャップ21との隙間21aを介して、外部空間23に連通する下側空間部15c、
に大別される。
【0026】
図1の静止モードでは、操作部材11の突状部11bがカバー体10の上側凹状部10aに係止されている。
【0027】
このとき、
・柱状部11cの下端面が中間通路用部材14の底面部分(=溝部14bの上端部分)に当接し、
・弁作用部18が柱状部11cの孔部11dを閉塞し、
・中間通路用部材14とステム20との隙間14cが形成されている。
【0028】
なお、中間通路用部材14とステム20の隙間14cは、搬送中の何らかの衝撃や、操作部材11に対する誤操作によって柱状部11cがいくらか下動した場合に、ステム20が押圧されて作動モードに移行することを防止するためのものである。
【0029】
図2の作動モードにする、すなわち図1の状態の回動操作部11aを図示の時計方向に回すと、
・カバー体10の上側凹状部10aに係止していた操作部材11の突状部11bはレール部10cに案内されながら移動して下側凹状部10bに係止し、
・柱状部11cも、突状部11bが下方向に移動した分だけ下動し、中間通路用部材14を押し下げ、
・この押下げ分だけステム20が押圧される。
【0030】
このとき柱状部11cに連動するかたちで弁作用部18および弁部材15も下動する。
【0031】
ステム20が押圧されたことにより、内容物は容器22からステム20,通路14a,溝部14bを通って、内容物一時貯留部19に流入する。
【0032】
そして、
・内容物一時貯留部19の内部圧力が高まり、
・その圧力によって弁部材15および弁作用部18は、実線矢印で示すように上動し始め、
・上側空間部15bの空気は、弁部材15の上動に対応した分だけ破線矢印で示すようにフェルト16−空気排出用孔部15d−下側空間部15cを通過して、外部空間連通口10eやマウンテンキャップ21とカバー体10との隙間21aから外部空間23に排出される。
【0033】
このように、弁部材15の上動に応じて容積が小さくなる上側空間部15bの余分な空気は層流状態となって外部空間23に円滑に排出されることになり、弁部材15や弁作用部18の上動動作もスムーズである。
【0034】
図3に示すように、噴射状態では、弁部材15がさらに上動して操作部材11の孔部11dが弁作用部18の下側に位置する、すなわち開状態となるので、内容物は当該孔部および噴射用通路11eを通過して噴射口13から外部空間23に噴射される。
【0035】
したがって、噴射操作から実際の内容物噴射開始までの遅延時間は、回動操作部11を回してから内容物噴射用の孔部11dが開くまでの時間であり、これは弁部材15の上動速度(上側空間部15bから下側空間部15cへのいわば空気排出速度)に依存する。
【0036】
なお、孔部11dが開くと容器22の内容物が外部空間23に噴射され、その圧力が低下するため、一時貯留部19の内部圧力も低下し弁部材15を押し上げる力が弱くなる。しかし、そのときには弁部材15の縁部15aがカバー体10内周面の凹部10fに位置して両者間の摩擦が小さくなるので、弁部材15は孔部11dが開いた後にも弁作用部18がカバー体10の小径部10dに当接するまで円滑に上動する。
【0037】
空気排出用の孔部15dの数やその径は任意である。当該孔部の数を増減したりその径を変えることによって、弁部材15の上動速度を調整して所望の遅延噴射時間を設定した遅延噴射機構にすることができる。
【0038】
空気排出調整用部材のフェルト16は設けるかどうかは任意である。フェルト16に代えてスポンジ、不織布などの部材を設けてもよい。例えば、同一の径や数の空気排出用孔部が形成されている弁部材に、異なる材質の空気排出調整用部材をセットするだけで種々の遅延時間を設定した遅延噴射機構を提供できる。
【0039】
図4は、柱状部12cの外周面に溝部12dを形成した操作部材12を用いた遅延噴射機構2である。なお、遅延噴射機構1との基本的な違いは上側空間部17bの空気排出経路である。
【0040】
遅延噴射機構2では、
・上側空間部17bは溝部12d、およびカバー体10と操作部材12との隙間12gを介して外部空間23と連通し、
・下側空間部17cは遅延噴射機構1の場合と同じように外部空間連通口10eや隙間21aを介して外部空間23と連通している。
【0041】
図4は、遅延噴射機構1の図2の状態に対応している。すなわち、静止モード (図示省略)において回動操作部12aを時計方向に回した後の作動モードにおける初期段階である。
【0042】
操作部材12の突状部12bがカバー体10の上側凹状部10aから下側凹状部10bまで下動し、その柱状部12cでステム20を押し下げている。
【0043】
そして、
・容器22の内容物は、実線矢印で示すように一時貯留部19に流入してその圧力で弁部材17や弁作用部18を押し上げ、
・上側空間部17bの空気は、弁部材17の上動に対応した分だけ破線矢印で示すように溝部12dおよび隙間12gなどを経て外部空間23に排出される。
【0044】
このとき、
・弁部材17の上動に応じて容積が小さくなる上側空間部17bの空気は層流状態となって外部空間23に排出され、
・弁部材17の上動に応じて容積が大きくなる下側空間部17cには外気が外部空間連通口10eや隙間21aを介して流入するので、
弁部材17および弁作用部18は上方向にスムーズに移動していく。
【0045】
弁部材17が図示の位置よりさらに上動して内容物噴射用の孔部12eが弁作用部18の下側に位置すると、内容物は当該孔部および噴射用通路12fを通過して噴射口13から外部空間23に噴射される。
【0046】
内容物噴射の遅延時間は、遅延噴射機構1の場合と同じく、回動操作部12aを回してから内容物噴射用の孔部12eが開くまでの時間である。これは弁部材17の上動速度に依存する。
【0047】
また、遅延噴射機構1と同様に、内容物が噴射し始めると、内容物の圧力低下により弁部材17を押し上げる力が弱くなるが、そのときには弁部材17の縁部17aがカバー体10内周面の凹部10fに位置して両者間の摩擦を小さくなるようにしているので、弁部材17は内容物噴射用の孔部12eが開いた後にも弁作用部18がカバー体10の小径部10dに当接するまで円滑に上動する。
【0048】
溝部12dの深さや幅を変えることによって単位時間あたりの空気排出量を増減することができ、所望の遅延噴射時間を設定することができる。また、溝部は、カバー体10の小径部10dに形成してもよく、あるいは柱状部12cと小径部10dとの双方に形成してもよい。
【0049】
遅延噴射機構1,2において、カバー体10に操作部材11,12の突状部11b,12bを案内するレール部10cを形成せずに、操作部材11,12を押し下げたときに、その押圧力で当該操作部材の突状部11b,12bがカバー体10の上側凹状部10aを乗り越えて下側凹状部10bに係止されるようにしてもよい。
【0050】
以上の遅延噴射機構を用いたエアゾール式製品としては、殺虫剤,洗浄剤,清掃剤などがある。
【0051】
エアゾール式製品の内容物には、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えばタルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などである。また、紫外線吸収剤,油性原料,界面活性剤,保湿剤,高分子化合物,酸化防止剤,金属イオン封鎖剤なども用いる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、このように、噴射操作に基づく弁部材の移動にともなって容積が小さくなる空間域の遅延動作用の気体をいわば層流状態にして外部空間に排出するので、弁部材を内容物の噴射位置へとスムーズに移動させ、かつ当該気体の収納用閉空間部の省略化を図ることができる。
【0053】
また、弁部材に形成した排気用孔部およびこれに続く外部空間連通域を遅延動作用気体の排出部としているので、遅延動作時の弁部材の移動にともなっていわば余分となった内部気体を外部空間に効率的に排出することができる。
【0054】
また、排気用孔部に通じる部分に遅延動作用気体の排出に対する抵抗部材を設けているので、遅延時間の拡大化を図り、さらには抵抗部材に応じて遅延時間を選択的に設定することができる。
【0055】
また、弁部材とは別の、噴射出力部材(鞘状部)と容器カバー体との当接対象部分に、形成した溝状部を遅延動作用気体の排出部として、可動部材である弁部材が排気用孔部を設けて重量バランスをくずすといったことをなくしているので、遅延動作時の弁部材の移動を円滑なものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、弁部材15に空気排出用孔部を形成した遅延噴射機構の静止モードを示す説明図である。
【図2】図1の遅延噴射機構における作動モードの初期段階 (孔部11d:閉状態)を示す説明図である。
【図3】図2に続く噴射段階(孔部11d:開状態)を示す説明図である。
【図4】本発明の、柱状部12cに空気排出用の溝部を形成した遅延噴射機構における作動モードの初期段階 (孔部12e:閉状態)を示す説明図である。
【図5】従来の、遅延噴射機構を備えたエアゾール容器における噴射過程を示す説明図である。
【符号の説明】
1:遅延噴射機構(その1)
2:遅延噴射機構(その2)
10:カバー体
10a:上側凹状部
10b:下側凹状部
10c:レール部
10d:小径部
10e:外部空間連通口
10f:凹部
11:操作部材
11a:回動操作部
11b:突状部
11c:柱状部
11d:孔部
11e:通路,
12:操作部材
12a:回動操作部
12b:突状部
12c:柱状部
12d:溝部
12e:孔部
12f:通路
12g:隙間
13:噴射口
14:中間通路用部材
14b:溝部
14c:隙間
15:弁部材
15a:縁部
15b:上側空間部
15c:下側空間部
15d:空気排出用孔部
16:フェルト
17:弁部材
17a:縁部
17b:上側空間部
17c:下側空間部
18:弁作用部
19:内容物一時貯留部
20:ステム
21:マウンテンキャップ
21a:隙間
22:容器
23:外部空間

Claims (3)

  1. 噴射操作時から遅れて容器の内容物が外部空間に噴射される遅延噴射機構において、
    ステムの出力側に取り付けられて噴射操作時に前記内容物の一時貯留部を形成する筒状の中間通路用部材と、
    前記一時貯留部の構成要素であり、ステム下流側に配されて遅延噴射用の内容物通過孔部およびこれの下流側で外部空間へと続く内容物通路を有する鞘状のもので、噴射操作時に前記中間通路用部材および前記ステムを作動モードの位置に移動させるとともに、自らは噴射操作後の位置に保持される噴射出力部材と、
    前記一時貯留部の構成要素であり、前記噴射出力部材の周囲に配されて前記内容物通過孔部に対する弁機能を持ち、作動モードの前記ステムから当該一時貯留部に流入する前記内容物の圧力により移動して当該内容物通過孔部をその閉状態から開状態に変化させる弁部材と、
    前記噴射出力部材の外周面部分および前記弁部材に当接して、当該各部材のそれぞれとの間で囲まれた形の遅延作動用の空間部を、その容積が当該弁部材の移動に応じて変化する態様で、設定する容器カバー体と、を備え、
    前記噴射出力部材および前記容器カバー体の前記当接部分の少なくとも一方に、前記空間部を外部空間と連通させるための溝状部を形成した、
    ことを特徴とする遅延噴射機構。
  2. 前記容器カバー体は、
    前記弁部材と当接する内周面部分を有しており、
    前記内容物通過孔部の開状態の弁部材位置に対応する前記内周面部分の径が、当該内容物通過孔部の閉状態の弁部材位置に対応する前記内周面部分の径よりも大きく設定され、当接にともなう前記弁部材との間の摩擦力が当該閉状態のときよりも当該開状態のときに小さくなる態様のものである、
    ことを特徴とする請求項1記載の遅延噴射機構。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遅延噴射機構を備え、かつ、充填ガスおよび内容物を収納した、
    ことを特徴とするエアゾール式製品。
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